2016年5月20日 平成28年度 第1回ばく露評価小検討会

労働基準局安全衛生部化学物質対策課化学物質評価室

日時

平成28年5月20日(金)15:00~

場所

厚生労働省共用第9会議室(19階)

議事

 
○米倉化学物質情報管理官 本日は、大変お忙しい中御参集いただきまして、誠にありがとうございます。定刻となりましたので、ただいまより第1回ばく露評価小検討会を開催いたします。委員の出席状況ですが、全ての委員の皆様に出席いただいております。
このたび、事務局に異動がありましたので、異動者について紹介いたします。化学物質対策課長の奥村です。化学物質評価室長の穴井です。有害性調査機関査察官の上月は、本日所用により欠席しております。私は、化学物質情報管理官の米倉です。よろしくお願いいたします。
また、本日はオブザーバーとして、中央労働災害防止協会に御出席を頂いております。以下の進行については、座長の名古屋先生にお願いいたします。
○名古屋座長 議事に入る前に、事務局より資料の確認をお願いいたします。
○米倉化学物質情報管理官 資料の確認をいたします。1枚目は議事次第です。裏面は、配布資料一覧です。資料1は、平成28年度リスク評価の実施予定についてです。資料2は、平成28年度ばく露実態調査対象物質の測定分析法検討結果で、資料2-1~2-17まであります。資料3は、今後の予定です。参考資料1は、化学物質のリスク評価検討会開催要綱です。参考資料2は、労働者の有害物質によるばく露評価ガイドラインを添付しております。以上です。
○名古屋座長 よろしいでしょうか。それでは、本日の議題に入ります。議事次第に従って、平成28年度リスク評価の実施予定について、事務局から説明をよろしくお願いいたします。
○米倉化学物質情報管理官 資料1を御覧ください。こちらは、平成28年度リスク評価の実施予定についてまとめたものです。報告年ごとにそれぞれリスク評価の状況についてまとめております。例えば、平成21年までの報告対象物質は、現在詳細リスク評価対象が2物質残っているところです。1が酸化チタン、2が金属インジウムとなっております。それぞれの物質の後ろに○と*が付いておりますが、この内容については裏面を御覧ください。○については、平成28年度にリスク評価を予定しているものです。現在どういう状態にあるかというと、現在ばく露実態調査を実施しているけれども、まだ必要な調査数を確保できていませんが、平成28年度中に必要な調査数の確保が見込まれるものです。その下に括弧書きで (うち年度前半の評価物質は*を含める予定)と書いてありますが、この*については、ばく露実態調査を実施して必要な調査数を確保できているものです。
表面に戻ります。平成21年までの報告対象物質については、先ほど説明したとおりです。平成23年1月から3月までの報告対象物質43物質については、詳細リスク評価対象が3物質、初期リスク評価に向け、平成27年度にばく露実態調査をしたものが1物質、初期リスク評価に向け、平成28年度ばく露実態調査実施予定のものが6物質となっております。これらのうち、真ん中の1の2-ブロモプロパンについては、必要な調査数を確保できたため、*を付けているような状況です。
平成24年1月から3月の報告対象物質14物質については、現在、詳細リスク評価対象になっているものが3物質、初期リスク評価に向け、平成27年度にばく露実態調査を実施したものが3物質、うち3のノルマル-ブチル-2,3-エポキシプロピルエーテルについては、必要な調査数が確保できたところです。初期リスク評価に向け、平成28年度ばく露実態調査実施予定のものが、2物質となっております。
平成25年1月から3月までの報告対象物質については、15物質あります。詳細リスク評価対象の状態にあるものが1物質、初期リスク評価に向け、平成28年度ばく露実態調査実施予定のものが10物質となっております。
平成26年1月から3月までの報告対象物質17物質については、初期リスク評価に向け、平成27年度ばく露実態調査を実施したものが8物質、初期リスク評価に向け、平成28年度ばく露実態調査実施予定が4物質となっております。
平成27年1月から3月報告対象物質については26物質です。初期リスク評価に向け、平成28年度ばく露実態調査実施予定のものが1物質となっております。以上です。
○名古屋座長 そうすると、ここに書かれている中で、これから前期にリスク評価をするのは、○*が付いている酸化チタンと、2-ブロモプロパンと、平成24年度のノルマル-ブチル-2,3-エポキシプロピルエーテルが、前半の審査項目の3種類ということでよろしいですか。
○米倉化学物質情報管理官 はい。そういうことで、準備を進めているところです。
○名古屋座長 分かりました。数がたくさんで大変だと思いますが、よろしくお願いいたします。ほかに何かありますか。大丈夫ですか。
次に、平成28年度ばく露実態調査対象物質の分析、測定物質について、事務局より説明をよろしくお願いいたします。
○米倉化学物質情報管理官 平成28年度ばく露実態調査対象物質の測定分析法については、16物質、17測定・分析法について取りまとめております。この分析方法の検討については、厚生労働省から中央労働災害防止協会に委託して検討を頂いておりますので、内容については中央労働災害防止協会から説明いたします。よろしくお願いいたします。
○中央労働災害防止協会 資料2-1、4-クロロ-オルト-フェニレンジアミンからになります。3ページを見ていただきますと、物理化学的性状が記載されております。固体の物質であり、許容濃度等のばく露限界値は、産業衛生学会、OSHA、NIOSH、ACGIHとも設定はありません。分析手法については、10ページにまとめておりますので、こちらで説明いたします。サンプリングについては、液体捕集法。0.2%亜硫酸水素ナトリウム/0.2%EDTA溶液を10mL使用しまして、マイクロインピンジャーで捕集いたします。これを20mLに希釈いたしまして、高速液体クロマトグラフ法で分析をしていきます。サンプリング流量については、0.2L/min、サンプリング時間は4時間で行うことができます。保存性については、1μg/20mLを冷蔵で1日間保存可能。それから、10μg/20mL、500μg/20mLが冷蔵で5日間保存可能であることを確認しております。
分析手法は、高速液体クロマトグラフ法で、こちらに記載させていただいたとおりの分析条件で分析を行います。検量線については、0.05~25μg/mLで直線が得られていることを確認しております。精度の添加回収率ですが、検討を行うに当たり、許容濃度等の設定がなかったので、一応目標濃度としてこの分析手法で分析できるギリギリの範囲から検討を進めており、1μg/20mLで4時間の濃度が、0.2L/minで4時間のサンプリング条件で計算しますと、0.0036ppmという濃度になります。その濃度での回収率が92%、その10倍の0.036ppmでは96%、1.79ppmでは99%の回収率があったということです。定量下限値については、0.00199μg/mLで、個人ばく露測定のサンプリング流量とサンプリング時間、0.2L/min、4時間のサンプリングで、0.0071ppmまで測定ができるということです。
適用については、個人ばく露測定、作業環境測定とも大丈夫です。それから、酸化性物質について妨害があるということです。この対象物質の異性体であります4-クロロ-1.3フェニレンジアミン、2-クロロ-1.4フェニレンジアミンについては、分離可能であることを確認しております。以上です。
○名古屋座長 これは、例えばミゼットインピンジャーを使っていますが、4時間0.2Lで引いたときに、液の補充はいるのですか。しなくても間に合うのですか。
○中央労働災害防止協会 温度が高くなければ多分大丈夫だと思うのですが。10mLの液からスタートしますので。
○名古屋座長 ほかに、お気づきの点は何かありますか。
○圓藤委員 この物質は、沸点229℃、融点67から70℃というので、常温では固体ですよね。ですから、いろいろな定量、気中濃度が、みんなppmなどで表記されているのですが、固体捕集ということで考えるならば、mg/m3 で、確かに少しは蒸気圧があるのでヴェーパーもあるかもしれませんが、ヴェーパーだけ取っているということでなければ、mg/m3 の表記をお願いしたいと思います。
○中央労働災害防止協会 はい。
○鷹屋委員 これは、フィルターで捕集すると捕集時間中に分解するということで、液体捕集しているのですか。
○中央労働災害防止協会 確か、先のほうに説明があったような気がしたのですが。
○鷹屋委員 今、圓藤先生がおっしゃっているように、実際には固体なので、気になるのはインピンジャーで取ったときの捕集率です。捕集対象が液体の捕集率は、多分試験的に2連にして測定ができると思います。一方、粒子として見た場合、このミゼットインピンジャーが粒子のサンプラーとしての特性がどうなのかというようなことは、例えば何かしらメーカーさんのデータなどはあるのでしょうか。
○圓藤委員 この物質が溶けるのですよね。
○中央労働災害防止協会 液体に対して溶けます。
○圓藤委員 では、もし粉じんが入ったときに、この捕集液なら、きれいに溶けるわけですよね。
○中央労働災害防止協会 はい。あと、液体捕集の場合は慣性力で捕えるというのがありますので、その辺りがうまくいかないと、少し粒子が漏れてくると思います。
○名古屋座長 先生が心配しているのは、粒子の形ですぐ溶ければいいのだけれども、溶けないと慣性力で逃げていってしまう。要するに、ミゼットインピンジャーの捕集効率は粒形に対してはそんなにいいわけではないですから、そこを心配しているということですね。従来のものは、前にあったのですが、管状の捕集管にフィルターを入れて、そのフィルターで捕集している間に抜けてくるガス状物質をフィルターの後に活性炭を入れて2重にして捕集するというやり方もありましたが、その辺りのところは検討されているのではないかと。その辺りはどうなのでしょうかという質問だと思いますが。粒子になったときの捕集効率を、例えば2重にしたときにどうだったのかなという情報が少し欲しかったかなと。でも、対象の粒径が分かっていないのですよね。
○中央労働災害防止協会 そうですね。
○鷹屋委員 発生で、どういった粒形で出ているかを依存するので、ちょっと難しいですね。
○中央労働災害防止協会 現場で、個人ばく露測定で2連結はできないと思うのですが、定点の測定、スポット測定では多分2連結できると思いますので、そういったところでカバーしながらいけると思います。
○鷹屋委員 そうですね。現場に持って行くときに、そういった補助的なデータも何かしら取れるような感じで、定点に関しては捕集率を見る状態も取っていただくということで。
○中央労働災害防止協会 はい。
○名古屋座長 ばく露のことがなかなか取りにくかったら、スポットをやりますよね。
○中央労働災害防止協会 ええ。
○名古屋座長 そのときに、2重にした捕集管を付けられるので、1回やってみて確認されたほうがいいのかなと思いました。なかなか作業者にそれを付けるのは大変だと思いますので。
○鷹屋委員 酸を展着したフィルターとかで分解するのですかね。難しいですよね。
○名古屋座長 よろしいですか。では、現場で使うときに、その辺りのところの注意だけよろしくお願いします。では、次をお願いいたします。
○中央労働災害防止協会 資料2-2、1,2-酸化ブチレンになります。3ページに、物理化学的性状の記載があります。こちらは、液体です。許容濃度等のばく露限界値、OSHA、NIOSH、ACGIH、MAK、許容濃度も設定がありません。分析手法については、先ほどと同様に9ページにまとめて書かれております。
サンプラーとしては、球状活生炭管のNo.258を使用します。ガステック社製の100mg、50mgです。サンプリング流量が0.1L/min、サンプリング時間が4時間です。保存性については、添加量214.71μg、0.99μgでは、冷蔵室温保管で、共に6日間まで保存率が90%以上であることを確認しております。
サンプリングしたものについては、二硫化炭素1mLで1時間放置して脱着いたしまして、ガスクロマトグラフの質量分析装置で分析をしてまいります。分析条件については、ここに記載されているとおりです。
脱着率については、141.1μg、0.14μgとも、約100%ということで良好です。回収率は、280.7μgが90.1%、173.0μgが98.9%、0.14μgが101.0%ということで、いずれも90%以上です。
定量下限については、個人ばく露測定の24Lを捕集した場合に、0.0004ppmになります。適用としては、作業環境測定、個人ばく露測定ともに適用可能です。妨害物質としては、特になしということになっております。以上です。
○名古屋座長 何かありますか。特になさそうですが。許容濃度がないのでどこまで許容濃度が低くなるのか分からない現状では、選定はなかなか難しいとは思いますが、これだけ低いところまでできるという形なので。
○原委員 回収率の結果ですが、5の破過の所でそれを言っているのでしょうが、報告が1点だけで、ここが回収率であれば破過試験の中でも表3の所にでも回収率という言葉を入れていただいた上で、3点の測定をされているはずなので。
○中央労働災害防止協会 回収率のほうは、7ページに添加回収率試験(通気試験)でやっているデータです。
○原委員 90.8というのは、こちらは破過をしていて同じ値だということなのですか。
○名古屋座長 本来的には、もう2つあってもいいですよねということですよね。
○原委員 5と10が別々にありますから分からなかっただけですね。5と10が一緒ですね。分かりました。ありがとうございます。
○名古屋座長 大丈夫ですか。これは、まとめなくてこのままでいいですか。追加回収試験ですよね。では、取扱いはこのままでよろしいですか。では、記載は少しあると思いますが、このままという形で終わりたいと思います。では、3番目の試料をお願いいたします。
○中央労働災害防止協会 資料2-3、ジエタノールアミンです。3ページに、物理化学的性状の記載があります。こちらは、20℃であれば固体ということになります。融点が28℃です。
4ページに許容濃度の記載があり、ジェタノールアミンの許容濃度は3ppm、15mg/m3 です。測定手法のまとめは、10ページになります。サンプリングには、NBD-ChlorideコーティングのXAD-7を使い、誘導体化して捕集管に捕集することになります。ガラスチューブのSKC社製のものです。サンプリング流量は、0.1L/min、サンプリング時間が4時間、24Lです。保存性については、冷蔵で少なくとも5日間までは変化がないことを確認しております。
脱着については、4ページの図1の分析フローチャートにありますとおり、捕集誘導体化したものについては、テトラヒドロフラン2mL、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液100μLを加えて、2時間振とうして、溶出の脱着を行います。脱着した液を蛍光検出器の高速液体クロマトグラフ装置に導入し、分析を行います。分析条件としては、10ページの一覧に記載があるとおりです。
検量線については、低濃度の範囲と高濃度の範囲をつなげますと直線にならないということで、こちらの報告書の中では2つに分けて作成しております。6ページが、1.0~5.0μg/mLの範囲での検量線です。7ページの図4が、0.2~1.0μg/mLの検量線です。これらを1つに合わせようとすると、図5にあるような二次回帰線の検量線になってしまいます。何とか、検量線が真っ直ぐにならないかということで検討していただいたのが、9ページの検量線なのですが、これは高濃度の誘導体化した標準液を作り、これをテトラヒドロフランで希釈して作ったものです。これですと、真っ直ぐな検量線が得られるのですが、実際のサンプルについては、NBD-ChlorideがコーティングされたXAD-7がありますので、余った誘導体化試薬がこの検量線にどうも影響をしているのではないかということが、この結果から得られています。ですので、実際のサンプルを真っ直ぐの検量線でやりますと誤った結果になってしまいますので、濃度に応じた検量線を作らざるを得ないのかなということが、こちらからの報告になります。それで、一応検討を進めていたという結論を出したところです。
精度については、8ページに回収率が詳しく書いてありますが、0.4μg~800μgで検討しております。濃度換算にしますと、0.0167mg/m3 ~33.4mg/m3 です。この範囲で、回収率は96~101%です。
定量下限値ですが、10ページに記載があります。採気量24Lのときに、15mg/m3 で、許容濃度等の数値の1,000分の1を十分下回るところまでは分析ができています。適用としては、個人ばく露測定、作業環境測定ともに大丈夫です。妨害については記載がありませんが、特に妨害となるようなものはありませんでした。以上です。
○名古屋座長 5ページの図2の矢印は、少しずれているのか、この辺はピークの所にないけれども、それとも下の所にあるのでしょうか。
○中央労働災害防止協会 そうです。すみません、印刷のときにずれてしまいました。
○名古屋座長 もう1つは、6ページの図4をもう一度書き直されたほうがよろしいかと思います。
○中央労働災害防止協会 はい。
○名古屋座長 図番が1つずつずれますよね。4を付けて、濃度をハに変えて。
○中央労働災害防止協会 多分ページがまたがってしまったので。
○名古屋座長 消えたのですね。
○中央労働災害防止協会 図の4は、一遍に2つを示していますので。
○名古屋座長 そういうことですか。
○中央労働災害防止協会 上の図が高濃度、下の図が低濃度ということで、図の4の一番最後に記載させていただいています。
○名古屋座長 合わせると、こうなるようです。分けたほうがいいのではないですか。図番をずらすだけですから。低濃度用と高濃度用という形と、次は合わせたという形のほうが。
○圓藤委員 許容濃度が古い許容濃度を使っていまして、2009年にACGIHは0.2ppmの1mg/m3 、IFVで。ですから、インハラブルとヴェーパーでスキンが入っているのですよね。IARCは2Bとなっているので、要するに10分の1以下になっているので、1,000分の1はいかないということですか。
○中央労働災害防止協会 そうですね。
○圓藤委員 どうしても1,000分の1にいかないといけないとすると、何か考えないといけないのですか。100分の1でいいのですか。
○名古屋座長 これは、リスクのときは低濃度でも測定時間が長いので、比較的問題ないのですが、ただ作業環境測定になってくると測定時間が10分以上の継続した時間と短いですよね。そのときということで、本来的にはもっと低くまでやったのですが、そうするとなかなか定量分析が成り立たないので、多分下部の中災防のばく露委員会の中で、一応定量を含めて1,000分の1ぐらいのところでできる分析方法を検討しましょうという形に変えたのだと思います。前は、もう少し下までいっていて、結局分析できないものが多かったのです。今は、多分そういう形で内容的にはできるのではないかと思います。
○圓藤委員 これは、チューブですよね。
○中央労働災害防止協会 はい、チューブです。
○圓藤委員 そうですよね。これでも、いいのですか。
○名古屋座長 これしかないのでしょうね。
○圓藤委員 このNBD-CL含浸フィルターみたいなものはないのですか。破過するのでしょうか。その辺りが、少し問題ですね。粉体を取るのにチューブでは多分細いのでゆっくりだからきちんと引いているのかなと思ったのですが。一応、これがOSHAのメソッドになっているのだから、取りあえずは使えるということですかね。ただ、これは多分古いのですよね。OSHAのマニュアルがいつ作られたかは書いていないのですが。
○中央労働災害防止協会 そうですね。
○圓藤委員 この許容濃度から見ると、そこそこ古いですよね。今でも使えるのでしたらいいのですが。
○原委員 セットアップのようなものなので、多分含浸させて誘導体化がすぐできるようであれば、多分できるのではないかと思います。フィルターでは多分無理なのではないでしょうかね。
○圓藤委員 無理なのかな。
○原委員 多分、そういう経過があったのではないでしょうか。
○圓藤委員 はい、分かりました。
○名古屋座長 また、下部の中災防のばく露委員会で実際にやるときにお願いする形でよろしいですか。一応、下部では検討されているので。
○圓藤委員 それから、検量線のデータは、1濃度ごとのNが幾つなのですか。というのは、やはり蛍光は少しばら付くのですよね。
○中央労働災害防止協会 はい。最低3つで作ってもらうことが約束事になっていますので、それでやっています。
○圓藤委員 では、これが一応平均値ということですか。
○中央労働災害防止協会 そうですね。
○圓藤委員 ですから、これで曲っていると言われるのですが、対応の所のSDを入れると、みんな似たようなものになるのかなと。対応値/濃度というのが、少しばら付くように見えますが。これでいくと、直線でもよさそうなのですが。
○名古屋座長 このデータを全部やって引いてみると、また違うかもしれませんね。このプロットをそのまま作るとカーブになるけれども、3つのばら付きの中に入れてみると意外と引けるかもしれないということですね。
○圓藤委員 はい。
○名古屋座長 その辺りも、実際にやられるときに検討してみてください。
○圓藤委員 直線のほうがいいですね。
○中央労働災害防止協会 そうですね。分析するのも楽なので。
○名古屋座長 濃度をそれぞれ設定するのも大変だと思いますので、あとはよろしいですか。では、その辺りのところは、実際に測定するときに検討していただければ有り難いと思います。では、4についてよろしくお願いいたします。
○中央労働災害防止協会 資料2-4、シクロヘキシルアミンです。3ページに物理化学的性状の記載があります。融点-17.7℃、沸点が134.5℃ということですので、液体の物質です。ばく露限界値は、4ページに記載があり、シクロヘキシルアミン、許容濃度が10ppmで41mg/m3 です。
測定法をまとめたものが11ページにあります。こちらもNBD-ChlorideコーティングのXAD-7、ガラスチューブのものを使用します。サンプリング流量が0.1L/min、サンプリング時間が4時間で、保存性については冷蔵で少なくとも5日間までは変化がないことを確認しております。こちらも先ほどのジエタノールアミンと同様にテトラヒドロフラン2mL、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液100μLを加えて、2時間の振とうで脱着を行います。分析方法は高速液体クロマトグラフ法で、11ページに記載のあるとおりです。
検量線については、ジエタノールアミンと同様で、検量線が真っ直ぐにならないというところで、7ページに高濃度用の検量線と低濃度用の検量線を記載しております。追加試験で高濃度の誘導体化の標準の溶液をテトラヒドロフランで希釈しましたら、検量線は真っ直ぐになるのですが、それでは定量がきちんとできないで、今のところは検量線を分けて分析をせざるを得ないというところです。
回収率は8ページです。添加量は1μg、1,000μg、2,000μgということで、空気中濃度に個人ばく露濃度測定の分析条件でやるときの濃度で換算しますと、0.0417mg/m3 、41.7mg/m3 、83.3mg/m3 で添加回収試験を行いましたら、97~113%で良好な回収率が得られております。
定量下限値の検討は8ページの10.です。溶液濃度、定量下限は0.0408μg/mLということで、これを個人ばく露濃度測定の採気量で換算して濃度計算しますと、0.0034mg/m3 になります。許容濃度が41mg/m3 ですので、その1,000分の1で十分にクリアできているということになります。
適用としては、個人ばく露濃度測定、作業環境測定ともに適用可能となります。妨害物質としては、この検討の過程では特になかったということです。以上です。
○名古屋座長 7ページの先ほどの所もこのようにしてくれれば、別に図を分けなくても大丈夫ですが、先ほどこうなっていなかったので分からなかったのですが、うまくしていけば直さないで結構です。
ここで違う物質でもガラスチューブを使うと、こうなるというのは何かあるのですか。多分測定のほうではないと思いますが、検量線が曲がってしまうというのは、この2つの物質の特徴なのですか。答えを求めているわけではないのですが、なかなか大変だなと思ったのです。そこには問題はありませんね。では、実際にやられるときに、検量線を2つうまく使って検量してくださいという形でよろしいですか。
では、次に行きたいと思います。2-5の資料です。
○中央労働災害防止協会 資料2-5、ジフェニルアミンです。3ページに物理化学的性状が記載してあります。融点が53℃、沸点が302℃ですので、固体の物質になります。許容濃度については4ページです。10ppm、10mg/m3 です。
サンプリングについては、3.にあるとおり、ディスク型フィルター(Oasis HLB Plus)を2つ連結した形で使用してまいります。流量としては0.1L/minで24L、4時間のサンプリングを行うということです。こちらをアセトン4mLでバックフラッシュ溶出して、窒素気流下で0.5mL程度まで濃縮して、濃縮後アセトンで1mLに定容して試料液とします。これをガスクロマトグラフのFIDで分析します。ガスクロマトグラフの分析条件としては、下の記載のとおりです。
9ページには今申し上げたところがずっと書いてありますが、保存性については、冷蔵で少なくとも5日間まで変化がないことを確認しております。
こちらの検量線については0.2~10μg/mLの範囲で直線性が得られていることを確認しております。
回収率は9ページには1つしかデータが書いてありませんが、7ページに3データ、3濃度、目標濃度と許容濃度、許容濃度の2倍という3点で試験を行った結果が記載してあります。添加量0.2~400μgで試験を行っておりまして、個人ばく露濃度測定の濃度の4時間のサンプリング濃度に換算しますと0.00833~16.7mg/m3 の範囲で、回収率は93~109%で良好な結果が得られております。
定量下限値については6ページの9.にあります。24L採気時の気中濃度としては0.00126mg/m3 で、許容濃度が10mg/m3 ですので、1,000分の1を十分下回る濃度まで分析ができるというところです。
適用としては、個人ばく露濃度測定、作業環境測定ともに適用可能です。妨害物質としては、この検討段階では特になかったということで、御報告をさせていただいております。以上です。
○名古屋座長 ここは特別には、ほかに何かありますか。
○圓藤委員 4ページの一番上の許容濃度ですが、10ppmというのは間違いで、10mg/m3 だけです。
○中央労働災害防止協会 失礼いたしました。
○原委員 それから定量下限の回収率ですか、9ページの数字と7ページの数字が違います。ここでは0.22にしているから、多分計算は合っているのでしょうが、11ページの表4の0.200を用いていなければいいのですが。整合性を取っていただければいいと思います。
○名古屋座長 大丈夫ですか、ここは。
○中央労働災害防止協会 整合性を取ります。失礼いたしました。
○名古屋座長 0.22の値がないのでという形ですね。
○中央労働災害防止協会 そうですね。
○名古屋座長 そこだけお任せしましょう。よろしくお願いします。あとはよろしいですか。許容濃度に修正がありましたので、よろしくお願いいたします。そうしましたら、資料2-6をよろしくお願いいたします。
○中央労働災害防止協会 資料2-6です。非常に長い名前で、別名が実は括弧書きであって、抜けてしまって申し訳ないのですが、別名としては、ベンジルバイオレット4Bという名称になります。3ページの「はじめに」に物質名のあとに別名ベンジルバイオレット4Bと書かれておりますので、この名称で約してお話をさせていただきたいと思います。
こちらは色素でして、形状としては細かい黒色の粉末です。3ページ表1に物理化学的性状が一覧で書かれています。
許容濃度等については、日本産業衛生学会、ACGIHともに設定はされておりません。11ページにサンプリングの概要が別紙で記載がありますので御覧ください。サンプリングですが、グラスファイバーろ紙(AP20)を直径37mmのフィルターカセットにセットして使用します。サンプリング流量は1L/min、サンプリング時間が4時間、240Lとなります。保存安定性については、冷蔵で少なくとも7日間までは変化がないことを確認しております。
分析手法です。右側に移りまして、このろ紙を精製水とメタノール7対3の割合の溶液5mLで抽出を行います。抽出は振とう5分間、その後遠心分離毎分3,000回転10分間で分離をし、その後、ろ過をするということで、その溶液を試料液とします。分析手法は高速液体クロマトグラフで、こちらに記載のとおりの方法で分析を行ってまいります。
次に精度です。添加回収率は0.25~500μgの添加量について、94~102%というところです。定量下限値は0.25μg/サンプルで、個人ばく露の濃度測定としては1μg/m3 が定量下限値になるということです。
適用としては、個人ばく露濃度測定として、1~2,083μg/m3 までの範囲を測定することが可能ということです。当然作業環境測定のほうも、こちらで同様にして実施することが可能です。
妨害については、BSEN71-11というターゲット色素の16種類について検討しておりますが、これらは妨害とならないことを確認しております。以上です。
○名古屋座長 ちょっと聞きたいのは、これは粒子ですよね。そうすると、例えばフィルターで捕集するときに、フィルターカセットはオープンで取っているのですか。SKC-225の3LFというのはオープンフェースなのですか。例えば、発がん性になってくると、多分インハラブルとかとIOMを使ったりしますが、そういう情報が何もないからオープンで取られているということですか。
○中央労働災害防止協会 クローズドフェースです。これでないと個人ばく露濃度をやったときに、フィルターを傷つけてしまうことがあるので、そういった形になろうかと思います。
○名古屋座長 そうすると、それに合わせるようにすると、しょうがないからカットするしかなくなってしまいますね。
○中央労働災害防止協会 そうです。
○名古屋座長 分かりました。何かお気付きの点がありますか。よろしいですか。それでは、先に進みたいと思います。資料2-7をお願いいたします。
○中央労働災害防止協会 資料2-7、ジメチルアミンです。3ページに物理化学的性状の記載があります。沸点が7.0℃、融点が-96℃で、20℃であれば気体ということです。
4ページに許容濃度の記載があり、許容濃度は10ppm、18mg/m3 です。同じく4ページの3.に捕集方法、分析方法の記載があります。捕集についてはNBD-ChlorideがコーディングされたXAD-7で、ジエタノールアミン、シクロヘキシルアミンと同じサンプラーです。こちらを0.1L/minで4時間、24L捕集するということになります。こちらをテトラヒドロフラン2mLと炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液100μLを添加して、2時間振とうするということです。これを蛍光検出器の高速液体クロマトグラフで分析を行います。分析条件は4ページの下段に記載のとおりです。
次に9ページです。9ページに今お話したことが記載されています。検量線については0.2~10μg/mLの範囲で直線性が得られていることが確認できております。これについては1つの検量線で行けるということです。保存性は冷蔵で少なくとも5日間まで変化がないことを確認済みです。
精度ですが、添加回収試験の結果が7ページにあり、添加量0.40~800μgで試験を行っております。個人ばく露測定の24L採気で換算しますと、0.0167~33.4mg/m3 ということになります。この範囲で91~102%の回収率が得られております。
定量下限ですが、9.に記載があって、溶液濃度としては、定量下限10SDの0.0555μg/mL、24L採気時の気中濃度に換算しますと、0.00463mg/m3 ということになります。許容濃度は18mg/m3 ですので、これと比較しますと、1,000分の1以下の所まで十分に分析ができることになります。
適用としては、個人ばく露濃度測定、作業環境測定ともに適用可となります。妨害物質等、妨害については、この検討段階では特にはなかったということで、記載をさせていただいております。以上です。
○名古屋座長 1点教えてほしいのは、検量線のときの振とうする時間が図3は2時間で、図4は5時間です。図5の所は1時間と3時間あって、これで見る限り、1時間でいいという結論になっているのですが、最初のときの傾きが70で、ほかは67、67、67で3つ合っているのです。だから、5時間と1時間と3時間は同じ係数なのですが、最初の2時間だけが違うのが、ちょっと気になったのです。3の図は7015になっていて、ほかは時間が違っても、頭が67で全部一致していますよね。大きな問題ではないのかもしれませんが、1、3、5が合っていて、2だけがずれているのはちょっと気になりました。後で見ておいてください。
○中央労働災害防止協会 分かりました。
○名古屋座長 あと原さんも言われたとおり、回収率の所で、例えば7ページの10.の所の値と表の値のときの整合性が取れていないかもしれませんので、そこも検討しておいていただければと思います。
○中央労働災害防止協会 はい。
○名古屋座長 あとはよろしいですか。
○圓藤委員 許容濃度がやはり。もしACGIHの許容濃度を入れるとしたら、TWAが5ppmで、STELが15ppmと2013年に変わっているのですよね。この数値が産衛だとすると1979年のままでいいのですが、今年は2ppmを提案しようとしているので、ACGIHの数値を入れておいたほうがいいのではないかと思います。
○名古屋座長 そうですね。そこも修正をよろしくお願いします。
○中央労働災害防止協会 あとはやはりガスなのでppmですので、失礼いたしました。
○圓藤委員 最近、ACGIHはそうなっていますね。mg/m3 は入れなくなっています。
○名古屋座長 参考値として許容濃度を入れておきますか。それはまだいいですか。
○圓藤委員 提案をこれからするので、1年間暫定なので。
○名古屋座長 分かりました。そのままにしましょう。その辺、修正と検討をよろしくお願いいたします。資料2-8に行きたいと思いますよろしくお願いします。
○中央労働災害防止協会 資料2-8、テトラエチルチウラムジスルフィドです。3ページに物理化学的性状の記載があります。沸点が117℃、融点が71℃ということで常温・常圧では白から灰色の粉末です。許容濃度等ばく露限界値については、ACGIH TLV-TWA-2mg/m3 と提案しております。
分析手法は9ページに一覧で記載があります。サンプラーとしては、NOBIAS RP-SG1WAというジビニルベンゼンメタクリレートの重合体のもので前段にガラスファイバーフィルターが付いたものです。サンプリング流量としては、0.2L/min、サンプリング時間は4時間で48L採気いたします。保存性については、0.0994μgから198.8μgの添加で冷蔵5日間保存可能であるということを確認しております。
分析手法は高速液体クロマトグラフ法です。サンプラーをメタノール5mLでバックフラッシュによって抽出した溶液をまず一度4mLに合わせて、それをさらに超純水で5mLに希釈するという操作をして、その溶液を高速液体クロマトグラフ装置に導入するということになります。
紫外検出器を使用して分析条件はこちらに記載のとおりです。検量線としては、0.01988~39.76μg/mLの範囲で直線性が見られているというところを確認しております。添加回収の試験ですが、0.0994μgから198.8μgの範囲で98から102%ということで良好な回収率が得られているというところです。濃度換算すると0.00017~0.34ppmという範囲で検討を行っております。
定量下限ですが、溶液としては0.00368μg/mL、濃度換算すると0.0063ppbとなります。適用としては個人ばく露濃度測定、作業環境測定ともに可能というところになろうかと思います。妨害物質については、この検討段階では特になかったということで報告しております。以上です。
○名古屋座長 何かありますか。これは、あえて作業環境を入れなかったのは10分間で引いたときに0.2が、今、許容濃度がTWA2mgですかね、そうすると0.2を10分間で引ける低量下限が出ないから、あえて入れなかったのですか。作業環境測定の所の適用の所に個人ばく露と。でも、十分いけそうな気がしますよね。
○中央労働災害防止協会 多分、十分測れていると思うので記載漏れだと思います。もう一度確認して測れているのであればきちんと記載を入れておきたいと思います。
○名古屋座長 よろしくお願いいたします。
○圓藤委員 あと、これもmg/m3 で単位を。
○中央労働災害防止協会 そうですね。
○名古屋座長 よろしいですか。次に行きたいと思います。2-9の所です。よろしくお願いします。
○中央労働災害防止協会 資料2-9、こちらも名前が長いので別名としてCIダイレクトブルー15という名称がありますので、こちらで読み上げます。物理化学的性状については3ページに記載があります。こちらも色素で形状としては固体、暗青色の粉末ということになります。許容濃度等、ばく露限界値については設定がありません。
測定手法については、12ページにまとめております。サンプリングについてはグラスファイバーろ紙、AP20を直径37mmのフィルターカセットに装着してサンプリングを行います。サンプリング流量は1L/min、サンプリング時間は4時間で240Lです。保存安定性については、冷蔵で少なくとも7日間までは変化がないことを確認しております。添加量1.25、25.0、500μgということで検討を行っております。
分析の手法としては高速液体クロマトグラフ分析法ですが、サンプリングしたフィルターを精製水、メタノール7/3の5mLのもので抽出行います。こちらの抽出の操作として5分間振とうして3,000回転/min、それから10分間の遠心分離を行った上でさらにろ過を行います。その溶液を高速液体クロマトグラフで分析するということです。分析条件としては、こちらに記載のとおりです。
回収率は、添加量1.25~500μgというところで検討し、4時間通気して94~99%という回収率が得られております。定量下限値は、1サンプル当たり1.25μgというところで、個人ばく露測定の定量下限値としては4時間採気で5μg/m3 です。個人ばく露測定としては5~2,083μg/m3 の範囲を測定することが可能であるということになります。作業環境測定の測定範囲は、24倍になりますが、その範囲では測定が可能ということになります。妨害については、BS EN71-11のターゲット色素16物質を検討しておりますが、妨害にならないということが確認できております。以上です。
○鷹屋委員 これは、たまたま検証された方が使っている装置が超高速液体クロマトグラフの装置を使っているだけで、このカラムは普通のHPLC用なのですか。つまり、他のHPLCの機関でも対応できるということですか。
○中央労働災害防止協会 そうです。普通のカラムです。
○鷹屋委員 使っている装置だけは、たまたま超高速対応の機械だということですか。
○中央労働災害防止協会 そうです。
○鷹屋委員 結構、クロマトグラムがシャープなので、もしかして超高速対応のカラムを使っていると一瞬思ったのですが、カラムの型番を見る限り大丈夫なようですね。
○圓藤委員 少し教えていただきたいのですが、分析装置のLOQと測定法のLOQの違いは何なのですか。分析装置のLOQは、ピークエリアからサンプルを直接入れてみたらということですか。今までこのような書き方はなかったような気がします。
○名古屋座長 そうですね。
○中央労働災害防止協会 確認してお答えさせていただきます。
○名古屋座長 統一されたほうがいいかもしれない、前のと少し記載が違いますので、その辺のところも統一する形の記載でお願いします。
○圓藤委員 UPLCではないの。
○名古屋座長 高速液クロではなくても大丈夫だという形のところも何か入れておかなくても大丈夫ですか。鷹屋委員、大丈夫ですか。
○鷹屋委員 今、カラムの型番を確認してますから待ってください。
○圓藤委員 カラムで見るとやはり太いから、流量も。
○鷹屋委員 流径が5ミクロンだから、これを見る限り普通のHPLCかと思います。
○圓藤委員 流量も1 mL/minだし。
○名古屋座長 その辺を書いてあげたほうが、これしか使えないと思うと。
○圓藤委員 たまたまこの機械だったのだ。
○名古屋座長 そこは書かれたほうが、これから使ってみる人がいるかもしれない。少し検討してみてください。2-10の説明をお願いします。
○中央労働災害防止協会 2-10はトリエチルアミンです。3ページに物理化学的性状の記載があります。沸点が89℃、融点-115℃で常温・常圧では液体の物質です。許容濃度としては、1ppm 4.1mg/m3 が提案されております。
測定手法ですが、4ページに捕集と分析手法の記載があります。まず、3-1の方法で試したら定量性を得ることが困難であるということが示唆されたので、その改良として3-2の方法で今回、提案しております。リン酸をコーティングしたXAD-7を0.1L/minで24L、4時間の採気を行います。これをメタノール2mLで1時間振とうしてその溶液0.5mLを分取し、0.1規定の水酸化ナトリウムメタノール溶液0.5mLを加えて中和したものを分析の試料としてガスクロマトグラフ質量分析装置で分析を行うということになります。5ページにガスクロマトグラフの分析条件の記載があります。6ページです。検量線ですが、0.02μg/mLから1μg/mLの範囲で直線が得られると確認しております。
9ページです。先ほど来、申し上げた分析手法、サンプリング手法の概要の記載があります。保存性については冷蔵で少なくとも5日間までは変化がないことを確認しております。精度について、回収率ですが1データしか書いておりませんが、7ページに3濃度で検討した結果を書いております。添加量0.08~160μgで試験を行っております。個人ばく露濃度測定の濃度に換算すると0.00333~6.67mg/m3 です。この範囲で検討した結果、回収率は92~95%という結果が得られております。
定量下限値ですが、その上の所にあるとおり溶液としては10SDで0.0108μg/mL、24L採気時の気中濃度に換算すると0.00179mg/m3 という結果になります。許容濃度が4.1mg/m3 というところですので、その値の1,000分の1を下回るところまで定量できるという手法です。適用は個人ばく露濃度測定、作業環境測定ともに適用です。妨害物質については、この検討段階では特に妨害となるところはないということで報告しております。以上です。
○名古屋座長 また、先ほどの回収率のところは、やはり原さんが言われたとおり整合性を取るように検討しておいてください。0.08とこちらの値が違っているものがありますので、そこだけかと思います。あとはよろしいですか。
○原委員 心配なのは、5番の破過と10番の回収率の数字が違うので、そこを整合性を取っていただければと思います。80μgを添加したものが回収率88%と、ここの破過の所に書いてあります。9ページの表3でいくと95%になっていると思うので、そこを整合性を取っていただければと思います。それから当然、9ページも名古屋先生がおっしゃられたとおり。
○中央労働災害防止協会 今、気が付きました。5ページの破過は前段のカートリッジの回収率が88%ということです。7ページの回収率の試験は前段と後段を足した数値での回収率という。
○鷹屋委員 ただ、5ページには後段からトリエチルアミンは検出されなかったと書いてあります。
○中央労働災害防止協会 そうですね。失礼いたしました。確認いたします。
○圓藤委員 これだけアミンなのですが、リン酸コーティングで、その前のものは違うコーティングなのですよね。これは一緒にはできない、全然仕様が違います。トリエチルアミンだけ用途が書いていなかったので、全然、用途が違うのならばいいのですが。あとACGIHが2014年にまた。
○名古屋座長 変えています。
○圓藤委員 変えていますよ。TWAが0.5でSTELが1ppmにしています、スキンをつけて。
○鷹屋委員 最終的に蛍光液クロでやるか、これは、これも同じですか。これはガスクロでやっているから。
○中央労働災害防止協会 別です。
○圓藤委員 GC-MSですね。
○鷹屋委員 GC-MSだからサンプラーもその違いですか。分子量が前の2つよりは随分小さいので、多分ガスクロでいけるけれど、前のものだと結構大きくてもしかしてガスクロが難しいとか、そういう理由があるのであればいいのですが、多分。
○圓藤委員 でもトリエチルアミンは、蛍光か。
○鷹屋委員 前に出てきたアミンは割と大きくて、最終的には蛍光液クロで測っていらっしゃる。だから、捕集材そのものが蛍光の誘導体化のコーティングでしたよね。
○中央労働災害防止協会 資料2-3、4ページのジエタノールアミンの所をお開きください。こちらは1、2級アミンに適用可能な方法であるということで書いてありますので、トリエチルアミンは3級アミンですので、違う方法でないと、ということなのだろうと思います。
○鷹屋委員 この誘導体化が効かないということですか。
○名古屋座長 原さんの所だけ直してみてください。前段の88の所と回収率が95と少し違うところなので、検討してみてください。2-11の説明をお願いします。
○中央労働災害防止協会 資料2-11、資料2-12も同じくトリクロロ酢酸ですので、続けてお話いたします。まず最初にトリクロロ酢酸の高速液体クロマトグラフ法です。資料2-11の3ページに物理化学的性状の記載があります。融点が58℃、沸点が198℃ということで、常温・常圧では無色の結晶です。許容濃度等についてNIOSHでRELがTWA1ppm、ACGIHでTLV-TWAが1ppmと提案されております。
分析手法の概略は13ページにあります。サンプラーとしては、シリカゲルの普通のチューブ、シリカゲルの捕集管です。前段が520mg、後段が260mgというものです。サンプリング流量は0.2L/min、サンプリング時間が4時間で48Lの採気量です。保存性については、添加量0.346~691.4μgの範囲において試験を行い、室温では少なくとも7日間までは変化がないことを確認しております。
分析手法としては、高速液体クロマトグラフ法です。抽出溶液は純水2mLを加えて静置10分間、静置後はボルテックスミキサーで数秒間攪拌し、上澄みを1.5mLマイクロチューブに入れ遠心分離を6,000回転/min以上で15分間行うという操作が入ります。そして得られた溶液を高速液体クロマトグラフ装置に導入して紫外検出器210nmで分析を行います。分析条件としては、こちらに記載のとおりです。
検量線については、0.173~345.7μg/mLの範囲で直線性が得られているということを確認しております。回収率については、0.346~691.4μgの範囲で98.1~98.6%という回収率を確認しております。定量下限値としては、0.000109ppmという数値であるということを確認しております。許容濃度とばく露限界値が1ppmということですので、その1,000分の1を十分下回るところまで分析ができます。適用としては、個人ばく露濃度測定、作業環境測定のどちらも適用可能ということです。妨害としては特になかったということで報告しております。この物質については、ガスクロマトグラフ法でも検討させていただいております。
資料2-12の12ページです。やはりシリカゲルチューブで捕集いたします。サンプリング流量は0.1L/min、サンプリング時間は8時間48Lです。保存性については、冷蔵庫で5日間保存可能であるということを確認しております。2mLのメタノールで脱着して30分間超音波抽出、そこから1mLを採取してクロロホルム1mLを添加してTMS試薬、誘導体化試薬20μLを添加して60分間静置してガスクロマトグラフ質量分析装置で分析するということです。こちらに記載のとおりの分析条件で行います。
検量線については、すみません、ここに記載されているものが本文と違っており、本文の0.11~223μg/mLの範囲で直線性が得られているということを確認しております。回収率ですが、添加量0.67μgのときに57.4%で回収率が非常によくありません。この濃度が許容濃度の1,000分の1に該当します。
より詳細に書いてあるのは9ページです。10.回収率という所です。今、申し上げたとおりTLVの1,000分の1の所では57.4%であった。それから、100分の1の所でも73.1%ということで、回収率がよくありません。ばく露限界値と同等のところで83.8%、そのばく露限界値の2倍の所で97.5%ということですので、ガスクロマトグラフ法は今回のばく露実態調査では適用できないということで、高速液体クロマトグラフで調査を実施することがよかろうという結論になると思います。以上です。
○圓藤委員 今回は、ガスクロ法は載せないということですか。
○中央労働災害防止協会 ガスクロ法では、やらないという。
○圓藤委員 やらない。載せることは載せるのですか。
○中央労働災害防止協会 私どもから報告させていただいたので、すみません、このまま、この場に資料が出てきたということだと思います。
○名古屋座長 実際、現場では検討したということですね。
○中央労働災害防止協会 そうですね。
○圓藤委員 回収率が悪いということですね、効率が。シリカからの脱着は液クロのほうでいいから。
○中央労働災害防止協会 そうですね。ガスクロ法の回収率が悪いということです。
○名古屋座長 2つ資料が出てくるのでしたら、例えば2-11と2-12の表1の構造式が違うのと、形が違うのと、ACGIHの許容濃度1が出ているので、直しておいたほうがいいのかなと思います。
○圓藤委員 許容濃度は、また2013年に0.5ppmになっているのです。それと、もしこれを載せるのでしたら、GC-MS法で、ISに1,2,3-トリクロロプロパンを使っていらっしゃるのですけれども、これは非常に毒性が強いということで、ACGIHの許容濃度が0.005ppm、A2になっているのです。ですから、ちょっとこれはISには適切とは言い難いと思いますので、この同位体は高いですから、何かほかのものに代えることができるならばと思います。
○名古屋座長 それは注意書きを書いてあげたほうがいいですね。もし使うときは、やはりそれなりの用意をしないときついですよね。
○圓藤委員 前は10ppmぐらいだったのが、0.005ppmに変わりましたので。何があったか分からないのですけれど。
○名古屋座長 ACGIHもすごいですね。ちょっと怖いですね。
○圓藤委員 ACGIHのすることは、よく分かりませんが。
○名古屋座長 そんなことで、ちょっと修正だけ、検討をお願いします。それでは13をお願いします。
○中央労働災害防止協会 資料2-13になります。こちらも非常に長い名前です。別名クロレンド酸というものがあるので、そちらで読み上げます。物理化学的性状としては、4ページに記載があります。融点が208~210℃、沸点については文献のデータがありませんでした。外観としては無色の固体となります。こちらについて、ばく露限界値の設定がなかったということで、検討していただいた方のほうで、何らかの基準値がないと検討できないということで、OELの推定値として、0.27mg/m3 というものを暫定二次評価値ということに仮定して、開発を行っております。
測定手法概略が18ページに記載があります。サンプリングについては、固相カートリッジ、InertSep Slim-J PLS-2という、GL Sciences社製のものです。スチレンジビニルベンゼンのゲルの粒子です。サンプリング流量としては、2.0L/min、サンプリング時間が240分です。4時間、480Lの採気になります。それから、保存性については、130~260μgの添加の範囲において、5日間の冷蔵保管が可能であると確認しております。1.3μgの添加については、1日間の保存が可能であるというところです。
分析については高速液体クロマトグラフの質量分析法、LC-MSになります。脱着についてはアセトニトリル5.0mLで脱着し、こちらを高速液体クロマトグラフの質量分析計、LC-MSのほうに導入して分析を行ったというところです。分析条件は、こちらに記載のとおりです。検量線については、0.26~52μg/mLの範囲で直線であるということを確認しております。それから、添加回収試験ですが、1.3~260μgの添加です。こちらは気中濃度に換算しますと、2.7~540μg/m3 になりますけれども、その範囲で90.2~92.8%の回収率でした。
定量下限値です。10SDで見ますと、溶液で0.138μg/ mL 、気中濃度2.0L/min、4時間の採気での気中濃度に換算しますと、1.4μg/m3 ということです。検討したときに設定した暫定二次評価値が0.27mg/m3 ですので、その1,000分の1までは分析はできておりませんけれども、100分の1までは分析が可能であるということを確認しているということです。個人ばく露濃度測定については適用ということになります。
それで計算しますと、作業環境測定で設定しました暫定二次評価値の10分の1を10分間の採気でも測定できますので、作業環境測定についても適用可能という判断になります。妨害物質等については、こちらの検討過程では特にはなかったということで、報告しております。以上になります。
○名古屋座長 それでは、作業環境は付け加えるという形ですね。
○中央労働災害防止協会 そうです。
○圓藤委員 ちょっといいですか。確認をお願いしたいのですが、これは定量イオンのMSNo.がMZ386.8、388.9、384.6となっていますけれども、これは多分、LC-MSが四重極だと思うので、小数点以下は出ないと思うのです。このMSスペクトを見ても、全て1桁以上なので、多分これは387とかいうのではないかなと思うのですが、ちょっと御確認ください。
○中央労働災害防止協会 はい、確認します。
○名古屋座長 よろしくお願いします。あとはよろしいですか。それでは、次の14をよろしくお願いします。
○中央労働災害防止協会 資料2-14 メチレンビス(4,1-シクロヘキシレン)=ジイソシアネートになります。3ページに物理化学的性状の記載があります。沸点180℃、融点19~23℃で、常温・常圧では無色の液体です。許容濃度等については日本産業衛生学会では設定されていない。ACGIHについてはTWAが0.054mg/m3 、0.005ppmで1985年ということになります。
測定分析手法の概略が17ページに記載があります。サンプリングについては、SUPELCO  ORBO-80、1-(2-ピリジル)ピペラジン1mg含浸のグラスファイバーフィルターを使って採気いたします。サンプリング流量は1L/min、サンプリング時間は10~240分間で、保存性は0.13~26μgの濃度範囲で、冷蔵庫で5日後までは保存率90%以上であることを確認しております。
分析方法は高速液体クロマトグラフ法になります。サンプラーのフィルターを0.05%酢酸・アセトニトリル/ジメチルスルホキシド90対10の溶液4mLで抽出します。40℃の乾燥機で60分間以上置き、その溶液をろ過するということになります。分析は先ほども申し上げたとおり、高速液体クロマトグラフ装置になり、こちらに記載の分析条件で分析を行うということになります。
検量線については、0.016~10μg/mLの範囲で直線性があるということを確認しております。それから、精度ですが、回収率、添加量が0.13~26μgの範囲で、気中濃度に換算しますと、ACGIHのTLVの100分の1から2倍の範囲になりますが、この範囲で回収率を検討した結果、93.5~99.9%という結果が得られております。定量下限値ですが、10Lの採気で、0.0024mg/m3 、240Lの採気、個人ばく露の採気では、0.000098mg/m3 ということになります。個人ばく露測定については100分の1よりも低い所までは測定できますけれども、1,000分の1まではちょっと達していないというところになります。
それから、作業環境測定については、10分の1以下までは、一応、10分間の採気では分析ができるということになります。適用としては個人ばく露濃度測定、作業環境測定ということになります。妨害については、この検討過程では、特にそのようなことは見られなかったということで、報告しております。以上になります。
○名古屋座長 何かありますでしょうか。これはきちんとやっていますね。では、これは大丈夫だと思います。次に行きましょう。
○中央労働災害防止協会 硫酸ジイソプロピルです。物理化学的性状については、3ページに記載しております。沸点が94℃、融点が-19℃ということで、常温・常圧で液体ですが、無色の油状の液体であるということです。測定分析手法の概要は10ページにまとめて記載しております。サンプラーとしてはポラパックPを前段に100mg、後段に50mgを充填したものを使用しております。ポーラスポリマー系の充填剤というものになります。こちらをガラスチューブに充填して使用しております。サンプリング流量としては、0.1L/min、サンプリング時間は作業環境測定の10分間と240分間ということです。
保存性については、冷蔵で少なくとも7日間までは変化がないことを確認しております。分析の手法としては、ガスクロマトグラフ質量分析法を使用しております。サンプラーをジエチルエーテル1mLで、脱着時間60分間ですが、こちらで脱着しております。内部標準物質としてはTol-d8、2μg/mLで使用しております。ガスクロマトグラフの分析の条件としては、こちらに記載のとおりです。検量線は0.01~106.75μg/mLの範囲で直線性が得られているということを確認済みです。
それから、精度ですが、回収率は添加量0.025μgから534μg、濃度に換算しますと、個人ばく露測定で0.00014ppmから3ppmという範囲で、検討しております。その範囲で、97~105%という回収率が得られたということです。定量下限は、10SDで見ますと、0.025μg/mLで、気中濃度に換算しますと、0.0001ppmと、個人ばく露濃度測定で、そこまでが定量下限となります。ばく露限界値の設定がありませんので、これをこの手法での定量下限値とさせていただきました。
適用としては、個人ばく露濃度測定、それから作業環境測定共に二次評価値が決まっていませんので、何とも言えませんけれども、一応大丈夫でしょうということで、こちらで記載しております。それから、妨害物質の妨害については特にこの検討過程ではなかったということで、報告しております。
あと、すみませんが検討のほうで、本文に記載されていた部分があり、二次評価値の参考になるようなばく露限界値はなかったのですが、硫酸ジメチルで暫定二次評価値が0.1ppmというのは、許容濃度、管理濃度が0.1ppmというのがありますので、これを参考にして目標濃度を決めて、検討していったというところです。0.1ppmを基準にして見ていくと、ここで得られた定量下限値0.0001ppmというものは、ちょうど1,000分の1の値になりますので、第二評価値がどうなるのか分かりませんが、それで見ていくと、一応1,000分の1までクリアできているのかなというところです。以上になります。
○名古屋座長 特に難しい所などはないので、大丈夫ですね。
○圓藤委員 この定量下限値、10SDの場合、0.00014と前の所には書いてあるのですが、4を切ってしまっているので。
○中央労働災害防止協会 四捨五入してしまっているということですね。
○圓藤委員 それをしていいのか、どうでしょうか、前と合わなくなるので。
○中央労働災害防止協会 そうですね、前と合わせないとまずいですよね。
○圓藤委員 よろしくお願いします。
○名古屋座長 では、そこは修正という形で、あと2つです。それでは16をよろしくお願いいたします。
○中央労働災害防止協会 資料2-16、レソシノールになります。3ページのほうに物理化学的性状の記載があります。融点が110℃、沸点が280℃で、白色の固体の物質になります。ばく露限界値、日本産業衛生学会、OSHAについては、設定がありません。NIOSHのRELで、TWA10ppm、STELで20ppm、ACGIHのTLV TWAで10ppm、STELが20ppmというところになります。測定手法については、12ページにその概略がまとめておりますので、そちらを御覧ください。サンプラーについては、NOBIASRP-SG1WA、グラスファイバーのフィルターが入ったジビニルベンゼンメタクリレート共重合体の捕集材になります。440mgの充填量ということになります。
サンプリング時間は0.2L/min、サンプリング時間は4時間になります。保存性については、添加量2.202μgから4403μgにおいて、遮光保存で少なくとも3日間までは安定であるということは確認しております。分析については高速液体クロマトグラフ法になります。捕集したものをメタノール5mLでバックフラッシュして、メタノールで5mLに定容したものをガスクロマトグラフ分析装置に導入して分析するということになります。検出器はUV273nmで行います。
それから検量線については、0.440~880.7μg/mLの範囲で、直線性が得られているのを確認しております。精度ですが、回収率、添加量2.202μgから4403μgで検討しております。これは、個人ばく露濃度測定のばく露限界値の1,000分の1から2倍の範囲での見当になります。89.3から98.9%という結果が得られております。定量下限ですが、10SDです。σと書いてありますが、ほかはSDで書いていますので、こちらはSDに訂正させていただきます。10SDで溶液として0.0181μg/mLの濃度に換算しますと、0.000420ppmとなります。ばく露限界値が10ppmですので、これに比較すると1,000分の1以下まで十分に分析ができることになります。
適用については記載がありませんが、個人ばく露濃度測定、作業環境測定、共に適用可能ということになります。妨害については、この検討過程において特になかったということで、報告しております。以上になります。
○名古屋座長 何かありますでしょうか。
○圓藤委員 ありません。
○名古屋座長 これも、それほど。では、時間がちょうど間に合いますので、最後の17をお願いします。
○中央労働災害防止協会 資料2-17、イソホロンになります。3ページに物理化学的性状の記載があります。沸点が213~214℃、融点が-8.0℃ということで、常温・常圧で無色の液体です。測定手法の概略が9ページに記載がありますので、こちらを御覧ください。先ほど許容濃度を言い忘れましたが、こちらにその記載がありますので、御覧ください。ACGIHではCeilingとして5ppmを提案しております。それから、NIOSH、PELで4ppmとなっております。サンプラーとしては、球状活性炭管、No.258ガステック社製、100mgが1層目、2層目が50mgというものを使用します。サンプリング流量は0.1L/min、サンプリング時間は4時間で、採気量は24Lです。保存性は冷蔵4℃で少なくとも6日間は保存可能であるということを確認済みです。
分析ですが、ガスクロマトグラフ質量分析法で実施します。脱着については、ジクロロメタン1mLを使用して、30分間静置しますが、時々で振とうするという形になります。分析については、ガスクロマトグラフ質量分析装置を使用します。分析条件については、こちらに記載のとおりです。検量線については、0.446~223μg/mLの範囲で検量線を作成しており、直線性があるのを確認しております。それから、精度です。回収率は0.534μgから1161μgの範囲です。気中濃度に換算しますと、0.004ppmから8ppmということで、NIOSHのPELの4ppmの1,000分の1から2倍の範囲で検討を行っております。ここの範囲で、91.1~98.5%の回収率を確認しております。それから、定量下限ですが、溶液濃度として10SDが0.0884μg/mLです。採気量24L個人ばく露濃度測定で見ますと、0.00066ppm、それから作業環境測定、採気量1Lで見ますと、0.016ppmということで、共に測定したい濃度のばく露限界値の1,000分の1、それから、作業環境測定であれば、その濃度の10分の1までは測定できることを確認できております。
適用としては個人ばく露濃度測定、それから作業環境測定、共に適用可能ということです。妨害については、この検討過程では特に妨害となるようなものは見られなかったということで、報告しております。以上になります。
○名古屋座長 1点ちょっと確認したいのは、6ページの検量線の6の図は22.3ですよね。
○中央労働災害防止協会 これは223の誤りです。
○名古屋座長 ですよね。上の文章は223になっていますものね。では、これはやはり223ですよね。そこを直して、こちらの検量線を使えばいいということですよね。この範囲でなるべく調整してやっていくことで、よろしいですか。
○中央労働災害防止協会 はい、そうですね。
○名古屋座長 やっと重要な物質が無事に終わりましたので。
○圓藤委員 ちょっと直していただきたいのは、最後の9ページの許容濃度の所に、括弧して2014と書いてあるのですが、これは設定年を入れるとしたら、1992年です。
○中央労働災害防止協会 なくてもよろしいですか。
○名古屋座長 入れておいたほうがいいのではないですか。
○圓藤委員 設定年は入れておいたほうが。
○中央労働災害防止協会 設定年数を入れておくということですね。分かりました。
○名古屋座長 新しく出たと思いますものね、2014年に。
○圓藤委員 2014年に変わったと思われるので。
○中央労働災害防止協会 そうですね。
○名古屋座長 ありがとうございます。そうしましたら無事に17物質終わりましたということで、もうちょっと掛かるかと思っていたのですが、終わってよかったです。そうしましたら、ほかにないようですので、その他について事務局から説明をよろしくお願いします。
○米倉化学物質情報管理官 資料3です。今後の予定ですが、事前の日程調整においては、ばく露評価小検討会第2回目を6月3日、第3回目を6月10日の2日の日程の確保をしていただいていたところですけれども、本日の議題1のとおり、年度前半にリスク評価を行うことを予定している物質は3物質ですので、1回の会議で3物質のばく露評価を行うことができるのではないかと考えているのですが、いかがでしょうか。
○圓藤委員 十分と思います。
○名古屋座長 大丈夫だと思います。
○米倉化学物質情報管理官 そうしたら、6月3日か6月10日ということなのですが、事務局側の都合ですみませんが、少し時間を頂いたほうが資料等の準備ができるかと思いますので、6月10日でお願いしたいと思うのですが。
○名古屋座長 6月3日を中止にして、6月10日を第2回と修正すればいいのですね。分かりました。では1回お休みという形でよろしいでしょうか。では、そこに書いてある2回目の6月3日は休みで、6月10日を第2回ということで、ばく露小検討会は2回という形でよろしくお願いします。あとはまた、リスクの所で合同のことはまた別に、その次に検討しようと思いますのでよろしくお願いします。あとはよろしいですか。少し急ぎになりましたが、17物質できました。本当にありがとうございます。以上で本日の小検討会は終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
 
(了)