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2012年8月16日 独立行政法人評価委員会医療・福祉部会(第59回)議事録
○日時
平成24年8月16日(木)12:56~17:17
○場所
専用第21会議室
○出席者
真野部会長、大島部会長代理、平井委員、浅野委員、橋田委員、石渡委員、五十嵐委員 |
○議事
(以下、議事録)
○真野部会長
4分ほど早いのですが、委員の先生も揃いました。松原先生は急用で来られないということで、のぞみの園の方々も揃ってお見えですので、ただいまから第59回独立行政法人評価委員会医療・福祉部会を開催いたします。本日は、關委員が欠席です。事務局から、本日の予定について説明をお願いします。
○政策評価官室長補佐
本日の議題は、法人ごとに平成23年度の財務諸表に関する意見、2つ目に、平成23年度の業務実績に関する総合評価を行います。また、中期目標期間最終年度にあたる福祉医療機構とのぞみの園については、暫定評価と組織業務の見直しを行います。このほか、福祉医療機構で業績勘案率の算定についての審議があります。なお、部会の途中で法人及び所管課の入れ替えを行います。
続いて、3法人に共通する審議案件の進め方について説明いたします。財務諸表に関する意見についてです。法人の財務諸表については、独法通則法第38条に基づき、独法評価委員会の意見を聞いたうえで、厚生労働大臣が承認することとされています。評価委員会としての意見(案)については、担当委員である五十嵐委員からご発言いただき、それを踏まえてご審議いただきます。続いて、平成23年度の業務実績についてです。前回までに、個別評価の結果に基づき、起草委員において起草した総合評価の案について審議いただきます。なお、各委員のお手元には記入いただいています評定記入用紙の原本、各委員の評定結果一覧を置いています。個別評価における評定結果については、今回の審議を踏まえて修正が可能です。後ほど、評定の修正・確定をする時間を設けますので、よろしくお願いします。
最後に、本日参考資料として添付しています「独立行政法人の自然災害等に関係するリスクへの対応に関するアンケート調査」についてです。こちらは、資料集の127頁にも掲載されていますが、今年の5月に総務省政・独委が平成23年度業務実績評価の具体的取組についてを示しています。この中で、「自然災害等に関係するリスクへの対応について、法令や国等からの指示、要請に基づくものの他、法人独自の取組に注視すること」が言われており、これを受け、政・独委よりアンケート調査がなされているところです。今後、政・独委において二次評価の結果と合わせて各省の取組を取りまとめ公表する予定ですので、ご参考までに当省分をまとめています。後ほどご覧いただければと思います。以上です。
○真野部会長
それでは、国立重度知的障害者総合施設のぞみの園について、審議させていただきたいと思います。最初に、財務諸表について、五十嵐委員から説明をお願いします。
○五十嵐委員
財務諸表に関しては、平成24年7月5日に説明を受け、資料についてレビューさせていただきました。その結果の不明点についても質問をさせていただき、回答もいただきました。その結果、資料1-1の原案にありますように、承認することが適当であると考えています。以上です。
○真野部会長
この件について、何かご意見、ご質問はありますか。よろしいでしょうか。五十嵐先生がしっかり見ていただいたということかと思います。それでは、平成23年度の財務諸表に対する意見は、資料1-1の原案のとおりで修正意見はないということですので、これを取りまとめて厚生労働大臣に提出したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(各委員了承)
○真野部会長
それでは、そのようにさせていただきます。次に、のぞみの園の総合評価です。起草委員を代表しまして、大島部会長代理から10分程度で報告をお願いします。
○大島部会長代理
実績全般の評価としては長いものになっていますので、掻い摘んでお話したいと思います。先生方の質疑応答や記入されたご意見を基にしながら、平成23年度業務実績全般の評価をさせていただきました。これは、第2期中期目標期間の4年度目で、地域移行などの継続課題や第2期中期目標に示された行動障害等を有するなど、著しく支援が困難な方々へのモデル的支援、内部統制ガバナンス強化への取組など、新たな課題に対して、的確かつ効率的に対応し、目標を達成することが求められている状況の中で評価をさせていただきました。
平成23年度においては、1つ目として利用者への支援サービスへの充実と効率的、効果的な業務運営を推進するために、支援サービス部門と管理運営部門とに区別し、加えて総合施設を利用者の直接支援部門の施設事業局に改組するなどの組織改正を行いました。また、矯正施設等退所者の地域生活支援の充実強化のために、自立に向けた専門的な支援と運営を行う「自活訓練ホーム」の本格実施等、当事業を所管する「社会生活支援課」を新設する。さらに、平成23年4月から第四次寮再編を実施し、さらに地域移行等による利用者の減少を踏まえて、第五次寮再編に向けた取組を行うなど、組織・実施体制を整備し、一層の業務内容の充実と新たな課題等への対応を図ったということです。また、経費節減や運営費交付金以外の収入の増にも積極的に取り組み、常勤職員数の定年退職等の後補充を行わない、あるいは国家公務員の給与改定に準拠した給与改定等で、人件費総額を縮減すること等により着実にその目標を達成していることを評価します。
さらに、重度知的障害者の自立、これは地域移行と言われていますが、自立に向けた取組については、年々施設利用者の高齢化、機能低下が進み、地域移行や新たな同意を得ることが難しくなっている中、施設利用者及び保護者・家族等の意向を尊重しつつ、障害特性を考慮した受入先の確保に努めるなど、一人ひとりを丁寧に手順を踏んだ取組をなさっていました。平成23年度においては、施設利用者の意向を十分に尊重したうえで、さらなる進展に向け、従来の取組に加えて、さらにDVDの製作あるいは移行後の暮らしぶりについて理解と安心を得られるように活用するなど、より効果的な方法を企画・実施して成果を上げていらっしゃることを評価いたします。
また、調査・研究及び研修については、のぞみの園の設立目的に沿って重度の知的障害者の地域移行に関することなどをテーマとした多くの調査・研究及び研修を実施されたほか、第2期中期目標の新たな課題である行動障害等を有するなど、著しく支援が困難な者に対する支援に関すること、高齢知的障害者の支援に関することや矯正施設等退所者の支援に関すること、また発達障害などの社会的に関心の高いテーマを選択し取り組んでいらっしゃいました。さらに、行動援護事業の普及促進、それから矯正施設等退所者等への支援に関する調査・研究及び研修について、内容や方法を工夫して取り組み、その成果が国の障害福祉施策の推進に対して、一定の貢献を果たしたことを評価いたします。これらを踏まえますと、平成23年度の業務実績については、全体としてはのぞみの園の設立目的であります「重度の知的障害者に対する自立のための先導的かつ総合的な支援の提供、知的障害者の支援に関する調査及び研究等を行うことにより、知的障害者の福祉の向上を図ること」に資するものであり、第2期中期目標期間の4年度目として、さらなる成果を上げたものと評価いたします。具体的には、それぞれありますが、ここでは時間の関係上省略させていただきます。以上です。
○真野部会長
それでは、いま報告をいただきました評価書について、ご意見はありますか。評価書とは直接関係ないのですが、地域移行が年々厳しくなっているというようなコメントもありましたが、来年度以降に向けて地域移行について何かお考えなどはありますか。
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
これも前回触れましたが、1つは地域移行について、保護者や家族の同意などが必要と考えて、その同意を取ることに全力を上げています。やはり、9年やってもなお拒否されている保護者や家族の方に、さらに働きかけて同意を取ることが非常に難しい実態はあります。また、利用者ご本人もだんだん高齢になってきて、また機能低下も進んでおり、利用者によっては日常的に医療的なケアも必要となっている方も年々増えてきています。そのような状況の中で、私どもとしては特に新しい方法を用いて、それによって地域移行の実績が大きく伸びることは、もはや期待できないのではないかという判断をしています。したがって、私どもとしては引き続き粘り強く取り組んでいくことはやりますが、1年間に20人という数値目標を掲げて来年度以降もやっていけるかどうかを問われますと、率直に大変難しい状況に至っていると思います。いろいろ知恵を出しながら粘り強くということはありますが、これといった決定的な方策はなかなかないのではないかというのが正直なところです。
○真野部会長
ほかにいかがでしょうか。
○浅野委員
前にも話をしたことがあったかと思うのですが、診療所の件です。診療所も、新しいことに取り組まれていて成果は出ているのですが、一方で財務的に見ると売り上げは上がっているのだが収益は赤字が広がっています。今後、こういった診療所のあり方についてどのように考えているのでしょうか。逆に、診療所の重要性も、例えば今後推進されると言われている地域包括ケアの中でも医療と福祉の関わりのあるような内容で、新しい知見がのぞみの園から出てきている。それは、たぶん知的障害者の方の医療と福祉の連携の中で、知的障害者の方の改善がみられているという内容もがこの報告書の評価として入っていると思うのですが。そのようなものもかなり地域包括ケアの中では今後必要となるような新しい知見ではないかと思います。その辺りについて何かお考えがあれば、お伺いしておきたいと思います。
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
診療所については、前回も縷々説明させていただきましたが、私どもは現在の利用者を支援していくためにこういった直営の診療所を持つことが不可欠だと考えています。他方、収入面でのご指摘も種々あるわけですから、現在有している医師や看護師などの医療スタッフ、また施設設備をフルに活用して、採算面を少しでも改善していくことに取り組んでいきたいのが1つです。
もう1つは、新しい事業に向けて、後ほど見直しの当初案などでも説明があると思いますが、これからの障害のある人たちの支援のために、福祉と保健医療のサービスを包括的に提供していくと。それによって、地域生活を支えていくことが重要な柱になるのだと考えています。そのような意味で、のぞみの園の支援のスタッフは、福祉の面でも医療の面でも揃っていますので、そういった専門性をフルに活用して、地域で重い障害がある人たちも、医療的なニーズがある人たちも地域で生活できるように、包括的なサービスを提供するような方向でのぞみの園として新しい事業をやっていきたいと考えているところです。
○浅野委員
非常に重要なところなので、今後も是非頑張っていただきたいと思います。いままで蓄積された知見を活かしていただければと思います。
○石渡委員
のぞみの園が、時代のニーズに応じていろいろ新しい取組をしていらっしゃることは、とても高く評価をしています。特に、矯正施設を退所された方への支援や、社会的に大きな問題になっている発達障害の方の支援にも、診療所の機能なども活用して、新しい取組をされています。そのような中で、やはりよく話題になる重度知的障害者の捉え方などを根本的に支援の必要性の辺りから捉え直すこを、のぞみの園の先駆的な社会的に新しい示唆や方向性を提供するためにも検討していただきたいと思います。この重度という枠組みの捉え方を現実のニーズと合わせて捉え直していただくことなどを含め、いろいろな新しい取組をされているかと思います。何か根本的な新しい方向性について、いま考えていらっしゃることはありますか。このあとの議題などとも関わってくるのかもしれませんが、抽象的な質問になってしまい恐縮です。
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
まず、現状私どもがどう取り組んでいるかを説明させていただきます。まさに、重度の知的障害のある人が私どもの主たる対象者になっています。従来の重い知的障害、法律上の定義ははっきりと書かれていないということで、従来療育手帳の判定などでA区分というようなことで理解されているものです。重い知的障害のある人たちを対象に、私どもは事業を進めていくことを中心にやってまいりました。ただ、やはり単に知的障害だけでなく、実際そのご本人に対してどのような支援を行ったらいいのかという視点から考えますと、知的障害の重さとは必ずしも比例していないと。人によっていろいろな困難性を抱えていて、その人に対する支援サービスとして人的、場合によっては物的に濃厚なサービスを提供していかなければならないという方たちは、現におられるわけです。そのような意味で、私どもとしては例えば矯正施設退所の方たちを取り上げますと、実は知的障害はそんなに重くなくて、むしろ中度、軽度と理解されているような人たちですが、発達障害がある、あるいは精神疾患を合わせ持っているというようなことで、実際の支援の現場あるいは精神科医療のニーズの面から考えて、非常に濃厚なサービス、人手を要するようなサービスを提供していかなければならないという課題に、現に取り組んでいるわけです。そのような意味で、私ども法人の名称あるいは主たる対象者としての重度の知的障害者は、当然中心に考えるわけですが、実際の政策課題として浮かび上がってきている人たちに対する支援の取組ということで考えれば、必ずしも知的障害の重い、軽いだけでなく、現にニーズはどのようなものか、そして、そのようなニーズを持っている人たちが地域で生活できるようになるためには、どういうサービスを提供していったらいいのかという視点で取り組んでいるのが現状です。
○石渡委員
是非、その辺りを今後もさらに突っ込んで検討していただきたいと思います。たぶん、障害の定義そのものにも関わってくる大きな課題かと思いますので、ご検討をお願いいたします。
○真野部会長
大きなテーマですね。ほかの先生はいかがですか。
○大島部会長代理
いまの石渡委員のご指摘は、私どもが一緒にいろいろなことを話し合ったときに、いつもかなり大きな矛盾として出てきます。来年から新しく法律も変わりますし、重度という捉え方をどうしていくか。研究も研修も、さまざまな対応も必要であることは確かなのですが、法律で縛られている部分が非常に古いところで縛られていますので、新しい形に変えていく。これは、のぞみの園だけでできることではなく、さまざまなところで変えていかなければいけないと思うのですが、現実に合った改革は是非必要だと思います。矛盾をたくさん話し合いながら、最大限ここまでというところで改善してきているのはよくわかりながらも、現実に合わせて変えていっていただきたいと思いました。
○真野部会長
こちらは、コメントはよろしいですか。ほかにいかがでしょうか。いま、報告と議論をさせていただきました総合評価書の案について、まとめていきたいと思います。平成23年度の業務実績の評価結果として、先ほどの案を取らせていただき、法人及び政・独委に通知するとともに、公表するということでよろしいでしょうか。あまりないとは思いますが、誤字脱字や万が一事実誤認など客観的な修正が必要になった場合には、私に一任させていただき、事務局と相談したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(各委員了承)
○真野部会長
次に、個別評価シートの修正と確定の作業にまいりたいと思います。事務局から、修正方法について説明をお願いします。
○政策評価官室長補佐
修正方法等について、説明いたします。修正がある場合は、赤鉛筆で修正をお願いします。なお、評定理由の修正や加筆も可能です。修正した場合には、修正箇所がわかるように付箋を付けてください。机上配付しています「個別項目に関する評価結果(未定稿)」については、現時点でいただいている評点をSを5点、Aを4点、Bを3点、Cを2点、Dを1点に点数化し、平均したものになっています。委員名欄については、ご自分のお名前しかわからないようにしています。修正に当たって、これまでの個別評価に係る資料をご覧になりたい場合には、事務局に数部ご用意していますので、お申し付けください。所要時間については、5分程度でお願いしたいと思います。以上です。
○真野部会長
それでは、5分ほど時間を取って、評定の記入用紙の確認及び修正をお願いします。
(評価シートの修正・確定)
○真野部会長
それでは修正ですが、どうでしょうか。修正した分も、もちろん後ほどということにはなるのですが、修正された先生はそもそもお見えですか。もしあっても、後ほど修正するということですが、もしないのであれば、いまのものを評価ということになると思います。どうもありがとうございました。次に暫定の評価に参りたいと思います。最初に事務局から暫定評価及び組織・業務全般の見直し当初案について説明をお願いします。
○政策評価官室長補佐
暫定評価につきましては、評価結果を次期中期目標の策定などへ反映させる観点から、中期目標期間最終年度において、暫定評価を行うことと規定されております。具体的な流れとしては、暫定評価に当たって法人からヒアリングを実施し、中期目標期間に係る一次評価を行った上で、総会におきまして暫定評価を決定することとなっております。つきましては、これまでの各年度の業務実績の評価等を元に、起草委員の先生に暫定評価結果(案)を作成していただいておりますのでご審議をお願いしたいと考えております。今回の審議を踏まえて、31日に予定されている総会において暫定評価結果を決定することになりますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、「組織・業務全般見直しについて」ですが、独法通則法35条におきまして、主務大臣は独立行政法人の中期目標期間終了時において、業務の継続の必要性、組織の在り方、業務全般等について検討を行い、その結果を踏まえて所用の措置を講ずることとされており、その検討に際して独法評価委員の意見を聞かなければならないとされております。
具体的には、平成15年の閣議決定に基づいて進めていくこととなりますが、本日ご審議いただいたあと、ご意見を取りまとめて31日の総会において改めてご意見を伺うことになっております。総会で見直し当初案を決定したあとの流れにつきましては、資料集の169頁にもありますが、予算概算要求の提出までに総務省の政・独委にこの当初案を提出することとなっております。その後総務省からの勧告の方向性が出されて、12月にはこの勧告の方向性を踏まえた見直し案を再度総務省に提出する流れになっております。
この見直し案につきましても、見直し当初案と同様に、本部会においてご審議をいただき、その後総会においてとりまとめる流れになっておりまして、総務省における審議を得まして決定されることになっております。これを踏まえて、次期中期目標案を作成する流れになっております。以上です。
○真野部会長
ありがとうございました。続きまして、法人から「中期目標期間の業務実績」について15分ほどご説明いただきたいと思います。次いで、起草委員から10分ほど暫定評価書についてご説明いただき、最後に議論をするということで進めていきたいと思います。最初に法人から「中期目標期間の業務実績」について説明をお願いいたします。
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園事業企画局長
それでは4年間の暫定評価についてご説明します。資料1-3-[1]「暫定評価説明資料」で説明をいたします。1頁、18の評価項目のうち、数値目標を定めている項目を総括表にしております。この項目についてご説明します。
1.業務運営の効率化等です。[1]常勤職員数は、平成20年度当初より20%減、223人が目標ですが、平成24年度当初で226名ということで、19%の削減となっております。平成24年度に退職者が見込まれることから、目標は達成される見込みです。
運営費交付金については、平成19年度より23%以上の削減目標です。人件費の減や、経費の節減努力によりまして、平成23年度で28.7%の削減となっております。
総事業費に占める自己収入の割合については、40%以上の目標です。診療所の外来収入の増などによりまして、平成23年度は52.5%となっておりまして、大幅な増となっている状況です。競争性のある契約を60%以上にするのが目標ということです。公共料金の支払い、水道や電気ですが、この支払いを除いて、平成23年度で78.3%となっております。
内部統制については、モニタリング評価会議を継続して実施しております。適切な内部業務の進行管理の充実に努めているところです。外部については、外部有識者を委員とする運営懇談会を毎年2回以上開催し、第三者の意見を事業運営に反映させております。
2.自立支援のための取組については、施設利用者の高齢化、機能低下が進んでいることから、地域移行が非常に難しい状況の中で、利用者の地域移行をのぞみとしては積極的に行っております。?施設利用者の3割縮減の目標につきましては、平成15年10月の499人に比べて、平成24年4月に314名ということで、37.1%の縮減となっております。地域移行の目標については、毎年15名から20名です。毎年20人以上の移行を行っております。厚生労働省や各自治体などの協力を得まして、利用者一人ひとりの障害特性に配慮して丁寧に段階を踏んで行っているものです。なお、第1期から通算132名の移行となっておりますが、[1]施設利用者の3割縮減で150名の減ですが、150名については地域移行による減のみで目標を達成する見込みです。
[3]毎年度25人程度の保護者から同意を得る目標については、移行者の生活状況の紹介や、体験宿泊などを通して丁寧にゆっくり保護者の同意を得ており、目標を毎年達成しているところです。
3.調査・研究については、研究会議を基本的に年2回開催し、研究の実施体制の協議を行いまして、また外部研究者との連携の確保に努めました。研究テーマも国の政策課題になっているもの、全国の施設で関心の高いテーマを取り上げて、のぞみというフィールドを活用して、平成22年度、23年度は12テーマを実施しております。この一部については、厚生労働省からの補助金をいただき実施したものもあります。研究結果につきましては「ニュースレター」に掲載し、小冊子や事例集などとして、関係機関に情報提供し、学会での発表も積極的に行っているところです。研究紀要につきましては、毎年度発行しております。
4.養成・研修については、研究の成果、のぞみの園の施設支援の実践などを通してセミナーを開催しております。受講者の満足度も非常に高く、積極的に実施しております。行動援護関係、福祉セミナーのうち矯正施設を対象とした障害者関係、発達障害児者関係、また障害医療関係のセミナーを毎年度積極的に開催しております。以上、数値目標につきましては、すべて達成する見込みです。このあとの資料につきましては、評価項目ごとの資料を付けておりますが、この説明につきましては時間の都合もありますので、数値目標設定以外の説明とさせていただきます。
2頁の下段、職員給与については、国家公務員に準拠した給与体系で実施しており、給与の引き下げ、適正化に努力し、人件費総額を削減してきました。人件費総額につきましては、19頁に年度別の人件費総額を挙げておりますが、平成20年度から毎年大きな削減を図っております。
3頁、内部統制・ガバナンスの強化については、内部統制向上委員会、事故防止対策委員会を毎年度定期的に開催し、施設利用者の感染防止対策、事故防止対策などをリスク回避・軽減への取組、情報開示に努力してまいりました。
5頁、効率的な施設・設備の利用については、平成23年度までに第四次寮再編を行って、空き寮につきましては通所者も活用している日中活動に活用する。また、福島から避難した友愛会に3寮を提供し、有効に活用しているところです。
地域への医療の貢献については、この表のとおり、年々外来件数が増加しております。地域住民との交流につきましては、毎年開催している「ふれあいフェスティバル」には約2,000人の方が参加していただきまして、交流を図っております。
7~9頁につきましては地域移行関係ですが、先ほど地域移行のスピードアップ、保護者の同意等についてご説明しましたが、9頁に地域移行における移行先の地域生活の定着支援については、協力要請重点都道府県市を定めて、国の協力を得て重点的に協力要請を行って地域移行を進めてきました。その実績につきましては下にあるとおりです。また、地域移行者のフォローアップにつきましては、この表にあるように、地域移行者全員を対象に定期的に移行先事業所へ訪問等を行って、本人との面接・電話等により、本人の生活の状況を聞きまして、生活の定着状況を確認しております。
10、11頁、著しく支援が困難な障害者に対する支援についてですが、自閉症・行動障害を有する者の支援につきましては、診療所と連携し、また専門家を招聘し支援者の育成を図ったところです。
平成20年度から先駆的に取り組んでいる矯正施設を退所した障害者への支援につきましては、専門家を招聘し、支援技術向上に努めて、平成23年度には専用の自活訓練ホームを設置し、平成20年度から計10名を受け入れました。うち8名が地域生活に移行しております。
3.高齢知的障害者の支援につきましては、外部有識者を招聘して「在り方検討委員会」を設置し検討を行って、今年3月に厚生労働省に報告を行ったところです。
16頁、その他の業務については、まず診療所です。外来件数、診療収入が毎年伸びている状況です。児童精神科医による発達障害児等の一般外来患者が年々増加したことによるもので、地域医療に大きく貢献しております。また地域の障害者を対象に、短期入所や日中一次支援、就労移行支援など、地域の障害者に対する多様なサービスを提供しております。
20頁、施設・設備に関する計画については、平成20年度から工事関係が予算措置され実施してきました。基本的には、利用者に関する整備を最優先してきましたが、特に平成22年度空調・給湯設備の改修工事につきましては、省エネ対策として大きな効果がありました。以上、でございますが、詳細につきましては、別添の暫定評価シートで後ほどご確認をいただければと思います。以上です。
○真野部会長
ありがとうございました。続きまして、のぞみの園の起草委員である大島部会長代理に説明をお願いいたします。
○大島部会長代理
いまのご説明に非常に重なるところがあるものですから、かなり省略して説明をしたいと思います。評価の視点については、独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園は、特殊法人心身障害者福祉協会から平成15年10月に新たに独立行政法人として発足し、平成23年度は法人設立後9年度目に当たります。この評価は、平成20年2月に厚生労働大臣が定めた中期目標期間の平成20年4月~平成25年3月のうち、中期目標期間終了前年度までの業務実績についての評価を行うもので、評価結果を次期中期目標等へ反映させる観点から、中期目標期間の最終年度に暫定的に実施するものです。のぞみの園に対しては、特殊法人から独立行政法人となった経緯を踏まえて、業務運営の効率化、透明性の向上・サービスの質の確保により、国民の求める成果を得ることが強く求められています。
なお、評価に当たりましては、のぞみの園がほかの独立行政法人と同様に効率的な業務運営への取組が求められる一方で、のぞみの園の設立目的が「重度の知的障害者に対する自立のための先導的かつ総合的な支援の提供、知的障害者の支援に関する調査・研究等を行うことにより、知的障害者の福祉の向上を図ること」とされており、業務運営の効率化とサービスの質の確保という質の異なる目標を課せられていることも考慮する必要があります。したがいまして、のぞみの園の業務運営に対する評価の留意点としては、単なる数値目標の達成状況に着目するのではなく、業務運営の効率化に関しては、効率化を図るための取組が施設利用者に対するサービスの質の低下につながっていないか。重度知的障害者の自立支援のための取組につきましては、地域移行に向けての条件整備全般にわたって施設利用者一人ひとりに対してどのような取組みを行ったか。また福祉の支援を必要とする矯正施設等を退所した知的障害者の支援にどのように取り組んでいるか。調査・研究及び研修につきましては、その内容が障害福祉施策の動向や社会的ニーズを踏まえ、障害福祉施策の推進に資するものであり、かつ、その成果が知的障害関係施設等で活用されるなどの実効性のあるものとなっているか等の業務内容の質の面にも力点を置いて、評価すべきものであることをここで表しておきたいと思います。
具体的に中期目標の業務全般の評価に関しては、いま法人側から説明があった部分を取り出して評価をすることを書かせていただきました。それはさらに重複しますので省略します。
調査・研究につきましては、知的障害者の地域移行、行動障害等を有する著しく支援が困難な者への支援、矯正施設等退所者への支援、発達障害児・者への支援、健康管理、福祉と医療の連携など、国の政策課題となっているテーマや、全国の知的障害関係施設・事業所において、関心の高いテーマを取り上げて実施するとともに、これらの成果を活用するなどにより、障害者福祉や保健医療に従事する者の資質向上を図るための研修会やセミナー等を積極的に実施したことを評価します。
全般的な評価は、先ほどの説明の評価及びただいま説明した評価ですが、今後の業務運営に当たりまして、次の点に留意する必要があると付け加えました。
第1に障害者自立支援法が改正されて、障害者総合支援法という法律に変わり、平成25年4月1日から施行されます。これまで培ってきた福祉と医療の連携による支援の専門性を活用して、重い障害がある人の地域生活を支えるモデル的な支援事業に取り組むなど、新しい法律の理念である地域社会における共生の実現に寄与する事業に積極的に取り組むことが第1点です。
第2点目は、発達障害児・者支援のニーズに的確に対応するため、就学前から成人まで切れ目なく支援するための体制を整備するとともに、新たな事業の実施等について検討するということです。
第3点目は、矯正施設等退所者への支援、行動障害等を有するなど、著しく支援が困難な者への支援・高齢化した施設利用者への支援につきましては、全国の知的障害関係施設・事業所におきましても、直面している重要な課題であるので、のぞみの園においてモデル的な支援の確立に向けて、引き続き事業を積極的に推進するということです。
第4点目は、施設利用者の地域移行につきましては、年々高齢化・機能低下が進み、地域移行や新しい同意を得ることが難しくなってきていますが、今後も施設利用者・保護者・家族の意向を尊重しつつ、障害特性を考慮した受入先の確保に努めるなど、地域生活への移行に向けて粘り強く取り組むということです。
第5番目は、調査・研究・養成・研修につきましては、いままでお話しした1~4番目までの政策課題や障害者総合支援法の新たな政策課題など、国の政策目標の実現に資する分野や、民間では対応が難しい先駆的な分野につきまして、関係機関や大学等の外部有識者との連携を図りながら実施するなど、さらに充実を図るということです。私としてはこの部分は非常に重要ではないかと思いますので、これを付け加えさせていただきました。少し途中で省略しましたが、個別業務の評価結果の概要につきましては、具体的な評価内容は省略させていただきます。全体として以上のような報告をいたします。
○真野部会長
ありがとうございました。説明が終わりましたので、中期目標の業務実績について、あるいは暫定評価についてご質問やご意見がありましたら承りたいと思います。いかがでしょうか。私から1つ質問します。暫定評価の説明をいただいたシートの16頁に、診療所について書かれています。基本的にどんどん患者が増えたり、利用者は増えているのですが、唯一、短期入所が平成20年度は非常に多く、平成21年度はかなり減って、そこから増えてきているという状況ですが、逆に、平成20年度に短期入所が増える理由はあったのでしょうか。
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
これは短期入所といっても、いろいろ家庭の事情や、あるいは施設入所する入所先がなかなか見つけられないという事情で、ある程度長期にわたって短期入所として受け入れるという事例が平成20年度にいくつかありました。そういった利用者の方々が、ある程度長い期間リピーターとして使っていたのが平成20年度です。その方が受入れ先も決まって、短期入所を利用しなくて済むようになったという事情もあって、平成21年度は大幅に減ったということです。
その後、のぞみの園の短期入所を利用したいという登録者も増えてきて、だんだんと利用日数が増えている状況です。
○真野部会長
ありがとうございました。ほかの先生方はいかがでしょうか。
○大島部会長代理
いままで触れなかったのですが、以前、残念な事故が2件ほどあったと思うのですが、今回、その対応について改善を随分されたとお聞きはしているのですが、その後、研修等で大きな改善があったのかどうか、確認を前回もしませんでしたし、途中でもしませんでしたが、見える形で、あるいは実感としてどのぐらいの改善がされたのかお聞きしたいと思います。
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
これは平成23年度の実績をご報告する中で、評価シートの中で細かい字で書かせていただいた部分もあります。そういった現場で、緊急の事態が生じたとき、そういうことを想定して救急救命の研修を力を入れてやっております。それは診療所の医者や看護師が月1回研修会を開いて、救急救命措置について現場の職員にいろいろと教えるという研修を継続して実施しております。
また、その研修の効果について検証する必要があるということで、これは現場の職員からの提案で採用したのですが、いわば抜き打ちテストみたいなことをやったらいいのではないかということで、現場の職員に対して抜き打ちで、いまこの利用者が、例えば喉に何か詰まってしまって緊急事態が発生したときどういう対応をとるのかとか、あるいはAEDという機器がありますが、その使用方法などについて抜き打ち的に、その職員についてテストするといったようなことをやって、現場の職員の意識を高め、また実際事態が生じた場合に備えての技術的なところも力を入れて研修しているということです。
○真野部会長
ありがとうございました。ほかはいかがでしょうか。
○石渡委員
サービス提供等に関する第三者からの意見というところで、運営懇談会を設置していることが暫定評価結果(案)の9頁に書かれています。第三者評価機関の評価も3年ごとに受けていらっしゃるということですが、第三者からの意見聴取が、現実には形骸化しているという話を聞く施設などもあります。のぞみの園の場合、運営懇談会などの設置で具体的にサービスが改まったという実績がおありかどうかお聞きいたします。
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
運営懇談会は外部の有識者にご参加いただいているのですが、私どもの運営の実態、実績に対する評価やご意見、ご助言というのは、この部会で種々いただいていることもありまして、運営懇談会というのはサービスを実際に利用している人の家族の方、あるいは地元の自治会の代表の方、就労関係で地元でいろいろ取り組んでいる方、非常に身近というか、地元の方、あるいはのぞみの園のサービス提供に関係のある方を委員としてご参加いただいて日常的な業務運営が円滑に進むようにとか、あるいは実際の個々のサービスについてご意見、苦情めいたものもいただくようにという趣旨で開催しているものです。
私どもの事業運営で考えますと、運営懇談会からいただいたご意見で大きく改善したというのは実はございません。むしろ個々のサービスの提供の仕方、例えば、通所利用されている方の送迎のやり方とか、そういった点でいろいろご意見やご要望を聞いて改善して、のぞみの園のサービス利用が円滑に進むようにという趣旨で開催しているものです。
○石渡委員
ありがとうございました。まさに懇談会的な顔が見える関係の中で、事業を円滑に運営する意味合いということですね。
○真野部会長
運営懇談会で、経営懇談会ではないということでしょうね。よくわかりました。ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。ありがとうございました。修正意見の形ではなかったかと思いますので、8月31日の総会で、私からご報告させていただきたいと考えております。同じ話ですが、誤字や脱字があった場合にはこちらのほうで修正させていただきます。次は組織・業務全般の見直しの当初案についてです。事務局から説明をお願いします。
○政策評価官室長補佐
先ほども若干触れましたが、組織・業務全般見直し当初案につきましては、独法通則法第35条の規定を根拠としており、中期目標期間終了時における独立行政法人の組織・業務全般の見直しについての閣議決定に基づくものです。
例年、対象法人に対して、総務省行政管理局より7月ごろに方針が示されて、8月末の予算概算要求提出日までに提出をしておりますが、今年度につきましては、予算概算要求の提出日がまだ定まっていなかったこともあり、行政管理局からも正式な作業依頼等は示されておりません。したがいまして、今年度対象の法人につきましては、昨年度対象法人であったJILPTの審議の際に使用した様式と同様のものを作成していただいております。以上です。
○真野部会長
続いて担当課からご説明をお願いします。
○社会・援護局障害保健福祉部企画課施設管理室長
施設管理室の黒沢です。資料1-4-[1]、独立行政法人のぞみの園の組織・業務の見直し当初案についてです。これまで第2期の中期目標期間における取組等が表で整理されております。すでにご説明があったとおり、基本的な数値目標等については、第2期の中期目標は達成されたと考えております。5頁、事務事業の見直し・具体的措置については、利用者の地域移行に伴う人員削減等による効率化を進めるといったことですが、今日、独法法人側からも、委員の先生からもお話があったとおり、地域移行を進めておりますが、すでに200名近い利用者が地域に移行しているわけです。いま残っている約300名の利用者は、先ほど理事長からご説明があったように、相当地域移行に困難を極める方が多いと考えています。中には地域に戻れない、医療がなければ生活していけない方も多々おります。こういうことを踏まえると、次の中期目標においてどれほどの地域移行が可能かというのは非常に我々も不安に思っております。言い換えれば、いままでのような地域移行のペースはなかなか確保できないのではないか。その中で従前どおりの人員削減計画を作れば、結果的にそれが利用者への処遇の低下を招くことになると考えております。したがいまして、地域移行の進み具合を見つつ、緩やかな、もちろん効率化を図っていかなければいけないわけですが、人員については慎重な検討が必要だろうと思っております。仮に数値目標を置くにしても、第2期の目標である2割移行という数字にはならないのではないかと考えております。予算、交付金につきましては、事務事業の効率化を図ることによっての削減もありますので、これについてはできるだけの削減を図り、効率化を図っていくことになるかと思います。
設置・運営の強化については、医療と福祉の連携による地域生活を支える事業、あるいは発達障害関係、矯正施設退所者に対する支援といったものについては、次の期においても着実に実施し、成果を上げていくということで考えております。
調査・研究については、障害者自立支援法が今国会で改正されました。自立支援法の改正にあたっては、昨年の8月30日に障害者の制度改革推進会議のもとに設置された総合福祉部会による骨格提言が出ております。この提言を受けた形で新しい総合支援法ということで法律が改正されたわけです。この骨格提言の中にはさまざまなサービス、新たなサービスの内容等が織り込まれております。しかしながら、今回の改正では骨格提言を提出された部会からも、なかなか法律の中に盛り込まれていないといった意見が多々ございます。今後行政としては、これらの骨格提言に盛り込まれた事業を1つでも、2つでも実現していくことが必要です。法律は改正しましたが、次の改正も考えておりますので、そういったことをやっていかなければいけないということであれば、骨格提言の内容を実現していくためには、無尽蔵の予算ではありませんので、いかに効率的にサービスを実施・提供していくかというモデルをやっていかなければいけないことになると思います。そういう中で、のぞみの園が知的障害者の関係で事業実施を調査・研究の形で1つでも実施していただければと考えて、期待しているところです。以上です。
○真野部会長
ありがとうございました。それでは「組織・業務全般の見直し当初案」についてのご質問等はありますか。
○石渡委員
今後については、地域移行が期待できる方はもう厳しい状況ということですが、そうなったときにのぞみの園としてターミナルケアのあり方については、調査などは始まっていたのでしょうか。やはり、移行できない方への支援の質をどう高めるかについて、何か方向性が出ていれば教えていただきたいと思います。
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
実際に提供するサービスとして、高齢者支援の専門性を大いに取り入れて、より快適な日々の生活を実現するようにということで、1つには現場の職員の専門性を高めるために、いろいろな研修を積んでいるということです。それから、生活寮などもバリアフリーにして、入浴室についても高齢の施設に比べても劣らないように、施設設備面でも種々整備しているところです。残念ながら、のぞみの園で最後まで生活される方については、やはり看取りの問題も直面するわけです。そういったことから、最後病院や診療所で亡くなるということでよろしいのか、あるいはご家族のご理解も得ながら、長年生活してきた生活寮の場で人生の最後の幕引きをするといった方向での対応ができないか。そういった点について、いま検討を始めているところです。
○大島部会長代理
先ほどのご説明にもありましたが、いまちょうど変わり目ということで、例えば、今回の運営交付金だけで16億円以上です。それだけ私どもは消費税も含めて、いろいろなことで国民が工夫をしながら生活する中で、16億円という数字をどう考えたらいいのだろうかというのは常に悩みであることだと思います。非常に古くなっている施設を、逆に言えば発想を転換させて、新しく作ってしまったほうが看取りまでもできるし、最後の1人まで何とかそこを維持するというよりは、余計な修繕費なり何なりが出ない、入所している利用者の方たちには十分に満足していただけるような、働く方たちもだんだん細っていくような部分ではなくて、より新しい課題に取り組めるようなことができないのかなと、部外者なものですからつい思ってしまいますが、もう少しドラスティックに考えていく道筋をそろそろ立ててもいいのではないかと。ちょうど大きな法律の変化があったときでもありますし、たくさん蓄積されたノウハウ、あるいは知識、調査結果を持っていらっしゃる人材が豊富にいらっしゃるわけですから、有効に活用しながらモデル的な、子どもの部分はあっても、大人の障害のある、特にさまざまな障害を合わせ持つような形で、精神的な疾患も発達障害も知的障害も合わせたような形の大人の対応の研究やその他が非常に必要になっているわけですから、その部分も併せて変化を求めるという個人的な意見で、起草委員としての意見ではありませんがお願いしたいと思います。
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
若干補足というか、お答えさせていただきます。そのご指摘の趣旨はよく理解しております。そういう意味で、かつてああいう場所に大きな施設をつくってという時代が終わってしまって、できるだけ地域で生活できるようにということですから、私としては、いまの生活寮を10いくつ同じ敷地の中に集中させているものの、これからは地域で生活できる方は、地域で生活できるように、生活する拠点ですが、ケアホームみたいなものもありますし、ケアホームまでいかなくても、実際に地域で体験的に生活するような場を、のぞみの園が所在している近隣、高崎市の街の中にいくつもつくって、そこで生活してもらう。比較的若い利用者もいるわけですから、そういった人たちが行動障害などがあっても、地域で生活できるように、そのための拠点となるような小さな施設と言うのでしょうか、あるいは事業所と言ったらいいのでしょうか、そういうものを点在させてそこで事業を展開していきたいと考えております。
そういう意味で、これからはのぞみの園に大きな施設整備費を投入することはできるだけ避けなければならないと考えておりますが、ただ、災害などによって土砂崩れがあって、その復旧をしないと生活寮がいくつか使えなくなってしまうというような緊急事態が発生したりしたものですから、国のほうに無理を言って災害復旧のための施設整備費をお願いしたこともありました。ただ、方向としては、大島先生がおっしゃるような方向でできるだけ取り組んでいきたいと考えております。
○浅野委員
医療と福祉のいろいろな連携の中でよく言われていることだと思うのですが、いわゆる情報通信技術の活用がよく出てきます。今回の重度な障害者の方のケア、あるいは入所サービスについては非常に難しい面もあるかと思いますが、そういった通信情報技術による支援の活用の余地がもし何かあれば、また業務見直しの中でも考えられることがあれば、コメントをいただきたいと思います。人の専門性に関わるものでないと難しいということであれば、それでも構いませんし、のぞみの園のような素人目に見ると分散した施設ではあるので、セキュリティーの確保というところでは活用の余地もあるのではないかとか、医療と福祉の連携の中では情報の共有化が言われておりますし、あるいは地域でグループホームが分散することがあったときに、それぞれの管理をうまくやって、できればそれが省力化につながっているとか、そういうことができてくればいいのかなとは思うのですが、その辺について何かあればと思ったのです。特にないということであれば、それでも結構ですので。
○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
非常に示唆に富んだご助言だとは思いますが、結局、障害のある人たちの生活を支えるときに、やはり、ご本人たちのプライバシーや個人情報も十分守ってあげなければいけないということです。私どもは安全面、災害防止や事故防止のために、情報化と言うと大げさだとは思うのですが、例えば、深夜にベッドを降りた時にセンサーが働いて夜勤している人がそういう状況を把握できるといった試みをしているケースもありますが、情報化関係というのはこれから少し時間をいただいて、専門家のご意見も聞きながら、活用を考えていきたいというのが率直なところです。
○浅野委員
現状はよくわかりました。どうもありがとうございました。
○真野部会長
逆に浅野先生のほうからアイデアというか、何かあるのでしょうか。
○浅野委員
通常に言われているようなものはいくつかあると思うのですが、プライバシーや、特に重度の方に対しては安易に提供できないものもあるのかなと思ったものですから、質問させていただきました。プライバシーが許せばいろいろなケアの面で所在の把握とか、万一行方不明になったときには、そういうものをあえて使うという対応も考えられます。日常ではそういうものは使えませんが、いろいろな活用の仕方もあるのではないでしょうか。
通信機器も、携帯電話のように安くはなってきているので、もしかしたらそういう面もあるのかなと思いました。そういった専門の方といろいろお話をしながら、何かアイデアが出てくればよろしいのではないかと思っております。
○真野部会長
ありがとうございました。よろしいでしょうか。こちらも修正意見という形ではなかったと理解しておりますので、同じく8月31日の総会で私からご報告させていただきたいと思います。なお、冒頭で事務局から説明がありましたが、総務省から正式な依頼は来ていないということですので、後日、その依頼に沿って微修正をしたり、誤字脱字、事実誤認については訂正させていただくことはあるかもしれません。最後に遠藤理事長からご挨拶をお願いしたいと思います。
○遠藤理事長
この真夏の暑い盛りに、また先生方大変ご多忙の中、多くの時間を費やしていただきまして本当にありがとうございました。前回の部会におきましても、また本日も委員の先生方から種々ご意見、ご助言をいただきましたので、これらにつきましてはこれからの私どもの事業運営に反映させていけたらと思っております。
また、本日は第3期の中期目標期間に向けての議題でしたが、これは暫定評価の留意点としてご指摘もいただいておりますが、これからののぞみの園の事業の基本的な方向として、私どもは大変重要なことであることを改めて確認できたと思います。私どももかねてから同じような問題意識を持って新しい事業に取り組むということで現在準備をしているところです。例えば、先ほど話題になった福祉と医療の連携によって、地域で重い障害のある方も生活できるような、そういう包括的な福祉・医療のサービスを提供していく事業、また発達障害のある人については、就学前から成人に達するまで切れ目なく支援していけるような事業、そういうものについてのぞみの園としての専門性を大いに活用して取り組んでいけたらと考えております。以上ですが、これからものぞみの園の運営につきまして種々ご指導、ご鞭撻いただくようにお願いして、最後のご挨拶とさせていただきます。本当にどうもありがとうございました。
○真野部会長
ありがとうございました。それでは法人の入れ替えをさせていただきます。
(法人及び所管課入れ替え)
○真野部会長
それでは、時間になりましたので始めます。次は福祉医療機構ということでよろしくお願いいたします。最初に、財務諸表に対する意見について五十嵐委員からご説明をお願いします。
○五十嵐委員
五十嵐でございます。財務諸表に関しましては平成24年7月19日に説明を受けまして、レビューをさせていただきました。また、その結果の不明点についてもご質問させていただき回答をいただきました。結果、資料2-1の原案どおり承認することが適当であると考えております。なお会計基準に従っているため、財務諸表の適正性の問題ではないのですが、各勘定の特殊性やスキームによる損益均衡の前提が異なることによって、法人全体の貸借対照表や損益計算書が機構の全体イメージと乖離する結果になっている懸念があります。特に承継債権管理回収勘定は承継した債権を資本として受け入れ、利息を全額自己収入とするスキームになっています。このスキームのもとでは、回収された元本を資本の減少として処理をし、多額に発生する利益額とともに、国庫に納付するという処理となります。このため、元入資本が財政基盤としてあり、運営状況の基準点が損益0という通常の前程と大きく異なり、利益が多額に出るという結果になってしまいます。財務諸表を読む場合には、十分に留意する必要があることを付け加えさせていただきます。以上でございます。
○真野部会長
ありがとうございました。財務諸表について、何かご質問ございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、財務諸表に関しましては資料2-1という形で取りまとめ、厚生労働大臣に提出させていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
(各委員了承)
○真野部会長
では、次に総合評価についての審議になります。起草委員が私ですので代表させてもらいます。福祉医療機構の総合評価の講評ということで案を述べさせていただきます。福祉医療機構の平成23年度における業務実績について、業務運営体制の整備や、福祉医療貸付事業など、4つの項目で、現段階ではSとなっております。昨年に引き続き、非常に充実した業務実績を上げることができているのではないかと思われます。業務全体を見回わしてみても、中期計画や年度計画の取組に対しましては、適正に業務を実施されておりますし、特に、だいぶ議論になりました、東日本大震災の被災者に対しては、福祉医療機構の総力を上げて被災地の復旧・復興を支援されたということで、独立行政法人としての社会的な役割も十分に発揮されたと思われます。
このように、充実した業務実績を上げることができました背景には、理事長が平成20年4月に民間から就任されたということで、時機を見て、役職員に「お客さま目線」に立った利用者サービスということを徹底されて、その思いが役職員に浸透したためではないかと思っております。福祉医療機構の中において、理事長のリーダーシップが効果的に発揮されていると思われますので、この点は高く評価させていただきたいと思います。
今後も、民間のノウハウや経営姿勢、お客さまの目線といったところを是非追求していっていただきたいと思いますし、逆にいいますと、独立行政法人は他にも多々ありますが、今まで不足していた面を引き続き福祉医療機構に浸透していただければと思っております。
本来であれば、すべての評価をさせていただくところなのですが、時間の都合もありますので4つあるS評価を重点的に述べさせていただきます。まず、1番の効率的かつ効果的な業務運営体制ですが、理事長が主宰するトップマネジメント機能を補佐する経営企画会議を毎月開催されるということとともに、理事長の所感を、役員及び幹部職員に対して指示されたということです。同時に、組職内のイントラネットを通して、全職員にこれを発信されたということでまさに、理事長のリーダーシップ、意向が組織運営に反映される統制環境の整備を推進されたということです。
さらに、平成23年度よりトップダウン方式とボトムアップ方式で月2回、このような委員会を開催されるということで、トップマネジメント機能の有効性の向上が図られたと理解しております。
また、東日本大震災のことですが、経営企画会議において、復旧・復興への支援策を検討するとともに、新たに役員連絡会というものを立ち上げられて、組織内での情報の共有化、問題意識の統一を徹底し、理事長の指示に基づき、「東日本大震災プロジェクトチーム」を設置し、さらに「東日本大震災事業者再生支援機構」への対応で、いろいろ検討を実施されたということでまさに、福祉医療機構の総力を上げて支援に努められたということで、非常に評価させていただきます。
また、独立行政法人を取り巻くコスト削減、人員削減といった厳しい環境もあるわけですが、平成23年度においても、管理部問の統合・再編により、管理職ポストを大幅に削減され、一方では顧客サービスも徹底されたということで、まさに効率的かつ効果的な業務運営体制の確立を推進されたと思われます。
職員にとっては労働環境が一段と厳しくなる反面、このような継続的な組織のスリム化を実行されたということは、理事長の「お客さま目線」という思いが組織全体に浸透していると考えられて、これも高く評価させていただきました。
次に、5、6番目の福祉医療貸付事業です。こちらも、政策融資の果たすべき役割を踏まえて平成22年度に引き続き、介護基盤の緊急整備、保育所の整備、病院の耐震化整備事業など、増大する利用者ニーズに迅速かつ的確に対応されたということで、その結果、福祉貸付事業では、貸付契約額及び資金交付額が過去最高を更新したということで、国の目指す福祉・介護・医療サービスを安定的かつ効果的に提供する基盤整備を支援されたと思われます。
また、平成23年度からお客さまからのご要望があった、特別養護老人ホームや病院等に対する償還期間の延長の優遇措置を講じられて、また借入申込書などの提出書類についても様式の一元化を行われるなど、さらにお客さまの目線に立った利用しやすい融資環境を作られたということで審査や資金交付体制における処理機関についても、中期計画の目標値を上回る実績を上げられて、利用者サービスが非常に向上したと理解しております。
さらに東日本大震災に関しても、補正予算の成立に伴って、災害復旧貸付の優遇措置を拡充され、被災地において迅速に都道府県や関係団体と連携を図られ、現地相談会、訪問相談及び関係団体との意見交換を実施されるなど、円滑かつ迅速にきめ細かな対応を図られており、被災施設等の審査・資金交付を最優先することで復興支援され、まさに国の福祉医療政策の目標に沿った融資が効果的かつ効率的に行われたことを高く評価させていただきました。
退職手当共済事業も4年連続のSになっております。引き続き平成23年度も事務処理ピーク時等において柔軟な人員配置を行うことで、退職手当金支給に係る平均処理日数の短縮に努めた結果、計画の目標値を大幅に上回っており、利用者サービスの向上を図っていることを高く評価させていただきました。また、電子届出システムについては、利用者のアンケートに基づき、毎年度、システムの改善を継続的に行われ、さらなる操作性の向上が図られています。その結果、83%という非常に高い利用率になっているということで、利用者の事務負担の軽減とともに、福祉医療機構自体の事務の軽減につながったと思われます。
また、東日本大震災に関しては、フリーダイヤルによる特別相談窓口を設置されて、要望のあった法人については掛金納付期限の延長を認める措置を講じられたということで、円滑、迅速かつきめ細やかな対応をされたと思っております。
最後になりますが、介護基盤の緊急整備、保育所の整備、病院の耐震化整備等、利用者のニーズは増大しております。また、東日本大震災の対応等引き続き地域における福祉・医療の復旧・復興が必要ということで、このような増大する利用者ニーズへの的確な対応を図っていただき、かつ、東日本大震災への迅速かつ柔軟な対応を、お願いしたいと思っております。
このように、福祉医療機構はSがある程度多いことでもお分かりのように、非常に大きな期待も寄せられておりますし、社会的役割も大きく、効率的かつ効果的にやられていると理解しております。引き続き理事長のご指示のもと、お客さま目線に立って、国民のニーズに柔軟かつ迅速に対応されて、お客さまから選ばれ続ける組織となり、我が国の福祉と医療の発展に努めていただくことを期待し、講評とさせていただきます。どうもありがとうございました。私の講評について、ご意見などございますでしょうか。Sは4項目なのですが、福祉と医療を講評では一緒にお話しさせていただいたのでSは4つございます。
よろしいでしょうか。事務局に質問ですが、Sが4つというのは、法人の中でもかなり良いほうといいますか、委員会によって強弱があるとは聞いておりますが。
○政策評価官室長補佐
それぞれ部会によって特色もあるので、一概には言えないのですが、Sが4つ入って真ん中辺です。
○真野部会長
それでも、真ん中辺なのですね。
わかりました。我々の評価は厳しいかもしれませんね。ほかはよろしいですか。ありがとうございました。それでは、特に修正意見がないということですので、平成23年度の業務実績の評価結果としてはこれを、法人及び政・独委に通知させていただき、公表したいと思っています。ありがとうございました。
それでは、現在の話を踏まえて、個別の評定の修正・確定をお願いします。
(評価シートの修正・確定)
○真野部会長
個別評価の訂正などは、なさそうな感じですね。もしあった場合また変更された場合は、新しく評価シートを作り直したいと思います。ちなみに今回、自己評価がSで、評価結果がAだったのが2番目の「リスク管理の充実」です。ここも本当に近差でSからAになってしまったという感じで、特段大きな問題があったということではないのかもしれません。あとは基本的に自己評価と同じ結果になっているのではないかと思っております。よろしいでしょうか。
(各委員了承)
○真野部会長
次に暫定評価です。では事務局から、暫定評価及び組織業務全般の見直し当初案についての説明をお願いします。
○政策評価官室長補佐
先ほどの繰返しになりますので、簡単にご説明いたします。暫定評価については、評価結果を次期中期目標の策定などへ反映させるために、中期目標期間最終年度において、暫定評価を行うことというのが規定されております。これまで各年度の業務実績の評価等を基に、起草委員の先生に暫定評価結果案を作成していただいておりますので、ご審議をお願いしたいと考えております。今回の審議を踏まえて、31日に予定している総会において、暫定評価結果を決定することになりますので、よろしくお願いいたします。
次に、組織及び業務全般の見直しについてです。独法通則法第35条において、「主務大臣は独立行政法人の中期目標期間終了時において、業務の継続の必要性、組織のあり方、業務全般等について検討を行い、その結果を踏まえて所要の措置を講ずること」とされており、「その検討に際して評価委員会の意見を聞かなければならない」とされております。具体的には平成15年の閣議決定に基づいて進めていくことになりますが、本日ご審議いただいた後、こちらについてもご意見を取りまとめて、31日の総会において改めてご意見を伺うことになります。
○真野部会長
続いて法人から、中期目標期間の業務実績について15分ほどご説明をいただき、次に起草委員の代表として私から、案について説明させていただきます。そういう順で始めたいと思います。
○福祉医療機構総務企画部企画室長
資料は2-3-[1]、「暫定評価シート説明用資料」です。資料の構成としては1評価項目当たり1頁です。頭のほうに従前の評価結果を記載しています。まず第1項目目、「効率的かつ効果的な業務運営体制の整備」です。業務運営体制を継続的に見直しているかという観点から、左の下の「組織のスリム化」にありますように、平成22年度において理事のポストを4名から3名と1名減、平成23年度には管理部門の再編成ということで、部長ポスト2、次長ポスト1の削減をしております。このほかに業務の実態を踏まえつつ、組織のスリム化ということで、課長ポスト9を削減しています。右は「トップマネジメントの機能の強化」ということで、独法の設立と同時に経営企画会議を設置し、重要事項について毎年度、迅速かつ的確に対応しています。また、理事長所感ということで、理事長の経営姿勢、考え方等を毎月発信し、役職員に周知徹底しています。
次の頁が評価項目2、「業務管理(リスク管理)の充実」です。平成17年に認証を取得したISO9001に基づく品質マネジメントシステムの運用を通じて、定期的に業務の進捗管理、プロセス管理を行っております。そのことによりPDCAサイクルを回しながら、継続的に改善を推進しています。平成23年度には監査機能の強化ということで、監査室による検査とQMS内部監査を統合して、監査機能の高度化、効率化を図ったところです。また、ガバナンス態勢の強化ということで、第2期中期計画期間中にコンプライアンス委員会、リスク管理委員会、危機管理対策本部などを立ち上げ、法人運営に伴い発生する業務上のリスクを把握し、適切な予防措置を講じています。また、平成24年度には新法人への移行準備として、さらなるガバナンスの強化のために金融庁検査準備室、業務管理課を設置したところです。
評価項目3の「システムの効率化」については、業務・システム最適化計画に基づき、業務の見直し、調達方法の見直しを行うことにより、コストの削減、システム調達における透明性の確保、業務の運営の合理化を行いました。WAM NET事業についても、事務・事業の見直しの基本方針を踏まえて、適正に対応しているところで、現在、平成24年10月の運用に向け、次期システムの構築に着手しています。また、情報化推進体制の強化については、毎年、情報化推進計画を策定し、それとともにスキル向上のため、各種研修を実施しております。このことにより、情報化推進に対応できる体制を整備しています。
続いて評価項目4、「経費の節減」です。随意契約の適正化については、平成21年11月の閣議決定に基づき、随意契約見直し計画を策定しております。こちらは競争性のない随意契約が6件となっており、平成23年度に見直し計画を達成済みということで、着実に随意契約の適正化を推進しているところです。一般管理費については平成19年度予算、63億1,900万円を毎年3.1%、5年間で15.5%程度の縮減という目標ですが、グラフにありますとおり、平成23年度において、金額ベースで48億5,000万円ということで、14億7,000万円をすでに削減しております。率としても23.2%の削減ということで、大幅な削減を実施しています。人件費についても同様です。中期目標は平成17年度比で6%程度の縮減ですが、平成23年度においては19億8,000万円ということで4億3,000万円減、パーセントで14.5%の削減を実施しています。
評価項目5、「福祉貸付事業」については、国の福祉政策に即して福祉の基盤整備を支援するため、政策融資の果たすべき役割を踏まえて、東日本大震災への対応、介護基盤の緊急整備、保育所の整備、耐震化の整備を行うことにより、下の棒グラフにありますように、増大する利用者ニーズに迅速かつ的確に対応して、円滑な施設整備を支援することができたと考えております。審査の事務期間の短縮についても、事務・事業の見直しの基本方針に基づき、業務のさらなる効率化ということで目標を30日に設定し、平成23年度にはこの目標をクリアしています。利用者サービスの向上についても個人保証の免除制度を創設したり、借入申込書類の簡素化等、さまざまな取組を実施しているところです。
評価項目6、「医療貸付事業」についても福祉同様、政策に即して東日本大震災への対応や病院の耐震化、老健等の介護整備基盤、そのほかに緊急的な経営資金に対応して、福祉と同様に増大するニーズに対応できたと考えております。審査処理期間の向上についても福祉と同様、適切に実施しているところです。
続いて評価項目7、「債権管理」です。新規融資額の縮減に関しては平成17年度実績、4,026億円について、平成24年度において20%程度、3,220億円程度にするものですが、いちばん下の表にありますように、平成24年度予算は3,127億円となっております。この新規融資額の縮減の考え方ですが、中期計画の策定後にさまざまな福祉や医療を取り巻く環境の変化がありました。例えば保育所の整備や緊急性のある介護基盤の整備、耐震化等があります。こちらについては政策融資の必要性が求められており、当機構としてもこの政策金融の果たすべき役割を踏まえて、的確に対応することが私どもの役割であると考えております。また、リスク管理債権比率は平成23年度末の金額ベースで781億円、パーセントで2.44%ということで、期首に比べますと金額ベースで181億円、パーセントで0.53%の縮減となっております。こちらは目標値の1.56%には至りませんでしたが、関係部署が連携して情報共有、また延滞等の新規発生の要因を分析してフィードバックするなど、これらの成果によりリスク管理債権の抑制が図られたものと考えております。
続いて評価項目8、「福祉医療経営指導事業」です。セミナーについては延べ受講者数、顧客満足度指数、個別経営診断についても診断の件数など、数値目標については目標を達成しています。診断メニューの多様化ですが、平成22年度に保育所の経営指標を策定して、平成23年度から簡易経営診断を開始しています。そのほかに経営指標自己チェックシートというものを作りました。これは法人が自ら入力して、簡単な経営状況を比較できるものです。これを平成24年度から実施しています。事務・事業の見直しも、セミナーについては民間と競合する内容は廃止して、機構の独自性が明確になるテーマ、施設の機能強化に資するテーマに重点を置いています。もう1つの医療経営指導のノウハウの民間への普及については、平成24年度に試行的ではありますが、民間金融機関と合同でセミナーを開催したり、受託金融機関の実務研修会の場で経営指導のコマを設け、データ等の講義を行うということを考えております。
評価項目9、「社会福祉振興助成事業」については、平成21年11月の行政刷新会議の事業仕分けにより基金を返納して、平成22年度より毎年度、補助金によるものに変更になっております。事務・事業の見直しの基本方針に沿って、平成23年度より助成テーマについても政策の動向や国民ニーズ、国と地方の役割分担を踏まえて、国で行うべきものに限定したテーマになっております。具体的には児童虐待防止や貧困対策、高齢者の孤立防止、東日本大震災の助成に限定したものに作り直しました。また、事後評価ですけれども、外部有識者からなる審査評価委員会で定めた評価方針に基づき、自己評価、ヒアリング評価、書面評価ということで、さまざまな角度から評価を行い、その結果を公開し、その後、助成テーマの見直しや募集要領、選定方針の見直しに反映させているところです。
評価項目10、「退職手当共済事業」については、退職手当金給付事務の平均処理期間の短縮という項目があります。例えば給付回数の見直しということで、月2回から月4回にしたり、研修会の開催、支給財源の確保、ピーク時における柔軟な人員配置により、平成18年には91日あったのが、平成23年度には35日で処理できたということで、大幅に短縮しており、利用者サービスの向上に貢献することができたと考えております。これについては「電子届出システム利用状況」にありますように、平成19年においては45%の利用率でしたが、利用者の推進ということで、利用者アンケートに基づきシステムの改善を図った結果、平成24年度においては83%の利用率になっています。このシステムを普及することにより、利用者は事務の負担が減り、一方において機構は照会の件数が減るなど、事務の効率化ができました。その関係で余った力を給付の事務に回すことで、このサイクルにより給付までの期間の短縮ができたと考えております。
続いて評価項目11、「心身障害者扶養保険事業」です。毎年度、外部有識者からなる財務状況検討会を開催し、決算を踏まえて財源の健全性を検証しています。この結果については厚生労働省、地方公共団体、障害者関係団体に報告等をしているところです。またベンチマーク収益率との比較では、マイナスのところもありましたが、おおむね確保されているという実態です。
評価項目12、「WAM NET事業」については、事務・事業の見直しにおいて2つのことが言われました。1つ目として、国と競合する情報の掲載廃止ということで、行政資料の直接掲載をやめております。民間と競合する情報の掲載も廃止ということで、福祉用具や機器情報等を掲載していたワムネットプラスの掲載を廃止するなど、適切に対応しています。また、ヒット件数や利用機関登録数、利用者満足度といった数値目標については、すべて達成しているという状況です。
続いて評価項目13、「年金担保貸付事業と労災年金担保貸付事業」です。こちらは無理のない返済に配慮して、平成22年2月に1度制度改正をしております。このときは満額返済の廃止や返済期間、回数を増やし、償還期間を延ばしたりしておりましたが、今般の見直しの基本方針の中で、十分な代替措置を講じた上で廃止する方向性と、廃止するまでの間、さらに利用者にとって無理のない返済に配慮するということで、平成23年12月に2度目の制度改正を行っております。限度額の引下げ、返済額の上限設定、資金使途区分の変更により限度額を100万円に落とす等ということをしております。その結果として、左の下の棒グラフにありますように、緑色の所が年金担保ですが、平成20年においては1人当たりの平均貸付額が90万8,000円だったのが、平成23年度では79万5,000円ということで、11万円弱落ちています。右側の棒グラフが年間当たりの契約額、折れ線グラフが件数ですが、融資の実績を見ていただくと、経年で落ちており、制度変更の効果が現れていると考えております。
評価項目14、「承継年金住宅融資等債権管理回収業務」については、基本的には回収をしっかりやり、新規融資は行っておりませんので、将来的にはこの業務は廃止になるということです。平成19年度末では53万件、2兆7,000億円だった残高が、適切に回収を行った結果、平成23年度末では33万件、1兆4,900億円ということで残高が減少している状況です。そのほかに債権回収や延滞への対応等も、適切に対応しています。
続いて評価項目15、「財務内容の改善に関する事項」です。運営費交付金以外の収入の確保ということで、当機構にとっては経営指導事業収入とWAM NETのサービス事業の収入ですが、こちらも事業目的を損なわない範囲内で、自己収入の確保に努めているところです。財投機関債の発行についてもIR活動を積極的に実施したことにより、円滑な資金調達ができたと考えております。また、保有資産の見直しについても、事務・事業の見直しの基本方針に基づき、平成22年度、23年度ともに金銭納付、現物納付と、計画どおり実施しています。残りのものについても計画を実行していく予定になっております。
最後に評価項目16、「人事に関する事項」です。人事評価の運用ということで、私どもでは平成16年から制度の導入を行っており、逐次、評価結果を適切に反映しています。これにより個人目標の明確化、職員の意識改革、業務管理の向上に資することがあったというのが効果です。また、人員に関する指標としては、期末の常勤職員数は平成23年度末では249人ということで、期初の100%以内という目標を達成しています。説明は以上です。
○真野部会長
4年間の説明でしたが、次に、起草委員を代表して私から、暫定評価の講評の案をご報告させていただきます。先ほどと若干重なる部分はどうしてもあります。
福祉医療機構においては現理事長が平成20年度の4月に、民間出身者として初めて就任して以来、「お客さま目線」に立った利用者サービスの向上という経営理念、すなわち民間活動応援宣言を掲げ、お客さま満足を徹底して追及していくという方針を役職員に浸透させた結果、理事長のリーダーシップが非常に効果的に発揮される体制構築をはじめ、非常に充実した業務実績を上げ、高く評価させていただいております。今後も民間のノウハウや経営姿勢など、民間の良い面、いままで独法に不足していた部分を引き続き福祉医療機構に浸透させていただくことを期待しております。また、東日本大震災の対応については、復旧・復興に対して非常に熱心に取組まれており、社会的役割を十分に発揮されたと理解しております。
暫定評価結果としては、業務運営体制の整備及び退職手当共済事業がS、福祉医療貸付事業など12項目がA、福祉医療貸付事業に係る債権管理など2項目がBとなっております。
暫定評価のSについて述べますと、「効率的かつ効果的な業務運営体制の整備」ですが、独立行政法人を取り巻くコスト削減、人員削減といった厳しい環境の中で、理事をはじめ管理職ポストを削減するなど、4年間で13ポストを減らされ、組織のスリム化を図られました。平成24年度4月の組織改正では、新たに組織体制を整備されております。このようなスリム化は非常に厳しい面ですが、それが可能になっているのは、まさに理事長のリーダーシップやお客さまのためということだと思います。退職手当共済事業もS評価です。これも目標値を大きく上回っており、4年連続でずっとS評価です。電子届出システムですが、利用者アンケートに基づき、毎年改善されているということで、これも非常に素晴らしいのではないかと思っております。
Aについては、「福祉医療貸付事業」について言わせていただきます。今年度特に出てきた話もありますが、本事業では政策融資の果たすべき役割を踏まえて、介護基盤の緊急整備、保育所の整備、病院の耐震化整備事業を適切にされました。審査や資金交付に関する処理期間も、中期目標の目標値を上回る実績を上げられたのですが、年度によっての評価でAになったということです。
Bは、「福祉医療貸付事業に係る債権管理」です。暫定評価期間におけるリスク管理債権比率が、前中期目標期間中の比率を上回りましたが、福祉医療施設を取り巻く厳しい環境がありますので、なかなか難しいところがあって、貸付先からの返済相談に対して迅速かつきめ細やかな対応を行うとともに、貸出条件緩和を積極的に実施されて、地域の福祉医療施設の維持・存続を支援した結果、リスク管理債権比率は今期中期目標期間の初年度より減少しています。同じくBの「心身障害者扶養保険事業」も、資金の運用に関しては外部有識者からなる委員会の決議で策定したポートフォリオで、安全にされており、おおむねベンチマークの収益率は確保しています。ただ、国が指示する運用利回りが厳しかったという見方もあるかもしれませんが、確保できない年度もあったので、繰越欠損金が132億円となっています。外的要因による影響が大きいとは思いますけれども、特にこの部分はお金の話ということもありますので、今後は是非着実に解消していただければと思っているところです。
最後に、福祉医療を取り巻く環境は年々、非常に大きく変化しております。介護基盤の緊急整備、保育所の整備、病院の耐震化整備など、一方で利用者のニーズは増大しています。最近、日本再生戦略というのが出たわけですが、これでも医療福祉分野は新しい成長を目指す重点分野と位置づけられております。ですから福祉医療機構においては、まさに政策融資として求められている役割を果たすために、融資対象の重点的な拡大や貸付条件緩和による積極的な支援を行うことにより、地域の福祉施設や医療施設の維持・存続を図ることを是非続けていただければと思っております。福祉医療機構には非常に大きな期待が寄せられております。こういったことで社会的役割を果たすために、引き続き理事長の指示の下で、お客さま目線に立って国民のニーズに柔軟かつ迅速に対応し、まさに東日本大震災で実証されたわけですが、お客さまから選ばれ続ける組織となって、我が国の福祉と医療の発展に努めていただくことを期待しております。以上、講評とさせていただきます。ご質問などはございますか。
○大島部会長代理
起草委員の先生は、大変プラスの面を強調されておっしゃったと思うのですが、やはり132億円という金額などは、今後どのように改善されるのか。経済もなかなか厳しいですし、お客さま目線というか利用者目線というか、国民目線というか、そういう立場から見ますと、そこら辺でまだまだ改善点がたくさんあるのではないかというところが、なかなか見えにくい評価になっているのではないかと思います。具体的にこれからどのような方向で改善されていこうと思われているのか、私どもがわかるように説明していただけるとありがたいと思います。
○福祉医療機構総務企画部企画室長
運用についてですけれども、私どもは新規運用の方法ということで、外部有識者で基本ポートフォリオを定めて、それに基づいてパッシブ運用というものを行っています。現在は市場の環境等がそんなによくないということもあるのですけれども、基本的にはこのパッシブ運用を行うことで、最終的に基準の利回りを確保していけるのではないかと考えています。
○真野部会長
いまのは運用の話ですね。
○大島部会長代理
運用はそうなるのではないかという期待を込めておっしゃったと思うのですが、経済は生き物なのでよくわかりません。今のこの流れの中で、全体的にどういうところを改善されようとしているのかというのが見えにくかったものですから、わかりやすくポイントだけを。暫定評価ですから、次につなげていくことを考えれば、どういう点はまだまだこれから改善の余地があるというところを。S評価よりもかえって悪い評価について、今後どういうように努力されようとしているのかを知りたかったのです。
○福祉医療機構総務企画部企画室長
私どもは運用結果を踏まえて、制度の見直しについても厚労省にご報告しております。この見直しについては毎回、厚労省と協議をしながら、今後の運用をどうしていくかというのを検討していくという方向です。
○福祉医療機構理事長
B評価という意味では2つあります。1つ目のリスク管理債権比率について、この4年ちょっとを振り返りますと、なかなか厳しい環境にあるわけです。金融情勢もそうですし、医療法人あるいは社会福祉法人にとっても、最近は上がりましたけれども、介護報酬や診療報酬も厳しい収入環境にあるわけです。我々としては貸し付けることが目的ではなくて、最終的には貸付を通して、病院や社会福祉施設の維持・継続をすることが重点です。そこはもうがむしゃらにリスク管理債権比率を下げるのではなくて、施設制度の維持と国の大事なお金を無駄にしないということで、リスク管理債権のバランスをどうやって取っていくかということだろうと思うのです。やはり当面は条件緩和を行いながら、何としても病院あるいは施設を維持・継続させていくということに、重点を置いてやっていきたいと考えております。
それから扶養保険です。この制度そのものは障害者をお子さんに持つ親御さんとして、自分が亡くなった後に少しでも子どもに収入があるように年金をやるということで、制度そのものは非常に素晴らしい制度です。私も前に生命保険会社におりまして、この保険の部分は手数料を取らないということで、この制度を生命保険会社サイドからも運営しているわけです。ただ、年金を支払うために運用していくというところの環境は、国の年金資産の運用もそうですが、なかなかままならない。やはりパッシブな運用をやっていく中で、少しでも利回りを高めて世の中を少しでも、一歩でもよくしていくというところしかないだろうと思うのです。ここは何か妙手があるわけではありませんので、地道にやっていくことになるかと思うのです。以上が2つのB項目に関する私の考え方です。
○大島部会長代理
ありがとうございました。
○真野部会長
リスク管理債権の比率に関しては、委員会でもだいぶ議論になりましたよね。まさに理事長がご指摘のように、福祉医療機構の意味を考えると、ちょっと語弊があるかもしれませんが、厳しく管理して貸し渋りみたいな話になっては意味がないわけです。それとある意味、裏腹の関係もある部分なので、やはり政策的に医療介護施設の維持基盤ということを前提にしていくと、ここを普通の銀行のようにバサッと減らすことは、なかなか難しいという議論も何回もあったのではないかと記憶しております。ただ一方、我々は数字で見るというところでいくと、やはりB評価という形になってしまうのです。こういうものが定量的な評価だけになってしまうと、なかなか厳しい感じはしますね。たぶん組織内でも、定量評価と定性評価のバランスをされていると思いますが、我々には量しかないものですから恐縮ではあります。
○浅野委員
3点ほどご質問させていただきたいと思います。1点目が、リスク管理債権の比率がある意味高まったことと関係があるかどうかは分かりませんが、大きく変わったものとして、福祉医療貸付の医療貸付の中で、中小病院の介護保険の適用の療養型病床が当初削減という話が、たぶん昨年度、6年延長という話になってきたと思うのです。そういった動きの中で福祉貸付の医療部分、場合によっては福祉部分も影響しているのでしょうか。何か変化があったかというのが1点です。
それから、これも難しい業務を解決されたということで、今まではうまくいっているのですけれども、いわゆる超高齢化時代で福祉施設を中心に、サービス料がどんどん増大していきます。たぶんお客さまは増えていくだろうと。その一方で、組織の人員は削減されている。アウトプットがどんどん増える中でインプット、労働力のほうは削減していくということなので、その辺の解決策を現状あるいは今後も、どういうように捉えていかなければいけないかをお伺いしたいのです。
3点目ですけれども、WAM NETに関しては、当初は民間の新しい事業でこのWAM NETをさらに振興させようという話で、コマーシャルとか、いろいろなものを入れてきたという過去の経緯があると思うのです。これが民間との競合ということで、今回やらなくなっていくと。一方で厚生労働省等のホームページが充実してきたので、国に関する情報もやらなくなっていくという方向です。WAM NETは今後、どういうところで新しい道を見いだしていくか。以上の3点をお尋ねしたいと思っているのですけれども、いかがでしょうか。
○福祉医療機構総務企画部企画室長
1点目ですけれども、リスク管理債権比率については、基本的にこの数年、介護報酬は昔ほどそんなに低くなくて、平均的にも上がっています。いま言われたような形で、福祉医療についてもリスク管理債権比率は、維持もしくは低くなっています。
○浅野委員
特にマイナスの影響はないということですね。
○福祉医療機構総務企画部企画室長
2つ目の事務の効率化ですけれども、私どもは経営メソッドを行っております。その中で、仕事の手順書作成をしております。ダブルで2回行っていることはないかとか、各職員の中で、そこが要るのか要らないのか、小さな所は事務担当で、大きな所は部単位になりますけれども、例えば削れる手続がないかどうか等をチェックすることにより、今のところ、どうにか事務の効率化というところで凌いでおります。
3点目のWAM NETについては今おっしゃったとおり、今後の方向性をいろいろ考えなければいけないということで、今度の10月に向けて新しく軸を構築して、新しいものを作ろうとしているところです。その中では福祉医療のポータルサイトという形で、例えば各地域の取組状況として、どのようなことをやっているか、その地域で取組まれている福祉や医療を広く皆さんにお広めして、横につながっていくと。それから窓口の案内とか、単に情報を載せるだけではなくて、新たな発信ができるような、今までにないサイトにしていきたいというところで構築している最中です。
○浅野委員
たぶんこの3点は、話が結び付くような話なのです。リスク債権の増大を防ぐこととか、どんどんサービス量が増大する中で、効率的なWAMの運営に資するようなことで、WAM NETなども活用していただくと。例えば経営のアラームが出るような形で、医療機関が自主的にセルフチェックができるようなサービスとか、いろいろあるかと思うのです。この辺は情報と機構のサービスとを一緒にして、より効率的な運営になるような発展が見られたらと思っておりますので、是非よろしくお願いいたします。
○福祉医療機構理事長
最後のところで補足させてください。自己チェックや経営診断というのは、平成24年度から簡便な自己診断表を、ホームページを通してできるような仕組みを設けました。あと、浅野先生が言われた話の中で、私どもとして非常につらい環境にあるのは、この4年ちょっとを振り返りますと、業務は増加傾向にあるわけですが、その中で人員を抑える、運営費交付金を予算面で削減していくという中で、経営としてどうやっていくのかということが、かなり大きな課題なわけです。いま企画室長からも申し上げましたけれども、それぞれの業務の中で、世の中的によく言われている選択と集中ということで、一方でこの業務は必要ないのではないか、ここまで手をかける必要があるのかどうかということを、いつも繰り返し見ていくと。そこは職員レベルではなかなかできないので、管理職から役員からということで、選択と集中にかなり努めていかないと、運営はなかなか成り立ちにくくなるということを、いま私自身は感じているところです。
○浅野委員
よく分かりました。とにかく厳しい人員の中で増大する仕事をこなすと、ややもすると貸付先であるお客さまは、この難しい医療と福祉の経営環境の中で経営をしているということで、一歩間違うとリスク債権の増加にも結び付いてしまう。そのバランスが結構難しいなと思っていますので、今後も引き続きご努力していただいて、先ほど真野先生が言われた日本再生の医療福祉の体制が築ければいいと思います。それは結構重要な役割を担っていると思いますので、是非その辺のところをお願いしたいと思います。
○真野部会長
WAM NETに関してはポータルという表現がありましたけれども、たぶん今後は情報公開も含めていろいろな情報が、特に県を中心に集約されてくる可能性があると思うのです。ただ、利用者から見るとよく言われる話で、二次医療圏の話などにもつながりますが、ある所に住んでいるからといって、必ずそこの県なり医療圏に行くとは限らないというのが、最近の傾向です。そういう意味でいくと、WAM NETに行くとすべてわかるというような、県を跨がってでも、あるいは医療圏を跨がってでもいろいろなことがわかるという話になると、まさにお客さま目線で非常にいいのかなという感じはします。前にも議論になりましたが、個別にこの施設が良いとか悪いとか、そういう評価はなかなか難しいと思います。どこにどんなことが起きているかというのをどこかで集約していかないと。
再生戦略などの話で、地域にお金が流れていて、地域でいろいろなことがやられているけれども、誰がそれをまとめて知ってるのかというと、なかなか分かりにくいところがあります。私見ですけれども、そういった視点でポータルというのは、非常にキーワードではないかと思いました。
ほかにはよろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは、修正意見はなかったと思いますので、8月31日の総会で、私から委員会にご報告したいと思っております。では、福祉医療機構についてもう1つ、組織業務全般の見直し当初案についての審議をさせていただきます。最初に担当課のほうからお願いします。
○社会・援護局福祉基盤課長
それでは資料2-4、福祉医療機構の組織・業務全般の見直し当初案について、ご説明いたします。まず制度と組織の見直しの基本方針です。いちばん下の欄に、今年1月の基本方針に書かれた内容を参考として記載しております。福祉医療機構については中期目標達成法人とすること、金融業務については会社法を参考にした監査、リスク管理機能の強化を図るとともに、金融庁検査の導入と高度なガバナンスの仕組みを措置した金融業務型のガバナンスを適用することなどが記載されました。
これを踏まえて、いちばん上の欄の左側の具体的措置というのは、今年度までに実施している事項です。右側は来年度以降の見直しの方向性という形で記載しております。今年度においてはさらなるガバナンス態勢の構築に備えるために、金融庁検査の準備室などを新設し、リスクアセスメントを実施しているところです。来年度以降については基本方針の記述を踏まえて、金融庁と我々厚生労働省等との間で詰めた上で、金融庁検査を福祉医療貸付に導入します。また、監査機能やリスク管理機能を強化します。先ほどリスク管理の話も出ましたけれども、リスク管理体制を強化するなど、ガバナンスのさらなる高度化を図るということを考えております。
2頁以降は、各事業ごとの事務・事業の見直しの方向性です。まず、福祉貸付事業です。左側はすでに実施していることです。福祉貸付については政策適合性を重視して貸付をしてきました。また審査期間の短縮や申請書類の簡素化、東日本大震災への積極的な取組等を実施しています。右は見直しの方向性です。先ほど部会長からもコメントがありましたが、日本再生戦略の中では医療・福祉分野はライフということで、3つの重点的分野の1つとして位置づけられております。同時に財政投融資についても日本再生戦略の中で、積極的に活用するということで何度も記述されていることに鑑みて、政策投資として求められる役割が、いままで以上に高くなってきているという状況があります。
こうしたことを踏まえて、融資対象についても重点的に拡大を図ることを目指していきたいと考えております。また、東日本大震災への対応についても、引き続き重点的に対応していきたいということで、こうした政策的優先度に応じた融資の展開を進めていくというのが第1点です。
第2点目ですが、積極的な融資の展開を行うに当たっては、民間金融機関が融資を行う際の協調融資の充実が重要です。協調融資制度は平成17年から開始しておりますが、協調融資の金融機関は、平成23年度で295機関です。これらの一層の拡大を図るということで、民間との連携も図っていきたいというのが2点目です。
3点目が融資相談の強化です。事業者が事業計画を立てる早い段階から、融資相談に応じて、速やかに安定的な事業が図られるように、提案・助言等を行っていくということを強化していただきたいと思います。また、審査処理日数については、折角短縮したところですので、これを維持していただくということを、方向性として掲げております。
次の頁の医療貸付についても、大体の項目は同じです。具体的措置については、政策に適合した医療貸付事業を展開してきました。審査期間の短縮、申請書類の簡素化、東日本大震災への取組を実施しました。見直しの方向性についても、福祉貸付とほぼ同様です。再生戦略への対応、東日本大震災への対応と、政策的優先度に応じた融資の展開を行っていくこと、融資相談の強化を行っていくということを掲げております。
4頁が福祉医療経営指導事業です。すでに実施している具体的措置としては、民間と競合する業務は廃止して、テーマを重点化したセミナーを行っているということ、民間金融機関に対するニーズ調査を実施し、ノウハウ普及のためのプログラムを作るということなどを行っております。方向性ですけれども、引き続き重点化したセミナーを実施するとともに、セミナーやブロック会議における情報提供など、福祉医療経営指導のノウハウの普及を図っていくこと、東日本大震災などの災害で経営が厳しい状態となっている法人施設は多数ありますので、こういった所への経営指導・支援を実施していくということを掲げております。次のWAM NETも、従前実施している措置としては、国と重複する部分、民間と競合する部分を廃止しております。また、システムの全面的な刷新も行っているところです。見直しの方向性については、今後も引き続き基本方針での指摘を踏まえて、基幹的な福祉医療情報を重点的に提供していくということ、システムについては効率的な運用を図っているということです。
5頁が社会福祉振興助成事業です。具体的措置としては、国として行うべきものに限定した助成テーマに重点化した募集を行っております。また、助成事業の審査・評価は委員会形式で行っていただいています。今後も同様に、国として適切な政策的なテーマを示して、重点化した助成事業によって支援を実施していくという方向性を示しております。退職手当共済事業はS評価をいただいているとおり、利用者サービスの向上、事務処理の効率化、組織のスリム化、コスト削減等を実施してきています。今後の方向性としては、やはり退職手当共済事業ですので、動向を分析しながら制度の安定的な運営を図っていくということ、運用についても電子届出システムの利用率の向上や届出書類の電子化、簡素化等、事務処理の効率化を一層図っていくことを目指したいということです。
6頁は心身障害者扶養保険事業です。先ほどB評価ということでご指摘があったものです。現在行っていることは、毎年度、外部有識者の財務状況検討会で財政状況を検証し、公表していること、各種のコスト削減を行っていることなどがあります。方向性としても事業の安定的な運営のために、毎年度、財政状況を検証し、国においては少なくとも5年ごとに保険料水準等について、社会経済状況を踏まえて見直すこととしております。
年金担保貸付事業と労災年金担保貸付事業については、基本的方針の中で十分な代替措置を講じた上で廃止するということとなっております。平成22年度においては国が工程表を作成し、今後、廃止に向けた具体的な立案を行っていきます。また、基本方針に基づいて、利用者にとって必要な資金が融資されて無理のない返済となるように、平成23年度から制度改正を行ったということで、先ほどご紹介したとおりです。見直しの方向性も基本方針に基づいて、国が立案する計画に従って国と連携し、必要な対応、広報を行うとともに、事業を実施する機関については引き続き利用者にとって必要な資金を貸し付けます。また、無理のない返済となるよう、配慮した審査等を行うという方向性を示しています。
最後に承継年金住宅融資等債権管理回収業務です。組織のスリム化を行ってきており、見直しの方向性としては業務終了の時期を見据えて、不良債権と早期処理方策を策定実施することで業務を縮小する、引き続き効率的な業務運営を図るということを掲げております。以上が制度、組織、業務全般の見直し当初案ということでご紹介させていただきました。
○真野部会長
この点についてご質問などはございますか。よろしいですか。
それでは、こちらも修正意見などがないようですので、8月31日の総会で私のほうから、委員会に報告させていただきたいと思っております。
最後に、役員のうち退職の方がおみえということで、業績勘案率についての審議に入りたいと思います。では、事務局からお願いします。
○政策評価官室長補佐
資料2-5です。福祉医療機構理事長から独立行政法人評価委員会委員長宛に、役員の退職に係る業績勘案率の算定について依頼がありました。独立行政法人の役員の退職金については、平成15年12月19日の閣議決定より、在職期間に応じて算出した額に0.0~2.0の範囲内で定める業績勘案率を乗じた金額とされており、評価委員会でこの業績勘案率を決定していただきます。進め方は、まず法人から依頼を受けて、事務局において当評価委員会が定めている「独立行政法人の役員の退職金に係る業績勘案率の決定方法について」に基づき、業績勘案率を試算しましたので、その結果をご説明し、委員の皆様方に試算結果についてご審議いただきます。今回決定した数値は、その後総務省の政・独委に通知し、同委員会から意見があれば厚生労働省の独立行政法人委員会宛に改めてご審議いただくことになります。なお、意見がない場合は部会長にご報告し、最終決定とさせていただきます。
それでは資料2-5に沿って説明いたします。委員の皆様方は、併せて資料集の151頁を開いてください。資料2-5の次頁が業績勘案率の算定です。評価委員会として定めた方法に従い、計算を進めていきます。最初に、役員が在籍されていた期間の法人の年度評価等を基に数値化します。今回で言いますと、平成18年度から平成22年度までの年度評価の結果について、委員の皆様方に付けていただいているS、A、B、C、Dの評価を数値化して、その平均を取ります。評価の点数化については154頁の表1にありますように、Sは2.0、Aは1.5、Bは1.0という形で平均を取ることになっております。さらに平均値が1.5以上の場合は1.5、0.51~1.49の場合は1.0、0.5以下の場合は0.5と置き換えます。今回の場合は平成18年度の年度業績勘案率の平均値が1.48となっておりますから、対応する率は1.0です。そのほかの年度も、平均値から対応する率としては平成19年度、平成20年度は1.0、平成21年度、22年度は1.5となります。これに在任期間中に対応する率を掛けて、2ポツの(3)の試算で計算して1.2となります。
次に2の(4)、役員の在任期間における目的積立金の状況です。目的積立金は積んでいないということ、また2ポツの(5)、退職役員に係る職責事項の申出については、法人からの申出は特にないということでした。これらの状況を勘案して、これまでの事例と比較考量した結果、業績緩和率1.0という数字を出しております。
○真野部会長
それでは役員について、在任期間中の職務はどうだったかということも含めて、法人のほうからご説明をお願いいたします。
○福祉医療機構総務企画部長
私からは退職役員の在任期間等についてご説明します。資料2-5にありますように、堀口理事については平成18年7月に当機構の監事に就任され、その後、引き続き平成21年4月から理事に就任され、平成23年9月末で任期満了で退職されました。在職期間の監事の期間が2年9カ月、理事の期間が2年6カ月、通算して5年3カ月です。理事としては総務部関係、経理部関係、管理部関係、共済部関係を担当しておりました。総務・経理関係では組織体制の見直し、人件費を含めた一般管理費の大幅な削減に取り組まれました。管理部関係ではリスク管理債権の抑制に向けた取組の推進をされました。退職手当共済事業の関係では、電子届出システムの利用率の向上、施設職員等に対する退職金の支払期間を短縮するといったことに尽力されました。
○真野部会長
それでは、ご質問などはございませんか。
○五十嵐委員
監事から理事になられているのですけれども、私の感じでは、あまりない事例かなと思うのです。監事時代によかったから本人がやるようになったとか、監事から理事に代わられた特殊な事情などはないのでしょうか。
○福祉医療機構理事長
特殊な事情はないのですが、監事業務を通して福祉医療機構全般の業務に習熟しているということで、理事のポストが空いた段階で、堀口さんは理事にふさわしいという判断をして、私自身が任命した次第です。
○真野部会長
任期が中途半端なのはどうしてですか。
○福祉医療機構総務企画部長
任期途中で退任された理事がおりますと、その残任期間を引き継ぐのです。
○真野部会長
では、監事から理事になられたときが途中だったわけですね。
○福祉医療機構総務企画部長
理事が途中でお辞めになって、その残任期間を引き継いだという形になっています。
○五十嵐委員
職責事項についての申出が特にないということなので、逆にそういったことがあってプラスという請求がくるのかと思ったのです。そういうことでなければ、特に結構です。
○大島部会長代理
私はNPOをやっているのですが、NPOの監事は決して職員であってはいけないという決まりがあります。癒着その他を考えると、完全にその業務から外れた中から選びなさいということがあるのです。それでよく分からないのですけれども、この場合は監事をしていながら、次に理事という。
○福祉医療機構理事長
違います。監事を終了して理事に就任したということです。
○大島部会長代理
監事の間は全くそういう関係がなく。
○福祉医療機構理事長
もちろんそうです。監事に専念していただきます。
○大島部会長代理
なかなか経営が厳しいというか、非常に苦しい中で、5年間でこの金額というのをどう考えたらいいかというのは、難しいところではあります。決められたことであるのは確かなので、反対するものではありませんけれども、いろいろな所で資金が足りない中で、5年間での退職金の金額がこれで適切かどうかというのは、今後検討されることはあるのでしょうか。
○福祉医療機構理事長
私自身、これが高い金額だとは決して考えておりません。この金額について私自身が変えるかというものではなく、これは独法全体としてのお考えだろうと思うのです。
○大島部会長代理
わかりました。
○真野部会長
計算式から見ると、1.2を1.0に。
○大島部会長代理
計算式はわかるのですけれども、国の状況とか経済の状況とか世の中全般のこととか。これも税金ですから、やはりそういう点を考えますと、どうなのかという疑問があることはあるということで、一言申し上げます。
○福祉医療機構総務企画部長
役員の退職の規程の関係については、当法人だけではなく、基本的に独立行政法人は同じ規程になっているかと思います。問題は、俸給の月額の差によって退職金が影響するということです。当機構の役員の退職金は、106独法の中でもそんなに高い位置にありませんので、独法全体から見れば、そんなに高い退職金になっているということではないのではないかと理解しています。
○政策評価官室長補佐
今回の退職金の算定ですけれども、基本的に独法の通則法等に則った形でやっておりますので、これ自体は適正にやっております。しかも本来、業務実績だけで見ますと、1.0を超えるような評価にはなっているのですけれども、そこは先ほど代理からも話がありましたように、国民目線の観点とか法人の経営状況といったものをいろいろ勘案して、1.0でいいのではないかということでやっております。おっしゃるようなご意見は、WAMだけではなくて、独法全体にかかわることなので、ご意見として承っておきたいと考えております。
○真野部会長
週刊誌的に一時期、退職金が高いのではないか云々と言われていたけれども、そういうときの金額に比べると、これはかなり減少しているのでしょうか。そういうことですね。
○政策評価官室長補佐
当然、国家公務員に合わせて落ちていっておりますし、それ以上に落ちていっておりますので。
○福祉医療機構総務企画部長
国家公務員と今回の退職金との話は連動しておりません。国家公務員のほうは年金が直接加算の部分が高いということで、今回退職金が引下げになるということだろうと思いますので、当機構の役員あるいは職員の退職金について、基本的に影響しないだろうというように理解しております。
○五十嵐委員
先ほどお話が挙がった中では、監事の職務をやりながら、是非理事になって直接やっていただきたいという高い評価を受けていると。なおかつ、ここのところずっとS評価が多く、経理・総務を担当して尽力された中で、さらに1.2が出てきたのに、それを1.0に下げてしまうと、努力した結果はどこにも反映されないのかということで、むしろ私は逆の意見というか感想です。
○真野部会長
確かに人員削減に対して、かなり努力された形跡は窺い知れますが、1.2を1.0にしたのはどういう根拠でしたか。
○政策評価官室長補佐
資料集の154頁に、厚生労働省の評価委員会決定で、「業績勘案率の決定方法について」というのがあるのです。その中で、業績勘案率については評価の点数と、さらにそこから1.0を超える場合については、例えば在任期間中に目的積立金の状況等に照らして適切であるかどうかを考えるとか、そういったことがあります。それ以外に特記事項が何かあるかとかですね。評価的には1.2とか1.3とか、1.5が出てくることもあるのですけれども、ほとんどの法人が目的積立金を積んでいないところから、それが抑えられて1.0という形になっております。
これまでも他省庁を含めて、500例を超えるぐらいの退職金の業績勘案率が出てきているのですけれども、基本的に1.0です。検査院などで指摘があったことについて責任を取らされる、責任があるのではないかといった場合については、0.9というのがあります。全省庁を見ても1.2というのが、今までにいちばん高い。それも事例としては10件もない件数でしかない。ですから個別に素晴らしい業績を上げて、なおかつ目的積立金等を積んでいるという状況でないとなかなか。総務省の政・独委で意見が出て返ってきて、厚労省の部会の中でまた議論しないといけないということになっております。
○五十嵐委員
うんと悪いときは0.0までということなのでしょうけれども、逆に、目的積立金も相当厳しく削減したのに、積立金のときにもなかなか認められない方向になっていく中で、折角こういう制度があるのにいつも1.0というのは、何となく腑に落ちないなと。これはもう個人的な意見なので、どうしても何かということではありません。
○真野部会長
大島先生はよろしいですか。
○大島部会長代理
はい、もう先ほど言った意見で。
○真野部会長
種々ご意見はあるわけですが、一応政・独委のほうには1.0という形で連絡させていただきます。それでまた政・独委のほうから何か言われた場合は。
○政策評価官室長補佐
意見なしで政・独委から返ってくれば、それを部会長にご報告して決定になるのですけれども、もし意見ありで返ってきますと、手続上またご議論していただいて、もう一度政・独委のほうで諮るようになっております。例えば1.1で出した場合に、その後に政・独委といろいろなやり取りをするのですけれども、その中で出した資料でも政・独委が納得できないという意見が返ってきますと、さらに新たな実績を積み上げた上で再度1.1で出すか、新たなものはないので1.0で出すかということになろうかと思います。
○真野部会長
今のところは1.0で出すという話ですよね。もし1.0に対して何か意見があった場合は、いまのような手続を取るということですね。
○政策評価官室長補佐
はい。
○真野部会長
では、この件もよろしいですか。いろいろなご意見がありますが、一応1.0で出させていただきます。それでは最後に、長野理事長からご挨拶をお願いいたします。
○福祉医療機構理事長
今日はありがとうございました。私から最後に一言、お礼を申し上げたいと思います。委員の先生方におかれましてはお忙しい中、平成23年度の業務実績の総合評価、第2期中期計画の暫定評価、さらに見直しの当初案について、私ども福祉医療機構が実施している多種多様な事業全般を深くご理解いただいた上で、ご審議並びにご評価いただきまして、誠にありがとうございます。私どもは毎年度、当評価委員会における先生方のご意見、ご助言などを励みに、事業運営、組織の見直しなどに前向きに取り組んでまいりました結果、より一層効率的な業務運営体制が築けたものと私は確信しております。
当機構は平成26年4月には、独立行政法人から新たな法人に移行することとなります。私どもとしては今後とも引き続き、小回りの効く福祉医療の支援の専門店として、国民の皆様にお役に立ちたいと考えております。私自身も理事長に就任してから5年目を迎えております。部会長からも、「お客さまに選ばれ続ける組織として」というお話がございましたけれども、今後さらにリーダーシップを発揮して、お客さま目線と健全性という2つの経営上の物差しを念頭に置き、効率的かつ効果的に事業運営を行うとともに、多岐にわたる事業を1つの法人で行うという強みを今後も活かして、当機構の総合力を発揮していくことで、福祉医療機構の存在意義が少しでも高まればと、強く念じているところです。委員の先生方におかれましては、今後も引き続き当機構に対して、ご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。本日はありがとうございました。
○真野部会長
それでは、福祉医療機構の案件は以上です。
(法人及び所管課入れ替え)
○真野部会長
医薬品医療機器総合機構について審議を行いたいと思いますが、最初に財務諸表について五十嵐委員からご説明をお願いします。
○五十嵐委員
財務諸表に関しては、平成24年7月12日に説明を受けさせていただきました。レビューした結果の不明点についても、ご質問申し上げ、回答もいただきました。その結果、資料3-1の原案どおり承認することが適当であると考えております。
○真野部会長
PMDAの財務諸表について、何かご意見がございますか。よろしいでしょうか。早々ですが、平成23年度の財務諸表に対する意見としては、資料3-1に取りまとめさせていただいて、厚生労働大臣に提出させていただきたいと思います。
医薬品医療機器総合機構の総合評価について、審議させていただきたいと思います。起草委員である平井先生、よろしくお願いします。
○平井委員
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」)の平成23年度業務実績の評価結果に関する評評を行わせていただきたいと思います。PMDAは、医薬品の有害事象の補償と、新しい医薬品・医療機器の認可という大きな2つのお仕事をなさっているということですが、今年度は、平成21年2月に定められました第2期中期目標の第3年度ということで、その達成度についての評価になろうかと思います。
健康被害給付業務についてですが、こちらは請求件数の増加にもかかわらず、標準的事務処理期間8カ月以内の達成率について、平成23年度の目標を上回っていることを評価したいと思います。今後は、標準的な事務処理能力期間6カ月以内を60%以上という中期計画で掲げた目標を達成できるよう、一層のご努力を期待したいと思います。
医薬品副作用被害救済制度に対する一般国民の認知度についてですが、内容まで知っている割合は5%、「名前は聞いたことがある」の割合と合せても2割強程度であり、制度の利用者である一般国民の認知度が高いとはまだ言えないと思います。ということで、更なる広報の強化、認知度を高めるための取組をされますよう期待したいと思います。また、相談を受ける立場である医療機関関係者の認知度はある程度保たれているのですが、一層向上し、具体的なところまで理解できるように宣伝をしていただきたいと思います。
審査等の業務ですが、新医薬品の総審査期間の目標は達成できたことは高く評価できると思います。また、後発医療用医薬品、一般用医薬品、医薬部外品等の行政側審査期間の目標を達成したことも、高く評価したいと思います。一方で、新医薬品の通常品目の申請者側期間の目標が達成できてないため、今後は行政側の審査期間の一層の短縮とともに、申請者側の期間の短縮も期待したいと存じます。なお、審査期間の短縮を進める一方で、副作用を未然に防ぐための審査過程における安全性の確認についても、十分に行っていくことが重要であると考えております。
新医薬品審査部門の増員計画の達成と審査員の質の向上は、非常に努力されておられると思いますが、国民の健康・安全の向上にますます積極的に貢献するというPMDAの理念に基づいて、より一層の審査体制の強化を期待したいと思います。医療機器の審査については、新医療機器の優先品目、通常品目、改良医療機器の臨床あり品目、後発医療機器の総審査期間の目標を達成できたことを評価します。一方で改良医療機器の臨床なし品目は、総審査期間の目標を下回っていることから、今後は総審査期間の目標が達成されるように一層のご努力を期待したいと思います。なお、後発医療機器は、総審査期間の目標を達成しておりますが、承認件数が前年度よりも減少しているということで、審査期間の短縮とともに、承認件数の増加と審査中品目数の削減も図っていただきたいことを期待します。
また、医療機器審査部門においても、ラグの解消に向けて段階的に増員するという計画になっているために、新医薬部門と同様に着実に増員を達成し、一層の審査体制の強化を期待したいと思います。さらに、平成23年7月から「薬事戦略相談事業」を実施しておられ、今後は当該事業を充実させ、日本発の革新的医薬品・医療機器の実用化が促進されることを期待しております。
安全対策業務については、より有効な医薬品・医療機器がより早く国民の手に届くと同時に、より安全な医薬品・医療機器が求められており、審査と併せ「車の両輪」としてリスクマネジメント機能の発揮が期待されております。平成23年度には患者からの副作用報告を受けるための制度構築の準備を行い、試行的に実施していること、また、安全対策のチーム編成を12チームとするなど、情報収集の強化や体制の整備が進められていることを評価したいと思います。なお、安全対策部門については、増員計画は未達成であるために、増員を達成し、今後も安全対策を一層強化されることを期待します。
組織対策については、幹部会をはじめ理事長の経営判断が迅速に業務運営に反映できる組織体制が確立されており、また、職員の意見を聴く場を設け、業務に反映させる取組を行っていることから、役職員が一体となって業務に当たる体制がつくられていると評価したいと思います。また、平成23年度には、「理事長特別補佐」や「規格基準部」の設置、「PMDA国際ビジョン」の策定とともに、レギュラトリーサイエンス研究推進のため、「PMDAにおけるレギュラトリーサイエンス研究に関する基本的考え方」を策定するなど、効率的かつ機動的な業務運営のための取組がなされていることも評価したいと思います。
財務状況については、コスト削減、競争入札の促進などにより、目標を大きく上回る経費削減がなされている上、業務についても適切に経営されており、法律的な予算執行がなされていると高く評価します。なお、1人当たりの人件費も削減されていますが、それにより職員の士気が低下する恐れもあります。給与面以外にも個人の資質向上のための体制を敷くなど、インセンティブを付与していくことが重要であると考えます。
全般的に「医薬品の副作用又は生物由来製品を介した感染等による健康被害の迅速な救済を図り、並びに医薬品の品質、安全性及び安全性の向上に資する審査等の業務を行い、もって国民保健の向上に資することを目的とする」というPMDA設立目的に従い、適切に運営されていると評価し、講評とさせていただきます。
○真野部会長
各委員のご意見をいただく前に、評価書の中に「国民からの意見の募集を行い、その意見を踏まえて評価を行った」という記載があるということなのですが、これに関して法人からコメントをいただければと思います。
○医薬品医療機器総合機構企画調整部長
資料でいちばん下か2番目にお配りしてあります、8月9日付の「独立行政法人医薬品医療機器総合機構の業務マネジメント等に関する意見募集の結果」という独法評価委員会で行っていただいた資料がございます。これに沿ってご説明をさせていただきたいと思います。これについては、延べ4件のご意見をいただいております。それぞれについてコメントをさせていただきたいと思います。
1つ目の意見、1頁のいちばん上にあるものですが、これについては審査期間の目標は、総審査期間のみにして、行政と申請者側の区分はやめるべきではないかというご意見です。私どもとしても、審査期間については、総審査期間の目標達成が最も重要という点は同感です。ただ、効果的な対策を考える上で実情を詳しく把握する必要があると思っており、現在の中期目標に定められておりますように、行政側、申請者側の内訳についても把握していくのが適当ではないかと考えているところです。
2番目の意見です。こちらは通常品目の審査について、各審査プロセスごとの行政側の処理期間、これは業務実績報告書にすでに掲載されているのですが、申請者側も併せた総審査期間についても、各審査プロセスごとの処理期間を示すべきというご意見だと思います。これは統計の数字の取り方の問題で、ご指摘のような総審査期間の数字は持ち合わせてないのですが、ただ優先審査と通常審査を併せた全体については、各審査プロセスごとの総審査期間を平成23年度の業務報告において公表しておりますので、こちらをご参照いただければと思っております。
意見の3番目です。一言で言いますと「積極的な国際活動推進」ということが書かれているけれども、具体的にどのようなアウトプットを目指しているのかと。国際調和の推進と言いながら、実際の審査では日本人の症例の収集に固執した助言や指摘が多いではないかというご指摘です。この文章については、中期目標に書かれている文章です。
PMDAとしては、これを受け、国際的な規制調和や治験環境の整備といった取組であるとか、海外の規制情報を速やかに日本国内の安全対策につなげる、といった取組を行っているところです。国際的な規制調和については、ICHを中心に推進しているのですが、一方、医薬品の有効性、安全性については、民族差がある可能性があるということでして、このためICHにおいて「外国臨床データを受け入れる際に考慮すべき民族的要因についての方針」、こういう指針が取りまとめられております。PMDAでは、この指針に基づいて、日本人の臨床データの必要性や海外臨床データの受け入れについて、判断をさせていただいているところです。
意見の4番目です。企業のDTC広告(ダイレク・トゥ・コンシューマー広告)については、機構で審査すべきというご意見です。PMDAとしては、まずは本来業務である医薬品とか医療機器の審査の充実に専念したいと思っておりますが、このご意見については私どもだけで判断できる事項でもないので、担当である厚生労働省医薬食品局にもお伝えしたいと思っております。コメントは以上です。
○真野部会長
このことも含めて議論をさせていただければと思いますが、どうでしょうか。このことというのは、このご意見も含めてです。
○橋田委員
このコメントについて、最初にお聞きします。2つの個人と団体から来たということですが、これが多いのか少ないのかといいますか、そういう社会からの反応としてどう考えるかということなのですが、これは厚生労働省のホームページに出されて意見を募集されたということでよろしいでしょうか。おそらく期間とかアナウンスの仕方とかによるのでしょうが、何かせっかくされるのでしたら、できるだけ多くの声が集まる形、それはむしろ十分PMDAの活動が周知されているからあまり出ないことがあるのかもしれませんが、その辺は少しさらに工夫をいただけたらと少し思いました。
あと、先ほどの評価案について、少し意見といいますか補足をさせていただきたいと思います。最初にございましたように、PMDAは国民の医療の向上に対して非常に大事な役割をしておられるということです。業務ですが、健康被害の救済給付業務は非常に適切に進められていると思います。また、安全対策業務は非常に重要な業務、役割ですが、こちらも是非内容を大事にしていただいて、引き続き進めていただけたらと思います。
審査業務ですが、これも非常によくやっておられると思うのですが、これは一方で「ドラッグラグ」「デバイスラグ」という言葉が非常に社会的に出ておりますので、それで社会の関心も高いわけですが、逆にそこが非常にスポットライトを浴びているきらいも多少感じるところもございます。そういう意味で審査の内容を考えるときには、もちろんそういうスピードもございますし、あるいは定量的な側面もありますが、同時に質の面というのも非常に大事だと思います。その意味でむしろ質に関しては、科学委員会でしたか、レギュラトリーサイエンスなどをこれから非常に振興していかれて、機構としてそういうものを後押ししながら、サイエンスと審査を結んでいかれるということですから、これは非常に大事なことだと思いました。
あと、この前質問でも申し上げたかと思いますが、機構の組織全体でできるだけ情報を共有されるシステム、それから審査のプロセスと結果のフォローアップを何か構築していかれることをされて、要するに過去のいろいろな経験なり、それが最終的にアウトプット、もちろん市販後調査とか、そういうところで結果が出てくると思いますので、そういったものの対応関係は大事にしていただいたらいいのではないかと思います。
もう1つは、いまの質問にもありましたが、国際的な連携の話でして、これもICHということがありましたが、あれは一方でもちろん新薬の開発でして、産業界も随分一緒にやっているかと思いますが、WHOとかもございますし、いろいろな所の動きがあるかと思いますので、そのあたりは是非情報をお集めいただいて、的確に社会のすう勢が日本のそういう行政というか審査に反映されるように、あるいは日本の事情から外国の新薬開発に向けても情報がたくさん発信できるように、このあたりは是非機構で役割を果たしていただければと思っております。全般としてこの話を聞かせていただいて、非常によくやっておられると感じました。
○真野部会長
コメントという感じで、特にご質問ではないということでしょうか。ほかはいかがでしょうか。いまのパブリックコメントを募集されたということですよね。
○政策評価官室長補佐
それにつきましては、法人、個別にというのではなくて、評価官室で一括して取りまとめて、全法人分を掲載させていただいているところです。それで、国民からのご意見は当然大切だと思っているのですが、今回、個別評価と総合評価の間が若干短かった関係もありまして、昨年は1カ月間ぐらい取っていたのですが、今回は2週間ということにさせてもらっております。意見自体は、厚生労働省の法人全体で100件ほどあったのですが、実際に結構集中している法人がございましたので、その意見自体が全然ない法人もありまして、このPMDAさんの4件は、それなりの数ではあるということになっています。
○真野部会長
何週間ぐらい募集したのですか。
○政策評価官室長補佐
2週間です。
去年度は1カ月ほど実施いたしましたが、今年度は、個別評価と総合評価の期間が短かったこと、他省庁での実施期間もお聞きし、1ヶ月より短い省庁も多かったこともあり2週間とさせていただきました。
○真野部会長
去年はコメントの話はありましたか。
○政策評価官室長補佐
去年も個別に来ている法人については、全部コメントはしております。
○浅野委員
評価全般のご意見は、もっともなことだと思います。1点、質問というか意見も踏まえてなのですが、昨今、PMDAさんはマスコミあるいは世間からも非常に注目されているということで、その流れを見ますと、例えば戦後を見ても、PMDAさんの医薬品の審査は、世論あるいは一般社会から非常にいろいろなことを言われるのはいままであまりなかった、副作用では確かにあったと思うのですが。例えば、創薬力が足りないとか、もっと臨床に役立つ薬が欲しいとか、そういうものが挙がってきている。それから、先ほども挙がりましたが、日本再生戦略の中では医療福祉ということで、こちらをかなり再生の要にしたいということで、産業総勢力の基盤になってきている。あと、内閣府の中の医療イノベーション5カ年戦略の中では、PMDAさんは固有名詞として名前が挙がってくると。国のいちばん上の所でそういう名前が挙がってくるという状況になっておられて、いまどう受けとめられているのか率直なところ、意見として伺いたいところです。
○医薬品医療機器総合機構理事長
この数年かけて日本国民全体の健康をどう守っていくかは、国民全体がみんな関心を持っていることですし、世界中も新しい薬とか新しい医薬品に関しては、躍起になって推進していこうという流れになっております。私自身、このポジションに就いたときは、これは全くドメスティックな組織であると思っていたのですが、諸外国、並びに全体を見てみますと、みんなが創薬とか創医療機器に力を合わせている。これは国にとっても本当に最も重要で大きな装置になっていることは感じているところです。そういうこともございまして、特に日本もこれから世界の中でそれなりの立派な立場を取っていかなくてはならないと思ったときには、PMDAの役割は新しい医薬品・医療機器ができるのをサポートする大きな役目であると思いますし、また、いままでの大きな苦い経験もございますので、そういう中から安全性とか、そういったものもしっかり見立てていって、何と言っても世界でインテリジェンスによって、世界で評価される国になっていかなくてはいけないと思います。
したがいまして、全力を振るって前向きな審査と同時に安全性についてもしっかりと見ていく。得てして安全性を無視される傾向は、加速された世界の中にあり得るわけですが、私どもはそこはいままでの経験をきちんと踏まえて、しっかりと見ていかなくてはいけないと思うし、そういうところを見ていくことが先進国の役目ではないかと思うし、そういう見方が新たな安全対策として、より日本のものが安全であるという評価につながってくるのかと思っているところです。したがいまして、改めて申し上げるまでもなく、日本の国民のための最も大事な機能等を果たしていきたいと思うところです。
○浅野委員
まさに創薬力とか開発の面だけをしますと、ややもするとアクセルだけで、ブレーキが非常に重要だということを是非、逆にそれがあるから日本の薬がいままで、最近はそういった副作用もなく、米国ではいくつかいろいろな事例がありましたが、そういうことも回避できたということで、創薬力イコールこれは安全性、安全対策事業などもきちっとあるからということも啓蒙していっていただいて、バランスの取れた業務が進められることを願っております。
あと、医療機器に関しても、近は非常にニーズが強い。それから医療機器は、かかわる業界が非常に広いと思います、機械とか、電機とか。したがいまして、こちらも振興すると、日本にとっても結構プラスな面はありますので、ややもすると、「医薬品医療機器総合機構」なのですが、時には「医療機器医薬品総合機構」だと言われるぐらいに是非バランスを取ってやっていただければ、日本の再生にとってはいいのかということで、せん越ながら意見をさせていただきました。
○真野部会長
ありがたいエールをいただいたという感じでしょうか。
○平井委員
いまの浅野委員のご意見にも関係するのですが、ついこの前、抗がん剤の副作用に関する健康被害の救済制度ということでコメントが出ましたが、これではまだまだデータが足りなくて、今後また検討を続けていく必要があるという結論になるかと思うのですが、これについてどういうふうにお考えなのか。私自身としては、いま新しい抗がん剤が非常にたくさん出ているのですが、特に分子標的薬などは同工異曲のものがすごく多くて、しかも値段が非常に高いのもあり、これをどこまで加速するのかは非常に危惧している部分もあります。
先ほど浅野委員のご意見にもありましたように、安全性というところをある意味1つのブレーキというのですか、バランスを取る1つの部分として、何でもかんでも新しいものがいいというのは、少し問題があるのではないかという考え方を広めていただくとともに、そのものだけではなくて、使い方も含めて審査をしたり、認可したりとか、そういう面もお考えいただければいいのではないかと思うのですが、理事長のお考えを尋ねたいと思います。
○医薬品医療機器総合機構理事長
医療の現場からおそらくいろいろなバイオマーカーがどんどん見出され、きっと抗体新薬はどんどん次から次と出てくると思いますし、おそらく日本の科学者のバックグラウンドからすれば、世界で最もトップクラスの数の抗がん剤は出てくるのだろうと思います。しかしながら、いま先生がおっしゃられたように裏側がございます。そこら辺のところについても安全対策にどれだけ、より科学的な方法がどんどん出てくるのだと思いますので、そちら側の面の研究も進めていきながらいかなくてはいけないと思っています。
それから、厚生労働省全体、文科省もそうだと思いますが、1つは治験の体制をどんどん強化していく流れがございます。世界で最初の認可される国になる、つまりファースト・イン・ヒューマンのフェーズ1を日本でどんどんできるような国になっていかなくてはならないわけでして、そういう中でも医療の現場とものすごく密接に関係した治験体制を力を合わせて進めていかなくてはいけないと思っております。これこそは、つまりものは10分の1ぐらいしか出てこないかもしれませんが、まずい薬だとわかるとしても、それは最低限の副作用で止める工夫もしていかなくてはいけないと思いますし、逆にそれをどんどん進めていかなければ日本が世界のトップになっていかないのかと思います。
それから、前回も申し上げましたように、世界中の製薬メーカーが日本で治験を最初にやろうかと思う国になるほどの医薬品の創薬国として、企業、並びに病院がしっかり力を合わせていく体制をできるようにしていかなくてはいけないと、いまでもずっと思っていますが、多くの大学がそういう方向でいま動いてくださっているのは非常に嬉しいと思っているところです。
○大島部会長代理
全く素人の質問で申し訳ないのですが、私の周辺で再生医療に関する期待を持っている難病の患者さんはたくさんいるのです。その審査も世界中でこれから始まるのだと思うのですが、そういうものに独立行政法人として同じペースで世界中でタッグを組みながらできるのかどうかが、新しい局面だと思いますので、非常に心配している人たちが多いということを聞きます。その辺の対応というか新しい動きに対して、例えば予算がないので開発にも、マラソン大会をして寄付を集めるとか、何かどこの国の話だろうみたいなことで開発している研究者もいらっしゃるということで、そういう中でこれからどういうふうに新しい局面体制を取っていかれるかをお聞きしたいと思います。
○医薬品医療機器総合機構理事長
再生医療は、いままでは医薬品とか医療機器とかありましたが、もう1つの新しい医療だと思います。多くの国がまだまだ手探りの状況であることは間違いないですし、また、どうやってやればいいか、本当のことは最先端の人と同じぐらい悩んでいるかと思っているところです。中には思いきってゴーサインを出した国もあるやに見えますが、しかしながら国民の目線はもっと厳しいものがございまして、必ずしも勇気を持って目をつぶっていく話ではないと思います。
しかしながら、多くの再生医療についても、品質については少しずついいものができていくことが明確になってきましたし、また、開発している方々にとっても、いままで無視してきたことは、やはりしっかりやっていかなくてはいけないと思うようになってきているところでして、おそらく間近に再生医療が社会の中にどんどん提供されていくと思います。また、当PMDAとしても、再生医療専門の分野を近日中につくる予定です。端から再生医療を前提にして審査をする部門をつくっていこうと思っているところです。いままでは生物の一部で仕事をしていたという面もあるのですが、その扱うのを正面から先駆けてやっていこうと思っているところです。失望はさせないつもりです。
○石渡委員
私も薬品とか医療機器については全くの素人なのですが、たしか理事長が、PMDAをこの分野で世界のブランドにしたいということを前回おっしゃっていたことに、とても感銘を受けております。本当に最先端の活躍をされていらっしゃいますし、それには、職員研修のシステムとか組織として情報を共有するなど浅野委員もおっしゃっていましたが、その辺のシステムが素晴らしいとも感じております。1週間くらい前にも日経新聞の1面で紹介されていて、国民の関心も高いということを感じさせられます。
専門職間の情報共有は、とてもかっちり確立されていると思います。私は個人的には、薬害被害に遭った方との接点が多い立場でして、そういう方と接している中では、一般国民に対して最先端の医療情報をどう提供するかについて工夫していただければということを感じています。薬害救済などに関してはPMDAさんがしっかりやってくださっているのですが、こういう救済制度を他の被害に関しても広げられないかと、PMDAがしっかりやっていらっしゃるだけに思ったりもするのです。一般国民へ副作用の情報提供などに関してかっちりやってくださっているとは思うのですが、救済に関して薬害以外との接点はないのかというところを教えていただけたらと思います。
○医薬品医療機器総合機構理事
救済担当の理事をしております石井と申しますが、大変申し訳ございません、お尋ね、ご指摘のポイントは、何か新しい特定の被害への救済制度を新しくつくっていくことの方向性を、まず1点おっしゃられたのでしょうか。
○石渡委員
全く違う立場での被害ということで、例えば最近も水俣病の方の救済が打ちきられることなどが話題になっています。そういう分野は違うと思うのですが、救済というところで共通するノウハウを、薬害の方に関してかなり確実にやれているだけに、ほかの分野の方からすると何か納得できないという声なども聞くものですから。違うことが原因で救済を求められる分野との連携とか、薬害の分野で蓄積してきたノウハウを他の分野に伝えるというようなことは考えられないのかと思った次第です。
○医薬品医療機器総合機構理事
正直申し上げまして、いまこのご指摘をいただくまでは、私自身はそういう点についての具体的な取組等をやってきているわけではございません。具体的にどういうことがあるのかも、何とお答えしていいか、申し訳ございません。
○石渡委員
ありがとうございました。よろしいです。
○医薬品医療機器総合機構理事
いちばん最初にご指摘いただきました、一般の方向けの情報提供の問題ですが、PMDAにおきましても一般向けに重大副作用の発見につながることを目的とする医薬品ガイドとか、あるいは、患者さんから直接副作用情報をいただく試行を始めております。PMDAも副作用情報とか、救済の情報とか、それについても全部公開しており、そういうことをやっているわけですが、さらにホームページ等を充実させて、もう少しまた情報提供を充実させることも、大きな課題だと思っておりますので、検討させていただきたいと思っております。
○医薬品医療機器総合機構理事長
私は長い間医者をやっていまして、治験も随分携わらせていただいたわけですが、昔は一般的に治験というと製薬企業からこういうプロトコールで薬をやってくださいと持ってきて、そのままやるだけですが、それについてお医者さん一人ひとりは、どれだけ薬について真剣に見て治験したかどうかは非常に怪しいものだと思う。どちらかというと、頼まれ仕事でやっている感じが多かったと思います。それぐらい薬自体が開発されるに当たって医療の現場がどちらかというと第三者的というか、かなり離れた所でやっていたかもしれない。効いたか効かないか、副作用があったかどうかを見て、最終的には薬になっていったのだと思います。
それほど昔の薬は強烈な薬がございませんでしたから、それで済んだのかもしれませんが、それが昨今のような非常に効き目の強烈な薬が、特に抗がん剤を含めて出てくるようになり、そういう治験では駄目だということで、ICH、GCP基準ではまさにそういう中で人権を重視した治験体制になっていったわけです。それでも昔の流れがずっとあって、お医者さん自身があまり治験に対して積極的な姿勢を持っていなかったわけです。
しかしながら、私はPMDAに着任して感じたことは、なぜそのようなつまらない治験だったのかと思っていたわけですが、それはそれだけお医者さんに対して薬の説明が治験に当たっても不十分だった。治験医師と名を連ねるだけであって、決して責任を持った医師体制はなかったと思います。それが今日、これはものすごく厳密になってきたわけです。お医者さん一人ひとりが、その薬の作用とか、副作用とか、予想されることは理解した上で参画しないととてもできない。それがだんだん広まっていくうちに、いままであった医師主導の臨床研究自体についてもそのような甘いもので臨床研究をやってはいけないと。しっかりと治験に沿った内容をやっていかないといけません。そうしないと公的に認められません。世界中がそうなってきたわけです。
そういうわけで一般の人はもちろん薬について関心が薄かったわけだけれども、医師自体も同じでした。それがいまは、ものすごい勢いで関心を持つようになってきたわけです。また逆に言うと、先ほど申し上げたように、世界で最初の治験を日本でやろうではないかという流れもそこに重なってくるわけです。PMDAをはじめとして、こういう治験が医療の世界で直接お医者さんに呼びかけながらやっていくようになることは、イコールこれは患者さん自身に対しても同じ影響が出てくるのだろう、情報が行くのだろうと思います。おそらく私たちもなるだけ薬の内容についてはわかりやすく国民に、正の作用とか、負の作用も含めてしっかり説明していく機会もどんどん増えてきております。おそらく石渡先生がお考えになっている以上に、これから急速に皆さん方に情報が行き渡っていくのだと思います。
残念ながら副作用被害救済制度について医師が50%しか知らないという現実は、PMDAはもちろん努力不足と言われても仕方がないのですが、いままでの治験の体制そのものから始めて、お医者さんがいかに治験をやっていたにもかかわらず、そのようなことも理解していなかったという医療の現場は問題でもあるわけです。ですから、そこら辺にも強烈に呼びかけていかなければならないと思います。おそらく日本医師会もついに重い腰を上げて、いろいろ関心を持って我々に近づいてくるようになってきたのです。ですから、社会全体がそういう関心を持つ流れになってきた。それはそれだけ厳しい薬がどんどん出てきたということだと思います。
○石渡委員
丁寧にありがとうございました。私自身も患者家族という立場で、抗がん剤の説明等について納得できない体験など、一市民として体験したりしております。これだけPMDAが専門性が高くいろいろな実績を挙げていらっしゃるのが、何か本当に専門職の間ではきちんと共有されているけれども、いちばん求められている患者の所にどれだけ伝わっているかというところでは疑問を感じます。患者家族の立場としてはとても厳しいものをたくさん体験しただけに、いま理事長がおっしゃってくださった方向を是非進めていただければと切に願うところです。
○平井委員
いまのご意見に対して思うのは、薬剤師がもっと頑張らないといけないと思うのです。私は病院にいたら思うのですが、ドクターは診断するところはものすごい力が要るのです。診断したら、そこでほとんど治療が終わったみたいな気持になっていて、こうなったら、こういう診断が付いたらこの薬に決まっているみたいなところがあるのですが、実際はそれほど甘くなくて、使い方もとても微妙な部分もあります。そこは、はっきり言って、ナースもドクターも薬に対する関心が低いです。だから、いろいろなことが起こります。そこは薬剤師がもっと努力しなければいけないので、今年から薬剤師の病棟配置などという治療報酬のことも決まりましたが、まだまだ足りないのが現状だと思います。だから、そういう部分で薬剤師が活躍しなければいけないと思いますし、PMDAのこういういろいろな啓蒙に関しても、もっと薬剤師のお尻を叩くこともやっていただいたらいいと思いますし、また、それを受けて我々も頑張りたいと思います。
私は思うのですが、いま見ていると、PMDAはものというか薬にすごく視線が行っていて、その使い方とか、あるいは、いまよく言われているリキ薬とか、ドラッグリプロファイリングとか言っている、そういう違った使い方に対しても評価をするのがまだ少ないかと思うので、そういう部分に関して、例えば栄養とか、運動とか、そういうこともみんな含めての評価みたいなものも今後やっていただけるといいのではないかと。パブリックコメントにあったのも、そういうところもあったのかと思いますので、その辺のご検討も是非お願いしたいと思います。
○真野部会長
いまの話などだと、費用対効果の話もありますが、費用とかは抜きにして、ガイドラインみたいなのを、どこがどうつくっていくみたいな話にもつながるのかとは思って聞いたのです。もちろん学会がつくるのも1つあるわけですが、治験のところの情報は断トツにPMDAがお持ちだから、そこら辺をうまく解釈して、薬に関してもう少し前向きというか前面に出るのもあるのかと、勝手な意見ですが、いま聞いて思いました。
○浅野委員
いまの先生方のお考えを聞いて、結構、いままであまり議論されてなかった分野で大衆薬がたぶんあると思うのです。薬は先ほど薬剤師がもっと頑張らなくてはというお話があったと思うのですが、ここは医薬分業が進んだお陰で、薬のルートがおそらく外来に関しては薬剤師さんを介して、従来は病院の中の病院の薬局から出ていったものが、いまは調剤薬局という薬剤師さんが独立管理している部分から大きく流通が変わっている。入院はまだ病院から出ていきますが、外来に関しては、流通のルートがどんどん病院ではなくて直接薬局を介して流れるようになった。
そうしたときに、さらに大衆薬になると登録販売員の方とか、医薬品の販売にかかわる方が非常に広くなっている。さらに、在宅医療が進むと、今度はヘルパーさんが、直接は薬事法の関係があって難しいですが、いろいろな投薬の面でかかわりが出てくる。そうすると、そういった薬剤師さん、登録販売員さん、ヘルパーさん、そういった医薬品の知識をもっと知らなくてはいけない人たちがきっと増えているので、いままであまり議論をしてこなかったのですが、そういうところにも少し何か医薬品の救済とか、あるいは審査がこうなっているとか、PMDAさんだけではなくて医薬品全体がこうしてみんなの健康に役立てられるのだということを介していくと、そういう方たちはもう少し国民に近い距離にあるので、一層有益ではないかと思っています。何か新しい動きになるのではないかと、意見までですので付け加えさせていただきました。
○真野部会長
非常に盛り上がった議論になったと思いますが、よろしいですか。もちろん、これはあくまで私見もかなり入っていますので、全部やったら大変かもしれませんが。ということで、個別評価の修正・確定をまた少しさせていただきたいと思います。先ほどから見ていると5分は要らないかもしれませんが、少しやっていただいて、こちらで適当に切りたいと思います。では、個別の評価について、またシートがあると思いますので、訂正があればお願いします。
○政策評価官室長補佐
総合評価書の確定を。
○真野部会長
すみません。話が盛り上がって、ここを飛ばしてしまったのですね。総合評価書の確定をしなくてはいけなかったのですね。そうしましたら、近藤理事長からコメントをいただいて、確定ということでよろしいですね。その前に確定ですね。
○政策評価官室長補佐
そうです。
○真野部会長
わかりました。すみません。そうですね、修正意見がなかったということで、評価の確定をさせていただきたいと思います。失礼しました。一応、議論はいろいろ出ましたが、修正意見はないということでよろしいですね。そうしましたら、これを平成23年度の業務評価と結果として法人及び政・独委に通知して公表させていただきたいと思っております。
(各委員了承)
○真野部会長
評価シートの前にもう1つ、近藤先生からの総合評価も含めてコメントをお願いします。すみません、議論が白熱して忘れてしまいました。
○医薬品医療機器総合機構理事長
本日は、平成23年度業務実績につきまして、大変ご熱心にご評価をいただきまして、誠にありがとうございました。ご指摘いただいた点を踏まえまして、平成24年度以降においても迅速な審査を図るとともに、安全対策の充実強化、救済給付業務を迅速な処理等、引き続き全力を持って取り組んでまいります。また、目標達成に向けて最大限の努力をしてまいりたいと思っております。
そのためにも、本年策定されました医療イノベーション5カ年計画、日本再生戦略の趣旨に則りまして、PMDAも更なる体制強化、業務改善に全力を尽くしまして、より有効で安全な医薬品や医療機器を逸早く国民の皆様方に届けるために、職員が一丸となって地道に業務を遂行していく所存でございます。今後とも皆様方のご指導、ご支援を、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。本日は、どうもありがとうございました。
○真野部会長
それでは、いまから評価シートの修正をしたいと思います。よろしくお願いします。
(評価シートの修正・確定)
○真野部会長
それでは、修正がなかったかもしれませんが、もし修正があった場合、また、これらの変化を反映したシートを作らせていただきます。もし、修正が必要になった場合の対応ですが、私のほうにご一任ということで、お願いいたします。
ということで、手違いがありまして恐縮でしたが、医薬品医療器機総合機構の審議案件は以上であります。ありがとうございました。
(退室)
○真野部会長
それでは、まだ退室の途中ではありますが、続きをさせていただきます。本日の議事は以上でありますが、本日ご審議いただきました総合評価と財務諸表の意見につきましては、厚生労働省独立行政法人評価委員会運営規程第3条の規定に基づいて、当部会の決定が評価委員会の決定となります。また、総務省の政・独委への通知・公表の手続きが行われることになります。さらに、先ほどから申しておりましたように「のぞみの園」と「福祉医療機構」の暫定評価書、組織業務見直し当初案、ともに案ですが、31日の総会で私のほうから報告させていただきます。
それでは、事務局から今後の予定についての説明をお願いいたします。
○政策評価官室長補佐
本日の資料の郵送をご希望される方は、事務局へお申し付けください。
今後の予定についてご連絡します。本日ご議論いただきました法人の総合評価書につきましては、事務手続を進めさせていただきまして、後日委員の皆様方に確定版をお送りします。また「のぞみの園」と「福祉医療機構」の暫定評価書につきましても、8月31日の総会で決定次第、お送りします。また、正委員におかれましては、既にご案内しておりますが、8月31日金曜日に9時30分より専用第14会議室にて総会を行いますので、ご出席方よろしくお願いいたします。また、医療福祉部会の夏の審議につきましては以上となります。また、少し先の話になりますが「のぞみの園」と「福祉医療機構」についての組織業務の見直し当初案につきましては、8月31日の総会審議後、12月に再度見直し案として医療福祉部会と総会にて、ご審議をいただく予定となっております。以上でございます。
○真野部会長
ありがとうございました。ご質問はよろしいですね。
それでは、本日は長時間にわたり、どうもありがとうございました。
<照会先>
政策統括官付政策評価官室
独立行政法人評価係: | 03-5253-1111(内線7790) |
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