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第4回社会保障審議会医療保険部会 治療用装具療養費検討専門委員会議事録(2019年9月6日)
○日時
令和元年9月6日(金)14時35分~ 15時00分
○場所
TKP新橋カンファレンスセンター新館 ホール12E
○出席者
<委員等 敬称略> |
遠藤久夫(座長) 新田秀樹 釜萢敏 清水恵一郎 |
中野一久(代理) 幸野庄司 |
徳田章三 時吉重雄 野坂利也 |
<事務局> |
濵谷保険局長 八神審議官 樋口保険医療企画調査室長 他 |
○議題
・ 既製品装具のリスト収載検討ワーキンググループの報告について
・ 治療用装具に係る療養費の適正化等について
○議事
○遠藤座長
それでは、ただいまより、第4回「社会保障審議会医療保険部会治療用装具療養費検討専門委員会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
まず、初めに委員の交代について御報告をいたします。
永野委員にかわりまして橋爪幸代委員、飯山委員にかわりまして中野透委員、髙橋委員にかわりまして時吉重雄委員、坂井委員にかわりまして野坂利也委員が、当専門委員会の委員として発令されております。
続きまして、委員の出欠状況について御報告いたします。
本日は、橋爪委員、藤井委員、中野委員、村岡委員、橋本委員が御欠席です。
また、欠席委員のかわりに出席される方についてお諮りをいたします。
藤井委員の代理としまして中野参考人の御出席につきまして、御承認いただければと思いますが、よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○遠藤座長
ありがとうございます。
それでは、議事に入らせていただきます。
本日は「既製品装具のリスト収載検討ワーキンググループの報告について」及び「治療用装具に係る療養費の適正化等について」を議題といたします。
事務局より資料が出されておりますので、事務局から説明をお願いいたします。
○保険医療企画調査室長
保険医療企画調査室長です。
資料は、右肩に「治-1」と書いている資料から御説明したいと思います。
治療用装具は、基本的にオーダーメイドを基本としているということでありますが、既製品装具も効率的に使えるということで対象とされてきておりましたが、どういったものが対象になるのか明確でないということで、リスト化につきまして、この専門委員会で御議論をいただき、さらに専門的な内容を個々にやっていかなければいけないということで、ワーキンググループを設置して進めてきているということでございます。
そういったリスト化のもともとの経緯でありますとか、ワーキンググループそのものの内容につきましては、平成29年12月17日の資料を添付させていただいておりますが、時間の関係で、個々の説明は省略させていただきたいと思います。
項目が1ページに1、2、3とありまして、3つ目の、このワーキンググループの実施状況をまとめた資料をごらんいただければと思います。ページでいうと、10ページ目以降でございます。
まず、11ページ目でありますが、開催状況であります。第1回の平成30年3月23日から第4回まで開催しているということであります。
それぞれの内容につきましては、議事要旨という形で、今回、12ページ目以降に添付させていただいております。
これも時間の関係で、個々に御紹介は省略いたしますけれども、毎回対象となる品目の提案書を出していただきまして、リスト収載が適当と認められるもの、再度検討するもの、適当と認められないものなどの区分を行いながら議論をしていっていただいているということでございます。
本来でありましたら、このリストに収載するものが適当と認められたものにつきまして、リストアップいたしまして、この専門委員会にお諮りし、了承をいただいたものを通知するという段取りで進めてきたところでございますが、このワーキンググループの議論を進めていく中で、今、この治療用装具の支給額につきましては、障害者の福祉の一環で行われております、補装具の支給基準額、これが上限になっているということでありまして、その基準しかないということで、リスト化に当たっては、基準も一緒に議論すべきだと、そして、基準を決めた上でリストとして出していくべきだと、ワーキンググループで議論していっていただく中で、そういう御意見が出まして、もともとワーキンググループでリスト化と、価格の基準を設定するための調査のあり方を議論する場ということでありましたので、支給基準額についての議論も、あわせて、今、行っているということであります。
基準額の議論を簡単に御紹介いたしますと、第4回、16ページ目でございます。○を3つ打っておりまして、3つ目の検討の要旨、次の17ページの2番「既製品装具の適正な基準価格の設定等」という項目でございます。
1つの分野の治療用装具を例にとりまして、複数の案を、今、価格の基準案として提示いただいて議論を開始したという状況であります。
いずれも適合するに際しての技術料、義肢装具士さんの技術料の部分と、物にかかる部分、これをどう評価するか、どう基準として設定していくかということが提案されて議論がスタートしているということでございます。
まだ、始まったところということでありますが、18ページにもありますように、少し具体の意見も出ておりまして、先ほど申し上げましたように、技術料と物の費用ということがありますが、それは分けて表示するべきであるという意見、もしくは療養費の請求は義肢装具士の関与が前提であるという意見でありますとか、いずれの案も装具の現物に係る費用の考え方は同じであるというような意見。
また、価格を決めるに当たり、なるべく簡易な方法で決めないと徹底されないという意見。
もしくは、利益率については精査が必要であるといった意見。
同一製品で販売価格に大きな差があることは問題であるという意見なども出ているということであります。
これにつきましては、引き続きワーキンググループで議論を進めまして、また、この専門委員会でお諮りできる状況になりますれば、専門委員会でも御議論いただけるように準備を進めたいと考えております。
続きまして、資料「治-2」でございます。治療用装具に係る療養費の適正化等について御説明いたします。
1ページ目から4ページ目までは、現行の仕組みをまとめているものでありますので、御参考にしていただければということであります。
具体的な中身は、5ページ目以降であります。
6ページ目です。「不正事案の概要」と記載しております。
これは、平成29年8月に治療用装具の不適切な請求事案に関する新聞報道がございまして、どういった事案かと申しますと、例が幾つか挙げられておりましたが、装具業者が首を固定する装具を装って安眠枕を作製していた事例でありますとか、例えば、3つ目の項目で言いますと、2足の靴型装具を販売し、1足分と装った領収書を出していた事例などが、例示として出されておりました。
これにつきましては、7ページでありますが、平成29年12月27日に、この専門委員会を開催させていただきまして、支給手続の明確化、現物写真の添付、既製品のリスト化、これは、先ほど御報告させていただいた内容でございますが、こういったことによる改善方法が議論されまして、平成30年2月に通知を発出することによりまして、手続の見直し、写真の添付につきましては、不適切な事案が多い靴型装具について求める。こういった措置が行われてきたということでございます。
そのそれぞれの措置の内容は、8ページ目以降にまとめておりますけれども、手続、義肢装具士の関与、そのタイミング、手続に当たっての領収書でありますとか、必要な手続を記載して明確化したというものでございます。
あと、10ページにございますように、現物写真の添付といたしまして、先ほど申し上げました不適切な請求事案の発生割合が高かったものとして、靴型装具について現物写真の添付を求めるということで始めております。
この現物写真の添付につきましては、10ページの資料の真ん中のほうに書いておりますけれども、対応後の状況を見ながら、さらに現物写真の添付を求める対象範囲については検討課題だとされております。
また、※印の2つ目でありますけれども、現状、全ての支給申請にあらかじめ現物写真の添付を求めている保険者もありまして、引き続き、保険者の判断で、必要に応じ、現実写真を求めること、これ自体は差し支えないとされていたものでございます。
一番下に書いておりますが、現物写真の添付を求める対象範囲につきましては、被保険者や保険者の負担、また、後で御紹介させていただきますが、健康保険組合連合会の公表等も踏まえまして、どのように考えるか、今後、議論をいただく必要があると考えております。
続きまして、12ページ目以降でありますが、今後の検討の内容であります。13ページに1枚資料をつけさせていただいております。
これは、ことしの4月でございますが、健康保険組合連合会におきまして、愛知県の装具事業者が平成19年から26年に行った療養費の不正請求事案、先ほど、新聞報道でもありましたポツの3つ目の事案でございますが、この事案につきまして、調査結果と不正額の返還状況を発表されたということであります。
これは、参考資料として、その下に、本日添付させていただいておりますが、4月に公表されたということであります。
非常に金額の規模が大きかったということでございますし、また、時間の関係上、細部の内容は御説明いたしませんけれども、インソールの事案でありまして、1足分の整形靴ということで請求されていたけれども、実際は、市販の靴を一部加工したものにインソールをつけたものということで、さらに2足分の請求があったということでありまして、それにつきましては、事業者のほうで、この不正の内容を認めまして、返還をされたという事案であります。
2つ目の○に記載しておりますが、健保連さんの発表によりますと、この事案自体は、この事案も踏まえて当時専門委員会、平成29年12月に議論をいただきまして、一定の改善措置をとったということでございますけれども、なおも、他の事業者による不適切な事例があるということで、さらなる取り組みを厚生労働省に求めていく旨を発表されているということでございます。
これを踏まえまして、今後の検討のところでありますが、療養費のさらなる適正化のために、これまでの改善方法、今まで挙げておりました手続の明確化、現物写真の添付、現在作業中であります既製品のリスト化のほかに、治療用装具について、どのような問題や対応が考えられるか、被保険者や保険者の負担などを踏まえ、今後、検討していくこととしてはどうかとさせていただいております。
説明は、以上でございます。
○遠藤座長
ありがとうございました。
それでは、何か御意見、御質問はございますでしょうか。
德田委員、どうぞ。
○德田委員
ワーキンググループが、これまで1回から4回まで開催されておりますけれども、これにつきまして、ちょっと私のほうからも述べさせていただきたいと思います。
1回から4回までの審査で、リスト収載が適当と認められるものについて、あるいは修正を加えて認められるというものが、これまで34件ございますけれども、やはり、本来の目的であります、療養費の支給対象とすることが適当と認められる既製品はリスト化するという趣旨からすれば、これまで検討されてきたリスト収載が適するというものにつきましては、やはり名前を公表していただくのが適切ではないかと考えております。
今回は件数だけの公表でありますけれども、決定した名前もぜひ公表していただきたいと考えております。
私ども協会は、1年半にわたってワーキングが開催されておりますので、そういうことも十分承知しておりますので、本日の委員会で承認された既製品の名前が出されるということを期待している状況であります。
以上、私のほうからの御報告とさせていただきます。
○遠藤座長
どうもありがとうございます。
ほかに、いかがでございましょうか。
幸野委員、どうぞ。
○幸野委員
健保連の資料について御紹介いただきましたが、私のほうから、今後、この委員会において、どのようなことを検討していかなければならないかというところを、参考資料1.9.6の健保連の出した資料の8ページの2.今後の対応方針について記載しています。今後、この委員会の中で検討していかなければならないと思いますので、具体的にポイントだけを説明させていただきます。
2.「今後の対応方針」で6つほど掲げておりますが、1つ目は「医師の証明書様式の改正等、同意のあり方を見直し」ですが、これが一番重要だと考えておりまして、要は治療用装具につきましては、医師の指示に基づいて作製されるものであり、医師が装着確認をしっかりと行うことができておれば、本来であれば、写真の添付は必要ないもので、医師の証明書様式の改正、同意のあり方について、この検討会の中でしっかりと議論していただきたいと思います。
2つ目は、「補装具と治療用装具の基準の明確化」で、地域によりますと、補装具と治療用装具の基準の格差が見受けられて、補装具と治療用装具の切り分けが明確でなく、二重請求の実態があると聞いております。制度の周知と保険者と自治体の連携、情報連携の仕組みを構築するということが必要だと考えております。
3つ目は、たびたび散見されるのは、「治療材料と治療用装具の基準の明確化」が曖昧になっているというところです。義肢装具士の関与がない事例や、処置の材料、いわゆる特定保険医療材料以外の治療材料などが患者に請求されているケースが見受けられており、通知で認められているもの以外は療養費に該当しないため、取り扱いを明確にして患者に負担させないように対応していただきたいと思います。
4つ目は、先ほどから出ております、「既製品装具のリスト化および適正価格の決定」です。この適正価格の基準を早急に作る必要があるところです。
5つ目は、「治療用装具採型料と義肢装具採寸料の算定基準の明確化」です。この算定項目に療養費との重複請求事例があり、これは、医療機関の場合は、中医協の議論になると思うのですが、適切ではない重複請求が確認できますので、算定要件の明確化、どのような場合に医療機関の算定要件となり、装具業者の積算要件となるのかといったところを明確にしていくということが必要だと思います。
6つ目は、「現物写真を添付する装具について拡大」することです。現在は、靴型装具のみ写真添付を行う通知がされていますが、これを例えば全装具について写真を添付するように拡大する事が必要であると思います。
先ほど言いましたように、医師の装着確認がしっかり担保されれば、このような写真添付は必要ないわけで、これは、医師の装着確認のあり方と同時に、この検討会の中で見直していただきたいと思います。
最後になりますが、資料「治-2」の9ページですが、4の下線部分にあります「オーダーメイド又は既製品の別」のところで、よく散見されますのは、既製品装具に簡単な加工をしたものをオーダーメイドと言って請求してくる事例があることから、オーダーメイド装具と既製品装具の基準を明確にして、装具士の方にも誤りのないように記入をお願いすることと、既製品装具の価格については、オーダーメイドで作成した場合の積算価格で販売する根拠が見出されないため、早急に既製品装具の価格の基準を検討して、現在36ほどある価格については、まだ、決まっていないと伺っておりますので、価格の基準についても早急に検討して、委員会を開き、少しでも早く価格を含めたリスト化進めていただきたいと思います。
以上、意見でございます。
○遠藤座長
ありがとうございました。
ただいまの意見を含めまして、何か御意見がございますか。
では、野坂委員、どうぞ。
○野坂委員
今、今後の対応のところでの6項目の説明をいただいたのですけれども、医師の証明書様式に関しては、処方日、装着日、それから、証明書発行日というのが改定されまして、その辺が明確に記載されるようになったので、1つは、そういうことで整理できるのかなと思うのですけれども、それ以外に、もっと改正が必要であれば、御提示いただければと思っております。
それから、下から2つ目の治療装具採型料に関してなのですけれども、義肢装具士が使っているオーダーメイドでつくる場合なのですけれども、採型料、採寸料とありますけれども、実際には、その中に型をとったという項目の名称ではありますけれども、モデルをつくって修正を加えて、製品を加工する人件費、それから、適合に加わった人件費、アフターフォロー、全てその採型料に含まれているということを、ぜひ御理解いただきたいということ。
それから、医師は採型業務そのものに携わらなくても、多くの時間を割いて採型の確認をしたり、適合、仮合わせ等、多くの時間を要して医師は責任を持ってやっておりますので、その辺を御理解いただいて、基準の明確化をしていただきたいと思っております。
現物写真の添付なのですけれども、体幹装具、特に体につける装具は、下着の上から装着するということもありますので、写真添付ということを利用者の方にお願いすると、なかなかプライバシーが守れないというか、なかなか御理解をいただけないケースが多々あると思っておりますので、その辺の御配慮もぜひお願いしたいと思っております。
以上です。
○遠藤座長
ありがとうございます。
ほかに何かございますか。
どうぞ。
○德田委員
先ほど、野坂委員が言っておりました、現物写真ですが、やはり、現物写真の添付を、靴型装具以外にも広げていくということは、私も反対であります。
先ほど、説明がありましたけれども、コルセット等々は、やはり、顔も全部写る、体幹部を全部写すということになり、本人のプライバシーが損なわれますし、また、個人情報の保護というのが、今、かなり厳しく言われておりますので、特に医療機関などでは、本人情報は外部に出さないということが前提となっておりますので、この辺の観点で、やはり、写真添付を拡大させていくというのは、ちょっと難しい問題があると私は思っております。
○遠藤座長
ありがとうございます。
ほかに、何かございますか。
では、幸野委員、どうぞ。
○幸野委員
先ほどの野坂委員からありましたら、患者のプライバシーについてですが、装具だけを写真添付していただくことは可能ですね。
○野坂委員
それであれば、可能だと思います。
○遠藤座長
幸野委員、何かありますか。
○幸野委員
そのようなものも含めて、写真添付については、やはり、拡大も検討していくべきではないかと思います。
○遠藤座長
ありがとうございます。
大体よろしゅうございますか。
それでは、いろいろな御意見が出ましたので、事務局におかれましては、本日出た意見を踏まえまして、さまざまな検討を進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、以上が、本日の議題の全てでございますので、これにて委員会を終了したいと思いますが、次回の日程について、事務局のほうからお願いいたします。
○保険医療企画調査室長
また、各委員に日程を照会させていただきまして、調整してお知らせしたいと思います。
以上です。
○遠藤座長
それでは、これをもちまして、第4回治療用用具療養費検討専門委員会を終了したいと思います。
どうもありがとうございました。
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