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2010年11月26日 第8回社会保障審議会日本年金機構評価部会議事録

○日時

平成22年11月26日(金)15:30~17:30


○場所

厚生労働省12階 専用第12会議室


○出席者

本田部会長、大山部会長代理、斎藤委員、長沼委員、西沢委員

○議題

平成22年度計画における上半期の取組状況について

○議事

○本田部会長
 それでは、定刻になりましたので、ただいまから「社会保障審議会日本年金機構評価部会」を開催いたします。
 委員の皆さんには、大変お忙しいところ御出席いただきまして、どうもありがとうございました。
 初めに、本日の委員の皆さんの御出席状況につきまして、事務方から御報告をお願いいたします。

○事業企画課長
 本日は、石井委員、岩瀬委員、木間委員から御欠席ということで伺ってございます。

○本田部会長
 それでは、議事次第に沿って進めさせていただきたいと思います。
 まず、本日の主な議題は、「日本年金機構平成22年度計画における上半期の取組状況」についてでございます。
 これは、前回の評価部会の最後にお諮りいたしましたとおり、平成22年度計画の達成に向けました機構の取組み状況等を中間的に確認いたしまして、機構とともに進捗管理を行っていこうということでございます。
 それでは、「日本年金機構の平成22年度における上半期の取組状況」につきまして、日本年金機構より説明をお願いいたします。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 それでは、資料1でございますが、事業企画部門担当の矢崎でございますが、まず記録問題への取組み状況について御説明させていただきたいと思います。
 いきなり飛んで恐縮でございますが、8ページ、9ページをお開きいただきたいと思います。記録問題の工程表の概要ということでございますが、9ページでごらんいただけますように、私ども、3月の理事会で今年度の記録問題の諸課題をいつぐらいまでをめどにこなしていくかというのを決定したところでございます。
 ざっと御紹介いたしますと、一番上のねんきん特別便の21年3月以前に受け付けた分はほとんど処理困難なものであったわけですが、7月を目途に作業を行う。あるいは、今年3月までに受け付けた分は、処理困難なケースはちょっと後になりますけれども、通常のものは9月末を目途に作業を行う。このように、それぞれの事項につきまして目安をつくりまして、また、実際作業を行うのは地方の年金事務所でございますが、そういったところもこういう目標に従ってやってもらうように取組みをしておるところでございます。
 お戻りいただきまして、2ページでございます。
 今申し上げましたように、6月、7月、9月、一定の事項についてそれぞれ節目を示して作業をやってきております。9月まで終了目途の分につきましては、ほぼ順調に目途に従って作業を完了しているところでございます。
 3ページでございますけれども、本年12月終了目途の事項が当面幾つかございます。
 (1)に事項を示させていただいておりますが、今年3月までに受け付けました、いわゆる黄色便、定期便、それから受給者の方への標準報酬のお知らせ(受給者便)で、通常のものについては12月までに終了する目途で今、鋭意やっておるところでございます。
 この状況でございますが、10月末時点で見ますと、処理困難なものを(2)で幾つか書いてございますが、10月の月間処理量から見ますと、あと一踏ん張り、二踏ん張りは必要でございますけれども、何とか12月終了目途の実現ができそうだという状況でございます。
 勿論、これにつきましてもいろいろな取組みを今後とも鋭意やっていかなければいけませんで、それが(3)でございます。それぞれ県単位ごとに進捗状況を見まして、実績の思わしくない都道府県につきましては、今後の処理見通しとか処理計画を私どもにも報告してもらってグリップして指示を出す。勿論、各ブロック本部では、その事務所単位でも同じように進捗状況を見ておりまして、ブロック本部としてもそういった取組みをしております。
 また、(3)の○2でございますが、休日・夜間についても極力やらないといけないということでありまして、実際この作業をやるためにはオンラインが動いていないとできないものですから、ぎりぎり、そのシステムに支障がない限りで、金曜日の夜間とか休日、オンラインを動かしまして、実施の進捗に努めている状況でございます。
 飛んでいただきまして5ページ、全体状況でございますが、いわゆる未統合記録、宙に浮いた記録とも呼ばれておりますが、これが左側にございますように、18年6月時点で5,000万件あったわけでございます。直近で把握しております9月時点で申し上げますと、右の吹き出しでございますけれども、1,500万件が統合されて年金が回復されたことになります。その吹き出しの括弧書きでございますが、これは人数ベースで今回拾ってみたものでございますけれども、1,000万人強の方に年金が回復している。国民の10人の1人の方に年金が結び付いている状況でございます。
 この中でも、表の中ほどでございますが、今後、更に解明を進める記録も数は減ってきてございますが、1,000万件弱ございまして、これへの対応を今後どうしていくかというのが課題でございます。
 おめくりいただきまして6ページでございますが、同じデータを今年3月と比べてみますと、統合済みの記録、22年3月、1,400万件、これが22年9月、今申し上げましたように1,500万件ということで、この半年ほどの間に100万件回復させてきているということでございます。
 引き続きまして、7ページでございますが、こういった作業を進めておりますけれども、この中でせっかく判明した記録が統合されていないのではないかという指摘を会計検査院の方からいただいております。御本人には記録が見つかりましたというお知らせをしているのですが、御本人からの届け出を待っていたり、あるいは勧奨を行っていなかったりということで、統合まで行っていないものについて早急に是正すべしといった勧告内容でございます。
 これにつきましては、3.に書いてございますが、8月時点で会計検査院から具体的に指摘を受けた事項につきましては、中には御本人からの届け出が必要なくても統合できるものも、現場での徹底が十分でなくて届け出を待っていたりしたものもございますので、これは早急に統合処理を行う。それから、御本人からの届け出が必要な分。これは、例えば受給者ですと年金額が変動しますので、当然同意いただかなければいけないのですが、それにつきましても御本人に勧奨等を8月中に行ったところでございます。
 更に、4.会計検査院から個別具体的に御指摘を受けたケース以外にも、こういった問題があるということでございましたので、網羅的にチェックするという作業を10月より開始しております。ただ、これは膨大な件数になりますので、順番は付けますけれども、1年程度をめどに再点検を終了するようにといった指示を9月に出したところでございます。
 以上が記録問題の全体状況でございますが、あと今年度、新たに取組みます大きな事項として、紙台帳とコンピュータ記録との突き合わせの問題がございます。これは12ページ以降でございますが、これについては担当部長の方から説明させます。

○日本年金機構記録問題対策部長
 引き続きまして13ページをごらんいただけますでしょうか。機構の記録問題対策部長でございます。
 最初に、紙台帳とコンピュータ記録の突き合わせ業務でございます。これにつきましては、10月12日、先月からお台場にあります中央記録突合センターで作業を開始しております。下にございますように、突き合わせ作業というのは、紙台帳記録とコンピュータ記録を一つひとつチェックしていく作業ですけれども、対象の順番としましては、大体6,000件のサンプル調査対象者、それから年齢の高い受給者から始めております。更に、先ほど説明がございました5,000万件の未統合記録もあわせて行っていくこととしております。
 現役の加入者につきましては、来年秋ごろを目途に新規裁定者について実施していきたいと考えております。
 具体的な作業のスキーム、流れは14ページにございます。
 非常に膨大な紙台帳の記録を突き合わせしていく関係上、作業工程をできるだけ細かく分けて、今まで年金記録に携わったことのない方でも作業できるようにという形で、このように受付業務、1次審査、2次審査と分けて作業を進めております。
 ポイントとなりますのが、下の15ページでございます。この事業を実施するに当たりまして、我々として非常に気にかけている点は大きく3つございます。
 一番最初が誤りの防止ということで、正確性を確保しなければならない。第2の記録問題を引き起こしてはならないということで、研修は勿論ですけれども、ベリファイ方式と申しまして、2人の担当の方がそれぞれ独立して審査する。加えて、抜き取り検査を実施しております。
 2つ目のポイントが個人情報の保護、情報漏えいの防止でございます。これにつきましては、過去、記録問題の作業の中で、あるいはそれ以外でも目的外閲覧とか、いろいろな事件がございました。そうしたことが起こらないように、さまざまな措置を講じております。
 それから、16ページです。
 今後、6億件の紙台帳をチェックしていこうとしているわけですが、4年間で全件照合するという目標でございますと、短時間でできるだけ効率的にやっていく必要がある。正確性と両天秤にかけながら作業をしていかなければいけないわけですけれども、その作業の効率性を確保するために、ここにございますような大きく3つの点、作業工程を細分化する。作業工程の中でできるだけ早く結論が出せるように作業の順番を組み立てる。3番目に、進捗管理を、バーコードシステムを入れることによって導入し、今どこまで作業が進んでいて、どこの作業に遅れが生じているかということが絶えずわかるようにします。こういう工夫をしております。
 17ページにございますように、全国29か所で実施したいと考えております。10月12日の東京お台場拠点からスタートしておりまして、本日までに10か所がスタートしております。来年1月4日までに29か所全部がスタートする予定となっております。
 それから、18ページにねんきんネットについての説明を載せております。
 19ページでございますけれども、このねんきんネットというのは、自宅にいながらにしてインターネットで御自身の年金記録を確認できる環境を整備していこうと考えてございます。
 現在でも、実は年金記録はインターネットでチェックできるわけですけれども、これを今見られる以上にもっとわかりやすく、それから情報量を多くしていこう。あるいは、後で申し上げますように、今までこちらからお送りしていた通知のかわりに、このねんきんネットで確認できるような仕組みにしていこうと考えております。
 大きなポイントは3つございまして、1つは、年金記録の国民サイドからの確認ということで、いつでも御自身で記録を確認していただき、おかしな部分、不自然な部分があれば、すぐ年金事務所で御相談いただけるようにする。
 それから、お客様の立場に立ったサービスということで、今までのインターネットのサービスですと、ID、パスワードの発行を申し込んでから2週間かかっておりましたが、これが来年2月から即時、その場で発行できるようにする。それから、わかりやすさ、見やすさの工夫を行っております。
 それから、更なる改善ということで、来年秋には御自身の年金見込み額、在職老齢年金を受けたらどうなるかということも含めて、自分で試算できるようにする。
 それから、記録問題との関係でいえば、死亡者の年金記録を検索できるようにする。
 3つ目に、ねんきん定期便など、今までこちらからお送りしていたものの中で、インターネットでもらえばいい。いつでもごらんになれるわけですから、そういう道をこのねんきんネットで開くことによって、業務の効率化あるいは利用者の方の利便を改善していきたいと考えております。
 以上でございます。

○日本年金機構理事(事業管理部門担当)
 それでは、引き続きまして事業管理部門担当理事・石塚でございます。国民年金、厚生年金保険の適用・徴収業務等の状況につきまして、資料に沿いまして御説明申し上げます。
 めくっていただきまして、22ページが国民年金の適用収納業務の状況でございます。
 ページの下の方に今年度の目標の数値を掲げさせていただきましたけれども、それとの比較で申し上げますと、5番のコンビニ等の納付件数、あるいは6番の過年度納付率の伸びにつきましては、ほぼ年度計画に沿った実績が挙げられつつありますけれども、3番目の現年度納付率あるいは4番目の口座振替実施率につきましては、対前年同期比、8月末現在の数字でございますけれども、1ポイント以上下回るという厳しい状況が続いているということでございます。
 また、こういう目標を達成するために、月次で、今月は何をどの程度やるかということで行動計画を策定して進捗管理を行っているところでございます。その状況を23ページに整理しております。
 年金事務所あるいは市場化テスト受託事業者、それぞれの督励納付の計画等、実績を載せておりますけれども、取組み自体としては、ほぼ予定どおりの取組みが実現できている状況でございます。
 おめくりいただきまして24ページ、参考2でございますが、国民年金保険料納付率の過去4年間の推移をグラフ化したものでございます。
 本年度に入りまして、4月冒頭、51.5%からスタートしまして、対前年度比マイナス1.2という状態からスタートしておりますが、8月末現在でマイナス1.6ということで、なかなか前年に追い付かない状況でございますが、これから年末あるいは年度末に向けて大切な時期が来ておりますので、それぞれしっかりとした対策を講じて、少しでも前年に近付き、できれば上回るということで努力を続けさせていただきたいと思っております。
 続きまして、25ページは国民年金保険料収納事業の民間委託、いわゆる市場化テストの状況でございます。
 督励業務、基本的には民間業者に委託しておりますが、現在、大きく分けて平成19年、20年、21年の3グループに分けて順次拡大してきた状況でございます。ごらんいただけますように、21年、昨年開始したグループが中でも実績が思わしくない状況でございますので、本年7月向けで、今後目標に対してどういうふうに達成していくのだという業務改善計画を提出してくれということで理事長から指示をいたしまして、8月にそれぞれ計画を受理したところでございます。
 その後、8月以降の実績はまだ十分あらわれておりませんけれども、提出された業務改善計画がきちんと実行されていくかどうか、注意深く見守って必要な指示あるいは連携を図っていきたいと考えております。
 続きまして、26ページは22年度の下期における国民年金保険料収納対策ということで、年度の折り返しの9月27日付で、ごらんのようなメニューについて後半は重点的に取組むようにという指示を出させていただいたところでございます。
 また、27ページにありますように、今月、11月は毎年、ねんきん月間ということで、公的年金制度の普及・啓発活動を集中的にやろうということで、各種の取組みをしておりますけれども、中でも今年は一番下、参考のアにありますように、学生の取組みを強化しようということで、各事務所の最寄りの大学に出張相談ということで、175年金事務所で、ちょうど学園祭の時期に重なりますので、普及・啓発活動を展開させていただいているという状況でございます。
 続きまして、飛びますけれども、29ページからが厚生年金の関係でございます。
 一番下の収納率でございますが、こちらも厳しい経済状況等を反映しまして、対前年マイナス0.5%ということで、厳しい状況でございます。滞納事業所、備考の年度末の数字と9月末の数字とベースが違いますので、直接的な比較はできないのですけれども、4月以降の推移で見ますと、約3,000事業所ほど滞納事業所が増えている状況でございます。
 おめくりいただきまして、30ページは厚生年金の適用対策の取組みでございます。
 未適用事業所、10万事業所以上あるわけですけれども、それを計画的に解消しようということで、こちらも行動計画を立てて取組みを進めているところでございます。5月から9月までの取組み状況でございまして、今年度はこの適用対策に必要な人員を増員したわけですけれども、採用の関係で必要な人員の増員が9月までずれ込んだこともありまして、年度前半は計画をやや下回っている状況でございます。
 31ページにありますように、遅れた分については、9月以降、ようやく体制も整いましたので、年度後半に取り戻すようにということで各事務所に指示をして督励いたしているという状況でございます。
 続きまして、飛びますが、33ページ、年金給付の関係のサービススタンダードの達成状況をごらんいただきたいと思います。
 サービススタンダードと申しますのは、注にありますように、請求書をお客様からいただいて裁定を終了するまでの日数を定めて、それに対してどの程度達成できたかという数字でございます。
 21年度の数字あるいは22年度も、18年、19年に比べれば相当低い水準で推移しておりますが、各月を見ていただきますと、これは累積の数字なので、なかなか4月当初、低い数字になると、急には挽回できないですが、徐々には回復している傾向がごらんいただけるかと思います。
 最後の34ページに、サービススタンダード達成に向けた取組みについてということで、今後の見通し等を書かせていただいておりますが、21年度あるいは22年度前半の数字の落ち込みは、実は年金機構発足前後に裁定件数がややペースダウンしまして、滞留が生じたことによるものでございます。今年3月以降、この表にありますように、通常ベースで裁定処理が行われておりますので、順調に推移すれば、今年度中には滞留案件の解消が図れるのではないかと見込んでおります。
 今年10月から事務センターの入力業務を、従来の派遣から請負に変えたということもございますので、そういう影響が出ないように順調に推移するよう、この件についても経過を注意深く見守っていきたいと考えております。
 また、最もサービススタンダードの達成率が低い障害厚生年金につきましても、4月から担当職員を大幅増員するということで、裁定の強化を図っておりますので、こちらについても年度内には滞留を解消して、来年度当初からは通常の姿で処理できるようにということで努力させていただいているところでございます。
 以上でございます。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 続きまして、年金相談の状況、それからお客様からの声の状況、35ページ以降になりますが、御説明させていただきます。
 36ページでございますが、まず相談の状況で、年金事務所にお越しいただいた方の待ち時間の状況でございます。
 上の方にございますけれども、平均1時間以上お待ちいただいた事務所、7月、8月、9月というのは比較的相談が少ないということがありまして、0か所でありましたけれども、10月は5か所でございます。
 また、下の方でございますけれども、中期目標では待ち時間は30分、混雑時でも1時間ということでございまして、30分以上1時間未満のところは、10月は43か所となっている状況でございます。
 37ページをごらんいただきますと、各月のここ何年かの状況をお示ししているものでございますけれども、全体的には相談は落ち着いてきたということもございまして、21年度に比べますと、本年度はお待ちいただく時間の長い事務所は減ってきてございます。
 一方で、21年度を見ていただいてもわかりますように、年末から年度末にかけまして相談が増えてまいりますので、こういったところでどれだけ待ち時間を少なくするかというのが課題と思っておるところでございます。
 次に、おめくりいただきまして38ページでございます。コールセンターでの対応状況で、どれだけ電話がとれているかということでございます。
 大きく一般年金相談と記録問題とございますが、記録問題の方は9割以上、電話がとれているところでございますけれども、一般年金相談につきましては、これも事務所の相談と同様でございますけれども、7月、8月、9月はかなりとれておりましたけれども、10月は43.7%となっております。これは下の方に総呼び出し数も書いてございますが、これが80万件に10月は膨らんでおります。これは39ページの方でも書いておりますけれども、10月は介護保険料の変更に伴いまして振込額が異なると振込通知書が出ますので、それに対するお問い合わせが多いということがございまして、10月は応答率、一般相談は43.7%になったということでございます。
 39ページも同様に各年の月別のものをお示しさせていただいておりますけれども、11月もいろいろな通知が行きますし、年を超えますと源泉徴収、税金の関係でお問い合わせが多いということで、応答率は低くなっておりますので、これでどれだけ今後電話がとれるかというのが課題と思っております。
 それから、40ページでございますけれども、私ども機構の方に寄せられましたお客様の声の状況でございます。
 この分類でございますけれども、1月、機構発足時点では、庁時代からの分類を踏襲しておりましたけれども、庁時代の分類は、例えば年金給付は一くくりになっておりまして、その中に私どもの事務の裁定が遅いというものもあれば、年金額が低いといった制度論もありますので、それをもう少し細かく見る必要があるだろうということで、4月からこういった分類に変えて統計処理をしております。
 大きくは、機構の運営に直接原因があるもの、それから、今申し上げましたような制度論とか政策論にわたるもの、これは、私どもではいかんともしがたいところでありますけれども、そこがわかるように分けました。
 それから、大きく運営関係でも、サービス関係に関連するもの、それから事務処理に関連するものも区分して出すようにしてございます。
 件数全体を見ますと、私どもとして一番見ている数字は小計のcでございますが、私どもの機構運営に関しまして寄せられた件数になります。見ていただきますと、月で大体1,000件程度ございます。10月は925件ということでございました。
 ちなみに、8月は1,600件と非常に多くてっております。これは、おしかりが557件と大きくなったのが主な原因でございますけれども、これは注に書いてございますように、8月は例の所在不明高齢者という問題が大きく報道されまして、それに関するおしかりが非常に多かったということでございます。
 ちなみに、41ページ、10月分で拾いまして、どんな要望・苦情、お声があったのかというものの代表例を示させていただいたものでございます。
 サービス関係ですと、接遇では窓口の職員の説明が十分でない、電話関係ですと、先ほどコールセンターの話もしましたが、電話がなかなかつながらない、それから、文書関係では、10月ということで、先ほど申しました振込通知書がわかりにくいといったもの、それから、ホームページの充実を求めるもの等です。
 事務処理関係ですと、先ほどサービススタンダードの話がございましたけれども、障害年金に代表されるような裁定の迅速化を求めるもの等々がございます。
 あと、おしかりのところでは、また後ほど御説明があるかと思いますが、10月、私どもの職員の逮捕という事案がございまして、これに関するおしかりというのも多かったという状況でございます。
 続きまして、42ページ以降でございますが、相談なりサービスの改善に向けて、これまで取組んでまいりました主な事項を列記させていただいております。
 まず、相談関係ですが、相談できる人材を確保することが重要ということで、○1でございますが、相談に携わっていただきます特定業務職員を確保することが必要ということで、地方からも処遇の改善が強く求められておりました。それに伴いまして、賃金を1割程度引き上げるといった措置を5月に講じたところでございます。
 あと、○5ですけれども、こういった相談担当職員の方について、一定のレベルが求められるわけでありますけれども、レベルチェックをした上で、テストをした上で、優秀な人間は昇給できるといった仕組みを実施に移しているところでございます。
 43ページ、業務相談の効率化ということで、まず窓口仕分けということでありますけれども、銀行等でもそうでございますが、コンシェルジュと呼ばれておりますけれども、そこで事案によってそれぞれブースに御案内する、それによって、届け出の方はすぐ済むようにするとか、複雑な事例はそれなりの専門職員が対応するといった仕分けをモデル的に実施した上で、6月から全国展開するようにしております。
 ○3は、相談事績の管理もシステム化していく必要があるだろうということで、統計・分析に使ったり、フォローアップもできるようなモデルを今、実証的に検証を兼ねて実施しておりまして、これを見据えて今後展開していきたいと考えているところでございます。
 コールセンターの関係でございますが、43ページから44ページをお開きいただきたいと思います。
 先ほど申し上げましたように、コールセンターも一定の時期に集中いたしますので、そういった増加が見込まれる時期にはブース数を増加して、少しでも対応できるようにするといった措置を講ずる予定にしております。
 それから、特定のテーマ、先ほど申しましたように、税金の関係等々につきましてQ&Aをホームページに掲載することによって、少しでも入電を軽減させるといった措置も講じていきたいと考えております。
 注でございますが、応答率の向上、事務所内の入電に対応するために、今、コールセンターは3つあるわけでございますけれども、4つ目の200ブース程度の第4コールセンターを設置したいということで23年度予算要求をいたしました。定期便専用ダイヤルが400席ありますが、これをスクラップすることによって、一般対応もできるコールセンターをもう一つつくろうと予算要求したわけでございますが、これにつきましては先般の仕分けで予算を撤回すべしという判定をいただいたということでございます。
 私どもとしましては、既存コールセンターを最大限活用しまして、少しでも応電率が上がるような工夫をしていきたいと考えております。
 その他でございますが、それぞれ個々の事務所でいろいろな混雑の理由がございますので、ブロック本部を通じて状況を、特に長時間待ちの事務所につきましてはきめ細かく把握しまして、個別の対策というものを講じていくということでございます。
 45ページ以降がサービス関係の取組みでございまして、まず来訪者への情報提供ということで、来訪された方がどこにどんな課があるか見にくいということもありますので、表示等も標準的なものを示しまして、またそれもチェックするような体制を入れました。
 ?Uですが、そういったサービスを引っ張っていくサービスリーダーをブロック本部、事務所に置きまして、こういった一定のチェックリストを基に定期的にチェックするような仕組みも導入いたしました。
 また、○2でございますが、私どもは幾つか民間企業のお話も伺いましたが、民間企業でもサービス、接遇というのは恒常的に随分力を入れてやっておられます。そういった観点で、民間でのお取組みの状況も参考にさせていただきまして、実践テキストみたいなものを作成し、これを全国に展開する、また、研修もやっていくといった取組みを進めていきたいと思います。
 また、○3でございますが、先ほど申し上げましたようなお客様の声の中で、個別の事務所のマナーの問題等の指摘もございますので、そういった場合には事務処理の状況を聞いて、必要な改善措置をとってもらうといった指導を行ってきております。
 46ページでございますが、わかりやすい文書づくりということで、機構部内にも審査チームをつくるとともに、一般の方にも御参画いただくモニター会議をつくりまして、月に1回開いていろいろな事項について御審議いただいて、少しでもわかりやすい文書にするといった取組みをしております。
 その他、お客様の声ということで、46ページ、下の方でございますが、顧客満足度調査、CS調査を今年度も実施しましたが、またその反省も踏まえて次回の取組みをしたいと考えています。
 47ページでございますが、今後、覆面調査を実施したり、○5でございますが、事務所単位でのお客様モニター会議にも取組んでいきたいと考えております。
 その他の事項でございますが、各事務所で工夫していただくサービスコンテストを6月に実施いたしましたが、12月に、主としてこれは業務改善系でありますが、いろいろな地方のアイデアを披露してもらうサービスコンテストを実施する予定にしております。
 ○2でございますが、民間企業でのお取組みも参考にしたいということで、比較的業態が似ております金融関係にいろいろお話も伺ってきたところでございまして、これも今後の展開につなげていきたいということです。
 更に、好対応事例の紹介ということで、民間企業に聞きまして、どうしても私ども、悪い事例ばかり地方に言いがちなのですけれども、非常によくやった事例とかお客様からお褒めいただいたものを地方に伝える、褒める文化という言われ方をする企業もございましたけれども、そういったインセンティブの付与も重要だと思いました。そういった関係で、私どもの社内報へお客様からお褒めいただいたような事例も紹介して、職員の参考あるいはインセンティブ付与につなげていきたいといった取組みをしております。
 最後、48ページでございますけれども、先ほど申し上げましたように、いろいろなルートで私どもの方へお客様の声が入ってまいります。月単位で1,000件近く、この週は300件ぐらいでございました。こういったいろいろなルートから入ってきているものを、私どもの方で一定の仕分けをいたしまして、それぞれ担当部門に振りまして、こういう改善ができないかといった積み上げもやっております。
 これは最終的には一番右側でございますが、サービス改善委員会、これは理事長ヘッドの委員会でございますが、これを月に1回開催いたしまして、それぞれ少しでもお客様の声に基づいた改善ができないかといった取組みをやっているところでございます。
 以上でございます。

○日本年金機構経営企画部長
 最後にその他の事項ということで、簡単に御説明させていただきます。経営企画部長でございます。
 50ページ以降になりますが、50ページに日本年金機構の3つの工程表ということで、いわゆる工程表と名前が付いたものを3つつくりまして、全体の運営の改善ということに向けて取組みをしていることの御紹介でございます。
 まず、絵の左上に書いてございます基本計画があって、この評価部会でも御議論いただきました年度計画という形になっているわけでございますが、これを具体化する中で、私どもがどういうふうに業務を進めるかという観点から、工程表を3つ位置付けているものでございます。
 まず、年金記録問題の工程表は、先ほど記録問題の進捗状況というところで御紹介がありました。具体的にいいますと、51ページ、52ページにそのエッセンスを載せてございますけれども、こういうものでございます。
 それとあわせまして、7月に業務改善工程表をつくりました。これは53ページ以下に概要と重点事項だけを書いてございますが、日本年金機構の業務改善の課題は、発足以来、例えば事務所、事務センターからいろいろな提言もありました。中でこういうふうにしたらいいというものもございました。そういうものを全体を整理しまして、スケジュールを当てはめて、どう取組んでいくかということを組織として共有認識として、優先度を付けて取組むためにつくったものでございます。
 3つ目の工程表がシステム再構築工程表でございまして、工程表自体は59ページから書いてございます。
 システム再構築工程表とはどんなものか、57ページにも書いてございます。字が小さくて恐縮でございますけれども、まさに業務を進めるに当たって、システムというのはそれの重要な支えになるわけでございますけれども、その基本システムについて、いろいろな個別処理対応の遅れでありますとか、事故防止体制が十分でないといった問題があるわけでございますが、一方で現場からはいろいろな要請がある中で、この一番下に書いてございますけれども、事務の効率化・事務処理誤り防止等に向けたシステム開発と業務継続性の確保、システム開発の効率化、年金機構のシステム管理体制という点から、具体的にどう取組むかということを整理したものということでございます。
 これは別途、業務システム最適化計画の見直しの作業が進んでおりますけれども、それを受けての機構の中でのシステムをどういうふうにこれから具体化していくかということの考え方とも整合する形で検討しているものでございます。このシステム再構築工程表につきましては、ほやほやでございまして、今月、年金事業改定委員会の方にお諮りいたしまして、本日午前中ありました理事会でも御報告した形で決まっているものでございます。
 それから、69ページ以下が事務処理誤り総合再発防止策を決めてございます。これは7月に業務改善工程表を決めたというお話を申し上げましたが、その業務改善工程表とあわせて7月に決めたものでございまして、事務処理誤りについて、機構としてこれまで取組んできたこと、あるいはいわゆる厚木事案、第三者委員会に送るべき書類をためてしまったという事案がありましたが、そういうものについての再発防止策を検討する中で、事務処理誤りの総合再発防止策ということで、すぐできるもの、システム開発とあわせて取組むもの、あるいはそのための基盤整備といった観点からまとめたものでございます。
 75ページが、またちょっと別の話になりますが、最近の機構の職員の状況を簡単にまとめてございます。
 11月1日時点でございますけれども、左から正規職員が1万652人、准職員4,086人ということで、あと特定、アシスタントという雇用の職員と合わせまして、約2万6,000人の職員になってございます。発足以来、一番右の職員採用のところでございますけれども、正規職員につきましては6月に200人余りの採用をした。それから、准職員は主として記録問題対応ということでございますけれども、4月、6月と9月にそれぞれ1,000人程度の職員の大量採用を行ったということでございます。こういう状況になってございます。
 それから、76ページ、77ページが正規職員の登用制度でございます。
 日本年金機構、有期雇用の職員が今、申し上げたようにたくさんいらっしゃるわけでありますけれども、この中から正規職員への登用、これは基本計画でも正規職員への登用をやることを決めてあったわけでございますけれども、それを具体的にどういうふうにやるかということで検討し、こういう形で現在、各職員の方にもこういうふうにやるよということをお示しし、具体的な取組みについて細かなところの検討をしておるところでございます。
 職員登用は、有期職員のモラールの維持・向上。また、スキルのある優秀な職員は、正規職員にして確保する。それから、機構全体の年齢構成の是正ということも念頭に置く取組みでございまして、23年度、早速来年度からやるということでございまして、年明け以降、希望者を募りまして、7月には正規職員として登用するということで取組みたいと考えておるところでございます。
 それから、78ページ以降、研修のことが書いてございます。研修も機構がスタートして、いろいろな出自の職員がいる中で、非常に重要だということで取組んでございます。
 まず就労研修ということで、78ページ、79ページ、それぞれ研修センターの方でこの研修をやっているというところでございまして、特に外部から採用された職員についてまとめたものが80ページに書いてございます。
 そうした研修センターでの研修とは別に、職場内単位ということで、例えばコンプライアンスの関係とか、人事評価を具体的にどうするかという研修をやっているのが82ページまで書いてございます。
 一方、新しい日本本年金機構として全体の研修、何歳ぐらいまでどういう研修をやっていくのかということにつきましては、83ページ、84ページに書いてございますが、これは機構が発足したときに、日本年金機構の人材育成規程を決め、それに基づきまして人材育成細則を決めまして、全体としてこういう体系でやっていこうというところまで決めてございます。
 これの具体的な要件、それから具体的にどういう内容、例えばどういう題材を使って、どういうふうにやっていくかということの詰めを現在検討を重ねているところでございます。
 長くなりましたが、以上でございます。

○本田部会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明に対しまして、御意見とか御質問とか、よろしくお願いいたします。西沢さん。

○西沢委員
 1つは、電話相談につきまして、源泉徴収票を送るときに電話相談が集中するということですけれども、封筒に何か説明書を同封しているのか。例えば、これを確定申告にこう添付して税務署に出してくださいなど、様式もできれば今度教えていただけたらと思います。それが非常にわかりやすく、ポイントを突いたものであれば電話相談が減るかもしれませんし、テクニカルなもので、同封している書類があるがゆえに、むしろ質問が出ている可能性もあるかもしれません。
 これと関連しまして、例えば夏場に相談件数が少ないということであれば、窓口に別件で来られた方にも、自然に源泉徴収についても教え込んでおくとかいった工夫もあるのではないかということが1つと。これは後ほどのお願いです。
 2つ目は、深刻なのは、厚生年金の適用です。国民年金の徴収率がなかなか回復しないということであって、厚生年金の全事業所が170万で、20万近い事業所が滞納していることはかなりのウエートだと思います。この発生原因を分析していただけたらと思います。これは、新規適用を頑張り過ぎたのか、景気が悪いからなのか、あるいは人手不足なのか、あるいはもともと従業員が1人でもいれば入るという制度設計上、無理があるのか、分析がないと先に進めないのかなという気がいたします。
 3つ目で、これが最後ですけれども、システムに関して、通常の企業ですとシステム投資というのがある年にぽんと発生して、そのシステムを投資すると、その翌年度以降、設備のメリットが発生することになると思うのですけれども、これと毎年の今の国の一般歳出・歳入のような単年度会計と余りなじまないと思います。ですから、日本年金機構もある時期になったら多額の投資が必要になる。ただ、そのときになって予算要求がどうなるかわからないというのではなく、それは事前に財務省なり当局にネゴシエートしておくこともあると思いますけれども。
 1つは、将来的な課題として、自分でファイナンスできないかということもあると思います。これはアイデアかもしれないですけれども、例えば日本年金機構のクレジットが高ければ、リース契約するよりも、安く調達できるわけで、これは実験かもしれないですが、そういう自己ファイナンスできるような組織になるような準備も、日本年金機構に外部の目を入れるという意味でも1つアイデアかなと思いますし、そういう組織になることが評価を高めることかなと思います。
 今のはアイデアです。

○本田部会長
 それでは。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 まず、電話の件でございます。
 私どもの問題意識としましては、今、先生がおっしゃいましたように、わかりやすい文書をどうやってつくるかということで、対応の負荷も大分変わってくるだろう、そういう意味もございまして、先ほど御説明しましたように、いろいろな文書、特に国民の声なり現場の声でわかりにくいというものは、逐次改善しようとしております。実際の源泉徴収票等の様式は別途お示ししたいと思いますが、そういった取組みを進めております。
 ただ、実際やっておりまして難しいのは、確かに余り書き過ぎると、かえってわかりにくいので問い合わせがある、逆に余り簡略化すると、何でこんなことも書いていないのかといったおしかりを受ける、あるいは正確ではないのではないかという御指摘を受けるというのがありまして、正直言って、どの辺でころ合いを付けていくかというのを試行錯誤でやっている状況でございます。
 いずれにいたしましても、国民向けサービスという面もあり、また私どもの対応体制への効果という意味もありまして、わかりやすい文書づくりに努めていきたいと思います。

○日本年金機構理事(事業管理部門担当)
 続きまして、厚生年金の滞納の原因分析ということで、まだ年度途中でございますので、今年度の状況の十分な分析はできておりませんけれども、趨勢を見ておりますと、滞納事業所の大半は中小・零細ですので、中小・零細企業の滞納事業所が景気動向等もあって、毎月相当増えているというのが実態でございます。
 一方で、残念ながら、滞納事業所に対して督促するなり差し押さえをするということで、早期に手を打って改善しなければいけないわけですけれども、徴収の体制面が機構発足前から最近にかけまして弱体化してきたというのも、一つの要因かと思っております。ただ、後者につきましては、厚生年金の適用とともに徴収もしっかりしなければいけないということで、徴収対策についても、今年9月に増員措置を講じております。まだ十分戦力にはなっておりませんけれども、そういう新しく増員された人間等を活用しまして、徴収の体制づくりということに取組んでいきたいと考えております。
 適用促進の結果かどうかというのは、まだ適用事業所の促進の取組みを始めたばかりですので、それが随分進んだから、急に滞納事業所が増えたということではないのではないかと考えております。

○日本年金機構理事(システム部門担当)
 3番目の御意見に関しましてお答えさせいただきます。
 システムの投資に関しては、御指摘のとおりで、投資対効果をいかに高めるか。また、よいファイナンスによってコストをいかに下げていくかということが非常に重要だと思っております。
 私どもも個々の案件に対しましては、コスト対効果ということでレビューするようにし、またトータルな金額の有効活用ということでは、国の予算、それから機構の交付金でそれぞれ運用している部分があるのですが、今、厚生労働省年金局とともに、毎年のコストの平準化を図る、あるいは適切な調達を行うということを対応しております。
 自己ファイナンスに関しては、いろいろな制度上の問題もあるかと思いますが、引き続きコストを下げていくことに努力してまいりたいと思っております。
 以上です。

○本田部会長
 よろしいですか。

○西沢委員
 はい。

○本田部会長
 では、長沼委員。

○長沼委員
 最初に、ねんきんネットの関係で伺います。資料1の19ページです。来年2月からスタートさせる予定ということですが、とりあえず平成22年度中に「ねんきんネット」がつながる地方公共団体の目標数をどの程度と設定されているのか、お伺いします。
 実は、この関係で川越の年金事務所から志木市、新座市、朝霞市、和光市の4市に11月にお話があって、2月からスタートしたいということです。ただ、志木市の場合、これをやろうとすると、現状の端末で行う場合はOSの入れかえが必要だということです。場合によっては、パソコン本体も購入しなければならないということで、11月にお話をいただいても、例えばパソコンを購入しなければ対応できないとなってくると補正予算を講じなければならない。
 しかも、パソコンを購入した場合、それが国民年金の事務費交付金の対象になるかどうかも不明だという。2月スタートであれば、もう少し段取りよく、全国の年金事務所から各自治体にお話しするときに、いつスタートで、そのためにはパソコンを購入した場合には事務費交付金の対象になりますとか、ご連絡をいただけると、市町村の導入がスムーズにいくのかなと考えています。
 お話を伺いますと、「ねんきんネット」では在職老齢年金の見込み額を計算できるとか、繰り下げ、繰り上げ受給の見込み額も出せるということです。特に、在職しながら年金をもらう方々が増えていますので、そういった意味で、これが試算できるというのは高齢者のニーズとたいへん合致していると思います。
 特に、昭和28年4月2日以降生まれの男子については、61歳にならないと報酬比例部分の年金をもらえないということです。繰り上げてもらった方がいいのか、繰り上げないで原則どおりでもらった方がいいのか、また、先ほどお話したように、在職老齢年金の試算をするということでは、高齢者のニーズがたいへん高いものがあると思います。どこかの自治体で、「ねんきんネット」を利用すれば、働きながら年金をもらう場合、市役所でその見込み額が調べてもらえるという評判が高まり、相談に見えた市民の人たちが喜んでくれ、評価も高まれば、ほかの自治体でも導入しようという機運が進んでいくと思います。
 2点目です。資料1の29ページで、収納率の関係です。収納率95.4%で、対前年同期比、0.5%減ということです。収納率95.4%という数字は、現年分だけの数字なのか、それとも現年分と滞納繰越分を合わせた数字なのか。もし現年分と滞納繰越分を合わせた数字であれば、現年分は伸びているけれども、滞納繰越分が伸びていないとか、その中身がどうなっているのか。それによって、最終的に平成22年度の目標であるところの、「前年度並みの実績を確保すること」に到達できるのかどうか。
 あわせて、ここに記載されているのは、今回は、厚生年金保険の収納率だけです。一方で、協会けんぽの健康保険料の収納も、日本年金機構が行っている。協会けんぽの健康保険の収納率は、対前年同期比で、どういう状況になっているのか。また、例えば、健康保険料を滞納されている事業所に対しては、事業所の総務担当の方に、被保険者証の更新時期には年金事務所に来て納付相談を受けてくださいとか、納付相談の勧奨を行っているのでしょうか。納付相談を受けてから、被保険者証を直接交付するとか、何か収納率を向上させるための取組みを、協会けんぽと連動しながら、実施しているのでしょうか。あるいは、すでに平成22年度、行っているということであれば、その辺を教えていただければと思います。
 3点目です。資料1の33ページのサービススタンダードの達成状況ということで、障害厚生年金のお話がありました。
 障害厚生年金がサービススタンダードを一番達成できていないということです。目標は3か月半以内ということで、100日程度ということですが、実際は平成22年9月末の平均所要日数でみると、204日になっている。達成率は、1.9%である。サービススタンダードの目標である、平均所要日数でおよそ100日を達成するためには、現在の日数を半分にしていかなければいけないということです。現状を踏まえると、平成22年度末にサービススタンダードの目標を達成するのは、かなり厳しいと認識するがどうか。
 今年の夏の評価部会の会議のときに、事務職員を増員して対応しているということでした。それでも現状においては、サービススタンダードの倍の日数を要していることについては、新たな対応策を講じないと厳しい面があるのではないかと危惧するが、どうか。
 4点目です。資料1の38ページから41ページです。先ほど、電話がつながらないということで、お話がありました。「日本年金機構に寄せられた意見・要望・苦情等の状況」(40~41ページ)をみると、全体の3%から4%は、電話がつながらないというご意見です。例えば、回線の数を増やすとか、とりあえず1回つないで、順番につないでおりますという音声を流すとか、何らかの工夫を実施することで、大きい苦情にまで発展しない方策はとれないのか。何か改善策が講じられないのかどうか、お伺いします。
 最後に、5点目です。これまでお伺いしてきた項目は、一般の国民と対日本年金機構のサービスの向上という分野でした。一方で、対市町村との絡みで、改善を図る項目もあるのではないかと認識している。志木市の年金担当の職員に、いま、年金事務所に伝えたい、あるいは、事務処理で遅滞しているのは何なのかと聞くと、国民年金の死亡一時金の支給決定に関わる事務処理を遅滞なく行ってもらいたいということです。
 死亡一時金の支給事務は、日本年金機構設立後、事務センターが業務を引き継いで、支給そのものは厚生労働省から直接支払われる方式に変更されたと、志木市の職員は事務センターから聞いたということです。県事務センターでは、データの入力は日本年金機構本部が行うことになっているが、その時期は未定で、なかなか入力されない、という。そうすると、死亡一時金と寡婦年金というのは、どちらか一つしかもらえないので、死亡一時金をすでに受けていた人が、寡婦年金の請求を市町村の窓口で申請したとしても、市町村ではその人が死亡一時金を受給済みかどうかを確認することができない状況にある。
 現状のままでは、市町村窓口での対応に、結果的に、誤りがでないとも限らない。死亡一時金支給事務における入力作業の事務の改善を早急にお願いしたいと、考えている。実際、対市町村との関係で、事務の改善の要望を聞く場が整備されているのかどうか、お伺いします。
 以上です。

○本田部会長
 今、5点ありましたので、まずねんきんネットの方から。

○日本年金機構記録問題対策部長
 まず、ねんきんネットにつきましては、長沼委員から御指摘のように、我々は9月に市町村にいろいろ情報提供して、こういう作業をお願いしたいと作業準備を進めておりましたが、実はその過程でシステムの更改、特にOSの更改が必要ということがわかりました。そのための予算を持っておられるのは年金局でして、年金局との調整に手間取りまして、それが決まったのは10月です。
 それで、市町村の方にお願いしたのが10月末、恐らく長沼市長の方には11月上旬だった。それで、先ほど申し上げたように補正予算で厳しい状況になっているということは承っております。そういう意味で、大変申しわけないなと思っております。
 来年2月からねんきんネットがスタートいたしますが、パソコンをお持ちの方は、皆さん御自宅でできるようになります。ただ、高齢の方あるいは御自宅にパソコンがない方が、年金事務所あるいは市町村の窓口で同じような情報を受け取れるようにというのが、今回、市町村にお願いしようとしている趣旨でございます。
 できれば、来年2月から軌を一にしてやっていただければと思いますが、それが無理でも、23年度から御協力いただければ、そのパソコンとかの更新費用は市町村交付金の方で、年金局の方で御負担いただけることになっておりますので、ぜひ御協力していただきたいと思います。その旨は各市町村の方に、我々の方からPRして、できるだけ早くこの事業をお引き受けいただきたいなと思っております。
 また、志木市におかれましても、もし可能であれば年度内にやっていただいて、これだけ意味があるとか、あるいはこの辺に問題があるという御指摘をいただければと考えております。
 以上でございます。

○事業管理課長
 年金局の事業管理課でございます。若干補足いたしますが、市町村の方で情報照会端末としてお使いいただいているパソコンにつきまして、今年夏にウインドウズ2000とウインドウズXPのサービスパック2のサポートが終了することになってしまったものですから、それを受けましてセキュリティー上の問題があるということで、OSの更改につきまして、できるだけ本年度中でお願いしたいということで、10月18日でございますけれども、私どもの方から地方厚生局に対しまして各市町村の方に要請するようにということで通知をさせていただきました。
 先ほどお尋ねいただいた中で、経費はどうなるのかということでございますけれども、OSの更改の費用、それからそれに伴ってパソコンの端末の更新も必要ということであれば、そういった費用につきましては今年度の国民年金等の事務取扱交付金の中で措置することにしたいと思います。

○日本年金機構理事(事業管理部門担当)
 続きまして、厚生年金の納付率の数字でございます。この数字は、いわゆる現年度、過年度繰越分も含めた数字ということでございます。この中で、現年度、過年度、それぞれの納付率がどうかというお尋ねですが、年度途中でデータがとれるかどかうも含めて、ちょっと確認させていただいて、とれるようであれば、また改めて別途御報告したいと思います。
 協会けんぽについても、数字はまた表にしてお届けしたいと思いますが、厚生年金に比べると協会けんぽは小規模な事業者が多いものですから、率自体は厚生年金の納付率を下回っておりますし、対前年度比を見ても、厚生年金以上に厳しい状況でございます。
 協会けんぽさんとも定期的に事務レベル、あるいは理事レベルでも連絡会議をやっておるのですけれども、協会けんぽさんからは機構に対して、しっかり指導してくれという要望は毎回承っておりますが、収納に向けて、協会けんぽさんのお力もかりながら何かうまい方法ができるかどうか、まだ具体的な取組みは進んでおりませんので、今後の課題としてどんなことが可能なのか、よく御相談させていただきたいと思っております。

○日本年金機構業務管理部長
 それから、障害厚生年金のお尋ねでございますけれども、34ページの一番下のマルで加筆させていただいたのですけれども、最大未処理が1万8,000まで5月下旬に行きましたけれども、10月末で1万4,000まで減らしてきております。4月に体制整備をしたのですけれども、なかなかこれが軌道に乗らずに、ようやく8、9、10ぐらいで軌道に乗り始めまして、受付件数を900件から1,000件上回るような処理体制ができてきました。今の実績を考えますと、毎月900件程度減少させていけば、3月末までには現在の滞留を解消できるのではないかと考えております。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 電話の件でございますけれども、まず年金事務所の電話を考えますと、年金事務所の人員は機構発足時にぎりぎりの数まで縮減されておりますので、回線を増やしても電話が鳴りっ放しという状態になりかねないのではないか、また、電話を一たんとっても、ほかの電話に今、応対していますからということで、つないだまま置いておきますと、これはかえってトラブルになると思います。
 私どもとして考えておりましたのは、自動転送装置を活用しまして、一般的な電話のお問い合わせであればコールセンターがあるので、ボタンを押してもらえばそちらに転送しますというIVRを入れたらどうかというので、現在、大阪とか九州とか、一部でモデル実施をしています。よければ全国展開しようと思っておったわけでございますが、そのためにはコールセンターのキャパシティー、電話をとる人間のブースを増やさないといけないという問題がございました。
 これは先ほど申し上げましたように、来年度予算要求で4番目のコールセンター、200ブースのものをつくって受けられないかということを考えておったわけでございますが、断念することに相なりましたので、IVRを進めつつ、既存のコールセンターでどこまでブースが広げられるか、そこでどこまで対応できるかという方向で、当面対応を考えていきたいと思っています。
 更に、先ほどお話が出ましたけれども、そもそもお問い合わせしていただかなくても済むような、いろいろな文書での情報提供のあり方を考える、あるいは、先ほどもちょっと出ましたけれども、ネットによる情報提供とかホームページによる情報提供といったものを活用して、一々事務所とかコールセンターにお電話をいただかなくてもわかるようなものを並行して進めていく、そういった取組みをしていこうと思っております。

○日本年金機構理事(事業管理部門担当)
 最後の死亡一時金の話は、確かに御要望を承りましたので、どの辺にネックがあるのか少し分析させていただきまして、改善に努力させていただきたいと思います。
 また、各市町村との協議の場についてですが、年金機構以降、市町村交付金が地方厚生局に移ったということで、事務所と市町村の関係が遠くなったのではないかというおしかりを別の場でもいただいておりますので、できるだけ事務所についてもいろいろなお願いやら、あるいは連携ということで、各市町村さん、理事者も含めて回るようにということで、これまでも督励しておるのですけれども、引き続き督励させていただきたいと思っております。

○本田部会長
 長沼委員。

○長沼委員
 どうもありがとうございます。
 1点目のねんきんネットの関係については、志木市では2月からスタートできるように、これから早速準備していきたいと思いますので、川越年金事務所と連携をとりながらやっていきたい。多くの市民に利用していただけるような体制にしたいと思います。
 2点目の収納率の関係については、協会けんぽとも連携をとりながら、取り組んでいただきたい。以前伺ったときの話ですが、まだ社会保険事務所のときには、先ほどお話ししたように、滞納事業所には社会保険事務所に来ていただいて、納付相談をしながら被保険者証を交付していた、ということです。志木市の国民健康保険では、全国そういう形でやっているところが多いと思うが、厚生労働省の指導等もあって、滞納されている方については、窓口での納付相談を行っている。滞納されている方と納付相談をしながら、減免の申請をしたほうがいい方について、あるいは生活保護の申請をしたほうがいい方について、適切に対応している。
 協会けんぽと適切に連携を図りながら、滞納している事業所の収納率向上につながる取組みをしていただければと思います。
 3点目の障害厚生年金については、ぜひ、そういう形で改善に取組んでいただいて、平成22年度の評価ではAが出るようにがんばっていただきたいと思います。
 4点目の電話がつながらないというのは、事情はよくわかるのですけれども、一方で川越年金事務所に電話がつながらないから志木市役所に電話したのだというのもありますので、いろいろな工夫をしながら改善をよろしくお願いします。
 5点目は了解いたしましたので、以上です。

○本田部会長
 ほかにございますか。どうぞ。

○大山部会長代理
 幾つかお聞きしたいので、最初にわかれば教えていただきたいことは、24ページの国民年金保険料納付率の推移を見ていると、きれいに形が毎年似ていて、3月あるいは4月と、一番右側で一生懸命上へ上がっていくとすとんと落ちますね。これの最大の原因というのは何なのか、もしわかっていたら教えていただけますか。

○日本年金機構理事(事業管理部門担当)
 7月が若干右肩下がりになっているところは、免除の承認期間が7月、6月というサイクルでやっているものですから、きちんと当初から免除申請していただくと免除になるのですが、手続が遅れますと、さかのぼって免除になるということで、事後的にも免除になるのですけれども、月の瞬間で見ると未納者という扱いになるものですから、夏場はちょっと落ちるということでございます。

○大山部会長代理
 翌年になると、がくっと落ちるのは、これは。新しい人が入ってきて。でも、それにしても。

○日本年金機構理事(事業管理部門担当)
 年度当初に納めていただく方は、基本的には優良納付者と言っていますけれども、口座振替できちんと納めていただける方が4月の納付率でして、その後納めない方に順次電話とか訪問をやって納めてくださいということで、徐々に年度末に向けて納付が進んでいくということで、年度末に向けて最終的にはこんな数字になります。

○大山部会長代理
 わかりました。工夫の仕方がまたあるのかどうかと思ったのですけれども、今の話だと簡単に手を打てそうもないですね。
 今日、上半期の取組みの状況を聞かせていただいて、かなり効果が出ているところもあり、よかったなと思っているのですが、どうしても年金記録の関係を含めて、自分がやっていることがありますので、その点について意見と質問をさせてください。
 表紙を見ると、年金記録問題対応の中で、しばしば申し上げていることでありますが、12ページ辺りから紙台帳等のコンピュータ記録との突き合わせ業務の開始ということで、システムもつくられて作業が開始されたことは承知しております。たしかこの会議だったと思いますけれども、もし間違っていたらごめんなさいですが、効果が出るかどうかで、いつまでにやるかというのを決めるという話を伺っていました。
 今聞くのはまだ酷かもしれませんけれども、この突合をやって、それによって救われた年金記録等がどのぐらいの件数でどうなっているのかを、いつごろの予測でお出しいただけるのか。今回は全然ないので、その辺のところをちょっとお聞きしたいと思います。次回になるかもしれませんが、その点を1点、まず聞かせていただけますか。

○日本年金機構記録問題対策部長
 紙台帳との突き合わせはお台場でやっておりますが、さっき申し上げましたサンプル調査6,000件の作業、2次審査の最終段階に来ておりまして、その結果を来月中旬ぐらいまでには速報ですけれども、とりあえずとりまとめたいと考えております。

○大山部会長代理
 年金の支払あるいは記録の直接的なアウトカムとしてとるのは、何件突合できたかではないはずですよね。そういうアウトカムとして出てくるのでしょうか。

○日本年金機構記録問題対策部長
 ええ、まず6,000件につきましてお台場で突き合わせをします。突き合わせた結果、何件の方が不一致だったか。それから、不一致によって年金額がどのぐらい回復するのかという辺りの数字まで何とかまとめたいと思います。
 ただ、アウトカム、最後にもう一度御本人に確認していただいて、これでいいですということで最終的に確定するわけですけれども、それはお送りしてから数か月かかりますので、来月お出しできるのは、あくまでも我々の目から見て、これは回復できるのではないかというものについての数字を、来月中旬あるいは遅くとも来月中にはお出ししたいと思います。

○大山部会長代理
 1次審査、2次審査までいろいろと手順を踏まれて、確実におやりだと思うのですが、理由の有無とか、補正を必要、不要という形で職員が確認するとなっていますが、その辺の判断基準について、差し支えない範囲で結構ですけれども。私がなぜこれを聞いているかというと、御存じのとおり、一番気にしているのは、紙台帳と電子的な記録とが一致していないことをいろいろ聞かされてきているからです。
 したがって、突合して間違っていても、実は電子記録が正しいと思っている、あるいは納得している例がいっぱいあると聞いているので、その辺についてどういうふうにここを切り分けているのかを、今、回答いただけるならそれでもいいですけれども、多分フローチャートみたいになりますよね。いろいろな場合についてどうするかというので、その辺のところは確実におやりだと思いますが、評価する側から見ると、ちゃんとやっていますねと安心したい部分もありますので、是非お願いしたい。

○日本年金機構記録問題対策部長
 細かいことは省略いたしますけれども、この審査に当たっては判断基準が必要です。それにつきましては、社会保険労務士の先生方を含めた委員会を立ち上げまして、そこにかけて実施要領案をつくりました。実施要領案は、こういう場合はこう判断する。これを年金記録回復委員会で御審議いただきまして、最終的には厚生労働省の方に御承認いただいて、運用しております。その実施要領案につきましては後刻お渡しすることもできると思います。

○大山部会長代理
 ありがとうございます。
 次の、今日ここには出ていないのですが、局長もいらっしゃるので、ちょっと申し上げておきたいなと思うことがあります。15ページに今回の事業実施に向けてというところで、誤り防止のための品質管理等、かなりしっかりおやりにやられていると私は認識しています。これは結構なのでありますが、一方でさまざまな年金機構さんの取組みを見ていますと、残念ながら基礎年金番号の問題について、クレンジングと我々時々言っていますが、対応策がまだ明確に出されていないことについて、ちょっと危惧します。
 御案内のとおり、どういう形になるかはまだ検討中でありますけれども、社会保障と税の話もあり、あるいは国民IDという計画が出たりしているわけですが、住民票の住基ネットを使った裏打ちといいますか、突合をするのが、現在、年金受給者の方について行われていて、今後、被保険者の方についても行うという予定を伺っておりますが、もしそうであるならば、それは基礎年金番号をクレンジングする最大のチャンスでもあると思います。
 ただ、その中で非常に重要な点は、もし基礎年金番号と住民票等とのひも付けを間違えると、2番目の第2の年金問題になりかねないということでありまして、これについては誤り防止のために品質管理と書いてあることを徹底すべきだと思います。
 このことは、やはりここで申し上げることではないので、余り細かいことは申し上げませんが、ほかのところでやろうとしているさまざまな制度の計画においても、同じ課題が必ず出てくるわけでありまして、私自身は年金局さん、あるいは日本年金機構さんが今まで努力なさっている状況を見て、これだけ世の中も必要としている、ある意味だれもが必要と思っているやり方でありますので、そこについては間違いのないようしっかりした対応をしていただきたい。
 住民票コードとの関係を考えますと、住民票に記載されている住所の取得が必要なのですね。氏名・住所の間違いはあるかもしれませんが、住民票の住所というのは必ずしも届けているとは限らないので。となると、先ほど長沼委員の言われたとおり、志木市さんにいろいろな相談でいろいろな方がいらっしゃる。この場面をとらえて、その方の住民票の住所をもしお聞きいただくことができれば、勿論どういう必要性があるかを説明する必要があると思いますが、住民票コードとの突合は確実にやっていける話になると思います。
 これは時間のかかることです。韓国で伺った場合には、1962年に住民登録番号を導入して、70年近くまでかかって、やっと政府の情報システムとのひも付けをやったと伺っています。どうやってやったかというと、御案内のとおり、最近の情勢でおわかりのとおり、北朝鮮の脅威がありますので、住民登録証を持っていない人は全員北朝鮮のスパイであるとみなすことにして配った。そこに登録番号が書いてあって、それで政府とひも付けをしたというやり方なのです。ですから、確実に本人であることが確認できている。
 そういう確認をできない仕掛けの中で、現在の我が国の状況はそうですけれども、その中でのひも付けの難しさというのは、大変な、余り例がないのです。間違えた場合に何が起こるかというと、物すごく怖いことが起きることは容易に想像できますので、是非逆に丁寧なやり方として、それぞれの方の住所をちゃんと説明して、居所あるいは郵送先と別に住民票の住所を教えていただければ、ちゃんと接続ができて、後のいろいろな手続が免除されますよ、いろいろなことが確実に間違いなくできますよということをメッセージとして上げるべきだし、私はやるべきではないかと最近思っています。
 そのことを申し上げたいのですが、これに絡んで1点だけ質問です。まだこの話は表に出ていないということであれば、その旨、言っていただければ結構ですが、ふだんシステム開発の方を見ているものですから。住基コードとの対応がとれてできた人については、氏名・住所が変わったときに届け出をしなくていいと、これからそれは免除すると伺っております。自分の住所が変わりましたとか、自分の氏名が結婚等で変わったときに年金事務所に届けなくてもいいと伺っています。
 どうもこの話の中に、御本人のメリットはそこまではいかなくて、事業主等の手続は不要になるのだけれども、御本人は相変わらず手続をしてもらわないと困ると、制度上、なっていると伺っていますが、この確認はこの会議、今日は入っていないのですけれども、もし教えていただければ。そういうメリットを利用者に提供するチャンスなのに、なぜできないのかというのが気になったものですから、もし差しさわりがなければ教えてください。

○事業管理課長
 まず、これまでの取組みの中で、受給者につきましては、毎年1回、生存確認ということで現況届を全員にお出しいただいていた。それを平成18年12月以降でございますけれども、住基コードの方とひも付けができた方につきましては、この現況届を翌年度から出さなくていいという一種のメリットを定義いたしまして、現況届に御自身の住基コードを書いて返していただくことを積み重ねてまいりまして、徐々に受給者の住基コードの収得率を高めてまいりました。受給者については、100%に近い水準までひも付けができております。
 一方で、被保険者、現役世代につきましては、そういった取組みの歴史がございませんので、まだまだ住基コードとのひも付けができている率は低うございます。
 今、先生がおっしゃった、今後の住所変更等の届け出の省略という話でございますけれども、機構法ができるときに、あわせて事業改善法と略称しておりますけれども、関係する法律の改正を行っておりまして、それの施行の一環としまして、来年4月からそういった各種の届け出の省略という部分が施行される予定で、今、それに向かっての準備を進めております。
 その中で、受給者の方について申し上げますと、住所変更等につきまして、これが御本人様の住所が変わられたときに、年金事務所の方に変更を届けていただくことの必要がなくなるような形で実現したいと思っております。
 一方、被保険者の方につきましては、例えば第1号被保険者の方を例にとりますと、その方が、住所が変わったときに市役所あるいは町役場に届け出をしていただくわけでございます。そこで市役所なり町役場の方から年金事務所の方に住所変更の御連絡をいただいているわけでございますが、そこの部分を省略できるような形で、法律上、構成されてございます。ですから、御本人様が、住所が変わったときに市町村の方に住民票の届け出をされますので、それが最終的には反映されることになりますが、御本人様からの届け出が一切省略できるという形になるわけではないところは、今、委員がおっしゃったようなことでございます。

○大山部会長代理
 済みません、確認です。そうすると、住所・氏名についての本人の届け出は本人ですか。

○事業管理課長
 受給者につきましては、そこの部分が。

○大山部会長代理
 ごめんなさい、受給者ではなくて被保険者。

○事業管理課長
 被保険者につきまして、御本人様からの届け出は、市町村に第1号被保険者の場合は届けていただく、あるいは第2号、第3号の場合には事業主を経由して届けていただく、そこの届け出そのものは省略できない形になってございます。

○大山部会長代理
 わかりました。住基ネットの裏打ちができたときには、変更情報が来ますね。そこは使っていないということなのでしょうか。そこを知りたかったので。

○事業管理課長
 今のところ、住基の情報を取得しておりますのは受給者についてだけでございます。

○大山部会長代理
 そうすると、まだ決まっていないということ。

○事業管理課長
 被保険者につきまして、どういう形で住基情報をいただくようにするかにつきましては、いろいろ調整しております。

○大山部会長代理
 わかりました。

○斎藤委員
 1月に発足して新年度も半分終わったわけですけれども、社員の査定はなさったのでしょうか。それはどういう結果だったのか、もしおわかりだったら簡単に教えていただけますでしょうか。と申しますのも、不祥事が出ていることを大変懸念しているからなのです。査定のプロセスで不祥事がある程度発見されたのかどうか、伺いたいと思います。
 それから、査定の結果というのは、研修に結び付けられるものだと思うのですけれども、どういう形でフィードバックを与える研修プログラムをつくっていらっしゃるのか、その辺りの流れ、対応を教えていただけますでしょうか。

○日本年金機構理事(人事・会計部門担当)
 人事・会計担当の坂巻です。今、評価の件についてお伺いと思いますが、人事評価は2つございまして、賞与の査定になる実績評価と、毎年1回やる能力評価になっております。現在、4月から9月の実績評価をやっているところでありまして、ちょうどまとまりつつあるところです。
 評価の分布につきましては、今のところS、A、B、C、Dという査定分布があるのですが、これにつきましてはSを5%、Aを25%、Bの標準が60%、C、Dで10%という決めになっております。これにつきまして、査定した後に、来月になりまして本人にフィードバックすることになっております。職員の方に指導しておりますのは、査定結果のマークそのものも当然フィードバックするのですが、どういうところが悪かった、こういうことを直せば今後よくなるよとフィードバックするように指導しております。
 それから、研修の関係ですが、私どもの研修部が担当しているのですが、いろいろな事故の関係につきましては、リスク・コンプライアンス部がリスク管理の研修をするようにしておりまして、本部の研修センターでやる集合研修の中にも入れておりますし、またブロック本部で行うリスク管理の研修の中にも入れて行っているところであります。
 以上です。

○斎藤委員
 81ページの研修の材料を拝見しました。そうしますと、年に1回ぐらいということ。それから、研修を受けた方の人数がそれほど多くないところで、今どういう形なのかなというのを知りたかったのが1つです。
 それと、査定するというのは、業績だけではなくて、ふだんの行動、その他をごらんになって、不祥事を未然に防ぐということも1つあるかと思うのです。それが査定のプロセスでできるような体制になっているのかどうか、あるいは5%を何人付けなければいけないというような、どちらかというと定型的な形での査定になっているのか、その辺りもちょっと教えていただけますか。

○日本年金機構理事(人事・会計部門担当)
 先ほど職場内研修、リスクの研修をどのぐらいやっているかにつきましてお答えしておきたいと思います。
 本部で集合研修もやっているのですが、職場内で、11月現在でリスク・コンプライアンス研修というのは、職員を対象にして延べ1万1,500人に対してやっております。これをやってもいろいろな事件がおさまらないというのがありますが、引き続きこれはやっていかなければいけないだろうと思います。
 それから、Sを5%とかのあれにつきましては、今後、実績評価を絶対評価でできるのかどうかも確かめながら、中身を少し考えていかなければいけないかなということで、この12月のボーナスが実績評価を入れて初めての評価でございますので、今後、その辺は見直していきたいと考えております。
 以上です。

○本田部会長
 時間もそろそろ迫ってまいりましたので。

○大山部会長代理
 いいですか。

○本田部会長
 はい。

○大山部会長代理
 済みません、ねんきんネットの件で1つだけ参考にしていただければと思います。
 ねんきんネットが使えるようになって、いろいろな形で便利になると思いますが、1点目は、ねんきん定期便との対比で考えたときに、定期便は紙にあって、それなりの形で来るから、証拠として残るかどうかは別にしても、記録としてしっかり残ると思います。
 ところが、ねんきんネットの場合は紙に出るわけではないので、完全に信頼感があれば、それで済むのですけれども、前はこうだったよね。でも、数字が変わっていたというときに、画面をどこかに残すような仕掛けは本当は必要なのかもしれない。もし、ねんきんネットに移行していくならば、そのことを是非お考えいただきたい。これが1点目です。
 もう一点は、さすがにこれだけの件数の方、今までの状況だと1,000万人の方、更に2,000万、3,000万と出てくると、IDパスワードの管理というのは相当厳しいものがあるということだけは是非頭の中に置いておいていただきたいと思います。これはBCPとは言いませんが、何かあったときの対応策を今から考えていかないと、大変なことになりかねないので、日本年金機構さんがいろいろ努力しておやりになるのはよくわかるし、厚生労働省もこれに対して支援するのはわかるのですが、十分あり得る話。
 特に、ここも痛しかゆしなのですけれども、機微な情報が増えれば増えるほどやられるチャンスは多いのです。ですから、単に納めた、納めてないぐらいだったらそれほどではないのだけれども、給料の額に近いものがずっと出てきて、シミュレーションして幾らもらえるかもわかるようになってくると、とりたくなる人は増えてきます。一番多いのは、内部から漏れることが多いのですけれども、それでも増えてくるので、アクセスの履歴管理をどうするか。
 いろいろ起こってくると、簡便な方法だと思っても、利用者も、管理する側もなかなか大変なことになることも、人数が増えるとありますので、是非その辺も頭に入れておいていただければ。何しろ漏れることがあり得るというのを最初から想定して、手を打っておかれることをお勧めしたいと思います。

○本田部会長
 22年度の上期の御報告をお聞きして、年金機構の中でちゃんと進捗しているもの、逆に遅れているものや改善事項等も機構の方からのご説明で理解できました。委員の皆さんからも大変熱心な御意見をいただきましたので、今日の委員の皆さんのアドバイスを活用しながら、是非、年度目標の達成に向けて御努力をお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、時間の関係もございますので、次に本年7月の評価部会でも報告がございましたけれども、紙台帳等とコンピュータ記録との突き合わせ業務の入札情報漏えい事案や、その後、今月5日に愛媛事務センター職員が年金個人情報漏えいで逮捕された事案を受けまして、このような情報漏えいの再発防止についてまとめられたということでございますので、年金局より御説明をお願いいたします。

○日本年金機構副理事長
 まず私どもの方から、紙台帳とコンピュータ記録の突き合わせの関係のフォローについて、機構の取組み等について御説明して、その後、年金局の方から説明させていただきます。
 資料2-2を先にごらんいただきたいと思います。
 紙台帳とコンピュータ記録の突き合わせ業務の入札に関して情報漏えいがあったことにつきましては、6月に明らかになりまして、その後、私どもとしても第三者によります検証会議をつくって、そちらの方で検証いただきました。その結果が別紙1ということで、1枚おめくりいただいたところに付けさせていただいておりますけれども、8月10日に検証会議報告がまとまっております。
 この検証会議自体、弁護士等から構成されておりまして、更にそのもとに調査チームを設けて御議論いただきまして、結論的に申し上げますと、情報が伝わっていたのが3社あったわけでございますけれども、3社のうちC社、具体的にはNTTソルコ社ですけれども、その社に対しましては、かなり機微にわたる情報が伝わっていることが検証の結果明らかになりました。このC社の社員、相手方は、社会保険庁時代の元同僚だということも明らかになったわけでございます。
 そういうことを受けまして、この検証会議では、入札については、このC社については契約を行わないことが適当であるという結論が出されたわけでございます。
 これを受けまして、1枚目にお戻りいただきますけれども、NTTソルコ社が落札いたしました2拠点、千葉と新潟でございますけれども、それと不落になっております埼玉拠点の3拠点につきまして、9月3日に官報公告をし、10月25日に再入札をやったわけでございます。
 検証会議の報告で、いろいろ問題点、課題が指摘されたわけでございますけれども、再入札に当たりましては、もう一回不透明なことがあってはいけないということで、仕様書などを保存するファイルへのアクセス制限をするとか、事業者と接触する場合には、きちっと上司、同僚に伝わるようにする、それから、既に落札をして仕事を進めている会社が5社あるわけでございますけれども、そちらに示した情報はインターネットで公表する、それから、総合評価落札方式でやるわけでございますけれども、その評価委員会の方には外部の委員も入ってもらうという措置をとって再入札をやりました。
 それから、事業者との接触のルール、情報収集に当たっての留意事項等を決めまして、調達に当たりましての、こちらから出すとき、あるいは情報をとるときのルールを10月1日に定めまして、機構全体で実施する。これは別紙2で、何ページかにわたりますけれども、付けさせていただいております。
 それから、検証会議の報告では、今回事案のバックグラウンドについて、さまざまな指摘がございました。具体的には7項目にわたります改善点というか、改善の指標が出ております。それにつきまして、少しおめくりいただきまして、横長で書いてございます「情報漏えい事案の再発防止のためのアクション・プラン」を後ろに方に付けさせていただいておりますけれども、10月29日に決定しております。
 具体的には、いわゆる情報管理体制、公務員時代ですと守秘義務があったわけでございますけれども、個人の見識に依存しない情報管理体制をきちっとつくるということで、手引書をこれからつくっていく等、まだこれからの取組みがありますけれども、そういう課題に取組んでいくことで整理いたしました。
 次のページに参りまして、調達業務における外部事業者との接触のルール化、これは先ほど御説明したとおりです。
 それから、いずれにいたしましても意識の問題が非常に重要でございますので、規範意識の向上、先ほど斎藤委員からもお話ございましたけれども、単に普通の研修の機会を使うだけではなくて、問題事例をつくって機構LANの掲示板に載せる、あるいはコンプライアンス意識調査の結果を踏まえて取組みを進めていくことをやってまいりたい。
 それから、機構全体のリスク管理、これはリスクアセスメント調査を今、進めておりますけれども、その結果を踏まえた研修の実施。
 それから、適切な人員配置。
 更に進みまして、機構職員の経験、ノウハウの蓄積と継承、職員の一体感の醸成ということで、例えばコンプラ意識については、機構内報がございます。その中にもリスクコンプライアンスミニ講座的なものを載せるという形で、単に通り一遍の研修だけではなくて、さまざまな機会で取組んでまいりたいと思っているところでございます。
 ただ、そうは申し上げましても、問題事例というのは正直言ってございまして、それにつきまして、後ほど御説明いたしたいと思います。
 それから、入札談合事案につきましては、別紙4を付けさせていただいておりますけれども、最終的に10月14日に当該職員と相手方の会社の社員が逮捕されまして、11月4日に略式起訴という形で決まったわけでございますけれども、それを踏まえまして、機構といたしましても、行為者に対しまして懲戒解雇、それから管理監督責任ということで、理事長、副理事長については注意、それから担当理事と担当部長につきましては訓告ということで制裁を行うことにいたしたところでございます。
 相手方企業についても、競争参入資格の停止。当初3か月だったのですけれども、今回の事案の重要性にかんがみ、それを12月に延長するという措置を講じました。
 もう一つ御報告しなければいけないのは、先ほど部会長からもお話ございましたように、日本年金機構の愛媛事務センターの方で個人情報の漏えいという事案が発生いたしました。
 資料2-3をごらんいただきたいと思いますけれども、11月5日に社会保険庁時代、社会保険事務所の職員であった当時と、年金機構の職員になってからということで、2つの時点で年金にかかる個人情報を第三者に漏らしたという容疑で逮捕されております。まだ現在、捜査継続中でございますので、確たることははっきりしませんけれども、警察等から流れた情報と思われますけれども、新聞報道によれば、そこに書いてございますように、昨年11月、今年6月の2回にわたって個人情報を栗林という教唆犯として逮捕されている者に漏らしたということでございます。
 このほか、新聞報道等では、年金額がアップされるということで暗に謝礼を要求したのではないかという報道もなされているところであります。
 実は、平成16年に年金個人情報の閲覧ということで大きな問題になりましたので、そういうものはきちんとチェックする。特に、名前で索引する、氏名索引と言いますけれども、この場合、それが業務目的内なのか目的外なのかチェックするということを進めております。ただ、それをだれがチェックするかと言えば、業務担当課長等がチェックする形になっております。
 今回は、その課長自らがやってしまったということでございますので、そこのところが漏れていたと考えられますので、4の再発防止策でございます。事案の概要が明らかになれば、それを踏まえて更に検討する必要があると思いますけれども、当面、そこに脆弱性があったことが明らかになりましたので、管理職がやったケースについては、その管理職以外の別の職員がチェックすることを指導したところでございます。
 機構からは以上でございます。

○事業企画課長
 続きまして、年金局の方からお手元資料2-1をお手にとっていただきたいのですが、ただいま日本年金機構における取組みについて、副理事長の方から御説明がありましたが、それに関連し、それを踏まえて年金局の方でとってきた取組みということで御報告させていただきます。
 資料2-1、これまでの経緯についてという1ページ目は、今、副理事長からお話がありましたとおりでございまして、入札事案について、第三者検証会議の方で報告をまとめられ、また機構の方で再発防止のアクション・プランをまとめられた経緯がございますが、厚生労働省の方で日本年金機構からの報告聴取を、2.の(1)にございますが、藤村副大臣を主査といたします、保険医療機関等に関する指導・監査の検証及び再発防止に関する検討チーム、これは別の事案を契機に立ち上げられた検討チームでございます。副大臣が筆頭のチームに対して、機構から、本件事案を10月18日に報告してもらいました。
 更に、再発防止のアクション・プランに関するヒアリングを年金局の方でも実施し、こういう流れの中で、今、機構の方の話にもございましたけれども、愛媛の事務センターの年金個人情報漏えい事案も起きましたので、それについても報告を聴取していったという流れでございます。
 そういう流れを踏まえまして、2ページから3ページにかけまして、特に厚生労働省年金局として、日本年金機構に対して、しっかり直ちに取組んでもらいたい話を抽出いたしまして、11月12日に年金局長名で日本年金機構理事長に対して指示文書を出したところでございます。その内容が2ページに列挙されておるところでございます。
 ○1から○3は、年金機構の入札事案の再発防止のアクション・プランの着実な実施。また、機構のガバナンスにおいて重要な位置付けを有します運営会議の方にちゃんと報告を上げて、そこでしっかりとチェックする。また、機構の理事長直属の監査部を活用されたいという内容でございます。
 更に、○4に1、2、3、4と並んでおりますが、ヒアリング等を通じまして、機構の方で特に直ちに取組んでいただきたい、また年金局に対して年内に報告いただきたい事項を抽出いたしました。記録問題対策部においては、仕様書のファイルのアクセス制限など、そういう対応をとったという報告がございましたが、それをほかの部署でも直ちに実施する。
 また、事業者との接触のルールについての要領の策定というのも、先ほどの報告の中にありましたけれども、こうしたものについて遵守状況を年内に年金局の方に報告いただきたい。
 更に、3ページの愛媛の事案に対する関係でございますが、管理職にある者が氏名索引を行った場合の別の職員による点検・確認についての遵守状況を、やはりこれも年内に報告をいただきたい。こうしたことを指示したところでございます。
 年金局といたしまして、(4)にございますが、状況の把握、更に特別監査も組み合わせながら、機構とともに再発防止について進めてまいりたいと考えておるところでございます。
 以上、簡単でございますが、御報告でございます。

○本田部会長
 ただいまの御説明につきまして何か御質問なり御意見。

○大山部会長代理
 1つ教えてほしいのですけれども、たしか検索するのには指の静脈のパターンか何かをとるものもあったと思いますけれども、今回のここでは機能しなかったということなのでしょうか。それとも、ここは違う話だったのか、もし差し支えなければ教えてほしいのです。

○日本年金機構副理事長
 オンラインシステムにアクセスする場合は、指認証して入っています。ただ、本来、その人はいろいろな仕事をやっているわけで、業務をやっていく過程で、例えば愛媛の職員も管理職ですから、監督だけやっていればいいということでなくて、やはりスタッフの関係もありますから、プレイングマネジャー的になっているところがありまして、そういうときには指認証で入っていって見る。
 当該職員もかなり多数の氏名索引をやっています。やっている中で、本来、業務目的でやられている分であれば、これは問題がない。ところが、それが目的外ということでやっていると問題になるということなので、そこのチェックが今回できていなかった。

○本田部会長
 よろしいですか。
(「はい」と声あり)

○本田部会長
 それでは、残り時間も少なくなりましたが、アニュアルレポート及び職員給与規程の改正につきまして、年金機構から簡単に説明をお願いします。

○日本年金機構経営企画グループ長
 後ろから失礼いたします。経営企画グループ長の長田と申します。アニュアルレポートにつきましては、7、8月の当評価部会でも話題になった部分でございますけれども、一昨日、11月24日に公表いたしました。年次報告でございますので、本来であればもう少し早い時期に発行すべきものでございますが、何分、初年度の取組みということもございまして、業者委託に当たっての仕様確定などに時間を要したということもございます。来年度以降は、もう少し早い時期に出したいと思っております。
 それで、中身でございますが、本体版の表紙をおめくりいただきますと、2ページに目次がございます。6月末に業務実績報告を行政的なものとしては出してございますが、このアニュアルレポートはお客様にわかりやすく伝えるという主眼がございますので、冒頭、特集記事みたいな形で、職員の座談会とかインタビューとかで生の声をお伝えする工夫をしました。
 また、当然実績報告なので、第3章から5章までの実績報告の中身が中心になるのでございますが、この1冊をごらんいただければ機構全体のことがわかるという一覧性を確保したいということで、第1章の中では機構の理念とか組織の概要、第2章で目標、計画の内容、そして最後に、問い合わせ先などの記載もさせていただきました。
 実は、この評価部会の中でも、アニュアルレポート作成に向けて幾つか宿題をいただいた点も踏まえて、今回整理しております。その部分だけ御紹介いたしますと、82ページをお開きいただきたいと思います。
 まず、82ページに、当評価部会で御評価いただいて、最終的に大臣評価がなされたことのエッセンスを整理させていただいた上で、次ページ、83ページから86ページにかけまして、先ほど言いました第3章から5章に詳細な実績報告を書いておりますが、機構業務運営上の非常に主要な業務目標の指標についてのデータを一覧できる形で整理し、それがこういう数字だということだけはなく、なぜそうなったのかという評価・分析、また、今後の改善に向けてどう取組んでいくのかということまで含めて、一覧できるような形で整理いたしました。
 また、例えば84ページの右の欄の一番上に数字を記載しておりますが、これも評価部会で御指摘ございました。実際、予算がどれぐらい投入されたのかといった執行額なども、初めてこのような区分の中でお示ししております。
 それから、恐縮でございますが、少しお戻りいただきまして66ページから67ページでございますが、私ども機構発足に当たりまして、「お客様へのお約束10か条」を掲げました。それにつきまして、個々の10か条の内容ごとにどういった取組みの成果があったのかということを、今回、アニュアルレポートの中で御報告するといったスタイルをとってございます。
 それから、一番最後の109ページから110ページで、「お客様に、お伝えしたい大切なこと」で、いろいろな形でお伝えしたいことは勿論多々ございますが、訴求ポイントを絞った形で、若い人へのメッセージ、あるいは定期便を受け取られた方へのメッセージをQ&Aということで強調して整理させていただいております。
 なお、この周知の方法につきましては、冊子の形で作成するのは限りがございますので、ホームページに全文を掲載いたしまして、どなたでも御自由にダウンロードしていただける形にしておりますとともに、年金事務所の窓口のお客様に閲覧いただけるように、事務所の窓口に備え付ける予定としてございます。来年度に向けまして、引き続き改善に努めていきたいと考えております。

○日本年金機構理事(人事・会計部門担当)
 それでは、規程の改正について御報告します。資料4をごらんいただきたいと思います。
 今回、給与に関する規程につきましては、3つの規程を改正しております。いずれも改正日は11月1日付になっております。
 その内容ですが、まず最初に、職員の給与規程を変えております。
 中身は、給与規程の中に休職期間中の給与の取り扱いについての定めがあるのですが、ここに組合専従者の休職を追加したということでございます。これは、この6月に機構の労働組合の1つである職員労働組合と、いわゆる非組合員の範囲とか団体交渉のことで基本協約を結んでおります。その中に専従休職も入っておりまして、その分の手当てをしたものでございます。
 ちなみに、現在、専従者は2名おります。委員長と書記長です。
 もう一つ、全厚生労働組合というものもございますが、こちらとはまだ基本協約も結んでおりませんので、専従休職はいないことになります。
 また、専従休職者についての給与・賞与については、支給しないことになっております。
 次に、賞与規程の方でございますが、今、言いました専従休職に対する賞与は出費しないという規程を書いたことでございます。
 それから、○1に戻りますが、これは賞与の算定期間を決めたということです。中身は、賞与のいわゆる期末手当・勤勉手当というものがありますが、賞与を算定する際に期間中の出勤率と、期末手当の評価の期間が、出勤率の期間につきましては、12月の例でいきますと、6月から11月の出勤率で計算することになっております。それから、評価の期間につきましては4月から9月で、取り扱い期間が別々になっておりました。これをそろえたという規程の改正であります。
 3番目に、特定職員の給与規程の改正を行っております。
 これは、既に5月に実施しておるのですが、特定職員のうち、いわゆる事務所で窓口相談をしている方たちの処遇の問題で、職務的に見ても処遇が低いのではないかという話があり、これを変えております。その関係で、窓口年金業務につく職員の給与テーブルを新たにつくったということでございます。
 中身について言いますと、具体的には一般の職員の給与よりも約1割高い水準に設定しております。
 以上でございます。

○本田部会長
 ありがとうございます。2つ一緒にやって申しわけなかったですが、何か御意見なり御質問がありましたら。長沼委員。

○長沼委員
 国家公務員の場合、人事院勧告があって、平均年間給与を前年度比1.5%マイナスするとか、55歳を超える管理職については、給料月額と管理職手当を1.5%減額するということでと理解しています。日本年金機構の職員の場合は、人事院勧告に準拠するのですか。

○日本年金機構理事(人事・会計部門担当)
 法律がこれから正式に改定されるということでございますので、それにあわせて改定しようと思っていますが、定例給与、月例給与の部分につきましては、年金機構では昇給をやっておりません。その分の影響がありますので、今回の取り扱いとしては、国などで0.2か月の賞与としたと思いますが、その分は対応していくのかなと思っております。まだ、それは法律が通ればそうなるのかなということで、年金局さんの方と連携をとりながらやっていきます。

○長沼委員
 地方公務員の場合、例えば埼玉県は人事委員会勧告で、さいたま市もそうですが、55歳を超える管理職の管理職手当についてはマイナス1.5%改定は行わないと聞いている。志木市では、国の人事院勧告に準拠し、55歳を超える管理職については、給料月額と管理職手当を1.5%減額を実施する。日本年金機構の場合は、国家公務員に準拠して、55歳を超える管理職の給料月額と管理職手当に対して、マイナスの形で給与を見直すのでしょうか。

○日本年金機構副理事長
 設立委員会のときに御議論いただいて、国家公務員の給与テーブルと年金機構の給与テーブルがちょっと違う格好になっているので、完全に各級、年齢が上がっていくとどんどん上がっていく仕掛けではなくて、もともと55歳辺りからかなり寝るような給与カーブになっておりますので、ストレートにそれに倣ってということにはなりません。
 ただ、基本的には機構法におきましても、国家公務員の給与水準を勘案して機構職員の給与を決めることになっておりますので、今年度は先ほど申し上げたようなこともあり得るかと思いますけれども、将来的にはそういうものをよく見ながら給与テーブルあるいは給与水準を考えていくことになろうかと思います。

○西沢委員
 感想ですけれども、私はアニュアルレポートはいいと思います。特に職員の方が出ているのがいいと思います。職員の方の顔が見えないといけないと思いますので、これはいいと思いますので、これにとどまらず、できればメディアとかにも出てアピールされたらいいと思います。ですから、これは続けていただいたら。

○本田部会長
 よろしいですか。
(「はい」と声あり)

○本田部会長
 それでは、本日の議題はすべて終了いたしましたので、次回の日程等につきまして事務方から御説明。

○事業企画課長
 次回の日程につきましては、年明け以降、改めて委員の皆様の予定を確認させていただきまして、その上でまた正式に御案内を差し上げたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。

○本田部会長
 それでは、本日の会議はこれで終了いたします。長時間ありがとうございました。
 なお、機構におきましては、年度目標達成に向けて、是非頑張っていただきたいと思います。よろしく。どうもありがとうございました。


(了)

(連絡先)
厚生労働省年金局事業企画課
03-5253-1111(内線3574)

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