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2013年6月11日 第20回社会保障審議会日本年金機構評価部会議事録

○日時

平成25年6月11日(火)10:00~12:00


○場所

厚生労働省17階 専用第21会議室


○出席者

本田部会長、大山部会長代理、岩瀬委員、木間委員、斎藤委員、長沼委員、西沢委員

○議題

(1)時効特例給付の業務実態等に関する調査結果等について
(2)日本年金機構中期目標・中期計画におけるこれまでの取り組みと今後の進め方(案)等について
(3)日本年金機構のお客様満足度アンケート調査結果等について

○議事

○事業企画課長
 それでは、時間より多少早いのですが、委員の皆様がおそろいですので、ただいまから「社会保障審議会日本年金機構評価部会」を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、本日も大変お忙しいところお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
 まず、委員の出欠状況ですが、本日は石井委員から御欠席ということで御連絡をいただいております。
 また、高倉年金管理審議官は、国会要務で今、出ておりますので、途中で出席をする予定でございます。
 それでは、部会長、よろしくお願いいたします。

○本田部会長
 おはようございます。
 それでは、第20回の部会を開催いたします。
 お手元の議事次第に沿って進めていきたいと思います。
 本日の主な議題は、まず1つ目が「時効特例給付の業務実態等に関する調査結果等について」でございます。
 2つ目が「日本年金機構中期目標・中期計画におけるこれまでの取組と今後の進め方等について」でございます。
 また、これに関連いたしまして、先般、日本年金機構から公表されておりますが、お客様満足度アンケートの調査結果等についてもあわせて御報告をいただきたいと思います。
 今後、本部会におきまして、平成26年度以降の日本年金機構の次期中期目標等について御審議いただく予定でございますが、その審議の参考に資するために、この議題では、日本年金機構より現在の中期目標・中期計画におきますこれまでの実績や、それを踏まえました今後の進め方等につきまして御説明いただきまして、委員の皆様の御意見もいただきたいと思います。
 それでは、まず第1番目の議題に入りますが、事務局並びに年金機構から説明をよろしくお願いいたします。

○事業企画課長
 それでは、資料の説明に入ります前に、時効特例給付の事務処理の不統一がありました件につきまして、私から経緯とおわびを申し上げたいと存じます。
 前回の4月15日の評価部会の時点では、本件につきまして、翌日の4月16日に総務省業務監視委員会で公表するということでございました。そのため、こちらの評価部会でこの話の説明ができませんでした。
 事案自体は、平成24年1月から機構の職員が提起した解釈の問題で、以後、11月まで機構内部でさまざまやりとりがございましたが、平成24年11月に総務省の業務監視委員会に情報提供が行われまして、その後、機構の中に外部有識者を入れた調査委員会が設置をされて、約3カ月弱の調査を行って、結果、それから対応方針につきまして、4月16日に総務省の業務監視委員会に示されたというものでございます。
 内容につきましては機構から説明がございますが、前回の評価部会において本件について御説明ができなかったこと、また、一部報道があったということにつきまして、冒頭、まずおわびをさせていただきたいと存じます。
 その上で、本件の内容につきましては、お手元資料の中に、前回4月15日に「日本年金機構の平成24年事業年度の業務実績に関する評価の基準(案)」というものがございます。資料の束とは別に3枚ほどの資料を置かせていただいております。ありましたでしょうか。
 本件に関しましては、前回、この「評価の基準(案)」というものを御了承いただいたわけですが、この時効特例の事案も踏まえて、また、修正・見直し等、必要がございましたら、本日御意見をいただければと存じます。
 ちょっとお開きいただきますと、3ページの頭に「3.給付事務に関する事項」というところがございます。前回御了承いただいた中にも、この中に「年金給付の事務処理誤りを防止するための措置、年金受給にできる限り結び付けていくための取組等を行ったか」という観点からの記述がございます。
 また、5ページの4の「1.内部統制システムの構築に関する事項」というところに、内部統制の関係として、コミュニケーションの活性化を通じた風通しの良い組織づくりの推進、コンプライアンス関係の話。
 また、下から3行目「事務処理誤りの分析、再発防止の新たな取組や対応についての検討」といった記述がございます。
 したがいまして、時効特例給付の業務に関しましても、こういった観点から平成24年度評価をいただければと思いますが、こういった記述ではまだ問題がある、修正が必要であるといった御意見がございましたら、本日またいただければ、修正をいたしたいと思っております。
 とにかく私どもとして、この不手際がございましたこと、まずおわびを申し上げて、以下、資料の説明に入らせていただきたいと思います。
 では、資料1-1からよろしくお願いいたします。

○日本年金機構理事(全国一括業務担当)
 私は、年金機構全国一括業務部門を担当しております理事の松田でございます。
 それでは、私のほうから時効特例給付の問題について、資料は、4月16日、総務省の年金業務監視委員会に報告をし、公表したものでございますけれども、調査結果の概要、対応策について説明をしたいと思います。
 まず、経緯に書いてありますが、時効特例法ということで、まず時効特例制度はどういうものなのかというのを確認しておきたいと思います。
 参考資料1をごらんいただきたいと思います。
 1枚めくっていただきまして、1ページであります。
 ここに【制度の概要】が書いてありますけれども、年金の受給権につきましては、5年の経過によりまして時効消滅をいたしますが、時効消滅した部分につきまして、記録問題対策の一環ということで時効特例法が平成19年7月に施行されておりますけれども、5年の時効消滅した部分について、時効特例給付という形で給付を行う制度が制定をされているところでございます。
 事務処理につきましては、全国の年金事務所で相談・照会等を受けた上で、必要な書類を本部のほうに進達をしまして、本部の支払部に再裁定・時効特例室という室が設けられておりますけれども、こちらで給付の審査、支払いの事務を行っているものでございます。
 処理件数につきまして、平成19年7月の制度施行以降、昨年の10月までの処理件数がここに書いてありますが、310万件という状況でございます。
 次の2ページをごらんいただきたいと思います。
 支給額につきまして、これも制度発足以降、昨年の10月までの数字でありますけれども、トータルで1兆8,000億円という状況になってございます。
 注に「遅延加算金」というものが書いてありますが、時効特例給付制度に関連する制度ということで、時効特例給付を支払う際に支払い時点の現在価値に直すということで、言ってみれば利息相当分を加算金という形でつけております。この制度につきましては、平成22年4月にできているという状況になっています。
 これが制度の概要でございます。
 また資料1-1に戻っていただきたいと思います。
 先ほど事業企画課長のほうからも少し経緯の説明がございましたけれども、(2)に書いてありますが、本件につきましては、時効特例給付の審査を担当する職員のほうから具体的な事例を示して、昨年の1月以降、問題提起があったというものでございます。
 具体的にはここに書いてありますけれども、時効特例給付を支給するかどうかの判断について、法に反した処理が行われているのではないかということ、処理方針自体が不明確あるいは周知不徹底ということで、処理に不統一が生じているのではないか、こういった問題提起があったわけでございます。
 最初の段階は、担当室内での問題提起ということでありましたが、その後、「理事長への声」のほうに投稿があったり、あるいは法令等違反通報制度という仕組みを持っておりますが、こちらのほうに通報ということで、職員からの問題提起があったわけであります。
 この段階で職員からの問題提起について、その趣旨を十分酌み取ることができませんでして、11月になってから総務省の年金業務監視委員会の委員長のほうに情報提供が行われたということでございます。
 こういった状況を受けまして、この問題について、外部の有識者から構成される調査委員会を設けて客観的に検証する必要があるということで、今年の1月に調査委員会を設置したというものでございます。
 この調査委員会におきましては、1月から3月まで精力的に検討いただきまして、その間には関係する職員からのアンケート調査、ヒアリングを実施した上で、3月末に報告書が取りまとめられたところでございます。
 この調査委員会自体、年金業務監視委員会委員長のほうに職員から問題提起、情報提供があったということもありまして、監視委員会の委員長の御助言もありまして調査委員会を立ち上げた経緯もございます。こういうこともございまして、監視委員会のほうに、調査結果、調査結果を踏まえた対応をどうするのかを整理し、報告をした上で、4月16日に公表をしたものでございます。
 それでは、2ページ以下、「調査結果の概要」について報告をしていきたいと思います。
 調査につきましては、業務関係とコンプライアンス対応関係、これは7ページに書いてありますけれども、大きく2つの調査が行われております。
 まず、業務関係の調査の関係であります。
 これは、職員から問題提起があった具体的な事例につきまして、業務の統一性が疑われる10ケースを調査対象ということで、この調査委員会では点検等が行われたところでございます。この10ケースのうち(1)の4ケースにつきましては不統一が認められているという状況でございます。
 これ以外の6ケースにつきましては、4ページ以下に書いてございますけれども、具体的には不統一の事例は判明しておりませんが、不統一、不公平の可能性があるということで調査がなされているものでございます。
 まず、不統一が認められた4ケースでございます。
 大きく言いますと、オールゼロ記録ケースというものが○1でございます。それ以外は○2から○4までの3ケースでございますが、記録訂正の際に増額分、要するに、時効特例給付を支給する分と、一方で過払い分があるケースでございまして、過払い分をどういうふうに差し引き調整をするのかという問題でございます。
 では、具体的に事例に則して幾つか説明をしたいと思います。
 まず、オールゼロ記録ケースをごらんいただきたいと思います。
 参考資料2をごらんいただきたいと思います。これは10ケースについて具体的にどういう事例で、どういう処理をしているのかというのを整理したものでございます。
 まず、オールゼロ記録ケースです。1ページをごらんいただきたいと思います。
 これは、真ん中に記録の状況、左に年金記録の状況が書いてありますけれども、当初、厚年A、B、Cがあったものでございまして、その後、23年7月にDの厚年の記録が判明したというケースでございます。
 このケースにつきましては、右のほうに書いてございますが、給付、Dが記録判明しておりますから、5年以内の差額分を支給した上で、5年より前の部分、右のほうの図で「時効特例給付(D)」と書いてありますけれども、これを時効特例給付として支給するという形になります。
 このケースにおいて、当初A、B、Cで老齢年金を受給していたわけでありますが、この方のケースについては、時効消滅部分があった。年金給付の図の中の左のほうをちょっとごらんいただきたいのですが、受給権発生が50年4月で、時効消滅部分があるということであります。
 これを確認したところ、記録のほうで厚年Bをごらんいただければと思いますけれども、事業所記号が全てゼロをいわゆる「オールゼロケース」と言っております。これは具体的には上のほうに※で書いてありますが、昭和32年9月までに厚年の資格喪失をした方の記録は、マイクロフィルムで別管理をされていたということでございまして、記録統合する際には、オンライン記録上は、事業所記号について「0000-000000」という形で収録をしていたというものでございます。
 この方については、厚年Bの期間について言いますと、オールゼロという形で記録上は収録をされているということでありまして、受給権発生当時にはこの記録というのは判明しておらず、請求時にこの記録が判明した可能性が高いということで、この老齢年金の時効消滅部分については支給をしようというものでございます。
 時効特例法については、給付の要件として記録訂正をした上で裁定をするという形になっておりまして、こういったオールゼロ記録ケースについて、記録訂正に該当するかどうかが問題になるわけでありますけれども、時効特例給付について、当初段階で相当多量の処理をする中で、こういったオールゼロ記録ケースについては、請求時に初めて記録が判明した可能性が高いということで、記録訂正ケースとして処理をしてきたというものでございます。
 このケースについて、資料1-1の2ページをごらんいただきたいと思います。
 点検の結果、該当件数7,224件のうち1,030件について、本来支給すべきなのに支給されていないものがあったというものでございます。
 ケースその1以下の3ケースは、過払い分の調整のケースでございます。これもちょっと説明をしておきたいと思います。
 参考資料2の2ページをごらんいただきたいと思います。
 これは、記録のほうをごらんいただきたいと思いますが、まず厚生年金Aでいわゆる旧法の通算老齢年金を受給していた方でありまして、その後、厚生年金のBの期間が追加をされたというものでございます。この方に厚年Cの期間が判明したというものでございまして、Aに基づく通算老齢年金については、その後、厚年Bということで、引き続き就労していたことによりまして、本来老齢年金が途中で資格要件を満たした段階で発生するわけでありますけれども、老齢年金の請求を漏らしていたというケースでございます。
 《年金給付》のところをごらんいただきたいと思いますが、このケースについては、平成23年11月に取り扱いを変更してございます。
 変更前の取り扱いがどうなっていたかということでありますが、変更前におきましては、厚生年金Cが判明しておりますので、変更前のケースで時効特例〈ハ〉が時効特例給付として支給されます。
 一方で、老齢年金について請求がなされていなかったということでありまして、老齢年金については、受給権発生時点で、その間、時効消滅部分を持っているわけであります。
 一方で、通算老齢年金につきましては、老齢年金の受給権発生の時点から請求があった時点まで過払い分が生じているということでございまして、この過払い分については、変更前につきましては、時効特例給付として支給する〈ハ〉の部分から差し引きをしていたわけでありますけれども、この取り扱いについて、平成23年11月に変更しております。
 この変更の考え方でございますが、本来記録訂正と関係ある過払い分であれば、その分について調整をいたしますけれども、〈ニ〉の過払い部分について申し上げますと、これは老齢年金の請求が遅れていたことで発生した過払い分であるということでありますので、この扱いについては、【変更後】をごらんいただければわかりますが、支給の調整はしないという取り扱いにしたところでございます。
 この扱いについては、資料1-1の2ページにございますように、取り扱いを変更した前の処理247件のうち192件について変更後の処理とすべきものということでございます。
 一方で、変更後の処理22件のうち10件については変更前の処理でそのままでやっていたということでございますので、トータル202件につきましては追加支給が必要という点検結果になってございます。
 3ページのケースその2、ケースその3につきましては、具体的な説明は省略いたしますけれども、いずれも記録訂正があって、増額分と過払い分が生じる場合でございまして、○3ケースその2につきましては、これも途中で取り扱いを変更してございます。
 このケースの点検結果については、変更前の処理84件のうち59件、変更後の処理23件のうち13件は変更前の処理ということでありますので、この72件について追加支給が必要という点検結果になってございます。
 ○4ケースその3につきましては、該当する44件のうち7件について処理方針とは異なる調整を行っていたということで、追加支給が必要ということでございます。
 以上が不統一が認められた4ケースでございます。今、各ケースについて点検結果を申し上げましたけれども、この調査委員会の調査時点ではトータルで1,311件追加支給が必要であるという結果になってございます。
 続きまして、4ページをごらんいただきたいと思います。
 以上、不統一が認められた4ケース以外の6ケースでございます。
 これは先ほども申し上げましたが、客観的には不統一が明らかにはなっておりませんが、調査委員会でアンケートあるいはヒアリングをした結果を踏まえて、業務の不統一の可能性があるのではないかということで、調査委員会では整理がされているものでございます。
 6ケースございますが、まず請求遅れのケースであります。
 年金の請求から記録訂正までの間、本来記録訂正と裁定請求について、それぞれ因果関係を個別に確認しながら審査をすべきでありますけれども、大量の処理をこなすという中、1年という目安を設けた中で処理をしておりました。
 したがいまして、特段因果関係がない場合、1年を経過している場合には請求遅れということで、支給しないという取り扱いにしているものでございます。
 ○2手番統合、いわゆる手帳番号を基礎年金番号に統合するケースであります。この手番の統合につきましては、記録訂正には該当するわけでございますが、ただし、統合された記録で既に通算対象期間として収録されているケースでございますので、以前からこの記録については判明していたということでございまして、時効特例給付の対象としないというものでございます。
 ○3は手番の重複取消のケースでございます。複数の手帳番号を有するものについては、重複取り消しをして記録を統合するわけでありますけれども、これも基本的には記録訂正に該当するという取り扱いになっておりますが、1つの記録で既に受給権を満たしている場合には、これは時効特例法に言う記録訂正には該当しないということで、時効特例給付の対象としていないものでございます。
 ○4は以上のものと趣が違うものでございますけれども、いわゆる「601号」用紙関連ケースというものでございます。これは時効特例給付施行前、要するに、時効特例法の施行前に記録訂正があった場合には、「601号」様式という手続用紙を提出して請求をする必要があるわけでございますが、この用紙につきまして、他の申し出の手続で必要事項を確認できる場合には、「601号」用紙を提出しないでも時効特例給付を支給するという取り扱いをしているものでございます。
 それから○5、○6でございます。
 ○5につきましては、国民年金の未納期間について、記録判明した期間と重複をして削除した場合でございまして、このケースについて、国民年金の未納期間が削除されることによって国民年金の増額がある場合については、時効特例給付を支給するという取り扱いにしてございます。
 最後は時効特例の計算期間がずれるケースでございます。これは、増額される年金と減額される年金がある場合に、減額分についての再裁定が遅れてしまったということで、遅れによる過払い分が生じてしまうということでございまして、この部分については、記録訂正により生じた過払い分ではないということで、差し引き調整の対象にしないという取り扱いにしているものでございます。
 こういった6ケースについて不統一の可能性が認められるということが指摘をされているものでございます。
 以上が10ケースのそれぞれの点検結果でございまして、こうした不統一・不公平の要因なり背景が以下に整理をされてございます。
 大きく言いますと、まず「(1)時効特例法の法律構成等」ということで、解釈上の問題と法律の成立から施行までが短くて、準備期間が短かったということが指摘をされてございます。
 解釈上の問題というのは、時効特例法、記録訂正があって、裁定をするということが法律に書いてございますけれども、解釈の余地が大きいということでこういった問題があったということが指摘をされています。
 「(2)処理基準等」につきましては、十分処理基準が整備されていないということ、業務処理の上で解釈に疑義があった場合には疑義照会をする。機構本部内の部署、あるいは年金局からの回答を待って対応するという仕組みがございますけれども、こういった疑義照会回答も有効な方策になっていないということが不統一の背景事情としてあったということが指摘をされています。
 6ページでございますが、処理方針の周知徹底も不十分ということが指摘をされています。
 案件決裁でありますが、個別の決裁については、毎月の処理件数は相当な件数がございますので、担当室長等が個々に個別の決裁をすることは困難ではございますが、過去の処理案件について、事後的に抽出・点検することが考えられたのではないかということで、そういうことができていないことも背景事情にあるということで、指摘をされています。
 さらに、担当室長・部長が取りまとめの結果だけを見ているということで、困難案件等、実際にどういう問題があるのかということについて、きちんと把握するような取り組みができていなかったということが指摘をされております。
 (4)であります。具体的に指導監督をしております、保険庁時代は庁の年保課、年金機構になりましてからは年金局の事業管理課でございますけれども、それぞれ指導監督をする年金局の担当課、保険庁の担当課の状況でございます。全般的に言いますと、現場からの情報が上がってきていないということで、積極的に問題状況を確認するというような対応ができていなかったということが指摘をされています。
 最後になりますけれども、コンプライアンス対応の関係につきましては、「理事長への声」、あるいは法令等違反通報制度等、こういった対応については特段不適切な事実、時効はなかったという指摘になってございます。
 ただし、いずれにしろ職員の問題提起の内容について十分酌み取ることができなかったという点では、コンプライアンス上、問題があったというふうに理解をしてございます。
 以上がまず調査結果の概要でございます。
 次に、資料1-2をごらんいただきたいと思います。今後の対応でございます。
 まず、今後の対応の基本的な方針でございますけれども、今回の調査結果を重く受け止めまして、時効特例給付のこれまでに処理した全件について検証を行うことにしてございます。処理の不統一があれば、追加支払い等の対応をするということでございまして、さらに不統一が生じることのないように再発防止に取り組むという基本的な方針としてございます。
 まず、不統一ケースの是正でございますが、調査委員会で不統一が認められております4ケースについて、先ほど申し上げましたように、調査時点では4ケースで約1,300件、約10億円という数字でございますけれども、最終的に確認した上で、おわび文書も送付した上で、7月から順次追加支払いを行うことにしてございます。
 4ケース以外の6ケースでございますが、不統一の可能性のある5ケースにつきましては、これはサンプル的な手法も含めまして検証を行って、必要な対応を行うことにしてございます。
 続いて2ページでございます。
 6ケースのうちの1つの事例でありましたけれども、「様式601号」の提出がないケースでございます。これにつきましても、この用紙の提出がないことにより給付が不支給になっていないかどうかを検証して、必要な対応を行うということと、この用紙自体についての見直しを行う予定にしてございます。
 (3)は、以上の10ケース以外のケースで何か問題があるかどうかということでございます。調査委員会の調査では、具体的に不統一が生じ得る類型は特定されていませんが、今後、サンプル調査の実施等により、10ケース以外についても必要な検証をしていきたいと考えております。
 (4)であります。今回、時効特例給付の問題、4月16日に公表しておりますが、17日から照会対応の電話を設置してございました。
 照会の状況をちょっと申し上げておきますと、4月17日以降、6月7日までという状況で集計してございますけれども、この電話に入電があった件数は全体で947件という状況になっております。このうち報道関連は約3割強の325件ぐらいで、その他の照会につきましては、いわゆる一般の年金相談もこの電話に相当電話が入っているという状況になっております。
 いずれにしましても、公表以降、特に照会対応等で混乱しているような状況にはないという状況でございます。
 続きまして、3ページをごらんいただきたいと思います。
 今まで説明しましたのは不統一ケースについての対応でございますが、3ページは「今後の再発防止の取組」でございます。
 「(1)処理基準の整備・明確化」ということでございまして、処理基準が十分整備されていなかったという状況を踏まえまして、処理基準について整備をするということ。
 今回のケースのような複雑なケースについては、事例集をつくって、担当職員で統一性が確保できるような取り扱いにしていきたいと考えています。
 (2)は、処理基準を整備した上で、周知も徹底をしていきたいと考えております。
 (3)は、疑義照会につきましても、この調査委員会におきましては、必ずしも文書でできていなかったり、そういうことも実際にありましたので、年金局等に照会をする際には文書できちんとやるということを徹底していきたいと考えております。
 4ページ「(4)審査体制等の改善」ということでございます。
 現状、複数の者で相互チェックをしておりますけれども、少しでも判断に迷う案件があれば、必ず上位者と協議することを徹底していきたいと考えております。
 担当部長も判断困難事例等についてきちんと把握するということを徹底したいと思っております。
 ○3事後点検も、今後、抽出による点検を定期的にやっていきたいと考えております。
 さらに、○4監査部門による事後検証でありますけれども、機構の監査部において状況についての確認を行うことにしたいと考えています。
 (5)は年金局の指導・監督の関係でございますが、年金局においても、もう少し積極的な問題把握に努めるということでの指導・監督を今後されるというふうに聞いてございます。
 (6)は、コンプライアンス対応の関係でございます。先ほども申し上げましたが、調査結果では特段の指摘はないという状況ではございますけれども、職員の問題意識を十分酌み取ることができなかったということでございまして、今後こういうことがないように、管理職員も常に問題意識を持って職員の意見を聞くということを徹底していきたいと考えています。
 最後に、「(7)機構及び年金局の責任の明確化」につきましては、調査結果を踏まえ、さらに必要な調査、確認の上、必要な処分を今後予定をしていきたいと考えているところでございます。
 以上が資料の説明でございますが、今回の問題につきましては、我々として反省すべき点が3点あったと考えてございます。
 1つは、処理基準が本部の支払部等で十分整備されていなかったということでございます。機構、全国の年金事務所でいろんな事務に対応していただいておりますが、業務の標準化・統一化を図るという観点からマニュアルの整備等に務めてまいりましたけれども、本部でやっている今回の時効特例給付はそうですが、少し本部でそういった点が徹底されておらず、事務処理基準等も整備されていない現状にございましたので、ここは十分我々としても反省すべき点であろうと考えております。
 2点目としまして、職員の問題提起について十分酌み取れなかったということでございます。これについて、やはりガバナンスの不足なり、職場の風通しの悪さという面もあったのではないかと考えているところでございます。
 最後になりますけれども、お客様の年金権を守るという使命感、意識が徹底していなかったということではないかと考えています。
 私どもはこういった反省に立ちまして、現在、先ほど説明しましたような今後の対応について、年金局とも十分相談・協議をしながら、機構の中にも理事長を委員長としました検証委員会というものを設置しておりまして、具体的にどういうふうに対応するのか、検証状況の進捗はどうなっているのかというのをチェックしながら取り組みを進めているという状況になってございます。
 厚生労働省のほうでも監察本部というのが前から置かれておりますけれども、この監察本部の中で、機構と年金局の業務分担なり連携がどうだったのかというのを調査、確認をするという作業が進められているというふうに聞いております。
 私からの説明は以上でございます。

○事業企画課長
 今、監察本部という話が出ました。厚労省側から補足をさせていただければと思います。
 厚労省におきましても、本件の調査結果でさまざま問題点が指摘をされております。厚労省に厚生労働省監察本部というのがございます。4月25日に開催をいたしまして、監察本部のもとに副大臣をトップとしまして、外部の有識者の方の御参画をいただきました時効特例給付の事務処理検証ワーキングチームというものを設置しております。このワーキングチームにおきまして、今、いろいろ御説明がありました疑義照会への対応の話ですとか、業務の処理基準ですとか、機構の現場と厚労省の連携、業務の分担といったことにつきまして、原因とか改善点を検討するという作業を今、進めておるところでございます。
 以上です。

○本田部会長
 それでは、ただいまの説明につきましての御質問、また御意見をいただきたいと思います。岩瀬委員、どうぞ。

○岩瀬委員
 幾つか質問があるのですけれども、まず、赤松委員会に支払った金額と財源を教えていただけますか。ただでやっていただいているのではないと思うのです。

○日本年金機構経営企画部長
 ただいま正確な数字がございませんが、2,000万円を少し超えるような額ではなかったかと思います。機構がいただいています交付金の中から支出をしているということだと思います。

○岩瀬委員
 交付金というのは税金ということですか。保険料を使っているのですか。

○日本年金機構経営企画部長
 確認いたします。済みません。

○岩瀬委員
 何でこれをお聞きしたかというと、職員が問題提起をして、それを受けとめないがゆえにこんな無駄な支出がかかるわけですね。職員の問題提起をきちんと受けて、きちんと処理をしていれば、こういう事態も発生しないのに、それができなかったということは、機構が中期計画に書いているような、職員一人一人が使命感を持って、誇りを持って行うということが全くできていないという評価が成り立つのではないかなと思うのです。ということは、社会保険庁のときと体質は何も変わっていなという評価をされてもしようがないのではないでしょうか。
 その点について、機構の考えをお聞かせいただけませんか。

○日本年金機構副理事長
 本件につきまして、職員からの部門内での問題提起というのが去年の1月にありまして、それを部門の中でよくくみ上げることができなかった。
 機構になりましてから風通しとか意思疎通とか、そういうことを重視してやってきました。多くの局面においてはそれができるようになってきていると思いますけれども、やはりこういう事例が一部にあるということだと認識しております。
 そういうものをくみ上げることができなかったことと、去年の夏ごろから「理事長への声」であるとか、あるいは法令等違反通報窓口への通報があって、対応はしておったのですが、その辺の本人とのコミュニケーションが十分できなかったことでこういうことになったということは大きな反省点だと思っております。
 御指摘はよくわかりますけれども、私どもとしても22年1月から風通しのいい組織づくりをし、やってきたけれども、そこはまだ道半ばであるというふうに認識をいたしております。

○本田部会長
 どうぞ。

○岩瀬委員
 これは法令違反がなされていて、平等な給付がされていないという問題提起なわけです。これは非常に重要な問題提起だと思うのです。単なる事務処理だとか、風通しのよさとかというのでなくて、そういう問題提起、つまり、法令に基づいて給付するというのが機構の役割だと思うのだけれども、それができていないという問題提起がなされて、半年近くほったらかして、要するに、たなざらしにしたわけです。しようがなくて、総務省に問題点を相談に行って、こういう事態になってくる。
 風通しがいいとか、コンプライアンスが充実しているとかという説明が全く空疎な説明に聞こえるのですが、それはちゃんとやられているのですか。

○日本年金機構副理事長
 本件について言うと、先ほども申し上げましたように、去年の1月ぐらいから6月、7月ぐらいまでは部門の中で問題提起があって、その問題提起が部門の中で上に上がっていっていなかった、部門で共有されていなかったという問題が非常にあろうかと思っております。そこは大きな反省点だというふうに思っています。
 それから7月の末、8月の末に法令等違反通報という形であって、そのときは、先ほど御説明したように、事例自体が非常に複雑ですので、関係者に状況を聞くというところから作業をしておって、それに若干時間がかかる中で、先ほどお話があったように総務省へ話が行ったということでございまして、決してこういうふうなものを無視するとか、そういうふうなことで取り扱っていたわけではございません。十分かどうかというところはございますけれども、そういうふうに考えております。

○本田部会長
 どうぞ。

○岩瀬委員
 済みません、長引いて申しわけない。1つだけ。
 これは部門の中だけでなくて、理事長に対するメールでも通報されているわけでしょう。

○日本年金機構副理事長
 「理事長への声」にそういう問題提起があったのが、1月ではなくて、7月の末でございましたので、「理事長への声」については、一般的には少しサイクルを置いてやるようなロングタームのテーマが多いものですから、一、二カ月サイクルで動いていたという話がございます。
 その中に、組織的に法令に違反するような行為があるときには法令等違反通報制度の対象になるのかというふうな趣旨の問いかけがございましたので、それはなりますということを返したのですが、それが9月になったわけでございます。
 一方で、法令等違反通報窓口にはこの人から8月末に通報がございました。そこからはこの話はきちっと調べなければいけないということで、調査に入っておったということでございます。

○本田部会長
 どうぞ。

○日本年金機構理事長
 私の理解を申し上げますと、この問題は、法令違反の問題と処理の不統一の問題、2つの問題があったと思っています。
 1つ目の法令違反に関しましては、いわゆる疑義照会に関して正式に回答をいただいておりまして、法令違反はなかったということになったというふうに理解をいたしております。
 問題は不統一が発生をしたということだと。赤松委員会の報告もそういう内容になっておりまして、この不統一については、やはり是正する必要があるというふうに私自身、認識をしているということでございます。
 それに従って現在、作業を急いでいるところでございますが、昨年来、職員から問題提起がございまして、これに対する対応ということに関しましては、法令に沿っているかどうかということについて、昨年の前半は部門内で議論が行われていたというふうに聞いています。
 この議論がいわゆる組織の中で上に上がってこなかったということについては極めて問題だと思っておりまして、これについては現在、是正措置を幅広く講じているところでございます。
 その後、不統一の問題が主に指摘をされ、監視委員会で議論が行われ、赤松委員会で調査が行われたわけでございますが、この結果に関しましては、私がチェックした限りでも、いわゆる機構内における問題の吸い上げの仕組みというのは、いろいろな形でできていると思っています。
 ただ、問題は、そこに上がってきたテーマ、いろいろな事項について、どれだけリスク感覚、あるいは本来あるべき姿という観点から問題を正確につかまえるかというところに関しては問題があったと言わざるを得ないと思っております。今、「理事長への声」に関して私もずっと見ております。今まで見て、返しておりますが、今後、これに関しては、私が納得をした答えに関して、私自身のサインをして返すというルールに変更いたしました。
 現在、本部各部にこのような問題がないかという調査を命じておりまして、各部長とこれから面談をする予定でございます。私自身、全ての部室長と面談をいたしまして、風通しの問題、あるいは抱えている問題、その他等々について問題点を把握するという作業を行うということで、今、準備中だということでございます。

○本田部会長
 どうぞ。

○岩瀬委員
 機構の中で今、検証委員会をつくって、これについて検証されていると先ほどお話がありましたけれども、赤松委員会の報告書が出てからもう3カ月たつわけです。検証委員会の結果というのはいつ出るのですか。
 今の御説明、いろいろしていただいても、この場でちょっと聞いただけ、あるいはこの概略を書いた資料だけではどこに問題があったのかというのは理解できないのです。だから、次回の委員会までに、暫定版でも結構ですから、どこに問題があって、なぜこんなことになってしまったのかというのを出していただかないと、ここでの評価というのはできないと思うのです。それをちょっとお願いしたいのです。

○日本年金機構理事長
 どのような形でまたこの委員会に御報告を申し上げるかについては、議論をさせていただいた上で、また御相談をさせていただきたいと思いますが、今、とりあえず不払いになっております千数百件について、7月に支払いを開始するということを大至急やっているわけでございます。その作業を今、進めているということが第一でございます。
 マニュアル化も現在、最終段階に入ってきておりまして、マニュアル化についてもおおむね解決するだろうと思っております。
 細かいところはたくさんございますが、検証委員会につきましては、きちっと検証した上で御報告を申し上げたいと思っております。

○岩瀬委員
 次回、お願いします。

○本田部会長
 今のお話は、事務局が「今後の対応について」というところでいろいろと触れておられたと思うけれども、そうではなくて。

○岩瀬委員
 今後の対応とか、今、千何百件以外にもあるかどうかというのをいろいろ検証されているということですね。それが全部終わってから検証報告書を出すというふうなお考えであるように受けとめたのですが、それと切り離して、この問題がなぜ起こってしまって、なぜ放置されたのか、そこの部分だけをとりあえず理解するために出していただきたいと思います。再発防止策も入れていただければ入れていただいて結構です。簡単なことだと思います。

○日本年金機構理事長
 今、申し上げた内容に尽きると思うのでございますけれども、私も検証。

○岩瀬委員
 具体的に書いていただかないとわからないです。

○日本年金機構理事長
 わかりました。

○本田部会長
 それでは、一応検討してみていただけますか。
 では、斎藤委員、どうぞ。

○斎藤委員
 2つ懸念事項がございます。
 1つは、これがひょっとして氷山の一角ではないかという不安です。
資料1-1の6ページに、多量にあるし、過去のものは見直しができないし、これは無理だというふうなコメントが(3)の2番目の○にございます。この調査結果の報告を拝見して、そういうことで放置されていて、また、問題提起した方が簡単に諦めてしまっているような事例もひょっとしたらあるのではないかと心配になりました。
 もう一つ心配になりましたのは、「調査結果について」という資料1-1の6ページ、(3)の2番目の○のところで「直ちに問題視することはできない」とございます。また、コンプライアンスのところでも「指摘すべき事実・事項は認められない」と書いてあります。
 この資料を拝見すると、問題が全くなかったような書きぶりなのですけれども、今、御説明をいただいたところではいろいろな反省をしていらっしゃいます。一体どちらが本当なのだろう、今、どういうふうに機構は考えていらっしゃるというのがメッセージとしてよく伝わってきません。
 今、御発言があったように、そして岩瀬委員からの御指摘もあったように、これは非常に重要な問題であり、コンプライアンス上、問題がなかったというふうに片づけることはできない問題だと思います。
 ですので、資料1-1がどういう形で出てきたのか、それについて今、どういうふうにお考えなのかを伺いたいと思います。

○本田部会長
 どうぞ。

○日本年金機構経営企画部長
 経営企画部長の野口と申します。
 お手元にお配りさせていただいております資料1-3が、私どもが外部の弁護士の先生方にお願いした調査委員会の報告書本体でございますが、資料1-1はこの報告書をまとめたものでございます。したがいまして、この見解は私どもの見解ではなくて、調査委員会の見解でございます。
 先ほど来、コンプライアンス問題でありますとか、あるいは「理事長への声」のことについて申し上げておりますのは、調査委員会としては不適切とまで言えないというふうに御結論をいただいているのでございます。なぜかといいますと、例えば「理事長への声」の制度の問題、これは組織の内部管理についての具体的な提案をいただくのが制度の趣旨でございまして、それに関しましては、運用上、職員の方から問題提起がありましたのは、法令等違反通報については、組織的な不正行為が行われていた場合、対象になるのかどうかというところを聞かれていたわけでございます。
 それについては、対象になるというような答えをして、結果として、その職員の方は、次にコンプライアンス、法令違反通報を実際にされたという経過があります。
 したがって、その制度の仕組み自体を見れば、それは機能していたということなのだろうと思いますが、ただ、私どもが考えておりますのは、制度の仕組みはそうかもしれないけれども、なぜそういう問題提起をされたのかということについて思いをいたすべきだったのではないかということで、そこはやはり反省材料ではないか。
 ちょっとわかりにくくて恐縮なのですが、かいつまんで申し上げれば、そういう状況にあったということでございます。

○本田部会長
 資料1-1に「調査委員会報告」と書いておけばいいのですね。機構が調査をした結果を載せているような誤解を斎藤委員はされたのだと思う。だから、資料1-2「今後の対応について」は、これについての現時点における機構の考え方、そういうふうに受けとめればいいのかなと思った。
 ただし、先ほど岩瀬委員がおっしゃったように、それでちょっと足らない面もあるのであれば、もう少しちゃんと次の回までにと。
 岩瀬委員、そういうふうに考えてよろしいですか。

○岩瀬委員
 はい。これが全てだと言われても理解できないので、わかるように説明していただきたい。
○本田部会長
 それでは、木間委員、どうぞ。

○木間委員
 業務の不統一・不公平の再発を防止するということについて申し上げたいのですが、機構自身が業務の質をチェックする仕組みをつくることを検討してみてはいかがでしょうか。
 今、「今後の対応について」で御説明のあった表現をかりるならば、まず、大、中、小と項目をつくって、大項目に業務の質の向上として、中項目には業務の不統一・不公平の再発防止などの項目を挙げ、小項目に処理基準の充実などを挙げていく。小項目の次に確認事項を挙げて、さらに確認のための材料を具体的に挙げるといった仕組みです。
 例えば調査委員会が各グループ間の情報共有・連絡が不十分と指摘していましたが、各グループ間の情報共有・連絡が十分かを確認事項として、各グループ間の情報共有・連絡会議の記録などを確認のための材料とする、そういう仕組みをきちんとつくることを検討してみてはいかがかと思うのです。
 機構内部でこのようなチェックの仕組みを作成して、それを自己評価の基準としてまず活用するのもよろしいのではないかと思います。
 これは、介護保険法に基づく介護サービス情報公表制度でつくられている仕組みです。年金業務に適したものにして、目に見えるチェックシステム、評価基準を作成すれば、業務の不統一・不公平の再発防止に少しはつながるのではないかと思います。


○本田部会長
 今の点について、どうぞ。

○日本年金機構理事(全国一括業務担当)
 ただいまの御指摘でありますけれども、私どもも基本的には各再発防止の取り組みについて整理しておりますが、それは具体的に何をするのかということを、今、委員から御指摘があったようなものも踏まえて整理をしておりますが、さらに今日の御意見を踏まえて、チェックができる項目を挙げながら、全てがそういう項目になるかどうかはわかりませんが、可能なものはそういった具体的な仕組みをつくってチェックをするという形でやっていきたいと考えております。

○本田部会長
 ただいまの木間委員の意見を参考にしながら改善に努めていただきたいと思います。
 あと、何か。西沢委員、どうぞ。

○西沢委員
 今後の対応について1つ意見というか、提案なのですけれども、今後の対応は、問題が起きた後のことを主に書いていると思うのですが、問題を未然に防ぐことが必要だと思います。
 例えばこれからの日本年金機構さんの事務を見渡しても、今回、被用者年金一元化といったこともありますし、生活支援給付金でしょうか、給付金を配るといった事務もありますし、特例水準解消といったこともあるわけで、これは通常のオペレーションと違った追加的なオペレーションが入ってくるわけです。そうしたときに、今回こういった法改正がありました、では、日本年金機構のほうで人、金が実はこれぐらい要るのですと。ここに人、金が注ぎ込まれると他の業務に波及するかもしれないです。
 例えば年金記録問題で厚生年金適用が手薄になったという評価だったと思いますが、他の業務にも反映するかもしれない。オペレーションではこういったことが起こり得るし、電話対応でもこういったことが起こり得る。法改正が行われた都度、事前にオペレーションする側のオピニオンというのを、スピーディーに我々でもメディアでもいいので報告していただく。今は全くそういったものが見えていない状況なのですが、例えば時効特例の話があったときに、そういったものが出ていれば、ある程度問題も事前に防げるのではないかと思います。
 ですから、今後の対応の中にこういった問題を事前に防ぐ仕組みを盛り込んでいただくといいかと思います。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 制度改正のとりまとめを担当しております矢崎です。
 おっしゃいますように、一元化、法、機能強化法については、膨大な改正で、非常に複雑なオペレーションをこれから機構は対応していくことになります。
 現在、それぞれの政省令、あるいは運用レベルについて、一元化の場合には各共済組合との情報交換などもやっていかなければいけませんので、具体的にどういうオペレーションをするか、どういう仕組みとするかというのを今、年金局ともども詰めているといった状況であります。
 もちろん、あらゆる事象を全て事前に想定するというのは無理なことでありますが、最大限いろんな事象を想定して、どういうふうに対応するかというのを決めて、詰めているといったところであります。
 また、当然実施体制というのも大事でございまして、かねてより年金局のほうには人、金、時間について十分な確保をお願いしているというところであります。
 とにかく非常に大きな改正で、複雑なオペレーションになりますので、できるだけ円滑な施行ができるように、時間があるようでありませんので、我々としては最善を尽くしたいと思っております。

○本田部会長
 何かありますか。では、大山委員。

○大山部会長代理
 今回のような例の場合、1つ確認したいのは、大もとの時効特例法が議員立法で制定されたこと、ここは事実関係がこうなっているというのはいいのですけれども、この後、時効特例法に関する解釈のところでいろんな議論が起こっているように見えるのです。そのときの解釈は、今のお話だと、年金の一元化の関係のお話を含めて、これは厚生労働省年金局と機構が一緒になってやっているという話を伺ったのですけれども、それが正しい解釈だと理解してよろしいのですか。
 だとすると、今回の話は、機構も時効特例法については年金局さんと一緒になってやっていなければならなかったという論法になるのです。僕は、年金機構は解釈が十分できなくて困っていたのかなと実は思って、内部で議論しながら、そのために疑義照会をしたり、いろんなことをやってきたのかなと。だからこそチーム間での共有を図るという話になったと理解したのですが、今のお話でちょっとそこがわからなくなったのです。
 どちらが主体的に、あるいはどこまでがその責任なのかというのをちょっと説明していただけますか。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 一元化法のように、これから施行される法律につきましては、条文で大きなところは書いてあるわけですけれども、細部の運用をどうするかというのが決まっていないところがあるわけです。まさにそれをこれから政令なり省令なりを規定していく部分もありますし、その解釈を詰めていくものもあります。いろんなケースが想定されますが、年金局さんも万能ではありませんし、むしろ私どものほうが実務をやっているので、では、こういうケースはどうするのでしょうかというのに気がつくことがあるわけです。
 ただ、私どもで一方的に決定はできませんので、有権解釈権限があるのはあくまで年金局ですので、では、こういう場合はどういうふうにしましょうか、あるいは政省令でこういう規定の仕方をしたらどうでしょうかということを年金局に話して、細部を詰める作業を施行までにしようとしているということであります。

○本田部会長
 今のあれについて、いいのですか。19年のときのね。

○大山部会長代理
 今回のこの問題が起きたときも同じだということですね。機構さんもできているから。

○日本年金機構理事長
 基本的には同じでございますが、こういう問題があるということについて機構が把握をして、それに関してきちんとした形で年金局に疑義照会をしたかどうかという点について、口頭で行われているとか、文書で行われていない部分があるとか、そういうところは反省すべき点があるということです。やはりそこはきちんとした対応を機構としてもとるべき点があったという点は反省をしているということでございます。

○本田部会長
 でも、時効特例法というのは、社保庁時代でしょう。

○日本年金機構副理事長
 法律自体は社会保険庁時代でございます。

○本田部会長
 その際どう対応したのかという御説明をいただきたい。

○日本年金機構副理事長
 社会保険庁時代は、年金法の基本的な組み立てとか、そこは年金局ですけれども、具体的な施行段階での判断というか、法令解釈権は社会保険庁の担当課にございましたので、機構になったときに、機構は事務の委任とか委託を受ける機関ということになりましたから、法令解釈は年金局、それに従って基本的には仕事をする。ただ、ここが問題であるとか、ここをどう解釈すればいいのかというのは、そういう問題点を整理して、年金局に問い合わせて対応している。こういう仕掛けに今はなっているということでございます。

○本田部会長
 どうぞ。

○事業企画課長
 疑義解釈の関係で、機構で設けられた調査委員会の報告書にもあるのですが、疑義解釈に対する厚労省側の回答が遅いとか、あるいは過去の経緯、どのような形で行われていたかというあたりが実はきちんと確認できていない。そういうことも含めて、厚労省のほうも問題があるのではないかということで、監察本部というのを設けて、そのもとにワーキングチームをつくって、厚労省側の対応に問題がなかったかということをあわせて検証するということにしておりますので、その点を私どもも重く受けとめているところです。

○本田部会長
 それでは、まだ御意見があろうかと思いますけれども、私のほうからも一、二点お願いしておきたいと思います。
 まさに今度の問題、給付の正確性の問題、そしてまた事務処理誤りに対する対応の問題、今後の対応について、いろいろとお書きになっていますが、一般的に考えますと、コンプライアンスも含めて、昨年の1月からという話で、具体的に上のほうでわかったのは7月、9月というお話を伺いましたけれども、こういう問題について、内部統制システムを含めて、今後の取り組みにも書いてありますが、これを契機にさらにちゃんとしてやっていただきたい。
 先ほど企画課長のほうから、24年度の評価基準について、一応4月15日に決めたのですが、評価の基準については、「給付事務に関する事項」のところで事務処理誤りとか迅速な決定、いろんなことが書いてありますけれども、私は変える必要はないかなと思いますが、これを決定したときには、率直に言えば、我々は今回の時効特例の事案は知らなかったし、皆さんのほうはどうだったかわかりませんけれども、書き方はこれでいいですが、これに基づく評価というものについては自己評価をちゃんとやっていただきたい。
 しかも、コンプライアンスのほうも評価基準に書いてありますので、そういう意味で、この基準自体は直さなくていいけれども、これの具体的な評価に当たっては、自己評価も含めてちゃんとやっていただきたい。
 そういうふうに思っていますが、委員の方、それでよろしいですか。

(「はい」と声あり)

○本田部会長
 もう一点は、25年度計画も我々は伺ったわけですが、本来であれば25年度計画の中にここに書いてある「今後の対応について」も本当は入っていなければいけませんけれども、タイミングの問題もあったかもしれませんが、ぜひ25年度計画の中に今後の対応と今後の再発防止への取り組みということを重要な問題として入れていただいて、我々もそれがちゃんとやれているかどうか、今年度末には評価をするというふうにさせていただきたいと思いますし、機構のほうもぜひその点をよろしくお願いいたしたいと思います。
 それでは、時間の関係もございますので、1番目の議題については以上で終わりたいと思います。
 次に、2番目の日本年金機構の中期目標・中期計画におけるこれまでの取組と今後の進め方等、及び日本年金機構のお客様満足度アンケート調査結果等につきまして、日本年金機構より説明をお願いいたしますが、その前に事務局から何かございますか。

○事業企画課長
 補足をさせてください。
 資料2-1、資料2-2について、1点説明をさせていただきます。
 今回は、来年度から始まります次期の中期目標につきまして、秋以降、本格的に御検討、御議論をいただくこととしておりますが、そのために、今までの日本年金機構の取り組み・実績といったものについて、中期目標・計画に即して実績をまとめたというものが資料2-1でございます。これをごらんいただき、次期目標の作成に向けた御意見をいただきたく存じます。
 また、資料2-2の関係ですけれども、日本年金機構法の附則で、3年後をめどとした検討規定というのがございます。法律の施行状況ですとか、国民年金の保険料納付の状況、業務の効率化、改善の状況等を勘案して、必要があれば所要の措置を講ずるというものでございます。今回の中期目標期間の実績のレビューにつきまして、法施行状況、重なるものですから、切り口を変えた形で資料2-2として整理して、あわせて提出しておりますので、この視点からもごらんいただければ幸いです。
 ということで、よろしくお願いいたします。

○日本年金機構理事長
 改めまして、水島でございます。
 本日は、中期目標・中期計画におけるこれまでの取組と今後の進め方等につきまして御審議をいただくことになりますが、これから担当者から詳細な御説明を申し上げますが、その前に私から一言申し上げさせていただきます。
 日本年金機構は、平成22年1月の発足以来、機構への円滑な移行を果たすことや、年金記録問題への対応を最優先課題として取り組んでまいりました。
 また、あわせまして機構法の基本理念にのっとりまして運営基盤の整備を図りますとともに、国民年金保険料の納付率向上を初めとする各種の取り組みを着実に進めてきたところでございます。
 今年度は中期目標及び中期計画の最終年度であります。国民の皆様の信頼を確保するためにまだまだ課題は多くございますが、年金記録問題への対応や国民年金保険料の収納対策など、目標の達成及び信頼の回復に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 委員の皆様におかれましても、ぜひとも引き続き御指導を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げる次第でございます。

○日本年金機構経営企画グループ長
 日本年金機構経営企画グループ長の田中と申します。
 私のほうからお手元の資料2-1「日本年金機構中期目標・中期計画におけるこれまでの取組と今後の進め方」と、資料2-2「日本年金機構法施行状況レビュー」について御説明をさせていただきたいと思います。
 大変時間が押している中で大部の資料でございますので、ポイントを絞ってなるべく簡潔に説明をさせていただければと考えております。
 まず、資料2-1の2ページ目でございます。表のつくりは、「中期目標」「中期計画」「これまでの取組と今後の進め方」という構成になっております。
 まず最初に年金記録問題です。年金記録問題の解決に向けて計画的に取り組みを進めていくということで、記録問題工程表に基づいて取り組みを進めてまいりました。
 具体的には3ページ、年金記録問題に関する未解明事案についての実態解明ですとか、基礎年番に未統合になっている記録の統合・解明です。「ねんきん特別便」とか「ねんきん定期便」など、各種取り組みを進めてまいりました。また、現在、「気になる年金記録、再確認キャンペーン」を開始しているところでございます。
 4ページをおめくりいただきますと、受給者・加入者への年金記録の確認作業等でございます。
 まず、「ねんきん特別便」による確認作業でございます。右欄の真ん中あたりにありますが、これはおおむね記録問題工程表の処理目標どおりに処理を終了させていただいたところです。
 また、年金確保支援法の成立に伴いまして、黄色便を送付させていただくとか、「ねんきん特別便」等の未回答者に対しても、「ねんきん定期便」で回答の勧奨を実施させていただきました。
 5ページの下、紙コンの突合でございますが、受給者及び受給待機者につきましては、24年度末までに終了いたしました。
 被保険者について、25年4月から突き合わせ作業を開始しておりまして、25年秋ごろを目途に終了するよう進めているところでございます。
 6ページの「(5)年金記録の訂正や再裁定後の支給等を迅速に行うための体制整備」につきましては、着実に実施をしました。
 また、「標準報酬等の遡及訂正事案についての実態解明・迅速な記録回復」につきましては、記録回復基準をそれぞれつくりまして記録回復を進めているところでございます。
 7ページ「『ねんきん定期便』や常に年金記録が確認できる仕組みによる加入者情報の提供」です。
 「ねんきん定期便」は、右のほうにございますとおり、節目年齢の方には全ての年金加入記録をお送りして、節目年齢以外の方には直近1年間の加入記録をお送りしました。おおむね毎年6,500万人程度に送付させていただいているところでございます。
 7ページの下、自分の年金記録を常に確認可能とする仕組みの構築ということで、アクセスキーを発行しております。
 8ページの右上をごらんになってください。24年度末までのユーザーID発行数は約166万件、記録照会件数は335万件となっております。
 また、「ねんきんネット」につきましても種々機能追加を行っておるところでございます。
 9ページ【今後の進め方】ですが、こうした形でアクセスキーの普及ですとか、「ねんきんネット」の充実に努めてまいりたいと考えております。
 その他でございます。右下にございます厚年基金との突合ですとか、共済加入期間の基礎年番への突合。
 ページをめくっていただきまして、基礎年金番号の重複付番の防止の取り組みですとか、解消の取り組み、こうした取り組みにつきましても記載のとおり着実に進めてきたところでございます。
 次に、11ページでございます。
 まず、国民年金の適用の促進でございます。右の欄にございますとおり、20歳到達者の全員の適用の実施をいたしますとともに、3号の記録不整合問題につきましても、種別変更等の届け出勧奨を実施させていただきました。
 12ページ【今後の進め方】については、必要な取り組みを進めてまいります。
 12ページから13ページ、厚年の適用でございます。
 13ページの右にございますとおり、雇用保険の適用事業所情報の活用とか、あるいは外部委託の活用、年金事務所に職員による重点的な加入指導、こうしたものに取り組んで適用の促進を図ってまいりました。
 14ページ【今後の進め方】でございます。行動計画というものを策定しておりますので、これに基づいて取り組みを進めていくこととしております。
 14ページから15ページが国民年金の納付率の向上ということで、中期計画におきましては、「中期目標期間中のできるだけ早い時期に、平成21年度の納付実績を上回り、その後、更なる改善を目指す」とされておりますが、御案内のとおり低下傾向が続いてきたわけですが、15ページ右上のほうに記載がございますとおり、「現年度納付率は平成18年度以降の低下傾向に歯止めがかかり、前年度を上回った」ということで、これは25年3月末現在でして、年度の数字は7月に判明いたしますので、また改めてこの評価部会で御報告をさせていただきたいと考えております。
 そのほか、市場化テストですとか、16ページ、免除等申請勧奨、強制徴収等々に取り組んでまいりまして、今後、若年層を中心として効果が見込める対象者に特別催告状を送付するなどの取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 17ページからは厚年等の徴収対策ということですが、納付の督促、滞納処分等を着実に進めていきたいと考えておりまして、それぞれ取り組みを行っております。
 また、ブロック本部の職員なども中心になりながら滞納処分の強化を図ってきたところでございます。
 18ページ、19ページが給付事務ということで、サービススタンダードがございます。御案内のとおり、老齢基礎年金等は目標の90%を超えているところですが、右下の障害厚生年金が平成25年3月末で59.3%ということで、目標を大きく下回っているのですが、今年の3月だけ単月で見ますと、82.6%ということで、かなり改善が図られてきておりますので、今年度につきましては、目標数値に近い数字を達成できるのではないかと考えております。
 19ページの下のほうですが、支給誤り防止のためにマニュアルの徹底ですとか、再発防止のために必要な改善ということで、業務処理マニュアルの月次の改正ですとか、各種情報共有の取り組みを進めてまいりました。
 21ページの下、年金相談の充実に関することです。右欄に行きますと、年金事務所窓口における相談待ち時間の短縮、年金相談スキルの向上のためということで、難易度の高い相談対応ブースは正規職員で対応するということで、窓口ブースの4割相当を正規職員が対応する方針で臨んでおります。
 ページをおめくりいただきまして、22ページです。
 平日昼間に相談できない方への相談時間の確保ですとか、待ち時間について、通常期で30分、混雑期においても1時間を超えないようにするため取り組んでまいりました。
 この結果なのですが、62ページに別表3というのがついております。「年金事務所の混雑状況の比較」ということで、時間の関係上、詳細な説明は省略させていただきますが、平成21年度に比べて待ち時間というのは相当解消されてきているということが見てとれるかと思います。
 23ページにお戻りいただきますと、次はコールセンターでございます。これにつきましては、応答率の向上と相談品質の向上を図るため、各種の取り組みを進めてまいりました。
 これにつきましても、60ページに別表1というのがございます。平成21年度から応答率が改善しておりまして、目標数値70%以上を超えるということにつきまして、24年度は目標を達成しているということでございます。
 24ページですが、年金相談センター等の社労士会への運営委託ですとか、社労士会等と連携した年金相談の効果的な実施についても実施をしてまいりました。
 24ページ以降は細かな数字の入った実績ですので、省略をさせていただきます。
 24ページから25ページにかけて、一般相談窓口ブースの正規職員配置割合を記載しております。前回、岩瀬委員から御質問があった件ですが、詳細な資料は61ページの別表についておりますので、後ほどご覧になっていただければと存じます。
 28ページ【今後の進め方】ということでございますが、まず年金事務所の相談体制でございます。こちらにつきましては、実は窓口ブースの有期雇用の特定業務契約職員の割合が55.4%と非常に依存度が高くなっています。目標として正規職員4割配置を計画的に進めているところでございますが、25年2月に「年金事務所における年金相談・年金給付体制の確立に向けた基本方針」というものを策定いたしましたので、これに基づいた取り組みを進めてまいりたいと考えています。
 29ページの○2コールセンターです。応答率70%以上ということで、今時点、目標を達成しているのですが、今後、各種制度改正でコール数が増大することが見込まれますので、29ページの右下に書いてありますようなコールセンターの基盤強化に取り組んでまいりたいと考えております。
 ページをおめくりいただきまして、「○3年金相談センターの全国社会保険労務士会連合会への運営委託」ということでございます。複雑な年金制度の相談に高度な専門知識を有する相談員を安定的に確保でき、適正かつ的確に対応できる事業主体というのは、全国社会保険労務士会連合会でございますので、次期中期計画におきましても、当該連合会への委託を位置づけて、同連合会へ引き続き運営を委託するということを考えております。
 30ページから31ページが「分かりやすい情報提供の推進」ということでございまして、右側にありますとおり、リーフレット、しおり、あるいは「退職後の年金手続きガイド」及び「知っておきたい年金のはなし」を作成しております。本日、皆様方の机上にも「退職後の年金手続きガイド」「知っておきたい年金のはなし」を別の封筒で配付させていただいておりますので、後ほどご覧になっていただければと思います。
 31ページの右下でございます。ホームページは昨年3月に全面的な見直しを行ったところですので、引き続き見やすいホームページにしてまいりたいと考えております。
 32ページ、33ページ、このほかに「ねんきん定期便」とか、文書交付の機会を活用した年金個人情報の充実を図っております。
 33ページからは「お客様の声を反映される取組に関する事項」でございます。「お客様へのお約束10か条」に基づきまして、お客様の声を直接本部へ報告する仕組みですとか、事務所への「ご意見箱」の設置などを進めてまいりました。
 また、34ページ、お客様サービスモニター会議というものも開催しておりまして、平成24年度は18カ所で開催させていただきました。
 35ページ「お客様対応管理システム」は、相談事跡も包含した包括的データベースとするため、開発スケジュールを見直しまして、昨年の8月にシステム開発の作業に着手しまして、今年の9月にこのシステムを導入予定ということになっております。
 35ページの下、お客様の満足度を図るためということで、36ページに記載がありますように、覆面調査等の実施をしておりまして、後ほど改めて御説明をさせていただきます。
 63ページに別表4とありますが、お客様の満足度につきましては、23年から比較して徐々に満足度は高まっているということでございます。
 このほか、アニュアルレポートですとか、37ページの運営評議会、こうした取り組みを行っているところでございます。
 37ページの下「6.電子申請の推進に関する事項」です。
 オンライン利用率65%を目指して取り組みを推進していくということですが、38ページの右側に数字がありまして、23年度は60.4%ということで、若干まだ取り組みを進めていく必要があると考えております。
 38ページ以降は「業務運営の効率化に関する事項」ということで、まず、効率的な業務運営体制に関する事項でございます。業務の手順の点検、合理化、効率化、標準化ということでございますが、39ページの右上「事務処理誤り総合再発防止策」を策定しまして、これに基づく取り組みを推進しました。
 また、必要な業務処理マニュアルの精緻化に取り組むほか、各種取り組みを行ってまいりました。
 「事務処理誤り総合再発防止策」につきましては、昨年の12月に改定をいたしたところでございます。
 ページをめくっていただきまして、40ページから41ページに、取り組み事項について記載をさせていただいているところでございます。
 41ページの下から「運営経費の抑制等に関する事項」ということでございます。
 まず、41ページの右下、人員体制につきましては、基本計画を踏まえ、必要な削減を行ってまいりました。
 ページをおめくりいただきまして、給与でございます。人事院勧告ですとか、東日本大震災の復興財源のための給与減額支給措置を踏まえまして、給与改定等を実施させていただきました。
 42ページから43ページは「一般管理費及び業務経費」でございます。
 一般管理費は22年度比で12%減、業務経費につきましては4%減という目標が中期計画に定められておりますが、おおむね着実に達成しておりまして、目標期間内に今、申し上げた数字を達成できる見込みというふうに考えております。
 43ページの右下「機構の人員体制及び人件費」ということです。今後の進め方でございますが、基本的には効率化、合理化を進めていくということでございますが、一体改革の一環として実施される制度改正ですとか、厚年基金の制度改正による基金特例解散、こうした当初想定していなかった業務というものが発生しておりますので、的確に対応するために必要な体制を整備していくことが必要であると考えております。
 44ページ「外部委託の推進に関する事項」ということで、委託業者の適切な選定につきましては、総合評価落札方式などによって質を重視した選定を行っているところです。
 45ページがモニタリングということですが、全ての契約についてSLAを締結しておりますので、今後これを定量化していくということが課題でございます。
 46ページをめくっていただきますと、社会保険オンラインシステムの見直しでございます。これにつきましては、基本設計補完工程を実施してまいりましたが、引き続き最適化計画の基本的な理念に沿ってオンラインシステムの見直しに取り組んでまいります。
 46ページの下から調達、契約の関係でございます。競争入札の件数が占める割合について、80%以上の水準を確保ということが目標でございましたが、目標達成には至りませんでしたが、企画競争、不落随契、あるいは複数年契約、こうしたことを数字に入れますと80%を超えるということで、実質的にはある程度きちっと達成できているのかなというふうに考えております。
 48ページ、49ページは「業務運営における公正性及び透明性の確保その他業務運営に関する重要事項」でございます。
 まず、内部統制システムの構築に関する事項でございます。48ページ右下、リスク管理規程、コンプライアンス規程、役職員行動規範、あるいは法令等違反通報制度等々、リスク・コンプライアンス確保のための体制や仕組みについて整備してまいりました。
 49ページの組織風土改革ですとか、50ページの業務上のリスク、事務処理誤りの把握、先ほど申し上げましたものと重複でございますが、こうしたことに取り組んでまいりましたが、51ページの真ん中あたりの【今後の進め方】にございますとおり、現金紛失事案など問題のある事案が依然として発生しておりますので、管理職だけでなく、一般職についても対象を広げて研修に取り組んでいくということを考えております。
 52ページ、文書管理規程等の関係でございます。これにつきましては、文書管理の各種基準の見直しを行うため、文書管理PTの拡大を行って、検討を開始していくところでございます。
 52ページから情報公開の推進でございます。アニュアルレポートの発行ですとか、年金記録問題、あるいは不適正事案や事務処理誤りについて、情報公開、情報提供を行ってまいりました。
 54ページ「3.人事及び人材の人材に関する事項」でございます。
 これにつきましては、人事方針を策定するとともに、若手民間出身者の積極的な事務所長への登用ですとか、有期雇用職員からの正規職員登用制度の創設などを行ってまいりました。また、人事評価制度なども見直しを行いながら実施をしているところです。
 55ページの下でございますが、今後も人事方針に基づきまして、適材適所の人事を行うとともに、人事評価制度の定着を目指してまいりたいと考えております。
 56ページ、研修と社内資格制度でございます。
 社内資格制度につきまして、内部資格制度について、ことし3月に第1回目の試験を実施させていただきました。
 56ページから57ページ「個人情報の保護に関する事項」ということで、研修等を着実に実施しております。
 58ページ「予算、収入計画及び資金計画」は、順調に効率化を進めているところでございます。
 引き続き、資料2-2「日本年金機構法施行状況レビュー」でございます。
 これにつきましては、法律の条文に基づいてそれぞれの実施状況を整理させていただいたものでございまして、実施状況につきましては今ほどの説明と重複するところがございますので、省略をさせていただきますが、一番最初の「基本理念等」で、政府管掌年金事業に対する国民の意見の反映の状況等々に努めなければならないという規定になっておりますので、これに基づいて整理をしたということで、1ページ目は今ほど申し上げました国民の意見の反映の状況です。
 2ページ目は「提供するサービスの質の向上に対する取組の状況」、3ページ「業務運営の効率化の状況」、4ページ「業務運営における公正性及び透明性の確保の状況」について記載しております。
 また、2条の2項に被保険者等の協力のもとにおける適正な運営の状況、政府管掌年金及び政府管掌年金事業に対する国民一般の理解を高める取り組み状況について、記載させていただきました。
 以下、第10条、「理事会の開催状況」以降、各条文に基づいて、それぞれの実施状況を整理させていただいたものですが、時間の都合もございますので、説明については省略させていただきます。
 以上です。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 それでは、引き続きまして、お客様の満足度調査関係について、簡単に御説明したいと思います。
 資料3-1からでございます。
 資料3-1をおめくりいただきまして、1ページ、2ページでございます。
 ○2実施期間とありますが、事務所に来られたお客様に1月の間にいろんなアンケートを書いていただいたということで、5段階調査でやっております。
 ○4回収枚数は4万5,000枚。前回が3万5,000枚ということで、大分ふえてきてございます。
 結果でございますが、○5アンケート結果の概要、問1、全体的な満足度は、先ほど御紹介申し上げたように、前回の86.9%に対して87.7%ということで、数値の上では上がってございます。
 問2から問3にかけて、それぞれマナーですとか、説明ですとか、待ち時間について調査してございますが、「満足」「やや満足」について、いずれも維持、または数値の上では改善しているということでございます。
 問4は事務所への電話の関係でございます。民間企業でも電話対応というのは難しいと言われていますが、やはり満足度は低く出てございます。これもいろいろ研修等をやってきてございますが、来訪、面接に比べますとまだ低いということで、一層努力する必要があろうかと思っております。
 問5以下が特設の問いでございますが、問5、請求手続について、どんなところが煩雑だったかということを聞いたものでございますが、1つは添付書類が多いということで、住民票とか戸籍の類いでございますが、わかりにくいといったものが多うございます。
 問6は「ねんきんネット」の関係でございますが、「利用したことがある」というのは、前回調査の4.8%から6.7%とふえてございますが、まだまだPRをしていかなければいけないということだろうと思います。
 おめくりいただきまして、3ページでございます。
 自由記載欄も書いていただくようにしてございまして、1万件を超える件数がございました。
 応接態度に関するものが一番多うございますけれども、もう少しゆっくり話してほしいといったもの、逆に非常にわかりやすかったもの等でございます。
 待ち時間については、先ほどデータを見ていただきましたように、以前よりは随分短くなっていますが、まだ長いという意見がございます。私は東京の分を毎年600件ぐらい見ていますが、やはり15分ぐらいにしてほしいというような御要望がございます。
 電話の利用については、事務所の電話は話し中が多いということで、これも対応を考えていかなければいけないと思います。
 あと、添付書類の関係の事務処理というものがございます。
 その他のところでございますが、例えば年金事務所の場所をウエブ等を使ってわかりやすくしてほしい。あと、制度自体がわかりにくい、若年層にメリットを広報すべきというような制度に関する記載というのも多うございました。
 注のところでございますが、お礼とか、例えば特定の職員の名前が書いてありまして、何々さんにお世話になったというようなお言葉も6,000件ぐらいいただいているということでございます。
 以上が事務所の調査でございます。
 資料3-2でございます。
 おめくりいただきまして、1ページ、2ページでございます。いわば覆面調査でございまして、外注しております調査員が事務所に伺う、あるいは事務所に電話をかけるということで、私どものほうが特定のテーマを設定して、それぞれの事務所サイドの受け答えを評価してもらうというものであります。
 ○2調査日は、1月から2月上旬にかけてということでございます。
 その結果、○4全体の満足度は、「満足」「やや満足」が81.3%。これは前回調査の77.6%よりは数値の上で上がってございます。
 それぞれの項目、例えば挨拶、言葉遣い等の職員のサービス態度、建物内の表示、プライバシーへの配慮等々を聞いてございますが、これもおおむね前回維持、あるいは改善といったレベルでございます。
 おめくりいただきまして、3ページでございます。
 これは事務所へ電話をかけた場合の満足度を調査員に見てもらったということでございますが、やはり対面に比べれば、こちらでも低いという結果が出てございます。
 全体満足度は、前回の56.7%から78.2%ということでございますが、私どもも、例年こういったデータを見ていまして、電話での対応の研修とか何かをやってきておりますが、まだまだやることはやっていかなければいけないと思っております。
 資料3-3は、コールセンターを3つ持っておりますが、それの調査でございます。
 おめくりいただきまして、1ページから2ページでございます。
 実施期間は、やはり1月に行いました。
 実施方法は、コールセンターにお電話いただいた方で名前と住所を伺えた方にはがきを送付しまして、回答をいただくというやり方です。昨年以降そういうやり方でやっております。
 返ってきた件数は○4の欄でございますが、1万件お送りしまして、64.1%、6,000件強返ってきているということでございます。
 調査結果でございますが、設問1、全般的な満足度は、前回調査が82.9%、今回調査は81.5%ということでございます。
 ちなみに、民間企業にお伺いしても、この種のコールセンターでの満足度というのはなかなか大変でありまして、80%を超えるというのは民間でもいいほうだというような話を伺っております。
 一方で、年金制度自体が今後難しくなっていきますので、コールセンターへの対応というのもまた考えていかなければいけないと思ってございます。
 今、申し上げたような3つの調査を踏まえまして、今後どんな改善にトライしていくかというのが資料3-4でございます。
 おめくりいただきまして、1ページは年金事務所の相談関係でございます。これは先ほど説明がございましたように、まずブースの体制を強化する。正職員等を4割の水準に持っていく。
 さらに、今後、非常に複雑な制度が導入されますので、バックヤードについても強化をしていきたい。ただ、これも年金記録問題をやりこなして、その人員を転用していくということの上で体制を強化していきたいと考えております。
 1ページ「(3)年金事務所の電話対応」ということです。これも先ほど御説明しましたが、なかなか事務所の電話がつながらないというお話がございます。したがって、コールセンターの基盤を強化して、一部分で年金事務所の電話をIVR転送して、コールセンターで受けるということで、よりお客様の電話対応を向上していきたい。これは26年度実施を目指して今年度詰めていきたいと考えてございます。
 2ページ「(5)プライバシーへの配慮」ということで、今まで相談ブースについては、パーティション等々、プライバシーの配慮にいろんな対策を講じてきてございますが、調査結果を見ますと、国民年金の御相談や何かのところがまだ十分ではないというような自由記載もございます。
 一方、主婦年金法等、今後、国民年金窓口へも相談に来られる方が多くなるということでございますので、そちらの改善も努めていきたいと思っております。
 接遇関係でございますが、これもCSの関係を強化していく。
 研修についても、今回のアンケート調査を見ながら、重点的に言葉遣い等、強化を図っていこうと考えております。
 一番下の※でございます。お客様からのアンケート結果、外部調査の結果もそれぞれの事務所に送っていまして、それぞれ見て、対応をさらに検討しろというような指示は出しております。
 おめくりいただきまして、3ページ「年金請求関係」ということでございます。やはり添付資料がわかにくいというのが多うございます。今までもわかりやすくする努力はしておりますが、さらにわかりやすいような説明ができないか、あるいは職員についてもより徹底させるということをやっていきたいと思います。
 添付書類につきましては、(2)の下の○でございます。番号法案の運用によって住民票等の添付は可能になってまいりますので、それの円滑な施行に向けてやっていきたいと考えております。
 「4.ねんきんネット関係」でございます。これも機能の改善を図るというのが一番大事だろうと思っておりまして、(1)の1番目の○、かねてより要望の多かった在職老齢年金をもらっている方の試算を可能とするということで、これまで受給者の方の試算ができなかった件ですが、それもできるようにしたということでございます。
 3ページの一番下の○は、スマートフォンでも見やすくするようなことをやっていきたい。韓国では既にやっておりますので、こういったこともやっていきたいと思っております。
 4ページのコールセンター関係は、全体的なスキルアップも行いたいと思いますが、「(2)臨時ブースの増設」の2つ目の○、ことしは特例水準の解消が12月年金支給分からありますので、ここでかなりの電話が来ることが想像されますので、ブースの強化を考えたいと思っております。
 いずれにしましても、なかなかすぐにできないものがございますけれども、こういったお客様の声をもとに、今年度もできるだけの改善に努めていきたいと思っているところでございます。
 以上であります。

○本田部会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に対しまして御質問なり御意見がありましたら、お願いいたします。岩瀬委員、どうぞ。

○岩瀬委員
 中期計画に関して2点ばかりお聞きしたいのと、覆面調査についてちょっとお聞きしたいのです。
 この中期計画でいけば、記録問題に関しては来年の4月でほぼ終了するという予定だと思うのですけれども、その後、事務所の体制がどうなるのかというのを教えていただきたいのです。
 「再確認キャンペーン」が始まっていく中で、当初の計画が終わったけれども、記録の問い合わせ、処理はずっと続くと思うのですが、その辺の体制がどうなるのかというのを一つ教えていただきたい。
 あと、これはちょっと間違っているかもしれませんけれども、オンラインの刷新化の計画というのが随分進んでいるようですが、刷新システムについて、もう少し具体的にどんな課題があって、今、どんな状況であるのかというのを教えていただきたいのです。
 覆面調査について、続けてお尋ねします。
 覆面調査の結果の数字はすごくいいのですけれども、調査方法のところを読んでみると、お客様として訪問したと書いているのです。対象が312プラス五十幾つですが、これは全部行ったのですか。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 はい。

○岩瀬委員
 普通不可能だと思う。つまり、私も現地調査をしたことがあるけれども。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 調査員は、1人ではないです。

○岩瀬委員
 もちろん。何人でやったのか。信用性の問題にかかわってくるから、具体的な情報を教えてください。
 舛添さんが大臣のときに、僕自身が標準報酬の遡及訂正の事案で19社会保険事務所を回りましたが、これは宿泊を伴って回らないといけないので、すごい大変なわけです。

○日本年金機構サービス推進部長
 各地で調査員を確保して、調査を行っています。

○岩瀬委員
 当然調査票をつくってやっているわけでしょう。

○日本年金機構サービス推進部長
 はい。

○岩瀬委員
 312の調査票を見せてもらいたい。どんな調査項目で、どうチェックして、どういう調査項目票に基づいてこれを集計したのか。
 北海道から沖縄、九州までで、沖縄だって、沖縄本島だけでなくて、石垣もあるわけでしょう。全部行ったということですか。

○日本年金機構サービス推進部長
 ええ、全部の事務所に行っています。

○岩瀬委員
 ちょっと考えられない。しかも、この調査費用は、交通費を入れて全額が900万でしょう。

○日本年金機構サービス推進部長
 はい。

○岩瀬委員
 ちょっと考えられない。
 やっていただいたのだったらそれでいいのだけれども、エビデンスを見せてくれませんか。

○本田部会長
 どうぞ。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 私のほうは質問を2ついただいていまして、1つは中期計画の関係の記録問題対応であります。これは、御承知のように、工程表では、大きなところの紙コンと基金突合について、来年の3月末までにまず御本人のほうに通知をします。ですから、当然御本人のほうから御回答をいただいて、後の処理の作業というのは、来年4月以降も残ります。急に来年3月に作業すべてが終わるものではありません。
 このように大どころの紙コンと基金突合は今年度に目鼻がついていくわけですが、例えば1年後でも2年後でもお客様が年金の裁定請求のために窓口に来られて、そのとき、「私は昔、こんな記録があったはずだけど」という話は当然続きます。それに対しては、今でも行っておりますけれども、当然事務所で対応は続けていきます。
 その場合の強力なツールとして、紙コンをやる際に画像データを検索できるシステムをつくりました。昔ですと、東京の場合は、一々文京事務所の分室まで問い合わせなければいかぬ、見に行かなければいかぬというのが、どこの事務所でも紙データが見られるというツールを開発して、去年から実施しています。そういったことで引き続き来年の4月以降も迅速、適切にいわゆる記録探しをお客様のお求めに応じやっていくということになります。
 紙コンと基金突合については、正職員が多く投入されておりますので、そういった作業がなくなってくれば、そういった正職員を相談なり、国年の徴収なり、厚年徴収なりのいわゆる基幹業務、本来そちらの業務をやるべき職員なわけでありますから、この基幹業務にも転用していきたいと考えています。
 もう一つは覆面調査でありますが、これも必要でありましたら、またペーパーをつくってきちんと御説明したいと思いますが、業者に委託して、業者のほうで北海道から、石垣島や、宮古島まで全部行っています。もちろん、業者のほうで調査員は現地、北海道や九州・沖縄の人を使っていると思いますけれども、行っているということであります。
 あと、調査内容は本日の資料の後ろのほうにありますが、原データが必要だということであれば、また御用意したいと思います。

○岩瀬委員
 記録問題に関してなのですけれども、来年4月以降は現場でとにかく処理をしてもらうということなのですか。つまり、司令塔みたいな記録問題対策室というのは残して、いろんな問題があれば、そこがやる。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 司令塔というのは、年金事務所での話ですか。

○岩瀬委員
 それも含めてなのですけれども、今のは本部の話なのですか。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 記録問題全般の話です。

○岩瀬委員
 事務所の話でしょう。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 紙コンとか基金突合というのは、例えばブロック単位、県単位で幾つか拠点を置いてやっているわけです。紙コンだと二十拠点ほどです。具体的には地方でのオペレーションになります。

○岩瀬委員
 ブロック単位での記録問題のいわゆる対策室みたいなのはずっと残るということですか。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 記録問題の司令塔の対策室というのは今でも地方にはなくて、まさに機構本部の記録問題対策部というところが全体を統御し、司令塔の役割を果たしています。

○岩瀬委員
 記録課がなくなるということですか。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 記録課というのは年金事務所です。年金事務所については年金記録課というのがありますが、現状を見ますと、年金記録課での業務がなくなってきているという状況がありますので、これも来年4月には整理をしたいと思っています。
 今、記録課でやっている業務の一部分は、各都道府県に置いている事務センターに行くものもあれば、お客様相談室に行くものもあろうと思います。そこについては、地方の意見も聞きながら、26年4月以降、年金事務所の体制をどうしようかというのをまさに今、検討しているということです。

○岩瀬委員
 わかりました。
 その辺の整理を今後の対応という形で盛り込んでもらいたいのです。わからないから。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 中期計画に盛り込むということですか。

○岩瀬委員
 そう。今後どういうことをするのか。つまり、記録問題が基本的に終わってしまった後、どうなるのかという不安があるので、そういう整理を含めて入れてほしい。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 多分話は2つあって、1つは来年4月以降の記録問題対応をどうするかという話で、これは記録問題特別委員会のほうからも同じお求めがありますので、これについては特別委員会でまたご説明しようと思っています。あと1つは、こちらの評価部会のテーマで言えば、次期中期計画にこの来年4月以降の記録問題対応をどういうふうに書いていくかということだと思いますので、タイミングはちょっとわかりませんけれども、評価部会のほうへもお話をしていくということになるのではないかと思います。

○岩瀬委員
 わかりました。

○本田部会長
 どうぞ。

○日本年金機構副理事長
 今の話の補足ですが、25年度、現在の中期計画期がまだ途中なのですが、一応今の時点で24年度の状況がおおむね見えかけているというところで今回整理をしたものでございます。
 今、記録問題も含めて、次期中期計画、あるいはその前に厚生労働省のほうで次期中期目標の御審議をこちらでお願いすることになると思いますが、そのようなタイミングに向けて私どもとしての考え方もできるだけ整理して、御説明できるようにしていきたいと思っております。
 それから刷新のお話がございました。これにつきましては、今の中期計画に書いてあるとおり、46ページでございますけれども、現時点では、23年に改定されました「公的年金業務の業務・システム最適化計画」、厚労省のほうで決めておりますが、それに沿って進めるということで、現在は、基本設計の補完工程、残っているアーキテクチャー設計とプラットホームの性能検証に取りかかっているところでございます。こちらのほうも、今後どういうふうなスケジュール感で進んでいくかということについて、省のほうで大きな方針が決まれば、御報告できるのではないかと思っております。

○本田部会長
 高倉審議官、どうぞ。

○年金管理審議官
 ただいま機構から御説明いただいた46ページに書いてあることのその後の部分について、現在、私ども年金局、省のほうで中心になって検討しておりますので、一言補足説明をさせていただきたいと存じます。
 まず、【これまでの取組】の中に書いてございます基本設計は済んでいるものの、その後、年金記録問題の経験に照らしたときに、もっと補完が必要だという御指摘を専門家の方々からいただいたことを踏まえての補完工程を進めておりますが、○3のほうに書いてある部分については、残念ながら途中で一度うまくいかなくなって契約解除で、再調達という経緯があって、今、現に再調達できたもので進行している途中でございます。それはそれできちっと完了していく必要がございますけれども、その後、さらに具体的な詳細設計を行って、本当に実現していかねばならないわけでございますが、その部分の進め方に関しましては、現時点では関係府省と調整中の段階でございます。
 先般、国会で政府CIOと略称される情報全体をつかさどる新しいポストも法律上、位置づけられたところでございまして、政府CIOの部局との調整も大変重要な役割を持ってくると考えておりますけれども、できるだけ適切、そして速やかに進めていけるよう、今はまだ調整中という段階でございます。

○岩瀬委員
 わかりました。

○本田部会長
 ほかに何か。斎藤委員、どうぞ。

○斎藤委員
 電子申請に関して、お願いでございます。
 操作性改善の取り組みというのが挙げられていますけれども、実際にやってみると、担当者から紙に戻りたいと言ってクレームが来たぐらい大変でございました。今回ようやく終わったのですが、喜んで使いたくなるような便利なものであるというふうには決して評価できていないと思います。
 例えば数字を入力いたしましたら、必ずダブルチェック、2人で数字の読み合わせをするということを習慣づけているのですけれども、電子媒体による申請の場合にはそれができません。紙に落として、それをチェックするということもできません。 事ほどさように、通常の業務の流れに沿ったものにはなっておりません。
 ここで【今後の進め方】ということを3つ書いてございますけれども、ぜひ文書のモニター制でしたっけ、ああいうような形で、中小企業、零細企業からもモニターを集め、どこが使いづらいのか、どうしたらいいのかというような声を集めていただきたいと思います。社労士の先生方とのお話というのが書いてございますが、専門家の声と実際に使う中小企業の者とは随分違うところがあると思いますので、それを【今後の進め方】の一つに取り上げていただけたらというふうに思います。

○本田部会長
 どうぞ。

○日本年金機構理事(事業管理部門担当)
 事業管理の担当をしております深田と申します。
 電子申請については、大分手間を入れて容量を大きくしたり、画像にできるようにしたりとかなり工夫はしてきているのですが、e-Gov経由で来るやつというのは、私どものほうだけで直せないものですから、ちょっと手間取っております。
 今、お話がございましたように、いろんな方の御意見を聞いて使いやすくしていきたいと考えていますので、中小企業の皆さんとか、ぜひ御意見を伺える場を用意して議論していきたいと思います。

○本田部会長
 どうぞ。

○長沼委員
 【資料2-2】の4ページで伺いたい。まず、「市区町村から報告される『国民年金被保険者資格取得届』等の適用関係届書について」で、「市町村へシステム開発を依頼するとともに、オンラインシステムの改修を実施(平成25年4月運用開始)」したと記されていますが、この運用開始が順調だったのか、どうかという点について、教えていただきたい。
 もう一点は、「市区町村職員向けのマニュアル(研修テキスト)の作成」について、です。毎年度改訂するということですが、平成24年9月作成ということが記されています。制度改正があって、それが4月から改正されたというときに、9月に改訂版が出るとなると時期的にいかがなものかと考えます。制度改正があったときに、なるべく速やかに改訂版が出ないのか、ということについてお伺いいたします。
 以上です。

○日本年金機構理事(事業管理部門担当)
 お答えします。
 最初に、国民年金の届け出の関係の電子化でございますが、一応御希望として、400を超える市町村からは利用したいというお話がございました。接続するかどうかというのは、全部が進んでいるかどうかについての確認はできていないのですが、それが多いかどうかはわかりませんが、大体全体の2割強ぐらいかなと思います。
 ただ、これもできるだけ業務の省略化をお互いにしていくという話の延長だと思いますので、ぜひいろんなところに勧めていきたいと思っています。
 もう一つ、マニュアルの話が出てきましたが、大変申しわけございません、制度改正をするたびに常にできるだけ早く改正をしていきたいと思っています。ただ、制度改正があって、制度が変わりますというお知らせをまずしないといけないと思っていまして、「かけはし」という雑誌を出しておりますので、まずそれを使ってお知らせをしたりしながら進めていきたいと思っています。

○長沼委員
 将来的な話にもなりますが、この市区町村からの被保険者資格取得届の適用関係について、国会で成立した、いわゆるマイナンバー法が施行され、利用されていくと、それとの関係で、このオンラインシステムの改修は、今後どうなっていくのかという点について、教えていただきたい。
 「かけはし」について、ですが、改正後の金額は入っているのですが、制度改正の研修という内容が記されているわけではないと思います。制度改正があった場合の改訂版については、なるべく早い段階で、市町村に、研修テキストを送付していただければと思います。
 2点目は要望です。

○日本年金機構理事(事業管理部門担当)
 2点目のほうはよく承知しておりまして、今回も法改正がありましたら、直ちに行いたいと思っております。
 届け出の関係と個人番号の法案の関係でございますが、届け出自体は市町村から県へ出していただく資料ですので、このもの自体の手続が変わるというわけではありません。

○本田部会長
 冒頭に申し上げましたけれども、きょうの2題目の議題の中計の進捗状況とアンケートについては、平成26年度以降の中期目標・中期計画をつくる上での一つの参考ということでございますので、きょうの資料等も委員の皆さんには勉強していただいて、次期中計の審議の参考にさせていただきたいということでやりましたので、これでよろしいですか。

(「はい」と声あり)

○本田部会長
 それでは、本日の議題等は全て終了いたしましたので、次回の日程等について、事務方から御説明をお願いいたします。

○事業企画課長
 次回の日程につきましては、委員の皆様方には事前に御連絡を差し上げておりますとおり、6月24日月曜日の開催を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。

○本田部会長
 それでは、本日の会議はこれにて終了させていただきます。
 委員の皆さんには、長時間にわたり、どうもありがとうございました。


(了)


※(連絡先)
厚生労働省年金局事業企画課
03-5253-1111(内線3574)

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