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2015年5月29日 児童虐待防止対策のあり方に関する専門委員会(第10回)
雇用均等・児童家庭局総務課虐待防止対策室
○日時
平成27年5月29日(金) 15:00~17:00
○場所
中央合同庁舎5号館9階省議室
○出席者
委員
松原委員 | 秋山委員 | 泉谷委員 | 磯谷委員 |
菅野委員 | 辰田委員 | 浜田委員 | 木ノ内委員 |
草間委員 | 平田委員 | 藤川委員 | 卜蔵委員 |
武藤委員 | 岡井委員 | 笹井委員 | 佐藤委員 |
藤平委員 | 作本委員 | 中板委員 |
オブザーバー
警視庁 | 法務省 |
厚生労働省
木下大臣官房審議官(雇用均等・児童家庭、少子化対策担当) |
古川総務課長 |
大隈家庭福祉課長 |
田村虐待防止対策室長 |
寺澤家庭福祉課長補佐 |
○議題
(1)これまでの議論のとりまとめ(案)について
(2)その他
○議事
○寺澤家庭福祉課長補佐 定刻となりましたので、ただいまから第10回「児童虐待防止対策のあり方に関する専門委員会」を開催いたします。
委員の皆様には、お忙しい中お集まりいただきしてまことにありがとうございます。
本日は、平井委員、加藤委員より御欠席の連絡をいただいております。また、秋山委員、岡井委員は所用により遅れて御出席になるとの連絡をいただいております。
最初に、資料の確認をさせていただきます。
配付資料は、本日の座席表、議事次第。
資料「これまでの議論のとりまとめ(案)」。
参考資料1「これまでの委員会における委員からの主な意見等について」。
参考資料2「社会的養護専門委員会における主な意見等について」となっております。
資料の欠落等がございましたら、事務局までお申しつけください。
それでは、委員会の運営に当たりまして、委員の皆様へお願いがございます。視覚・聴覚障害をお持ちの方などへの情報保障の観点から、御発言等をされる場合には、発言を希望する方は挙手をしていただく、挙手をした方に対し、委員長から指名をさせていただきます。指名を受けた方はお名前を名乗ってから御発言いただくという形にしていただきたいと考えておりますので、御協力をお願いいたします。
また、本専門委員会は公開で開催し、資料及び議事録も公開することを原則とさせていただきます。
それでは、以降の進行は松原委員長にお願いいたします。
○松原委員長 こんにちは。お忙しい中、御参加いただきありがとうございます。
それでは、時間の制約がありますから、早速議事に入ってまいりたいと思います。
前回までの議論の整理を事務局へお願いしまして、今日は資料としては「これまでの議論のとりまとめ(案)」についてお手元にお届けすることになりました。これについて、今日はまたさらに御議論をお願いしたいと思います。
後ほど事務局からもそこの部分の御説明があるかと思いますが、「1.はじめに」の○の3つ目で、今日で全ての議論が終わりということではなくて、議論をさらに引き継いでいくために一旦議論を取りまとめるという性格を持った取りまとめになるということを御承知おきいただき、今後解決すべき課題も含めて、またいろいろな御意見を伺ってまいりたいと思います。
では、最初に「1.はじめに」から「3.児童虐待防止対策のあり方」の中の「(1)児童の安全確保を最優先した一時保護の実施について」まで、事務局より読み上げをお願いいたします。
○大隈家庭福祉課長 事務局の家庭福祉課長でございます。
資料の「1.はじめに」から3.(1)まで読み上げさせていただきます。
(案)
社会保障審議会児童部会 児童虐待防止対策のあり方に関する専門委員会
これまでの議論のとりまとめ(平成27年5月29日)
1.はじめに
○ 平成26年8月29日に、第1回児童虐待防止対策に関する副大臣等会議(以下「副大臣等会議」という。)が開催され、「厚生労働省を中心に、実効的な児童虐待防止対策の構築に向けた検討に着手するとともに、児童虐待防止対策について関係省庁が連携して対策を強化すること」等の方向性が示された。
これを受けて厚生労働省においては、同年9月19日に社会保障審議会児童部会の下に児童虐待防止対策のあり方に関する専門委員会(以下「専門委員会」という。)を設置し、副大臣等会議に示した児童虐待防止に係る「当面の課題・施策の方向について」の5つの課題を中心に議論を行い、同年11月28日に「これまでの議論のとりまとめ」として一旦まとめた上で、副大臣会議に報告したところである。
○ この報告の中では、「これまでの議論に加え、自立に向けた支援のあり方や初期対応についても、一時保護所や児童養護施設、里親等のあり方と一体で考えるという視点も必要」との指摘がなされたところであり、それを受けて、平成27年3月2日に専門委員会の議論を再開し、自立支援部分に係る「当面の課題・施策の方向について」の4つの課題を中心として5回にわたる議論を行ってきたところである。
○ このたび、今後予定される児童虐待防止の取組に関する予防から支援までの全体を見通した議論に引き継ぐため、一旦議論を取りまとめることとした。
2.専門委員会における検討経過等
○ 自立支援に係る専門委員会は、平成27年3月2日の第6回から再開し、第7回(同年4月6日)及び第8回(同年4月20日)に委員からのプレゼンテーションを行うなど、同年5月29日までに5回の委員会を開催した。
なお、本専門委員会で検討した自立支援に係る「当面の課題・施策の方向について」の4つの課題は以下のとおりである。
(1)児童の安全確保を最優先した一時保護の実施について
(2)親子関係再構築支援のための取組について
(3)措置児童の確実な自立につなげていくため、施設、里親等に養育されている間に必要な取組について
(4)施設退所児童等の円滑な自立のための居場所づくりの取組と工夫について
○ なお、今回の専門委員会での課題は、社会的養護のあり方に関係する内容でもあるため、社会保障審議会児童部会の下に設置されている社会的養護専門委員会にもこれまでの議論について5月22日に報告し、各委員から御意見を伺った。
3.児童の自立に向けた支援のあり方について
(1)児童の安全確保を最優先した一時保護の実施について
平成25年度の一時保護の実績は、一時保護所内の一時保護が21,281件で、うち児童虐待件数は10,105件(47.5%)、一時保護委託は12,016件で、うち児童虐待件数が5,382件(44.8%)となっている。(※1)
一時保護所内の一時保護の平成25年度の平均保護日数は29.0日である。(※1)
平成25年1月から12月までの間の一時保護所132カ所のうち、年間平均入所率が100%を超える一時保護所は6カ所、81~100%の一時保護所は24カ所となっている。(※2)
児童虐待の相談対応件数増に伴い一時保護件数が増加する一方で、一時保護所は都市部を中心とした慢性的な超過収容の問題や、さらには長期化する一時保護中の子どもの教育の保障などの問題が指摘されている。
1一時保護の積極的実施の検討
○ 虐待によって子どもの安全が脅かされていることが疑われるものの、その時点で得られている情報や、これまでの事例などに照らして緊急保護を行うかどうかの限界事例であって、判断に迷う場合は、原員一時保護を行うことを明確化することを検討。
2一時保護の更なる量的拡大
ア 一時保護所の整備促進
○ 一時保護定員が不足している地域における一時保護所の整備を促進。
イ 一時保護委託先の確保
○ 児童養護施設や乳児院及び里親等が、一時保護委託を受け入れやすくするための方策を検討。
ウ 一時保護所の運営委託
○ 一時保護所の運営の外部への委託を可能とすることを検討。その場合においても、委託の責任者としての責任を担う児童相談所において、委託先のサービスの質の確保及び子どもの状況把握について確実に行われることが必要であるため、委託先を決定するための基準の検討が必要。
3一時保護の更なる質の向上
ア 一時保護所の職員配置基準
○ 一時保護所は、子どもの受け入れに24時間対応し、子どもの心理的・肉体的状況を早期に把握しなければならない。また、子どもの年齢構成は主に幼児から思春期までと幅広いことに加えて、一時保護を要する背景も非行、虐待あるいは養育困難など様々である。様々な児童の入所状況に応じた十分な対応を実施するための体制について検討が必要。
イ 保護・支援の質の向上
○ 保護・支援を受ける子どもの立場に立った質の向上のため、外部の者による評価を受ける仕組みが必要。
ウ 一時保護中における学習支援
○ 一時保護中の子どもに対する必要な学習支援が十分に確保できる方策を検討。
4児童相談所等が正確な情報を迅速に入手できる仕組み
○ 的確なアセスメントを行うために、児童相談所等が医療機関や学校等から正確な情報を迅速に入手できる仕組みが必要。
そのため、児童相談所等が行う調査に対する関係機関の回答義務化を検討。
(※1)平成25年度福祉行政報告例
(※2)雇用均等・児童家庭局総務課調べ
以上でございます。
○松原委員長 ありがとうございます。
かなり踏み込んだ表現も幾つか見られるのですが、御意見を伺いたいと思います。全体を見通しての議論ですが、大体この一つの区切りごとに20分程度と考えておりますので、よろしくお願いいたします。
いかがでしょう。どなたからでも結構です。
どうぞ。
○菅野委員 滋賀の菅野です。
この3ページの3の「イ 保護・支援の質の向上」で、これは第三者評価のことだと思うのですけれども、この専門委員会の資料とか議論の中には出てきていない項目のような気がいたします。今日いただいている参考資料2を見ると、これは社会的養護の専門委員会のほうで出ている意見なのかなと見たのですけれども、ここで議論したことと別の専門委員会から出てきた意見を、ここの議論のまとめの中で並列するのはどうなのかなと。別立てにしていただいたほうが、この議論には私たちは一切関与していないということがあるので、まとめ方ですね。ここで出てきた資料とか話し合った内容とほかのところから出てきた意見は別々にしていただいたほうが、参加しているメンバーとしてはすっきりします。
○松原委員長 私は議事録を全部調べたわけではないですが、この発言は私がしているかもしれないです。前々から一時保護所にも第三者評価を入れるべきだということで、実際にもうやっていらっしゃる自治体が1つと、今年度中に導入されるところが1つあるので、それを踏まえて私のほうで発言したつもりにはなっていました。
○菅野委員 そうですか。私の記憶の中にないので、申しわけないです。
○松原委員長 議事録で、すっかり発言したつもりがしていなかったかもしれませんが、改めて今日の段階でこれは必要ではないかということで、この専門部会の意見としてこれを記載していただけたらありがたいなと思います。
○菅野委員 第三者評価が必要ということに関しては、私も必要だと思いますので、ここで議論していただければ、ここに載せることに異論はないです。
○松原委員長 ということで、もし議事録に残っていなかったら今日の議事録で御容赦願いたいと思います。申しわけありません。
どうぞ。
○辰田委員 八王子児童相談所の辰田です。
当然、外部評価という形で外の目を入れることはいいことだと思っています。ただ、その前にイのところによって、本当にどういった子どもかわからない状況、また非行、虐待、養困、男女交えてという中で、基準を設けるということについてはより慎重な対応が必要ということをお願いしたい。
そして、2ページの「2一時保護の更なる量的拡大」の「イ 一時保護委託先の確保」というところで、児童養護施設、里親、乳児院が並んでいるのですが、特に乳児院の一時保護委託先は本当に待ったなしの状態です。一時保護所では対応できない乳児院というのは特に抜き出した形での一時保護委託先の確保というものが必要だと考えます。
○松原委員長 ありがとうございます。
どうぞ。
○平田委員 平田です。
2のイの乳児院について言わせていただきたいのは、乳児は虐待だから一時保護委託ではなくて、いろいろな理由がわからないまま全て一時保護で委託されることが前提になっているというところを一つ確認していただきたいことと、3ページの3にも「幼児から思春期まで」といって、乳児というのが児童相談所の一時保護対象児として出ていない。一時保護を児相が行わないときのリスクの問題を、里親さん等々に新生児の一時保護が行われたときに、乳幼児突然死症候群等のリスクへの対応をどのように行っていくかというところも含めての一時保護のあり方を検討していくべきだというところを入れていただきたいかなと思います。
○松原委員長 ありがとうございます。
ちなみに、私は児相のお二方に質問したいのですが、これはこの場での発言なのですが、児童養護施設等については、被措置児童虐待の通告というのがありますよね。当然児相の一時保護所にもそれはあってしかるべきだと思うのですが、これもやはり質の向上ということで、子どもの権利擁護ということもここの中に挙げておくべきなのかなと思うのですが、いかがですか。
○菅野委員 彦根児相の菅野です。
委員長のおっしゃるとおりで、ある意味、権利ノートみたいな形で、子ども達への権利教育というのはしなければいけないというのはあります。一応入所してくる子ども達への説明という形で取り組みとかはやっていますので、その部分は異論ございません。
○松原委員長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
武藤委員、どうぞ。
○武藤委員 全養協の武藤です。
これまでの議論の中で、私たちはペーパー等でより具体的な提案をさせていただいたつもりでいるのですけれども、この取りまとめ案の、例えば2ページの一時保護所の整備を促進することだとか、この後の後半の部分もそうなのですが、全体的には考え方とか方向性についてまとめられている印象なのですけれども、より具体的ないろいろな提案をしたほうがいいのかなと思っているのです。
事務局にちょっとお聞きしたいのですが、これまでの論議の取りまとめ案については、具体的な対策だとか方策、こういうものに関しては今後どこでどういう形で検討していくのかということについて、ぜひお聞きしたいと思います。方向性だとか考え方はいいのですけれども、これをではどう具体化するのかというのが余り触れられていないような気がするので、本当にこういう方向を出して実現できるのかなというのが非常に心配になるものですから、今後の検討ということになるのかなと思うのですけれども、その点でぜひお考えをいただければなと思っているところであります。
○松原委員長 事務局のほうからどうぞ。
○大隈家庭福祉課長 今回のペーパーの性格ですけれども、3月から5回にわたって議論いただいて、これまでの自立支援に関する議論を一旦整理したということなのですが、さらに丁寧な議論をすべき課題につきましては、また今後予定される議論、予防から支援までの全体を見通した議論に引き継いでいきたいと思っていますので、具体策についてはそのプロセスの中で御議論いただければと考えております。
○松原委員長 議事録的には、今日の御発言も残って引き継がれていくので、この一時保護の部分で特に議事録に残しておく、具体的にこれは検討すべきだということがありましたら御発言いただけますか。
○武藤委員 では、続いて提案させていただきたいと思います。
この2ページの下の「イ 一時保護委託先の確保」で、児童養護施設、乳児院及び里親が一時保護委託を積極的に受け入れやすくするためにということで、ここの項目で、今、施設が生活単位の小規模化を推進しているところですが、一時保護委託で子ども達を受け入れるについては、現場で受け入れに対して苦慮するところがあります。ですので、一時保護を各施設等でやるということであれば、それをもう少し受け入れやすい方策を考えていく必要があるのではないか。例えば、職員の補助だとかも含めて、児童の安定的な生活保障をするための財源、事務費や事業費の配慮も含めて、ぜひ具体的な検討をお願いしたいと思います。
以上です。
○松原委員長 それでは、木ノ内委員。
○木ノ内委員 全国里親会の木ノ内です。
ちょうど同じところなのですけれども、「一時保護委託先の確保」で里親も入っております。受け入れやすくという問題がありますけれども、昨年度までの全国里親会のやっている里親保険というのは一時保護についても対象になったのですが、今年度から実は一時保護委託に関しては保険の対象にならないということがあって、子どもを預かって、事故があったりした場合にとっても危険なことになるということなので、ここにということではありませんけれども、全体の中でどこかその辺のことも触れていただければと思います。
○松原委員長 事務局のほうでその事実を把握されていますか。
○大隈家庭福祉課長 事務局です。
詳しい事情は承知しておりません。
○松原委員長 ちょっと調べていただいて、また個別に木ノ内委員にお伝えいただければと思います。
ほかにはいかがでしょうか。
2ページの2のウは一歩踏み込んだ方向性を示されておりますが、このあたりについてはよろしいのですか。
ほかには。
菅野委員、どうぞ。
○菅野委員 菅野です。
一時保護に関しての介入の部分というところで、介入された子ども側の影響とか、保護者への影響ですね。もちろん課題があるので修正していくという取り組みをしていかなければいけないのですが、その人たちも支援の対象なのだというふうにして私たちは扱っています。ただ、やはり介入の部分で1の○でありますように、なかなか踏み込んでいく判断の難しさは現場的にはあります。
ちょっと調べてみたのですけれども、虐待のケースで、一時保護をどういうタイミングで保護者に伝えているかを粗々で調べてみたら、虐待の初動のグループが対応している85%ぐらいで、保護者に告知する前に、先に保護しています。職権の保護の書類を持って対応していますが、同意がとれる場合もあります。疑わしいものに関しては大半のケース、先に子どもの安全を確保してから保護者に伝えるという取り組みをもうしているなという現場の実感としてあります。これは一時保護を実施したケースだけですから、悩んでいるケースはもちろんたくさんあります。基本的には安全を脅かされている、その安全のレベルの捉え方によって、例えば施設さんとか、それから地域と児童相談所、いろいろなところの感覚の違いみたいなことは出てきてしまいます。完全一致は難しいと思いますし、この議論はずっとは続けていかなければいけないことなのかなと。家族支援、子どもの発達支援だと思いますので、その辺はやり合いをしながらやっていかないといけない項目かなというところ。
それから、2のウが多分かなり踏み込んだ話と委員長のほうからお話がありましたけれども、現実にこれが例えばどこか民間の委託先が設備までつくって、人員までやって、これだけの要件をそろえましたから委託をというように果たしてしてもらえるものかなと思う部分はあります。でも、経費とかいろいろなことを考えるとこういう案が出てくる時代なのかなとは思いました。
以上です。
○辰田委員 八王子児相の辰田です。
「2一次保護の更なる量的拡大」の「ウ 一時保護所の運営委託」というところです。当然その一時保護というのは児童相談所の責任でもって行われるわけですし、万が一、虐待の場合は保護者の同意を得ずに行っております。保護されている子どもの安全、安心というところでは、やはり責任を持ってやらなければならないですし、そこで例えばけがをするだとか、何かあっては本当に取り返しのつかないことになります。
運営委託という話になってくると、そこのサービスの質もそうですし、極端な話で言うと、そこで働いている職員の方たちだとか、どういった方たちが採用されているかもわからない、また人も入れかわる、もしかしたら児童相談所が関わるような家庭の親御さんも入ってきたりとかいうところになってくると、果たしてそれがうまく回るのかな、どうなのかなというところ。それから、この委託がどんどんメーンになってくるといろいろな問題も発生するのかなと思いますので、そこはやはり慎重に議論しなければならないかなと思います。
○松原委員長 ほかにはいかがでしょうか。
泉谷委員、お願いします。
○泉谷委員 目白大学の泉谷でございます。
今の一時保護の委託のところですけれども、一時保護といったときに、既にDVの施策の中で一時保護委託を民間に託しているところがあると思います。その中で、たとえDVで避難してきた女性とその子どもを保護していたとしても、その方たちがこれからどうしていくかというところのいろいろな方針を立てていくところには必ず行政が関わっていって、民間の団体と一緒に支援をしていくところがあると思います。ですので、ここでまず委託先の基準を決めるだけではなくて、もし委託という形をとるのであれば、児童相談所と委託先がどういう形で業務を分担していくか、その議論をしてからでないと、多分委託先の基準の検討というのはできないと思います。
以上です。
○松原委員長 ありがとうございます。
次の項目に移ってよろしいですか。
(首肯する委員あり)
○松原委員長 それでは、次は「(2)親子関係再構築支援のための取組について」、まず事務局から読み上げをお願いいたします。
○大隈家庭福祉課長 事務局です。
(2)から読み上げさせていただきます。
(2)親子関係再構築のための取組について
児童養護施設に入所している児童のうち、虐待を受けた経験のある者の割合は約6割となっている。こうした児童に対して、保護者を援助し親子関係の修復を図り、実親に戻すことは、児童福祉の観点から優先的に取り組むことが必要であり、現在、児童相談所が主体となって親子関係再構築のための支援が行われている。
また、児童養護施設等(児童養護施設、乳児院、児童自立支援施設及び情緒障害児短期治療施設をいう。以下同じ。)においても、児童の状況を把握し保護者とアクセスしやすいという利点を活かして親子関係再構築支援に取り組んでおり、児童養護施設等には、入所児童の家庭復帰等のための支援を行う家庭支援専門相談員(ファミリー・ソーシャルワーカー)の配置を義務化するとともに、心理療法を必要とする児童が一定数以上等入所している児童養護施設等には、心理療法担当職員を配置するなどの取組を行っている。
施設入所児童等(児童養護施設等に入所する児童及び里親又はファミリーホームに委託されている児童をいう。以下同じ。)に対し家庭復帰を適切に進めるためには、児童相談所との密接な連携が必要であるが、児童相談所においては虐待の初期対応等に時間を取られることや、介入を行った児童相談所からの支援に拒否的になる家庭も多いなどの理由により、十分な対応ができていない場合がある。
1親子関係再構築における介入機能と支援機能の分離
○ 児童相談所が強制的に介入し親子分離させ一時保護を行った場合で、感情的なもつれから保護者が児童相談所の指導に従わないことなどにより、親子関係再構築支援の取組に支障が生じる場合がある。
親子分離を行う機能と親子関係再構築支援を行う機能を分けることについては、それぞれの機能を担当する職員を分けることの有効性や機関を分けることの必要性などについて検証が必要であり、また、現在のシステムそのもののあり方の見直しにつながることから、丁寧な検討が必要。
○ 親子関係再構築支援については、児童の状況を日常的に把握するとともに保護者の面会に対応するなど、児童・保護者双方との間で良好な関係を維持し一定の信頼関係を有する施設が、児童相談所の技術的な助言や支援等を受けながら、その役割を担うことについて検討。
2児童養護施設等の機能の明確化及び支援体制の強化
○ 児童養護施設等に入所する児童のうち、保護者のいない児童は少なくなっている現状を踏まえれば、児童養護施設等が親子関係再構築支援の役割を果たすことは不可欠であるため、その機能として親子関係再構築支援を明確に位置づけるとともに、親子関係再構築の支援体制の強化について検討。
○ 児童養護施設等に配置されている家庭支援専門相談員(ファミリー・ソーシャルワーカー)について、その役割を再確認し、親子関係再構築支援に関する業務に専念できるようにするとともに、親子関係再構築支援に係る必要な業務量に対応した配置ができるようにすることが必要。
○ 里親やファミリーホームに委託されている児童に係る親子関係再構築支援においては、里親家庭やファミリーホームに家庭支援専門相談員(ファミリー・ソーシャルワーカー)が配置されていない点などは施設とは事情が異なるが、計画的に親子関係再構築を図ることは重要であり、児童養護施設等に配置された家庭支援専門相談員(ファミリー・ソーシャル・ワーカー)や里親支援機関との連携による支援のあり方について検討が必要。
3児童家庭支援センターの更なる活用
○ 児童家庭支援センターによる親子関係再構築支援は、児童相談所の補完的役割として、児童相談所から児童家庭支援センターに対して指導措置を委託することにより、実施することが可能。
このように児童養護施設等だけでなく児童家庭支援センターも親子関係再構築支援の担い手となり得るが、児童家庭支援センターの設置数は全国的に少なく、地域によって取組状況は様々であり、児童相談所の補完的役割を果たす拠点として設置数の拡大と更なる機能強化が必要。
○ 児童家庭支援センターの拡充を図るためには、子ども・子育て支援から家族支援まで地域で幅広く相談に応じることによって役割が不明瞭となっている現状を改善し、その役割の明確化を図るとともに児童家庭支援センターに対する支援の充実について検討が必要。
この場合において、児童家庭支援センターが児童相談所からの指導委託を受けて親子関係再構築支援を行う場合に適切な業務遂行が可能となるよう、児童家庭支援センターに対する支援の仕組みについて検討が必要。
4家庭復帰に向けた保護者や児童の理解の促進
○ 家庭復帰を計画的に進めるためには、保護者や児童に自らの置かれている状況について丁寧に説明し、その理解を促すことが必要。
○ このため、虐待をした保護者に対しては、保護者が自己の振り返りを行うことを支援するため、児童相談所による保護者支援のプログラムの一層の活用が必要であり、児童に対しては、家庭復帰を計画的に進める過程で、生い立ちや施設入所の理由等を理解できるようにする支援が必要。
○ 親子関係再構築支援を行う児童養護施設等においても、こうしたプログラムの習得が必要であり、児童相談所からの専門的・技術的支援や、家庭支援専門相談員(ファミリー・ソーシャルワーカー)の技術向上のための研修等の検討が必要。
5児童養護施設等と関係機関の連携
○ 児童養護施設等において、あらかじめ家庭復帰を見通した支援を実施するためには、1親子関係など施設入所前の状況を含めた児童の正確なアセスメントを行うこと、2親子関係再構築後に虐待が再発した場合に速やかに児童を守る体制が地域にあるか等の情報を共有することが重要。
○ このため、1児童養護施設等に入所する入口の段階では、児童の情報を的確に得ることができるよう、2児童養護施設等を退所する出口の段階では、親子が生活することとなる地域の状況を把握することができるよう、児童相談所や児童養護施設等と市町村の関係機関(母子保健、保育などの子育て支援サービス、幼稚園、学校等の教育関係の機関など)との密接な連携が必要。
6家庭復帰後の虐待の再発防止
○ 児童相談所、児童養護施設等における親子関係再構築支援の取組により、児童が家庭復帰した場合には、虐待の再発防止が重要。
この場合、児童相談所による一定期間の指導の実施に加え、施設等(児童養護施設等、里親家庭及びファミリーホームをいう。以下同じ。)や市町村による継続した見守りが望ましいが、特に、児童相談所や施設等の所在地と児童が生活することとなる地域が離れている場合があることから、児童とその保護者の居住地の市町村においても、虐待の再発防止のための支援についてよりー層の役割を担っていくことが必要。
○ そのためには、児童相談所は、家庭復帰の検討段階から市町村と情報を共有するとともに、家庭復帰後は、児童相談所や施設等及び市町村の関係機関(母子保健、保育などの子育て支援サービス、幼稚園、学校等の教育関係の機関など)が、要保護児童対策地域協議会において情報を共有し、市町村による支援をバックアップする体制が必要。
○ また、親子関係が回復できた母子について円滑に地域生活に復帰できるようにするために必要な場合には、母子生活支援施設に一時的に入所させるなどの仕組みについても検討。
以上でございます。
○松原委員長 ありがとうございました。
それでは、また御意見を伺ってまいりたいと思います。いかがでしょうか。
武藤委員、お願いします。
○武藤委員 武藤です。
1点は、4ページの上に「1親子関係再構築における介入機能と支援機能の分離」ということがうたわれていて、これについてはこれまでも何度か御議論になったところだと思うのですけれども、この下に、長期的な視野で、現在のシステムそのものあり方の見直しを含めて検討と書いているのですが、長期的な視野というのはどのくらい考えているのかどうかということと、社会的養護を必要とする子ども達の状況を考えてみると、余りのんびり検討するということにはならないと思いますので、やはり具体的な検討とスピード感を持っての対応が必要だと思っていますので、質問みたいな意見になってしまいますけれども、それが1点です。
もう一点は、5ページ目の真ん中に「4家庭復帰に向けた保護者や児童の理解の促進」とあります。これについては、児童相談所の機能や関わる児童福祉司だとか職員の専門性だとかに帰するだけでいいのかどうかということなのですね。以前からこれも意見が出されていたのですけれども、ここに司法の介入というのが必要なのではないかということで、個人的にはそういう思いがあるのです。今日は児童相談所の関係者、それから磯谷先生もお見えなので、虐待をした親御さんのいろいろなプログラムをもう少し司法も含めて介入方法を考えていいのではないかと思うのですけれども、ぜひ児童相談所や磯谷先生の意見もお聞きしたいなと思ったのです。
以上、2点です。
○松原委員長 1点目ですが「長期的な」という表現はどこにありましたか。
○武藤委員 違うのか。以前もらっていたものを見ていました。済みません。
○松原委員長 今日各委員の意見がまた反映されたバージョンになっているので。
○武藤委員 わかりました。私の勘違いです。
○松原委員長 ただ、武藤委員はそれはスピード感を持ってやったほうがいいという御意見のようですが、そのことも含めて1点目の御議論もあるかと思います。
2点目についても、御指名でございますので、お三方それぞれ御発言いただけたらありがたいのですが、いかがでしょうか。
○菅野委員 滋賀の菅野です。
1点目のところは、私もやはりそこは分けていかなければいけないだろうなということで資料を出させていただいたところです。ここの文面的に、親子分離させ一時保護を行った場合と一時保護に限定されているのですけれども、親子分離というのは一時保護だけではなくて、もちろん同意による分離もありますし、28条による分離もありますし、なぜここで一時保護という文言だけなのかというのは、ほかの分離の形態も入れていただいたほうがいいのか、もしくは分離させた場合としていただくのがいいのか、そこのところはあります。
○松原委員長 事務局的には、別に一時保護に限定したつもりはないのですね。
○大隈家庭福祉課長 事務局です。
限定したつもりではなくて、例示として書いてあるということです。
○松原委員長 では、ちょっと日本語を修文していただければよいと思います。
○菅野委員 そうですね。一時保護が代表例ではなくて、どちらかというと施設入所による親子分離が代表例になるのかなと思います。一時保護の場合は期間が短いので、それこそスピード感を持って、かなり早いペースで帰すならば帰す、分離するなら分離するという方向性でやらなければいけないので、そこのところの文章、文言のことだけだと思います。
○松原委員長 辰田委員、どうぞ。
○辰田委員 施設入所させた後というところなのですが、虐待の指導の場合、家族再統合に向けて保護者指導もかけます。その保護者指導を児童相談所が十分できているかというと、4ページ目の冒頭で、やはり初期対応に追われているところの中で十分できていません。保護者同意の中で施設入所させた子の保護者指導について、やはり十分に対応できる体制の整備が必要だと思いますし、施設入所に承諾しなかった場合、28条を申し立ててやるわけなのですが、納得していませんので、やはり法的な司法の関与が必要になってくるのかなと考えています。
○磯谷委員 磯谷です。
何か尋問を受けるみたいな雰囲気なのですけれども、保護者指導の司法介入につきましては、以前もちょっと発言をいたしました。依然として希望が非常に強いことはよく理解していますし、特に児童相談所などもそうなのでしょうけれども、前回申し上げたように23年の法改正の過程の中でも議論をしたのですが、結局それがうまくいかなかったのは、いろいろありますけれども、裁判所が一定の命令を出したからといって、では親が命令に従ってくれるのか、従ってくれる担保は何なのかというところがなかなか明らかにならなかったということがあるわけですね。むしろ現在の仕組みでも、結局、指導に従わずにまた虐待が再発するような状況であれば、それは子どもを帰すわけにはいかないということで2年後も施設入所措置などの更新が続いたり、親権停止であれば2年後も再度停止されたりという話になる、そういう意味で親の不利益というのは現状でもあるわけなので、その枠の中で保護者指導をしていくということで足りないのかどうかというところが必ずしも明確でなかったということだと思います。でも、これもまた前にも申し上げたように、だからといって私としては絶対無理ですと言うつもりもないのですが、そこをクリアしないと、いずれにしても立法に結びつけていくのはかなり難しい状況かなとは思っております。
○草間委員 福祉大学の草間です。
私のほうで、3と4の間にもう一つマルの項目を追加したらどうかという提案です。
児童虐待の対応というか、親子関係の対応の窓口としては、児童養護施設は約600カ所、そういう社会的養護の施設を入れても数百カ所なのですね。これでは量的な部分で非常に少ないと考えています。そうすると、地域にある資源として何があるかというと、ファミリーサポートセンター、子育て支援センターというものが市町村に設置をされているということですので、4として「子育て支援サービス機関(の活用)」で、こちらについては、児童相談所または児童家庭支援センターと連携をしながら、さらなる機能強化というか、親子関係の構築支援に当たっていくということを入れたら、さらに親子関係の構築を支援する機関が増えるのではないかと思います。児童家庭支援センターとか児童養護施設より落ちるかもしれませんが、社会資源としては活用する資源になり得るのではないかということで提案したいと思います。
○松原委員長 ほかの委員からは御否定の意見はないようです。
木ノ内委員、どうぞ。
○木ノ内委員 木ノ内です。
3ページの「親子関係再構築のための取組について」の5行目で「児童養護施設等」として括弧して幾つか書いてありますが、この中に、専門里親も入れてはどうかなと思っています。虐待児の養育として、里親の種類の中に専門里親というものがあるのですけれども、その定義の中には親子関係の支援ということが入っておりますので、入れていただけないかなと思ったのが1つ。
それから、6ページに「6家庭復帰後の虐待の再発防止」ということがありますけれども、再発した場合ということがあって、実は里親家庭で養育をしていて、家庭復帰をして再発した場合、また施設に行くとか、あるいはほかの里親に行くということがあって、私は養育の一貫性からいうと同じ里親のもとに帰っていくのが大事なのかなと思っておりまして、御検討いただければと思います。
○松原委員長 ほかにいかがでしょう。
秋山委員、どうぞ。
○秋山委員 6ページ目の上から3行目ですけれども、「市町村の関係機関」というところで、恐らく母子保健に含まれておりますが、かかりつけ医という存在もこれから大事かと思いますので、かかりつけ医という意味で、医療機関というのもこの中に加えていただけないでしょうか。
○松原委員長 事務局のほうで括弧内に1つふやしていただく対応をしていただきたいと思います。
どうぞ。
○菅野委員 彦根児相の菅野です。
先ほどのプログラムの質問に答えていないので、ここの中で言えば、例えば5ページの4の○の2つ目あたりが多分その辺のことになると思うのですけれども、今いわゆる保護者支援でやっているのは、一体なぜそうなったのかという振り返りはもちろんあります。ただ、一番大事なのは今後の安全なのです。安全でない養育であったというところをちゃんとスタートラインにして、今後どういうふうに子どもの安全を確保していくのか。リスクはゼロにはできませんので、家族なり、関係者なり、リスクを抱えながら子どもに被害が及ばないという安全なプランをどのようにつくっていくのかということを保護者とお話したり、支援の関係者も入ってプランニングをしていくのが再統合のプログラムになります。何かこれをやればオッケーですよ、例えば教育のプログラムを受ければそれで1個クリアですとはしていません。
要するにその場だけ、例えばペアレント・トレーニングのプログラムを受けたから帰してもらいますということではないです。そのときだけいい顔をして対応するみたいなことが多いので、そうではなくて、具体的な安全のプランを実際にどう実行していけるのですかというところを投げかけて、それぞれの家族に合ったプログラムにしていく、そのようにやっていこうとして頑張ってはいます。なかなか難しいのは難しいのですけれども、28条の更新のときには、保護者支援のプログラムを出さないと通らないというところもあるので、具体的なというのを出すようにはしています。それが全てのケースに均等に高い質で保証できているかと言われると、まだまだこれからなのだろうなとは思っています。
○松原委員長 ありがとうございます。
そのことに関連して、多分5ページの4の最初の○になるかと思うのですけれども、児童相談所に見せている顔と施設に見せている顔とが違って、退所の判断をするときに児童相談所と施設側の保護者・児童の理解にずれが生じていて、しかし、措置権は児童相談所にあるので、最終的な判断は児相になるので、もう少しそこの情報の共有とか、ずれがあるということの認識も必要かなと思います。4の1個目の○にそのような表現を少しつけ加えていただけたらと思います。
ほかにいかがでしょうか。
卜蔵委員、どうぞ。
○卜蔵委員 ファミリーホーム協議会の卜蔵です。
6ページの「6家庭復帰後の虐待の再発防止」の2つ目の○です。虐待の再発防止ということで、市町村、地域の支援ということが非常に大事になってくるわけですけれども、その中で要対協なのですが、社会的養護の関係機関でも要対協は委員としては入っていてということで、たしか最初のほうの委員会のときに、平井委員のほうからメンバーとして入っていても実務者会議には出られなかったりということで、里親とかも含めて社会的養護の関係機関で委員にはなっていても実際の中身の議論に加われなかったりということがあるので、もう少し社会的養護の関係機関が実務者会議の中にも入れるような取り組みも非常に大事なのではないかと思います。
以上です。
○松原委員長 菅野委員、どうぞ。
○菅野委員 滋賀の菅野です。
私ばかりしゃべっているようで申し訳ないですが、1点、5ページ3の○の2つ目のところで「家庭支援センターに対する支援の充実」とあって、2回同じようなこと、「支援の仕組みについて検討」とあるのですけれども、例えば家庭支援センターに対してどんな支援をという何か具体的なものはあるのかなというのが1点。
それから、今、議論になっていた6ページの6は、既に市町村との間では、かなりやって頑張っているのではないかなと思う部分なのですね。だから、改めてここでもっとやれという意味でここに挙がっているのか、まだ不十分なところがあるのできちんと整備していこうという意図なのかというあたりを教えていただけるとありがたいです。
○松原委員長 事務局の見解は2点、どうですか。
○大隈家庭福祉課長 1つ目の児童家庭支援センターは、今までの議論の中では、例えば運営費の補助の仕組みとか、具体的な予算的措置についての御要望などもあったのですが、今の段階ではその辺の具体的なところはまたこれからの議論ということなので少し抽象的ですけれども、支援が必要などといった表現としております。
○松原委員長 要対協。
○田村虐待防止対策室長 今、委員御指摘の話なのですけれども、やれているところもあるというところはもちろんあるのですけれども、ただ、まだまだやれていないところもあるという御意見もあったということで書かせていただいているところでございます。
○笹井委員 沼津市の笹井です。
ここの部分ですけれども、要対協がまずは発見だとかという部分についてはある程度できてきているかなと思うのですけれども、退所後なりの家庭復帰という部分についてはなかなかできていないところもあったり、それから児童相談所がそこに適切にコミットしないとできないというところの意味合いでも、市町村だけではなくて、児童相談所も適切なコミットという部分でここは書いていただいたほうがいいのではないかと思います。
○草間委員 高萩市の例でいうと、私が市長に就任する前までは全く機能不全状態でした。周りの近隣市町村を見ても、これが有効に機能しているかというと、事務方のいろいろな話を聞くと機能していないのではないかと。そこで、高萩市としてできるところ、専門家を配置したり、専門の対策室を設置したりという対応をしてきたのですけれども、印象としては、ここは機能強化を図っていったほうがいいという印象を持っています。
○松原委員長 ありがとうございます。
中板委員、どうぞ。
○中板委員 日本看護協会の中板です。
「4家庭復帰に向けた保護者や児童の理解の促進」なのですけれども、保護者や児童の理解の促進のみならず、もう一つつけるとするならば、家庭復帰に向けた支援プログラムの質の担保といったことを加える必要があるのではないかなと思います。先ほど菅野委員からお話がありましたように、いろいろな親御さんがおり、いろいろな家庭があり、いろいろな事情がありという中で、プログラムが一つありきではないということはおっしゃっていただいたとおりです。全ての児童相談所において、そのプログラムを家族に合った形で活用し、結果、それが後々、先ほど御提案のありました虐待が再発した場合の評価にもつながっていくと思いますので、やはりプログラムの一層の活用が必要と言う前に、多様なプログラムを用意し、それを家族に合わせて適用できるような質の担保といったものが記載としてあるといいなと思いました。
○松原委員長 ありがとうございます。
おっしゃるとおりだと思いますので、少し事務局で工夫をしていただきたいと思います。
では、先に進みたいと思います。また読み上げをお願いいたします。
○大隈家庭福祉課長 事務局です。
続きまして、6ページの(3)からでございます。
(3)措置児童の確実な自立につなげていくため、施設、里親等に養育されている間に必要な取組について
児童養護施設等は、保護者のない児童、虐待されている児童その他環境上養護を要する児童を入所させて、養護し、自立のための援助を行うこと等を目的としている。
施設等では、施設入所児童等に対し、自立に向けた生活習慣や金銭管理等を習得するための支援や、進学のための学習指導、就職するための職業指導を実施している。また職業指導員を配置する児童養護施設及び児童自立支援施設では、職業指導員が職業実習の指導や就職活動の支援を行っている。
なお、児童福祉法第31条の規定に基づき、18歳を超えても引き続き支援が必要な児童については、20歳に達するまで入所措置の延長が可能となっている。
施設等では、学校と連携して入所児童の進路指導を行っているが、全国平均と比較すると、高等学校卒業後に大学等への進学率が低い(平成26年5月1日現在、大学等11.4%、専修学校等11.2%)などの特徴がある。また、一旦大学等に進学したが、中途退学する児童等が多い(単純平均値は各学年約6%(全国児童養護施設協議会「平成24年度児童養護施設入所児童の進路に関する調査」より)などの課題も顕在化している。
1施設として取り組むべき職業指導等の自立支援のあり方と方法
ア 児童の自立の概念の明確化
○ 児童養護施設等において自立支援を行うに当たっては、各施設ごとの取組に大きな違いが生ずることのないよう、児童の個別性を考慮した到達目標を明確化することについて検討が必要。
イ 自立支援計画の実施
○ 都道府県(児童相談所)が施設等への入所措置等を行ったときは、措置解除の間際になって自立を考えるのではなく、入所措置等の時点から自立を考えることが重要。児童養護施設等が児童の自立支援計画を作成する際には、児童相談所においても計画作成の支援を行うなど、丁寧に関わっていくことが必要。
○ 自立支援計画は、児童の発達・成長に応じた支援を行うため、定期的に点検・評価し、見直しを行うことが必要。
ウ 進路指導、職業指導等に係る専門的支援
○ 児童養護施設等において、自立支援計画に基づき児童の自立に向けて効果的な支援を提供していく必要があるが、現在の職員体制では十分ではなく、進路指導、職業指導等に係る専門的支援を行うスタッフの配置が必要。また、こうした専門的支援を行うために必要な知識や技術を習得するための研修等についても検討が必要。
○ 施設入所児童等に対する職業指導や職場開拓に当たっては、就労支援機関等との連携が不可欠であるため、具体的な連携の方策を検討するとともに、企業やその他の民間団体の協力を得て行うことも検討。
○ 施設入所児童等は偏った経験をしている場合も多く、学習支援だけでなく、職場体験やIT技術への理解、趣味や習い事を含めて様々なことを経験できる機会を提供することが重要。また、多くの場合に就業に当たって必要な条件となっている自動車運転免許を取得する機会を提供することも重要。
エ 職場体験などの仕組みの構築
○ 施設入所児童等今の理解がある雇用主の協力を得る等の方法により、職場体験を行う仕組みの構築を検討。また、過去に実施されていた職親制度を参考にしつつ、自立支援のための効果的な方策を検討することも必要。
オ 大学等への進学を推進するための支援の充実の検討
○ 社会的な自立は18歳では困難であるのが現状であり、大学等への進学を社会的な自立までの力を蓄えるための助走期間として捉え、大学等への進学を推進することも有効。
○ 施設入所児童等の大学進学等を推進するため、施設等に対する支援の充実について検討。
カ 当事者による支援
○ 施設等を措置解除され社会に出るときには、様々な不安や心配に直面することになるが、施設等を措置解除された当事者からの体験談を聴く機会を設けることは有効。
なお、こうした当事者が支援者として活動する際には、施設職員等がそれをサポー卜するなど、当事者が活動しやすい仕組みを検討することが必要。
キ 措置延長の積極的実施等
○ 措置延長については、18歳を超えても支援が必要な児童に対しては支援を継続できるという児童福祉法の趣旨等を踏まえ、各自治体において積極的な活用を図ることが必要。
○ 措置解除日については、現行の児童福祉法上は20歳に達する日となっているが、就学している場合には学校卒業前に退所することとなるので、当該日の属する年度の末日までとすることができないか検討が必要。また、同様の観点から、通常の措置の解除日についても、児童福祉法上、18歳に達する日ではなく、当該日の属する年度の末日までとすることも検討が必要。
○ 一方、18歳到達直前に措置入所というケースもあり得るが、措置延長を活用しても、残りわずかな期間しか施設等に入所できないなどの課題が現行の措置延長制度にはあり、将来的な検討課題。
○ 18歳到達後の児童福祉法第28条による措置の更新や措置延長期間中の接近禁止命令等ができる取扱いとすることについて検討が必要。
○ 一時保護中に児童が18歳に到達する前に児童相談所が施設入所等の援助内容を決定した場合は、18歳を超えても措置できる取扱いとすることについて検討が必要。
○ 措置延長後(18歳以上)の児童に対し施設を変更するための措置変更を行うことができる取扱いとすることについて検討が必要。
ク 18歳を超えた者に係る措置等の取扱い
○ 施設入所児童に対する自立支援のための職業指導等は、退所時に18歳という年齢を考慮すれば、スタートラインに立つまでの支援と考えることができる。
これからの社会的な自立というゴールを目指していく場合には、18歳以降の支援も含めた支援体制を考えていくことが必要。
○ 一方、18歳を超えていつまで支援するかについては、1年齢で線引きすることは困難であること、2児童福祉法の児童の定義に影響すること、3 20歳の成人を迎えた者に対して措置という考え方が適切なのかといった点を踏まえ、引き続き議論が必要。
2里親や里親に委託されている児童に対する支援
ア 里親委託児童に係る自立支援計画
○ 里親委託児童に係る自立支援計画については、現在は児童相談所が作成しているが、里親や委託児童の状況を理解して支援を行う里親支援機関が作成することの可能性を検討。
ただし、その場合においては、里親支援機関の数が少ない地域がある等の現状を踏まえ、里親支援機関の体制の確保等の条件整備が必要であることに留意。
○ 児童養護施設等の入所児童に対し家庭的養護への移行を推進するため、施設に里親支援専門相談員を配置する取組を行っており、この里親支援専門相談員と里親支援機関が連携して、里親委託児童の自立支援計画を作成する方法も検討。
イ 地域の複数の関係者による支援
○ 里親委託児童の養育に当たって、専門的なアドバイスを身近に受けられる機会が少ない地域もあるので、そうした地域における支援体制の整備が必要。
また、委託児童の養育に悩む時にスーパーバイズする体制や、レスパイトケアが十分にとれる体制の整備が必要。
○ 乳児院から里親に措置変更となる場合のうち、里親に実子がいないケースでは、母子保健に関する情報が里親に不足している場合があることから、児童相談所と市町村が連携して、母子保健の観点からも支援を行っていくことが必要。
○ 里親委託児童への支援は、専門機関だけでなく里親仲間、里親の友人や地域住民など多くの人々との信頼感の醸成を図ることが重要であり、いわゆる「チーム養育」をイメージした取組の検討が必要。
以上でございます。
○松原委員長 ありがとうございました。
それでは、この部分についての御意見を伺いたいと思います。いかがでしょうか。
どうぞ。
○佐藤委員 大阪府立母子の佐藤です。
議論されているときに恐らく欠席だったと思うのですけれども、まず7ページの「1施設として取り組むべき職業指導等の自立支援のあり方と方法」と書いてあるのですが、自立支援は職業支援が先に出てきてはいるのですけれども、そうではなくて、やはり自分の体のことを自分で守っていく、あるいは家族を持っていくということも含めた広い人生の旅立ちを支援することが自立支援だと思っています。ですので「ア 児童の自立の概念の明確化」という中に、まず初めに、児童養護施設における自立の概念の明確化をきちんとするということを最初に書いていただきたいと思います。それは職業だけではなくて、健康保持あるいは家庭を持つ等、本当は性のことも書きたいのですけれども、含めた形でのちょっと広い概念を明確化してから、その次に到達目標というものに入っていっていただけたらと思っています。
以上です。
○松原委員長 ありがとうございます。
タイトルが「概念の明確化」になっているので、そこを文章化しなくてはいけないところですね。確かにおっしゃるとおりです。
ほかにいかがでしょう。
どうぞ。
○浜田委員 弁護士の浜田です。
細かいところで恐縮なのですけれども、8ページの下から2つ目の○で「18歳到達後の児童福祉法28条による措置の更新や措置延長期間中の接近禁止命令等ができる取扱いとすることについて」となっていますけれども、これは実際問題、18歳に到達した後に措置の更新を認められる裁判例もあるところです。そうなりますと、書き方の問題かと思いますけれども、現状できないように見えてしまうので、今できないわけではないのだということをここの文章の中でわかるような書き方にしていただければなと思います。
以上です。
○松原委員長 ありがとうございます。
草間委員。
○草間委員 福祉大学の草間です。
私のほうで書きぶりについて1点申し上げます。
8ページの「カ 当事者による支援」について「様々な不安や心配に」とありますけれども、東京都と国で調査した結果を見ると、一番最初に孤独感ということが挙がっていますので、これをまず最初に、「孤独感や様々な不安等に直面する」としていただけたらと思っています。
○松原委員長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょう。
磯谷委員、お願いします。
○磯谷委員 幾つかありますが、1つは今、浜田委員がおっしゃったところについては、私がレジュメを以前出した中で、要するに28条の更新が可能かどうか必ずしも明らかではないと書いて、あと脚注のところでそれを肯定する見解もあると書いているのですね。ですから、それにもし沿っていただくとすると、現状としてこの28条ができるかどうか明らかではないので、そこのところを明確化するというのが正しいのかなと思います。それが1点です。
2つ目は、同じ8ページの下から3つ目の○で「18歳到達直前で措置入所というケースもあり得るが、措置延長を活用しても、残りわずかな期間しか施設等に入所できないなどの課題が現行の措置延長制度にはあり、将来的な検討課題」というのが、私の理解不足なのだと思いますけれども、趣旨がよくわからない。何が問題になっているのかなというのがわからなかったです。
もう一つ、私のほうで以前申し上げましたが、要対協とか、その他もろもろの制度というのが児童を対象にしていて、18歳に達すると、少なくとも法律の文言的に当てはまらなくなってくるという問題があって、一方で、例えば、児童相談所は18歳になっても親権停止とか、そういった申し立てをすることになるわけです。そうすると、18歳になった子どもについて親権停止などをする場合に、そのための情報収集などが難しいのではないかと御指摘をしたのですけれども、このあたりについては特に盛り込まれていないようなのですが、これは厚労省としては何かできるという理解なのでしょうか。その点も確認したいと思いました。
○松原委員長 2つ事務局に質問が出ていますが、1点目は18歳直前入所の件です。
○田村虐待防止対策室長 この趣旨でございますけれども、端的に18歳直前に入所した場合、措置延長をしても20歳までの2年少しと、そういう意見がございましたので、書かせていただきました。
○松原委員長 磯谷委員、それでよろしいですか。
○磯谷委員 はい。多分どなたか御発言になったのだと思います。多分いろいろ問題があるのだと思いますが、将来的な検討課題とは何をするのでしょうかね。もっと長く入っているようにするのか、あるいはもっと早くから入れろという話なのか、どのように発展していくのかがよく読めないなと思います。
○田村虐待防止対策室長 今、委員御指摘の前段のほうの話になると思いますけれども、その以降の話です。
○松原委員長 磯谷委員の2点目について、事務局のほうはいかがですか。
どうぞ。
○田村虐待防止対策室長 それについては、まだ確定的なことを今お答えすることはできません。申しわけございません。そこはまた改めて検討させていただいて、確認させていただきたいと思います。
○松原委員長 木ノ内委員、どうぞ。
○木ノ内委員 木ノ内です。
今のお話では20歳までというのが、20歳の前日で措置解除になってしまうということだと、学校に行っている人たちが大変なので、年度末ということを希望してお話ししたので、その流れですよね。4つ目の○の話ですかね。では、これはちょっと違いますね、失礼しました。
○松原委員長 菅野委員、お願いします。
○菅野委員 菅野です。
現場の感覚的な話をさせていただくと、20歳になった子の措置、いわゆる権限行使ですね。成人になった人に対しての措置という言葉自体がまずしっくりこないし、そこで例えば成人として契約をするという話ならばまた違うのかもしれません。それから、逆に言うと施設さんのほうで、20歳になって酒、たばこも大丈夫な入所者がいて、実際問題としてこれはどうなのかなと。本当にいいことなのかということは、ちょっと検討して、これは20歳以上を措置できるように持っていくという話に聞こえてしまうのですけれども、いいのかなと。済みません、中途半端な意見です。
○松原委員長 そのことは8ページの一番下の○のところにも少し文言としては出ていると思うのです。
辰田委員、お願いします。
○辰田委員 八王子児相の辰田です。
今、菅野委員がおっしゃったとおり、9ページのクの2つ目の○で、18歳を超える措置の懸念については私も全く同じ考え方をしています。
そして、社会的養護、そういった施設、里親に入った子どものことだけが今、議論をされているし、そういった在宅の子たちについても、やはり考えなければならないのかなと。今、新たな措置というのが果たしてできるのだろうかというところ、あと18歳を超えた子の措置変更ということが出ていますけれども、そうなると多分、今、想定されるのは、児童養護施設で不調になって里親に移すだとか、そういったときにダイレクトに移していいのだろうかとか、一時保護を間に挟まなくてもいいのだろうかとか、そういった問題も出てくるかなと考えます。
○松原委員長 ほかにはいかがですか。
どうぞ。
○古川総務課長 事務局でございます。ちょっと補足を説明させていただきます。
まず最初に、先ほど佐藤委員から御指摘がありましたように、自立の定義というところでございますけれども、それについては委員の御指摘を踏まえまして、修正を検討させていただきたいと思いますが、ここであえて職業指導等と書きましたゆえんのものは、やはり目標を持って、本当の意味で自分で稼いで自立していただけるような道を目指すということも具体的にどう進めていったらいいのだろうという事務局としての問題意識があったものですから、かなり具体的なところに狭めたように書いてしまったところでございますので、御指摘の点は修正を加えさせていただく上で、ただそういう経緯があったということだけ補足をさせていただきます。
あわせて、18歳以降についての問題意識もそうでございますけれども、まだ18歳では社会で1人でなかなかやっていけないお子さんが多いと。最近は中学生より高校生、高校生より大学へ行ったほうが年収は一般的に高いとかいった経緯の中で、どうやって本当に厳しい環境に置かれた子どもさんが立ち上がっていってもらえるのだろうかということを考えたときに、18歳以降のあり方というのをどうしていくべきか。今回はまだ考え方の整理ということでございまして、さまざまな御意見をいただきましたというところで整理をさせていただいておりますので、引き続き、例えばそれが法律改正につながるのかどうかも含めて、さらに御議論いただくということでの整理ということでございますので、引き続き御意見をいただきたいということで、これを項目として書かせていただいたということで御理解いただければと思っています。明確な方向性が今ここで出し切れていないのはそういう事情でございます。
○草間委員 福祉大学の草間です。
9ページの最後の○の最後の行なのですけれども、支援を行っていくところに情報提供等とはっきり書いたほうが何を言わんとしているかというのがもっと明確になると思い、意見をいたしました。
○辰田委員 八王子児相の辰田です。
今のところに加えていただきたいのが、児童相談所と市町村だけではなくて、やはり乳幼児、そういった専門的な知見とかスキルを持っている人、乳児院がアフターケアという形で里親のほうに支援をしていただければいいと思っています。
○松原委員長 ありがとうございます。
木ノ内委員。
○木ノ内委員 木ノ内です。
7ページの一番下の行に「過去に実施されていた職親制度を参考にしつつ」とあります。以前、職親というのは里親の中の類型としてありましたが、こちらに預けて自立を促すということなのでしょうけれども、どうしても従来のイメージだと職人に子どもを預けるみたいなことで、子どもの未来を職人に非常に限定してしまう、あるいは労働力としてしか期待しない職親とかということもあって、職親制度をここに入れることそのものがどうなのかなという思いが1つあります
もう一つ、9ページの「里親委託児童に係る自立支援計画」ということで、こちらは今、児童相談所の職員がつくっていますけれども、なかなか里親が関われない。里親であるとか、当事者である子どもが自立支援計画に本当に納得してつくるのではなくて、児相がつくってしまうみたいな感じになると、実効の上がるものにはなかなかなっていかないということがあるかなと思っています。
それから、これは措置延長の問題と絡むのか、措置解除のときに虐待された子どもは住民票に閲覧制限がかかるのですね。それは1年更新でかかってくるのですけれども、措置解除になった場合の子ども達は電話がかかってきて、閲覧制限を解除しますよと言われて、まだ親に追われているとかという子どもの場合には閲覧制限をお願いするわけですが、そのときに警察に行って虐待のことを全部綿密に書かれて、聞かれて、それを供述書として持っていかない限り閲覧制限がかけられないということがなって、ここの部分は何とかしてあげたいなと思っているのです。どこに入れるのかはちょっとわかりませんけれども、
以上です。
○松原委員長 ありがとうございます。
職親については、いろいろな経緯があって制度から外していったものですし、それを復活させるということではないのだと思うのです。それで事務局のほうも配慮して「参考にしつつ」ということで、そのものではないですよということが含まれているのではないかなと思います。
ほかはいかがですか。
武藤委員、どうぞ。
○武藤委員 全養協の武藤です。
7ページの職業指導のことなのですけれども、平成22年から23年にかけて、社会的養護の課題と将来像を検討会だとか審議会で検討した際に、児童養護施設等の職業指導についてどうするのかということで議論になった経過があります。そのときには、児童養護施設において、職業指導よりももっと進学支援だとか、進路指導だとか、自立支援だとか、そういうことが重要なのではないかという御意見も出たのですけれども、私はその場でも言わせていただいたのですが、児童養護施設において、職業指導というのは今後もとても重要な位置づけなのかなと思っています。
最近、児童養護施設等に知的障害や発達に障害を抱える子ども達も非常に増えています。そういう子ども達が将来的に職業を選択する場合に、退園間近になってどういう仕事に就くかということを考えるのでは遅いので、在園中に職業の訓練、指導という部分が今後もとても重要になるのではないかなと思っています。
私も5年間ぐらい職業指導員をやったのですけれども、職業指導員の場合に活動報告を提出するということになっているのですけれども、ぜひその活動状況、ここで言いますと平成26年度で44カ所に職業指導員を配置しているということなのですが、だんだん増えているのですね。12から27、それから44ということで、現場的にもこの職業指導員を拡充していこうという動きもありますので、その活動報告の状況をぜひ成果だとか、そういうものをもっと社会化する必要があるのではないかなと思っています。職業指導員を配置するときの時代とは大分変わってきていますけれども、新たな時代のニーズに対応するためにも必要ですし、今後自立支援の担当職員の検討ということも入ってくると思いますので、その役割分担も含めて、今後の検討素材にしていくべきなのではないかなと思っております。
ちょっと長くなってしまいましたが、以上です。
○松原委員長 ありがとうございます。
次のところに移って、最終的な議論にしたいと思います。
それでは、最後の部分、(4)と(5)について、事務局から読み上げていただきます。
○大隈家庭福祉課長 事務局です。
10ページの上の部分、(4)でございます。
(4)施設退所児童等の円滑な自立のための居場所づくりの取組と工夫について
退所児童等への支援は、現行法においても、児童養護施設等の役割とされているが、施設では入所児童に対する支援が中心となるため、本来行うこととなっている退所児童等ヘの支援は必ずしも十分ではない。
退所後も引き続き見守り支援等が必要な児童については、児童家庭支援センター等に対し都道府県等(児童相談所)からの指導委託が可能であるが、児童家庭支援センターにおける受託状況は地域によってまちまちであり、全体としては低調となっている。
また、自立援助ホームは、児童の自立支援の観点から、義務教育を終了した20歳未満の児童等で、児童養護施設等を退所し、就職する児童等に対して援助を行う事業であり、就労しながら自立に向けた支援を行うものであるが、就労している児童がいる一方、離職により就労してしいない児童も入居しており、その中には様々な家庭の問題や自分自身の課題を抱えて自立が困難なケースも存在している。
そうした中、退所児童等に対する生活及び就労に関する相談支援を行う退所児童等アフターケア事業を平成22年度から実施しているが、平成26年10月時点で実施か所数は全国で20か所となっている。
1自立援助ホームの機能や施設における居場所づくりの取組と工夫
ア 大学進学者等に向けた対応
○ 大学進学者で自立のための支援が必要な者を自立援助ホームの支援対象とすることについて、児童福祉法が対象とする年齢の範囲との関係等も考慮しつつ、検討。
この場合において、自立援助ホームに入居はしないが、自立援助ホームに配置された職員がアウトリーチにより援助を行う仕組み等も含めて検討。
○ 本年4月から施行された生活困窮者自立支援制度と連携して取り組むことにより、自立援助ホームによる支援の対象とならない者に対する支援を行うことが必要。
○ 現在の自立援助ホームの入居児童等は、様々な家庭の問題や発達障害などの課題を抱え、就業まで結びつかないケースが増えており、また、一旦就業したが退職して再度学び直す児童もいる実態を踏まえ、自立援助ホームの機能や役割の整理が必要。
イ 児童の居場所づくりの推進
○ 児童養護施設等からの退所後は、入所措置による支援の対象から外れることにより、児童の状況の把握が困難となることがあるが、施設退所者は中途退学や短期間での離職のケースが多く、支援が必要な者が少なからずいる可能性がある。
このため、施設退所後の状況調査や児童のニーズの把握を行い、児童の居場所づくりや見守り支援の仕組みを構築していくことが必要。
○ 現状では退所後の児童の居場所が非常に少ないことから、児童の居場所を増やし、生活支援や相談援助などの取組を促進することが必要。これに合わせ、そうした支援を担当する支援者間の連絡を密にすることにより、ニーズの把握などを行っていくことが必要。
○ 児童の居場所についての情報発信が必要であり、厚生労働省や関係団体のホームページ、ウェブサイト、SNSなどを活用した情報提供を検討。
さらに、児童養護施設等の施設長等が参加する研修会等の機会を活用して、児童の居場所づくりの取組について事例発表を行うことを通じて、児童の居場所についての周知を図ることも有効。
○ 児童の居場所が全国的に整備されるまでには一定の時間を要するので、当面は、児童養護施設等で実践している先行事例を踏まえ、退所児童が離職して就職活動を行うために施設内に短期間の居場所を設けるなどの取組について検討。
○ 地域における空き家、空き店舗等の物件の有効活用を検討することも必要。
○ 「里親及びファミリーホーム養育指針」には、里親委託解除後も帰ることができる実家のような役割が示されているが、里親が実家のように機能するために必要な取組を検討することが必要。
2施設退所児童等のアフターケア
ア 退所児童等アフターケア事業の推進
○ 退所児童等アフターケア事業を推進していくことが必要。
この場合において、例えば比較的小規模な事業所でも取り組めるような方法も含め、事業所の実態に応じて柔軟に事業を実施できるような工夫も検討。
イ 施設退所児童等を地域でサポー卜する仕組み
○ 児童の自立は一定の年齢になったらそこで達成されるものではなく、また、挫折や失敗を繰り返していく中で成長していくものであり、失敗してもやり直しができるような仕組みを検討することが必要。
施設退所後や里親委託解除後においても、児童を長期にわたり地域でサポートできる仕組みが必要。
○ 個別の施設での取組は困難である場合でも、一定のエリア内の複数の施設が共同して、施設退所児童等に対して様々な支援を提供する仕組みについて検討。
○ 支援が必要な退所児童等に対する見守り支援については、児童相談所から児童家庭支援センターに対する指導委託を積極的に推進することも検討。
(5)その他
○ 専門委員会においては、自立支援に係る「当面の課題・施策の方向について」として前述の4つの課題について議論を行ったところであるが、これらの議論の結果を整理し、今後予定される児童虐待防止の取組に関する予防から支援までの全体を見通した議論に引き継ぐため、一旦取りまとめることとした。
○ 今後、専門委員会において昨年11月28日に取りまとめられた議論のまとめと、今回の議論の取りまとめを踏まえ、さらに議論を深めていくことが必要。
以上でございます。
○松原委員長 ありがとうございました。
そうしましたら、この最後の(4)と(5)に関わっての御意見、それから進行の都合もございますので、(1)、(2)、(3)でまだこんな意見を述べていなかったということも含めて、自由に御発言いただきたいと思います。
いかがでしょうか。
菅野委員、お願いします。
○菅野委員 菅野です。
ここの部分で、書きぶりなのですけれども、「児童」という言葉がすごくいっぱい出てくるのですね。ただ、対象者ということで、多分大人の方も含めての中身だろうなと思うので、何かそこらじゅうに「児童」というのが出てくると、この対象の児童となると、児童福祉法からはみ出した部分ぐらいしかないので、何か適当ないい言葉がないのかなという気がしました。大人の方も中心にということですし、多分これは児童福祉法の問題だけではなくて、この辺のことは子ども、若者(子ども・若者育成支援推進法)の絡みとどのようにリンクさせていくのかとか、子ども・若者にも要対協みたいな形で協議会がありますね。その辺のこととか、これは多分社会システム上のいろいろなつながりになっていくのだと思うのですね。だから、どこかでそういうことにも触れておいていただいたほうがいいのかなと。虐待防止法とか、虐待対応の話だけでは片づかない部分にここはなっている気がします。
以上です。
○松原部会長 ありがとうございます。
年齢的に言えば、確かに対象ですね。
木ノ内委員。
○木ノ内委員 木ノ内です。
今のお話なのですけれども、例えばアメリカなどで「ユース」という言葉が非常にうまく当てはまっているなと。10代後半から20代後半ぐらいまでを「ユース」として、そういうケアの必要な子どもが出たところを支援しているわけです。「ユース」に変わる日本の言葉がなかなかないので、ちょっと苦慮しているところもあるのですけれども。
○松原委員長 ほかにいかがでしょう。
お願いします。
○佐藤委員 佐藤です。
11ページの上のところ、10ページの一番下の○のところなのですけれども、「児童の居場所づくりの推進」という内容にそぐうのは、恐らく上から3行目の「このため」の中の「児童のニーズの把握」というところだと思うのです。でも施設退所後の状況調査という、これは非常にアウトカムを見る上でも重要なところだと思います。アメリカのデータベースでは、先ほどもアメリカの話が出ていましたけれども、里親等の子ども達のデータベースで定期的に年数を定めてフォローしているのですね。どういうところを経過していったのがどうなのかと、これはちょっと大きい話になるので、全体の取りまとめのところにも係るかと思うのですけれども、状況調査とニーズの把握というのは2つの意味が含まれているかと思いますので、もう少しニーズの把握に重点を置いたほうがいいのかなと思いました。
○松原委員長 ありがとうございます。
はい、どうぞ。
○藤川委員 藤川でございます。
かつて当事者で、施設の職員さんなども長くしておられた市川太郎さんという方がおられます。この方が、施設経験者と僕たちを呼んでほしいとよく言われたり、本にも書かれたりしていたのを今ちょっと思い出したので、参考までに申し上げます。
○松原委員長 ありがとうございます。
佐藤委員の御発言はすごく大切で、実戦的な知恵というのも一方で必要なのですが、やはり客観的なデータを積み重ねていくということも必要なので、こういう議論を進めていくときに、一定の研究的な取り組みも必要だなと私は感じております。
ほかにいかがでしょうか。
はい、泉谷委員。
○泉谷委員 ありがとうございます。目白大学の泉谷でございます。
先ほどから見ているアメリカで言うところのユースという考え方ですけれども、前回、前々回のところでかなりこの部分についての議論がされていて、前回の資料でかなりいいまとめをしていただいていたかなと思っています。
多分厚労省さんがとても苦労されるのは、やはり児童福祉法という範囲の中でやっていける部分が18歳までで、その先のところが確かに今、子ども達の支援では必要だけれども、法律上のところを児童家庭局ができるのかというところの難しさがあるのかなと思います。
子ども、若者ということになってくると、今度は内閣府も関わってくることですので、これは一旦国として若者の支援をどうしていくのかというところに立ち返って、一度検討した後で、そこを誰がきちんと責任を持って対応していくかということを決めていかないと、いろいろな支援を考えていくのは難しいと思います。
10ページのアの2つ目の○に生活困窮者自立支援制度との連携とありますけれども、全部の若い人たちがそこに行くわけではないのかなと思います。若者の相談というのはそれだけではないかと思いますので、やはり若者のことをきちんと国としてどのように定義づけていくかというところの議論の発展を見ていくことも必要かなと思います。
以上です。
○松原委員長 ありがとうございます。
草間委員、お願いします。
○草間委員 これは私が発言したものなのですけれども、児童養護施設において退所児童をどのぐらい把握できているかというと、ほんの一部です。一握りです。施設に顔を出す子や施設とコンタクトを取っている子には、手を差し伸べられます。現に、個々のケース(ニーズ)に応じて様々な援助等を行っています。しかし実態は、ほとんど多くの子に対しては、手が差し伸べられないでおります。後で何らかの形で子どもの悲劇を知るということが間々あるわけです。このような状況を考えると、児童養護施設でカバー出来ない多くの子に対しては、今般国で施行した生活困窮者自立支援法でカバーしていくことが、有益な社会福祉資源の活用であるという意味合いで発言をしましたので、御理解いただければと思います。
○松原委員長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
どうぞ。
○浜田委員 弁護士の浜田です。
ちょっと戻りますけれども、先ほど大分議論になりました8ページ、9ページの措置延長のところです。今、最後のほうの課題でも大きな話が出てきましたが、その措置延長、菅野委員等からありました御指摘や事務局からもありましたとおり、これはかなり大きな法律の改正を伴うことになって、児童福祉法をちょっと変えましょうとかいうレベルの話ではなかろうかと思います。だからといって避けて通るわけではないわけで、必要があればそこまで取り組まねならぬということを今回の取りまとめの中でも、別に大層な宣言ではなくてもいいわけですけれども、例えば9ページのクの最後の「一方、18歳を超えていつまで」のあたりとか、法改正の要否とか必要性を含めて検討する。法改正まで見据えるといいますか、法改正も必要だよねということを、この取りまとめの中でも明記しておいていただくほうが、それこそ取りまとめて今後引き継ぐときに有益なのかなと思いますので、ちょっと御提案です。
以上です。
○松原委員長 ありがとうございます。
先ほど事務局から、ここはなかなか難しくて方向性は持っていませんというお話もあったのですが、委員のほうからは少し踏み出してもいいのではないかという御意見がありました。
ほかにいかがでしょう。
秋山委員、どうぞ。
○秋山委員 あきやま子どもクリニックの秋山です。
私も前に戻って申しわけありませんが、7ページの「ウ 進路指導、職業指導等に係る専門的支援」の○の3つ目です。ここに「学習支援だけでなく」と書いてありますが、私は子ども達にもっともっと多く学んでほしいと思っていますので、「だけでなく」ではなく「学習支援とともに」に文言を変えていただければいいかなと思います。
もう一つ、子ども達は、知っているとか、聞いたことがあるとか、経験したことがあるということが大きな力になるのではないかなと思っていますので、ぜひこの時期に塾とか、専門学校とか、外部の機関を活用して子ども達を育てていっていただければいいのではないかと思います。
以上です。
○松原委員長 ほかにはいかがでしょうか。
どうぞ。
○平田委員 全乳協の平田です。
1つ事務局にお伺いしたいのですが、ここでいろいろな機能等々の発案がされていて、基本、現存しているところに機能だけ付加をするということ自体、非常に質の問題に関わってくるのだろうと思うのですが、これは児童福祉法を改正するとか、そういうところまで踏み込んだ議論になるのかどうかをお伺いしたいです。
○古川総務課長 事務局でございます。
まさにこの専門委員会で御議論をいただいた結果として、やるべきだということで、法改正も別に排するものではもちろんございません。議論をさせていただいて、方向性を示していただければ、それをどういう形で、100%できるのか、すぐできるか、いろいろあろうと思いますけれども、その実現に向けて努力をするというのはまさに議論をお願いした私どもの責任でございますので、現実的なことも当然視野に入れつつではございますが、はなからできないということを前提に議論しているわけではございませんので、あるべき姿をぜひ御提言いただければと思っております。
○松原委員長 今日、いろいろこの案についての御意見をいただきました。これまでの議論について、すぐできるものは実施に向けて迅速に取り組んでいただきたいという意図が含まれていますし、それから、今日も具体的な論点についてはいろいろ意見が出まして、なかなか速やかに何らかの結論が出るのは難しい、丁寧な議論をさらに進めていくべき課題もこの報告書の中にはあったと思います。やはり性格的には、これは中間報告という位置づけになると思います。何の中間かというと、次回以降、専門委員会で予防から自立支援までの全体を見通した議論をしていく、それの中間まとめだと考えたい、位置づけたいと思います。
本日いただいた意見で、具体的に事務局に修正をお願いしたこと等を含めて、必要な場所につきましては、私のほうで事務局にお願いをしまして、適宜修正をしていきたいと思いますので、一任をしていただければと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○松原委員長 ありがとうございます。
その上で、次回以降の資料ということでつくっていきたいのですが、とはいえ、中間取りまとめをしてそれですぐに議論というわけにもいかないのかなと思います。また、それに加えて、今度は具体的な課題も出てこなければいけないと思いますので、それは事務局のほうで整理して提示をしていただくという指示も私のほうでしたいと思います。ただ、全部を私がカバーし切れませんので、そういう実務的な作業をしていただくプロセスの中で、事務局側が各委員の方々に御相談をするかと思いますので、そうした機会が恐らくあると思います。その際には、各委員におかれましてはぜひ御協力をいただきたいと考えております。
よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○松原委員長 ありがとうございます。
それでは、事務局から次回以降について何か連絡があればお願いいたします。
○寺澤家庭福祉課長補佐 本日はありがとうございました。
次回の専門委員会の日程につきましては、委員長とまた御相談の上、追って御連絡させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○松原委員長 それでは、本日の専門委員会はこれにて閉会といたします。
御出席の委員の方々、どうもありがとうございました。
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