ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(医療保険部会 あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会)> 第15回社会保障審議会医療保険部会 あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会議事録(2017年3月27日)
2017年3月27日 第15回社会保障審議会医療保険部会 あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会議事録
○日時
平成29年3月27日(月)14時00分 ~ 15時30分
○場所
全国都市会館 大ホール(2階)
○出席者
<委員等 敬称略> |
遠藤久夫(座長) 新田秀樹 原田啓一郎 清水恵一郎 |
高橋直人 幸野庄司 村岡晃 宮澤誠也 後藤邦正 |
要信義(代理) 往田和章 小谷田作夫 竹下義樹(代理) |
<事務局> |
鈴木保険局長 濱谷審議官 城総務課長 迫井医療課長 矢田貝保険医療企画調査室長 他 |
○議題
あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費の見直しについて
○議事
13時58分 開会
○遠藤座長
それでは、まだ若干時間がございますけれども、委員の先生方が皆さん御着席ですので、これより第15回「社会保障審議会医療保険部会 あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会」を開催したいと思います。
委員の皆様におかれましては、年度末のお忙しい中、また、季節外れの天候の中、御参集いただきまして、どうもありがとうございます。
初めに、委員の出席状況について御報告を申し上げます。本日は、河野専門委員、飯山専門委員、中村専門委員、糸数専門委員が御欠席でございます。
また、欠席委員のかわりに出席される方についてお諮りしたいと思います。中村専門委員の代理としまして、要参考人、また、糸数専門委員の代理としまして竹下参考人の御出席につきまして、御承認いただければと思いますけれども、よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○遠藤座長
ありがとうございます。
それでは、議事に移らせていただきます。
本日は「あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費の見直しについて」を議題といたします。
事務局から資料が提出されておりますので、事務局から説明をお願いします。
○保険医療企画調査室長
それでは、お手元のあ-1、あ-2につきまして御説明させていただきます。
まず、あ-1でございますが、前回の議論を踏まえまして、何カ所かの修正をしてございます。
その修正箇所について御説明いたしますと、あ-1の1ページの一番下のところで、「2.不正対策」について、「次のような不正対策に取り組むべきである」「その際、具体的な制度設計については」というところでございまして、おめくりいただきますと、もともと不正対策の具体的な制度設計について、「平成29年度中に行うべき」とあったところについて、「平成29年度中のできる限り早期に行うべき」という修文をしてございます。
これにつきましては、4ページの修正とあわせて御説明させていただきますが、前回の御意見で、まず、不正対策の具体的な姿を明らかにして、その上で受領委任制度による指導監督の仕組みというのはあわせて実施していくべきものだという御意見もございましたことを踏まえまして、不正対策の具体的な制度設計は29年中のできる限り早期に行い、それを見きわめ、確認した上で、受領委任制度による指導監督を導入するというたてつけにいたしまして、具体的には4ページの3つ目の○でございます。後ほど御説明いたしますが、るる御説明してきた中で「こうした意見を踏まえ」というところでございますが、「受領委任制度による指導監督の仕組みの導入は、不正対策とあわせて実施すべきであり、今後、その具体的な制度設計については、平成29年度中のできる限り早期に行われる不正対策の具体的な制度設計の内容が適切なものであることを見極め、確認することを前提として、関係者の意見を十分に踏まえて、平成29年度中に行うべきである」という形にしてございます。
同様に、あ-1の5ページの一番下の「4.実施時期」のところにつきましても、最後から2行目の一番後ろからでございますが、「平成29年度中のできる限り早期に行われる不正対策の具体的な制度設計の内容が適切なものであることを見極め、確認することを前提として、受領委任制度による指導監督等の仕組みの具体的な制度設計について、平成29年度中に行い、平成30年度中に受領委任制度と不正対策をあわせて実施できるよう準備を進めるべきである」というように修正してございます。
最後、6ページの一番下の○でございますが、前回、検証についての御意見もございましたので、「実施状況を把握するとともに、検証を行い、検証結果に基づき、必要な見直しを行うべきである」という修文をしてございます。
次に、あ-2の資料をごらんいただきますと、前回、工程表をという御意見もございましたので、ただいまの修文のところも含めまして、「工程表(案)」というもので、事務局のほうで作成したものでございます。
(1)から(5)に掲げる不正対策につきまして、平成29年度中のできる限り早期に具体的な制度設計を行う。下の※に書いてございますが、「不正対策の具体的な制度設計の内容が適切なものであることを見極め、確認することを前提として、不正対策、受領委任制度を実施」とございまして、不正対策については具体的な制度設計を行って、見きわめ、確認した上で、30年度に実施できるものから先行して実施するということ。受領委任制度による指導監督などの仕組みについても、平成29年度中に具体的な制度設計をして、30年度中に実施するという工程表(案)を作成しているものでございます。
あ-1に戻っていただきまして、全文読み上げはもういたしませんけれども、改めまして報告書の全体について、修正箇所も含めて最後に御説明させていただきます。
まず、あ-1の「1.現状」のところは、現状の説明でございますので、省略させていただきます。
1ページの中ほどに「2.不正対策」として先ほど見ていただいた不正対策の具体的な制度設計は、平成29年度中のできる限り早期に行うべきであるとした上で、5つの項目を不正対策のメニューとして並べているという構成になってございます。
2ページ、「(1)患者本人による請求内容の確認」。
「(2)医師の同意・再同意」について。
「(3)長期・頻回の施術等」について。
「(4)往療」について。
「(5)療養費の審査体制」というメニューになっているというところでございます。
3ページの上の「3.指導監督の仕組みの導入」といたしまして「(1)受領委任制度による指導監督の仕組みの導入」ということで、1つ目の○で、不正対策として、何らかの形で、指導監督の仕組みを導入する必要。
2つ目の○で、法律上でやるのは直ちには困難である。
3つ目の○で、受領委任制度を導入し、指導監督の仕組みを導入することについて、7つマル数字が書いてありますが、マル1には、受領委任制度にすることにより、ルールが明文化される。
マル2で、請求の責任が施術者にあると明確に定められる。
マル3で、指導監督が行われる。
マル4で、受領委任の取り扱いの中止や国家資格についての行政処分が行われる。
マル5について、負担の変化によって給付費が増えるということはないと考えられるということ。
次の4ページでございますが、マル6、請求者が患者本人以外であることは変わらないということ。
マル7に、医師の同意書の取得が支給の条件となっているという理由を掲げた上で、4ページの一番上の○でございますが、以上のことから、受領委任制度を導入すべきであると考えられるとした上で、次の○で、「一方」ということで、反対の意見を掲げてございます。特に2段落目で「前提として、他の不正対策を実施して、その効果を見極めた上で、受領委任制度の導入を検討すべきであり、少なくとも、不正対策の具体案とあわせて、受領委任制度の導入を決めるべきとの意見」ということがあり、その下に今回修文しました「こうした意見を踏まえ、受領委任制度による指導監督の仕組みの導入は、不正対策とあわせて実施すべきであり、今後、その具体的な制度設計については、平成29年度中のできる限り早期に行われる不正対策の具体的な制度設計の内容が適切なものであることを見極め、確認することを前提として、関係者の意見を十分に踏まえて、平成29年度中に行う」。さらに「後述するとおり、不正対策については、受領委任制度の施行を待たず実施できる適正化策については、先行して実施すべきである」としてございます。
4ページの下「(2)地方厚生(支)局等による指導監督等」ということで、1つ目の○で、効果的・効率的な指導監督。
2つ目の○で、保険者に対して調査の進捗状況を報告する仕組み。
次の5ページにかかりますが、3つ目の○、実効性のあるペナルティーを課す仕組み。
5ページの一番上の○ですが、登録する仕組み、施術管理者に研修受講や実務経験の要件を課す仕組み。
さらにその下の○で施術録の作成・保存などについての規定ということが書いてございます。
5ページの中ほどに「(3)地方厚生(支)局の体制」について。
その下の「(4)保険者の裁量」ということで、2つ目の○に「これらを踏まえ、受領委任制度に参加するかどうかについては、保険者の裁量によることとすべきである」。
5ページの一番下「4.実施時期」につきましては、先ほども読み上げましたとおり、「不正対策の具体的な制度設計の内容が適切なものであることを見極め、確認することを前提として、受領委任制度による指導監督等の仕組みの具体的な制度設計について、平成29年度中に行い、平成30年度中に受領委任制度と不正対策をあわせて実施できるよう準備を進める」。
次の○で、「不正対策については、受領委任制度の施行を待たず実施できる適正化策については、先行して実施すべきである」。
最後に「実施状況を把握するとともに、検証を行い、検証結果に基づき、必要な見直しを行うべき」。
以上のような(案)になってございます。よろしくお願いいたします。
○遠藤座長
工程表については特段よろしいですか。
○保険医療企画調査室長
工程表につきましても、先ほど御説明いたしましたとおり、今の本文で言いますと、2ページの(1)から(5)に不正対策のメニューが並べられておりますが、これにつきまして、29年度中のできる限り早期というところで具体的な制度設計をすること。そこで、その内容が適切なものであるかどうかを見きわめ、確認するということを前提として、不正対策、受領委任制度を実施するということ。不正対策については、30年度中に実施できるものから先行して実施する。受領委任制度による指導監督などの仕組みについては、29年度中に具体的な制度設計を行って、30年度中に実施するという工程表(案)をお示ししているものでございます。
○遠藤座長
どうもありがとうございます。
このように、前回御指摘をいただいたところを修文しておるわけであります。また、工程表につきましても、事務局からこのような(案)が出されているわけでありますが、皆様、御意見、御質問等いかがでございましょうか。
要参考人、どうぞ。
○要参考人
日本鍼灸師会の要と申します。よろしくお願いします。
資料作成ありがとうございます。
まず、償還払いが原則のもとで、民法上の委任という代理受領は、資料にもありますように、責任の所在が曖昧となっています。不正対策でも受領委任と比べると抑止力が限定的になってしまうと考えております。不正対策と指導監督のセットがあはき療養費に必要であると我々は考えております。
保険という公のお金にかかわることなので、施術者団体としても、不正対策を早急に検討してまいりたいと思っております。
また、不正を行った者に対して、仕組みの中で行政処分を考える、指導監督の仕組みもあわせるということで、適正化につながって、よりよい制度をつくりたいと考えております。
以上です。
○遠藤座長
ありがとうございます。
ほかに御意見ございますか。
幸野臨時委員、どうぞ。
○幸野臨時委員
今まで意見をいろいろ言わせていただきましたが、最終的に出てきた(案)も我々の意見が全く反映されず、一方的に受領委任制度の導入の方向性を決めるような取りまとめになっていますので、全く容認できるものではないということを言っておきます。
受領委任を導入するというのは大変重要な意思決定です。委員の中にこれだけ反対している委員がいるなか、さらに、前回は協会けんぽも、有識者の先生も反対されました。それにも関わらず、受領委任制度導入の方向性を一方的に決められているというのは容認できないので、両論併記にするのが公的審議会の最低のルールだと思います。
厚労省が4ページの1つ目の○、「以上のことから、あはき療養費について、受領委任制度を導入すべきであると考えられる」とありますが、これは厚労省の考えであって、委員会のとりまとめではないので、「受領委任制度を導入するべきであるという意見があった」とまとめるのが筋ではないかということを、まず言わせていただきます。
あと、最後の6ページですが、これは清水先生の意見を反映されたと思うのですが、清水先生はこういう意見は言っておられません。受領委任を導入するのを、いわゆる検証的な導入の仕方をしてはどうかと言われているのであって、受領委任制度の施行後も検証すべきなどということは言っておられません。試行的に入れていこうとおっしゃったのがこのように変わっているかと思いますので、修正していただきたいと思います。
○遠藤座長
清水先生、いかがでしょうか。具体的にお名前を出されたので。
○清水専門委員
ただいま御意見がありました。6ページの一番後ろの○ですね。「上記の不正対策や受領委任制度の施行後も」ということは、施行前にもあるのですね。「施行後に」ではなく「施行後も」の「も」は非常に重い話で、そういう意味で、私が言ったのは、手挙げ方式を含めて試行的なものがあったときに、そこで検証が必要であろうということで、ただ、それと、実際に行うもの、どのぐらいの規模でやるかというのをまた、それはそれぞれの手挙げなのですが、とにかく検証という言葉が今まで欠けていましたので、早い時期にそういったデータの検証を入れてほしいうということで、当然、施行後もやるわけで、その辺のところがこれからの見直しになるのかなと。
ですから、話としては、検証という言葉が今までなかったものですから、前回、お話ししました。ここで「施行後も」の「も」の字がすごく大事で、ということは、手前でも検証すべきことがあると考えております。
以上です。
○遠藤座長
したがって、施行後も行って、その結果によっては必要な見直しを行うべきであるという、この一言については清水先生としてはいかがですか。
○清水専門委員
この文言に関しては全く問題ありません。「も」ということは前にもやることが当然なので、ですから、これに対してはこの2行は修正が必要ないかと思います。
○遠藤座長
ほかに何か、ただいまの幸野臨時委員の御発言に関連してでも結構ですし、そうでないところでも結構でございますけれども、あればお聞きしたいと思いますが、いかがでしょうか。
往田専門委員、どうぞ。
○往田専門委員
往田でございます。
本日の見直し(案)、本当にありがとうございます。
ここで掲げられている不正対策等の項目の中には、受領委任による契約の中でしかなし得ないものも幾つか含まれていると我々は考えております。まさに適正化のためにも、受領委任も含めた制度改革の内容に関して、この取りまとめ(案)を了承いただいて、適正化、これは待ったなしだと思っています。地域包括ケアシステムがもう動いておりまして、我々の業種の中にも真面目に取り組んでいる施術者が多数おります。ただ、一部の不正を行う者たちの影響で、社会的な信頼性がこれ以上低下することに関しては、私ども業団にとっても非常に心を痛めるところでございますので、この取りまとめ(案)の中には多々問題もあろうかとは思いますけれども、とりあえず一歩でも二歩でも前進していくことが大事だと思っておりますので、ぜひ不正対策とあわせた受領委任の早期導入に係る見直し(案)について、進めていっていただきたいと思っております。
以上です。
○遠藤座長
ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
幸野臨時委員、どうぞ。
○幸野臨時委員
私の修正意見は反映されないということですね。
○遠藤座長
事務局、どうぞ。
○保険医療企画調査室長
それはきょうの御議論の結果によるものと考えてございますが、改めましてこの構成について御説明いたしますと、3ページの「(1)受領委任制度による指導監督の仕組みの導入」のところは、まず、指導監督の仕組みを導入する必要がある。法律上には難しいということで、受領委任制度による指導監督の仕組みについては、7つの項目を掲げて、検証して、以上のことからあはき療養費について、受領委任制度は導入すべきであると考えられるという、ここは意見ということではなくて、論理展開としてこういうことが考えられるということを言っているところでございます。
その上で「一方」ということで、「あはき療養費に受領委任制度を導入することについては、療養費は償還払いが原則であり、受領委任制度が導入されている柔道整復療養費について不正がある中では、保険者機能の強化や他の不正対策を行うべきであり、反対であるとの強い意見があった」と、ここは意見の段落でございます。「また、仮に受領委任制度を導入するとしても、まず、前提として、他の不正対策を実施して、その効果を見極めた上で、受領委任制度の導入を検討すべきであり、少なくとも、不正対策の具体案とあわせて、受領委任制度の導入を決めるべきとの意見があった」と、ここも意見に当たるところで、こう考えられるけれども、一方、こういう意見があったと、「こうした意見を踏まえ」ということで、結論部分としては「仕組みの導入は、不正対策とあわせて実施すべきであり、今後、その具体的な制度設計については、平成29年度中のできる限り早期に行われる不正対策の具体的な制度設計の内容が適切なものであることを見極め、確認することを前提として、関係者の意見を十分に踏まえて、平成29年度中に行うべき」としてはどうかということを御提案させていただいているわけでございます。
これまでの専門委員会での御議論では、特に地域保険者の方々からの御意見として、指導監督の仕組みというものを入れることが必要、不正対策も必要と、そこをあわせて、不正対策と指導監督をしていくべきというような御意見があったかと思います。それに対して、まず、不正対策について本当にきちんと行われるかということを見きわめるべきという御意見もございましたので、これを踏まえて現在のこの(案)を御提示しているというものでございます。
また、検証のところにつきましては、先ほど清水先生からもこの(案)でよいということで御発言をいただいておりますので、これは工程表に沿ってやっていく中で、検証ということをきちっと入れていくということで、対応していけたらと考えてございます。
○遠藤座長
どうもありがとうございます。
幸野臨時委員、どうぞ。
○幸野臨時委員
3ページの3ポツの(1)の3つ目の○ですが、ここで「これを認めても弊害の生じる危険性が乏しく」と書いてあります。これについては誰もこの場で証明できる人がいないのに、なぜこれをもって次の4ページで「導入すべきである」と結論づけられるのか、その点についてご説明いただけますか。
○遠藤座長
事務局、どうぞ。
○保険医療企画調査室長
「弊害の生じる危険性が乏しく」のところについて対応して書いているのが、マル5、マル6、マル7のところでございます。ここについては、まず「代理受領から受領委任制度となっても、患者が一部負担で受療するということは変わらず、負担の変化によって給付費が増えるということはない」、ただ、ここも言い切れないので「考えられる」という言い方にしております。まず、給付費が増えるのではないかということについては、代理受領も受領委任も一部負担というのは変わらないので、負担の変化で給付費が増えるということはないと考えられるとしてございます。
また、不正が増えるのではないかということに対応して、4ページ、マル6のところで、代理受領から受領委任制度となっても、請求者は、施術者もしくは請求代行業者という民民の契約の中でやっている、そういう患者本人以外の方がやっているという状況が、施術者にということに確定的に変わるということで、患者本人以外が請求するという構造も変わりませんので、このことによって不正が増えるということはないと考えられるということにしております。
さらに「あはき療養費では医師の同意書の取得が支給の条件となっていることから、虚偽理由による不正請求は起こりにくいと考えられる」ということも書いてございまして、これら3点の理由からすると、これを認めても弊害が生じる危険性が乏しいと言えるのではないか。
例えばほとんど償還払いで現在行われているものを受領委任制度にした場合には、一部負担も大きく変わりますし、誰が請求するかというところも患者本人からそうでない方に変わりますし、これはかなり大きな変化があるのではないかと考えられますが、今回はほとんど95%以上のところで代理受領というものがある現状を踏まえれば、かつ、後段に出てきますけれども、この参加については保険者の裁量であるということを考えるならば、つまり、償還払いのところは償還払いのままでもそこは裁量で認められるということも含めて考えるのであれば、弊害が生じる危険性は乏しいと言えるのではないかということで、このような書き方をしているというものでございます。
○遠藤座長
ありがとうございます。
幸野臨時委員、どうぞ。
○幸野臨時委員
それは違うと思います。弊害が生じる危険性が乏しいというのは、これから具体的な不正対策を議論し、それについてみんなが実効性を確認してから初めて証明できることであって、マル5、マル6、マル7があるからこれで証明できるというのは絶対違うと思います。
それと、この場に及んでどうも私一人が孤立したような状況になっているのですが、これ以上修正を求めても、おそらく修正は受け入れられないと思いますので、もしそうであれば、私は受領委任の方向性が厚労省によって強行的に決められたと全国の健保組合には伝えていくつもりです。
そして、4月以降、徹底的に不正対策を議論していきます。最低でも医師の同意、再同意は主治医による文書の毎回添付を義務付け、同意を書く医師の厳格化、往療は距離加算の廃止などによる包括化等、ゼロベースで見直すということを徹底してやります。
それから、審査体制についても、柔整審査会に丸投げすればいいという考えは認めません。必ず新たな審査体制を構築すること。
今わたしが申し上げた不正対策は一例にすぎませんが、4月以降、徹底的にこういった不正対策を議論していきますので、少しでもこれに緩みがあると、受領委任は認めないということをはっきりと言っておきます。この不正対策は相当高いハードルになるかと思いますので、ぜひ覚悟していただきたいと思います。
もう議論も煮詰まった状態にありますので、2つほど確認させていただきます。1つ目は、今後の進め方についてですが、4月以降、相当な議論にるかと思います。厚労省は、4月以降もこの不正対策の一つ一つの項目について時間をかけて議論していかなければいけないと思います。10月の受領委任制度の具体的な制度設計について議論を行う間際になって、一くくりにして、これでお願いしますというまとめ方は絶対に受け入れられないので、あらかじめ伝えておきます。
今、私が申し上げたような一連の具体的な不正対策が出て初めて、受領委任制度の導入を決めるという場があるということを約束していただきたいと思います。よろしいですか。
○遠藤座長
ここに書いてある文言、あるいは工程表に書かれているような文言の解釈ということかもしれませんけれども、今の幸野臨時委員のお話について、事務局としてのお考えをお願いします。
○保険医療企画調査室長
先ほど不正対策をまずきちんとやることとございましたが、まさに不正対策の具体的な制度設計の内容が適切なものであるかということを見きわめ、確認することを前提として、その次に進むという報告書(案)になってございます。
この報告書が本日認められたとするならば、厚生労働省としては、まず、厚生労働省のほうで不正対策の具体的な制度設計について、関係者、すなわち当然現場で施術している施術者側であったり、療養費にかかわる、もしくは受領委任制度にもかかわってくる保険者の方々が関係すると思いますので、そうした方々と調整をさせていただいて、不正対策の具体案について、きちっと詰めていきたいと考えてございます。
そのベースになるのは、この報告書の2ページの(1)から(5)で、これはこれまでのこの場での御意見であったり、もしくは地域保険者からの御意見というものも踏まえまして、メニューを掲げてございますので、これについては一つ一つきちんと、どのようにする方法が一番適切なのかということで、厚労省のほうでも、事務局のほうできちっと調整をして、案をつくって、先ほどに進めるようにしていきたいと考えているものでございます。
以上でございます。
○遠藤座長
幸野臨時委員、どうぞ。
○幸野臨時委員
では、この委員会はどれぐらいの頻度で開催する予定ですか。
○遠藤座長
事務局、どうぞ。
○保険医療企画調査室長
それにつきましては、これからまた座長などとも御相談かとは思っていますが、基本的には本日の専門委員会の場でどういうものを検討すべきか、また、どういうスケジュール感、工程感によって検討するかということをおまとめいただけると思っていますので、まずはこれに基づきまして、事務局のほうで個別に、施術側であったり、保険者側であったりの御意見も聞きながら、まず(案)をつくっていくという作業をするのかなと思っております。その上で、この専門委員会の場に御報告するなり、どのように上げていくかということについても、それは議論の進捗を踏まえながら、御相談しながら進めていきたいということで、今、特にどのぐらいの頻度でとか、その辺のところを決めているというわけではございません。またそこは御相談させていただきながら、ただ、きちっとした不正対策がまとまるように進めていきたいと考えているものでございます。
○遠藤座長
ありがとうございます。
幸野臨時委員、どうぞ。
○幸野臨時委員
もう一点、重要なところについて確認させていただきます。
5ページにあります「(4)保険者の裁量」というところです。保険者の裁量ということが明確にうたわれました。これは非常に重要な事項です。療養費は健康保険法第87条に規定するとおり、償還払いが原則です。健保組合は少なくともこの精神を堅持していき、保険者の裁量を最大限発揮することを確認したいと思います。支払い方法は保険者の自由な裁量、これが重要なポイントです。受領委任払いにすべきとか、代理受領は認めないとか、そういったことを厚労省が指示することは絶対許しませんので、そこは肝に銘じておいていただきたいと思います。よろしいですか。
○遠藤座長
御意見として承りました。
事務局、何かコメントがあればですが。
○保険医療企画調査室長
コメントだけ。
厚生労働省が強制するとか、この方法でなければだめだということはもちろんございませんが、5ページの下から5行目ぐらいに書いてあるとおり、例えば受領委任制度をやることによって、今、代理受領をやっているところであれば、指導監督とかペナルティーが課されるという制度の説明、制度の趣旨、意義の周知についてはきちんとやっていくというのは行政の役割かなと思っています。
一方で、だからやれとか、だからやらなかったら何かするぞということはもちろんしない。そこは、制度はこういう考え方でつくっていますということの御説明はきちっとしていく。それについてどのように判断されるのかというところは保険者の裁量であるということかと思っております。
○遠藤座長
ありがとうございます。
幸野臨時委員、どうぞ。
○幸野臨時委員
厚労省がお願いするという文書は、各健保組合は、行政からの指導と認識します。保険者の裁量ということですから、そのようなことを一切口指示しないということをおっしゃってください。
○遠藤座長
事務局、どうぞ。
○保険医療企画調査室長
保険者の裁量であるということを踏まえて、対応したいと思います。
○遠藤座長
幸野臨時委員、どうぞ。
○幸野臨時委員
協力の要請とか、一切指示を出さないということでよろしいですね。
○保険医療企画調査室長
保険者の裁量であることを踏まえて、対応を考えたいと思います。
○幸野臨時委員
厚生労働省は一切指示を出さないとおしゃってください。
○保険医療企画調査室長
これを強制するとか、そういうことはしない。これはまさに保険者の裁量であることを踏まえて、ただ、どういう考え方に基づいてこういう制度を入れるとか、そういうことについての説明というのは、我々としてはきちんとしていくということで、お願いをするとか、依頼をしたり、そういうことではないと思います。
○遠藤座長
幸野臨時委員、私から。
御意見はよくわかりました。御主張もよくわかりました。したがって、今のお話は議事録にきちんと残ります。今、彼に「イエス」か「ノー」か回答を出せというような趣旨の話ではないような気が私はするのです。だから、そこのところは、御意見は皆さん、よくわかったという形で対応させていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
非常にお気持ちはよくわかります。
○幸野臨時委員
わかりました。座長にきれいにまとめていただいたので、それでよろしいかと思います。
これ以上何を言っても、私の意見は受け入れられないので、私はこれについて意見はございません。
○遠藤座長
意見が受け入れられないということですが、実は、前回、まず、不正対策先にありきであるという御主張がされて、それを見て、受領委任を入れるかどうかという御主張をされましたので、今回の見直し(案)につきましては、その辺が文章化されておりますし、工程表の中にも入っている。あるいは、検証というものがありましたので、検証について入れているという点で、決して幸野臨時委員がおっしゃっていることをこの中に反映させていないということはないと、私は理解しておりますが、まだ必ずしも全てが反映されているかどうかということになりますと、ここのところは恐らくほかの委員もいろいろお考えもあると思いますので、私としては、会としてかなり十分な議論をして、それなりの反映はさせていただいたと理解いたしました。ただし、まだまだ言い足りないところはあると思いますので、それはこの場でお話ししていただいて、議事録に正確に残していただくという御対応をしていただければありがたいと考えています。
幸野臨時委員、どうぞ。
○幸野臨時委員
了解しました。
では、最後に言わせていただきます。この委員会をもってしても、受領委任の導入がいまだ決定したわけではないということを明確に認識していただきたいと思います。
○遠藤座長
今のところの確認ですが、不正対策の見きわめ、確認をしてという理解なので、今、幸野臨時委員がおっしゃられたような理解でよろしいのかどうかということで、これは事務局、何かありますか。
○保険医療企画調査室長
この報告書自体、工程表もそうですけれども、不正対策と受領委任制度をあわせて実施するとなっていますが、その前提として「不正対策の具体的な制度設計の内容が適切なものであることを見極め、確認することを前提」となっていますので、そうした前提がついているというものでございます。
○遠藤座長
そういう理解です
幸野臨時委員、どうぞ。
○幸野臨時委員
10月までに具体的な不正対策について議論し、これでは不十分だという委員がいれば、受領委任制度は導入できないということを明確に委員のみなさんで認識しておきたいと思います。
○遠藤座長
そのような理解でよろしいですか。
事務局、どうぞ。
○保険医療企画調査室長
不正対策をどのようにしていくのかというところも含めて、今後の議論かと思います。我々としては、この報告書(案)で掲げられている不正対策について、実効性のある、皆さんの納得を得られるような不正対策をきちっとまとめて、それを御理解いただいて、さらに、指導監督の仕組みを入れるということで、このあはき療養費の適正化に進んでいきたいと考えてございますので、ぜひ建設的、積極的に、引き続き議論をしていただければとお願いするところでございます。ぜひひとつよろしくお願いいたします。
○遠藤座長
幸野臨時委員、よろしゅうございますか。
ほかにいかがでしょうか。
清水専門委員、どうぞ。
○清水専門委員
また各論に戻って申しわけないのですが、4ページの「(2)地方厚生(支)局等による指導監督等」さらに「(3)地方厚生(支)局の体制」と書いてあるのですが、これはまさに厚労省が独自でできることで、今、診療報酬改定等がありますと、医療の領域では、厚生局もいろいろな適切な御指導をいただいて、それで医療の方向が進んでいるわけですが、今の人員体制、特に(3)のところ、5ページですが、「局の体制の強化が必須条件と考えられる」、ということは、人員をふやすということですかね。あるいは、その後に体制の強化に取り組むべきであるということは、厚生労働省がやるわけなので、そういった人員を増やせるか。予算は全部終わっているかと思うのですが、具体的にはそういう形にしていかないと、多分実効性はないと思うのですが、その辺はどういうお考えをお持ちでしょうか。人員に関してです。
○遠藤座長
事務局、お願いします。
これはたしかどこかのときに御報告いただきましたね。
○保険医療企画調査室長
これは柔道整復療養費のほうの専門委員会でもお示ししたのですけれども、ことしも柔道整復のほうでも指導監督の強化が必要だということで、人員の要望をいたしまして、29年度、8名の増員が認められたということもございます。
今後、あはきも受領委任制度で指導監督をしていくということであれば、それと同じように、きちっとした人員体制の強化ということを要望していって、実現させていきたいと思っておりますし、あわせて、4ページの(2)の最初のところに書いてございますが、「効果的・効率的な指導監督」のやり方についても、質、量両面できちんとしたものができるように、関係者の御意見も踏まえながら、検討していきたいと思っております。
○遠藤座長
清水専門委員、よろしいですか。
○清水専門委員
どうもありがとうございました。
○遠藤座長
ほかにございますか。
高橋専門委員、どうぞ。
○高橋専門委員
改めて、4ページのところの確認です。私どもの立場で言えば、無条件で受領委任制度に賛成しているわけではないので、そこはきっちり申し上げますけれども、この報告書を見ても、別に無条件で受領委任制度を入れましょうとは言っていません。重要なポイントは、(1)の4ページの○の3つ目、「こうした意見を踏まえ、受領委任制度による指導監督の仕組みの導入は」とずっとありますけれども、受領委任制度を仮に入れるのだとしても、不正対策としてあわせて実施するのだと、今後、その具体的な制度設計については、29年度中のできるだけ早期に行われる不正対策の具体的な制度設計の中身、これはあ-2の資料を拝見すれば、10月までに具体的な制度設計があって、5項目、それを見きわめて、確認して、心配ないねということで、きちっと確認した上で、それを前提として、さらに関係者の意見を踏まえて、制度設計を29年度中にやるということですね。
○遠藤座長
よろしいですか。
ほかにございますか。
村岡専門委員、どうぞ。
○村岡専門委員
全国市長会の国保の立場で申し上げますと、基本的に取りまとめの方向性でよろしいかと思っております。これまでも文書等でも意見を申し上げましたけれども、不正対策の問題と、指導監督権限の付与の問題というのは、ある意味セットで考えていくべきだろうと思っておりますので、その中で、29年度、本当に具体的に検討するという、工程表も出ましたので、それに基づいて、具体的な取り組みを進めていただきたいと思っております。
特に、この中で、(1)から(5)までの対策の強化というところが出ておりますけれども、先ほど施術者団体の皆さんからの発言の中にもありましたけれども、9億5,000万という不正の問題が出て、社会的には業界に対してはある意味イエローカードが出ているような状況でございますから、それにプラスして不正をするようなところに対しては、厳しい対応が必要かと思いますので、ある意味処分等の対応については、即刻レッドカードが出るという状況も含めて、適切な不正対策をやっていくべきだろうと考えています。
ただ、一方で、実際に利用している皆さんというのが、高齢の方々で、現実的に被保険者の中でも必要な施術は当然あるわけですから、そこに対してどれだけ納得のいく基準を設けていくのかということについては、それぞれ施術者側の立場、保険者側の立場、また、実際に利用している被保険者の皆さんの立場ということを踏まえた上で、一足飛びに100%納得できるというところにはならないかもしれませんが、一つ一つ適切な対応をしていくということが重要ではないかと考えていますので、今後、29年度に入って、具体的な議論の中で、私どももまた意見を反映していきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
○遠藤座長
どうもありがとうございます。
ほかにございますでしょうか。よろしゅうございますか。
ありがとうございます。非常に重要な問題でありますので、かなり時間をかけた議論をさせていただきました。
最終的に完全に納得する、満足するという結論にはどなたもなっていないと思います。ただ、交渉事といいましょうか、こういうものはやはり、私は不満足の最小化だろうと思っておりますので、そういう中では、皆様方の御協力で、このような形でまとめることができたのではないだろうかと思っております。もちろん、これに対する御不満もありますので、これはただいまいろいろと御発言いただいて、議事録に残るという形で御対応させていただきたいと思います。
したがいまして、大変難産ではございましたけれども、この報告書については、このままさせていただきたいと私は考えておりますけれども、特段御反対は、よろしゅうございますか。
ありがとうございます。
幸野臨時委員、どうぞ。
○幸野臨時委員
私は最後まで反対を主張しますので、そこはお間違いないように。
○遠藤座長
了解いたしました。
これは座長の立場として、このようにさせていただきたいということで、明確に反対をされる方もいらした。これも議事録にきちんと残る。こういう立場で対応させていただきたいと思います。
それから、幸野臨時委員が言われたこと、非常に重要な点もございますので、今後、この不正対策等々については、事務局としては、適切な、所要な対策を早急に開始していただければと思っておりますので、そのようにしていただきたいと思います。
ほかに何かございますか。よろしゅうございますか。
事務局としては、何かこの取りまとめについて、事務的に何か私に瑕疵があることはございませんね。特段問題ありませんかね。
それでは、そのような形で取りまとめさせていただきました。御協力をどうもありがとうございました。
それでは、本日、これをもちまして、療養費検討専門委員会を終了したいと思いますが、次回の日程について、事務局、何かあれば、お願いします。
○保険医療企画調査室長
次回の日程は未定でございます。また後日御連絡をさせていただきたいと思います。
○遠藤座長
それでは、これをもちまして、第15回「あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会」を終了したいと思います。皆さん、御協力をどうもありがとうございました。
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