戻る

平成16年9月16日
照会先: 厚生労働省医薬食品局食品安全部
中垣 基準審査課長
担当: 鷲見、福島(内線 2484、4280)

米から有機ヒ素化合物が検出されたという茨城県の発表について(Q&A)


 本日、茨城県が、茨城県神栖町において農業用井戸水及びその水を使用した産米を検査したところ、自然界には存在しない有機ヒ素化合物であるジフェニルアルシン酸(DPAA)が検出された旨発表しました。

 それを受けて、食品衛生法上の取扱い等についてQ&Aを作成しましたので情報提供いたします。


参考資料−茨城県の報道発表資料



米から検出された有機ヒ素化合物に関するQ&A

問1  ジフェニルアルシン酸(DPAA)を含む米を食べても、大丈夫ですか?

 ジフェニルアルシン酸(DPAA)については、環境省で種々の毒性試験等が実施されているところであり、現時点では毒性に関する知見が限定されています。環境省によると、ねずみ(ラット)を用いた28日間反復経口投与試験においては、0.3mg/kg体重/日では何ら有害な影響はみられなかったとのことです。

 また、茨城県が実施した調査結果によると、今回DPAAが検出された米を常食していた当該米の生産者とそのご家族の方の生体試料(毛髪や手足の爪)からはDPAAが検出されなかったこと(注)、当該米の一般流通量は限定されていること(約5.5トン)などから、一般の消費者がこれらの米を摂食したことによって、健康上の悪影響が生じる懸念は極めて少ないものと考えています。

(注)茨城県神栖町におけるDPAAによる汚染が確認された井戸の水を飲用に供していた住宅に居住し、又は居住していた方であって、DPAAの曝露が確認された方(毛髪等の生体試料により、DPAAが検出されたものとして、環境省に設置する臨床医学等の専門家からなる検討会の審査を経た方)については、環境省が実施している緊急措置事業により医療給付の対象となっています。


問2  有機ヒ素化合物であるジフェニルアルシン酸(DPAA)が検出された米は、食品衛生法に違反するのではないか?

 食品衛生法第6条第2号において、有毒・有害な食品の販売等は禁止されています。

 ジフェニルアルシン酸(DPAA)については、現在、環境省で種々の毒性試験等が実施されているところであって、毒性に関する知見が限定されていることなどから、現段階において、食品衛生法第6条第2号に違反すると判断することは困難です。


トップへ
戻る