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牛肝臓の生食(「レバ刺し」等)に関するよくある質問
平成24年6月12日
Q1 なぜ、生の牛肝臓(「レバ刺し」等)を食べてはいけないのですか?
A1
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牛の肝臓の内部からは、腸管出血性大腸菌が検出されており、生で食べると、十分に衛生管理を行った新鮮なものであっても、食中毒が発生することがあるためです。
と畜場で解体された、牛の肝臓内部から重篤な疾患を併発する食中毒を起こす腸管出血性大腸菌が検出されました。また、牛の約1割が腸管出血性大腸菌を保菌しているとの報告もあります。現段階では、腸管出血性大腸菌を保有している牛の選別方法や、肝臓内の腸管出血性大腸菌の有無を効果的に確認できる方法、消毒液による洗浄方法等、有効な予防対策は見いだせていません。
鮮度及び衛生管理に関わらず、牛の肝臓を生で食べると、腸管出血性大腸菌を原因とする食中毒が発生する可能性があります。 -
腸管出血性大腸菌は、少数の菌だけでも、重い病気を引き起こします。
腸管出血性大腸菌は、2〜9個の菌の摂取で食中毒が発生した事例が報告されています。溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症などの重篤な疾患を併発し、死に至ることもあるとされています。HUSは腸管出血性大腸菌感染者の約10〜15%で発症し、HUS発症者の約1〜5%が死亡するとされています。なお、腸管出血性大腸菌はヒトからヒトへ2次感染することもあるので注意が必要です。
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実際に、牛肝臓の生食を原因とした食中毒が起きています。
平成10〜23年の間に厚生労働省に報告された食中毒のうち、生食用肝臓等(推定も含む)を原因とする食中毒は128件(患者数852人)、さらに、腸管出血性大腸菌によるものは22件(患者数79人)です。
平成23年7月に、厚生労働省は、生食用牛肝臓の提供の自粛を要請しましたが、その後にも、生食用牛肝臓等(推定も含む)による食中毒が4件(患者数13人)(平成24年4月末時点)報告されています。 -
このため、牛肝臓の生食の安全性を確保できる新たな知見が得られるまでの当面の間、牛肝臓を生食用として販売することを禁止することとしました。
平成24年7月1日から生食用牛肝臓の提供が禁止されます。
現段階で、牛肝臓を安全に食べる方法は、加熱することだけです。
腸管出血性大腸菌は75℃で1分間以上の加熱で死滅するとされていますので、牛肝臓は加熱してお召し上がり下さい。
Q2 完全に禁止しなくても、牛肝臓を安全に食べる方法はないのですか。
A2
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牛肝臓の生食を禁止しなくても食中毒を防ぐ方法がないか、次のような方法についても検討しましたが、有効な予防対策を見い出すことができませんでした。
牛肝臓の表面だけではなく内部に腸管出血性大腸菌が存在することや、肝臓のどこに菌が存在するか分からないことなどから、次のような方法では、牛肝臓を安全に生食するための予防対策にはならないことが分かりました。
- 適切な衛生管理を行う
腸管出血性大腸菌は、牛肝臓の表面ではなく、内部に存在することが確認されました。
このため、衛生的に管理をしても、肝臓内部が腸管出血性大腸菌に汚染されている場合は、腸管出血性大腸菌の食中毒が発生する恐れがあります。 - 免許制などにより、生の牛肝臓の専門の業者だけが取り扱う
危険な部位が特定されているわけではなく、肝臓内部のあらゆる部位に菌が存在し得るため、専門の業者が取り扱っても、肝臓内部の腸管出血性大腸菌の汚染を取り除くことができません。 - 検査によって、腸管出血性大腸菌のない牛肝臓のみを選別する
牛の糞便の検査により、その個体の肝臓が腸管出血性大腸菌に汚染されているか選別できる訳ではありません。また、肝臓内の腸管出血性大腸菌を検査する有効な方法はなく、牛肝臓の安全性を確認する方法は現段階ではありません。 - 消毒薬や、放射線照射等によって殺菌する
高濃度の塩素系消毒薬で肝臓表面の腸管出血性大腸菌を殺菌できることは分かっていますが、通常の濃度の消毒薬による効果や、肝臓内部の菌への効果は確立されていません。
紫外線照射では、表面汚染に効果があっても、内部に存在する腸管出血性大腸菌を殺菌することはできないと考えられます。
放射線照射については、安全性や品質に与える影響について、現段階では十分な評価がなされていないため、今後更なる研究が必要です。 - 子どもやお年寄りだけが食べないようする
生の牛肝臓の内部の腸管出血性大腸菌への汚染は避けることができません。また、腸管出血性大腸菌は、少数の菌だけでも食中毒を引き起こします。
腸管出血性大腸菌感染症にかかる方の割合は、若年層と高齢者で高くなっていますが、ほかの年代の方も感染し発症することがあるため、摂食者を限定することでは、安全性を確保できないと考えられています。
- 適切な衛生管理を行う
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このため、牛肝臓の生食の安全性を確保できる新たな知見が得られるまでの当面の間、生食用としての提供を禁止することとしましたが、今後、研究などが進み、安全に食べられる方法が見つかれば、規制を見直していきたいと考えています。
Q3 新鮮なものを、きちんと冷蔵すれば食べられますか?
A3
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十分な衛生管理を行った新鮮なものであっても、牛の肝臓を生で食べることはやめましょう。
牛の肝臓内部から重篤な疾患を併発する食中毒を起こす腸管出血性大腸菌が検出されています。また、牛の約1割が腸管出血性大腸菌を保菌しているとの報告もあります。
鮮度、保存状況、衛生管理等に関わらず、食中毒が発生する可能性があるため、牛肝臓の生食はやめましょう。
Q4 自宅で自分で調理すれば、生のまま食べてもいいのですか?
A4
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自宅であっても、牛肝臓の生食はやめましょう。
牛の肝臓内部から腸管出血性大腸菌が検出されているため、鮮度、保存状況、衛生管理等に関わらず、食中毒が発生する可能性があります。自宅であっても、牛肝臓の生食はやめましょう。
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禁止の対象には、自宅用の牛肝臓の生食用として販売することも含まれます。
平成24年7月1日から牛肝臓の生食用としての提供が禁止されます。禁止の対象には、自宅用の牛肝臓の生食用としての販売も含まれます。販売が認められるのは、加熱用の牛肝臓のみになります。
Q5 飲食店で、お客さんの責任で食べるのであれば、構わないのですか?
A5
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飲食店事業者は、加熱用設備を提供し、中心部まで十分な加熱を要する等の情報提供を行い、消費者が加熱せずに食べている場合には、加熱して食べるよう注意喚起をする必要があります。
飲食店事業者は、消費者が店で自ら調理して食べる場合には、加熱用設備を提供する必要があります。
また、消費者が牛の肝臓を中心部まで十分に加熱して食べるよう、「加熱用であること」「調理の際に中心部まで加熱する必要があること」「食中毒の危険性があるため生では食べられないこと」等の情報提供を、掲示等により行うことが求められます。
もし、消費者が生で食べている場合等には、加熱して食べていただくよう注意喚起をすることが必要です。
Q6 牛肝臓だけが危ないのですか?その他の動物の肉等は生で食べてもよいのですか?
A6
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腸管出血性大腸菌は、重い病気を引き起こすことから、腸管出血性大腸菌が検出されやすい、牛の肉・肝臓の生食を特に規制の対象としました。
腸管出血性大腸菌は、少数の菌だけでも、重篤な疾患を併発する食中毒を起こすため、この菌によるリスクが大きいと考えられる牛の肉や肝臓については、国民の健康保護の観点から特に規制することとしました。
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牛肝臓だけでなく、他の動物の肉や内臓も、生で食べると、食中毒の危険があります。
他の動物の肉などについても、腸管出血性大腸菌以外の食中毒をおこす細菌やウイルス等の危険性がありますので、中心部まで十分加熱調理して食べることが重要です。特に、子供、高齢者などの抵抗力の弱い方については、生肉を食べないよう、また食べさせないようにしていただくことが必要です。
今後、公衆衛生上対応が必要と考えられる食品については、その取扱いについて検討することとしています。(参考)E型肝炎ウイルスの感染事例についてQ&Aは、こちらをご参照下さい。
ご注意ください!お肉の生食・加熱不足による食中毒(政府広報)
Q7 牡蠣(かき)、刺身なども危ないのではないですか?
A7
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牡蠣(かき)や刺身についても、生食にはリスクがあることから、食品衛生法に基づいて規格・基準を定めています。
生食用として用いられる牡蠣(かき)や刺身については、衛生管理により食中毒のリスクを減らすため、微生物に関する成分規格や加工の基準、保存の基準が食品衛生法に基づき定められており、この規格・基準に適合する食品に限って、販売や提供が認められています。
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牡蠣(かき)などについては、ノロウイルスにも注意しましょう。
牡蠣(かき)などはノロウイルスによる食中毒が多く発生しています。ノロウイルスは一般的に腸管出血性大腸菌ほど重篤な症状は起こしませんが、特に子供やお年寄りなどの抵抗力が弱い方は十分に加熱して食べましょう。
(参考)ノロウイルスに関するQ&Aは、こちらをご参照下さい。
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