平成17年4月14日 厚生労働省食品安全部 桑崎 監視安全課長 担当:鶏内、山本 電話 03-5253-1111(2477、2447) (平成17年4月21日改訂) (平成19年2月8日改訂) |
中国における安全性未審査の遺伝子組換え米の流通・混入事例について
標記について、4月13日付けのグリーンピースのウェブサイト
(http://www.greenpeace.org/international/news/scandal-greenpeace-exposes-il)及び平成18年9月5日付けのウェブサイト(http://www.greenpeace.org/international/press/releases/illegal-genetically-engineered)に、記事が掲載され、輸入時の検査の結果、中国産ビーフン等において遺伝子組換え米の混入が確認されたため、関連情報を整理してQ&Aとしてまとめましたので情報提供いたします。
Q.1 | 中国で遺伝子組換え米が栽培されていたとの報道がありましたが、これはどのような事例ですか。 |
A.1 |
グリーンピースの平成17年4月13日のウェブサイトによると、中国湖北省において、未承認の遺伝子組換え米が栽培、販売されていたとのことです。グリーンピースの検査では、米の種子2検体から害虫抵抗性のBtタンパク質の一種が検出されました。Btタンパク質とは、Bacillus thuringiensisという細菌由来のタンパク質で、これを食べた特定の害虫を死なせる効果があり、害虫抵抗性を植物に持たせるために、これを生成する遺伝子を利用した遺伝子組換え食品がつくられています。また、9月5日付けのウェブサイトによると、グリーンピース等が米加工品(ビーフン等)を検査したところ、中国からの遺伝子組換え米がフランス、ドイツ及びイギリスの食品に含まれていたと公表しました。 |
Q.2 | 中国から輸入される米に遺伝子組換えのものは含まれていませんか。 |
A.2 | 中国産米については、従来より検査を実施していますが、これまで遺伝子組換え米の混入は確認されていません。 |
Q.3 | 中国産の米加工品に安全性未審査の遺伝子組換え米が混入していた事例とはどのようなものですか。 |
A.3 |
厚生労働省は、平成18年9月5日付けのグリーンピースの公表情報を入手した後、直ちにEU及び中国に対し、本件に係る詳細な事実関係や対応状況、当該製品の我が国への輸出の可能性、組換え遺伝子の情報など詳細についての情報提供を求めるとともに、9月26日に文献等を参考にして、安全性未審査の中国産米加工品の検知法を開発し、検疫所でモニタリング検査を実施してきました。その結果、平成19年1月26日に中国産米加工品(ビーフン等)において安全性未審査の遺伝子組換え米が混入していた事例が確認され、その旨を公表しました。 平成19年1月26日の公表資料 (https://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/01/h0126-3.html) |
Q.4 | この遺伝子組換え米を食用とした場合、人の健康上の問題はありますか。 |
A.4 |
グリーンピースによると、米から検出されたBtタンパク質は、Cry1Acタンパク質とのことです。このタンパク質は、既に日本で安全性の確認がなされている遺伝子組換え食品にも含まれています。 |
Q.5 | 日本で遺伝子組換え米が発見された場合、どのような措置がとられますか。 |
A.5 |
日本では、遺伝子組換えした米で安全性の確認がされたものはなく、どのような種類の遺伝子が組み込まれていたものでも、食品衛生法違反となり、輸入、販売等が禁止されています。したがって、遺伝子組換え米が発見された場合には、それを取り扱っている事業者に対しこれを回収、廃棄させる等必要な措置がとられることになります。 |
Q.6 | 厚生労働省では今後どのような対応をとりますか。 |
A.6 | 厚生労働省では、厚生労働省では、安全性未審査の遺伝子組換え米を含むビーフン等の製造業者が製造した中国産米加工品については、輸入時の検査を指示するとともに、当該製造業者から既に輸入されたものについては、都道府県等を通じて遺伝子組換え米を含有しているか否かの確認を行っています。また、検疫所において中国産米及び当該製造者以外の製造業者のビーフン等を対象に遺伝子組換え米が含まれていないか検査を実施しています。 |