ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(年金保険料の徴収体制強化等に関する専門委員会)> 第6回社会保障審議会年金部会年金保険料の徴収体制強化等に関する専門委員会 議事録(2013年12月13日)
2013年12月13日 第6回社会保障審議会年金部会年金保険料の徴収体制強化等に関する専門委員会 議事録
年金局事業管理課
○日時
平成25年12月13日(金)14:00~15:45
○場所
厚生労働省22階 専用第14会議室
○出席者
宮武委員長 | 内田委員 |
菊池委員 | 佐々木委員 |
杤原委員 | 原委員 |
平川委員 | 堀江委員 |
宮里委員 | 望月委員 |
和田委員 |
○議題
報告書案について
○議事
○事業管理課長 定刻になりましたので、ただいまより、第6回「年金保険料の徴収体制強化等に関する専門委員会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、御多忙の折、本日は、御欠席なく、全員御出席を賜りましてありがとうございます。
議事に入らせていただく前に、資料の確認をさせていただきます。
資料1「年金保険料の徴収体制強化等に関する専門委員会報告書(案)の概要」、資料2「年金保険料の徴収体制強化等に関する専門委員会報告書(案)」、参考資料「専門委員会におけるこれまでの議論」の以上3点ございますけれども、皆様、お手元にございますか。
それでは、これからの議事運営につきましては宮武委員長にお願いいたします。
○宮武委員長 それでは、議事に入ります。
前回までの本委員会における議論、あるいは皆様の御意見等を踏まえまして、事務局と相談しながら報告書(案)を作成いたしました。本日はこの報告書(案)について御意見等いただきたいと思います。
なお、その御意見については、修正まで含めまして本日の委員会の途上で報告書をとりまとめたいと思っております。まず、事務局に報告書の概要を説明していただいて、その後、皆様から御意見をいただきたいと思います。
では、事務局のほうでお願いいたします。
○事業管理課長 それでは、資料2の報告書(案)に沿って御説明いたします。
まず、1ページ目の「はじめに」というところで、本委員会の設置の趣旨と経過について記述してございます。
それから「1.国民年金保険料の基本的考え方」というところですが、まず「1 保険料納付の意義」といたしまして、最初の段落で、社会保障・税一体改革で、年金制度につきましても最低保障機能の強化等が実現したという到達点を踏まえて、さらにセーフティネットを一層強化する観点から、未納問題に取り組むことが課題になっているということです。
それから、次の段落以降になりますが、国民年金は自主納付という考え方に立脚して発足したと言われていますけれども、この自主納付というのは任意加入ということではございませんで、現役時代に高齢者を支える責任を果たした方が老後に支えられるという社会連帯の仕組みに全員が加入しなければならないということであり、2ページ目では、「保険料の納付は、支え合いによって成り立つ社会の構成員として、誰もが守らなければならない義務であることを確認する必要がある」と結んでおります。
それから「2.滞納者への対応」でございますけれども、滞納者が多数いらっしゃるということは、まじめに納付している方の納付意欲をそぐということや連帯の仕組みを危うくすることにつながりかねない。また、もちろん滞納者御本人が不利益を受け、将来、無年金、低年金のために生活保護を受給する可能性もあるということで、滞納者を減らすための取り組みとして、2ページ目に記載のア、イ、ウ、エがあり、これらを組み合わせて取り組みを強化することが重要であるということを指摘しております。
それから「3.保険料納付のメリット」のところでは、国民年金の保険料を納めることにつきまして、これまでの御議論でいろいろ指摘いただいた項目を全部で8項目掲げてございます。2ページ目の一番下のところ、老後の保障という基本的な年金の機能に関わる部分から始まって、次の3ページ目に入りまして、そういった年金収入は老後に医療や介護を受けるときにも重要な役割があるということ、障害・遺族年金の保障があること、保険料や給付に対する税制上の優遇措置があること、上乗せの給付として、付加年金、国民年金基金、あるいは個人型確定拠出年金というものも利用できるようになるということ、給付費や事務費に対しては税金が投入されているということ、多段階の免除制度が設けられていること、さらに猶予制度もあること、それから、低年金・低所得に陥った方に対しては、年金生活者支援給付金が支給される制度が27年10月から始まるということも記述しております。
「4.分かりやすい説明の必要性」ですが、こういったメリットというものが十分に周知されていると言えないので、政府が一層のPRに努めることが重要であるということ、それから、保険料の未納が多いと年金財政が破綻するというのは誤解であるといったこと、その他、公的年金に関するいろいろ誤解もあるので、わかりやすく説明していかなければならないということを4ページ目にかけて記載しております。
それから、4ページ目の上から3行目「2 国民年金保険料の納付率向上策」、ここからが納付率向上のための具体的な施策になりますが、まず「(1)督促の促進及び強制徴収体制の強化」の最初の○では、保険料の納付は義務であるという先ほどの基本的な考え方に立ちまして、滞納者全てに督促を行うべきと考えられますけれども、現状では、督促や差押という強制徴収の手続は、納期限まで納付されなかった保険料の約0.2%にとどまっており、約75.3%が時効消滅し、財産差押件数は6,200件程度ということで、対応が必要ではないかとしています。
次の○ですが、一方で2年分滞納している方だけで見ましても約296万人いることや、強制徴収のコストが非常に高いということ、あるいは滞納者の中に所得の低い方も含まれていることを考慮しますと、およそ全ての滞納者に直ちに強制徴収を実施するということは現時点では困難が多いということで、次の○ですが、督促につきましては、費用対効果の観点から、日本年金機構における実施体制を確保しながら、まずは高所得でありながら長期間保険料を滞納している方に重点化するということで、所得などによって一定の基準を設けて、その範囲内は必ず督促を実施するという取り組みから始めて、その対象を順次拡大していくという形で、滞納者全てに対する督促を目指すことが適切ではないかとしています。
4ページ目の最後の○ですが、今後のさらなる督促の範囲の拡大については、納付のメリットについての理解を深めて、自ら進んで納付していただくようにするとともに、免除や猶予制度をきちんと適用し、あるいは、社会保障・税番号の導入状況を踏まえて、債権管理の方法やシステムをどうするか、コストをどうやって引き下げるかということを検討しながら取り組むべきということで、厚生労働省におきましてそういった督促の範囲の拡大の具体的方策等を速やかに検討するよう期待するとしています。
それから、5ページ目の「(2)徴収コストの滞納者負担(延滞金等)のあり方」ですが、延滞金につきましては、国民年金で督促の範囲を拡大することによって延滞金の賦課対象者についても拡大を図るということと、2つ目の○ですが、延滞金の率については、他制度とのバランスを考慮して引き下げを検討するということ、それから3つ目の○ですが、内閣官房の論点整理で示された督促の有無にかかわらず、その延滞金を徴収するということについては、国民年金では収入がない方も含めて、毎月少額の保険料債務が発生するという事情があることや、所得の少ない方にとっては、滞納している間に延滞金が賦課されて、ますます保険料が払いにくくなるという事情に十分配慮する必要があるので、徴収コストの負担のあり方については、「強制徴収の拡大によるコスト増等を考慮しつつ、今後も引き続き検討する必要がある」と記載しています。
それから、5ページ目の「(3)免除等における申請主義の見直しについて」ですが、国民年金の免除制度では、例えば所得などの手続の煩雑さ等の理由で免除等を申請しない方がいらっしゃるということで、こういう方について、日本年金機構のほうで、市町村から入手した所得情報に基づいて職権で免除してはどうかということも考えられますが、一方で、次の○ですけれども、申請主義の原則ですとか、所得が低くても、自らが自主的に全部、または一部納付して年金額をふやしたいという方もいらっしゃいますので、保険者側が被保険者の意思を問わずにパターナリスティックに一律に職権で保険料免除を適用するということについては慎重に考えるべきではないかとも考えられるということ。また、職権で免除を行うためには、公平性の観点から、対象者を漏れなく確実に把握するということが必要ですが、そのための情報を把握する仕組みについてもさらに検討する必要があるということで、6ページ目の最初の○ですが、まず、当面の方策としては、日本年金機構が所得情報等を活用して免除勧奨を実施していますけれども、これを工夫して、免除基準に該当する可能性が高いという方に、被保険者本人の申請意思を簡便な方法で確認できるような、職権適用と同様のメリットが期待できる仕組みを設けることが考えられるのではないかとしています。また、職権による免除につきましては、こういった仕組みによる免除勧奨の効果等々を踏まえつつ、引き続き議論するとしています。
上から2つ目の○ですが、生活困窮者支援を行う市町村と連携して免除の適用を積極的に推進すること等にも取り組むべきとしています。
それから、6ページ目の「(4)年金保険料の納付機会の拡大について」ですが、1つ目の○のところは、現在設けられている後納制度については、27年10月から受給資格期間が10年に短縮されるということで、そのまま恒久的な制度とすることは、納付意欲の低下につながるおそれがあって適切ではないということ。しかし、次の○ですが、保険料の徴収債権が2年で時効にかかってしまうということで、モラルハザードに留意しつつ、事後的な納付の機会を設けることにしてもよいのではないかとしています。6ページ目の最後の行ですけれども、ただし、本来、2年以内に納めるか免除を受けることが基本であるということ、それから、次のページになりますが、督促の拡大によって時効が中断されるので、結果的には納付可能期間も延長されるという効果があるということを考えますと、こういった特例措置は時限的な措置とすべきであるとしています。
それから、次の○の若年者納付猶予制度についてですが、平成16年改正で、20歳代の非正規雇用増大という状況を踏まえて設けられた同制度については、今日の非正規雇用の労働者が中高年を含む幅広い年代で増加していることを踏まえて対象年齢の見直しを検討するということと、学生納付特例制度との円滑な接続について、運用面での改善を図るべきであるとしております。
7ページ目の2つ目の○ですが、ただし、猶予制度につきましては、追納しない限り、将来の年金額は低くなってしまうということで、低年金・無年金者対策としては一定の限界があるということに留意して、追納しやすい環境の整備、それから免除制度の積極的な活用といった年金制度内での対応ということで、なるべく老後の年金額の確保に努めるべきだとしています。
それから、7ページ目の「(5)確実かつ効率的な収納体制の強化」ですが、年金機構の管理体制については、こちらに記載のとおり、さまざまな整備に取り組むということ。それから2つ目の○で、人材不足等の問題があることから、体制の強化、あるいは組織内での役割分担の見直し、システムの活用、それから自治体、年金委員、事業所、教育機関など地域とのつながりの強化といったことにも取り組むべきであるとしております。
それから、次の○ですが、年金事務所の職員による保険料収納範囲の拡充につきましては、そのリスクと納付者の利便性向上というメリットを比較した上で拡充の方向で検討するべきであるとしております。
それから、8ページ目、市場化テストの関係ですけれども、今年度もモデル事業を実施しておりますが、その実施結果等を踏まえて契約内容の見直し、納付特例等の際の説明上の工夫、対象者の実態に応じた特例の重点化などについて検討するべきであるとしております。
それから、次の○、口座振替の利用促進ということですが、金融機関や市町村の一層の協力を得ることが大変有効だということ、それからインターネットの活用などについても指摘しております。
それから、「(6)関係行政機関との連携強化」ということで、国税庁への強制徴収の委任の関係ですが、さらなる円滑な活用を進めるため、調査項目や要件判断基準などを具体的に示したマニュアルの策定に取り組むとともに、一層の連携強化に取り組むべきであるとしております。
それから2つ目の○、市町村との連携の関係ですけれども、年金事務所が地元市町村と積極的に意見交換を行う定期的な協議の場を設けるなど、厚生労働省及び日本年金機構側で対応が必要だということ、それから、免除勧奨等を効率的に行うための所得情報等について、税番号制度の導入とあわせて、市町村から確実に入手できるよう検討すべきということ、また、市町村への法定受託事務のあり方も将来的な検討課題とすべきだとしております。
それから、8ページ目の一番下の○ではハローワークとの関係について記載しています。
次の9ページ目の一番上の○は学校との連携についてですが、学生納付特例事務法人への手数料の引き上げですとか、学校が申請書を預かっている間の障害事故の発生の制度的対応というような学校の協力が得られやすい環境の整備を図るべきこと、社会保障や年金に詳しい先生への協力要請、大学が運営している電子掲示板などの活用についても環境整備の検討をすべきだとしております。
それから「(7)雇用形態など社会経済の変化への対応」ですが、1つ目の○は、短時間労働者への厚生年金適用の拡大ですが、被用者としての社会保障の充実の観点から重要であるが、ただし、国民年金保険料の納付率の向上のために厚生年金の適用拡大を図るのではなく、法律の検討規定や国民会議での議論に基づいてしっかりと検討を進めるべきとしております。それから、短時間労働者に対する社会保険に関する正しい知識の普及とか、加入の意義の周知にも取り組むべきだとしております。
それから、2つ目の○、臨時・パート等の従業員の保険料納付に関する事業主との連携強化についてですが、事業主の協力が得られる場合であれば、従業員が事業主を通じて、賃金から国民年金保険料を納付できる任意の仕組みを設けることも検討すべきだとしています。また、関係する団体などに対して、事業主の協力について周知していくことも検討すべきであるとしています。
次に、「(8)公的年金制度に対する理解の促進」ですが、納付率が低い要因の一つとして、その制度への不信とか不安があるということで、国民年金のメリットを周知することによって自主的に納付する人が増加すると考えられることや、強制徴収の範囲拡大も国民の理解がなければならないということで重要だとしています。10ページ目に、具体的な手法としまして、箇条書きで3つ、直接に相手に接するセミナーのようなやり方とインターネット、テレビなどのマスメディアとの効果的な組み合わせ、それから、多くの人が集まる場所での相談とか広報、学校やボランティアなどの関係者との連携協力といった手法が考えられるので、そういう際に、なるべく専門用語を使わないことなど、わかりやすさに十分配慮しながら取り組むべきとしています。
以上が国民年金の関係でございます。
それから、10ページ目の「3 厚生年金の適用促進策」ですけれども、本来適用されるべきであるにもかかわらず適用されてない事業所に対する適用促進に一層強力に取り組まなければならないということで、2つ目の○ですが、法人の休業中・廃業済等の情報を把握して、より効率的な適用事務を行うために、国税庁に対して稼働中の法人に関する情報、具体的には括弧書きで書いていますが、法人事業所名、所在地、給与支給人員など源泉徴収に関する情報の提供を依頼するべきだとしております。
また、関係省庁を通じて、各業界団体などの協力要請というような働きかけにも取り組むべきだとしております。
また、次の○では、把握した事業所への適用に当たって、社会保険労務士さんの協力を得るということについても検討するべきだとしております。
それから、10ページ目の一番下の「4 国民の利便性向上策」ですが、1つ目の○は、住民税の申告義務がない方からの免除申請につきましては、所得証明書の提出を不要とすることなどの負担軽減、手続の簡素化、迅速化を図ることによって、確実に免除を受けられるようにすべきだということ、それから、11ページ目になりますが、そういった諸手続の負担の軽減というものについては、番号制度の導入等を踏まえつつ、不断に検討していくべきとしています。
それから、11ページ目の4行目の○ですが、厚生年金と労働保険との連携に関して、今回さらに徴収事務の効率化、事業主の負担軽減という観点から、厚生年金・労働保険共通の滞納事業所に関する財産・債権等の情報を一元的に管理・共有するべきだとしております。
「おわりに」のところですが、本報告書は、限られた時間の中で、内閣官房がまとめた「論点整理」の具体化に向けて、参加した委員から提出された意見をもとにとりまとめましたが、年金保険料の納付率向上に向けて十分に議論できなかった事項やさらなる検討が必要な事項、課題も残っているので、今後、厚生労働省において、この報告を踏まえ、残された課題の検討や実現に向けた予算措置や法令面の整備などに着実に取り組み、可能なものから速やかに実施に移すことを求めたいということでまとめています。
以上でございます。
○宮武委員長 ありがとうございました。
それでは、報告書の記述内容について御意見をお伺いいたします。やや長い文章でございますので、適当に区切りながらまいりたいと思います。「はじめに」から1のところ、(1)と(2)と(3)と(4)あたりは大体御趣旨が共通しているところでありますので、ここまで、ページ数で言いますと4ページの上から2行目までのところまで、御意見あれば御自由に御発言ください。
○和田委員 3ページのところで、上から5つ目になると思いますけれども、部分免除、多段階免除のところと、障害年金、遺族年金という部分があるのですけれども、そちらのところが、「老後の年金を増やすこともできる」と結んでしまうとちょっと違うのではないかなと思うので、できれば、多段階免除の部分で1つ切って、年金額が支給され、老後の年金額の低下を防ぐことができる。万一の場合の障害・遺族年金も受給できるというふうに2つに分けてはどうかなと思います。
○宮武委員長 誤解を生まないように、そのほうが間違いなく正確であります。よろしゅうございますか。障害・遺族年金もふやすことができるという意味にとられるのもおかしいので、「保険料に応じた年金額が支給され、老後の年金を増やすこともできる」として、「障害・遺族年金受給できる」とすると。よろしゅうございますか。
もしなければ、次のほうに移ります。後で思い出しになってまた御発言いただいても全く構いませんので。それでは、次は「2 国民年金保険料の納付率向上策」でございます。ここはいろいろと論議があったところでございますので、(1)の「督促の促進及び強制徴収体制の強化」、それから(2)の「徴収コストの滞納者負担のあり方」、(3)の「免除等における申請主義の見直しについて」、このあたりまでで区切っていかがでしょうか。
○菊池委員 御説明ありがとうございました。私は、内容に関しては全体的に修正が必要だと思うところはないのですけれども、ちょっとコメントをこの部分について2点述べさせていただきたいのです。
1つは、実は今朝ネットでニュースをぱらぱら見ていたら、今日のこの専門委員会の記事が出ていて、次のように書いていたのですが、要するに、厚労省は国民年金保険料を指定された期限まで納付しない滞納者全員に対し財産差押を予告する督促状を送る方針を固めた。督促状が届くと同時に延滞金が課されることになる。ただし、督促状で指定した期限までに納付されれば財産差押は行われない。現在、督促状は一部の対象者にしか送付されていないが、厚労省は、年金機構の担当職員を増やして対応する。こういう記事なのですが、読んでびっくりしました。この報告書は国民の皆様に何らかの一定の負担をお願いすることになる部分があるので、正しく読まれる必要があると思うのですね。それは報道のされ方というものにもかなりこの報告書の評価というのはかかわってくるので、その意味でちょっと確認しておきたいのですけれども、確かに4ページの2の(1)の最初には、「滞納者全てに督促を行うべき」と書いています。
ただ、一番下の○で、「自ら進んで納付する者を増やすとともに、負担能力の無い者に対しては確実に免除・猶予を適用することとした上で」取り組むと書いています。
それから、5ページの(2)の最初の○の最後に、「延滞金の賦課対象者についても拡大を図る」と確かに書いています。
ただ、その2つ下の○では、国民年金では、収入の無い者も含めて、所得の少ない被保険者がいるので、保険料が払いにくくなるという事情に十分配慮する必要があると。そのための負担のあり方については、今後も引き続き検討する必要があると書いています。
その上で、6ページの最初の○には、本人の申請意思を簡便な方法で確認できるような、職権適用と同様のメリットが期待できる仕組みを設けることが考えられると書いています。
全体として読むと、全員に対して督促状を届けて、同時に延滞金を課すというものではないということはおわかりいただけると思うのですが、そのあたり、ちょっと確認させていただきたいということで、正しく読んでほしいと思います。これが1点。
それからもう一点ですけれども、今、最後に述べました、職権適用と同じような簡便な方法で本人の申請意思を確認する仕組みを設けていくということですが、その上に、6ページの2行目に、所得に関する情報を把握するための仕組みについて検討していくと。確かに所得情報をきちんと把握していくと、職権免除というよりは、そういった所得情報に基づいて、ある意味で法定免除を拡大していくと。こういう考え方もでき得るとは思います。
ただ、所得情報の把握が100%に近くなればなるほど、それは免除制度の適用の問題ではなくて、そもそも国民年金が定額負担という原則を採ったことそのものの意義を問い直す必要も出てくるということで、ある意味ではやむを得ず定額負担になったという部分もあるわけですので、そこは突き詰めていくと国民年金制度自体の制度論に行き着くということです。
以上2点です。
○宮武委員長 ありがとうございました。修正というよりも確認ということで、あるいは大変大事なことを2点ともおっしゃっていただきました。ここで論議いたしましたのは、私なりに整理すると、滞納者という集団はどういう方たちなのかというと、払えるのに払わない人、それから、払いにくい人、それから、払いたいと思っても払えない人、そういう人たちが混在している。その混在している状況にあわせて働きかけを強めていこうという議論をしたと思います。
払えるのに払わない人に対しては強制徴収を強化していく。特に極めて所得の高い人に対しては、全員でもいいから強制徴収をかけたらどうかという御意見。それから、払いにくい人に対しては、4分の1免除、半額免除、4分の3免除という多段階の免除制度をもっと活用してもらうように働きかけていく。もちろん、ほかにもございましょう。それから、払えない人に対しては、なるべく簡便に申請免除をしてもらう。そういう整理をしてきたのだと思います。それがわかっておられればあんな報道にはならないと思うのです。
それから、第2点目についても全く同感でございます。私は、菊池委員がお休みのときに、多段階免除というのは、裏返すと多段階保険料と言えるのではないかということを申し上げました。その点に関して、もしほかに御質問、御意見ございましたら。
○原委員 菊池先生が今、私がなんかもやもやしていることを全部すっと整理していただいたので繰り返しになるようですけれども、ちょっと一言言わせていただきたいなあと思うのは、あのときの会議を思い返してみますと、督促のお話が出たときに、督促についても大方皆さん反対の意見で、それよりもっと大事なこと、先にするべきことがあるのではないかと。それが年金教育であったような気がするのですが、そういうニュアンスがこの報告書全体の中に全く感じられないのはなぜでしょうか。
別にこれでもいいのかもしれませんが、これだと、督促する、差押する、強制徴収をする、そこのところが非常にクローズアップされているような感じがしまして、私たちはそんなことばかり話してきたのだったのかなあという気がしております。だから、どこをどう直してくれと言われたらちょっと、済みません、どこを直したらいいのかわかりませんし、そんなの直していたら全部直さなあかんということにもなるかもしれませんので、修正をお願いするものではありませんが、ちょっと一言感想として言わせていただきました。
○宮武委員長 お気持ちはよくわかります。ただ、順番は別にしまして、原さんの代表される意見は報告書に盛り込んであることだけは確かであります。もっと前のほうに出せとか、もっとたくさん書けとかいうことは何となくお気持ちとしてわかりますけれども。
どうぞ。
○内田委員 特に修文を求めるものではありません。補足的に、私の感想を述べさせていただきます。とりたてて報告書にわざわざ文章の形で記載することではないというか、そもそもの含意として、この保険料を徴収するというのは徴税権に近いものだと思うのですけれども、経済的自由を制約する徴税権とか、あるいは身体的自由を奪うこともある捜査権というものを行使するということに関しては、なるべく謙抑的であるべきであろうと思います。
例えば、ちょっと話が飛躍しますけれども、最近の病院チェーンの政治資金の事件なんかを見ていますと、政治資金規正法の構成要件をもうちょっと緩やかに解釈して、ばんばん摘発して、原則、起訴してしまえというような議論だって起きかねないような風潮だと思うのですけれども、やはりそのように捜査権の謙抑性を失ってしまうと、浄財によって成り立っている政党政治の自由社会における民主主義というものを阻害しかねない。そういうリスクが一方であると。
戻りますけれども、滞納者に対する督促をどうやっていくかというのもそこに似たところがあるのではないかと思っていまして、ここも、先ほど宮武委員長が整理なさいましたけれども、いろんな方が混在されていると。そういう実態がある中で、私は、徴税権に類似した権限の行使というのを政府は謙抑的に実施していくべきであろうと考えています。それが1つ。
それから、菊池先生がおっしゃった厚生年金との違いだと思いますけれども、国民年金が定額の保険料を採用していることの意味を問い直すというのは確かにそのとおりだろうと思います。私が言っても仕方がないのでちょっと権威を引用しますけれども、初代の厚生省の年金局長であった小山進次郎さんが、昭和42年に社会保険大学校で講演されたときの記録の中に、こういうくだりがあります。
「国民年金は確かにフラット制を採りましたが、それは正しいという意味で採ったのではなく、やはり現段階では技術的に見てそうせざるを得ないからそうする。いずれ将来、所得比例的なシステムを採っていかないと、年金制度として安定した姿には到達し得ないだろう」。これは昭和42年なのでもう御退官された後だと思いますけれども、半世紀以上前に皆年金を入れたときの制度設計にかかわった方が、やはり定額保険料が未来永劫続くとは考えていらっしゃらなかった。恐らくはそのときの国民も、いずれは変わっていくだろうという認識だったのだろうと思います。
督促のこととも絡みますけれども、厚生年金が事業主に対して納付の義務を課していて、国民年金が自主納付であるというこのアンバランスをどう考えるかというのは、やはりそこの制度論を加味しながら考えていかないと、きっと結論は出ない。
そこで、私はこだわりますけれども、国民年金の被保険者の3分の1が事実上被用者であって、その方々が厚生年金の適用を受けておられない。かつ、小山さんの講演録にある、技術的な問題でフラット・定額制にせざるを得なかったというのは、要は、クロヨンとか、そういう所得把握の問題が半世紀以上、いまだに解決できていない。
ひょっとすると、今回、督促を進めていく際の所得基準そのものもちょっと危ういところがあるのかもしれない。そこは脱線しますけれども、所得把握に向けた努力、それから、被用者は原則厚生年金に入れていくという努力を、ここの委員会の議題ではないのでしょうけれども、やはり年金局には努力していっていただきたいし、所得把握については年金局だけで終わるものではありませんが、そこは政府に強く求めたいです。1号被保険者である被用者については、厚生年金適用拡大が広く実現するまでに、やはり緊急避難的な措置は何らか考えていっていただきたいと思います。
あと最後に短く。督促について、国民年金の義務規定にしてはどうかというくだりが内閣官房の「論点整理」にあったかと思うのですけれども、これも制度論になりますけれども、これは間違えたら指摘してください。厚生年金の場合、義務規定になっているものだから、仮に督促をかけて、それに対して事業主が最終的に納めなかった場合でも、給付はなされると思うのです。国民年金も、それを義務規定にした場合に、けさの報道にあるような形で督促を全員にかけて、保険料債権を確定させて、ずっと追いかけていく。ずっと追いかけていっても、機構側が追いかけ切れずに徴収漏れになったとしても、給付はやはりするという、厚生年金との比較で言うとそういう設計にならざるを得ないのではないかと思うのですが、それを考えると、国民年金を義務規定にするのはちょっと難しいのかな、ないしはここでやるというよりは年金部会でやるべきことなのかなと思っています。
以上です。
○宮武委員長 後段の質問の部分は、厚生年金はまさにそうですが、国民年金の場合は、御本人が払うわけですけれども、払わなかった場合、御本人に給付という形になりますでしょうか。大西さん、いかがですか。
○事業管理課長 まさに内田委員おっしゃられたとおりでございまして、厚生年金ですと、実際、事業主が納めたか納めてないかを問わず、被保険者期間は給付に反映されるということでございます。だから、逆に言うと、きちんと取り立てなければ一種のフリーライダーになってしまうと。国民年金の場合は、取り立てなければ給付に反映しないということで、フリーライダーは許さないというふうに、もともとそういう制度になっています。納める方ともらう方が同じである国民年金と、納める方は事業主、受ける方は従業員という違いがある厚生年金と、多分その違いがあるのだと考えております。
○宮武委員長 よろしゅうございますか。
前段の御意見はまさに私も同感でございますし、多くの方が同感ではないかと思います。この専門委員会の範囲を超えておりますので、そこまで踏み込んだ議論までできなかったのは残念ですけれども、議事録には残りますので。
どうぞほかに。
○望月委員 今の資料の6ページの一番下の行の「ただし、本来は、2年以内に保険料を納付するか免除等を受けることが基本であり」というところですが、例えば、現在、第3号被保険者の届出漏れというのは2年をさかのぼって届出を受け付けしていますので、もし本人に過失がなく、知らなかったということであれば、所得情報がとれるので、多分、過去5年分ぐらい所得がわかるので、そこで免除に該当するのはさかのぼりで2年を超えてできるものかどうかというのが、少し第3号被保険者の届出漏れとの整合性で確認しておきたかったと今気づきましたので、もしわかれば教えていただきたいのですが、お願いします。
○宮武委員長 いかがですか。
○事業管理課長 免除の適用については、先般の法改正によって、来年度からは2年まではさかのぼるようになりました。
○望月委員 第3号の届出漏れというので、今は事業主が届出をして第3号となるのですが、平成14年3月までは御本人が市区町村で手続をしていました。今、2年をさかのぼってでもそこの部分を回復できたかと思うのですが、違いますか。
○事業管理課長 3号被保険者については2年よりもさかのぼれます。
○望月委員 それと同じように、申請免除もさかのぼるというのは検討できるのでしょうか。
○事業管理課長 考え方としては、3号被保険者は、客観的に要件に該当していればずうっと3号被保険者であり、ただ、届出があってそれが確認されているということなので、逆に言うと、徴収権の時効というようなものは全然なくて、潜在的にはずうっと3号だったから、どこまででもさかのぼれるということのようです。
○宮武委員長 よろしいですか。修正とまでは。それで御理解いただければ。
ほかにございますか。
もしなければ、次の項目に参りたいと思います。「(4)年金保険料の納付機会の拡大について」「(5)確実かつ効率的な収納体制の強化」「(6)関係行政機関との連携強化」、このあたりまでで、報告書についてもし御意見ございましたら、また御自由にお願いいたします。
○菊池委員 内容に関しては特に意見はありませんが、コメントを2点だけ述べさせてください。
1つは、7ページの最初の○の若年者猶予制度の対象年齢見直しの検討で、反対はしませんけれども、これで救済される方も出てくるでしょうけれども、この方策に余り期待すべきではないし、してはいけないと思います。1つは、この若年者納付猶予制度自体があくまで督促で、調べるのはなかなか大変ですけれども、平成16年改正法の附則19条という、改正法の附則を読まないと出てこない。しかも、去年ですか、この改正法の附則を改正したというものでありますが、多分それをまた改正するということになるのでしょうけれども、申し述べたいのは、年金制度本体の制度ではないというのをしっかり認識しておく必要があるというのが1点です。
もう一点は、若年者納付猶予を導入した当時の状況は、非正規の拡大ですとかそういった状況の中で、20代で払えなくても、その後きちんと仕事について払えるようになったら払ってくださいということだったと思いますが、その非正規等の状況がずうっと続いていて、そういった方がおられるので、納付猶予の期間を引き延ばすということ、そういう面もあるのかと思いますが、ただ、現在30歳の基準を40歳、50歳と引き延ばしていくと、単なる年齢の引き上げではなくて、やはり制度自体の性格が変わってくると思います。
例えば50歳まで引き上げて、50歳近くまでなかなか正規の仕事につけなくて保険料納付できなかったという場合は、恐らくその後も同じような状況が続く可能性が高い。そうすると、この仕組みではカラ期間がふえるだけで、国庫負担分もつかないわけですね。ですので、そうすると、救済措置とは言っても、かえってさかのぼって納付できない方にとっては非常に厳しい制度ともなりかねないので、その意味では、その下の○で書いてあるように、やはりできるだけ免除制度の積極的な活用というような形でアプローチしていくのがむしろ本筋ではないかというのが私の意見です。これが1つ。
もう一つは、その7ページの(5)の2つ目の○で、年金機構の「人材不足及び職員の専門性の低下」、さらっと書いていますけれども、この委員会でも議論になったかと思いますが、これはかなり深刻な問題であると思いまして、要するに、滞納者への督促等に係る事務はやはり正規職員が、公権力の行使として行うべき事務だと思いますので、その中で、私の手元にあるのはことしの10月1日時点ですけれども、年金機構の職員数2万5,933名で、正規職員が1万1,095名と、正規の職員の方が4割ぐらいですか。この体制で、恐らく増えるであろう業務を担っていくというのは大丈夫なのかという危惧がありますので、ここではさらっとしか書いていませんが、人員と予算をしっかりつけるというのが前提なのだろうと。そのことをしっかり踏まえて、これは財務省との折衝になるのかもしれませんが、やっていただきたいということも1つ述べさせていただきます。
○宮武委員長 ありがとうございました。事務局のほうでそのように受けとめていただければと思います。
それでは、それ以外でございますか。
○平川委員 全体的に報告書の内容については、特にここで修正を求めるところはないのではないかと思っています。ただ、2点ほど御意見を申し上げたいと思います。
基本的には督促の促進と強制徴収の体制強化と言われておりますけれども、今、菊池先生が言われたように、7ページのところの、やはり体制強化の具体的な内容が大きな課題ではないかと思っています。前回も言いましたけれども、2008年7月の「日本年金機構の当面の業務運営に関する基本計画」というものがございまして、これが今日の実施体制の基本になっていると思います。
ただ、督促の促進、そして強制徴収の体制を強化していくということでありますので、基本計画というのがあることは承知しておりますけれども、やはり正職員の増員など含めて検討していくべきだと考えています。特に徴収業務につきましては、年金の知識も備えていて、かつスキルや経験も必要だということでありますので、可能な限り、機構の職員をふやすことが重要であります。その意味で、体制の強化と書かれておりますけれども、その裏づけとして、やはり財源の確保が必要ではないかと思います。確かに体制の強化となるとそれなりの財源が必要だということで、ある意味、国民の皆さんの理解も必要だとは思いますけれども、やはり年金の持続可能性を高めていくという観点から、体制の強化のための具体的な財源の裏づけも含めてをこれからもさらに検討していただきたいと思っているところです。
それからもう一つ、8ページのところの、「関係行政機関との連携強化」です。市町村との関係です。市町村との連携については各地の年金事務所でも御努力いただいているとは聞いておりますけれども、この間、生活困窮者自立支援法や生活保護法の一部改正が成立しました。生活困窮者自立支援とのかかわりについては書かれておりますけれども、実は先日、生活困窮者自立支援法の説明会に行ってきました。現在、モデル事業が行われていますので、その実施状況もお聞きしたのですけれども、連携先につきましてはさまざまな行政機関との連携が言われていたのですけれども、残念ながら、年金事務所との連携ということが全く書かれていませんでした。少し残念だと思いました。
そのような意味で、生活困窮者自立支援法につきましては、実施が再来年の1月から、本格実施が再来年の4月からとなりますけれども、総合的な相談事業というものも入っております。ぜひともこの市町村の取り組みの中でしっかりと、国民健康保険料の減免などの相談もありますけれども、年金保険料の免除制度も周知できるような体制が必要ではないかと思います。特にそのことでしっかりと年金権を確立しておいていただければ、結果として生活保護につながらないという道もつくることができると思いますので、そのような具体的な連携の形についてもさらに御検討をお願いできればと考えているところです。
以上です。
○宮武委員長 ありがとうございました。御提言として受けとめさせてもらいます。
それ以外に御自由に。
○和田委員 6ページの最初の○の下のほうに「10年へと短縮されること等を踏まえれば」というところがあるのですけれども、これは消費税が10%になった場合だと思うので、そちらのほうもちょっと入れたほうがいいのではないかと思うのですけれども、お願いします。
○宮武委員長 何ページでしょうか。
○和田委員 6ページの(4)の上の○のところの「しかしながら、平成27年10月から」というところで、「受給資格期間が25年から10年へと短縮される」というところは、消費税が10%になった場合だと思うので、そちらのほうも注意書きで入れていただいたほうがいいのではないかと思います。
消費税が10%に上がった場合に、受給権が25年から10年に短縮されるので、そのこともこちらのほうには記載していただいたほうがいいのではないかと思うのです。
○宮武委員長 書き込む必要があるかどうか。
○和田委員 そうですね。
○宮武委員長 どうですか。書き込む必要があると思われますか。
○事業管理課長 はい。修正をちょっと考えてみたいと思います。
○宮武委員長 では、修正の際に挿入させてもらいます。
もしなければ、次に移りたいと思います。9ページ、(7)の「雇用形態など社会経済の変化への対応」、それから(8)で「公的年金制度に対する理解の促進」、この2つの項目で何か御意見、あるいは修正を望まれる点はございますか。
○堀江委員 報告書(案)に関して修正をお願いしたいと思っているわけではありませんが、先ほど原委員もおっしゃっていましたが、この(8)の公的年金に対する理解の促進というのは、一応項目として取り上げていただいてはいるのですが、この委員会での議論では結構な頻度で出てきた意見だなあというのが1つ感想です。
具体的に何をどうしたらいいということに関しては別に考えていかなくてはいけないことですが、実は強制徴収とか免除の適用を拡大していくといったことと同じぐらい、ここの重要度というのは高いかなと思っています。経済的に保険料を払えなくて払っていない人はともかくとして、一定の所得があっても保険料を払っていない人というのは、理解不足というか、制度に対する誤解という部分がかなり大きいのではないかと考えておりますので、そこはもう少し何とかしていけるようになればいいなと考えています。
以上です。
○宮武委員長 いろんなアイデアも含めていただいたのですが、まとめるととてもそっけなくて、確かに御不満が残るのはわかります。ただ、これだけではなく、ここでの議論も相手に伝えますので、そこは御勘弁いただければと思います。ほかにはございますか。
○原委員 今の堀江委員の御意見に乗っかって言わせていただきますと、ちょっとだけでいいですから直していただけたらうれしいのがこの(8)のところでして、10ページです。最後、「費用対効果を検証しながら、取り組みを進めるべきである」とあるのですが、せめて、「取り組むべきである」と書いていただけたらうれしいなと思いますが、お願いいたします。
○宮武委員長 「取り組むべき」のほうが強いですか。
○原委員 それは強いです。
○宮武委員長 では、そうしてください。
○平川委員 9ページの(7)の1つ目の○の短時間労働者の厚生年金適用拡大ですけれども、社会保障制度改革国民会議報告書でもさらに適用拡大に向けて検討すべきとされていますし、先日成立した社会保障改革プログラム法にも、そのような方向の内容が盛り込まれていますので、ぜひともさらに前向きな御検討をお願いしたいということでございます。
以上です。
○宮武委員長 もしなければ、最後の項目で、10ページ、3の「厚生年金の適用促進策」、それから、4の「国民の利便性向上策」、これも含めまして御意見あれば賜りたいと思います。もちろん、前の項目で、言い忘れた、あるいは重ねて御発言があっても、別にそれは全く構いませんので、御自由に御発言ください。
○杤原委員 7ページに戻ってしまって申しわけないのですが、(5)の2つ目の○の機構の部分です。「人材不足および職員の専門性の低下等の問題や、事務処理の遅延」と書いてあるのですけれども、もし体制を強化するのであればここは丁寧に書いたほうがよろしいのではないかと思っています。通常、民間企業ですと、事務処理が遅延すれば懲戒の対象になりますので、これをやった人は退職されて、新しい能力のある人を雇うというふうに結論づけられてしまいます。消えた年金問題のときに商工会議所の窓口をお貸しして、協力して事務処理をお手伝いさせていただいたことがあるのですが、確かに煩雑で時間のかかる処理でありました。恐らく意図としては、膨大な事務量に伴う作業のおくれとか、物理的な問題が多いのだと思っていまして、もしそういうことであれば、正しくお書きいただいたほうが前向きな結論が出るのではないかと思います。職員の問題なのか、膨大な事務量の問題なのか、そこはきちんと書き分けていただいたほうがよろしいのではないかというふうに感想を持ちました。恐らく事務量が多い、作業量が多いのではないかと思っておりますが。
○宮武委員長 事務処理の遅延ではなくて、膨大な事務処理ということで。
○杤原委員 「膨大な事務量に伴う作業の遅れ」とか。
○宮武委員長 なるほど。単にサボっておくれているとかそういうことではないわけですから。
○杤原委員 そういうことではないと思います。
○宮武委員長 いかがですか。事務局で工夫していただけますか。今の御発言の真意を酌み取って。よろしゅうございますか。
○事業管理課長 はい。
○堀江委員 今と同じところですが、さらっと読めてしまったのですけれども、今改めてもう一回読んでみると、日本年金機構の「職員の専門性の低下」と言ってしまっていいのですか。これだけ読むと、全般的に職員の方の専門性が低下してしまっているというように読めなくもないですが、そういうことではないと思いますが、いかがでしょう。
○宮武委員長 恐らく、「専門性を持つ職員が少なくなっている」と、そのようにしたほうがいいですね。堀江委員のおっしゃるとおり、全員が専門性低いなどと、決めつけてはいけませんよね。
○菊池委員 その意味合いもあると思いますけれども、もう一つは、人が足りないので、研修体制がきちんとしたものが確保できていないというか、その余裕がないというのもあるはずです。なので、それも含めて。
○宮武委員長 では、そこのところ、今の御意見を踏まえて修正してください。もっと早く、その種の応援もしていただいたほうがよかったのでしょうが、最後に追加しましょう。
もしなければ、これで修文の作業に入ってもらって、もう一度そこを見ていただくのがよろしいか、どうでしょうか。
見ていただいたほうがよろしいですね。しばらく時間いただいて、休憩に入りますか。
○年金管理審議官 すぐ直ると思います。
○宮武委員長 では、このまま待っております。
それでは、今、修文ができましたので、修正の文案を持ってまいります間、15分間休憩をいたしまして、3時半から再開ということにさせてください。
(休 憩)
(修正後の報告書(案)配付)
○宮武委員長 ややおくれましたが、準備が整いましたので、お手元に修正後の報告書(案)が配られているかと思います。事務局から説明をしていただきます。
○事業管理課長 修正箇所について申し上げます。
まず1ページ目ですが、12月13日という日付、それから、「はじめに」の5行目ですが、「13日まで計6回にわたり」ということで数字を入れさせていただいております。
それから、3ページ目、箇条書きで言うと5ポツ目のところに、「失業などによって所得が低下した時も」から始まるところがございます。「失業などによって所得が低下した時も」の次の行で、「免除を受けることによって国庫負担分と、多段階免除の場合には支払った保険料に応じた年金額が支給され、老後の年金を増やすこともできる。障害・遺族年金も受給できる。」と分けたところでございます。
それから、その次の4ページ目ですが、これは具体的な修正意見があったわけではないのですが、原委員などから御指摘があったことを踏まえて事務局のほうで修正案を考えてみました。4ページ目の「2 国民年金保険料の納付率向上策」の上のところですが、「以下述べる納付率向上策を進めるに当たっても、まずは公的年金に関する正しい理解を得る努力が重要であることを常に念頭に置くべきである。」という記述を追加しております。
それから、7ページ目、下から2つ目の○の「また、日本年金機構では」のところですが、「また、日本年金機構では、人材不足、特に専門性を有する職員の減少や余裕が無いことによる研修不足の問題、膨大な事務量に伴う作業の遅れ、法定受託事務を担う市町村との連携の不十分さなどの問題が存在する」としております。
それから、10ページ目、最初の○の「具体的な広報・教育の手法については、」以下のところですが、最後のところ、「取り組むべきである。」としてございます。
修正箇所は以上です。
○宮武委員長 ありがとうございました。和田さん御指摘の6ページの消費税引き上げに伴う云々というのを入れることについては、政府が決めている、予定していることでありますので、かえってその文言を入れるとなんかややこしくなるというので、御勘弁いただいていいですか。
○和田委員 はい。
○宮武委員長 ありがとうございます。それでは、ただいまの修正案について御意見はありますでしょうか。
もしなければ、これをもって当委員会の報告書といたしてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○宮武委員長 ありがとうございます。
それでは、報告書につきましては、18日に開催されます社会保障審議会年金部会に報告することに相なります。事務局を代表しまして、樽見年間管理審議官から一言御挨拶をいただけますか。
○年金管理審議官 ありがとうございました。これはまさに、この報告書の「はじめに」のところでも書いてありますけれども、10月からこの12月までちょうど2カ月、この間に6回、この種の検討会の中でもかなり頻度の高い、密度の高い御検討をいただいたと考えてございます。
厚生年金の適用、あるいは国民年金の納付率の向上という問題につきましては、まさに夏の「論点整理」でもいろいろ言われているわけでありますし、より基本的に年金制度に対する国民の信頼というものを強める上で、確保するという上で大変重要な課題であると考えておりますので、いただきました御議論を具体化するということで、これから私どもの方としての作業にかからせていただくというふうに考えてございます。
また今後ともいろいろお世話になる機会があろうかと思いますけれども、どうぞよろしくお願いします。本当にありがとうございました。
○宮武委員長 それでは、当委員会の全ての審議を終了いたしました。委員の皆様、大変御多忙の中に時間を割いて御足労いただきましたこと、改めて御礼申し上げます。どうもありがとうございました。
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