平成23年2月22日
更新:平成23年2月24日
安全性未審査の遺伝子組換えパパイヤについて
平成23年2月22日に農林水産省が公表し、今後種子の検査が行われることとなる遺伝子組換えパパイヤについて情報をまとめましたので、お知らせいたします。
(1) 厚生労働省の対応について
今回、農林水産省が公表した遺伝子組換えパパイヤは、食品衛生法においても安全性が未審査であり、販売等が禁止される食品に該当することになります。
厚生労働省としては、このパパイヤの食品への混入を確認する検査法を新たに開発しましたので、流通食品の監視に用いることができるよう、これを国内の各自治体に通知しています。また、検査法の開発過程でこのパパイヤの遺伝子が検出される食品も確認されましたので、食品衛生法に違反する食品が流通しないよう適切な対応を、関係する自治体に対し依頼しています。
また、外国産のパパイヤについても、念のため輸入時のモニタリング検査を行うこととしています。
○ 安全性未審査の遺伝子組換えパパイヤ(PRSV-YK)の暫定検査法について(PDF:629KB)
(2) このパパイヤの安全性に関する情報について
この遺伝子組換えパパイヤは、台湾で研究中の遺伝子組換えパパイヤの導入遺伝子と同様の塩基配列を持つことが分かっています。
このパパイヤは、現時点で各国の安全性確認の申請が行われていないので、安全性の詳細は不明ではありますが、国立医薬品食品衛生研究所の協力により、このパパイヤ品種の安全性に関する情報について海外の研究報告等を調べたところ、台湾にある財団法人国家実験研究院科技政策研究情報センターのウェブサイトに掲載されている公的研究の結果報告から、次のような情報が確認できています。
アレルギー性に関して
・ このパパイヤの組換えタンパク質を、アレルゲンデータベースを用いて既知のアレルゲンと比較したところ、既知のアレルゲンとの相同性は50%未満であった。
・ 細胞を用いたサイトカイン分泌試験において、遺伝子組換えでないパパイヤと比較して顕著な差は認められなかった。
毒性に関して
・ 米国環境保護庁(USEPA)や経済協力開発機構(OECD)の試験法にも適合した方法で実施した、遺伝毒性試験(Ames試験)において、陰性の結果が得られた。
また、28日間の反復経口投与毒性試験等の毒性試験を台湾の中興大學が行っており、遺伝子組換えパパイヤが遺伝子組換えでないパパイヤと安全性の面で同等であったと結論づけられています。
なお、この遺伝子組換えパパイヤの摂食による危害に繋がるような情報は今のところ確認されていませんが、引き続き情報収集に努めていきます。
(3) 自治体等が公表した回収情報等について
○ パパイヤ製品の回収命令について(平成23年2月23日 宮崎市公表)(PDF:115KB)
<< 参考資料 >>
○ 農林水産省ホームページ
遺伝子組換え体混入の可能性のあるパパイヤの検査について(平成23年2月22日公表)
遺伝子組換え体混入の可能性のあるパパイヤについて(遺伝子組換えパパイヤの情報ページ)
○ 環境省ホームページ
未承認の遺伝子組換えパパイヤの種子の混入に関する検査の実施について(平成23年2月22日公表)
問い合わせ先
厚生労働省
医薬食品局食品安全部監視安全課
TEL:(代表)03-5253-1111(内線4241、4242)
(直通)03-3595-2337
担当:大原、今村