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2011年7月22日 第5回厚生科学審議会医薬品等制度改正検討部会議事録
医薬食品局総務課
○日時
平成23年7月22日
○場所
中央合同庁舎5号館 専用第15・16会議室(12階)
○出席者
委員
片木委員 | 坂田委員 | 澤委員 | 鈴木委員 |
寺野委員 | 永井部会長 | 長野委員 | 七海委員 |
花井委員 | 羽生田委員 | 原澤委員 | 藤原委員 |
堀田委員 | 望月(正)部会長代理 | 望月(眞)委員 | 山本委員 |
事務局
細川厚生労働大臣 | 間杉医薬食品局長 | 平山審議官(医薬担当) |
中垣総務課長 | 成田審査管理課長 | 俵木安全対策課長 |
國枝監視指導・麻薬対策課長 | 横幕医薬品副作用被害対策室長 | 山本薬事企画官 |
関野医療機器審査管理室長 | 佐藤安全使用推進室長 | 宿里監視指導室長 |
椎葉研究開発振興課長(医政局) | 佐藤治験推進室長(医政局) |
(独)医薬品医療機器総合機構
川原理事(技監) | 内海理事・審査センター長 |
○議題
1.これまでの議論を踏まえた今後の論点整理について
2.その他
○議事
○永井部会長 定刻になりましたので、ただいまから「第5回厚生科学審議会医薬品等制度改正検討部会」を開催させていただきます。
本日は、委員の皆様方には、お暑い中、またご多忙の中お集まりいただきまして、ありがとうございます。議事に入ります前に、本日は細川厚生労働大臣がご出席されておられますので、一言ご挨拶をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○細川厚生労働大臣 皆さん、こんにちは。今日は、委員の皆さんには、第5回目の医薬品等制度改正検討部会にお集まりをいただきまして、ありがとうございます。
先日、薬害C型肝炎の原告団、弁護団の皆さんと定期協議を持つ機会がございました。その際、大臣もこの検討会に是非出席してほしいという要請もございまして、私も時間があれば是非それは出席をしたいと申し上げたところでした。実は、ご承知のように、3月11日の大震災で、多くの尊い犠牲者が出ました。また、たくさんの被災者が、まだ大変苦労をされておりまして、そのための復旧の第二次補正予算が、今日、参議院の委員会本会議で成立するという予定の審議が進んでおりまして、こちらのほうに出られるかどうかも心配しているような状態でありましたけれども、この委員会がもめまして、午前中で打ち切り、予算は来週に引き延ばしになりまして、そんな関係で時間も取れまして、こちらのほうに出席させていただきました。
その定期協議のときに、原告団の皆様から、薬事行政に対する監視評価をするしっかりした第三者機関はどうあるべきか、というようなことをしっかりやってほしいという問題提起がございました。そしてまた、添付文書の法的な位置づけについても、しっかりやってほしいというようなご要請もいただいたところでございました。
これらの問題は、いろいろ大きな問題もあるかと思いますけれども、どうぞ、専門家であられる皆様方のご議論をいただき、そして、これに対しての結論、あるいは道筋を立てていただけたらと思うところでございます。また、デバイス・ラグの問題などもございます。これらの問題に対しても、患者の皆さん、いろいろな難病の方々が新しい薬をお待ちしていることに対しての早急な審査、結論を出してほしいというご要望もいろいろとございます。そういうことにもいろいろとご議論をいただいて、道筋を立てていただきたい。このことは、国会の中でもいろいろ議論をいただいているところでございます。
いろいろと課題がたくさん出るかと思いますけれども、この医薬品行政について、薬事法の改正を含め、いろいろとご検討をいただいているわけですけれども、私としましては、来年の通常国会にはこの薬事法改正を提案できるように、それまでの早期の結論もいただけたらと思っているところです。薬事行政が、本当に国民の皆さんの健康を守る大変大事な行政でもございますし、一方で大変な事態も起こるというような、そういう二面性がございますので、どうぞ、専門家の皆さん方にご議論いただいて、よりよい薬事行政ができるような、そういう道筋を是非作っていただけたらと思っているところです。
今日は、私も時間が許す限り、皆さん方のご意見、ご議論を拝聴したいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げまして、私からの最初のご挨拶とさせていただきます。どうぞ、よろしくお願いいたします。
○永井部会長 細川大臣、ありがとうございました。大臣には、この後、1時間ほどこの部会における議論を聞いていただくことになっております。17時頃、ご所用のためにご退席されると伺っております。
では、事務局から本日の委員の出欠状況及び委員数の確認をお願いしたいと思います。
○中垣総務課長 委員の出欠状況でございますが、委員16名全員のご出席をいただいておりますので、厚生科学審議会令の規定により、この部会は定足数に達しており、会議が成立することをご報告させていただきます。
○永井部会長 配付資料の確認を引き続きお願いいたします。
○中垣総務課長 お手元の資料をご覧ください。議事次第、座席表があります。資料1は「これまでの議論の整理(案)」、資料2は、前回の部会において、永井部会長から「第三者組織」と「添付文書」の2項目について、制度のどの部分の改正、どの部分を詰めなければいけないのかについて、整理いただく必要があるのではないかという提案をいただきましたので、この2項目について「薬事法等改正(案)を検討する上で、議論を行う必要がある論点」という形で整理したものです。資料3は今後の予定です。参考資料1は、部会の委員名簿。参考資料2は、片木委員からの提出資料です。参考資料3は、寺野委員提出の資料。参考資料4及び5は、坂田委員提出の文書です。参考資料6は、長野委員及び藤原委員が提出された文書です。
資料は以上でございます。資料に乱丁、落丁等ございましたら、事務局までお申し出いただければと思います。なお、前回までの配付資料及び議事録は、ファイルにまとめて机の上に置いてありますので、適宜ご参照いただければと思います。以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございます。では、議事に入りますので、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。
本日の議事内容ですが、まず、事務局から「これまでの議論の整理(案)」についてご説明いただいて、その資料を基に議論を行い、論点整理を行っていきたいと思います。
次に、先ほどの大臣のご挨拶にありましたように、第三者組織と添付文書の法的位置づけの2項目については、特に重点的にご議論を行っていきたいと思います。事務局から、整理した資料の説明をお願いいたします。論点整理の後に、今後の予定について、確認を行いたいと思います。まず、資料1について、事務局からご説明をお願いいたします。
○中垣総務課長 それでは、資料1をご覧ください。これは、これまでの議論の整理(案)として出しておりますけれども、これまで本部会、第1回から第4回までの4回に出た各委員のご意見を網羅的にまとめたものです。それぞれ、各項目ごとにまとめておりますので、説明させていただきます。
1の「医薬品等関係者の安全対策への取組みの促進について」は、検討項目について「薬害発生・拡大防止の理念」から始まっています。これについては、企業の責任も「食品安全基本法」のように含めるべきではないか。薬害防止の理念について規定すべきであるけれども、「薬害」と「重篤な副作用」は区別して考える必要があるのではないか。医薬品行政に携わる者に求められる基本精神として「不確実なリスクに対する予防原則に立脚した迅速な意思決定」が必要ではないか。
それから、当初私どもの資料に書いてありました、国、地方自治体の責務、あるいは消費者の役割が明記されている「食品安全基本法」の規定も参考になるのではないかということです。
次の「医薬品等を使用するにあたっての患者の役割」です。この場合は、医療情報データベースを国民全てで作っていくべきであり、これも患者を含めた国民全体の役割ではないか。それから、薬剤疫学の専門家等を育てる人材教育を検討すべきではないか。患者の役割として副作用症状があった場合、速やかに申告すべきであるが、患者さんは、ついつい我慢をしてしまいがちで、重篤化し、対処が遅れることもあるということで、報告しやすいような役割を示すことが重要ではないか。副作用報告を求めるためには、添付文書に書いてある副作用、重大事象についての知識が必要であることから、患者への啓発が必要ではないか。PMDAはいろいろなことをやっているのですが、多くの患者さんは、PMDAをそもそも知らないとか、いくらいい情報を掲載していても見てもらえないのでは意味がないので、こういったものも周知が必要ではないかといったご意見がありました。
それから、副作用窓口を設けても、治療中であったり、副作用がつらい患者さんはインターネットを見ることもなかなかできないということで、そういった患者さんから副作用報告を求めるのは難しいのではないか。そもそも、申告をする場合に、自分自身に一体どう役立つのか、どんなメリットがあるのかわからないとなかなか報告されないのではないか。薬局で薬の情報を渡すときに、副作用被害救済制度や副作用報告制度のお知らせの紙を渡し、患者からの副作用報告を促してはどうか。いろいろな自治体のホームページや広報紙を利用すればいいのではないかといったご意見がありました。
これについては、最初に出した資料の中では、患者が役に立つ正しい情報にアクセスしやすいような情報提供の環境整備をどのように行うべきか、というものが出ていました。各委員のご指摘は、こういったものに即したものだと思っています。これに関しては、消費者の役割を明記している「食品安全基本法」の規定が参考になるのではないかといったものを出していました。
次に、「医療関係者から患者に対するリスク情報提供の責務」です。これについては、情報の双方向性が必要ということで、パターナリズムにならないリスコミを目指すべきではないか。副作用に関する網羅的な詳細な説明よりも、何かあったときには直ぐ医療関係者に連絡するよう患者に伝えるとか、それから、医療関係者はその場合に速やかな対応をとるといったことを患者に保証することが重要なのではないかというご意見がありました。
リスク情報の提供については、医療関係者の理解の下で、患者との信頼関係に基づいて、医師・薬剤師が情報提供をすることが原則ではないか。患者へのリスク情報の提供の範囲について整理が必要ではないかというように出していました。
「審査・承認後に判明したリスクへの対応の強化」です。リスク管理計画は、使用者側に各ツールのレベルの違いについて理解されるような説明をして、それぞれの医薬品がどのレベルのツールになっているかを見られる形で公表が必要なのではないか。市販直後調査については、半年間できっちり副作用のモニタリングと、安全に使うための適正使用の情報を付加して提供することがいま行われていることで、この制度はよい制度なのではないか。それから、医薬品リスク管理計画が科学的かつ効果的に活用できるよう承認審査、早期から行政と協議できる仕組みの構築、人員の育成、関連する制度・規定の見直し、その他について、いろいろな研究の円滑な実施が可能となるような環境整備が必要ではないか。他の薬剤と比較ができるように分母をはっきりさせて、グレー情報もキャッチできることは、薬害防止に重要なことではないか、といったご意見がありました。
資料については、その下に3つ書いてあります。「リスク管理計画」の実施を制度的に担保をする必要があるのではないか。承認後のリスク判明について、それをいろいろな試験等を指示する権限などを制度的に担保する必要があるのではないか。新医薬品についての承認内容の見直しに関する制度としては再審査制度があるが、これを8年、終了時点の評価に限らず、適時評価を行うといったことの検討が必要ではないかといったものです。
「添付文書等に常に最新の状況が反映されるような措置の導入」です。添付文書については、また、後ほど資料2に基づいて、別途ご議論いただきますけれども、これまでに出た意見はこんな意見だったと思います。「承認」に位置づけるよりも、柔軟に対応して、改訂することでより良いものとなるという捉え方にしてほしい。「公的」というのは、承認に規定することで、変更は軽微変更の仕組みを使えばいいのではないか。添付文書について、通知と法律では取扱いが異なることで、薬事法上の位置づけを明確にすべきではないか。行政がチェックする、公的に情報を提供するという意味では、現在でも既に「公的」と言えるのではないか。公的という言葉の解釈問題だと思います。それから、法律で縛るのではなくて、迅速性こそ大事ではないかといったご意見。
承認事項とするかは、議論が必要ということで、企業に届出義務を課して、行政側が必要に応じて改善を求めることができるよう制度的に裏付けをする選択肢もあるのではないか。そんなご意見がございました。一方、多くのものを羅列するよりも、きちんとわかりやすく書くことが重要ではないか。医療機器と医薬品の違いの問題とか、患者さんのためには、患者さん向けの添付文書を作って、患者さんに渡すことを検討してはどうか。副作用の説明によっては、患者が不必要に薬を飲まなくなってしまう、むしろ恐くなって飲まなくなってしまうといった危険性もあるということで、説明の仕方は難しくて、効能書きの副作用についても非常に大切であるということで、添付文書の書き方という点では、いろいろな考慮が必要ではないかといったご意見がありました。
資料の中には、迅速な改訂を妨げない制度でなければならないのではないか。行政が確認するにせよ、製販業社が第一次的責任を負うものではないのか。そもそも医師には注意義務があるので、十分に内容を理解していることが求められるものといったご意見がございました。「定期的な見直しについて」はこういったご意見がありました。いずれにしても、このように、添付文書については多様な意見がこれまでにも出されておりますので、また、この後ご議論をいただければと思っています。
「医薬品等監視・評価組織」については、そもそもこういったものを考える場合には、現在の行政組織との整合であるとか、政治的状況、これはいろいろな閣議決定等で行政組織の新設は難しい。それから、専門スタッフの配置についても考慮が必要ではないか。医薬品は、消費者庁とか消費者委員会の監視の対象であって、提言の組織は消費者庁・消費者委員会に近いのではないか。それから、設置場所として、厚生労働省とすれば、厚生科学審議会や、薬食審との事務の振り分けの整理とか、この設置を内閣府とすれば、独立性や中立性の点ではよいが、連携が実際にとりづらくなるなど、そういったいろいろな点は考慮が必要ではないかといったご意見。
三条委員会ではなくて、官房の下に審議会のようなものをつくる方法もあるのではないか。第三者組織の権能・具体的権限として、行政のあり方全般の問題と個別の医薬品の問題があるということ、個別の問題についても、顕在化したものについて、検討するものから情報を掘り起こすものまでいろいろあるということで、そもそもこの第三者機関の権能について、どこにウエイトを置くのかを検討する必要があるのではないか。最終提言書にいろいろ書いてあるので、この内容から後退することがないようにしてほしいといったご意見がありました。これについても、なかなかこれを具体化した上でないと議論できないことがおそらくあると思いますので、また別途、資料2に基づいてご議論いただければと思います。
資料の7番が、「その他(1)副作用報告先の一元化」です。まず、厚生労働省とPMDAに分かれている副作用報告先を一元化したほうがいいのではないか。それから、医薬品被害の救済の情報を副作用報告に一元化して、迅速に活用できるようにすべきではないかといったご意見。
「その他(2)回収の指導強化」ということで、機器の回収についての指導強化とか、回収漏れや回収遅延による被害防止のために、いろいろな報告義務を付けるとか、そういった実効性を担保する必要性があるのではないかといったご意見がありました。1については、大体以上だと思っています。
○成田審査管理課長 続きまして、2の「医療上必要性の高い医薬品等の迅速な承認等について」です。検討項目については、1~4の4つに分けてあります。
1「医療上必要な医薬品・医療機器の承認審査・開発について」です。論点としては、次のようなご意見、それから資料等で記載させていただいていました。希少疾病用医薬品の開発が積極的に行われるよう制度の見直しを図る必要があるのではないか。希少疾病用医薬品・医療機器に係る業務を基盤研から国に移管するとされているが、人員の確保が困難であること等から、希少疾病用医薬品・医療機器のさらなる促進開発のためには、国に移管するのではなく、専門的な指導・助言体制を有する基盤研のさらなる充実強化、事業費の拡大を図るとともに、医療機器に対する開発支援も一層進めるべきではないか。「革新性を見据えた審査制度」が必要であり、特別審査ルート、優先審査権の付与について検討すべきではないか。条件付きの承認、条件付きの使用などが必要ではないか。体外診断薬ですが、個別化医療を推進する観点からも、薬事承認プロセスの改革が必要ではないか。レギュラトリーサイエンスの推進のために、人的な強化・確保、審査・相談体制の強化、新しい薬学教育でのレギュラトリーサイエンスの位置づけを明確にするとともに、PMDA、国衛研などの規制研究機関の強化や、レギュラトリーサイエンスの研究予算の拡充が必要ではないか。オーファンドラッグの指定の早期化を図るべきではないか。ベンチャー企業の育成という観点からも、相談・申請制度の費用について、審査料、手数料について検討をする必要があるのではないか。承認前に審査報告書を公開すべきではないか。利益相反ルールの法制化について検討すべきではないか。
有効性や安全性の評価を十分に行いつつ、審査や調査手続きについて一層の効率化を図るべきではないか。先端技術を用いた製品の開発初期段階からの開発支援のための薬事戦略相談の強化・拡充が必要ではないか。先端的技術に対応した、適切なガイドラインの策定の基盤として、レギュラトリーサイエンス研究を充実させることが必要ではないか。希少疾病用医薬品・医療機器のさらなる開発促進のため、研究開発に関する指導・助成制度を充実させるとともに、助成金の助成率の引上げが必要ではないか。医療上必要性の高い医薬品の料金について、早期の段階から開発を支援するための希少疾病用医薬品・医療機器指定制度の柔軟な運用や、公的措置を視野に入れた新たな制度について検討してはどうかというものです。
2「医療上必要な医薬品・医療機器へのアクセスについて」です。適応外薬についても、患者が速やかにアクセスできるようにする必要があるのではないか。治験から外れた人についても、アクセスできる仕組みについては、承認に多大な影響を与えないよう考慮する必要があるのではないか。条件付きの承認、条件付きの使用についての検討が必要ではないか。コンパッショネートユース制度について検討していく必要があるのではないか。
治験の参加基準に外れるなどの理由で治験に参加できない患者に対する新たなアクセス制度を検討すべきではないか。このアクセス制度においては、倫理性や安全性の確保に加え、副作用報告等も含めて適正な管理を行うべきではないか。未承認・適応外薬等の承認取得のための開発を阻害しないような制度とすべきではないか。患者の経済負担の軽減に配慮しつつ、一方で、医療上の必要性にかんがみ、有効性・安全性が確認されていない医薬品等を使用するものであるので、患者、医師(医療機関)、企業がそれぞれ応分の負担やリスクを受け入れ、相互に協力できる制度とすべきではないかというものです。
3「臨床研究のあり方について」です。将来的には臨床研究の実施基準と治験の実施基準との統一化が必要だが、まずは、GCP水準で実施できるような医療機関の整備が必要ではないか。臨床研究の実施基準と治験の実施基準の統一化については、是非とも検討していただきたい。日本の臨床研究が質の高い研究になっていくかが大きなポイントではないか。早期臨床試験(Proof of Concept:POC)ですけれども、実施体制の整備が必要ではないか。ICH-GCP水準の臨床研究を実施する臨床研究中核病院と、PMDA・厚生労働省との連携が必要ではないか。高度医療評価制度のもとで、ICH-GCP水準に適合して実施されたファーストインマン試験、POC試験については、承認申請資料として活用すべきではないか。ICH-GCPに適合するなど質の高い臨床研究の結果は、薬事承認に用いられるようにするべきではないか。薬事法による規制がある治験と法規制がない臨床研究をどうするか、被験者保護の観点から考える必要があるのではないか。
資料のほうですけれども、臨床研究の法制化のあり方については、平成25年7月を目処に臨床研究指針全般の見直し議論において、引き続き検討する予定であること。質の高い臨床研究が実施できるような医療機関のさらなる整備が必要ではないかというところです。
4「医療機器の特性を踏まえた制度のあり方について」です。医療機器については、新規品だけでなく、改善改良品、モデルチェンジ品も留意する必要があるのではないか。QMSについては、品目ごとに行ってきたが、少し丸める形で効率的に行われるよう検討すべきではないか。PMDAのデバイスにおける専門家の数や質が問題ということで、専門学会をいかに利用するか、システムづくりが必要ではないか。医療機器や再生医療といったものについて、薬事法上一括で「医薬品・医療機器」と記載するのではなく、きちんと記載することについて検討すべきではないか。医療機器については、特性や実態を踏まえた弾力的な規制の運用が重要ではないか。認定施設における治験の実施については、個別の治験届の提出を不要とする措置も含めて検討すべきではないか。
一部変更承認が不要な範囲について、さらなる明確化を図りつつ、軽微変更届による変更の適正な実行を担保するとともに、合理的な運用について、諸手続きを見直すべきではないか。QMS調査については、国際整合性を踏まえた見直しを検討すべきではないか。リスクが高い品目については、製造方法等の詳細を引き続き品目ごとに確認すべきではないか。ソフトウエアなどの取扱いや製造所での対応が困難な場合の取扱いについて、検討すべきではないか。2番については以上です。
○國枝監視指導・麻薬対策課長 それでは、引き続きまして、3番の「医薬品等監視の強化について」です。検討項目として3つあります。第1点目、「個人輸入対策の強化」です。個人輸入全体を縛るのは困難であるが、必要な医薬品については研究班の枠組みで使えるようにしてはどうか。ある程度公的な監視の下で行ってはどうか。また、個人輸入に関し、どういった対策を日本で行えばいいかを検討する必要があるのではないか、という根本的なご意見をいただいています。個人輸入の啓発について、国民に届いていないということで、もう一歩踏み込む必要があるのではないか。個人輸入をしている医薬品の中には必ずしも適切に使われず、重篤な有害事象が起きても報告する仕組みがない現状がある、何らかの手立てが必要ではないか。また再生医療も海外技術を導入して医療事故が発生しており、安全に進めることが必要。医薬品の広告規制について、罰則強化についての議論が必要ではないか。インターネットの監視については、強化すべきではないか。こういったご意見をいただいています。
資料としては、個人輸入については、従来から行っている啓発、副作用情報提供の強化を図るとともに、現在整備を進めているデータベースなどにより状況把握に努め、国際的な動向に考慮しつつ、より適切な管理のための方策を検討するべきではないか。
2点目、「GMP調査体制の強化」です。研修等を都道府県・国・PMDA等も含めて強化して、職員の資質の向上を図る必要があるのではないか。国際会議などについて、厚生労働省の職員も参加すべきではないか、というご意見をいただいています。
資料としては、GMP調査の専門家集団である総合機構が、都道府県のGMP調査の質の向上に対する支援を行う仕組みを考えるべきではないか。また、調査に携わる担当者について、実務経験や研修内容等の求められる要件を定めるなどの方策によって、資質の引上げを図っていくべきではないかとしています。
3点目、「指定薬物の取締りの徹底」です。麻薬取締官や麻薬取締員による指定薬物の取締りの強化を検討すべきではないか。個々の薬物指定ではなく、包括的な指定ができないかを検討すべきではないか、というご意見をいただいています。以上です。
○永井部会長 はい、ありがとうございました。これまでの議論はいろいろと多岐にわたっておりますが、大きく3つに分けられるということです。1が「医薬品等関係者の安全対策への取組みの促進について」、2が「医療上必要性の高い医薬品等の迅速な承認について」、3が「医薬品等監視の強化について」ということで整理していただきました。
立場によって矛盾する意見が出てくると思いますけれど、その間をどうバランスをとるかということが非常に大きな課題だろうと思います。ただいまの論点整理(案)について、どこからでも結構ですので、ご意見をいただきたいと思います。
○坂田委員 今日は大臣にご出席いただき、本当にありがとうございます。8日の大臣協議も本当にありがとうございました。私は検討部会の位置づけ、第三者監視評価組織、添付文書について大臣に質問をいたしました。それに対して、すべてに心強いご回答をいただくことができました。添付文書の位置づけについては、法律的なところを義務づけにしていかなければならないと思っているとのご発言をいただきました。今後ともまたご出席いただきたいと思います。是非よろしくお願いします。
○片木委員 ありがとうございます。私は患者の立場から添付文書に関しては、まだまだ議論が必要だと、承認事項にしていいのかというところは議論が必要だと思っているのですが、その前に1点、事務局に質問があります。資料1のこれまでの議論の整理についてですが、「●については、今後の部会において、特に薬事法等の改正案を検討する観点から議論を行う必要がある論点と考える」となっていますけれども、「●」と「・」はどう違うのか説明していただきたいと思います。「・」のところもドラッグラグ解消であったりとか、薬害被害防止の観点に関してはとても重要な意見がたくさん入っていると思うのです。こういう資料ですけれども、得てして意見を羅列したというだけで、資料に載せてあげましたよ、言った意見を並べてあげましたよでは困るわけです。きっちり対策をしていただきたいと思うので、この「・」に対してどうお考えか説明していただきたいと思います。
○永井部会長 事務局、いかがでしょうか。
○中垣総務課長 この部会の使命として、先ほど大臣のほうからもお話がありましたように、議論をいただいてその正論を経て次期通常国会に法律案の形で出したいということで作業をいただいておるということで、当初からご了承いただいていると思っています。ここで「●」と「・」というのは、必ずしもどれが重要ということで書いているわけではなくて、「●」の部分はおそらくこれをやろうとすると法律事項になる。要するに運用でできる部分ではないということで、少なくともこれまでもいろいろ運用でできる部分は私ども改善をしてきているつもりですが、こういった「●」の部分をやろうとすると、そこは法律でやらざるを得ない部分だと考えておりますので、この部会で是非共通のご意見と申しますか、そういった結論を得るようにやっていただければということで資料を作らせていただきました。以上でございます。
○永井部会長 ほかにいかがでしょうか。
○片木委員 私たち患者、被害者が入っているわけですから、そういうことは、これは運用面でやっていく、これは法でやっていくというところをきっちり明記していだかないと、何でやっていくのかわからなかった意見というのは、これまで意見出しをやってきたのは無意味になってくると思うのです。なのでそれに関してはきっちり資料に明記していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○中垣総務課長 資料1のところの最初の「また」のところで、「●については、今後の部会において、特に薬事法等の改正案」という形で、これは要するに法律事項としてはということで書いたので、もしその部分についてわかりにくいとか、あるいは最初委員がおっしゃったような不信感みたいなものがあるようでしたら、私どもの真意ではありませんが、そういうことがあったとすれば、それはお詫びをさせていただきたいと思います。
○永井部会長 できたら「・」についてはこうだと、そっちのほうを書いていただければと思います。
○間杉医薬食品局長 それから、いま総務課長が申し上げたとおりで、我々は何も先入観をもって、これはこうこれはこうというつもりはありません。非常に一つひとつ大事なご意見をいただいていると思っています。具体化する作業をやっているとき、これは法律だというのがありますし、それからいま言われたように、これは法律では必ずしもないけれども運用でやらなければいけないというのが当然出てきます。ですからどこかの段階でそういう整理を必ずやらせていただきたいと思っております。
○永井部会長 ほかにいかがでしょうか。
○堀田委員 この論点とは外れる点で、最初にお話をさせていただきたいのですが。今回いろいろな状況があって薬事法を含めて制度の見直しをしようということですので、部分的な個々の細かいところにいきなり入っていく前に、薬事法がいまのままでいいのかということも含めて、議論をしていただきたいと思います。と申しますのは、薬事法は昭和35年にできた骨格がそのまま残っているのです。法律としての体裁もあまり整ってないと私は思っています。近隣の法律ですと、例えば健康保険法とか、あるいは医療法などは、きちんと国、自治体の責任、あるいはこれらの法律にはないかもしれませんが、企業の責任、医療従事者の責任、あるいは国民の参加という形で整理されています。薬事法においてもそれぞれの役割をはっきりさせていくようなことも含めて検討すべきではないかと考えます。ですから今回、細部のところだけをいじるので終わるのかどうかということも含めて議論をしたほうがいいのではないか、というのを最初に申し上げたいと思います。
○永井部会長 それは、先生がどんどん具体的にご指摘、ご提案をいただければ対応できるというように思います。
○堀田委員 これまでそういう論点は出されてこなかったので、提案します。
○永井部会長 いままでたくさんの論点がありましたので、いまからでも結構ですから挙げていただければと思います。いかがでしょうか。
○原澤委員 初めに医療機器の関係で意見を述べさせていただきます。ちょっと論点が変わると思いますが、2点あります。1つは、1の5の添付文書等についてですが、いままでも意見を述べさせていただきましたように、医療機器は医薬品と分けて検討をお願いしたいと思います。医療機器の特性に合った情報提供が重要になりますが、医療機器の多くの場合はユーザーと機器が1対1ではなくて、多くの方が1つの医療機器を使うこともありますし、また、新しい看護師さんが来ますと、その度にトレーニングをしたりということもあります。現在は電子書籍が出ている時代でもありますので、法律ではこれを紙という形で示しているのですが、是非その辺のところを柔軟に考えていただいて、いわゆる情報提供を主体に考えた法律のあり方で、「紙」で縛ることはないようにお願いしたいと思います。
2点目は、1の7の(2)の回収についてです。ここでの意見は回収を100%実施するとの意見であり、当然そのように努力すべきだと思います。私も先ほどの意見のように「●」と「・」でちょっと気になったのですが、ここでは「●」が回収の経過や終了報告を行うことによって改善を図るともとれます。しかし、法律で規定していますところの回収は製造販売業者が行うわけですが、残念ながら、製造販売業者の努力だけではなかなか100%達成は難しいのが現状で、経過や終了報告を行うとしても改善は望めないと思います。そういった意味ではもっと別な視点から、例えば何らかのインセンティブを設けて自動車の車検のように定期点検とか、定期管理を行なうことで回収があった場合でも効果を上げる方法を検討していただければと思います。以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。ほかにありますか。
○花井委員 さきほど「●」と「・」の話を聞いて思ったのですが、具体的にいま行政がやっている実態と、その実態をちょっと変えていくためにこうやるという話と、実態としては問題ないけれども、法整理的にきちんと法に位置づけるべきかという問題があって、「・」の中には、例えば通知でできているけれども、これは法にしたほうがいいのではないかという論点に関しては、そこは「●」か「・」かが論点になっていると。そこをまずはっきりしておきたいと思います。
添付文書の話で複数の意見が出ているようですが、いまの実態としてそんなに公的な位置づけがないとか、いまの添付文書はけしからんとかそういうことではなくて、法的な整理の問題で、先ほど堀田委員がおっしゃったのですが、責任の配分の問題でもあるのです。国としてはメーカーが一義的責任があるのだからこの件もメーカーが全責任と考える場合と、供給者とそのときに国も指導するというのではちょっと意味合いが変わってくると。こういうところにこだわっている方がおられると思います。
これについて私からの意見ですが、先ほど大臣からもお話がありましたが、2002年の改正のときもちょっと議論をしたのです。ほかの国の法律を見るとちゃんと書いてあったわけです。日本は法文化的にざっと書いて、あと通知・通達がほぼ法と同じように扱われてきたという経緯があります。それは実際そうだったと思うのですが、あれから10年経ち、例えば記憶に新しいところでは、市販薬について、法に基づいた通知を出したのに、その通知そのものが違法ではないかと、国内でさえ裁判を起こされたりしているのです。
それから、外資系の一部では特に本社のほうが、現地法人の日本が何かを言うと、それは法律に書いてあるのかということを現地法人から言われて、日本独特のものの説明がしにくいということも起こってきている。ICH三極も崩れつつあるのですが、三極の中では、添付文書が承認事項となっていないのは日本だけなのです。日本の問題だと私は申し上げるつもりはないのですが、この三極の中で日本だけが違う制度ということはやはりいかがなものかというのがあります。
それから、市販後に柔軟性を欠くという議論が、片木委員とかおっしゃっているのですが、それはあたかも対立しているようにここに書いてあるのですが、決して対立しておらず、実は市販後安全対策の、この前もイエローペーパー、ブルーペーパーという形でこういうようにというスピーディーな対応を示されていました。しかし、ああいう形で市販後のものをスピーディーかつフレキシブルに添付文書を改訂するという仕組みは、何らこれと整合しないということはないのですね。これが矛盾するという前提で議論されるとあらぬ対立項が生まれますので、スピーディーかつフレキシブルに、市販後に添付文書をきちんとアップデートできるという仕組みと、承認条件にするかどうかというのは、決して矛盾していないということを前提として、どうするかをご議論いただきたい。そうしないと論点が変に対立ができてしまうと思います。以上です。
○片木委員 添付文書に関して議論が進んできたので意見を言わせていただくと、添付文書を承認事項というその承認に縛ると。きっちり縛ってしまうと、いま医療現場で行われているのは、患者さんの体力とか、年齢に応じて薬を減薬したり、患者さんのために柔軟な使い方をしているわけです。それを承認するとき、添付文書で承認するときに、こうですよと決めてしまうと、医療現場でその患者さんのために減薬をする、患者さんのために行うことが違法になってしまうということだけは、私たちドラックラグで苦しんでいる患者さんにとっては、必要な医薬品にアクセスをしたい、ちゃんとした治療を受けたい、自分のためにベストな治療を受けたいというのは当然のことですから、そういうことが阻害されないような考慮というのが命を守るためにはいちばん必要ではないかと思っています。
○永井部会長 この添付文書と第三者機関については議題2でも議論しようと思っていましたが、いつでも結構ですのでご発言いただければと思います。
いまの片木委員のご意見はまさに医療現場でいろいろ新しい知識であったり患者さんの個人差の中で、薬の使い方というのは行われているわけです。例えばベータブロッカーは心不全には禁忌だったのが、今はむしろ推奨される治療法となりました。添付文書が改訂される前に、適応が得られる前に、現場では使い始めているわけですけれども、そういうところにあまり制約がかからないでほしいというのは確かに医療現場の意見だと思います。澤委員どうですか。外科ですともっといろいろな例があると思いますが。
○澤委員 そうですね、やはり外科の場合は確かに幅が広くありますので、なかなか難しいかと思います。
○永井部会長 添付文書に対する法的な承認はどこまで、一字一句、ミリグラム、数字まで全部を対象とするのか、あるいはもう少しポイントを絞ってカバーしていくのかということはもう少し議論していいと思うのですが、花井委員、それはどこまでをカバーすべきかということなのでしょうか。
○花井委員 当然ヨーロッパとかアメリカではその承認事項としては、別にいまのようなフレキシブルな対応では問題なく、逆に、現行制度においても適応外薬の問題はいつもシビアな問題として立ち上げられますが、やはり医療現場である程度柔軟に使って、それに対応していくということを。多分、今回の承認事項とするという論点は、そういう話ではなくて、国が制度的に法律上の責任がどこにあるかを記述するというのが、もっと言えば薬害対策ではないのかと。つまり法的整備において、メーカーが一義的に責任がある、それを指導する国が指導不作為だと言われ薬害だと言われるのか、これはもともと国がちゃんと審査したのだからというと、そこが困ると。こんな偏見に満ちたことをこんな平場で言っていいのかどうかわかりませんが、そういう制度設計の論点であって、実態としていまある医療を。我々も抗HIV薬や血液製剤など、もちろん柔軟に使うわけですけれども、そのことを阻害するということは論点とならないのです。
○永井部会長 ならないようにしないといけないと思います。特に副作用をいかに早く検出し、そういうのを作るかということがいちばん大事だと思うのです。ご意見はいかがでしょうか。
○花井委員 全くそのとおりです。
○寺野委員 添付文書についていろいろとはまってしまったのですが、花井委員が言われた内容でいいのではないかと、薬害関連事件の検証委員会の立場としてはそのように思います。添付文書というもののステイタスの問題が1つあって、通知等々で出されるものと、法的なものとして位置づけられるということは、基本的に添付文書の性格が変わったと私は思うのです。ですから法的な裏付けがあるということは効能等々と同じく重要なものであると認識するべきではないかというのが基本なのです。それが1つ。
それから先ほども出ましたけれども、EUとかアメリカ、あるいはICH等々の比較から見ても、やはりそれは法的なものとして位置づけていることを考えると、国際的観点から見て、先ほど言われたICHのコンセプトということから見れば、法的なものとして何の差し支えもないのではないか。いま実際通知でも法的な効果があるような発言がありましたが、私もそう思っていますので、そうしていいのではないか。
ただ問題は、片木委員と坂田委員か花井委員の意見がちょっと衝突しているところがあるのは確かなので、そこに柔軟性とか迅速性をどのようにもっていくかということは、1つの我々の工夫であるということです。基本線は法的なものとしての位置づけをした上で、そこに柔軟性、迅速性が欠けることのないような工夫を。それは若干いまの中にも軽微な変更とかそういうものがあるようですけれど、それではちょっと足りないかもしれないので、そこの柔軟性を担保するような方法を我々が工夫すべきなのではないかと、そういうのが私の立場です。
○片木委員 おっしゃっていることは十分わかりますし、私自身も薬害被害が起きてほしいとは絶対に思っていないのですが、厚労省の中に、その責任を重くすればするほど、責任というところをどう法的な位置づけを置くかというところで、もし厚労省の責任が重い形になってしまうと、結局はその責任を取りたくないという形で、医療現場にとばっちりがくるのではないか、それが、ひいては患者さんの医薬品、アクセスを阻害するのではないかと私はとても心配しています。結局、厚労省が行政処分をする立場はあるわけですよね。お医者さんを処分することはできるわけですから、リスクを避けるために、適応外使用とか、柔軟な患者さんのための治療を行わないような、そういう医療が萎縮してしまうような形にならないということを念頭に、薬害を起こさないことと同等に念頭に置いて議論していく必要があると私は思っています。
○寺野委員 その点は賛成です。
○永井部会長 ですから、どこまでより公的にするか、縛りを強くしていくかということだと思います。
○花井委員 全く皆さんの意見はおっしゃるとおりです。こう考えたらどうか。スピーディーかつフレキシブルに対応する。一義的責任はいまはメーカーにあるわけです。そのときに国は、そのスピーディーかつフレキシブルに対応しているというメーカーがしなかったときに、それを監視指導だけすればよいのか、それとも、それは国の責任としてちゃんと患者のため、医薬品の安全性確保のためにやらなければいけないのかという論点なのです。だからスピーディーかつフレキシブルにしなければいけないというのはみんな一致していて、それをメーカーが一義的に責任を取るということも一致しているのですが、それを国は指導すればいいのか、それをちゃんとするのは国の責務だと思うのか。論点はここなのです。
○永井部会長 法律の先生にお聞きしたいのですが、山本委員いかがでしょうか。そういううまい、どちらにもあまり衝突が起こらないような作り方はどのように考えたらよろしいのでしょうか。
○山本委員 先ほどの特に寺野委員が言われたことが非常に的確であったと思うのですが、おそらく問題は2つに分ける必要があって、1つは、添付文書を法的に明確に位置づけるかどうかという問題。それから、その場合に具体的にいま現在の承認の手続きに乗せるのか、それとも何らかのもう少し柔軟な手続きを設けるのかどうかという問題、おそらくこの2つに分かれて、前者の法的に明確に位置づけなければいけないのかという点に関しては、ほとんど意見の一致があるのではないかと思います。問題は後者の点で、具体的に承認の手続きに乗せた場合に、医療現場に対する影響がどうか、あるいは手続きのスピードがどうなるのかといった辺りのところで、承認の手続きに乗せるほうがいいのか、それとも何らかのもう少し別の手続きを考えたほうがいいのかというところは分かれるだろうと思います。
責任の問題なのですが、私は、承認の対象にする場合と、例えば届出義務を課して、その上で厚生労働省の側に改善命令を出すような権限を明確に設ける場合、その2つの間で国の責任はそれほど変わらないのではないかと思います。つまり、承認の対象にした場合に、国が一次的な責任を負うことになるかというと、おそらくそうではなくて、依然として事業者が一次的な責任は負うと。ただ、承認のやり方がまずいということについては、国が責任を負うという話になりますし、届出義務を課して改善命令を出す権限を与える場合であっても、やはり改善命令等を適切に出していない場合には、国の責任が問われるわけです。ですから責任の点ではそれほど大きくは変わらないのではないかと思います。そうすると問題は、具体的に承認の手続きに乗せるのか、それとももう少し別の手続きを考えていくのかということになるのではないかと私は考えています。
○永井部会長 ほかにいかがですか。
○坂田委員 被害者の立場から言わせてください。添付文書の記載が適切でないということが、薬害の被害拡大に大きく影響していることは、薬害肝炎を含む過去の多くの薬害がそれを証明しています。被害者の私としては、法的拘束力をもたない通知を、今日参考資料4で通知を入れさせていただきました。前回の部会でも発表したのですが、「御了知の上、貴管下関係業者に対し、御指導方、御配慮願いたい。」これが通知です。いわゆる前回助言という形で私は表現したと思います。米国とかEUでは承認審査の対象となっていますけれども、このことでほかの国で承認が遅れているとか、添付文書の改訂に時間がかかって仕方ないとかいう問題が起こってるのでしょうか。それをちょっと事務局に聞きたいのです。いわゆる法的に位置づけるということは、いろんな工夫でうまくできるのではないかと思うのです。医薬品の承認後、承認事項のうち添付文書のみの改訂の場合は、再度の承認を不要とするとか、軽微な変更であるとか、それを法文上に明確化する。そういった工夫をやれば柔軟に対応できるのではないかと思います。
○永井部会長 山本委員が言われた、改善を求めるというところは、通知ではなくて、もっと強くしようというご意見と伺いましたが。
○山本委員 それは必要なのではないかと思います。
○永井部会長 ここは改善というか、法的にかなり強くやらないといけないという点だということですか。
○山本委員 常に改善命令を出さなくてはいけないというわけではありません。行政指導のレベルで改善を求めることもあると思います。ただ、その場合にも法的な裏付けと言いますか、最終的にはそういう手段があるということが、あるのとないのとでは違うということです。
○永井部会長 改善を求める権限も強くするし、それに伴った責任も明確にすると、そういうことですね。
○山本委員 はい、そういうことです。
○藤原委員 論点整理ということで、長野委員と連名で参考資料6を提出させて頂きました。制度設計にあたっての添付文書についての基本的な考え方です。承認の段階では特に問題視しておりません。はっきり言いまして業界側としてもいま実際に承認申請時には添付文書案を添付して提出していますので。それよりも先ほどらい、花井委員からもご説明がありましたように、「市販後の添付文書の使用上の注意」というのが非常に大切であり、多くの添付文書改訂を行っています。いま、市販後の添付文書改訂には企業側はものすごく人員を割いていますし、PMDAの職員の方とも多くの時間を使って協議をさせていただいて作成しているのが現状です。
昨年は実際どのくらいの数の添付文書改訂があったのかというと、成分として延べ810成分、品目数として2,431品目、該当会社数も延べ730社、(これは先発品、後発品も含めての数です)、添付文書改訂と単純にお話させていただいているのですが、非常に手間がかかる作業です。
先ほどらい、ありましたように、法整備という点でどこの条文に付けるかというのは、私は専門ではないですけれども、ほとんどの会社は添付文書改訂はしっかりできていますので、もしできないのであれば、先ほど山本委員がおっしゃったように、できないところに対して勧告するとか、罰するとか、そういう法的な整備をしていただくというやり方を是非お願いしたいです。添付文書改訂の数が非常に多いから云々というのは言いづらいところなのですが、非常に手間がかかっているという状況がありますので。我々としては定期的にという言葉に若干こだわっている点もそこにあります。
通知を守らないというようなことをおっしゃるのですが、実際、業界としては、前回望月委員がおっしゃったように、ほとんどというか100%きちんとやっています。私は日薬連の安全性委員会の委員長をしておりますけれども、安全対策課長通知による使用上の注意改訂では、当該企業が措置を実施した証として、定められた日時までに該当企業の「使用上の注意等変更届」を事務局に集め、PMDAの安全第二部に提出しているという、そういうチェック体制もとっています。
長くしゃべって恐縮ですけれども、先ほど花井委員がおっしゃったように、どのレベルで法整備をするのか。ただ単純に添付文書の改訂ということだけを言いますと非常に簡単だと思われていますけれども、一変という承認手続きはものすごい作業です。企業からすると、承認化となると膨大な資料を作らなければいけないのかということがありますので、是非そこは避け、迅速性を担保するというのが非常に大事なこととなります。
○永井部会長 特に副作用が発生しているかとか、状況の把握、対応については、迅速にするように法的な縛りを設けて、お互いが緊張感をもって仕事をするということではないかと思います。
○藤原委員 そうですね。したがって、改訂内容でレベルを変えるとか、いくつかあったと思いますが、先ほど言いましたように、添付文書改訂という行為そのものは非常に数が多いですから、この間出ましたように、緊急安全性情報のいわゆるブルレターというものは当然早く回すとか、それ以外のものはあとにやるとか工夫が必要です。
あともう1点加えますと、先ほど原澤委員もおっしゃったのですが、紙ベースで添付文書の伝達をする形になっています。これは米国のFDAではいま電子媒体ですぐホームページに公開されています。日本の場合はいまの法律上では、一変で添文改訂しますと、その日から製品に対して添付文書は新しいものを付けていかなければいけません。そうすると例えば今回の震災のようなことがありますと、添付文書印刷が間に合わなくなって、中に入れられないで生産のほうも遅れてしまうとか、いろいろと問題があります。また、添付文書の特に使用上の注意というのは、ある意味で臨機応変に変更していかなければいけないものだと。まず第1段の指示をして、それでだめならもっと強い指示をするそういうものですので、是非その辺のところを、担保できる柔軟性というものをもった制度設計にしていただきたいと思っております。長くなりましてすみません。
○永井部会長 どうもありがとうございました。
(細川厚生労働大臣退席)
○永井部会長 議題の2でもこれは集中的に議論をする予定だったので、併せてお願いしたいと思いますけれども、議題の2、「今後特に議論を行う必要がある論点について」ですが、6月の部会までに議論されたこれらの論点のうち、「第三者組織」と「添付文書」について、いま大分ご議論をいただきましたけれども、この2項目については、制度のどの部分の改正が必要であるかを整理する必要があります。先ほど大臣のご挨拶にもありましたが、2項目については非常に重要な課題であるということで、さらにご意見をいただきたいと思います。資料の2の説明をまず事務局からいただけますでしょうか。
○中垣総務課長 資料2をご覧ください。「第三者組織について」ということで、2頁ほどございます。まず1つ目として、「第三者組織の目的等について」です。最終提言を踏まえ、医薬品行政の「全般」及び「個別医薬品」の安全性に関し、医薬品行政に関わる厚生労働省及びPMDAに対して、監視及び評価を行うとともに、薬害防止のための適切な措置をとるよう提言等を行う権能を有する組織を設置するのではないか。最終提言を踏まえ、当面厚生労働省において、八条委員会として設置することを検討すべきではないか。ただし、「審議会等の整理合理化案に関する基本的計画」による強い制約があることをどう考えるか。
2つ目は、先ほどの紙にもありましたが、「第三者組織の既存の組織との整理について」です。厚生労働省に設置する場合には、既存の薬事・食品衛生審議会とは別個の組織とすべきであり、第三者組織が医薬品行政に対して総括的な提言等を行う場合には、厚生科学審議会等、医薬品行政の全般的な提言を行う既存の審議会等との整理についてどのように考えるか。それから、第三者組織が個別の副作用等について提言等を行う場合には、医薬品等については、すでに消費者庁・消費者委員会の監視の対象であり、消費者からの意見等を個別に調査する既存の組織である消費者庁・消費者委員会等の整理について、どのように考えるか。それから、できる限り独立性を担保するために、厚生労働省につくる場合でも、既存の厚生科学審議会等とは異なり、例えば、適切な規模・人材を有する事務局を設置したり、委員の一部を公募制としたり、委員が自ら審議事項を発議できるようにすべきではないか。最終提言を踏まえ、メンバーとしては、このように幅広い専門家等から構成すべきではないか。こういったことがあろうかと思っております。
○俵木安全対策課長 続いて添付文書の件です。いままさにご議論をいただいておりましたとおりでございますが、まず「添付文書の役割について」です。添付文書は極めて重要な文書でして、その記載内容については、いまご議論がありましたように、製造販売業者が第一次的な責任を負うものであるということについては、法的に明確化しておくことも必要なのではないか。
また、2番目の「公的な文書としての位置づけについて」ですが、まさにいまご議論いただきましたように、1つは、最終提言を踏まえ、公的な文書として国の関与を明らかにして、薬事法上の位置づけを明確化しておく必要があるのではないかということについては、先生方のご議論の中で、ご意見の大きな違いはないのではないかと思います。
また、もう1つの重要な点ですが、添付文書には常に最新の知見を速やかに反映する必要があり、どのような位置づけにするとしても、迅速な改訂を妨げない制度であるべきであるということについても、重要な論点です。
それをどのように法律に反映していくかということで、添付文書を承認事項として規定するのかどうかについては、さまざまな議論があるということで、先ほどの資料1にもありましたとおり、また、いまご議論のありましたとおり、まださまざまなご議論がありますので、それも踏まえて、法律改正をどのように進めていくのがいいのかについては、十分な慎重な検討が必要ではないかと考えております。
また、いまのご議論にはありませんでしたが、定期的な添付文書の見直しの問題ですが、これも最終提言の中で指摘されておりまして、製造販売業者は必要に応じ速やかに、かつ、定期的に最新の知見を添付文書に反映すべきことを明確化しておくべきではないか。また、こうしたことが適切に行われていることを担保するために、国が定期的に確認を行うことについても、法的な手当てを検討するべきではないかということを、第2回目のご議論のときにご提示させていただきました。
○永井部会長 一部は既にご議論いただいていますが、全体を通して、さらにご議論を深めていただけますでしょうか。
○望月(眞)委員 添付文書をきちんと公的な文書として位置づけるということに関しては、いま第52条である程度は書いているところですが、ラベルとして瓶に貼り付けたようなものから、さまざまなものまでありますので、そこは少し整理をして、法文化することはできるのではないかと思います。
あと添付文書を承認事項とするかどうかについては、先ほど山本委員がかなり法律上整理をしてくださって、私も頭の中の整理ができたのですが、いわゆる効能・効果と用法・用量というところに関しては、いま承認審査の対象になっていて、かなりの資料を提出して、議論をされた上で、こういう形で承認するということになっていると思います。そこに関しては、それを逸脱したことを添付文書に書くといけないという、記載禁止も条文化されていて、そこはかなり整理をされているような気がします。ただ、条文を読んだだけでは、承認された効能・効果、用法・用量以外を書いてはいけないとは、私は法律の専門家ではないので、私たち素人が読むと、わかりにくいところがあると思います。
先ほどから出ている使用上の注意のところに関して、それを承認のプロセスに乗せるかどうかというのは、かなり慎重に考えなければいけないところで、承認するということは、それが明確な根拠をもって検証されているということが基本にはあると思うのです。そうしますと、安全の部分を検証するというのが、どのような形でできるのだろうか、まさか介入研究をするわけにはいきませんし、観察的な研究や、これから将来薬剤疫学的にデータベースを使って研究するにしても、不安定な情報であることは、どうしても避けられない段階で、何とか皆さんにお伝えしていかなければいけないという事態が、いろいろと発生してくると思うのです。
それをいまは、例えば副作用という項目に書くのではなくて、「その他の注意」というところに不確定な情報を書くような整理をしたり、いろいろな工夫をしているのですが、そこはそういう柔軟性を持たせておかないと、なかなか書けなくなってしまうのではないかと思います。使用上の注意も承認事項にした場合かえって情報のアクセスの意味では、使う側にとって不利益のほうにつながっていく可能性もあるかと思うのです。承認のプロセスに乗せるかどうかは、かなり慎重に考えておいたほうがいいのかなと思います。
いずれにしても、通知にどこまでの効力があるかというのは、いろいろご意見を聞きますと、先ほども花井委員がおっしゃっていたように、外資系は日本の通知のニュアンスが伝わりづらくて、本社サイドでなかなかゴーが出てこないということもあるそうなので、山本委員がおっしゃったような、改善がなかなか進まない場合に、何かそれをうまく使って改善ができるというような方策もあるのかなと思っています。
○鈴木委員 添付文書についてはいろいろと議論がありますが、重大な副作用が新たに見つかった場合等、早く患者あるいは医療関係者の方にお伝えするという観点からすれば、承認事項にすると、申請の書類を作り、さらに行政のほうで判断をするということになると、かなり時間がかかってしまうことがあって、かえって患者の利益に反することもあるのではないかと思います。もちろん国の関与ということは必要だとは思いますが、承認事項とすることについては、しないほうがいいのではないかと思います。
また、そうであっても、一部の企業で問題のあるところについては、行政指導のようなことでやっていくほうが、あるいはそういう権能を与えるということはあり得ると思いますが、すべてを承認事項にするということになると、スピードという観点では非常に難しいことが起こるかと思います。
それから海外の問題では、私どもは例えば医療機器で、海外会社の子会社で、回収などもやっていますが、考え方の違いなどで、海外本社の理解が得られなくて、日本の制度がわからないということで苦労しているケースも多々あります。
法律にすべて書き込むということがなかなか難しいと思います。私どもも、従前は指導するときに、口頭で指導していましたが、いまは指導事項についてきちんと文書を交付するとか、そういうことを通して、ご説明ができるようにしてきているつもりですし、そういう取組みをさらに進めていく必要があると考えています。
○永井部会長 鈴木委員にお聞きしたいのですが、情報を集めたり、指導をより公的に、厚生労働省の関与を強めるということで、いまよりももっと薬害の防止が改善されるとお考えですか。
○鈴木委員 基本的には、医薬品行政というのは通知行政と言われていますが、医薬品の業者あるいは医療機器の業者というのは、通知に対しては、法的と同じような形できちんと理解をして対応していると考えています。
○永井部会長 いろいろ問題が起こっているので、もっとそれを強化しようということについては、ご異存はないということでしょうか。
○鈴木委員 はい。
○片木委員 治療薬というのは、承認されるときは治験などを経て、薬がスタートラインに立ったことだと私は思っています。患者を守る観点というと、添付文書をどうするかということよりも、私は、市販後調査、全例調査をしっかりとやって、そのデータをきっちりと患者の安全を守ることに使うという観点もあると思っているのです。それなので、患者の安全を守るという観点でということと、医薬品のアクセスということで、きっちり添付文書に関しての議論をして、ほかに守る方法がないのかというところでも、守るということを考えていったほうがいいと思っています。
○七海委員 添付文書の公文書としての位置づけというところですが、確かに薬害、ソリブジン事件以来、医療訴訟で添付文書というのは、過失の推定基準として採用されるような傾向があると感じています。法的に重要性が増しているというのは、間違いない、先生方がおっしゃっておられるとおりです。
公的な文書として、国の関与を明確にするということも理解できます。その必要性も理解できますが、堀田先生が先ほどおっしゃっておられましたように、そうすることによって迅速な改訂が妨げられるとしたら、我々使うものとしては、添付文書が現場では砦ですので、早急な改訂とか、そのスピードが落ちると、逆に患者に対しての安全性に影響が出るのではないかというジレンマがあります。そういうことで、どこまでなのかということ、やはりスピードのある改訂が求められるのではないかと考えております。
もう1点は、先ほど製造者が第一義的に責任を負うものであることを明確にすべきではないかということでした。しかし、そうしますと、本当に微細なことまで製造業者が書き込むのか。例えば添付文書を見ますと、妊婦への投与、授乳婦への投与で見られるように、よく「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にどうするか」というような表現があります。結局は現場のドクター、薬剤師の責任になってきます。そのような添付文書でいいのかという面もございます。その辺について、もっといい方法はないのか。これは承認条件なのか、そういうことではなくて、使う現場の人間として、患者の安全を保つために、それではどうしたらいいのかを明確に、早急にしていただく方法がいちばんいいのではないかと感じております。
○永井部会長 いまの点はいかがですか。医師の裁量ということで結構行われている治療があります。注意深い観察の下に行うわけですが、それはどこまで明文化できるかということですが。
○澤委員 それに関連してですが、医療現場から見て、先ほどの添付文書の公的な位置づけを明確にしすぎる、もしくはしてしまうと、医療現場に大きな混乱が起こるだろうと。いまの議論の中でも出てくるように、現場の判断に混乱が起こるだろうと。添付文書に書いてある内容が、1時間読んで考えても、すべてのことを理解しにくいような、自分たちがいままでに経験したことの中で、こことここということを判断するというのは難しくないのですが、あまり不慣れな薬として投与しようとした場合には、本当に副作用が何かわからない段階で、この人に投与していいかどうかと。添付文書の位置づけを公的なものにしてしまうと、難しくなる。
先ほど片木委員がおっしゃったことで、副作用に対する迅速な対応が重要である、私もその観点が重要だと思う観点から言うと、添付文書を公的にすること以外の体制で対応されるほうがリーズナブルだろうと。医療現場への混乱が起こる可能性を避けるべきではないかと考えます。
○永井部会長 公的ではあるわけですから、もっと公的にしてほしいわけですね。それをどのようにするかというのが問題なので、憲法か法律のようにしてほしいと言っているわけではないですね。ですから、具体的にどう条文を作るかというのを、なるべく早い時期に一度見て議論したほうがよいのではないですか。
○寺野委員 大体同じようなことを繰り返していると思いますし、皆さんが考えていることも大体一致しているわけですが、やり方の問題だと思います。それは座長が言われるように、具体的なものとして出してもらわないと、議論が繰り返されているだけだと思うのです。
○永井部会長 だんだん論点は揃ってきたとは思いますが。
○寺野委員 決して矛盾しているわけではないのです。山本委員が整理されたことで私はいいと思うし、藤原委員が言われたような事柄を考えると、医療現場と企業現場があるわけで、その辺を考えると、やはり法的なバックアップが必要なのではないか。また、教育する立場でも、添付文書というものの位置づけを明確にする必要があると思います。そういう意味においても、そこは法的なものとして、基本的なものをつくって、あとは工夫を山本委員が言われた形でやればいいのではないか。ただ、工夫の仕方はいくらもありますから、それをみんなで、場合によってはワーキンググループを作ってもいいから、やったらいいのではないでしょうか。
○花井委員 議論は出尽くしたと思うのですが、1つは使用上の注意について、薬害以外の検討会で初めて私は驚いたのですが、「予防原則」という言葉が出てきたのです。薬というのはエビデンス、サイエンスでちゃんとやって評価すると。それは承認になると。ところが、使用上の注意は「予防原則」で、ある程度の指標で、これは注意に書けというときに、承認条件とするとフレキシブルな対応ができないと、そういう議論をやっていると思うのですが、事務局に明確に法文を出してもらうのはそうなのですが、先ほどから言っているように、承認条件としてしまうと、使用上の注意等々のフレキシブルな対応ができません、遅くなりますということであれば、これはやるべきではないと思うのです。迅速な対応ができないなら、できませんと公式に発言していただければ、それではしようがないですねと。そこは前提です。
もう1点の論点は、より公的な性格が強まると、添付文書を使って、医療現場において、医師が添付文書に反した使い方をしたときの違法性は高まるのですか。高まるのであれば、現場としては澤委員がおっしゃったとおりで、それではできないです。これは全員一致で、承認条件としたらそういうことが起こるのであれば、できないです。
添付文書の位置づけが公的になれば、それは使う現場の違法行為になってしまうのだとなるならなる、そこをはっきりと事務局から言っていただいて、それを前提に議論したいと思います。
○永井部会長 むしろ法律家の山本委員に、またご意見を聞きたいと思います。
○山本委員 私は当初から、「公的な文書」という意味がいまひとつわからなかったのです。公的な文書にするか、そうしないか、ここに書かれているもう一つのタームで言えば、製造販売業者が一次的な責任を負うか、そうでないのかというのは、あまりにも問題を単純化しているという感じがするのです。
実際には、結局は製薬会社、現場の医師あるいは国が、それぞれの立場で動いていて、注意を怠ればそれぞれの責任が生じるということだと思いますので、一次的な責任を負うのか、公的にするのか、しないのかという形で議論をすると、一体何が問題なのかがわからなくなるという気がするので、もう少し具体的に、先ほどから出ているように、添付文書にどれだけ縛られるのか、その辺りのことは明らかにする必要があると思いますが、先ほどのような、どちらかという形で議論をすると、かえって本質が見えなくなるという気がしますが。
○坂田委員 公的文書の位置づけによって、いわゆるアメリカ、EUでラグが発生しているわけではないですよね。事務局にお願いですが、添付文書の改訂によって時間がかかって仕方がない。先ほど質問しましたが、ほかの国ではそれによって承認が遅れているということがあるのですか。諸外国のことを知りたいのですが、そこを調べていただけませんか。
それと、私は、行政の監督権限を法的に明確にすることが、より安全な薬が市場に出るという考えです。
○永井部会長 何かお答えできるでしょうか。特に外国の状況ですね、バックグランドがどう違うのか、制度が違うのか、ご説明いただけますか。
○佐藤安全使用推進室長 いまの坂田委員のご質問ですが、今日の長野委員と藤原委員から、参考資料6で基本的な考え方の意見書が出ていますが、ここで、「添付文書の『使用上の注意』の改訂は、評価、検討及び内容の確定を欧米と比較しても迅速に行っており」という、いまの日本の現状がこの中にも書かれております。これについては、具体的なデータがここに添付されておりませんが、こういった実情があるということであれば、この辺の情報を事務局と長野委員、藤原委員にもご協力をいただいて、整理させていただきたいと思っております。
確かに、ICHの国々の制度ということで、承認上見るか見ないかという位置づけの部分で、文字上の単純な比較は前回お示ししたとおりかもしれないのですが、それが持つ意味といった部分についても、こういった欧米との比較における迅速性、そういう実態の中で、また議論できるような材料を提供できればと思っております。
○寺野委員 添付文書の話に入っているのですが。
○永井部会長 もう1つの議論の第三者機関のことでご発言ください。
○寺野委員 第三者組織の問題も、1つの大きな論点としてあるのですが、これは資料2に書いてあるとおりなのです。ただ、資料2の(2)を読むと、第三者組織が個別の副作用等に対して提言を行う場合には、医薬品等についてはすでに消費者庁・消費者委員会の監視の対象であり云々と書いているので、そこへ入れてしまえばいいではないかというように読めなくもないのです。違うとは思いますが、表現としてはそれもあるのかなということで、これは消費者庁とは全く別の委員会としていただかなければ機能しないだろうというのは、検証委員会の結論です。その点を特に強調しておきたいということです。
たくさん言いたいことはあるのですが、基本的には消費者庁の参考資料3に入れさせていただきました。それは何を言いたいかと言えば、結論から言えば、形としては八条委員会とか、そういう形としては独立委員会で、こういうスタイルになるのかなというのが1つの提案です。もう1つは、この委員会の中の第四条の「所掌事務」というところを読むと、膨大な内容を持っている委員会なのです。この中には、薬事法等の観点は入っていません。食品衛生法等々は入っています。あえていうなら二十七号ですかね。ここに、「前各号に掲げるもののほか、法律に基づき消費者庁に属させられた事務」とあるのですが、その他の中に入るような問題ではないだろうということを考えますと、この消費者庁とは独立したものとして考えていただかなければ困る、ということだけは強調しておきたいと思います。
○永井部会長 どこに設置するのがよろしいとお考えですか。
○寺野委員 厚生労働省に置くか総務省に置くか、そのほかに置くかというのは議論があるところですから、最初の段階で厚生労働省に置くということも、独立した形であれば、工夫次第でそれでも可能だと思います。それはいろいろな意見があると思います。総務省の意見も出たけれども、感覚も違うし、距離的にも遠いらしくて、これは無理なのではないかという意見は、その後に出ておりました。参考までに。
○坂田委員 第三者組織のことについてですが、すでに議論済みのことにわざわざ疑問符を付けて、未確定のことのように資料が作られています。以前も発言しましたが、最終提言の74頁から79頁に詳しく記載されています。その記載から後退なく議論ができますよう、是非よろしくお願いします。
○永井部会長 具体的に指摘していただけますか。
○坂田委員 最後ですが、「設置するのではないか」ではなくて、「設置する」。「どう考えるか」ではなくて、「もう考えてある」。そのような感じです。
○永井部会長 第三者組織についてご意見をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。山本委員には以前にもご意見をいただいたと思いますが、この整理についてはどのようにお考えでしょうか。
○山本委員 まず、いまのご指摘、先ほどの消費者庁・消費者委員会との関係ですが、消費者庁は、もともと縦割りの消費者行政を改めようという趣旨で作られたものですから、所掌事務で申しますと、一号から四号が、一般的に、いわば何でも入る条文になっているのです。四条の一、二、三、四号です。消費者安全法の規定による消費者安全の確保に関することと四号にありますが、消費者安全法の規定をさらに見ると、ほかの法律上処分ができることについても、内閣総理大臣が処分等適切な措置を取るように求めることができるという形になっていて、いわば何でも入ることになっております。五号以下は、確かに具体的な法律がざっと並んでいるのですが、これは最終的な処分をする権限まで消費者庁に移されたものであり、そこに至らない、「求める」「勧告をする」というレベルのところは、何でもできる形になっています。
私の意見というか、議論をしていただきたいことを申しますと、これは前回も申し上げたことなのですが、結局第三者組織がどのようなミッション、どのような任務を負うものであると考えるのか。それとの関係で、既存の行政機関との関係はどのように考えるのか。そこを整理しないと、責任の所在がはっきりしなくなる、あるいはいろいろな組織ばかりができて、お互いの関係がよくわからない状態になると思います。そこを整理しなくてはいけないのではないか。第三者組織の任務は何なのか。現在ある行政機関との任務の振り分けはどういうことになるのか。
さらに言えば、薬害等を防ぐ上で、現在の行政機関に足りないことは何なのか。足りないところを補うために、新たに第三者機関を作ることになるのか、それとも別の、例えば既存の組織等について、こういう点を改めるべきではないかという方向に向かうのか。第三者組織を作るという結論があっても、具体的にどのような制度にするかをイメージする場合には、いま申し上げたようなことを整理する必要があると思いますので、その点を是非いろいろと議論していただければと思います。
○寺野委員 いま山本委員が言われたことは、ある意味もっともですが、逆にいままでも議論をしてきたし、ミッションは目的のところにそれなりに書いてあります。それをもっと細部にわたってミッションステイトメントを作ればいいと思います。既存の行政組織云々というのは、先ほど話をしたようなことです。
整理するのは結構だと思いますし、整理する必要はあると思います。これを法文化するためには、当然それの具体的な法案が必要だということで、その作業が必要だということです。
1つ聞きたいのは、資料2の(1)の○の2に、「審議会等の整理合理化に関する基本的計画による強い制約があるということをどう考えるか」ということで、いくらやってもこの制約があって、結局駄目だという結論を出されたのでは、元も子もないです。この問題は、肝炎検証委員会を発足させたときに、第三者組織というものは出ていませんでしたが、当時の舛添大臣が、しっかりとその検証委員会の結果を具体化するという約束をしておりますので、その辺は、単にこの強い制約がある、行政上の制約があるために作れないという結論だけは出してほしくない、ということだけは言っておきたいと思います。
○坂田委員 いま寺野先生が言われたところなのですが、確かに平成11年4月27日の閣議決定以降、強い制約があると書いてありますが、実際、平成11年以降も、食品安全委員会とか、消費者庁・消費者委員会もできているわけです。だから、そこをきれいに乗り越えて作るということを、私たちは検証委員会では皆さんの意見をまとめましたし、大臣にも約束いただきました。
それと第三者組織の私なりのイメージですが、厚生労働省はもちろん基本的にしっかりやっていただくことは基本です。そして、第三者組織は命令ではないということだと思うのです。しっかりやっていても、必ずおかしいことが出てきますので、それを勧告、調査してくださいということを言うのが、第三者組織だと思っております。
例えば、私たち肝炎で言えば、被害実態調査をきちんとしなさいとか、418リストの問題がありましたが、医療機関をずっと公表しませんでした。そういった場合にすぐに公表するように言うとか。先ほど役所に足りないところを補うためにと言われましたが、私から見たら、迅速性、情報公開、この2点ではないかと思っております。
○堀田委員 第三者機関という、第三者からの評価というのは大事なことだと思いますので、私は原則的にはあるべきだと思います。この八条委員会は難しいとか、消費者もいかんという話になったら、最低どこだったらいいかというものを、そろそろ議論をしてもいいのかなと。これは置かなくてもいいという議論だったら、また根本的な話をしなければいけないのですが。
○永井部会長 あとは規模ですね、どのくらいの規模をまず最初にお考えか。寺野先生、お帰りの前に一言いかがですか。
○寺野委員 この間も申し上げましたが、いま制約ということを私たちも一切考えていないわけではないので、当然のことながら、初めから100人、200人という組織を作るつもりはありません。実際問題、委員としては10人ないし20人というレベルのもので、常勤が全部必要なわけではないです。職員は当然別に考える必要があります。そういうレベルでのことからスタートするということですから、そう大げさなものではないけれども、権限としてはきちんと与えてもらいたいということです。
○堀田委員 それは厚生労働省の中のどこかの審議会なり、部会なりというレベルでは駄目だということなのでしょうか。
○寺野委員 それは独立していないと駄目だということが、肝炎の検証の中から出てきた結論ですから、それは独立した委員会としたい、八条委員会的なものとしてしたいというのが、検証委員会の結論です。その点に関しては随分と議論したのです。
○山本委員 いまの点ですが、どこから独立していることが必要だという趣旨で、議論されたのでしょうか。つまり、いちばん小さな規模でいうと薬食審ですね。それとも厚生労働省ということなのか、あるいはこの審議会なのかとか、その辺りはどうなのでしょうか。
○寺野委員 実際問題厚生労働省から離れた、独立したものとして考えたわけです。審議会とか、そういうものからも独立するということで、全く厚生労働省から離れても構わないのだけれども、離れるほうが理想なのだけれども、それだけの小さな組織で、離れてやっていかれるかという問題が具体的にあるのです。そういう意味からいうと、バックアップとしては厚生労働省にもサポートしていただく必要はあるだろうということも含めて、厚生労働省という暫定的な考え方で出しています。
○永井部会長 そうすると矛盾しませんか。厚生労働省から独立しようとして、厚生労働省に置いてしまったら。
○寺野委員 いや、それは過程の問題です。
○永井部会長 育ってきたら独立するということですか。
○寺野委員 そうです。初めからでもいいのですが、そのためにはそれだけの組織を作ってもらえるかというと、それは行政上の制約があるだろうということは、我々もわかっているのです。
○永井部会長 いずれ独立することを目的としてということでしょうか。
○寺野委員 それは独立することが最終目的となります。
○花井委員 いま寺野委員がおっしゃったのは当時の議論なのですが、最低という話でいえば、昔話になるのですが、薬害エイズでも血液事業安全監視委員会を作れ、大臣の下にぶら下げろというのをやったわけです。その結果できたのが、薬事・食品衛生審議会の血液事業部会の下にぶら下がっているのですが、そこで企画運営を全部やるという、運営委員会というのを作ったのです。これは私たちからすると、もっと立派なものを作りたかったのですが、薬食審にぶら下がってしまって、矮小化されてしまったのです。それは政治的なバトルがあったわけです。それを見て、たぶんそれはひどいのではないかと考えていて、少なくとも薬事・食品衛生審議会からは独立ということになると、まさに薬事法の議論なのだから、薬事法に薬事・食品衛生審議会の設置が書いてあるのであれば、この薬事法に記述するというのが最低ラインで、薬事法に薬食審プラスこれが書かれるというのが。もちろん坂田委員などは、もっと上のレベルを考えていると思うのですが、私たちからすれば、それでも十分だし、まさにいまの議論は薬事法なのだから、薬食審ともう1つのこの委員会を薬事法に書くというのが、最低ラインではないかなと思います。
○永井部会長 いかがでしょうか。できましたら、やはり叩き台が必要になってくると思います。議論はかなり煮詰まってきていると思いますので、次回以降はもう少し具体的なもの、できれば案文のようなもの、あるいはポンチ絵などを出していただければと思います。
○七海委員 そうしましたら、第三者委員会のイメージが私自身がだんだんわかってきたのですが、例えばサリドマイドが復活しました。しかしながら、サリドマイドというのが発生してから非常に時間が経ちます。その時間が経った間に、その方々がどうなっているのかという健康診断、そういうものは協議されるべきだろうと思うのです。例えば薬害被害者の方も、いま被害があって、しかし5年後、10年後にどうなるかというのは、検証していかなければいけない。そのようなことを第三者委員会でやるということも、可能と考えてよろしいのでしょうか。
○寺野委員 当然そういう考え方もあると思います。具体的に法案的なものを作ってみないと駄目だと思うのですが、それはまた我々のほうでも考えてみたいと思います。
ただ、その少ない人数でそんな大きなことができるのかという疑問が、皆さんおありになると思うのです。これは例えば1つの案ですが、先ほどお話された添付文書を電子化するべきだという意見が出ましたが、そういうときに電子化する中で、何かフィードバックできるように、患者、医療側等々で、このような副作用がある、こういう問題があるのだということをフィードバックする欄を作っておいていただければ、それも1つの参考になると、いま聞いていて思いました。
そういうもので、いろいろな指標を集めてこなければいけないし、それを整理しなければいけないから、大変は大変なのですが、工夫の問題です。
○永井部会長 ですから、次回以降はかなり具体的な案あるいはポンチ絵を出していただくということで、議論を整理したいと思います。次回以降の予定ですが、資料3について、事務局からご説明いただけますか。
○中垣総務課長 資料3です。7月22日は今回の第5回です。いま座長からもいろいろございましたが、この「論点整理を踏まえた必要な制度改正案の基本的な方向性」といった形で、いま座長からご指摘のあったようなもので、この間、関係者、団体からいろいろな意見書等もいただいておりますので、そういったものを踏まえて、基本的なものを事務局のほうでも少し考えていきたいと思います。
○永井部会長 今日の議論はかなり煮詰まってきていますので、もう少し具体的な案を次回に出していただいて、次回、次々回を含めて議論を固めていったほうがよろしいと思います。
○中垣総務課長 そうさせていただきます。
○永井部会長 今日はだいぶ集中的に議論をしましたので、次回にできれば案文の叩き台ぐらいで、絵を基にして議論をできればと思います。
○中垣総務課長 今日最初に堀田委員と花井委員がおっしゃったようなことで、いま薬事法自体が、目的はあまり変わっていない法律なのですが、例えばいろいろな責務みたいなもので、医療法などでも法律を変えるごとに、自治体の責務、国の責務あるいは医療提供者の責務という規定が入ってきているのです。この審議会でも、第2回のところで、国の責務、自治体の責務あるいは企業の責務、消費者の責務も出てきました。だから、基本的にそのような形で、責務というものがあれば、その責務を踏まえてどういった位置づけになっていくのかとか、言ってみれば、突然、添付文書には法的なあれがどうかというのではなくて、全体のものと関係があるのだと思いますので、ここだけを議論していてもあれなので、もう少し全体のものがわかる資料を、いまご指示がございましたので、準備させていただければと思います。
○坂田委員 参考資料5ですが、今回意見書を出しています。部会開催についてですが、残り4回です。そして、いま課長から説明がありましたが、資料3では12月は予備という形になっております。今回、第三者と添付文書だけでもこれだけ時間を取っていますので、私からすれば絶対に時間が足りないと思います。だから、12月の師走にバタバタするのではなくて、早めに討議を済ませたらいかがかなと思います。8月を休会にせずに開催していただきたいという要望を出しています。もし8月が無理ならば、9月に2回やるとか、そういった形でできませんでしょうか。
2番目ですが、最終提言には、拾い出しましたら1から12までが、法改正に関係するのかなというところです。そして、1から6までが、事務局の討議予定です。7、8は別の委員会が設置されています。9から12に関して、事務局として、今後どのような対応を考えられているかご説明くださいとお願いしていますが、いかがでしょうか。
○片木委員 事務局にお願いしたいのですが、参考資料2をご覧ください。今日の資料1でも、個人輸入について、治療薬のアクセスについてということで、いろいろな意見を書いていただいたのですが、薬害肝炎の検証及び再発防止のための最終提言のところでも、この問題というのは触れられていたと思うのです。野放しの個人輸入と言ったら変ですが、そこで患者の健康が逆に阻害されるようなものが起きているのではないか。模造医薬品、カウンターフィット薬ですが、そういうものに対してというところも、もう少しきちんと議論されなければいけないのではないか。また、個人輸入の規制に伴うのであれば、患者への医薬品のアクセスという部分も考えなければいけないということで、コンパショネイト・ユースは薬害肝炎の検討会でも、きちんと検討するチームを作って、提言を出されていたと思うので、そういうところの意見も踏まえて、ここの部分は考えなければいけないのではないかということで、資料1では、その部分は意見の羅列が弱かったような気がするので、補足として出させていただきましたので、この内容も盛り込んで、次回考えていただければと思います。
○永井部会長 次回はどうしましょうか、8月にも開催しますか。あるいは9月に2回行うか、少し長時間やるか。9月はいつ頃を予定されていますか。
○中垣総務課長 最後に言う予定だったのですが、各委員のご予定をお伺いしまして、9月16日(金)の18:00から20:00で、ここが各委員の予定が合う日です。
○永井部会長 メール、手紙等で、要望事項、検討事項を挙げていただいて、9月まで時間がありますので、事務局がかなり具体的な案を出すということでいかがでしょうか。議論をそこで済ませられるものは済ませて、ポイントを絞って、論点を明らかにしつつ進めるということでいかがでしょうか。
○坂田委員 何しろ12月に集中しては困ります。薬害肝炎の検証委員会でも1カ月に2回開催していたのです。だから、この調子でいったら、絶対に時間が足りないのは目に見えていますので、是非お願いいたします。
○永井部会長 要望事項等、また論点を絞って送っておいていただけますか。
○望月(眞)委員 今日の議論を踏まえて、第三者組織のこととかを整理してくださるということなのですが、そのときに1つお願いしたいのが、ミッションについて、今日少しわかってきたような気がするのですが、第三者組織があくまでも薬害の発生の拡大を未然に防止することが、最終的な目的なのですよね。私がこの議論の中で最初に、薬害と重篤な副作用は整理をして考えるべきではないか。堀田委員も同じようなことをおっしゃっていたと思うのですが、そこをどう考えるかも含めて、具体的な案を考えていただけるとありがたいと思います。そうしないと、薬害もただの医薬品の安全性という視点で見てしまうと、現在、薬食審の下の副作用報告等を分析して、どのような安全性情報が必要なのか、対策が必要なのかという検討を行っているところが整理ができなくなってしまう気がするので、よろしくお願いいたします。
○坂田委員 今日の意見書の2番目に対する答えは、いついただけるのでしょうか。
○佐藤安全使用推進室長 坂田委員からご指摘いただいた○の後ろのほうの4点がございますが、この辺りにつきましても、次回に論点を整理したものに基づいて、基本的な対応方針を作る際に意見に答える形で、整理をして提出させていただきたいと思っております。
○花井委員 議論に出たウルトラオーファンの件は、法でなくてもできるという整理になっていますが、例えば希少疾病用医薬品と希少疾病用医療機器の指定に関する77条以降の条文に、特定規制疾病とか、新たにウルトラオーファンの特段の概念を作って、そこに何らかの記述をするのであれば、可能性はないことはないですね。行政としては、いまの法体系の中で、この措置で取り組めばいいという理解なのですが、しかしそれが十分なのかどうかというのは、1回議論になったところなのです。法律に、新たなウルトラオーファンなり、そういうものを位置づける必要があるのかどうかというのは、1回議論の場を設けてください。
○羽生田委員 本質的ないままでの議論とずれて申し訳ないのですが、現場では添付文書を自分で読み込んで、要約した形で薬剤情報提供というものをやっているのです。これはいまはほとんどが文書でやっているわけで、その扱いとして、これは添付文書の要約として、添付文書の一部だという見方をするのか、あるいは全然違った見方をするのか。その辺の法律的な解釈とか、これはいま薬の説明の中でいちばん使われているものなのです。これはどういう位置づけになるのか。いまいろいろ聞いているうちに、添付文書が法的なものになったときに、それを現場で要約して、こういうものですよと。最後には「何かあったらすぐ連絡をください」ということは必ず書いているのですが、この辺の法的な解釈はどのようにするのでしょうか。
○山本委員 実態をあまり把握していませんので、即答はできないのですが、現場で別のものを作っているということですよね。形式的にはそれは別の文書ですよね、添付文書そのものではないですよね。
○羽生田委員 要約版です。
○山本委員 誰が作っているということですか。
○羽生田委員 それを処方する責任者です。薬局でも薬剤師が作っていますし、医療機関では医師が作ったり、薬剤師が作ったりということで。
○山本委員 それは添付文書とはやはり違うのではないかと思います。その問題も含めて、たぶん添付文書の位置づけを議論されると思いますので、そのときに問題提起をしていただければと思います。
○永井部会長 次回にその点も明らかにしたいと思います。事務局から連絡事項をお願いいたします。
○中垣総務課長 次回は9月16日(金)の18:00から20:00に開催を予定しております。場所については追ってご連絡を差し上げます。
先ほど座長からもございましたが、今度は1カ月半ぐらいありますので、私たちのほうでもいろいろとまとめますが、各委員からご意見、こういった論点があるのではないかということがありましたら、なるべく早めにいただければ助かります。メールでも何でも構いませんので、よろしくお願いいたします。
○永井部会長 本日はこれで終了させていただきます。どうもありがとうございました。
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