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2011年11月8日 第4回労働政策審議会安全衛生分科会指定・登録制度改革検討専門委員会(議事録)

○日時

平成23年11月8日(火)17:30-19:30


○場所

厚生労働省専用第23会議室(中央合同庁舎5号館19階国会側)
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号)


○出席者

〈委員:五十音順、敬称略〉

今村肇、小畑明、杉山豊治、瀬戸実、土橋律、内藤恵、三浦武男、和田義博

事務局

宮野甚一 (安全衛生部長)
田中正晴 (安全課長)
亀澤典子 (環境改善室長)
中山理 (石綿対策室長)
野澤英児 (主任中央産業安全専門官)

○議題

1指定・登録制度改革の論点等について
2その他

○議事

○土橋座長 全員お揃いということですので、「第4回指定・登録制度改革検討専門委員会」を開催します。最初に、資料の確認を事務局からお願いします。
○中山石綿室長 本日の資料は、資料1は座席表、資料2は委員名簿、本日の議論の中心となる資料3「指定・登録制度改革検討専門委員会報告書(案)起草に当たっての論点」についての3点を配付しています。
○土橋座長 お手元の資料に漏れはないでしょうか。よろしければ、議事に入りたいと思います。前回までの審議あるいはヒアリングを踏まえて、報告書(案)の論点と方向性について、事務局と私のほうで相談してまとめたものを本日の資料として配付しています。本日は、これをたたき台として皆様に報告書の方向性についてご議論いただいた上で、事務局と私のほうで報告書(案)を取りまとめ、次回、その報告書(案)について検討するといったことで進めたいと思っています。
 資料について、まず事務局から説明をお願いします。
○中山石綿室長 ご説明を申し上げます。5頁の資料3を開けてください。この論点は、厚生労働省の独立行政法人、公益法人等制度合理化委員会の報告書で挙げられている論点、これまでのヒアリング等で明らかになった事項について論点として挙げています。Iは、全指定法人は指定根拠法令の検討を通して、その在り方を全面的に見直すことをこの報告書で言われていて、具体的には指定法人として当該業務を実施するという制度自体の検証を指摘されています。それを受けて、1、2の2つの論点を挙げています。労働安全衛生法に基づく国家試験の事務を指定試験機関、指定登録機関が実施することについて、それから指定法人を一法人に限ることについての2点を論点としています。
 2頁の3として、労働安全・労働衛生コンサルタント、作業環境測定士の登録制度についてです。コンサルタント等については、試験に受かったあとで名簿への登録を経て、それぞれコンサルタント等になるということになります。その登録という仕組み自体が必要かという論点です。4は、この試験と登録を、いま現在、別の所が指定を受けて実施していますが、そういった別の形でやることが妥当かという論点です。
 IIの論点です。委員会の報告書の中で、指定根拠法令を存置する場合には、その指定先選定理由の情報公開、プロポーザル方式を含む参入要件、新たな指定基準など「新ルール」を制定することを求められていて、その際には、特定の法人が既得権として長期間にわたり指定による業務を実施するのではなく、より適切な法人が選定されるための環境整備も必要ではないかとの指摘を受けています。そういったことの前提として、1で、現行法令において、既に指定を受けている指定法人の取消ができるかについて論点として挙げています。
 次の頁は、それができる前提で2として、指定先選定理由の情報公開、プロポーザル方式を含む参入要件、新たな指定基準など「新ルール」の制定について検討をいただくこととしています。
 これについては、下のIIIで挙げている試験料にかかる論点の対応と合わせて、後ほど詳しくご説明、ご議論をいただく予定ですが、第三者委員会による対応をご議論いただきたいと考えています。
 IIIの試験料の関係について、大きく2つに分けて論点を提起しています。次の頁に挙げているように、試験業務、登録業務のコストが適正に反映された手数料になっているのかという論点。そのコスト自体が適正なものかということで、2つの論点を挙げています。また、これに関係して起草の方向の欄の下のほうですが、収支における赤字の幅が大きい試験が2つありまして、これへの対応についても論点として挙げています。
 次の頁からは、登録制度についてご議論いただこうと考えています。これはボイラー等の特定機械については、その安全性を担保するために製造地等において厚労大臣の登録を受けた機関の検査を受けることが定められていますが、その検査・検定を行う機関の登録制度について、民間産業を促進するための登録要件の緩和、見直し等を行い、登録法人数の拡大を図ることが求められています。こうした観点で、現在この基準については省令ないし通達等で定めていますが、その基準の各項目について安全性に影響がない範囲で、できるだけ合理化するという観点で、一つひとつ検討を行って、論点として列挙しています。
 1-1は、検査・検定員の養成研修の要件についてです。これについては、登録機関として登録を受けるためには、検査・検定員をまず確保しなければなりませんが、検査・検定員になるための要件として、既に登録機関として検査を実施しているところで研修を受けることが求められていて、これが新規参入の障害になっているおそれがあるといったようなことが、これまでのヒアリング等でわかったかと思っています。一方で、そこに記載してありますように、民間会社等で経験を長年積むことで、研修終了者と同等の知識・経験を有する方や、関係資格を取得することで、相応の知識を有している方も存在すると考えられますので、こういった面を踏まえた緩和についてご議論させていただければと考えています。
 次の頁の1-2の検査・検定員の学歴の要件は、現在工学系に限定していて、これが実務経験との兼ね合いで引き続き維持する必要があるのかといった点について、ご提案させていただければと思っています。
 検査・検定員の数の要件です。年間1人あたり800件までという基準を定めていますが、これを緩めるべきか否か、見直しが可能かといった点についてご議論いただければと考えています。
 2の検査・検定員の指揮・業務管理者の学歴要件についてです。検査・検定員の指揮等をする者についても、検査・検定員と同様に工学系の卒業者に限定しているというのが現状で、仮に検査・検定員について要件緩和するのであれば、こちらについてもどうかといった点についてご議論いただければと考えています。
 3の検査・検定員に用いる機械設備の要件です。これについては、現在通達で貸与でも差し支えないということが明示されていないといった点がありまして、この点についてご議論いただければと考えています。
 次の頁は、第三者性の要件です。検査を受ける対象の機械をつくっている会社と関係がある機関が検査してはいけないという要件で、公正・中立な検査・検定を実施するための要件として維持することが妥当なのではどうかという点について、ご議論いただければと考えています。
 最後は、粉じん計の較正事業についてです。粉じんが発生する職場の作業環境を測定するためのデジタル粉じん計が、正常に機能しているかの確認を登録の受けた機関が行うこととされていて、その登録基準についての論点です。この較正事業にかかる登録基準は、そこに記載しているように3点の要件が設定されていて、これを維持すべきかどうかについてご議論いただければと考えています。以上、簡単ですが事務局からの説明はここまでとします。
○土橋座長 ありがとうございました。ただいまの資料の論点に沿いまして、審議を進めていきたいと思います。最初は制度面についてですが、まずは免許試験等の国家試験やコンサルタント、作業環境測定士の指定・登録事務を、1つの指定法人に限定して行わせていることについてということでご議論をいただきたいと思います。
 資料は、太いほうの字の6頁の1、2になるかと思います。国が自ら行わないことについては、そもそも国の人員をスリム化しようという、これまでの臨調や行政改革の結果ということで指定法人に行わせているということのようですので、公務員人件費の削減を内容とする法案も前国会で提出されている中、この点については現状で良いのではないかと思います。
 次に、1つの指定法人に限定して行わせていることについてですが、ヒアリングなどからは、これらの試験の実施には相応の専門性及び高度の公正性が求められることが出てきました。具体的には、関係分野の専門的知識が必要であるとともに、全国斉一な試験を各年の難易のばらつきなく、安定的に実施する必要があるということです。第2回の参考資料3にありましたが、他の省庁で行われている国家試験についても、国等が自ら実施する場合を除き、すべて1つの指定法人が実施している実態もあります。また、登録事務については、個人情報の適切な管理に加え、データベースの統一的、安定的運用も担保する必要があります。それから、例えばコンサルタントの場合には年間の登録件数が300件程度ということもありまして、そもそも事務のボリューム自体が複数の法人を必要としないというのが実態かと思います。
 そのようなことを踏まえると、ここにありますように法人を1つに限定して、指定法人に実施させるという、いまの形態が適当かと思われます。このようなまとめになっていますが、いかがですか。ご意見がありましたらお願いします。よろしいですか。それでは、これらの試験業務、登録業務については、引き続き1つの指定法人に行わせると。
○今村委員 1頁のIの1の1の2つ目の・の、「国家公務員人件費の削減及び国家試験という業務の性質上、高度の公正中立性を担保する必要(全国斉一な試験を各年の難易のばらつきなく安定的に実施する必要)」で、抜けているところがあるような気がします。途中でやめられては困るわけですから、持続性というサステイナビリティみたいなことは考えておられないのかをお聞きしたいと思いました。
○土橋座長 その辺も重要かと思いますが、事務局側はいかがですか。
○中山石綿室長 当然、先生がいまおっしゃった持続性についても担保すべきと考えています。その点について、現行の指定基準について安衛法で規定していますが、そこでも実施体制について十分な体制を持っているところを指定する形になっていますので、そこは引き続き重要な点かと当方としても認識をしています。ということで、今後報告書を起草する段階では、いまご指摘の点についても可能な限り反映させてまいりたいと思います。
○土橋座長 それでは、持続性という観点も書き加える方向でよろしいですか。
                 (異議なし)
○土橋座長 そういうことも加えた上で、この形でまとめたいと思います。
 続いて、7頁の3のコンサルタント試験、作業環境測定士試験については、合格後に登録が必要になっている。このことについて、事務局から少し補足をいただきたいと思います。
○中山石綿室長 安全衛生法では、コンサルタントは、「コンサルタントの名称を用いて他人の求めに応じ、事業場の安全・衛生についての診断及びこれに基づく指導を行うことを業とする」と規定されています。コンサルタントは、この資格がないとその業務に就けないといった業務独占の資格ではなくて、コンサルタントを名乗って業をしてはいけないという名称独占の資格になっています。コンサルタントが、事業場の安全・衛生の診断を行うためには現場に立ち入ることが出てきて、生産技術や機械、作業といった企業秘密に触れることも生じてきます。この秘密の保持等が非常に重要になってくるという実態があります。つまり、コンサルタントがこうした企業秘密を同業他社に漏らしたりするといったことが起きますと、コンサルタントへの企業の信頼が失われてしまいまして、労働災害防止の活躍の場が得られなくなるということが危惧されます。
 コンサルタント試験については、労働災害防止に関する技術、経験、ノウハウを評価するものですので、誰でもこうした能力を持っていれば合格することができます。このコンサルタントの立場を使って不適切な行為を行ったとしても、技術、経験、ノウハウを評価した試験結果を取り消すことはできない規定になっています。そのため、合格のあとに「登録」というものを残して、コンサルタントを名乗って業として活動できないようにしておくということで、コンサルタントとしての品位が保持できると。保持できない場合には登録を取り消すということで、名称を使用しての活動を制限し、コンサルタント制度に対する企業の信頼を守れるようにしていく制度になっています。
 このような考え方は、弁護士や公認会計士、税理士など、顧客の秘密に触れる資格についてはかなり普遍的なものと考えられますので、基本的に維持することが適当かと考えています。
○土橋座長 いまの説明にあったような形で、こういうまとめを考えていますが、いかがですか。よろしいですか。コンサルタント等の品位の保持、換言すれば不正を防止するという牽制という意味で登録という仕組みがあるということですので、引き続き登録制度を残していくというまとめとしたいと思いますが、よろしいですか。そのようにまとめたいと思います。
 次に、7頁の4のコンサルタント試験、作業環境測定士試験の試験実施法人と試験合格後の登録事務を行う法人が別法人になっていることについて、ご議論いただきたいということです。
 この点は、昨年の厚生労働省の事業仕分けで指摘を受けています。事業仕分けの指摘にもありますが、受験者からすれば試験を受けた機関で登録も一緒にできたほうが便利だと思いますので、来年度からは、コンサルタント試験、作業環境測定士試験を実施している安全衛生技術試験協会において、登録事務も一元的に実施してもらう方向で関係者に調整してもらってはどうかという方向でまとめを考えていますが、これについていかがですか。よろしいですか。
                 (異議なし)
○土橋座長 そのような方向で、報告書を取りまとめることにします。
 続きまして、7頁の下にある1の、既に指定を受けている法人の指定取消について審議したいと思います。整理合理化委員会の報告書には、「特定の法人が既得権として長期間にわたり指定による業務を実施されるのではなく、より適切な法人が選定するための環境整備も必要ではないか」といったことが指摘されています。この指摘にあるように、新たに、より適切な法人が選定されるためには、既に指定されている法人の指定が取り消されないといけないことになっていますが、この点について、制度上どうなっているか、少し事務局から補足説明をお願いします。
○中山石綿室長 ご説明を申し上げます。資料3の2頁の下から記載があります。現行の安衛法の規定上、指定機関の「役員の選任及び解任」「試験事務規程」「事業計画」「収支予算書」については、厚生労働大臣の認可が必要とされています。さらに、指定機関に対しては指定事務に関して監督上、必要な命令を厚生労働大臣はできることとされています。厚生労働省においては、試験が適正に行えない事業計画やコスト削減努力が十分でない収支予算書が提出された場合には、制度上は改善を指導することになります。
○土橋座長 資料はどちらですか。
○中山石綿室長 下にある数字で言うと2です。7頁という太い字の記載です。それが3頁、太い数字で言うと8頁に続いています。こういうことで事業計画等をチェックして、試験が適正に行えないような事業計画やコスト削減努力が十分でない収支予算書が提出された場合には、改善を指導することになっています。この指導に応じない場合には、これらを認可しない。また、監督命令に従わない場合には、結果として安衛法に規定するこういった指定法人の取消事由に該当するものとして指定を取り消して、別の法人を指定することが現行の規定でも可能となっています。
○土橋座長 第2回のこの委員会では、制度の上からは指定の取消はできるものの、実際には、指定法人が不祥事を起こすことがないと取消ができないという説明があったかと思います。また、指定法人のヒアリングでも取消をされたことはないというお話でした。このようなことを考えると、制度の上からは取消はできるということですが、不祥事以外の理由、例えばコスト削減努力が不十分であるから指導して、それに応じないから指定を取り消すといったようなことは、実態上難しいのではないかと思いますが、その点はいかがですか。
○中山石綿室長 ご指摘の面は確かにありまして、特に行政体制の制約もありまして、毎年指定法人の事業計画や収支予算をしっかりチェックして、コスト削減努力を促すことがこれまで十分になされてきたのかというと、なかなか難しいところもあります。ご指摘のとおり、こういった事情があるというのが実状です。
○土橋座長 そういったこともありますので、草案には書きましたが、民間の有識者で構成する第三者委員会を立ち上げて、コスト削減をはじめとする業務実施状況を審査し、その結果を踏まえ、厚生労働大臣、具体的には担当部局が事業計画や収支予算書の認可の手続、監督命令権限の行使を通じて、第三者的な意見を踏まえた事業の改善、効率化、経費削減努力を促していくといったことはどうかと考えています。こうしたことを特段の事由もなく毎年やるものかどうかが思われますので、実際には手数料の改定とか、そういうときに併せて行うことでいかがなものかということで、このような案を草案に書いています。この点について、いかがですか。ご意見がありましたらお願いします。
○小畑委員 この左側の大きい数字の8、9頁の3カ所で、第三者委員会が出てくるかと思いますが、この第三者委員会は非常に重要な役割を担うと思います。具体的に、メンバーであるとか人数であるとか委員会の開催頻度であるとか、そういったイメージがあればお聞かせをいただきたいと思っています。
 それと、これは確認するまでもないことかなという気はしますが、一応確認すると、いちばん上の「民間の有識者を構成員とする第三者委員会」と、その下の1の「外部の第三者等から成る委員会」は同じ委員会と考えていいのかどうかも併せてお願いします。
○中山石綿室長 民間の有識者を構成員とする第三者委員会ですが、具体的には、当然コストの観点を見ていただくことになるかと思いますので、例えば会計書類に通じた公認会計士の方や、あるいはこの試験は労働者の安全衛生に関わってくる試験になりますので、そういう意味ではユーザーという立場で、こういう表現が適当かどうかはありますが、労働者代表、経営者代表の団体から入っていただくことを想定しています。
 それから、民間の有識者の第三者委員会と、8頁の真ん中に記載がある外部の第三者から成る委員会ですが、基本的には同じものと認識していますが、ただ指定をする際には、おそらくこの委員会の上部にある労働安全衛生分科会のほうに諮るプロセスが必要になってくるのかなということを念頭に置いて、それも含めて若干広い概念としての外部の第三者等から成る委員会という形で記載をしています。
○土橋座長 というイメージですが、よろしいですか。
○今村委員 その民間の有識者というところがとても重要だと思いまして、確かにここはよく考えなければいけませんが、質問の第1点は、利害関係のある人、ない人という区別をすると、経営者代表というのは利害関係のある経営者なのか、そうでないのかが、いまの説明でははっきり聴き取れなかったので、お答えいただきたい。
 それから、コストの面で公認会計士というような方は、確かに財務諸表には明るいのですが、こういった検定業務の諸処のコスト構造について本当にお詳しいのかどうか。つまり、実務経験を持っているような、しかも会計知識のある方。例えば、同業の利害関係のない同様の検定業務をやっている会計責任の方とか経営者の方とか、土地勘のある人という形での評価のほうが必要なのではないかというのが私の印象です。なぜかというと、そもそも上から下りてきたものは、市場性を担保せよと。つまり、競争性、市場性が担保されていない限り、試験の検定料が公正であると認めることはできないという印象を受け止めましたので、完全にオープンにして競争することができなくても、事実上、市場の圧力がかかっていることを証明できるのであれば、いいのかと思います。ただし、第三者という民間の有識者という表現では、それは読み取れないということです。
 以上の2点が私からのコメントです。
○中山石綿室長 民間の有識者の第三者委員会に期待するところは、オープンでかつ公正、透明な議論をしていただく。その結果として、適切に市場のプレッシャーを反映するような形でコストというか、手数料を決めていただくことを期待したいと思っていますので、そういった意味では第三者性という部分を担保しつつ、いま先生からご指摘がありましたように、直接の関係はないけれども、同種の業務に通じた方を委員に加えるといったようなご指摘も踏まえて、今後の第三者委員会の人選には当たっていくべきだと思われますので、その点についても報告書起草の際には踏まえたいと考えています。
○宮野安全衛生部長 いまのご質問で、具体的にどういう方をというのは、まさにご提言をいただいて、実行する段に当たって人選しなければならないと思います。いまあるもので、おそらくいちばん近いイメージとしては、既にこの中の先生方にもお願いをしている方がいらっしゃると思いますが、独法の評価委員会があります。これは、まさに独立行政法人について、いまここでお願いしているような実績を評価したり、今後の独法が立てた目標について評価する等々をしていただくようなことで、これは省庁ごとに、あるいは政府全体としても設けられています。さらに省庁の中でも、ご案内のとおり厚生労働省の中をとってもさまざまな独法があり、1つの独法評価委員会では、今村先生がおっしゃった土地勘という観点からいうと、とても評価をするのが難しいので、例えば医療関係とか福祉関係とか労働関係の、それぞれ土地勘のある方に集まっていただいてご議論をいただく形でやっていると思います。ですから、1つのイメージは、土地勘や知見のある方に集まっていただいて、あとで出てきますが手数料の問題等々も含めてご議論いただくイメージになろうかなと思っています。
 ただ、大きな違いは、独法のほうは審査をした結果、成績が悪いからといって直ちに別のところに代える話にはならないと思いますが、場合によっては指定を解除して、別の団体に指定するというプロセスも発生し得るという意味では、むしろこちらのほうが責務としては重大になるかもしれません。
○瀬戸委員 何点か確認します。「試験(登録)手数料の定期的な改定」と書いてありますが、定期的というのは何年に一遍なのかどうかが1つです。
 それから、第三者委員会がコスト削減をはじめとする業務実施状況審査の「業務実施状況」というのは、あくまでもこの試験とか登録業務に限るものであるのかどうかということと、第三者委員会が行われたときの第三者委員会にかかる経費というのは、誰が負担するのかをお聞きしたいです。
○中山石綿室長 まず見直しの開催の間隔ですが、手数料については過去を遡ると、大体3年に1回程度見直しをしていて、資料の9頁の真ん中辺に記載しています。そういった過去の実績を踏まえて、大体3年に1回程度を第三者委員会によるチェックの間隔としたいと考えています。
 第三者委員会の開催のコスト、経費については、現在、厚生労働省でこの手数料は定めるとなっていますので、開催経費は厚生労働省で負担する形になるのかなと考えています。
○瀬戸委員 この業務実施状況というのは、あくまでもこの機関が行う試験、登録業務にかかる業務実施状況ということなのかどうか。
○中山石綿室長 ご指摘のとおり、試験業務、登録業務に関する点について審査いただくと考えています。
○瀬戸委員 それと、業務改善努力が不十分と認められるというのは、かなり客観的なものでないと機関としても承諾できないというか、何か弁明の余地が残されているのだろうと思いますが、そこら辺は十二分に注意しないという気がしないでもないということ。これは、私どもの意見です。
○土橋座長 ほかにいかがでしょうか。この第三者委員会のイメージ、あるいは運営についてのご意見が出てきたというところです。そこまで報告書に詳しく書けるかというのは検討の余地はありますが、いまのご意見も踏まえて少し書きぶりを考えることにしたいと思いますが、よろしいですか。
                 (異議なし)
○土橋座長 続いて、8頁の2の指定基準、指定理由あるいは情報公開という観点です。まずは、事務局側から少し補足説明をお願いします。
○中山石綿室長 これについては資料にも記載がありますが、平成18年の閣議決定で指定法人の指定基準といったものが定まっていて、これによると「法人の指定、登録等の基準の基本的な事項を法令で定め、詳細な事項は府省の裁量の余地を極力小さくすべく一層の明確化を図った上で、法令又は告示で定めるとともに、指定、登録等の際、当該法人の業務の実施方法、実施体制等について厳格な審査を実施する」とされています。その指定の基準については、現在、安全衛生法の第75条の3で定めています。
○土橋座長 指定基準は法令に書かれていてオープンということではありますが、もう少し公表しようということで、この案としては民間の有識者で構成する第三者委員会において、オープンな形で、指定の是非を審査する形を考えていることを書いています。これについてはいかがですか。
○和田委員 この2は、もともとは7頁のIIから始まっていて、「特定の法人の既得権として長期間にわたり指定による業務を実施するのではなく、より適切な法人が選定されるための環境整備も必要ではないかと考えられる」というところで、既に指定を受けている指定法人については、指定法人に対する監督上の命令も認められていて、だから民間の有識者等によってコスト削減をはじめとする業務実施状況審査。改善努力が不十分ならば、指定を取り消しますよということになっているわけです。この指定が取り消された場合に、指定先選定理由の情報公開という2が活きてきて、新たな指定をこういう基準でやろうということになっているわけですよね。
 ということは、1と2は非常に関連性があるというか、1で厳しいことを言って指定を外したけれども、2の公募に応じてきたところはプロポーザル方式を含む参入要件。これが、もし前のよりも程度が悪いのでは困ってしまうわけですね。その辺の担保が、これを読んでいて上のほうではかなり厳しいけれども、下のほうは要件をあまり厳しめにはしないで、ただし「当該法人の業務の実施方法、実施体制等について厳格な審査を実施する」となっていますが、1で有識者を構成員とする第三者委員会の実施状況の審査と、それで駄目だとされた場合の新たな参入を希望する所の審査。これの基準というのは、ある程度同等というか、はっきりしていないと困るのではないかと思いますが、その辺の審査の要件とか何かの書きぶりは、1と2は同じになるのですか。
 質問の仕方が悪いのかもしれませんが、1の審査のほうで厳しく見て駄目だと。だから、それを聞かないからといって指定が取り消されたと。けれども2は、プロポーザル方式の公募で来たときに、審査する中から選ばなくてはいけないわけではないのですか。
○中山石綿室長 まず、業務改善努力を求めていく中身としては、先ほど今村委員からありましたように、適正な市場価格で試験業務が行われているかという観点でチェックすることを想定していますので、決して実現不可能なところを求めているのではなくて、市場価格として存在しているにもかかわらず、それをあえてやらないといったような基本的には例外的なケースになるのではないかと思っていますので、そういった例外的なことがあまり起こらないのではないかと考えています。そういうことからすると、当然新たに参入してくる、手を挙げてくるところも、指定取消に至った経緯の情報公開をしますので、どういったところが適正な市場価格として求められているかを認識した上で手を挙げてくることが予想されますので、そういったことからすると、同じ基準での審査に結果としてはなるのではないかと考えています。
○土橋座長 そういうことも加味して、ここの書きぶりとしては、まずは十分に周知した上で、いま言ったような情報公開をして、さらに新しく選ぶときに、外部の第三者等から成る委員会より透明性を確保しつつ、公正・中立かつ厳正に審査するという書きぶりにはなっています。
○瀬戸委員 この左のほうの論点で、参入要件、新たな指定基準など「新ルール」を制定と書いてあるのですが、この報告書起草の方向では、このホームページ上で公募します、第三者委員会が厳正な審査を行いますということなのですが、「新ルール」の制定との関係、指定基準などの「新ルール」を制定するのですかという単純な質問なのですが。
○中山石綿室長 それについては、法令なり告示で定めるようにと平成18年の閣議決定は求めているのですが、そういった法令で定めようとしますと、法令用語を使ってという形になってきますので、なかなか状況の変化に応じた柔軟な、かつ実効性のある規定が逆に難しい面もあるかと思います。そういった点を補うというか、それに代わるものとして民間の有識者による第三者委員会によるオープンで公正な審議をやることということをもって「新ルール」というふうに位置づけていきたいと考えているところです。
○瀬戸委員 外部の第三者委員会による厳正な審査が、「新ルール」ということになるのですか。
○中山石綿室長 はい、そういう形で位置づけさせていただければと思っています。
○宮野安全衛生部長 指定法人のいまの指定の実態はどうなっているかもお話したほうが、よりわかりやすいと思うのですが、仕組みは、法律に書いてあるとおり大臣が指定をする、一定の要件に該当する所を指定するということになっているわけです。実態として、幅広く、例えばたくさんの団体が手を挙げて、その中から1つの法人を選んで指定するという形ではなくて、大体ある特定の法人に当たりを付けて、事実上そこにやってもらうという形で手続をしていくのが基本的ないままでの指定法人の姿だっただろうと思っています。
 ただ、そういう実態だとすると、まさにご指摘をいただいた既得権みたいなものも起こり得るのではないかということで、「プロポーザル方式」と書いてありますが、幅広く団体を募集して、できれば複数の団体に手を挙げていただいて、その中からいちばん最適だと思われる所を選ぶ、それがおそらくプロポーザル方式ということなのだろうと思います。その前提として、いま説明したとおり、法律で一応基準は書いてありますが、どういう基準の中でいちばん最適な団体を選ぶのか、より分かりやすくはっきりさせた上で、かつ、ここを選んだという理由の情報公開をはっきりすると。おそらくそこ全体を含めて、この指定法人を選定するということの新しいルールになるのではないかと思っています。その辺りはなかなか書きづらいところはあるのですが、報告書のほうでは全体をもう少しわかりやすく書ければと思っています。
○土橋座長 よろしいでしょうか。基準を変えるというところまではいきませんが、ある意味、運用をいろいろこのような方法で考えることで、新ルールに近いものが実現できるのではないかというような考え方ということです。この件、ほかにいかがでしょうか。
                 (異議なし)
○土橋座長 それでは、これはこういう形でまとめさせていただきたいと思います。
 続いて、9頁です。9頁の1、2の試験手数料、算定方法という辺りについてご議論いただきたいと思います。検討の論点としては、整理合理化委員会の報告書にあるのですが、試験業務、登録業務のコストを適正に反映した手数料になっているかということと、現在のコスト自体が適正なものであるかということの2点です。この点について、まず手数料額を決定している行政というか、事務局からご説明をお願いします。
○中山石綿室長 試験業務や登録業務のコストについては、手数料の改訂に際して勘案しています。
 次の、現在のコスト自体が適正かという観点については、毎年の事業計画や予算を認可する中で確認すべきものかもしれませんが、体制上の問題もあり、そのコスト自体が適正であるかといった確認まではなかなか難しいという面があります。これらについては、指定法人自身が、現在のところ監事監査や評議員会において確認しているといったことになります。
○土橋座長 ということで、9頁にありますように、3年に1度程度の見直しということになっていますが、実態としてあまり最近は行われていないようです。そういったことで3年に1度程度、民間の有識者を構成員とする第三者委員会により、実際に試験業務、登録業務に要した費用を確認して、それが適正であるかと、そういった審査をしていくという方向を考えています。この点についていかがでしょうか。
○小畑委員 コンサルタント試験の受験手数料の引き上げ、これは収支均衡の必要性は確かにわかります。実際に10万円でなくて5~6万円だとしても、これは受験者が激減するなと、その辺のところは容易に想像されるので、その収支均衡と合格者が減ってしまうという部分のバランスをどうさせるのかと、その辺のお考えをお聞かせいただければと思います。
○中山石綿室長 この点についてご指摘の点はごもっともではあるのですが、現状についてご説明申し上げますと、ほかの試験の収入でこの試験の赤字を埋めているという点があります。そういうことからしますと、受益者負担の点で若干問題が発生しているという点があります。コンサルタントの受験者がどの程度減るかはなかなか難しいところなのですが、できるだけ減らないように、先ほどご説明申し上げましたような第三者委員会の仕組みも通じまして、試験の実施主体に対しては今後コストの削減に努めるように指導していくことで、受験者の減少が最小限になるように努めていきたいと思います。
○三浦委員 コンサルタントの試験が大幅な赤字になっているのはわかるのですが、これは受験者から見ると、2万4,700円は非常に安い金額ではないと思うのです。その辺を踏まえた中で、受験料を上げることを前提としないで、まずはコストの削減の改善がないのかどうか、できればその辺から取り組んでいただけるようにしてもらえばと思います。これは上げてしまうと、本当に大幅に減ってしまうことになりますのでね。
○和田委員 2万4,700円が10万円へとか、クレーンなどだと受験者数がもっと多いから、受験料は安いということはありますよね。つまり、これは試験にかかった費用を受験者数で割るからで、受験者数が多ければもっと安くて済むわけですよね。その辺のところを受験者数で割って、例えば1,000人しかいないから10万円だと。これが1万人受験すれば1万円で済むのだという考え方は、試験をするほうの収支計算、収支均衡を考えれば、そういう計算が成り立つのでしょうが、受験するほうの国民の側からすると、果たしてそれは公平なのかという感じがするのですが、その辺はどういうふうにお考えなのですか。
○中山石綿室長 コンサルタントの資格については、労働安全衛生行政を推進する上で非常に重要な資格というふうに認識しています。確かに1人頭で割ると高額になるというところもありますので、今後はこの試験の魅力をより一層PRして受験者数を増やすという努力も、先ほどご説明申し上げましたコスト削減の努力と併せて今後は取り組むように、その点について報告書の起草の際に考慮していきたいと思います。
○土橋座長 なかなか難しい問題ではありますが、ただ、人数の多い試験の黒字で少ないほうの赤字を埋めるというのは、やはり適正ではないかなというところもありますので、ここにありますように経費削減のほうの努力とともに、多少の値上げは致し方ないのかと。ただ、ここにありますように、おおむね5~6万円ぐらいが上限かというところをにらんで改善していくと。急激な変更も困難かと思いますが、段階的に変えていくというのがここの報告書の書き方ということになっています。ここの件はほかに何かありますか。よろしいでしょうか。
○杉山委員 連合の杉山です。いまのお話を聞いていて、全体を通じたところで発言をさせていただこうかと思いましたが、受験料だけ取り出してそこのコストの話をすると、言ってみると大きな目的をちょっと忘れてしまうというか、お座なりになってしまうのではないでしょうか。例えば、先ほど事務局の説明があったとおり、労働衛生コンサルタントは重要な位置づけだというふうに示しているわけです。そうすると、それは何人ぐらい育成していって、どのように配置されていくのが、労働安全衛生が高まっていくために必要なのか。そういうものがある中で、ではどのような段階を踏んで育成し、増やしていくかと。そのためにはコストとして、受験料としてどうあるのかと。たぶんそういう枠組の中で議論していかないと、コストだけで取っていくと、方向観をもしかすると誤ってしまうのではないかという気がします。
 この中にどう書き込むかというところで、冒頭に言いましたように、少し全体にかかわるかもしれないのですが、特に労働安全衛生の観点からしたときに、今回の見直しがコストというところに焦点が当たっているのはとてもよく理解しているのですが、特に労働安全衛生の観点からしたときに、労働安全衛生を徹底していこうとすると、必要なコストはどこかでかかっていくものであり、それをやることによって何が得られたのか、どういう成果が得られたのか。それは有り体に言うと事故が減ったのか、労働災害が減ったのか、そういうきちんとした指標も含めて第三者委員会を活用するなり、その他の方法でもよろしいかと思いますが、そういう視点の中で個別のものも見るという視点を、この論点のどこかに入れておいていただいたほうがよろしいのではないでしょうか。
 そのことも含めて細かいところは特に異論はありませんが、そういう少し大きな視点での論点を加えていただいたらいいのではないかと。以降の議論もそういうことがもし受け入れていただけるのであれば、そのことを前提にして細かいところを見ていったらどうかと考えます。
○土橋座長 この制度自体、労働安全衛生を担保しようということが主眼だと思いますので、そこに立ち返った上で見直しが有効であるという観点もちょっと加味しようというところかと思います。また、いまの費用についても、国家試験、国家資格ということですので、単純に収支のバランスだけで値段を決めるのが本当に適切かというところも確かにあろうかと思いますので、どのあたり、どういう考え方でどのくらい育成すると。そのためのコストはこのくらいということは、ある程度単純なコスト計算のみならず、検討することも必要かと。それをどう書き込むかはなかなか難しいところではありますが、少し検討させていただきたいと思います。
○今村委員 コスト構造について本当に短くですが、その都度その都度コストは安いということが必ずしも重要だということではなくて、例えば競争入札をしていて何が起こっているかというと、長期的に信頼関係に基づいて品質を維持するということが壊れているわけですよね。だから、その意味でのトランザクションコストも含めて長期的に品質を維持する、コストもきちんと担保するということが重要だということで、短期的に何でも安ければいいと、そういう話ではないかと思います。
○土橋座長 そういった視点も必要かと思います。ほかにいかがでしょうか。そこら辺を加味してもう少し検討させていただきたいと思います。
 よろしければ、続いて10頁からの登録制度に入っていきたいと思います。これについては、前回ヒアリングを行ったことになります。まずは10頁、1-1の検査員・検定員についてと養成研修が登録機関でしか行えないということが、前回のヒアリングにおいて、1つの参入障壁ではないかということが出てきています。これについて、民間の検査対象機械の製造や検査の十分な実務経験を持つ方については、養成研修を免除できる方向としたいということが1つ考えとしてあります。
 それから、ヒアリングで、1級ボイラー技士の資格を持つ方について、資格による研修の短縮の優遇措置というものがないということでご要望がありました。現在、特級についてのみ短縮が認められています。これについても、その知識等に見合った範囲で研修を短縮しても支障はないのではないかと、そういった緩和のほうを考えて、ここの草案にさせていただいています。こちらについてご意見があったらお願いします。
○三浦委員 お聞きしたいのですが、この中で「製造又は検査の実務経験等を認めることとする」というか、この「実務経験」というのはどのくらいの年数を指しているのですか。
○田中安全課長 おっしゃったのは、11頁の実務経験のところでしょうか。例えば、ボイラーならボイラー、そういう対象機械の場合でしたら、工学系の大卒でいえば、検査なり設計等の人的といいますか、1つそういう頭脳的なレベルでの経験というところからすれば、工学系7年以上とか、高校卒でいえば10年以上とかいうレベルでありましょう。加えて実務経験とはいえないかもしれませんが、例えば品質管理の経験をお持ちとか、それなりの一定の資格をお持ちとか、それなりの一定のそういう検査における必要な資質を持っていらっしゃる方、また持ち得たという程度のレベルのものを求めているということです。
○小畑委員 この民間での実務経験等の「等」の部分なのですが、それはいまお話のあった品質管理とかというものを想定して「等」と書いているのでしょうか。
○田中安全課長 そうです。資格等の要件という、そういうもので「等」という形です。
○小畑委員 資格ですか。
○田中安全課長 資格です。
○小畑委員 品質管理は実務経験に入るということを考えていいですか。
○田中安全課長 そうですね。実務経験、資格。
○野澤主任 前回ですと、「製造又は検査の実務経験」だけでいろいろ議論してきているわけですが、それに加えて品質管理に対しての責任を持っていると。それから、いま説明の中にはありませんでしたが、あと、実際に当方の許可等を受けた機械を何台以上その人が関係してつくっているとか、そういうことをすべて合わせて検査・検定員になれる資格にしたいということです。ただ単に実務経験がラインの真っ先のほうであるとか、言葉は悪いのですが、そういうことではなくて、そういう責任者であり、なおかつ当方の許可を受けるような最後のそういう状況になった機械を、実際にその人が品質管理しているとか、そういったことも加えて、それ以外の3点くらいを考えていきたいと。あと、実際の年数とかそういったものは、いままでにも年数はいろいろ決まっていますので、それとの整合を考えて、また具体化していきたいと、そのように考えています。
○土橋座長 よろしいでしょうか。この「等」の部分はそのようなイメージということです。では、よろしければ、このような緩和という方向でまとめさせていただきたいと思います。
 続いて、11頁の1-2の検査員の学歴要件です。先ほど話もすでに出ましたが、これはヒアリングにおいても工学系のみに限定するということについては、緩和の要求が少しあったかと思います。これについても、工学系関係の卒業者以外でも民間等において十分な実務経験を持つ方については、門戸を開いたらいいのではないかということで、このような緩和という形で草案を書かせていただいています。この点についてはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
                 (異議なし)
○土橋座長 では、このような形でまとめさせていただきたいと思います。
 続いて、12頁の1-3ということで、数の要件ということになります。これについてはヒアリングで特に要望等はありませんでしたが、事務局側から少しご説明をいただきたいと思います。
○中山石綿室長 検査・検定員の数の要件については、例えばボイラー、クレーンの関係でいいますと、1年間の検査予定数800基を1人で検査できる最大数として基準を設定しています。これは1人の検査員が大体1日4基、労働日で200日にわたって検査した場合ということで設定しています。この基準については、適正な検査を行う最低基準として必要と考えています。そのため、見直しについては基本的に困難だと考えています。
 また、いま具体的に挙げましたとおり、フルにやって、ようやくこれに達するか達しないかという基準でして、ヒアリングでも特に要望はなかったものです。
○土橋座長 ということですので、安全確保の観点からも必要であるということと、現実に参入障壁ということにはなっていないようですので、見直し困難という形にまとめさせていただいています。この点についてはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。では、このようにまとめさせていただきます。
 続いて、12頁の2です。指揮・業務管理者の学歴要件ということです。こちらについては、先ほど検査員・検定員の学歴要件、先ほどの学歴要件の緩和という話を出していますので、こちらについても同様な考え方で学要件を緩和するという形でまとめさせていただいています。この点についてはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、これもこの形でまとめさせていただきます。
 続いて、次の3です。検査・検定に用いる機械設備の要件についてということです。これもヒアリングでは特に具体的な要望はありませんでしたが、この要件について少し事務局方から追加説明をお願いします。
○中山石綿室長 使用する機械設備については、現在でもリース、貸与でもよいということで特に縛りはかけていないのですが、これが現行の基準ですと明示されていないということで、所有でなければいけないという誤解が生じている可能性もあります。この点について明示する方向で検討したいと考えています。
○土橋座長 ということで、特にリースでもいいのですが、あまりはっきりしていないということで、通達で明示しようという方向性でまとめていますが、この点はいかがでしょうか。
                 (異議なし)
○土橋座長 それでは、このようにまとめさせていただきたいと思います。
 続いて、13頁の4です。第三者性の要件ということですが、これについては公正・中立な検査を実施するためには必要と考えられますので、見直し困難という形でこのような草案にさせていただいています。この内容についてはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
                 (異議なし)
○土橋座長 それでは、この形でまとめさせていただきます。
 最後の5の粉じん計の較正事業ということですが、ヒアリングにおいて、これの登録基準は検査・検定制度と比べて参入が容易なものとなっていると。また、マーケットも実態は非常に小さいということから、現行要件が新規参入の障害になっているとは考えられないということだったと思います。ということで現行維持、見直し困難という形で報告書案を書かせていただいています。この点についてはいかがでしょうか。
                 (異議なし)
○土橋座長 では、よろしければ、このような形でまとめさせていただきます。
 以上、報告書案の論点ということについて審議させていただきました。いま一通り終わりましたが、何か全体についてご意見がありましたらお願いします。
○内藤委員 1点だけよろしいでしょうか。
○土橋座長 はい、どうぞ。
○内藤委員 先ほど申し上げはぐってしまいましたので、参考意見として申し上げます。少し戻りますが、参考資料の8~9頁辺りの第三者委員会の件ですが、先ほど安全衛生部長から、イメージとしては独法の評価委員会のようなものというお話がありました。あくまでイメージの問題だとは思いますが、先ほどのコスト削減云々等に関するところの議論も加味して思いますに、この論点のまとめ、8頁の上から3行目の枠組の中ですと、「民間の有識者を構成員とする第三者委員会がコスト削減を始めとする業務実施状況を審査」とあります。この点は事後的な業務実施状況ということだと理解できるのですが、例えば、先ほど他の委員らもお話がありましたように、単に単年度でコスト削減するばかりでは、実際の業務という全体を見たときに決してよろしくないということが生ずる可能性もあります。そうであるならば、むしろ事前に中・長期的な計画、例えば5年間の業務計画あるいは来年度の業務計画といったものをお出しいただいて、事前にそれを拝見したあとで事後的な業務実施状況のチェックをするというやり方を将来的には取り入れることも視野に入るかもしれません。論点としてはそのような問題も生じうると思いますので、少し話を戻してしまって申し訳ありませんが、参考までに申し上げたく存じます。
○土橋座長 いかがですか。
○中山石綿対策室長 そこまでは事前には具体的に検討してなかったのですが、特に国家試験という業務の性質を考えますと、そういった継続的、安定的にやっていくということも非常に重要なポイントかと思いますので、参考意見として検討させていただきます。
○土橋座長 こちらに継続性という言葉もありましたので、実施結果だけを見るのではなくて、計画的な部分も考えるということも多少観点としてはあるのかと思います。その点も、ここにどう入れるかはまた難しい問題ですが、少し検討させていただきたいと思います。ほかにいかがでしょうか。
○杉山委員 先ほど発言させていただいた中身と若干かぶるわけですが、全体を通じてということで今一度述べさせていただきます。基本的には先ほど言ったように、全体的な大きな目標を置いて、労働安全衛生の達成状況等をしっかりと見極めながら、その機関が機能しているかどうかを見る視点が大事だろうと。そうすると、その際には目標をどこでどう置いていくのか、その目標に向かってどう達成されたのか、達成されてないのか、そこをきちんと評価する機関が必要だろうと。先ほどこの中で第三者委員会と出てきましたが、その第三者委員会が、見る範囲が非常に狭いかなという気もしていて、もう少し全体的な労働安全行政、その中でどうなのかという見方をする、そういう仕組みもどこかで検討する必要があるのではないかと。
 そういった意味では、先ほどあえて発言はしませんでしたが、指定法人の新規公募、取消と公募の関係についても、この論点の中には「より適切な機関が」という言葉があったときに、取消がなければ、潜在的により効率的・効果的な事務のできる所があっても、採用されないわけです。そこはどうしていくのかも、全体的な目標の設定とか、その達成状況の指標をきちんと持つことによって、そこの参入チャンスはもしかすると出るかもしれない。当然、継続してやられている所も手を挙げる、その権利はありますし、いや、そこよりもうちのほうがもう少し効率的・効果的にできますという所があれば、そういった所にも門戸を開く、ということを少し仕組みとして検討したほうがいいのではないかと。今回のここの場での話の検討としては超えてしまうかもしれませんので、ここの分科会、もしかしたらその上といった所でどのような仕組みになるかということで、意見として申し上げておきたいと思います。
○土橋座長 労働安全行政のどうというところまでいきますと、この委員会の範囲を超えてしまうかとは思いますが、そういった視点を前提として持つということは重要かと思いますので、頭に置いておきたいと思います。
 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、一応、予定したものは終わっていますので、長時間にわたりましてお疲れさまでした。本日の議論の結果を踏まえまして、事務局と取りまとめ報告書を私が確認させた上で作らせていただきまして、次回、第5回の会議でご審議いただくという形で進めたいと思います。また、本日の議事録署名人としては、杉山委員、三浦委員にお願いします。
 それでは、事務局から次回に向けての連絡等をお願いします。
○中山石綿対策室長 次回の専門委員会については、詳細は改めてご連絡しますが、11月30日(水)17時30分からを予定しています。よろしくお願い申し上げます。
○土橋座長 どうもお疲れさまでした。ありがとうございました。


(了)

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