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2010年11月12日 第3回デジタル撮影によるじん肺標準エックス線画像に関する検討会議事録
日時
場所
議事
○中央じん肺診査医 大変お忙しい中、皆様お集まりいただきまして、ありがとうございます。ただいまより、第3回「デジタル撮影によるじん肺標準エックス線画像に関する検討会」を開催いたします。今回は、6名の委員の皆様、全員ご出席されています。また、前回に引き続きまして、エックス線写真の撮影機器メーカーからの参考人として、キヤノンマーケティングジャパンの西田様、富士フイルムメディカル株式会社の畔柳様にご出席いただき、技術的な助言をいただくこととしております。
配付資料を確認させていただきます。表紙に議事次第が書かれたものがあります。1頁・2頁に資料1、第2回検討会での検討結果があります。3頁・4頁に資料2、個別の画像の検討結果が表になったものがあります。5頁に資料3「デジタル画像の撮影表示条件等について」です。6頁に資料4「デジタル版の利用方法について」があります。7頁から20頁まで資料5として、この検討会の報告書(案)があります。21頁に参考資料1、現行のじん肺標準エックス線フィルムの一覧があります。22頁に参考資料2、じん肺法等の参照条文があります。
23頁、24頁に、参考として検討会の開催要綱と参集者名簿という構成となっております。抜けているものなどありましたら、お申し付けください。それでは、ここからの議事進行については、座長の村田先生にお願いいたします。
○村田座長 円滑な議事の進行に、どうぞご協力よろしくお願いいたします。
本日は、まず第2回で検討した内容を非公開とした部分も含めて確認してから、新しい標準画像を導入した場合の医療機器の条件、あるいは適切な使い方についての検討を、技術的な内容を中心に行いたいと考えています。その後にこの検討会全体のまとめとなる報告書(案)を確認いたします。最後に、少し非公開の時間をいただいて、候補画像の中にCTで確認しておく症例が少しありますので、その症例の確認と、新たに若干の追加症例がありますので、それの確認をしたいと思います。もちろん、その結果も含めて、報告書に記載することになります。
それでは、今回の議事に入りたいと思います。第2回、前回の検討結果について、資料1および資料2に沿って、事務局よりご説明をお願いできますでしょうか。
○中央じん肺診査医 お配りした資料の1頁・2頁の資料1、3頁・4頁の資料2までを説明いたします。資料1は検討した内容等を文章にまとめたもの、資料2は写真をチェックしたものの一覧表となっております。資料1の1、厚生労働科学研究からの候補画像の検討結果ですが、これは第1回でもある程度検討して、引き続きまして第2回も含めて検討した結果です。厚生労働科学研究で選定された候補画像28例の胸部エックス線写真について、その型と標準として適切かどうかということを検討しています。その結果、4例が除外されて、24例が残ったのですが、そのうち6例については条件付きとして「適」としております。
3頁ですが、これがその28例の検討結果です。いちばん右の太枠で囲った所に検討結果、この型として適切であろうというものを書いております。除外と書いてある所が第1回ないし第2回で除外されたものです。「※1」「※2」、これは第1回の検討会のときでも同じ内容ではあるのですが、「※1」と付いているものは粉じん作業歴がまだ詳しく確認が取れていないところがありますので、それを確認して画像所見との整合性も含めて確認ができるということを前提としてよしとしていると。「※2」については、主に3型とか4型といったものに付いているのですが、画像の型としては適切である。ただし、ちょっと典型的とは言いづらい所見も示している。ただ、これを除外してしまうと、なかなか新たな症例が見つかりにくいであろうということも含めて、現時点ではよしとしているが、より適切な典型的な画像があれば置換え等を考慮しましょうということで、条件付きで残しているというものです。ここまでが28例の構成です。
1頁に戻って、2の「画像集の構成に関する検討内容」です。先ほどの所は1枚1枚の写真についての確認だったのですが、こちらでは全体の写真の集合体としての構成についての検討について記しております。名前がまだ決まっていないのですが、仮称として「デジタル版じん肺標準エックス線写真集(以下「デジタル版」)」、これの構成について現行のじん肺標準エックス線フィルムの構成、職業歴、所見をさまざまなものをなるべく網羅すること、じん肺の判定において問題となりやすい点等を踏まえた議論を行っております。主な意見を箇条書きにしております。
まず、標準フィルムは参考資料1、21頁にあります。従来の標準フィルムは、「じん肺の種類」ということで、けい肺、石綿肺、その他のじん肺という分け方をしております。けい肺で粒状影と大陰影の評価をし、石綿肺としているフィルムで不整形陰影の評価をしているということなのですが、今回新しく作るデジタル版については、この「じん肺の種類」に代えて「陰影の種類」、粒状影、不整形陰影、大陰影といった種類で分類するほうがよかろうというご意見がありました。また、所見なし、いわゆる0型(0/0)については、CRの装置で撮影された画像とDRで撮影された画像の両方を収録するのがよかろうと。ちなみに、先ほどの候補画像の1番から28番では、0型が5例あるのですが、そのうちCRが2例とDRが3例含まれております。それぞれから選びましょうということです。
粒状影、不整形陰影については、それぞれ第1型、第2型、第3型の典型例と、さらに有所見となる、ちょうど境目となる0型の0/1、1型の1/0についても収録したいということで、これは実際の判定のときに問題となりそうな点を考慮してというご意見です。
2頁ですが、粒状影については陰影の大きさが3段階あるのですが、なるべくp、q、rがカバーできればというご意見が出ております。また、第4型、大陰影については、これも陰影の大きさ等によってA、B、Cという3段階があるのですが、これをそれぞれカバーしたいということです。ここで(注)とあるのですが、資料の16頁をご覧ください。大陰影のA、B、Cというのは、大陰影そのものが1cmを超える陰影なのですが、その大きさや個数等を考慮して、3段階としております。
2頁に戻って、その他の陰影として、淡い粒状影のようなものを示すものが候補でいくつかあったのですが、候補の画像がいずれも第2型相当であろうということと判断されております。もう少し軽い第1型相当の画像もほしいですねというご意見が出ております。これは全体の構成を加味したご意見なのですが、実際の候補画像と照らし合わせて、どういうものがあるのか、どういうものが足りないのかという結果としては、新たな症例収集の必要性が高いものがいくつか出ております。それが次の段落で、まず28例の候補画像に含まれない型としては、不整形陰影の0型(0/1)、その他の陰影の第1型に当たるものが28例の中ではなかったということになります。また、先ほど少し説明しましたが、候補画像に含まれるが、より典型的な画像があれば置換えを考慮するものとして、大陰影4型のAとC、不整形陰影の第3型というのが挙げられています。
これが特に補充といいますか、新たな症例収集の必要性、優先度が高いだろうという話です。
第1回の時点で候補の画像を見て足りなさそうだということで、複数の参集者の先生方から追加症例の提出が既に第2回の時点でなされており、それについても計13例を検討しております。4頁の表に13例を載せております。大陰影を示すものとして6例、これはいずれもAまたはC相当であろうということで、検討がなされました。ほかに不整形陰影を呈するもの、主に石綿取扱いを
されていた方ということでの症例が7例出ており、7例中4例はそれぞれの型として適切であろうということで残っております。横に※を付けたもの、大陰影4例と不整形陰影4例については、今後、詳細な粉じん作業歴の調査とか、画像のデジタルデータの入手といったものを試みて、ちゃんと入手できたときには候補として扱うというようになっております。以上です。
○村田座長 ただいま前回までの議論を踏まえて集約していただきましたが、何かご質問はありますでしょうか。抜けているところとか、ありませんでしょうか。大体こんな議論でしたね。座長として1つだけ気になりましたのは、資料2でずっと検討してきた中で、粒状影の2型が結局1例になってしまったので、ほかの症例の数等からするとバランスがちょっと悪いので、2型に関して読影実験をやって、多くの先生方が2型とされたものがあと2例ほどありますので、今日その写真を持ってまいりました。それがもう1回候補陰影として残せるかどうかを後ほど検討していただきたいと思います。ただ、その2例をなぜ落としたかというと、1例は閉院した病院の症例でCTが手に入らなかったのと、もう1例はCTが撮られていない症例でした。陰影としてははっきりありますので、じん肺症例であることは間違いないので、画像として適切であれば、私としては残したほうがいいのではないかという思いがありますので、後ほど非公開の部分で、残すことが適切かどうかを再度チェックしていただこうと思っております。ちょっとそれを追加させてください。
○中央じん肺診査医 そうすると、通し番号でいくと42番と43番が粒状影の第2型の候補ということですね。
○村田座長 厚生労働研究で集約した症例と追加で集めていただいた症例で、まだ少し足りないところがあるので、それは今後の検討課題にすることにして、およそこれだけの症例で標準写真をまとめていくと、症例に関してはそういう方向でよろしいでしょうか。
どうもありがとうございました。続きまして、実際こういう標準写真ができたときに、それを公表するわけですが、そのときにデジタル画像に関しては注意点がいろいろとありますので、その最初としてデジタル撮影で使う医療機器の条件や使い方についての議論をしたいと思います。資料3および資料4について、事務局からご説明をお願いいたします。
○中央じん肺診査医 5頁の資料3と6頁の資料4の説明をさせていただきます。資料3は主に医療機器、機械に注目した条件等を書いております。資料4は、どちらかというと利用者から見てどうだという書き方をしております。
まず、5頁、資料3の「現状と課題」から入ります。一般にエックス線写真のデジタル撮影では、同一の医療機関等の施設内においても、使う機器の間で「画像の見え方」を揃える必要があります。また、労働局等でのじん肺管理区分の判定においては、さまざまな施設から写真が集まってくるわけですが、それを全国共通の基準で比較するための条件の設定が必要となります。
2番目は機器毎の必要要件の案ですが、これは村田先生の厚生労働研究の報告書を基に作成したものなのですが、第2回の検討会においても一旦、資料に載せました。ただし、それを見た参集者の先生方、メーカーの参考人の方々からいくつかコメントをいただいて、さらに書替えをして載せております。機器ごとの条件としては、(1)としてキャプチャー機器、これはCR、DR型式の撮影装置から、ビューワーという画像を表示するためのソフトウエアの所まで、ここまでに関してはDICOM Part 14という国際規格、これは下に解説があります。
これに準拠したP-Value、P値、これはなかなか難しいのですが、グレースケール変換処理をしたときの画素値、ディスプレイなどに入力するときのデータだと思いますが、それに対応した運用が行われていることを、1つ条件として掲げております。
2番目の医療用モニターは、医療機関によってはフィルムを使わずにモニターの中で診断をするという所も増えているということで載せております。モニターの要件として、パネルの解像度が3メガピクセル以上、輝度として300cd/m2以上、また先ほどと同じDICOM Part 14という規格に準拠したキャリブレーション(補正)が行われていることを条件としてみてはどうかということを載せております。
3番目のイメージャーはフィルムに出力する装置ですが、こちらについてもDICOM Part 14に準拠したP値の画像データを適切に出力できるということを、機器の条件として挙げております。
6頁の資料4は利用者に注目したもので、「デジタル版の利用方法について」ということです。現状と課題ですが、標準フィルム、現行のものは大角サイズ、約35cm四方のこのフィルムそのものを出版しておりました。しかし、嵩張りますし、コストがかかるということで、今後デジタル版に関しては元がデジタルデータですので、CD-ROM、DVD-ROMのような電子媒体に収録したり、場合によってはインターネットを通じてダウンロードしたり、そのようなデジタルデータとしての提供が可能になるのではないかということです。また、仮にデジタル版が作られたとしても、先ほどの機器側の要件がありますので、すぐに従来の標準フィルムをなくすというわけではなくて、当面の間は両方が併存して使い分けるという必要が生じます。実際どのように使い分けるのかというところの案を、次の2番目の所に載せております。
(1)ですが、先ほど資料3で掲げた機器がすべて揃っている施設については、電子媒体で新しくできたデジタル版を使う。それでモニターもしくはフィルムで受診者の写真と比較して、じん肺管理区分の申請時は、労働局は現状フィルムしか対応できないということで、フィルム出力した写真を提出するという形を考えております。ただし、先ほど機器の要件は挙げましたが、機器そのものが規格に対応していたとしても、使う側の設定とか使い方によって、画像の出方が変わってしまうというご意見をいただいております。ですので、そこに関しては画像の撮影、モニターでの表示、フィルム出力、それぞれのときにちゃんと標準的な規格に準拠しているかどうかを随時確認する必要があるのではないかという意見が出ております。具体的な方法についてはご議論いただければと思っております。
(2)ですが、(1)に該当しない施設については、従来の標準フィルムを用いて、撮影条件を限定したCRまたはDR写真と比較して提出していただく。もし対応する機器の条件が満たされれば、デジタル版に随時移行していくという形を想定しています。
3番目に厚生労働省、本省や都道府県の労働局においては、現状フィルムでしか対応できない状況ですので、標準フィルム、現行のものと、新しくデジタル版をフィルム出力したものの両方を備えて、提出された写真に応じて使い分けるということになるであろうと考えております。以上です。
○村田座長 デジタル画像というのは、きちんと標準化しておかないと、どのような画像でも出てまいりますので、そういう意味でまず機器側に要求される条件と、今度は使う側がそれをどのように使うかということについて、いま1つの案を作ってご説明いただいたのですが、何かご質問などありますでしょうか。これは技術的なことだと思いますので、西田さんと畔柳さんのほうから、もし何か補足することとか、これで一応、標準的なデジタルのデータから各施設でこちらが想定しているような画像が出るのかどうか、大まかな原則として問題はないのかということについて、ちょっとご意見をいただけたらと思うのですが、お一人ずつお願いします。
○西田参考人 村田先生にやっていただいた研究班のときには、モニターは400カンデラのキャリブレーションを使ってやっていただいておりました。モニターメーカーとこの件でいろいろお話を聞いたのです。この辺は坂井先生にもご意見をお聞きしたいのですが、市販されていた過去のカラーモニターについては、300カンデラというのが適正値かどうかという辺りです。モニターメーカーとしてはブレード1という、JESRAというのはモニターの精度管理で決まっているのがあるのですが、それが170カンデラととても低いので、それはもう全然お話になりません。海外の文献などいろいろ調べたのですが、300カンデラ前後以上でご覧になっている実験がいちばん多かったので、モニターメーカーとしてもその辺が適切なのではないかという助言はもらっています。
○村田座長 あのときは、デフォルトで決まっているのが。
○西田参考人 403メガモノクロと400ですね。
○村田座長 400だったので、それを使わせていただいたというか、それを基準にさせていただいたという経緯があって、あまりきちんとしたエビデンスがあるわけではないのですが、坂井先生、その点に関してはいかがでしょうか。
○坂井委員 まずは解像度を300メガピクセル以上にしたという根拠は、国内では3メガというのを具体的に示した基準があまりないですよね。
○村田座長 放射線学会は1メガですね。
○坂井委員 イシガキ班が出しました答申がそのままだと。DICOMの取扱いに関する基準はバージョン2なのですが、もうすぐ新しいバージョンが出ると伺っていますが、いまのところは1メガ以上でいいということです。先ほど言われたJESRAの液晶の取扱い区分が170カンデラ以上ですので、この300という根拠がまたそれとは食い違っていますので、今回3メガ以上の解像度、300カンデラ以上の輝度というのに何か根拠が要るなと、昨日送ってもらったデータを見てちょっと感じたのは確かです。
○村田座長 3メガに関しては、ACRのアメリカでの放射線学会でのリコメンデーションに、一応3メガというのが出ておりますね。ですから、日本では確かに1メガ以上と出ているのですが、現実問題としては、使っているものからすると1メガは絶対無理だろうなというのがありますね。特にじん肺審査に1メガを使うというのは無理なので、それを基準にするわけにはいかないので、研究班ではアメリカの基準に準じて胸部写真でのびまん性の陰影を診断するためには、3メガ以上の機器を使うと書かれているものに準拠していいのではないかなと考えたのです。その辺りはいかがでしょうか。
○芦澤委員 3メガと2メガでは少し。比較的2メガのモニターをよく使われているような印象がありますので、私もACRの3メガは知っていますが、1メガでは不十分ですし、坂井先生とお話をしたときにも2メガ程度がいちばん、それ以上あれば。比較的読影実験ではあまり有意な差は出ていないと思います。
○村田座長 高知でやられた読影実験でも、2メガと3メガでは有意の差は出なかったのです。ただ、これは一般臨床の場で2メガで使われても全然構わないと思うのですが、多くの場合は申請をするときには3メガのもので判定しますよということですよね。ですから2メガで見られて、あると判断されて、でもデータはもちろんちゃんと含まれているわけですから、それから基準になる装置でプリントアウトされてということになれば、審査自体はフィルムでやることになりますので。そのことをちゃんとわかっておいていただければ、臨床では別に構わないとは思うのですが、どうでしょうね。じん肺の粒状影を見るのに、根拠というのは難しいのですけれども。
○坂井委員 解像度は、先生が言われたとおりACRのリコメンドを参考にしたということは、私も賛成は賛成なのですが、そういうことがどこのあれにもなかったので、学会からとか工業規格からとか、既に出ているものと少し違った基準になっているので、疑問符が出るかなという私の率直な疑問です。それと輝度に関しては、昨年から出だしたモニターがほとんど2メガも450を標準としてやっていて、最大輝度が1,000と900ですので、大体最大輝度の半分ぐらいの輝度で使うのが、いまの運用の方法なのですね。2年前より以前のモニターはほとんど最大輝度が230、240、九州大学に入っていたもう1つ前のものは190ぐらいで運用しています。ということは、この審査で言うと3メガのカラーでもそのころのものだともう200前後ですので、それでは駄目なのです。そのモニターでもチューニングをちょっと高めに設定して、そのときだけ見るようなことをやれば大丈夫なのです。
だから、日ごろの診療ではモニターに負荷を掛けすぎるような表示モードになるのですが、そういうのが少しわかっている人が各施設にいたほうがいいなという感じがしました。まだそんなに世の中のシェアは取られていない。昨年出たのが900、1,000といったカラー系。これは3メガで白黒もカラーも書いておりませんので、カラー系はほとんどがその前までは暗いものでした。実は白黒は昔から400以上あったのです。そこぐらいかなと。そこまでわかった人がほとんど施設にいらっしゃらないので、ちょっとそれだけ。
○村田座長 実際問題としては、個々の診療の場ではモニター診断、将来的に例えばフィルムではなくてモニターで診断して、最終的な判定もモニターでやるとなったときには、絶対的な基準が必要ですよね。でも、いまは各施設ではモニターでしてもいいですよと。だけど、最終的にはフィルム出力にしろという話にはなっていますね。ですから、どうなりますかね。
○芦澤委員 審査会のときには、フィルムでしばらく行うわけです。最後の(3)だと思いますが、厚生労働省の。これはあくまで医療機関での問題なので、あまりハードルを上げる必要はないので、私は2メガでもどうかなという意見です。
○村田座長 この辺りはいかがでしょうか。望ましいという形にしてもいいのかもしれないと思うのです。分解能から考えて望ましいけれども、競争するものではなくて、もちろん予算の問題もありますし、診療所はたぶんそんなに支障はないので、一般臨床の中でじん肺を拾い上げるのに2メガでやっても何も支障はないと思うのですが、将来的には例えば各労働局のほうでも、最終的にモニターで判定するとなったときには、ちょっとハードルが高いかもしれないけれども、この基準でやりますということにしたほうがいいのではないかなと思うのです。いまこれを2メガとしてしまうと、2メガも根拠が本当にないですよね。3メガのほうは、逆にとりあえずいまアメリカACRのアポビリネスの所に入っていますので。だから、できたらこれは守りたいなという感じはあるのです。そういうことが望ましいということにしておけばどうかなと。
○坂井委員 それは全然問題ないと思います。「望ましい」という文が付けば、確かに望ましいというのはもう間違いありません。
○村田座長 そうですね。最終的にはそのレベルでじん肺審査を行ってほしいという希望がある。輝度に関してはどうでしょうね。本当に根拠がないですよね。でも、市場で出ている、あまり無茶な要求はしてはいけないと思うので、実勢的にはどうなのでしょうね。
○西田参考人 メーカーのコメントとしては、先ほど先生がおっしゃったとおり望ましいとしてもらったほうがいいのではないかということは言われています。それでなければ駄目だと言われてしまうと、やはり見えない。望ましいにしていただければ、先ほど坂井先生がおっしゃったとおり、ユーザーで知識があれば輝度を上げてみることもできますので、そのようにしていただいたほうが。いまの時点ではそれがいいのではないかと。でも、5年もすれば、また全部ガラッと入れ替わっていきますので。
○村田座長 機器はどんどん変わっていきますよね。
○西田参考人 はい、上がっていくと思いますので。
○村田座長 400も全然基準もありません。あのときはたまたま400にしただけの話なので、300というぐらいが、根拠はないのですが、実勢の所を見て、大まかな妥当なところかなということでよろしいですかね。そうしたら、3メガと300カンデラでやることが望ましい。医療機関でモニター診断を行う場合には望ましいという文言を入れるということで。それから、1番のP-Valueで出すというのは、これは各メーカーとも大体対応できますか。そこはちょっと確認だけ。
○西田参考人 できます。
○村田座長 P-Valueが出てこないと。
○畔柳参考人 そうですね。ここ何日かのメールで少し議論をさせていただいたのですが、弊社の場合にはキャプチャー機器とビューワーのシステムでP-Valueで運用しているという表現にしていただければ助かります。単体では、キャプチャー画像からビューワー、サーバには、サーバ上でいろいろな画像処理をできるように、オリジナル画像で送っているという運用が富士フイルムの場合はあります。ですから、キャプチャーとビューワーを分けてしまうと少し違和感がありますので、2つ合わせていただいてシステムでP-Valueという表現でいただければ。
○村田座長 そうですね。基本的にはP-Valueでいろいろなモニターで見るようなシステム、あるいはフィルムに焼くようなシステムになればいいというのが大原則なので、そこのところがつながっていても、それは各社ごとに分かれていても大丈夫だと思いますけれども。
○畔柳参考人 そうですね。
○村田座長 あとイメージャーに関してなのですが、時々P-Valueで出してあるはずなのに、それこそこの前のフィルムの例もあるのですが、イメージャーの所がP-Valueで出しているはずなのに、非常にすごい写真が出てくるということはあり得ますか。
○畔柳参考人 前回もお話しましたが、プリンター側が設定をきちんとしておくというところです。ネットワーク上につながっている、どれともつながってしまいますが、必ずプリンター側にもとの機器ですね、ビューワーあるいはある端末を。
○村田座長 プリンターというのは、イメージャーということですか。
○畔柳参考人 すみません。イメージャーのほうに。
○村田座長 それは、その要請をするのは、いまの「DICOM Part 14に準拠したP-Valueの画像データを適切に出力すること」で、この文言で大体それは満たしていますか。
○畔柳参考人 各社わかると思います。
○村田座長 そうしたら大体どのメーカー、あるいはどの施設でも、この基準を守ってもらえれば、デジタルのデータからフィルムに焼いた場合でも、モニターで見た場合でも、同じような視覚的な画像が出るというように考えてよろしいですか。
○畔柳参考人 はい。
○西田参考人 過去に1番と3番に対応していない機器が入っている施設はまだたくさんありますので、だからそういう所はこの仕組みを使わないでフィルムでお願いしますというようになっているので、それは問題ないと思います。
○村田座長 そうしたら、まず資料3の機器条件に関しては、先ほどの2番目の項目に関しては望ましいという文言を入れるということで、大体これでよろしいでしょうか。資料4について、何か追加でいかがですか。実際にはデジタル版ができたときにはデジタルデータ、CDか何かそういう形で出すというので、施設によってそれをモニターで見たり、フィルムに焼いたりする形になるわけですね。フィルムに焼いて標準写真、デジタル版を出すということはしないということですよね。
○中央じん肺診査医 労働局とか行政機関のように、デジタル画像をそのまま表示する機器を持たない行政機関にはフィルムを置いておく。この案に対応できる医療機関だけデジタル版を使っていただいて、それ以外の所は従来の標準フィルムを使ってもらう。機材の更新が何年かで変わっていくので、対応できた所から移行するというイメージをしていると。医療機関側ではそのほうがわかりやすいのかなという考え方で組んだものです。
○村田座長 岸本先生とか木村先生は何か。
○岸本委員 いまじん肺写真はフィルムにプリントアウトするという話になっているのですが、アスベストの業務上外の判定というのがありまして、そちらのほうではほとんどがもうフィルムでなく、モニターになっていて、各労働局はモニターを入れていらっしゃいます。ですから、じん肺のときにはいまの3メガということなのですが、3メガは高いので、1メガぐらいのものがこの間岡山も入ったのですが、その辺りをどのように使うか。やはりオリジナルのプリントアウトでいくのか、お買いになられるなら、3メガを思い切って買っていただいておけばということを思います。本当にフィルムでは労災補償のデータは提出されません。ほとんどのメジャーな病院はいまはデジタル画像なので、実際に判断をするときにもビューワー、モニターがないとできません。ちょっと労働衛生課のほうでも調べてみられて、モニター可ということも両方あるので、各労働局でもやれるのではないかなとちょっと思ったものですから、発言をさせていただきました。
○五藤委員 それは、じん肺審査のときの。
○岸本委員 いや、労災補償の例えば九州等の。
○五藤委員 労災補償のことですね。補償のほうの場合は、モニターを使って審査する可能性もある。
○岸本委員 いや、可能性というか。
○五藤委員 やっていますけれども。
○岸本委員 モニターがないと労災補償の判定ができない状況になっていますので。
○五藤委員 管理区分決定のときにはまだ。
○岸本委員 もちろん、それは法律で駄目なので。
○五藤委員 わかりました。
○岸本委員 ですから、モニターが買えないからプリントアウトということになっていましたが、各労働局でそれを用意できるのであれば、両方対応はどうかなと思いました。
○村田座長 例えばモニターにしてもいいという話だと、1メガのモニターになられていて、そこでエックス線病型を判定とすると、この基準からするとちょっと望ましくないことになるので。
○岸本委員 あくまでも、これは先ほど決められたように行えばよいと思います。
○村田座長 粒状影の判定というのは、1メガではだいぶずれが出てくる可能性がある。中皮腫とか腫瘤性病変を認めるのは、全然問題ないと思うのですけれども。
○中央じん肺診査医 おそらく長い目で見ると、労働局での審査もモニターのほうにというお話はあると思います。ただ、先ほど出ましたように、現行のじん肺法などの文言で「写真を提出する」とか、そういったところを一通りクリアしていけないということです。あと予算の関係もありまして、1メガと3メガでは、モニターそのものの値段も違い、例えば全47都道府県に入れるというところまでなりますと、なかなか現実的に厳しいというところです。ただ、将来的にそういう流れにという話が出てくるであろうということは、それは想定されるところです。労災補償のほうでどうやっているのかというのも、私どものほうで確認させていただきますが、おそらく1メガではじん肺の審査としてはなかなか厳しいだろうということで、現状だとフィルムでというほうが全国津々浦々という点では確実かと思います。
○村田座長 いつも両方できるような体制をとっておいて、そのように変わっていっても対応できるような形にしておけばいいわけですよね。
○中央じん肺診査医 そうですね。デジタル版の標準写真そのものは、仮にフルデジタルになったとしても、もうそのまま使えるような形になっているだろうと。あとは先ほどの法制度と、実際の設備を労働局に入れるかどうかとか、そういう話のところが課題になるかと思います。
○木村委員 産業医の研修会なり、中央じん肺診査医の研修会でも、標準写真は新たなものが手に入らない、新たにというか、旧式のものも手に入らないのかと、もう絶版になっているので。ですから、これがCDでだけ出すということはどうなのかなと思うのですが、たぶんほとんどの検診機関が実際にはもうCRとかDRで撮っていると思うのです。新たにプリントアウトしたものではなくて、こういうものができましたということで、たぶん対応できると思いますので、私はこの方向でいいのではないかなと思います。
○中央じん肺診査医 私から質問なのですが、例えばCD版を医療機関等が入手して、フィルムがほしいと言って、そのデータを基にプリントアウトしても大丈夫でしょうか。
○木村委員 こういう条件で出してと。
○中央じん肺診査医 この条件で出してくださいということがわかれば、各施設でフィルムとしても出せますね。そうすると、あえてフィルムの形で出さなくてもできるということになります。
○村田座長 そういうのは任せるのでいいですね。バックアップのために絶対イメージャーは1台は残しているはずですので、出せますね。
○西田参考人 これは坂井先生にご指摘いただいた本当にちゃんと出ているかという確認ですね。あれをちゃんとやってもらうという辺りを理解して。
○村田座長 入れておいたほうがいいですかね。
○西田参考人 ここに書いてある、※の所ですね。
○村田座長 これは具体的には書いていないのですが、いまおっしゃっているのは白黒のバーのあれですよね。
○西田参考人 はい。
○坂井委員 バーを使わなくても、何かと何かを比べて、いちばん問題は肺野の濃度、透過性の問題だと思いますので、その辺が同じになるとかいうことを1回チェックするなどといったことをやっていただくタイミングがどこかでないと、ちょっとよくないかなと。
○村田座長 これは、いまの※の所に、それを一般論として入れておく。「随時確認する」でいいですか。それとも、もうちょっと具体的に何らかの手立てを例示しておくとか。
○西田参考人 実はちょっとやってみたのを今日持ってきているのですが、濃度で出されている画像データとP-Valueで出された画像データをイメージャーに出したときに、濃度がリニアになっているというのはどういうことかというのを、ちょっと見ておいていただいて。
○村田座長 いいですか。
○西田参考人 もしお時間が許されれば。こちらがモダリティから直接出した、従来、濃度で直接出しているパターンです。これがP-Valueでモダリティから直接出しているもので、これとこれはメーカー側がイメージャーで調整しているので、問題なく出ます。それで、P-Valueを対応しているビューワーから出すとこんな感じ、この画像を1回ビューワーに落とし込んで、ビューワーからイメージャーにいって、これはP-Valueのデータです。これをP値でモードデータで送ってしまうと、この辺がだいぶ白っぽくなるのです。
○岸本委員 白っぽくなりますね。違いますね。
○西田参考人 この間の坂井先生のご指摘は、ここでモニターもフィルムも濃度のスケールを管理しているのですが、こういった感じになるのです。直接出したものとP-Valueで出したのがほぼリニアに、スーッと直線がここ。パンパンパンパンと濃度計で何ステップか測っていくとリニアになるのですが、このデータを測るとこんな感じで、下に垂れてしまいます。ただ、これは技師さんであれば、濃度計があればパッパッパッと見て、自分の所がこうなっているかどうかを確認しろというのは普通、知識としてお持ちなので、これを簡易的にどうやってやってもらうかということで、問題はこのデータをP-Valueの状態で、画像データと一緒に配ってあげるか、もしくはダウンロードできるようにしておいてあげて、これを実施施設でサーバに取り込んで出してみてください。この濃度はステップが直線にピーッとデジタル値がなっていればということで。
○村田座長 OKなのですね。
○西田参考人 それがいちばん簡易的な方法かなと思ったのですね。APMのタスクグループ18ということでこういうのをお配りになっているのですが、あれはP-Valueではなくて濃度データだったので、やはり富士さんかキヤノンかどこかのメーカーでP-Value、これはキヤノンのものなのですが、P-ValueのSMPTEパターンを一緒に配ってあげて、これをまず出してみてください。
○木村委員 画像集と一緒に。
○西田参考人 そうですね。それで、ここの段階を測って、直線になっていればDICOM Part 14に合っているというのは、簡易的にはわかるのではないでしょうか。だから、これがもし垂れていたら、それはもうちょっと。
○村田座長 違う、P-Valueでないということですね。
○西田参考人 そうなのです。
○畔柳参考人 ということは、この画像データを1枚、画像集に添付して、それをビューワーで確認して、これが真っ直ぐになっているかどうか。
○西田参考人 それをフィルムに出していただいて。
○畔柳参考人 出すのですね、この棒を。
○西田参考人 これ自体をフィルムにこのように出していただいて、ポイントをこのように測っていただいて。この濃度のスケールを測っていくのです。こっちでもいいのですが、これが直線になっていれば画像が崩れていないということなのです。
○木村委員 もう1つは、労働局のほうでこのようにちゃんとやった、その確認ができるようなそういう方法は、どうしたらいいのですか。
○村田座長 どうしたらいいのですかね。
○木村委員 一応、全部がこうやってくれれば何の問題もないのですが、そうではなくて局のほうでそれもダブルチェックでなければ駄目ですよね、ちゃんとできていると。
○村田座長 チェックしなければいけないですね。
○西田参考人 でも、労働局に出てくるものはフィルムで出てきますよね。
○木村委員 フィルムです。ですから、それがちゃんとこういうので合った。
○畔柳参考人 正しいフィルムかどうか。
○西田参考人 そこまでいくとですね。
○五藤委員 やったという。
○西田参考人 ただ、先生、区分の判定をされているのはフィルムでご覧になっていますよね。
○木村委員 そうです。各局で。
○西田参考人 それはそれでずっと同じ状態で中央じん肺診査医まで渡ってきますから、それで判定したということであれば、そこはいまと仕組みは変わらないのではないか。これをデジタルで出しなさいと始まった瞬間に、ちゃんとこういうデータになっているかという話。
○木村委員 ちょっと私が理解できていないのかもしれない。プリントアウトできたフィルムが全部こういう形でチェックされたもので上がってくるということは、一応前提条件になっているのだけれども、本当にできているのかどうかを審査するほうの各労働局のほうで簡単にチェックできるような担保は、何かしなければならないですよね。
○岸本委員 そうですね。いまのCRだったら、ちゃんとフイルムの下を見れば範囲内でフイルムが撮影されているかどうか確認できます。おかしなレントゲンが出ると本当に大丈夫か、このフイルムのパラメーターを確認します。
○西田参考人 坂井先生、これはかなり複雑ですよね。
○岸本委員 私はこれは複雑だと思うのです。
○西田参考人 CRですとかDRから直接出しているとこうなるのです。ですから、気を付けなければいけないのは、ビューワーに1回取り込まれて、そこで判定してビューワーからイメージャー出力のときにこういうことがどっちかの。あと、本当にDICOM Part 14でできているか。
○村田座長 ある意味では、評価できる写真だったらそれでいいのですよね。
○木村委員 全然問題ないです。
○村田座長 おかしいなと思うときに、たぶんこういうことが起こっているのだろうなということなのですね。
○岸本委員 おっしゃるとおりです。
○村田座長 だから、一応こういう条件を課しておいて、それで変な写真が出てきたらチェックすればいいので。
○畔柳参考人 再提出命令を出しますか。
○村田座長 それをもう1回、測ってみてくださいとか、何かそういう差戻しみたいなことをすればいいのではないですかね。ある程度写真が。
○畔柳参考人 こういうのが普通のレントゲン写真の一部にヒュッと付いているから、そういうことは。
○岸本委員 それは難しいでしょうね。
○木村委員 濃度計で測るのが難しくなってしまう。
○村田座長 順番にこう測っていかないといけないのです。
○木村委員 本当はそれができれば、いちばん何か。局のほうからこれはもう合っていないですよと言えればいいわけですよね。いまの先生のあれだと、局のほうで何かちょっとおかしいように思うので、こういうようにちゃんとやっていますかということだけですよね。
○村田座長 そうです。差戻しですね。
○木村委員 それがちょっといまいち。
○村田座長 駄目と言えないところが。
○木村委員 駄目、これはちゃんとやってくださいと言えないところがちょっと。
○畔柳参考人 エビデンスがないということ。
○西田参考人 いちばんいいのは直接出して。もう1回直接、ビューワーからではなくてモダリティから直接。つながっていればいいのですけれども。
○木村委員 それを各審査会から言わなければならないということですね。
○西田参考人 ……が飛ばせなかったりするので、ちょっと難しい。これがいちばん、こうなる原因。
○岸本委員 そうですね。ビューワーからではなくてモダリティから出してくださいということを強調しておけばよいと思います。
○西田参考人 ただ、バスで健診とかをやっていると出せないのです。
○木村委員 いまいちばん多いのはバス健診です。
○西田参考人 ですから、本当に出されているフィルムの階調がリニアになっているのかどうかというのは、本来そこの技師さんが管理すべきものなのです。ビューワーが絡んでモニターが絡んだのでは、ちょっとそこが。ビューワーでご覧になっている技師さんですと、普段イメージャーは出されないので、あまり気にされていなくて、イメージャーをヒュッと出して、これでいいやと出されると。
○木村委員 それで実際はそんな大した問題でないことも多いのですね。
○西田参考人 極端に白かったり黒かったりしなければこんなものかなという。
○村田座長 そうですね。本当に白黒極端でなければ診断できるので、いちば
ん大きな目的はちゃんと診断できる写真にしてくださいというだけの話ですの
で、やはり何かおかしいなと思うとき差し戻すということで、とりあえずはど
うでしょうね。
○木村委員 突然この間みたいな写真が出たときですよね。
○村田座長 どこを見たらおかしいなと言えるかという話で、間違いなくおかしいのだけれども、何がおかしいのだろうという話ですよね。
○木村委員 ちょっとおかしいというのは困る。
○坂井委員 線を引くときに、差戻しするのと許容範囲という違いが。
○村田座長 どこを見て。
○坂井委員 県単位でちょっとやはり。
○村田座長 ぶれるかもしれない。
○坂井委員 主観が入りますので、主観が県で違ったら、ちょっとクレームが出るかもしれませんね。
○五藤委員 明らかにというのならいいけれどもね。
○木村委員 実際、中央でもこれは判断して上がってきて、どうしてこれがならなかったものとかあるわけです。
○村田座長 施設からそのデータを出してもらう。
○木村委員 これで判断しては本当はいけない。
○村田座長 これを取ったデータの。でも事例ごとに出てくるものだから。
○芦澤委員 各労働局に、実際に技師さんがいるのですか。
○岸本委員 いませんから、濃度が測れません。
○村田座長 そうすると、それはなかなか難しいですね。
○西田参考人 今回のお話は、標準写真をお配りになったときに、フィルムで見たいときに、ちゃんと見えているかどうかをこれで確認しなさいということになるのですか。
○村田座長 そうですね。
○西田参考人 提出はあくまでいままでのとおりなので、これからお配りになろうとしているデジタルの標準写真をモニターで見るときは、先ほどのグレースケールに載っていればいいと思うのですが、フィルムでも見たいというときには、崩れていないかをこれで確認してください。あと、やるとするとデジタルのフィルムがおかしいなというときには、こういうものが出せるのだったら、これももう1回出して。
○畔柳参考人 追加して提出してもらう。
○西田参考人 測らなければいけないところは、それは誰が測るのという話はありますけれども、濃度計でパッパッパッと14ポイントぐらい測って。
○村田座長 何か見た目でも大体わかりますよ。微妙なところはあれかもしれないですけれどもね、やってみないと。
○畔柳参考人 その場合の基準値をどうするかですね。これが出てきたときに、提出されたフィルム。
○村田座長 フィルムを出してもらって、これを電子読取りでこっち側を測れば大体。
○畔柳参考人 なのですが、このリニアからどれだけ垂れているからという合格ライン。
○岸本委員 それはそうですね、合格の所は。
○村田座長 どうですか。
○主任中央じん肺診査医 そこを局としては、そういう道具を持ち得ないので、地方局は。
○村田座長 畔柳さん、どうですか、この考え方で。
○畔柳参考人 まず最初にプリンターを普段から管理する。プリンター単体をちゃんと管理するというのがまず1つありまして、そのときにはグレースケールに対して±0.1とかというのを管理幅として持っているのです、プリンターの。その状態でこれを出力して、いまおっしゃったようにそれを±0.1。
○村田座長 何パーセントと。
○畔柳参考人 通常は±0.1とか、肺野のどこかだと±0.05というのが必要かもしれませんが、それは。
○村田座長 よくやられている基準があるのだったら、その0.1という基準にして。
○畔柳参考人 それがずっと逆転していないというか、ずっと。
○村田座長 リニアになっているという。
○畔柳参考人 というところを確認するということはできます。
○村田座長 それは局ではできないですよね。
○主任中央じん肺診査医 はい、地方局では。
○木村委員 あくまでも撮影するほうのあれですね。……くださいと。
○畔柳参考人 ただ、この問題はじん肺にかかわらず、もうすべてのところで必要な。
○村田座長 これは大きな問題ですよね。
○畔柳参考人 品質管理というところで、モニターもそうですけれども、プリンターも日々品質管理をすると、必要なことですので。
○木村委員 やはりおかしければ、これでやっているかをもう1回確認して出させるとか。
○村田座長 こういうやり方でチェックしてくださいということを。もし何だったら、そのデータをもう1回、再提出命令みたいな格好で出していただくと
いう形になるのですかね。
○畔柳参考人 これですね。
○村田座長 こういうデータ。測定して出してもらうという。
○畔柳参考人 基本的に一度すれば、端末が変わることがない限りは、ずっとその数値は変わることはないので。
○主任中央じん肺診査医 一連のデータ、デジタルデータとしては一緒ですから、同じものが出てくるはずですので。
○畔柳参考人 新たにビューワーを何か買ったとか何かというときには、またもう一度確認をすると、環境が変わったら確認をする。
○村田座長 そうしたら、一応このやり方でよろしいですか。このやり方を適切に※の所にどのように入れておいたらいいですか。
○西田参考人 これを一度施設の、フィルム出力する環境に一度落として、フィルム出力をして。
○村田座長 それをちょっとあそこへ入れておいたほうが。ではお座りください。6頁の※の所ですね。「随時確認する」、その「確認する」のをもうちょっと西田さんと畔柳さんで一般的な記載にして、ここに加えていただいて、こういう形で確認していただく。そうしないと、どうやって確認するかあまりにも曖昧なので、こっちとして要求する、こういう1つの例示がありますよというのを出しておいたほうが、いいのではないかと思いますが、どうですか。
○畔柳参考人 ひとつの濃度を測るという何か具体的な。
○村田座長 そうです、そのぐらいの、たぶん。
○中央じん肺診査医 いまのですと、ある環境でフィルムに出すときに、機器とかソフトウエアの組合せで、初めてやるときには必ずやりなさいと。
○村田座長 そうですね。
○中央じん肺診査医 それがちゃんと正しければ、そのセッティングでやる分にはいいですよと。ただ、機器が変わるときにはチューニングをしてくださいと。
○村田座長 再度、チェックしてくださいということですね。だけど毎日、毎日やれというわけでなく、1回やっておけば、この点に関してはある程度長い期間大丈夫だということですね。
○中央じん肺診査医 はい。
○坂井委員 もう1つ別な問題があって、データの圧縮を行っているのです。
CRは100μmが標準ですが、多くの施設が大体200μmで圧縮しています。要するに何も圧縮の程度を変えていませんから、300でも400でもいいわけですよね。表示側はメガとか書いているのですが、元のデータの圧縮に対して可逆圧縮であることとか、もしくは最低限の解像度の200μm以下、要するにメーカーによっては200μmとか170μmで、撮影するときにはそれ以上の解像度は出せないものもあるのですが、どう考えても自分の所のモニターに合わせて、間引いて圧縮して保存している所も結構あるのです。だからそれが。
○村田座長 それは撮影したときでなく、一旦データ保存して、もう1回サーバーに入れて、また戻って来てプリントアウトとかデータを見るときの問題ですよね。
○坂井委員 そうです、そうです。
○村田座長 これはでも撮影したときに、その形で保存しておいてもらう。でもそのときに要りますね。
○坂井委員 要ります。データの解像度とかの可逆であっても、元の。
○主任中央じん肺診査医 非可逆的に。
○坂井委員 非可逆的なのですが、保存するときに非可逆的圧縮をしつつ、元のデータよりも間引いて置くというのが、いまのやり方なのです。
○村田座長 そうしないとデータ量の問題で、多いからということですね。
○坂井委員 そうです、そうです。診断のデータが大体200μmぐらいでどこも落としているのが普通なので、4分の1に大体落とすのです。
○村田座長 だから、この研究でもデータがそういう形で全部保存されていたので、使えなかったのです。また元のデータを残さないということもあって、そうなのです。このデータ圧縮のあたりはどうですか。
○坂井委員 それは今回、規定されていないですよね。
○村田座長 入っていません。
○坂井委員 各施設が勝手にやってしまう可能性があります。
○西田参考人 それは現状の問題点ということですね。
○坂井委員 サーバーに入れたデータが、処理した画像は今回の答申に従った処理でちゃんとやっています。ただ、元の解像度が実は300μmとか400μmにしてしまっていますという話のときには、実際上、フィルムを出してもわからないです。
○芦澤委員 可逆圧縮だけれども、元に戻したときは見かけ上の元の。
○坂井委員 間引いた後の可逆圧縮であるということもある。
○芦澤委員 途中、かなり抜けているわけですね、実際ね。
○村田座長 いきなりデータを溜めるときに、圧縮してしまうというわけですね。
○坂井委員 病院ではよくやります。大体、100のデータを200に圧縮して保管しているのがほとんどだと思います。
○中央じん肺診査医 そうすると、先ほどの機器の要件のキャプチャーとビューワーという項目を設定していますけれど、そこにデータ保存に関することも入れたほうがいい。
○坂井委員 元のデータの担保がされていないので、表示側のことばかり言っても、今回、表示される前のデータのレギュレーションが何もやられていないですね。
○村田座長 これは一般的に、じん肺の写真だけザーッと臨床で流れているときに、データ保存のやり方を全部は変えなければならないわけですよね。
○坂井委員 じん肺の患者さんのデータは、クオリティを元々のデータとして保つような保存方法を言っておかないと、データとして来ましたと、今まで言ったことは全部準拠していますということがあるけど、実は見たらものすごく粗い絵だったということがある可能性は出てきます。
○村田座長 また、これも望ましいでいくしかないかなという形ですかね。
○坂井委員 望ましいでいくしかないと思います。
○村田座長 データ保存は。
○坂井委員 要するに200μm以上の解像度で保存されていることが望ましい。
「望ましい」はちょっと、200μmだったら「義務」ぐらいにしたほうがいいと思います。
○村田座長 200μmより粗くなってしまったら本当に。
○畔柳参考人 0.2mmですか。
○坂井委員 0.2mmです。
○村田座長 これは機器側のご意見、現状で大きな手間暇というか、システムを少し変えなければいけない。
○畔柳参考人 そうですね。いま坂井先生が言われましたように、100μmと200μmではデータが4倍違うと。ですからサーバーの設計上、仕方がないというところで圧縮されていると思います。ただ、今回、オリジナルはそのままですけど、サーバーからの再出しになると見かけは同じでもデータは4分の1だということ。
○村田座長 少ないのですよね。
○畔柳参考人 ですから、望ましいのは、じん肺のメニューに関してはオリジナルで保存すると。
○坂井委員 そうです。その時点だとオリジナルと同じ解像度のほうが望ましいでしょうね。
○畔柳参考人 ただ、弊社の装置になるとお客様で変えられない部分もあって、サービスメンテナンスが入って訪問という場合が出てきますので、一斉にある期間でそれを。
○村田座長 一気にサーバーに入ってしまう。
○畔柳参考人 はい。ですから、あるメニューだけするという設定が、一部、サービスが入らないとできないところがありますので、新規にという所はできるのですが、そういう通達があれば、これから全部そうしていくことは可能です。
○村田座長 オリジナルデータを溜めるとかいうのは、まだサーバーにどんどん溜まって、要するに4倍早く溜まっていくわけですよね。
○畔柳参考人 じん肺のメニューだけ4倍になる。ですから、その数がどれぐらいになっているかによるのです。
○村田座長 でも健診という格好でやるときには、それだけというわけにはなかなかいかないですよね。
○岸本委員 そうです、はい。
○村田座長 これは各施設でのサーバー容量とかも、たちまちものすごく大きく問題が関わってきますね。すぐいっぱいになってきてしまう。
○坂井委員 どこかで線を引かないと、解像度に関しての規定がないのに。
○村田座長 ほかの所が決めているのにね。
○坂井委員 3メガ表示するのに、大体、40cmで200μmだと2,000なのです。
だから、ほぼ等身大で出してモニターに出すと、あまり間引かないで保管なしの画像が出るということで、大体3メガも推奨されている根拠があるのです。
○村田座長 なるほど、なるほど。そうすると3メガに対応するというのは200μm。
○坂井委員 200μmぐらいが。
○畔柳参考人 画素のピッチが200μmぐらいですから、ちょうど。
○坂井委員 というところになると落ち着くと思います。
○村田座長 多くのオリジナルデータも200から、ちょっと200より少な目のところで取っているのも結構多いです。そうではないですか。
○坂井委員 そうです。グレースケールも同じです。DRは4,000階調で、CRは今でもFCRに関してですが、1,000階調なのです。階調もモニターだと256階調しか出せないので、階調も間引いているところが結構あるのです。
○村田座長 そうですね。端から間引き出す。
○坂井委員 ところがヘイブにするともうちょっと階調が出ますので、モニターの階調とフィルムの階調はレンジが何倍という差が出るのです。そこら辺は解像度と階調に関してのデータの保管の規制も少し入れていたほうが、いいと思います。モニターで見たら滑らかなんだけど、フィルムで斜めから見ると縦隔のときにモアレが見えたとか、どうしても起こるのです。真っ白なところで少し階調があるときには段々が見えたりします。それは斜めから見たりするとよくわかりますので、フィルムではあり得ないのに、うちのデータは何でこんなに見えるんだということが起こると思います。
○村田座長 なるほど。
○芦澤委員 圧縮の問題ですけども、以前のいろいろな肺の結節の読影実験などでは、たしか8分の1圧縮ぐらいまで、あまり読影は変わらないですよね。
○村田座長 そうです、そうです。
○芦澤委員 だから、その辺のところを考慮すると、坂井先生が、200ぐらいだったら言われて、そこは妥協点というか、そのくらいまでは大丈夫ではないかという感じはしますけれども。
○村田座長 たぶん、じん肺を診断するのにそんなに差が出るあれではないです。
○芦澤委員 先ほど坂井先生が、200くらいのところが望ましいと。
○坂井委員 200μmくらいまでではないかなと。
○畔柳参考人 3メガ、200μm。
○坂井委員 3メガの表示をするのに、元のデータが200μmぐらいの解像度ということだったら、ほとんど問題ないと思います。
○村田座長 200μmの解像度で保存というか、200μmの。
○畔柳参考人 圧縮ですね。
○坂井委員 知っている限り、オリジナルの装置が200μmよりも大きい解像度のものは、いまのところない。
○村田座長 ないですね。
○坂井委員 ピクセルの解像度が200μm以下、もしくは未満とかいう言葉で少しやっていったほうがいい。あと階調に関して適切な階調は、フィルムにするのだったら1,000はあったほうがいいかなと思います。
○村田座長 そうですね。
○坂井委員 間引いてしまうと216にしている所もありますので、そうしてしまうとフィルムに出したら、先ほど言いましたようにフィルムの階調の濃度分解能のほうが上ですから、線が見えたりします。
○村田座長 ピクセルサイズを200μm未満としておけば、変に保存してしまったら、もう1回出したときに、これを満たさなくなるということですね。
○坂井委員 そう思います。
○村田座長 これ技術的なところで、この文言を入れて。
○坂井委員 具体的な数字は、すぐには難しいですね。
○村田座長 これ、ちょっと検討していただかないといけないと思います。
○坂井委員 何かしら規定する必要はあると思います。
○村田座長 そうですね。データ保存とかデータの分解能の問題があり、そこで手を抜いてしまったら、いかに3メガで見てもあまり意味のないことですよね。これは西田さんと畔柳さんのほうで、こっちの希望としてはそうなんだけれども、各システムでの中の負荷も考慮しなければいけない。実際に運用していただくのに、どれがいちばん適切なのか妥協点を探っていただくということで、いいですか。
○両参考人 はい。
○中央じん肺診査医 それでは、報告書では先ほどの機器要件のところに。
○村田座長 機器要件のところに入る。もう1項目要る。
○中央じん肺診査医 データ保存の項目を立てて、そこに先ほどのデータの圧縮の、これ以上、これ以下みたいな基準を立てると。おそらく200前後であろうというところで具体的な調整をして、そこはメーカーの方と坂井先生と、最終的に村田座長で。
○村田座長 最終的に詰めて入れ込むという形になりますね。
○中央じん肺診査医 ただ、データ保存の項目を立てて、追加するというところまではよろしいですか。
○村田座長 そうですね。データ保存に関しては追加して入れることで、よろしいですかね。
(了承)
○中央じん肺診査医 細かい数字の調整は、最終的にここでさせていただけますか。
○村田座長 ではそのようにさせていただきます。あと報告書(案)をこれからまとめていかなければならないのですが、とりあえず大まかな枠組みというか、ちょっとご説明いただけますか。
○中央じん肺診査医 これは最終的に冊子になるものなので、目次のところにまだ頁が入っていません。この資料での頁割りは第1が9頁、第2が10~11頁、第3が12~17頁、第4が18~20頁前半まで、第5が20頁後半です。それぞれのところでまた申し上げます。
まず第1と第2のところですが、「はじめに」とあります。これは文言だけのことですので読んでいただければと思います。第2の本検討会での検討事項の概略のところです。現行のフィルム内容を提示した後に、先ほどの資料1、2で説明した内容で、厚生労働科学研究の28例の候補をまず検討したということと、さらに追加の症例を加えたことと、いま議論していただいているデジタル撮影の撮影表示等の条件について、検討したことを述べています。11頁のところで従来の標準フィルムの一覧を載せています。とりあえず、ここまでよろしくお願いします。
○村田座長 ここまでのところで何かご質問はありますか。よろしいですね。
○中央じん肺診査医 では第3のところです。資料でいくと12頁、第3 デジタル撮影による標準エックス線画像について、ここは第1回、第2回で検討していただいた個別の写真やその構成に関することです。「1.標準画像の必要要件」は第1回でご議論いただき、標準写真として、こういう条件が必要ですねということの確認事項です。当初案で(1)~(3)としていたところに、(4)が加わったという経緯のところです。「2.厚生労働科学研究からの候補画像の個別検討」は、先ほどの資料1、2で説明した内容をほぼそのまま、やや詳しく書いたものです。
○村田座長 ここに入っているのですね。
○中央じん肺診査医 はい。個々の内容です。ただ、文章として詳しく書いているところです。13頁も第1回の資料に載せたのですが、村田先生の厚生労働科学研究で、こういう経緯で28例が残りましたということを示しています。14頁の表2は先ほどの資料2と同じ内容です。
15頁の「3.全体の構成の検討」も先ほどの資料1でご説明した内容で、現行のフィルムがじん肺の種類ですが、今回は陰影の種類とするほうが妥当であろうということの説明を書いています。(2)の画像所見についても先ほどの資料1とほぼ一緒なのですが、あまり議論が出ていないところで?Bをご覧ください。実は組合せ写真というのがあって、それに関するコメントが第1回か2回で少し出たのですが、ほとんど議論らしい議論はなされていないです。暫定的に?Bのような形で組合せ写真の話を付け加えています。?C、?D、?Eは先ほどの資料と同じで、?Fのところが、最初のほうで村田先生が言われたコメントに近いのですが、同じ型でも複数あれば極力収録する。先ほど粒状影の2型を補強したいという話があり、そういう話にもつながってくるかと思いますが、?Fの話が加わっています。今までの議論であまりないのが組合せ写真の?Bのところです。
(3)も先ほどご説明した内容で、新たな症例の収集の必要性が高いものをピックアップしていますし、それ以外でもあれば、それは望ましいですねということにしています。
17頁の4.が厚生労働科学研究の28例以外からの候補の話で、これも先ほどご説明したとおりです。ただし、今日、村田先生がもう2例か3例追加されるということでしたので、ここの下に本日検討したものが2つほど加わることになるかと思います。ここまでです。
○村田座長 何かここまでの内容につきまして、ご意見とかございますでしょうか。先ほどの組合せ写真の話ですが、読影実験しているときでも、判定していただくときに組合せ写真というのは便利と言うか、1枚で0、1、2、3というのが出ているので、大まかな基準を見るのに非常に便利な写真なので、是非あれは作るべきだろうと思います。よろしいですよね。
○中央じん肺診査医 では、同じような従来の標準フィルムの粒状影で0、1、2、3と。
○村田座長 同じ形で粒状影と不整形陰影と、2つについて組合せ写真を作る方向でお願いします。よろしいですか。
○五藤委員 この間、第2回目のときに議論になったのですが、その他の陰影というところです。その他の陰影というのは従来の標準フィルムでもその他となって。
○中央じん肺診査医 その他のじん肺と。
○五藤委員 そうそう。今回もその他があって、この「その他」のところで少し説明を、例えばこの間議論があったのは線維化の淡いものでしたか、そういうようなことちょっと入れていただくと、わかりやすくなるのではないか。
○村田座長 普通の粒状影と違うという意味で淡い粒状影とか、何かそういうことにしておいて、それはどういうもので、例えば。
○五藤委員 そうそう、具体的にはこういうものだと。
○村田座長 鉄肺とか何か。
○岸本委員 説明を加えたらいいのではないですか。例えば私のところで言うい草性のじん肺は珪素の含有量が少ない粘土なので、こういう粉じんを吸うと、このような陰影になると。その原因は従来のけい肺に比べて線維化が非常に弱いというような説明を加える。
○五藤委員 このものを、その他の陰影としたとか。
○岸本委員 そうですね。
○村田座長 それは、その他の陰影ということにしておきますか。
○五藤委員 ええ。その他の説明のときに、同じ粒状影なものですからね。
○岸本委員 そうですね。
○五藤委員 だからその他としたというのは、何かひとつ説明を加えたほうがわかりやすいかなという気がします。
○村田座長 解説は付いていますよね。
○岸本委員 解説を付けておいたほうがいいと思います。
○中央じん肺診査医 そこのところで、その他というのはこういうものだと。
○村田座長 こういうもので見られてという説明を加えると。
○中央じん肺診査医 あと、いまのご趣旨としては、ほかの粒状影と敢えて区別しているということの理由ですね。
○五藤委員 そうです。
○村田座長 たぶん分布とかが上肺優位というだけでなく、淡くてかなり広範囲に全体に出ると、溶接工肺とか、ああいう類いはちょっと違った分布をしますね。だからそれは、そういうちょっと違った画像を示すけれども、グレードとしてこのぐらいは2と判定してくださいと、1はないですけれども1があれば1とか、そういうことになりますね。
○中央じん肺診査医 そうすると、15頁の(1)か(2)のどこかに、なお、その他として例えばこういうものを区別して入れたというのを、一言、入れたほうがいいですね。
○村田座長 入れたほうがいいですね。
○五藤委員 そうしていただけると、わかりやすくなると思います。
○中央じん肺診査医 その他というのは、こういうものですと。
○村田座長 ほかに何かございますか。よろしいですか。そしたら先ほどの技術的な点が次のところです。ご説明をお願いします。
○中央じん肺診査医 資料でいくと18~20頁の途中までが、いまご議論いただいた内容です。基本的には先ほどの資料3、4の内容と一緒ですが、いまご議論いただいたことでいくと、19頁の頭のところに項目を1つ立て、データ保存の圧縮もしくは解像度に関する条件を書き加える。これはたぶん括弧を4つにするというイメージですかね。
○村田座長 そのほうがいいですね。立てたほうがいい。
○中央じん肺診査医 そうすると、キャプチャー、ビューワーが(1)で、データ保存を(2)にして、モニターを(3)、イメージャーを(4)という並びで。
○村田座長 それでよろしいですかね。
○中央じん肺診査医 あとは19頁のいちばん下で、デジタル版のフィルムは原則として行政機関に限定し、一般向けはCDとする。20頁で(2)の?@の2つ目の段落が先ほどご議論いただいたところで、こういう方法があるというような例示を。
○村田座長 そうですね、それを是非入れておいていただいたほうが。
○中央じん肺診査医 例えば具体的な例として入れて。
○村田座長 それが1つ示されれば、それに準じる方法も、もちろん認めることになりますので。
○中央じん肺診査医 では例示という形で入れさせていただきます。いま聞き取った内容はメモはしているのですが、実際の文章にしたときにテクニカルタームがちゃんと使われているかどうかなどは、またご確認いただければと思います。それ以外のところは従来の標準フィルムを使ってくださいということと、行政機関では当面はフィルム版でいきますと。ただ、先ほど岸本先生からご指摘がありましたように、労災補償のほうでそういう話があるということですので、そういうところの情報は参考として確認させていただきます。こういうことになります。
○村田座長 ありがとうございます。
○芦澤委員 20頁の(2)の?@ですが、2行目の「モニター診断又はフィルムで」というのは、結局、デジタル画像をモニターで読影している施設もしくはフィルム出しにしている施設、どちらにも対応できるということですね。
○村田座長 そうですね。要件を備えている施設ではモニター診断をしてもいいということですね。
○芦澤委員 19頁でイメージャーがあるということは、デジタルで撮像しているけれども、フィルムで出している所もあるわけですね。放射線学会のデータで3分の1の施設がデジタルで撮影しているけれども、まだフィルムで出している所が多いのです。この(2)の?@の「モニター診断又はフィルムで」というのは、それに関することですね。
○村田座長 そうですね。
○芦澤委員 そう理解してよろしいですか。
○村田座長 もちろん満たしている施設でも、フィルムで出している所はそれでもいいと、両方認めるということですね。
○芦澤委員 わかりました。
○中央じん肺診査医 どちらでもと。
○芦澤委員 ?Aの「?@に該当しない」というのは、あくまでもアナログで今でも撮像している所という意味だと思いますが。
○中央じん肺診査医 もしくは、機器自体はCR・DRですけれど。
○村田座長 さっきのP-Valueとか、ああいうシステム、DICOM Part 14を合わせてほしいのですが、合っていないところはということですよね。
○中央じん肺診査医 そうです。それは従来使われている、CR・DRで、この機器で、このパラメータでしたら可、比較対象は従来の標準フィルムですという条件のことです。
○芦澤委員 かなり問題発言になるかと思いますが、標準フィルムというのはかなり古い症例で、画質が今のあの画質ですから、比較的古いCR・DRでも、どちらかというとフィルム出しにするなら、今回のもののフィルム出しと比較したほうがいいというのが、私の率直な意見です。
○中央じん肺診査医 それは、例えば先ほどの見え方といった点で大丈夫でしょうか。
○芦澤委員 0/1、1/0の標準写真としても正直なところ、それを含めてなのですけれども。
○村田座長 デジタル写真に関しては、確かにデジタル版で比較し、フィルム出しのほうに活かしてもいいような気がします。そのほうがいいですよね。アナログの写真はアナログのものを使っていただくことにして、デジタルに関しては、デジタルをプリントアウトした標準写真と比較して判定してもらっても構わない。
○中央じん肺診査医 従来の撮影条件限定のアナログと、デジタル版をフィルム出力したもの、どちらでもよいと。
○村田座長 そうですね。両方でいいですよね。徐々に移行していくことを想定しているのですが、いろいろな問題もあるのでしばらくは併用という形で、自然と置き変わっていくのを待つという形です。
○坂井委員 いまの話に準じてですが、多くの施設はお金がないのでシングルモニターで診断している所が多くて、比較するときに、見ながら比較することを義務づけるのか、スイッチして見てもいいのかというのは、かなり違うと思います。我々はちゃんとツインモニターで見ながら比較しましたよね。
○村田座長 そうしてほしいのですが、倍になりますよね。モニターが高い。
○坂井委員 倍になります。まさしく3メガを2個買えという話になってしまいます。
○村田座長 本当にお金がかかりますよね。
○坂井委員 でも今まではシャウカステンには必ずかけて、隣に置いて比較していましたよね。目でスイッチして見るというのは相当辛いですよね。それは先生、入れなくていいのですか。いまの話だと、そこまでレギュレーションをかけるのかなと。シングルモニターで標準フィルムと、実際の患者さんのフィルムをスイッチして見るということですが、それとも、もう覚えておけということですか。
○村田座長 二面モニターが望ましい。
○坂井委員 望ましいのではないかと。
○村田座長 私たちはそう思いますが、別のファクターでお金の問題です。
○坂井委員 お金の問題です。
○村田座長 単純に良い悪いの問題でなく、お金の問題なのです。
○坂井委員 かなり高額になると思います。3メガを二面で持っている所は結構少ないと思います。
○村田座長 かといって、二画像出しにするわけにいかない。
○坂井委員 二画像出しにしたら意味がなくなってしまいます。
○村田座長 小さくなってしまいますものね。
○坂井委員 小さくなってしまうから。だからスイッチして見ないといけない。
○芦澤委員 ?@の2行目の「フィルム」と書いてあるところも、私はそういう意味で書かれていると思ったのです。「モニター診断又はフィルムで」と書かれていたのは。
○坂井委員 片肺野ずつ。
○芦澤委員 右肺野と左肺野と別々に、それは有りですね。
○坂井委員 右右、左左と。
○芦澤委員 比較すれば、コンポーネントで分けて、それは有りです。
○木村委員 でもじん肺は結構左右差ありますので。
○坂井委員 そうなのです。
○中央じん肺診査医 右右と、左左を両方やると。
○村田座長 どうしましょう。
○坂井委員 わかりませんけど、見方で変わる可能性はかなりあります。難し
いですよね。見比べたらいい。
○芦澤委員 しつこいようですけど、20頁の?@の2行目の「モニター診断又はフィルムで」と書かれていた、この「フィルム」という意味はワンモニターでモニター診断だけど、標準画像というか、それをフィルムで出すという意味で書かれていると実は最初思ったのです。その意味ではないのですね。
○村田座長 モニターとフィルムを比べるというのは、環境から考えてもちょっと無理。
○芦澤委員 ですから、その意味で初めに質問したのですが、そうではなかったと。
○中央じん肺診査医 モニターは、モニターの中で標準写真と患者の写真を。フィルムならフィルム出力したもの同士でという意味です。
○村田座長 一面でやるときには片肺ずつやるんですかね。
○坂井委員 その辺が、シングルしかないけれど、どうしたらいいのかとなったときに。
○村田座長 それは交互に出していただいて見ていただくか、それこそ片肺ずつ見るか、そうやっていただくしかないですね。文言には入れるのはどうしましょうか。
○岸本委員 入れるのは大変です。
○村田座長 大変ですね。二面が望ましいというのを入れるのもちょっと、触れないようにしましょうか。
○中央じん肺診査医 そうするとディスプレイの要件のところに、書くのだったら二面が望ましいと。
○村田座長 望ましいで許されるか。
○中央じん肺診査医 書くのなら、そうですね。
○村田座長 一応、それでいきましょう。二面が望ましいというのを加えておいていただく。
○五藤委員 二面によって比較すると。
○村田座長 二面モニターによる比較読影が望ましい。
○中央じん肺診査医 あと先ほどの芦澤先生のコメントでしたら、片方モニター、片方フィルムということではなくて。
○村田座長 それは避けたほうがいいと思います。
○芦澤委員 考慮して書かれたのかと思ったので、すみません。
○中央じん肺診査医 誤解を招かないような表現とします。
○村田座長 ほかに何かございますか。
○木村委員 また元に戻るような形になるのですが、先ほどの「その他」です。今回もその他というのを新たに設けるのかどうか、いま岸本先生がおっしゃったのですが、今回は今までのけい肺、その他のじん肺という欄を設けました。今回は先生のお考えに私は賛成ですが、粒状と不整形と大陰影に分けるということであれば、今回のい草も一応粒状影も入るので、しかも昔みたいな典型的なけい肺は、粒状影の中にあまり含まれていませんよね。ほとんどがミックスダストファイブローシスみたいなものですよね。そういうことからいったら、むしろ粒状影の中に含まれるのであれば粒状影に入れて、解説したほうがいいのではないでしょうか。昔のきれいなディスクリットのようなものはほとんど含まれていないですから、もしそういうことで典型的なけい肺はここに入れないということであれば、ほとんどがそちらのほうに入るのが多くなるぐらいですから、むしろ粒状影の中にもこういうのがありますよと解説するほうが、全体としても。
○村田座長 特殊な粒状影というか、ちょっと違った粒状影。
○木村委員 職種が特殊。
○村田座長 非典型と。
○木村委員 仕事が特殊で、あまりみんなが接することがないという意味では、その他なのですが、粒状影とか不整形で分けるのであれば、むしろそのほうがすっきりしている。
○村田座長 粒状影のグループには入りますと。
○木村委員 こういうふうなのがありますよと言うか、そのほか特殊な職種というか、じん肺として載せるのか、「その他」の意味です。画像としては何もその他である必要はない。
○村田座長 だから粒状影の中のところ、あるいは1型、2型、3型で括る、例えば2型のところに並べていく。その次に特殊な粒状影というか。
○木村委員 そういうふうに入れるか。
○村田座長 非典型粒状影という形にしておくと、いいということですよね。
○木村委員 入れるか、それとも2型の中でもそのまま、ただ解説の中に加えるか。こういうものもありますよと。
○村田座長 そのあたりは、いかがですか。
○五藤委員 私は木村先生のご意見に賛成です。その他と書いていると、粒状影でないということになってしまう。
○村田座長 この陰影パターンで言っていますからね。粒状影、不整形陰影ときて、その他とくると、それ以外のものというような扱いになります。
○岸本委員 難しいところです。従来の標準フイルムのパターンでずっと見てきていますから、2型が典型的なけい肺とい草性じん肺だと違いますから、よくわかっている方だったら理解していただけるけれど、そうでなかったら、ちょっと混乱を招く可能性もあるかなと思います。
○村田座長 いまのアナログの標準写真の中でのその他も、淡い粒状影。
○岸本委員 入っています。
○村田座長 結構、たくさんありますよ。
○岸本委員 そうです。炭素じん肺もそうです。
○村田座長 あそこに持って来られたと思っていたのですけど。
○岸本委員 質がちょっと違うからという意味です。
○村田座長 そうですよね。
○木村委員 それは昔から、けい肺としたからです。片方にけい肺を持ってきたからです。ですから当然、片方はディスクリットで淡くはない。だから炭素系もほかのも、そこに入ってきている。でも今回の粒状影の中には、ほとんどそういうけい肺はないと思うのです。今回選ばれた標準写真の中には。
○中央じん肺診査医 そうすると粒状影の中に統合してしまって、その中の解説で少し特殊なものとするか。
○木村委員 そうするか、それとも、い草というのは貴重で、職種として非常に稀なので、その他という中に希有やものを、例えばこういうふうに入れていくというのであれば理解はできますけれども。
○村田座長 淡い粒状影というのを作ったら駄目ですか。
○木村委員 むしろそういうことになると、ほとんど淡い粒状影に近いのが今回、標準写真で占められているように思いませんか。
○五藤委員 この差が難しい。
○岸本委員 実は私が思っていたのは、溶接工肺が現在申請されるじん肺では頻度的に多いので、いま木村先生のパターンでいくと、溶接工肺を集め直さなければいけないだろうと思います。3型はないにしても2型ぐらいまでは溶接工肺もあるので、あと溶接工肺の1/0と0/1をまた作るとなると大変だろうと思ったのです。
○村田座長 その他で分離していると、あそこは2型しかないのですよね。
○岸本委員 そうですね。
○村田座長 いま先生がおっしゃったように、0/1とか1/1とか、それが。
○岸本委員 そのパターンで。
○村田座長 これを分離してしまうと、そういうのをまた集めなければいけないのかなというのがあったのです。2型だけポンと置いて、それは標準になるのかなという。
○木村委員 だから「その他」の意味が、ちょっと私にはファジーなように思うので、何でわざわざその他なのか。せっかく粒状影、大陰影、不整形陰影ということで画像を主体に集めているわけですから、その他の意味が特殊な職種なのか。
○村田座長 非定型粒状影というのは駄目ですか。そうしないと上と同じこと
になる。
○五藤委員 言葉がたくさんできてしまいます。非定型とは何かとか。
○木村委員 淡い、境界鮮明なとか言っていたら、ちょっと。
○村田座長 混乱してしまうと。
○木村委員 粒状陰影が混乱。
○五藤委員 粒状影として、いろいろなパターンがあるんだという説明を加えたほうが、さっき言ったように我々はわかるけれども、あまり詳しくない先生はかえって混乱されるかなというところは、ちょっと私も心配なのです。
○村田座長 そこは将来、もうちょっと追加する必要もあるのかもしれないということで、何となく質が違うような気もするのです。上肺野に比較的はっきりした粒状影を作るタイプと、淡くて本当に不明瞭なものが広範に出くるものというのは、かなり質的な違いがあるので、これを同じ分類の中に入れておくのはまたそれもちょっとどうかなという感じもするのです。ここのところは言葉はどうかわかりませんが、一応分けておいて、たぶん解説は必要だと思うのです。
○中央じん肺診査医 例えば「粒状影(非定型的)」という書き方をする考え方が1つと。
○村田座長 その他に分けておくのと。
○中央じん肺診査医 粒状影に完全に統合してしまうのと。
○村田座長 その他にしてしまうのかということですね。
○木村委員 ただ、53年の標準写真と比べると、今回の粒状影の質は根本的にみんな症例が違っています。前のは本当にけい肺と言っておかしくない画像ばかりで、今回のは、いわゆるけい肺はほとんど入っていないと私は思うのです。それで今日、けい肺の2型のものを持って来たのですが、今まで並べているものとは全然違うので、あえてその他としてこういう淡いものをということですが、その他に何例もいろいろなパターンのがあって、その他というのを1章設けるのであれば別ですけど。
○村田座長 でも2型とか3型のところは、割とクリッとした結節がありましたよね。あれでもまだけい肺らしくないですかね。
○木村委員 もう1回、ざっと見てみないと思い出せないですけど、いわゆるけい肺で典型的というのは、ほとんど含まれていなかったかなという気がするのものですから、それは職種からいってもそういうことなのでしょうけど。
○村田座長 いかがしましょうか。
○五藤委員 議論の分かれるところですね。
○村田座長 そうですね。
○五藤委員 なかなか、これという結論は出ないところです。
○芦澤委員 実際の画像を見るときは非公開になるのですか。
○村田座長 はい。
○芦澤委員 では、あとでしか見られない。
○村田座長 そうですね。
○芦澤委員 画像を見ると、イメージが少しまた湧くかなと思ったのです。
○五藤委員 大体、はっきり違うことは違うのです。今回でもね。
○村田座長 違うのです。本当に質が違うのです。
○五藤委員 ですから、それは違っている。
○村田座長 ずっと粒状影の1、2ときたときに、そこだけずっと並べると異質なものが入ってくるという感じはするのです。同じ2型でも濃い粒状影と2型の意味が全然違いますね、分布も濃度も辺縁も。だから何らかの形で今のところは分離しておいて、たぶんそれも不完全なので、その症例が将来的にもし増えてきて、そこの分類が必要になってくるのだったら、それこそおっしゃったように1型とか0/1とか、そこを集めなければならない。
○岸本委員 そうですね。0/1が必要になる。0/1があればいちばんいいですけど。
○五藤委員 だから含みを残して、今回のところにというと。
○村田座長 そうです。ちょっと分けておいて、そこのところは不完全であるという前提で分けておく形にしたほうが。
○五藤委員 完成品ではないんだよと、新しいのを加えてもう少し、より高いものに持っていくという可能性があるわけだから。
○岸本委員 昭和53年のときは溶接工肺の頻度が低かったので、造船業界が溶接工肺の標準フィルムというのを別途作って、一部だけ加わったという経緯は確かにありました。
○五藤委員 ありましたね。
○岸本委員 ただ、それは画質がよくなかったので、あまり参考にならなかったということです。
○村田座長 そうしましたら、いろいろなご意見はあるとは思いますが、とりあえずはこのままで分離した形で、将来への含みを残すという形にさせていただきたいと思います。よろしいですね。
○中央じん肺診査医 完全統合にはしない。分けると。
○村田座長 その他という形で、違った種類のものがあって、それの何例かを示すけれど、それはでも2型なので、一応、こういう2型もあると。このぐらい淡い陰影のときでも、このぐらいの分布を一応2型としましょうと。
○中央じん肺診査医 はい。そうすると先ほどの五藤先生のご意見で、その他に関する説明という段落を設けて、その中で、不完全でまだ確定していないところがあって、さらに今後の収集が望まれるというような。
○村田座長 ちょっと書いておくという。
○中央じん肺診査医 そこを詳しめに。
○村田座長 書いておくと。症例に関してはそんなところで、ほかにどうぞ。
○西田参考人 18頁の医療機器の必要要件のところで、坂井先生からデータ保存の圧縮云々というご提案をいただきましたが、ここで必要としているのは、今回、お配りになるデジタル版標準写真はこういう運用で見てください、ということだと理解していますけれども、そうではないですか。提出するものもそうしなさいと。
○村田座長 だって、それはあくまで比較なので、それを使って比較読影するときには、どうしますかという問題ですから、判定しようとする画像をモニターで出すわけです。
○坂井委員 提出する画像に対してです。
○村田座長 提出する画像に対してです。
○坂井委員 診療側が出してくる画像の画質に関しての問題ですから、ここで規定しないと、どこで規定するかという話になってしまいます。
○村田座長 こっちのデジタル版は、それを満たしたものをやっているわけですから、それと比較するのに、これに準じたようなピクセルサイズというか、データを持っているような画像を並べて比較してくださいと。
○西田参考人 それを出してくださいと。
○村田座長 一旦、かなりデータ量を落としたような形で出してきたものを、比較しないでくださいと。だってモニターを3メガで見てくださいというのは結局同じことですよね。3メガで見て判定する症例を3メガで見てください、300cdで見てくださいということなので。
○畔柳参考人 それで先ほどの話に戻りますが、こちらのじん肺の撮影条件のところに等倍で撮影するという規定があります。そのときは弊社の場合は100μmで撮ったものがオリジナルです。今回のお話で保存を200μmとして、それを等倍にしたときにオリジナルとサーバーからの再出しの画像が、信号が4分の1になって再出しは、先生が言われたように診断は変わらないかもしれま
せん。最初撮るときは等倍で100μmですよというところは間違いなく守れるのですが、保存した画像で200μmのデータを等倍でもオーケーとなると、保管ですね。
○坂井委員 間引くときの最低限のレベルは決めなければいけない。要するにモニター診断するということで普通に運用しているところは、サーバーにいく時点で間引いているところがたくさんあります。それを今度フィルムに出して審査にかけるわけですから、そのときのクオリティが駄目だったら駄目なので、通常、フィルムで運用していないところは、サーバーに対してデータをフィルムに焼き出して出すというのが普通です。だからサーバーに入れたデータでモニターで運用する。モニターで運用しているデータを審査に出すときはフィルムに出力して出すわけです。その流れだと、データの担保がされていないと、撮影はいいですが、撮影でなくて運用するデータの分解能とグレースケールの階調の話ですから、全く違う次元です。
○畔柳参考人 そうですね。
○坂井委員 撮影は当然、100μmとか170μmとか160μmでやりますよね。
○村田座長 たくさんデータがあるのです。それを結局、モニターを見るときにかなり間引いているわけです。そこは最低限のところを決めようとしているわけです。あまりひどくならないようにということですよね。
○畔柳参考人 ということですね。少し心配事は、オリジナルでそのまま出されているところは100μで出されている。
○村田座長 それは全然問題ない。
○畔柳参考人 サーバーから出されるところは200μm、それは画像の担保ができるというところで。
○村田座長 つまり両方とも許容しようというわけです。それよりもっとひどくなるのは避けたいということです。
○畔柳参考人 そうですね。そこの線引きを200。
○坂井委員 文言で何も入っていないのがよくないという話。
○畔柳参考人 ということですね。
○芦澤委員 ひどく間引きしているところがあるのでという意味で、今後200という意味で。
○村田座長 そうそう、最低限を決めておこうと。いいほうは全然構わなくてと。
○芦澤委員 それより細かくなる分にはいいということですね。
○畔柳参考人 承知しました。
○村田座長 ほか、よろしいでしょうか。まだいろいろな議論はあると思いますが、検討会は今回で終了となります。あと文言、あるいは今日議論していただいたことをメールという手段もありますので、まとめた段階でメールでご相談しながら、最終的には座長にご一任いただけたらと思いますが、よろしいですか。
(了承)
○村田座長 そうしたら公開での議事は以上となりますので、ほかに確認しておくことがございませんでしたら、労働衛生課長のほうから一言、ご挨拶をお願いします。
○労働衛生課長 この検討会は、安全衛生部長の下に参集していただいたものですが、本日も他の公務のためにご挨拶できませんので、代わって一言、ご挨拶申し上げます。デジタル撮影によるじん肺の標準写真につきましては、10月22日の第1回検討会から本日まで、非常に短い期間に集中的にご議論いただきまして、ご参集の委員の皆様方には大変活発なご議論をいただき誠にありがとうございました。私自身も非常に勉強になりました。ありがとうございました。
昭和35年にじん肺法が制定されて以来、50年余りが経過しておりますが、じん肺の健康診断は労働者の健康管理対策における基本的な対策の1つとして、重要であることに変わりはないと認識しております。昨今のデジタル化の流れに対応するということにつきましては、この数年、非常に重要なこの分野のテーマの1つでありましたが、村田先生の厚生労働科学研究の班の成果を踏まえ、さらに今回の検討会でご議論いただきまして、方向性が見出せたものというふうに思っております。今後、検討会の報告書の結果を踏まえまして、新しい標準撮影の政策や必要な見直しにつきまして、できるだけ速やかに対応してまいりたいと考えております。この取組みを含めまして、粉じん作業に従事する労働者の健康管理対策が一層充実していきますよう、引き続き努めてまいる所存でございますので、委員の皆様には引き続き、ご支援をよろしくお願い申し上げまして、簡単でございますがお礼のご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
○中央じん肺診査医 今回の3回でこの検討会は終了の予定です。今後の予定ですが、この報告書で先ほどご議論いただいた内容を少し詰めて、まとめさせていただき、実際の標準写真の政策及び必要な通達等の改正等につなげていきたいと思っています。傍聴者の皆様、ありがとうございました。最後に少し写真が残っていますので、その検討をさせていただきます。
○村田座長 ありがとうございました。
(傍聴者退室)
<非公開部分での検討内容概要>
・厚生労働科学研究からの候補画像2例(候補番号1,2)について、新たに入手した同一患者の胸部CT写真を含めた検討を行い、第0型の候補として適当であることを確認した。また、3例(候補番号26,27,28)について再検討を行い、今回は「粒状影」と区別した「その他の陰影」として分類することとした。
・厚生労働科学研究以外からの4例(粒状影3例、大陰影1例)の個別検討を行い、うち3例(粒状影2例、大陰影1例)について、詳細な粉じん作業歴の調査と画像のデジタルデータの入手を試み、入手できた場合は厚生労働科学研究からの候補と同様に扱うこととした。
・個別検討の際、村田座長から、胸部エックス線写真のみでは医師間の判断のばらつきが大きくなる可能性が想定される症例(症例数が少ないもの等)については、同一患者の胸部CTも参考として収録すること(報告書では「3.全体の構成の検討」に追記)が提案され、他の参集者も了承した。
(了)
照会先
労働基準局安全衛生部労働衛生課
電話: | 03(5253)1111(内線5493) |