ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(年金記録問題に関する特別委員会)> 第6回年金記録問題に関する特別委員会議事録(2013年9月26日)
2013年9月26日 第6回年金記録問題に関する特別委員会議事録
○日時
平成25年9月26日(木) 16:58~19:34
○場所
中央合同庁舎第5号館 19階 共用第8会議室
○出席者
(委員)
磯村委員長、岩瀬委員、大熊委員、大戸委員、金田委員、喜田村委員、斎藤委員、白石委員、三木委員 |
(日本年金機構)
水島理事長、薄井副理事長、矢崎理事、深田理事、松田理事ほか |
(厚生労働省)
桝屋厚生労働副大臣、樽見年金管理審議官、赤澤事業企画課長、梶野年金記録回復室長、大西事業管理課長 |
○議事
(磯村委員長)
それでは、定刻より少し2分ほど早いのですが、桝屋副大臣もお見えでございますので、これから第6回の年金記録問題に関する特別委員会を開催したいと思います。
本日は委員の皆様全員ご出席でございます。ただ、斎藤委員が途中で少しご用がおありになって、途中で退席されるそうでございます。よろしくお願いいたします。
それでは、桝屋副大臣がご出席でございますので、一言ご挨拶をよろしくお願いいたします。
(桝屋厚生労働副大臣)
第6回の年金記録問題に関する特別委員会の開催に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げたいと思います。
委員の皆様方におかれましては、ご多忙のところご出席を賜り、本当にありがとうございます。感謝を申し上げます。この特別委員会では、年金記録問題の解決に向けて、今後なお必要な対応策についてご審議をいただくとともに、年度内にはこれまでの取り組み内容等についての審議結果を報告書としてまとめていただくことをお願いしているところでございます。これまで5回にわたりましてご審議をいただいてまいりましたが、本日の委員会では来年度以降の記録問題の対応についての、私どもとしての現時点の整理などを報告させていただきたいと思います。
引き続きまして、本日は日本年金機構から兵庫事務センターで発生いたしました事務処理等の遅延の事案、並びに、このような事態を踏まえて日本年金機構で行っていただきました総点検結果について報告いたします。事務処理遅延等の発生はあってはならないことでございまして、厚生労働省といたしまして心よりお詫びを申し上げる次第でございます。今後、日本年金機構において再発防止策がきちんと遂行されるよう監督するとともに、国民の信頼を損ねることのないよう、緊張感を持って取り組んでまいりたいと思ってございます。
以上、2点につきまして、委員の皆様方におかれましては、ぜひとも忌憚(きたん)のないご議論、ご指導をいただきますようお願いを申し上げまして、私の最初のご挨拶にさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
(磯村委員長)
どうもありがとうございました。
それでは、予定にしたがいまして議事をよろしくお願いいたします。
(梶野年金記録回復室長)
それでは議事に入らせていただきます。
桝屋副大臣でございますけれども、議題の途中で他の公務のため退席させていただきますので、よろしくお願いします。
次に、今回、日本年金機構で9月に人事異動がありましたので、紹介させていただきます。
まず小森事業企画部長でございます。
(日本年金機構小森事業企画部長)
事業企画部長の小森でございます。よろしくお願いいたします。
(梶野年金記録回復室長)
それから、北波記録問題対策部長でございます。
(日本年金機構北波年金記録問題対策部長)
年金記録問題対策部長の北波でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
(梶野年金記録回復室長)
それでは、引き続きまして資料に入っていきます。1枚目、座席表をおめくりいただきますと、本日の議事次第が真ん中に書いてございます。主にこの3つでございます。
それから、また1枚おめくりいただきまして、年金記録問題の主な取組事項(全体構図)という資料がございます。毎回出させていただいている資料であります。本日はこの下のほうの赤字部分、事務処理誤り、それから26年度以降への対応と、こういったところになってございます。
早速ですけれども、それではまず議題の1点目、平成26年度予算要求案・平成26年度以降の記録問題への対応について説明させていただきます。まず、私から資料1、平成26年度厚生労働省の予算概算要求の年金記録問題のところの抜粋をご説明させていただきます。
概算要求は毎年夏に各省庁から財務省に対して、こういったことに取り組むのでこのぐらいの予算をつけていただきたいというふうに要求するものでございます。最終的には年末に査定なりがありまして、予算案として政府として出していくということでございます。この資料ですけれども、資料の中段に数字が178億円と、それから括弧して592億円と書いてございます。178億円が来年度、平成26年度に要求させていただく額でございまして、括弧の数字は今年度の当初予算額であります。今年度から減った主な理由でございますけれども、これは基本的には紙台帳とコンピュータ記録の突合せが終了するといったことによるものが大きいです。
内容に入っていきますけれども、(1)正確な年金記録の管理等に資する「ねんきんネット」の利用拡大と機能充実ということで、14億円を要求させていただいております。この内容は主に2つありまして、1つは「ねんきんネット」の利用者の拡大ということであります。「ねんきんネット」ではご案内のとおり、ご自身の年金記録の確認という点と、それから持ち主がまだ明らかとなっていない未統合記録の検索もできますので、「ねんきんネット」をなるべく利用していただくと。そのための周知をするというのが1点目でございます。それから、記録の正確性を確保するために、紙の届出書の作成支援の機能の充実を図るというのが2点目でございます。これらとほかのも合わせて14億円ということでございます。
それから、(2)として年金記録の突合せ結果に基づく対応など必要な記録問題への取組ということで164億円です。これは主に紙台帳とコンピュータ記録の突合せ事業です。突合せは終わりますけれども、結果をご本人にお知らせしまして、その結果に基づいて記録の訂正や再裁定の作業が残りますので、そういった費用と、それから基金記録と国記録の突合せとか、そういった費用がございまして、その他も含めて164億円ということでございます。
資料1は以上です。
続きまして、資料2をお願いします。
(日本年金機構北波年金記録問題対策部長)
それでは、資料2につきまして日本年金機構からご説明をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
資料2をご覧いただきたいと思います。
まず表題でございますが、平成26年度以降の記録問題への対応、現時点での考え方の整理ということで、今年度は節目の年であり、その次の年についてどのような体制、どのような対応をとっていくかということにつきまして、日本年金機構記録問題対策部としてまとめたものでございます。
1ページをご覧いただきたいと思います。基本的な認識でございます。
まず、記録問題への対応につきましては、ご案内のとおり4年間で集中的に取り組むということになっております。突合せ作業、また厚生年金の基金記録との突合というものにつきましても、平成26年3月末にほぼ終了するような予定で、現在、努力をしているところで、大きな節目を迎えるところでございます。ただ、年金記録問題につきましては、これで全て終了するものではないというふうな認識でございます。今後とも年金の裁定時、そういうときにも年金記録の調査は、依頼に応じて誠心誠意務めさせていただこうと考えているところでございます。
それでは、参考資料ということで13ページをご覧いただければと思います。
これは未統合記録の統合状況の推移というものを書かせていただいているところでございます。これは平成19年度に未統合記録5,000万件というものが公になった以降、毎年どのぐらいの件数が統合されたかと、また、未解明の記録がどの程度であるかというものを表で示したものでございます。
上の表をご覧いただければと思いますが、平成19年度のところでの統合記録件数が417万件ということで、月平均が27万件。平成20年度につきましては、平成19年からのねんきん特別便の送付などの、様々な切り口でご本人宛てへの手紙により記録の確認を呼びかけたというところもございます。平成20年度につきましては、年間で1,010万件ということで、月平均では49万件の統合という形になっております。ただ、その後、若干、月平均で見ていただくと非常に明らかでございますが、年度を重ねるにしたがいまして月平均の件数が落ちてきているところです。平成23年度につきましては、月平均6万件、これが現在のところ続いているところでございます。一番上に丸でコメントとして書いてございますが、近時は限界的になってきているのではないかと思われます。この委員会の中でも、正に岩盤に突き当たりつつあるのではないかというご指摘もいただいておりますが、そのようなことが見てとれるかと思います。
参考といたしまして、資格照会の申出件数、また第三者委員会への申立件数と、再裁定の受付件数もここの参考で掲げさせていただいておりますが、これにつきましても、平成20年度から22年度というのは非常に大きな数でございましたが、近時は非常に落ちついた状況になっております。ただ、一方で、一番最初に申し上げましたように、裁定請求時の資格、それから資格照会につきましては、今後も一定水準で続いていくだろうというふうなことでございますので、記録照会の事務は今後とも続けていかなければならないということが見てとれると思います。
次の14ページは、今申し上げましたことを5,095万件、これはそもそものベースとなる数字でございますが、これをベースとして表にしたものでございます。申し上げたいところは同じでございますので、参考にしております。
また1ページに戻っていただければと思います。このような認識のもとで今までどのような形でやってきたかを少し振り返りながらご紹介をさせていただきたいと思っております。
具体的対応の1番のところで記録調査の方法ということで、まず最初は、紙台帳検索システムの導入についてでございます。現在、私どもが管理する記録の正確性をもう一回確認して、間違っている場合は修正をする。こういう作業の中核となるのが紙台帳検索システムでございまして、これを平成22年10月から導入して、現在は全年金事務所で利用可能な状況になっております。
概要につきましては8ページでございます。1つは、紙の台帳もしくはマイクロフィルムに入っております、そういう台帳とオンライン上の年金の記録とを照合いたしまして、正しい記録に修正しているという作業でございます。その際、紙の台帳につきまして、一つ一つを取り寄せたりといった手間が非常に膨大にかかります。これを解消するという意味で、全て画像化して1つのシステムの中に取り込むということでシステムを作ったわけでございます。
1ページへ戻っていただいて見ていただければと思いますが、平成22年10月に導入した上で、平成23年4月からは全年金事務所で稼働を開始しております。このシステムでは全ての紙台帳、延べ9.5億枚ございますが、漏れなく画像化して取り込んでいるということでございます。
ただ、1点、機能につきまして現場からの声ということで、一つ一つを見るんですけれども、連続して見る機能がまだついていないということもありますので、さらに迅速に行えるようにページ送り機能というものをつけようということで、1ページの一番最後の記載でございますが、平成27年春に機能の改善を行おうとしております。
2ページをご覧いただければと思います。
では、9.5億枚延べでございますが、この件数というのはどういう台帳を入れているかということでございます。当然ながら年金記録というものは非常に長い歴史がございまして、紙台帳につきましては一部破損・汚損しているようなものもございます。当然ながら、完全な形ではなくて、手帳記号番号であるとか氏名であるとか、そういうものがきちっとした形でそろっていない台帳もございます。そういうものにつきましても漏れなく画像化いたしまして、紙台帳検索システムには収録している状況でございます。
ただ、オンライン記録と紐付けるという作業を1回収録したときにやったわけでございますが、そのとき、手帳記号番号が一致しないとか、そういうふうな形で残念ながら紐付いていないものがございます。ただ、それも画像化して、この台帳について見えるような形にはしているというものでございます。したがいまして、多くの場合は紐付いておりませんので、紙台帳とオンライン記録との突合せの対象外という形にはなっております。
今までで戦災や天災によって焼失・喪失した場合、当時の年金関係の職員、失われた台帳をその当時に可能な限り再度複製するという努力をしております。そういった再生された紙台帳も漏れなく画像化して、紙台帳検索システムに収録している状況でございます。当然ながら再生できなかったものは紙台帳がございませんので、入っていないというところでございます。
このような形で現在、突合作業の中核的に使っておりますのは紙台帳検索システムでございますが、今後ともこのシステム自体は平成26年度以降も記録調査の手順の中に取り込みまして、活用させていただきたいと考えております。今年の1月でございますが、統一的に窓口での調査手順を定めております。これが9ページ、別紙2でございますが、ご覧いただければと思います。年金請求のときに記録の確認をしていく手順というのがございます。そういう中で確認の際にお客様ご本人から漏れや誤りがあるのではないかという申し出があった場合に、氏名の確認、事業所による確認、ねんきん特別便でどのような対応状況になっているか、こういう確認をした上で、また紙台帳検索システムでの確認というものにつきましてもこの手順の中に盛り込み、平成26年以降も活用させていただきたいと考えております。
2ページに戻っていただければと思います。
紙台帳とコンピュータ記録の突合せ事業でございますが、平成26年4月以降の作業というものでございます。もう既にご案内の記録問題工程表というものがございまして、ここで記録問題に対する作業の手順もしくは日程を定めておりますが、その中で「該当者へのお知らせを処理困難ケースを除き25年度中を目途にお送りするよう目指す」としておるところでございます。したがいまして、平成26年4月以降も次のような作業を行うことになりますので、突合せでご本人様にご通知を差し上げるというのは今年度でございますが、その後工程という形で、ご本人様からの回答への対応であるとか、また、関係のところ、市町村なり共済組合とのやりとりが必要なものにつきましては、次年度にもかかって作業を進めるという形にしております。これにつきましては、参考資料3、19ページに工程表についての原文をここに示しておるところでございます。
19ページは工程表を引用したところでございますが、その次のページ、20ページでございます。では、突合せ状況がどのような状況になっているかということでございます。今、突合せ作業につきましては、委託事業者にまず最初の作業をお願いし、また最終的には職員が確認するという職員工程、この二段構えでやっているわけでございます。
20ページでございますが、(1)の突合せ作業で業者工程につきましては、ほとんどの拠点におましては9月末までに業務を終了し、拠点は閉鎖する予定となっております。2拠点につきまして、引き続きやっていただいているところも、11月までには作業を完了するという予定で現在進めているということでございます。
職員工程で、該当者へのお知らせというものを処理困難ケースを除いてお送りするという工程表の目標達成に向けて努力しているわけでございますが、簡単なものではなくて、今後複雑なものも増えてくるという状況もございますので、引き続き気を引き締めてやっていきたいと考えております。
表のところで実績と計画という形で、業者工程と職員工程という形で書かせていただいておりますが、注のところをご覧いただきますと、これがこの表であらわしたいことでございます。実は、単純に残りの推計と書いてある職員工程のところ、これが私ども職員がこなしていかなければならないものでございます。これは8月の一番近くの月間の処理量で割りますと、6.7カ月分という形になります。そうしますと、3月まで、これから7カ月分ございますので、いくのではないかということではございますが、今申し上げましたように、非常に複雑な事案の処理とかが増えますので、気を緩めず、むしろペースを上げなければならないのではないかと考えております。
もう一つは(2)でございますが、持ち主の検索作業、これは未統合の記録につきまして、紙台帳検索システム等を活用いたしまして記録の持ち主を探しているという作業でございます。これにつきましても、2.4カ月という形になっておりますけれども、正にご本人にご通知を差し上げて、ご本人のものであるかを確認し、また訂正までいくという工程もございますので、なるべく早くやっていくということが必要であると考えております。
また本文に戻っていただければと思います。
3ページでございますが、平成26年でございます。現在も、ご案内で一度委員会でもご報告させていただきましたが、「気になる年金記録、再確認キャンペーン」というものを行って、未統合記録につきまして、ご本人の申し出、もう一回再確認をしていただきたいということでのキャンペーン、呼びかけを行っております。平成26年度以降、どのような形でやるかということにつきまして整理をしたものでございます。
参考資料2、参考資料4を参照と書いてありますが、これは後ほどご説明ということにいたしまして、1から順に申し上げますと、1番はねんきん定期便でございます。これは被保険者の方に毎年送っているものでございますが、ここにも継続的に呼びかけをしていこうと考えております。
また、2番目の裁定請求の際ということでございますので、ターンアラウンドの通知の中にも誤りがあった場合は年金事務所に相談してほしいということを明示していこうと考えております。
また、キャンペーンでも中核となってお願いしていました未統合記録の検索システム、この「ねんきんネット」の利用を促進することによりまして、随時ご自身の記録の確認をしていただくということを考えております。さらに、「ねんきんネット」の更なる利用者の拡大、それから、ひいては記録確認の推進を図るということで、年金局でラジオなどの媒体を活用した周知などを行っていただくというふうなことでございます。
また、当然ながら、年金月間というものが毎年11月にございますので、ここでも年金局と連携いたしまして、普及活動もしていこうということでございます。
あと、制度的な節目もございます。平成27年10月には受給資格期間の短縮があります。25年から10年への短縮ということが予定されておりますので、これが予定どおり進むということになれば、広報とか、そういう中で年金局とも連携させていただきながら、記録確認を働きかけていきたいと考えております。
資料2は今申し上げましたので、22ページの資料4をご覧いただければと思います。
これが「気になる年金記録、再確認キャンペーン」の状況というふうなことでございます。今年の1月末からこのキャンペーンを進めているところでございますが、おかげさまで関係各方面のご協力もいただきまして、パンフレット・ポスター、こういうものの配布や掲示、また、「ねんきんネット」につきましてもアクセス数が非常に多い状況で推移をしております。当然ながらお知らせ便というものを2月から送付しておりまして、これは受給者の方に2月からお送りしております。これではがきを持ってきて相談に来られる方につきましても、若干減りつつもコンスタントに月間1万件以上という形になっております。パンフレットの活用というのも、ちょっと少ないのではございますけれども、あるということでございますし、「ねんきんネット」による未統合記録の検索につきましても、コンスタントな状況になっているということです。
キャンペーンにつきましては、25ページをご覧いただければと思いますが、具体的にどのような形で年金記録回復ができるのかということについて、これはキャンペーンを促進するということで、日本年金機構から事例ということで3つ挙げさせていただいておりました。これをもとにキャンペーンが始まって、こういうふうな事例が出たというふうなことでまた呼びかけをしていたのですが、更に、23ページでございますが、「気になる年金記録、再確認キャンペーン」期間における年金記録回復の具体的事例ということで、8月にもう一回、年金事務所に事例を出していただきまして、特に生活にお困りの方へのサポートというふうなこともキャンペーンの中では柱としておりました。それに適した事例ということで、福祉事務所等を経由して生活保護を受給されている方について、記録が見つかって年金の受給権が発生した事例であるとか、また、市町村との連携ということで、市町村でも「ねんきんネット」での未統合記録の照会をやっていただいていますので、ここでの市町村を経由してこういう記録が見つかった事例であるとか、また、周囲の方々のサポートという意味で、事例の3でございますが、これは娘さんの協力によって未統合記録が判明したという事例でございます。こういうふうなものも先だっての3つの事例に加えまして、キャンペーンの後半期については呼びかけの材料にさせていただきたいと考えております。
もう一回、また資料の3ページに戻っていただければと思っております。
日本年金機構の年金事務所における体制でございます。現在は年金事務所の年金記録課というところでお客様対応を行っておりますが、平成25年の節目の年を超えた後でございます。後処理も終わって落ちついた時期におきましては、この業務は平成26年9月末に原則、お客様相談室が引き継ぐということで考えております。ここで年金記録の確認、照会における相談でありますとか、全てを一括して行う方向でございます。一方、第三者委員会への申し立てとか、時間がかかるものにつきましては、別途の対応といたしまして、厚生年金保険の適用調査課であるとか国民年金課が分担して行う体制をとらせていただいて、引き続き照会に応じていくということで考えております。
4ページをご覧いただければと思います。
当然ながら、紙台帳とコンピュータ記録との突合せ事業というのは現在非常にたくさんの人員を割いておるわけでございますが、その終了に伴いまして、国民年金、厚生年金保険、その他基幹業務に配置をして、日本年金機構全体の業務の体制の強化を図っていきたいと考えております。備考でございますが、当然ながらお客様の混乱がないようにということで、ご案内もきちんとさせていただこうと思っております。
また、本部の体制につきまして、現在、記録問題対策部というところで全体の統括、そして業務の進捗管理を行っておりますが、これにつきましては平成26年9月に紙台帳とコンピュータ記録との突合せ作業が終了する見込みとなっていますので、記録問題対策部を廃止いたしまして、事業企画部というところが統括業務を引き継ぐというふうな体制を考えております。
ただ、これで記録問題について全部なくしてしまうわけではなく、引き続ききちんとした対応をとりたいと思っておりますし、また、備考に書いてございますように、次期中期計画、これから策定するものでございますが、ここにつきましても、「お客様からの年金記録に係る申出に、迅速、適切に対応する」旨の記載をする方向で考えているということでございますし、また、処理困難ケースにつきましても言及したいと考えております。
それからもう一つは、ホームページでも広く情報提供するということで、現在行っているような未統合記録の状況につきましても、今後とも情報提供を行っていきたいと考えております。
5ページ以下は参考でございますが、まず15ページをご覧いただければと思います。参考2でございます。若干説明が前後いたしますが、現在、未解明記録の5,095万件の状況について、再度、平成25年6月の最新データをもとに述べさせていただければと思います。
解明された記録、2,961万件ということでございます。基礎年金番号に統合済みの記録が1,721万件、また、少し表現を変えましたが、死亡者に関する記録及び年金受給に結びつかない記録につきましては1,240万件。これを合わせまして2,961万件となっております。
ただ、この記録自体がどのようなものであるのか、どういう方のものであるのかということにつきまして、調査が必要または解明する作業をしなければならないものが2,134万件あるということでございます。これがローマ数字2の部分でございます。現在調査中の記録が4万件、また、4番目でございますが、名寄せ特別便等の対象となったが、未回答等のために持ち主が判明していない記録が874万件という形になっています。また、持ち主の手がかりがいまだ得られていない記録というものが935万件ということで、想定される例という形で掲げております。
この状況につきまして、実際どういうものなのかということをうかがい知るときのすべということで、委員長からのご指示もいただきまして、機械的に推計いたしましたのが次のページ、16ページでございます。未解明の記録の内訳ということでご覧いただければと思いますが、死亡した者等の記録と考えられるものが546万件でございます。実際の計算方法につきましては、18ページに死亡者の推計方法などがございます。基本的には国勢調査の数字、もしくは外国人統計であるとか、そういうふうなものを活用いたしまして、一定の割合を未解明の記録のところの年齢分布というところに掛け合わせて処理したものでございます。死亡したと考えられるのが534万件、また、国外に転居されたものが5万件、帰国した外国人が7万件という形で、計546万件でございます。
それ以外の記録ということで、ここにつきましては、現時点での年齢分布とか加入期間につきまして、546万件分を差し引いて分析させていただいている、この計算の推計がマル1とマル2でございます。マル1が現時点での年金分布推計ということで、60歳代、70歳代、ここら辺が一番大きいということでございます。50歳代までが4割弱でございます。ここにコメントが書いてございますが、今後、年金裁定時の申し出によって年金の記録が統合される可能性があるということも言えるかと思います。また、加入期間の分布推計につきましても、短期が多いというふうなことでございます。先ほど述べました平成27年の受給期間短縮で、統合の申し出、記録確認の申し出が今後ふえる中で統合されるものがあろうかというふうに思います。
17ページは参考でございますが、既に統合されたものがどういう経緯で未統合だったかというものを分析したものがございまして、それを活用してこの未統合のところに掛け合わせたものでございます。これも複数の手帳を保有している、もしくは旧姓、氏名相違など、現在行われているキャンペーンでもここら辺を重点的に呼びかけておりますが、こういうふうな状況で、それぞれ割合を出しているところでございます。
また本文のところへ戻っていただければと思いますが、本部の体制ということと、あとは参考資料でございます。
あとは、5ページ以降は再発防止への取り組みということで、これは既に記録特別委員会でそれぞれテーマにつきまして報告をさせていただいておりますねんきん定期便、それから「ねんきんネット」の機能の充実でありますとか、また、基礎年金番号の重複付番の対策、これは昨年の3月に年金記録回復委員会で報告させていただいているというものでございます。また、6ページでございますが、6月の特別委員会で報告いたしました届け出の電子化について、それから7ページでございますが、業務プロセスの改善というものをもちまして、再発防止への取り組みを総体的に進めていこうと考えております。
少し雑駁(ざっぱく)になりましたが、資料の説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
(磯村委員長)
ありがとうございました。
それでは、何かご意見、ご質問はございますか。はい、どうぞ。
(三木委員)
1つ確認させていただきたいことなのですが、この4年間、集中して作業をすることによって、基本的には紙をオリジナルな、一時的なデータ、マスターとして、全てのオンラインデータと突合をされたということで、一旦、今この4年間で中のものは見尽くした状況になっているのだと思います。そうなると、何が差があるのかというと、結局、お客様の記憶と、紙と今オンラインデータは一致しているデータになっているはずなので、日本年金機構が持っているデータにそこが結びつけば、宙に浮いていると言われているようなものも紐付くという、そういうことが起きると思います。そのために今後の対応で、そういう日本年金機構が持っているデータを、お客様が窓口なりねんきんネットで来たときに、きちんと紐付けの作業をすることができるような体制ができているかどうかが一番大事だと思います。そこで確認したいのが、まず窓口に来たときには、全て紙台帳検索システムで今までやってきたことと同じように、日本年金機構の中のデータ全てを、どこかで取り寄せたりとか電話で聞いたりとかファックスしたりすることなく、全てお客様と対応するときに必要なものを一式そろえて対応することができる状況が整っているかということが1つ。
あと、ねんきんネットでやる場合にも、基本的には窓口でやっていることと同じような精度で、必要な情報が何件あるのかというの件数が多分出るシステムになっているはずだったという認識でいるのですが、そういう同じような情報量で処理するようになっているかということについて、確認させていただきたいと思います。
(磯村委員長)
どうぞ。
(日本年金機構北波年金記録問題対策部長)
別紙2のところです。9ページをご覧いただければと思います。
ここで年金請求時等における記録確認手順ということで、基本的には年金事務所で作業が完結するようなことでやっていこうと考えております。当然ながら、ご本人様から漏れや誤りがあるという申し出があった場合は確認作業に入るわけでございますが、その際、今までねんきん特別便とかを送ったときにどういう状況であったか、これはウインドウマシーンで確認をさせていただく。それから、バックヤードになるわけでございますが、それに加えて、お申し出の内容が正しいかどうか、そういうものにつきましては、紙台帳検索システムは今後も運用していきますので、それで確認をとっていこうと思います。これが平成26年以降、ご要請に応えられるような円滑に動くかどうか、ここは一つの勝負でございますので、そこは手綱を引き締めてやっていきたいと考えております。
もう一つは、ネット環境の中で同じようなことができるかどうか、これから確認をさせていただきますが、例えば、未統合記録の検索システムにつきましては今後も続けて運用させていただきますので、基本的にはご本人様がそういうところを見られるような対応はずっと続いていきます。前回、ねんきんネットの第5次リリースのときに報告させていただきましたけれども、共済の過去記録につきましても、日本年金機構が持っている情報につきましては未統合記録のところに掲載をしていくということでございますので、そういうふうなものも活用して今後ともやっていっていただきたいと思っております。また、平成26年以降のオペレーションにつきましてご指導を賜れればと思っております。どうぞよろしくお願いします。
(磯村委員長)
他によろしいですか。
どうぞ。
(大戸委員)
2ページのアスタリスクの2番目ですが、戦災や天災によって紙台帳が焼失・喪失したということで、これが再製されていない方が例えば窓口に見えた場合は、もうこれはどうにもならないというふうに認識してよろしいのでしょうか。
(磯村委員長)
どうぞ。
(日本年金機構北波年金記録問題対策部長)
まず、天災や戦災で焼失した場合に、台風であるとかいろいろな天災で年金事務所が被災したというときにどのようなことを行ったかというと、職員が失われたものをなるべく復元しようということで、関連する事業所に問い合わせに行ったりして、記録を複製しようという努力をしたというふうに聞いております。そういうところで復元されたものにつきましては、当然、画像化し、紙台帳検索システムの中にも取り込んだり、その中で判明しているものにつきましては、索引データを付して照合可能な状況にはしておりますが、それ以外のものにつきましては、何とかしたい気持ちはありますが、やはりないものは仕方がないというところになってきております。ですから、ここはそういう記録が私どもも手持ちで持っている記録と照合するというわけでございますので、全くないというところにつきましては、やはり日本年金機構側ではいかんともしがたいという状況にあるということが事実です。
(磯村委員長)
よろしいですか。
(大戸委員)
そういう相談の方が、高齢者の方でよく見えますけれども、どうしようもないということで一応お答えするしかないですね。わかりました。
(磯村委員長)
ほかに。はい、どうぞ。
(岩瀬委員)
紙台帳検索システムについて少しお聞きしたいのですが、これは9.5億枚入っているということですが、その中には不完全な記録も読めない記録も全部入れているということですが、読めなかったり不完全な記録はどれぐらいあるのかを教えてもらいたいのです。というのは、紙台帳検索システムをたたいたときにヒットしなければ、あるいはオンラインデータと紐付いていなければ、あなたの記録はないという答えが出てきてしまうわけです。だけれども、一方で、読めない記録だとか紐付いていない記録があって、そこを探せばひっかかるかもしれないということだと思うのですが。紙台帳検索システムというのは実は完全なものでないという気がするのですが、どの程度読めない記録や不完全な記録が入っているのかをまず少し教えてほしいのですが。
(磯村委員長)
どうぞ。
(日本年金機構北波年金記録問題対策部長)
9.5億件という形ですが、紙とマイクロフィルムとの重複とかがございますので、それを除きますと7.2億件でございます。それを紐付けましたところ、6.0億件が手帳記号番号と紐付いたものでございます。それ以外の1.2億件分というのは、何らかの理由があって紐付かなかったということでございます。それで、これはいろいろな理由があろうかと思います。当然ながら、手帳記号番号が全く違っているとか、あり得ない手帳記号番号であるという場合もありましょうし、手帳記号番号自体がない、そういうふうな欠損しているものというものもございます。それを判読不能と言うのかどうかということはございますが、ただ、紐付いていないので、なかなか突合の対象にするのは難しい状況でございますけれども、何かのときにいろいろな経緯で探すときに、できるだけ画像化するに当たりまして、見えるところは打ち込んでいくという対応をとっていますので、その中で引っかかってくることはあろうかと思います。不完全だというのは、要するに、フルセットで見えるような状態で全ての情報が載って画像化されて入っているものだけではないという意味では、そういう不完全な台帳も入っているということではございます。そこは全部紐付いていればいいのですが、残念ながら、あるがままの全てのデータを画像化したという関係上、そういう状況だと思っております。
(磯村委員長)
はい、どうぞ。
(岩瀬委員)
ということは、入れておけば何かのときにそこから見つけられるかもしれないという趣旨のご説明だったと思うのですが、それを普通、窓口で、相談に行ったときに、ウインドウマシーンをたたいて、あるかないかですぐに処理してしまうと思うのです。読めない記録あるいは紐付いていない記録をもう一度探してみましょうというふうに丁寧に記録の探索をするということは、よほどお客様が執拗に言わない限りはやってもらえないと思うのです。それをマニュアルで、つまりウインドウマシーンで出てこなければ、もう一度、紐付いていない記録を探すというようなマニュアルを作らないと、この部分は、何かのときに引っかかってくる可能性があるということも、ほとんど皆無なのではないかと思うのですが、その点いかがですか。
(磯村委員長)
どうぞ。
(日本年金機構北波年金記録問題対策部長)
紐付いていないデータについてもなるべくご本人様のところに戻していく、これは姿勢としては私たちもそういう姿勢でやろうということでございますが、実際は全国の窓口でそこまで全体として対応できるかどうか。これはマニュアルを作ればそれでいけるのかどうか、もしくはいい事例を探して、それをみんなで共有することによってここまでできるのかとか、いろいろな方法があろうかと思います。ご指摘はいただきながら、少し考えてみたいとは思います。
(岩瀬委員)
ぜひそこの部分で漏れのないような探索をしていただきたいと思います。
(日本年金機構矢崎理事)
今お二人の委員のご質問への回答を若干補足いたします。まず9ページの記録調査のマニュアルも前の年金記録回復委員会でそれこそ委員の方々のお知恵をいただいて、何とか、要するに統一的に探せるだけ探す手順をつくろうということで作ったものであります。これで1月から稼働させていまして、最大限これで探せるものは探していこうと思っています。
それから、そもそもなくなった記録をどうするのかという、確かに難しい話でありますが、今ある一つのツールとしては第三者委員会があり、─持っているデータで探すというのが私どもの守備範囲だと思いますが─、別途、第三者委員会のほうで、直接、審査内容までは熟知しておりませんけれども、同僚の方の証言であるとか、いろいろな角度で一定の蓋然(がいぜん)性のあるものは回復に結びつけていくものと承知しています。
それから、戦災とかいろいろな被害の場合も、これもまた前の年金記録回復委員会のご指導で、どういうケースのものがあるかということを全部作って、全部の年金事務所へ配付しておりますので、少なくともここまでの3年間で私どもとしてはできる限りの手は打ってきたという感じはございます。
(磯村委員長)
どうぞ。
(樽見年金管理審議官)
少し出過ぎなのですけれども、実は平成22年に私が日本年金機構におりましたときに、年金記録回復委員会からご指導いただいて、正に今、矢崎理事がおっしゃった戦災とか天災がどこでどうあったかという調べをやったものですから、そういう意味で少し補足をします。
平成22年夏に全国の年金事務所にそういうことの問い合わせをしまして、それからまた本部でもいつ頃どういうことがあったかということを調べまして、どの時期にどこの年金事務所でどんなことがあり、どこで空襲を受けたとかどの台風で記録が濡れたとか、そういうことについての調べをいたしました。それをどの時期にどういうふうになったかということについては、各年金事務所にフィードバックして共有してございます。ですので、大戸委員のようにご相談のあったケースで、ないものはないと、記録だけ言うとそうなんですけれども、いつ頃どういうことがあったかということがわかりますと、これはもしかするとそういう台風で流れてしまったケースかもわからないということになりますと、記録はないのですが、第三者委員会でご審査いただくと回復される可能性が、そのルートで出てくるという形になりますので、そういう私どもとして調べた基礎的なデータは持っておりますので、それでご相談いただければというふうに思っている次第でございます。
(大戸委員)
第三者委員会からまた返ってきての相談なものですから。すみません。
(磯村委員長)
三木委員から何か。どうぞ、関連して。
(三木委員)
もともとの紙台帳検索システムの紙のデータとオンラインデータの紐付けの前提を少し確認したいのですが、私が確か記憶しているところによると、そもそも紙台帳検索システムで紐付け作業をしたときには、手帳記号番号と名前を、片仮名か漢字かは少し忘れたのですが、それが一致するオンラインデータと紐付けをしたという認識でいます。あと、紙台帳検索システムの中に入っている紙のデータ、例えば連名式で名前が書いてあるようなものもあったりとかするのだと思うのですが、全てのデータとか住所が入っているわけではなくて、名前などのデータで、それはいわゆる4条件とか言われるようなものとして紐付ける要素になるものが入っているという認識です。
そういう意味では、今も窓口に来て探すときには、やはり名前か手帳記号番号で基本的には検索するしかなくて、それ以外に沈み込んでいるものというのは、連名のものを全部見ていけば見つかるかもしれないのですが、それはなかなか難しいとすると、基本的には本当に沈んでいるものというのは紙台帳検索システムの中でもなかなか紐付けももともと難しいものだし、探すものも難しいものであるというような認識でいます。
それ以外のものについては、むしろ紙台帳検索システム以外の事業所名簿検索システムであったりとか、ほかのもので拾っていくことのほうが、紙台帳検索システムでやるよりは多分実務的で、それは今、前も年金記録問題の委員会でした9ページの手順で基本的には網羅しているのではないかという認識でいます。
(磯村委員長)
ありがとうございました。
いかがでございましょう。2ページのアスタリスク2つに関連する、ない記録はどうしようもないのではないかというご意見やお答えなどがあるのですが、実は昔の旧監視委員会のデータとか、それから年金記録問題検証委員会の報告書の中のデータとか、私が知っている限りでも4点ばかり、こういったものに関するデータがありまして、これはもう事務局に渡してあります。したがいまして、それをベースに次回の報告書に、一体どう書いたらいいのかという視点も含めて、少し事務局でこれまでのさっきの4点の過去のデータをできるものは現時点で一遍検証していただいて─できないものはしようがないです─、それを踏まえて改めての議論したらいかがでしょうか。今ここで何も材料なしで、少し事務局も答えにくいでしょうし、質問するほうもなかなか的確に質問もできないだろうと。そんな運び方はいかがでございましょう。
これは全く思いつきで、実は喜多村委員から少しお知恵をお借りしたのですが、戦災で戸籍がなくなりますと、民法には戸籍の滅失再製という手続があるのだそうでございまして、こんなものが年金記録に応用できないかというふうな話もちらちらしているのですが、言い出してみたもののすぐにはできそうもないし、できるとありがたいがという、今そういう心境でございますので、そういったことも含めて、また喜多村委員、お知恵を貸してください。
そんなまとめ方も1つあるかと思うのですが、いかがでございましょうか。事務局、何か、それはまずいというご意見ありますか。
(日本年金機構矢崎理事)
まず、今、委員長がおっしゃいました過去の委員会のデータ、例えば紙の記録でなくったもの、あるいは見えないものというのは、どのくらいのボリュームがあるかという推計ですが、推計というのは確かにいろいろなやり方で幾らでも数字は変わりますので、それをどう考えるか、ボリューム感をどう考えるかというのが1点だと思います。
それから、先ほどおっしゃいましたように、紙台帳検索システムというのは非常に有力なツールですけれども、もちろんそれだけで記録を見つけられるものでもありませんし、例えば勤務先を屋号や何かで覚えているけれども、正式に登録している名前がわからない、例えば「パチンコ何とか」に勤めていたのだけれども、実は厚生年金保険の適用事業所としては「何とか興業」だというケースもいっぱいあるわけです。それをどうやって曖昧検索でその屋号から探していくか、これは紙台帳検索システムの世界ではありません。先ほど三木委員がおっしゃったようないろいろな事業所のデータベース、これは東京とかいろいろなところが作っていますけれども、そういうものを活用して探すという場合もあります。
ただ、確かに紙台帳検索システムは有力なツールですし、昔は一々、東京ですと文京の分室まで行って探さなければ、それこそ何カ月もかかって探していたものが瞬時にわかるようになって、これは事務的には画期的なツールだと思います。ただ、これまたお話があるように、この紙台帳検索システムが万全のツールでもないのも事実であります。そういった中で、ではこういった、紙が全てはありませんが、紙で見られないものがどのくらいのボリューム感があるのか、あるいは、なくなったもの、これまた樽見年金管理審議官がお話ししましたように、我々も最大限いろいろな情報を現場には伝えておりますが、どんな方法ができるのか。戸籍法も読みましたけれども、率直に言うとこの戸籍法の応用というのも難しいと思います。それに、これは正に制度論でありまして、多分、そこの領域へ行きますと我々、日本年金機構ののりを超える部分というのがあると思います。ですから、それは別途またいろいろ意見交換をさせていただきたいと思います。
(磯村委員長)
せっかく副大臣もいらっしゃるので、ぜひひとつ。
あと、前回いろいろご意見などがありました。これだけのお金をかけて、一体もう少し何かこれだけ回復できたのだとか、これだけいいことがあったのだという話はないのかという、前回のいろいろなご提言もあったのですが、この辺についてもできたら次回にでももう少し整理してみたいと思います。本日はその辺のお話が余りなかったものですから。
はい、どうぞ。何か。
(岩瀬委員)
基本的なことがわからないのですが、16ページの死亡した者等の記録と考えられるもの、546万件についてですが、これは前のページの解明された記録のどこに入るのですか。それとも入らないのですか。
(日本年金機構北波年金記録問題対策部長)
これは解明された記録には入りません。15ページのローマ数字2の解明作業中又はなお解明を要する記録のところの内訳を推計するということで、計算をしたものであります。上の死亡者に関する記録のところとは別でございます。
(岩瀬委員)
そのローマ数字2の2,134万件の中にこの546万件があります。
(日本年金機構北波年金記録問題対策部長)
そういうことです。
(日本年金機構矢崎理事)
若干補足いたしますと、15ページのローマ数字1の死亡に関する記録、これは例えば死亡の統計が出されていて確度の高い、あるいは住民基本台帳とぶつけて過去5年間の死亡が確認できる、あるいは生きているとすると日本の最高年齢層よりもまだ年が上の者という確度の高いものが上のほうで解明された記録へ入っています。ローマ数字2、これは実際どういう人たちなのかというのは、ある意味情報がないものですから、この中でも死亡している可能性の方もいるだろうと思われます。実際、未解明記録で、ちょっと数字は覚えていませんが、100歳以上の件数は、日本の100歳以上人口よりだいぶ多い件数になっていますから、何らかの推計はできないかという委員長からのご指示で、ローマ数字2の未解明記録の中でも、データによっては何月時点で資格取得で何歳というデータがありますから、それはその後の生存率、一定の国勢調査で作った生存率で、今までどのくらいの人が生きているか、逆に言うとどのくらいの人が死んでいるかという推計をやって、ローマ数字2の中を、結構荒っぽいと言えば荒っぽいのですが、分析してみると、次のページ、16ページ、534万件分のデータを持っている方は亡くなっているというふうに推計できるのではないかと思われます。そういう見方をしていただければと思います。
(岩瀬委員)
では、その前提つきで546万件の方が既に死亡されていると思われるというふうに、ここに書くことはできないのですか。
(日本年金機構矢崎理事)
マスのデータで推計していて、個人個人を追っていないので、そこをどう評価するというのはなかなか難しい感じはします。
(岩瀬委員)
そういうふうに書いてもらったほうが、見た感じはすごくわかりやすいと思います。
(日本年金機構矢崎理事)
最後に、報告書を書かれるときにどういう表現で書くか、多くの国民の方に見ていただくことになると思いますので、そこはまたいろいろご議論していただければと思います。
(磯村委員長)
では、そこのところも報告書の段階で委員の皆さんのご意見を伺って、委員の皆さんが例えば9人のうち8人までがいいとおっしゃったら書こうというふうな感じでいかがでしょうか。よろしゅうございますか。
では、本件、少し尻切れとんぼではございますが、次回に少し余韻を残した格好で次の議事へ移りたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。
では、お願いいたします。
(梶野年金記録回復室長)
それでは、桝屋副大臣でございますけれども、他の公務がございますので、ここで退席いたします。
それでは、続きまして次の議題、町田部長、お願いします。
(日本年金機構町田国民年金部長)
日本年金機構国民年金部長の町田でございます。よろしくお願いいたします。
お手元の資料3、年金記録問題に関する特別委員会諸報告に基づきましてご報告させていただきます。私からは3点、3号不整合期間を有する方に対する対応、後納制度の実施状況、年金事務所段階における記録回復基準の状況につきましてご報告させていただきます。
まず初めに、3号不整合期間を有する方に対する対応でございますけれども、4ページをご覧いただきたいと思います。
参考で付けさせていただいておりますが、これは前回、この委員会で厚生労働省から公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律についてご報告がございました。その際にご説明した資料でございます。ご案内のとおり、国民年金の年金記録におきましては、実態は第1号被保険者であったにもかかわらず第3号被保険者のままとなっている記録の問題、いわゆる第3号被保険者の不整合記録問題への対応といたしまして、不整合期間に係る特例等を定めた公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律がこの6月26日に公布され、7月1日から施行されたところでございます。
4ページの図の左側でございますけれども、問題の所在というところに箱がございます。その下にございますように、高齢者における不整合期間未訂正は推計約5万3,000人、不整合期間訂正済みは50万3,000人、現役層ですと、不整合期間未訂正は推計で42万2,000人、不整合期間訂正済みは約67万3,000人となっております。この中には直近2年間に不整合期間がある方は含まれておりません。日本年金機構におきましては、この法律に基づきまして、不整合期間をカラ期間とし、無年金状態を解消し、過去10年間の不整合期間への追納も可能とし、年金権を回復する、そういう機会を提供するということの前段といたしまして、平成23年11月以降、今申し上げました現役層における不整合期間未訂正の推計42万2,000人を対象に、過去2年以内の期間に不整合期間をお持ちの被保険者の方から順次個別にお知らせをいたしまして、記録の訂正等を開始してまいりました。本日はその状況等についてご報告させていただきたいと思います。
1ページをご覧いただきたいと思います。
先ほど申し上げましたとおり、順次対応しておりますので、国民年金の3号不整合期間を段階的に第1号被保険者へ種別変更するための取組の実施状況ということでございまして、1番の(1)の過去2年以内に不整合期間を有する方の対応を平成23年11月から実施しております。これにつきましては、いわゆる運用3号の取り扱いのために開発をいたしました直近2年間に不整合期間をお持ちの方を抽出するシステムを活用いたしまして、対象者を抽出いたしました。先ほど申し上げましたとおり、平成23年11月から、平成21年11月以降の期間に不整合期間を有する方に対して種別変更の勧奨を行いまして、その後、種別変更及び保険料納付のご案内を実施してきたところでございます。実施状況につきましては後ほどご説明させていただきますが、2ページに記載をしております。
続きまして、(2)でございますけれども、前記(1)、過去2年以内に不整合期間を有する方の種別変更をした方で、2年よりも前に不整合期間を有する方につきましても、平成24年10月から種別変更の勧奨を行い、その後、種別変更処理及び後納制度、これは年金確保支援法による過去10年前までの納付可能となる制度でございますが、そのご案内を実施してきているところでございます。
それから、(3)でございますけれども、過去2年より前の期間に不整合期間を有する前記(2)以外の方、いわゆる2年以内に不整合期間を持っている方を先にやりまして、その次に2年よりも前にも不整合期間を持っている方、3段階目として、過去2年より前のみ、不整合期間がある方について、今年の5月から実施してきているところでございます。この方につきましても種別変更の勧奨を行い、その後、種別変更の処理を行いますとともに、後納制度のご案内を行い、また7月以降につきましては、特定期間該当届の提出の勧奨を実施しているところでございます。
それから、4点目でございますけれども、不整合期間を有する年金受給者の方、先ほどまで申し上げましたのは被保険者の方でございまして、不整合期間を有する年金受給者の方につきましては、この9月から行い、特定受給者として3号不整合記録管理データベースというものを別につくりまして、そこに登録をすることによって特定受給者としていくという作業を現在始めているところでございます。
次に、2ページ目をご覧いただきたいと思います。
先ほどの(1)から(4)までの状況につきまして、別表で取りまとめたものでございます。
2年以内に不整合期間を有する方、これは対象といたしました方が13万3,544人おり、種別変更が行われた方が12万5,870人でございます。これは平成25年3月末時点でございますけれども、この約13万3,000人と約12万5,000人の差が出ておるわけですが、これにつきましては、下の米印の1にございますように、対象者数には、種別変更のご案内をお送りしたときに、お客様の申し出によりまして3号被保険者であったということが確認できた方、あるいは亡くなられた方、あるいは海外に転出されている方などが含まれており、その差が出てきておるところでございます。それから、(3)の2年より前のみに不整合期間を有する方につきましては、最初に申し上げました厚生労働省の推計42万2,000人につきまして、現在、順次対応しているところでございまして、種別変更処理者につきましては精査中でございます。それから、未訂正受給者につきましては約5万3,000人、これは厚生労働省の推計でございますが、これにつきましては、これからの作業ということで件数は確定しておりません。この推計につきましては、平成23年4月に社会保険オンラインシステムの中から不整合記録を有する者のデータを用いまして、厚生労働省で行いました粗い推計でございます。
今、過去の取り組みをご説明してきたところでございますが、2ページの2番でございます。今後どのような取り組みをしていくのかということでございまして、先ほど来ご説明させていただいている厚生年金保険法等の改正法に基づきまして、3号被保険者の記録不整合問題への対応ということでございますけれども、まず1つは、特定期間該当届に関する対応ということで、これはカラ期間化でございます。不整合期間による無年金状態を解消するため、不整合期間をカラ期間とするための特定期間該当届の受け付けを行うということでございます。また、特定期間該当届の未提出者に対して届け出を勧奨していくということで、特定期間該当届の受理が今年の7月から始まりまして、先ほども申し上げましたけれども、特定期間該当届の勧奨につきましては、(3)のところで種別変更処理を行った方に対して、7月以降、順次勧奨を行いながら、オンラインシステムの修正が完了し稼働いたします平成26年4月から本格的に勧奨を実施していきたいと、かように考えておるところでございます。
それから、3つ目といたしまして、これは制度改正を行っていただきまして、共済組合及び健康保険組合からの被扶養配偶者情報の提供をしていただくことが可能となりました。これは将来にわたってでございますけれども、平成26年12月までの政令で定める日から情報提供をいただけるということで、現在、各団体と調整等を行って準備を進めておるところでございます。
続きまして、3ページでございます。
特定保険料の納付に関する対応ということで、先ほどカラ期間化をいたしましたところのご説明をいたしましたが、更にそのカラ期間化をする特定期間のうち、過去10年間の不整合期間への追納が可能になりますので、特例追納の申し込みを受け付けていきます。特例追納が利用できる方に勧奨を実施するということで、これは特例追納の申し込みの承認開始が、マル3にありますように平成27年4月から平成30年3月まででございますので、その前段階であります、マル1にありますように、特例申し込みの勧奨を平成27年2月から、あわせて事前受付開始を平成27年2月からということで準備を現在進めておるところでございます。参考までに全体のスケジュールを表しますと、このような表になっております。
以上で3号不整合期間を有する方に対する対応の説明を終わらせていただきます。
次に、5ページをご覧いただきたいと思います。
5ページにおきましては、後納制度の実施状況でございます。ご案内のとおり、日本年金機構では後納制度の利用促進のため、平成24年8月から本年7月までの間、後納制度の利用開始対象者にお知らせの送付を行いました。1の表でございますが、平成24年8月からでありまして、aのところで約2,009万人の方にお送りし、お知らせの発送は終わったところでございます。現在、お知らせを送られた方からの申し込みの承認ですとか相談を受け付けたり、また申し込みをされた方に対する納付書の送付を行っているところでございます。1の表をご覧いただきますとわかりますとおり、お知らせ送付の総件数が2,009万件ほどございまして、そのうちの受付件数が約86万件となっております。当初、制度が始まる前の想定ですと、約1割の申し込みがあるという想定がございましたけれども、現段階では利用率が4.3%ということで、低い数字になっております。我々は、今後どのように利用率を上げていくのかということを、よく考えて対応していかなければいけないのではないかと考えておるところでございます。
続きまして、後納保険料の納付状況がどうなっているかというところが下の表でございます。1人当たりに直しますと、右側でございますけれども、後納申込書承認月数が17.4月、後納保険料納付月数が9.7月ということで、約56%弱ぐらいの数字になっておりまして、この辺、よくまだ分析はできていないのですが、やはりお金がたくさんになりますので、お金があるところからお支払いをいただいているのではないかというふうに考えております。ちなみに、後納対象の後納保険料額でございますが、平均しますと約25万6,800円の保険料額でございまして、納付済みの後納保険料が約14万3,000円というような状況になっているところでございます。
続きまして、6ページでございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、今まで日本年金機構、厚生労働省といたしましてどういう取り組みをしてきたのか、広報でございますけれども、後納制度が平成27年9月末までの時限措置でございますので、この間により多くの方にご利用いただけるよう、周知広報に取り組んでまいったところでございます。具体的には、ここに書いてありますけれども、日本年金機構ホームページによるお知らせ、市町村への情報提供、報道機関、雑誌等への掲載依頼、ハローワーク等関係団体へのポスター掲示の依頼、それから全国社会保険労務士会連合会におきましては、都道府県の社会保険労務士会における説明会の開催への協力の依頼と、それから社会保険労務士の皆様方への後納制度の周知等についてのご依頼をさせていただいており、あと、関係団体等にも協力要請を行ってきたところでございますが、まだまだ広報が不足しており、現在、お知らせの送付が終わったところでございますので、やはりその辺を踏まえて利用状況をよく分析して、利用率向上に向けた勧奨対象を具体的に検討していく必要があるのではないかというふうに考えておるところでございます。
後納制度につきましては、ご報告は以上でございます。
それから、7ページをご覧いただきたいと思います。
年金事務所段階における記録回復件数ということでございますけれども、年金事務所段階の記録回復につきまして、その前提といたしまして、総務省の第三者委員会でのあっせんに基づいて記録回復が積み重ねられて、既に現在11万件近いあっせん事例がございます。その積み重ねの中から必ずあっせんになっている類型が見出されてきた中で、外形的あるいは客観的にあっせんできるものだと区別できるものがあれば、そのようなものは第三者委員会に回すこともなく、年金事務所段階で記録回復を行えれば、より迅速に記録回復ができるということで、ご本人の利益になるということがございまして、前の年金記録回復委員会等で何度もご議論をいただいて、年金事務所段階での記録回復基準ができ上がり、数次にわたりまして作成、追加をされてきているところでございます。非常に迅速に記録回復を進めるための仕組みとして、年金事務所段階での記録回復基準ということで役立っているものでございます。
資料についてご説明をいたしますと、7ページの資料の左側のところの4段目を少しご覧いただきたいと思います。平成25年7月末という数字でございますが、1万9,778件、これが今までの事務所段階での記録回復の件数でございます。この特徴といたしましては、先ほど申し上げた4段目を右のほうにずれていっていただきますと、K-3、包括的意見というところがございます。これは平成23年10月に新たに追加された基準でございまして、具体的にどういう基準かといいますと、下のほうの左側に厚生年金のK-3について注書きがございますが、主な事例といたしまして、総報酬制が導入された平成15年4月以降に、賞与等において賃金台帳等により保険料控除が確認できた場合、同一企業グループ内で転勤等により資格期間に1カ月の間の空白があき、その間の勤務の継続が確認できた場合と、こういう基準でございまして、また前に戻っていただきまして、1万2,083件というのがそれを積み上げた数字でございますが、その1段上の平成23年12月末現在の数字と比べていただきますとこれが831件でございまして、非常に飛躍的に伸びていると思います。1万2,083件のうち、先ほど2点ほど主な事例を申し上げましたが、1番目の賞与に関するところが1万1,237件ということで、ほとんどボーナスの届け出漏れに関する事案でございます。そういうことでこれがかなり回復に結びついたということでございます。
8ページをご覧いただきたいと思います。
年金事務所段階の記録回復基準を全体的にトレンドで見たときにどうかということでございまして、上の段が7月現在でございますが、先ほど申し上げました記録回復b欄でございますけれども、1万9,778件、7.3%の割合でございますが、下のほうの年度内訳を見ていただきますと、まず受付件数が、平成19年度は約5万件、平成20年度は約4万9,000件、平成21年は約6万件、平成22年度は約5万9,000件ということで、約6万件前後で推移してきておりますけれども、平成23年度が約2万7,000件、平成24年度が約1万7,000件ということで、減少傾向になっています。逆に言いますと、かなり落ちついてきているのではないかという数字でございますが、例えば平成23年度の2万7,607件の右側の年金事務所段階の記録回復件数を見ていただきますと、6,061件で、占める割合が22.0%、平成24年度に至りましては1万7,880件で7,588件でございますが、42.4%とかなりのウェイトを占めております。こういうことで、この部分につきましてはかなり年金事務所段階での記録回復ができて、迅速に事務処理が行われてきたというふうな状況でございます。そういう意味では、年金記録回復委員会等でいろいろとご議論いただきながら作っていただきまして、それが非常に役立っているのではないかということが読み取れると思います。
大変雑駁(ざっぱく)な説明でございますけれども、私から3点につきまして、以上ご報告させていただきます。
(磯村委員長)
ありがとうございました。
何かご意見、ご質問はございませんでしょうか。よろしいですか。
では、1つだけ。5ページの後納制度の実施状況についてなのですが、これは制度の発足のときに、納め損なったり時効などで納められなくて、受給権が取得できなかった人も救えるというふうなうたい文句が確かあったと思うのですが、後納がきっかけで受給権を取得できた方というのは何かありますか。わからなければ後でも結構ですが。
(日本年金機構町田国民年金部長)
具体的に数字といいますのは持ち合わせてきていません。申しわけございません。
(磯村委員長)
ではまた次回にでも。確かそれが狙いだったと思うので。よろしくお願いします。
では、他にはないようでしたら、次の議事へ移ってよろしゅうございますか。
では、引き続いて次ですが、本日は例の事務処理誤りに関連いたしまして、先ほども少し副大臣からお話のございました兵庫事案とそれに関連する日本年金機構が行ってくさだいました一斉点検の話がこれからあるのだろうと思うのですが、少しその前に、1カ月間、この委員会がお休みだったものですから、その間の経緯をおさらいで私からご報告したいと思います。
8月の上旬にこの委員会のある委員の方あてに、兵庫事務センターにおいて大量の書類紛失があるのに公表していないという意味の通報があったわけでございます。直ちに私のほうで日本年金機構に確認いたしましたところ、日本年金機構では、今年の1月中旬にもう既にそういった情報を、日本年金機構へのご意見・ご要望メールという通報システムがあるようでございまして、それによって事情を承知しておられて、日本年金機構としては2月早々から調査をしていたということでございまして、この間の経緯については委員の皆様にはメールで8月9日のプレスリリースをご案内したところでございます。
この委員会は8月の開催がなかったものですから、急遽、私のほうで事務局にお願いいたしまして、持ち回りで本件の取り組みについて委員の皆様からご意見を伺いましたら、大方次のようなご意見でございました。本件は大型の事務処理誤りであるので、更なる事実確認をしてほしいと。それから、47カ所の事務センター全てに調査をあるいは監査をする必要があるのかないのか、日本年金機構側で検討してほしいと。それから、本件の根底にある問題点についてどう対応したらいいのか議論すべきではないか、というふうなあらまし、ご意見をいただいたわけでございます。
その後、先週の委員の勉強会で、ご出席しなかった方もいらっしゃいますけれども、日本年金機構側からの概要説明がありましたが、まだまだ調査途中で、なかなか集約が間に合わなかったようでございまして、実は荒ごなしもまだ十分できておりません。本日はやっと間に合ったというお話も先ほどちらっと聞いたのですが、まだ途中のものもあるかもわかりませんので、十分なご説明がいただけるかどうかはわかりませんが、とにかく一刻でも早い方がよかろうと思いまして、本日、皆さんの前にいろいろな材料をお出しいただいたわけでございます。
本件に関連いたしまして、水島理事長からご発言を求められておりますので、よろしければ、お願いいたします。
(日本年金機構水島理事長)
水島でございます。これから、今、委員長からお話がございましたが、処理遅延問題及び時効特例問題の中間報告につきましてご報告を申し上げます。
(磯村委員長)
どうぞお座りになってください。
(日本年金機構水島理事長)
まずお詫びだけ。申し訳ございません。
まず、このような事態が発生をいたしましたことに関しまして、深くお詫びを申し上げる次第でございます。大変申し訳ありません。
それでは、お許しをいただきましたので座らせていただきます。
まず、これらの問題につきまして、委員長のお許しをいただきまして、私の思うところを申し述べさせていただきたいと思います。
まず、処理遅延の問題でありますが、今般、兵庫事務センターにおきまして大量の書類の退蔵・紛失が判明いたしました。こういう問題につきましては、実は毎月公表いたしております事務処理誤りにおきましても、程度の差はありますが、同種の問題は発生いたしております。私は日本年金機構に着任いたしまして最も危機感を持った問題は、この問題でございます。民間では、お客様からお預かりした書類がもしなくなった場合には、徹底的に調査するというのが私どもがやってきたことでございまして、そういう意味ではこのような事態については大変危機感を今でも持っております。
この問題は、ここでも申し上げたことがあるかと思いますが、国民の年金権や財産権を侵しているということでありまして、その意識自体が日本年金機構全体に十分あるのかと。また、このような問題が起きたときにやや対症療法的な対応という面がなかったかというふうに思っておりまして、何としても根絶を期すという強い意識、決意が日本年金機構の中にあったかどうかということについては、我々として反省すべき点であると思っております。
今回、兵庫事務センターの監査に私どもも同行いたしました。行為者への調査を行っておりますが、私は直接聴取はいたしておりませんが、本人からは非常に言い訳が多くて、お客様への謝罪の言葉はなかったという報告を受けておりまして、そのような報告を受けた際に、誠に情けないと、組織として根絶できない、一体となってこういう問題に対応しなければならないときに、行為者自身がそういう状況にあるということについて、強い危機感を持った次第であります。
このような状況を踏まえまして、5月に私から全年金事務所、事務センターに対しまして書類の一斉の総点検を指示いたしました。その結果が今般まとまりましたが、詳細につきましては後ほどご説明をいたしますが、40拠点から約1,100件を超える書類遅延の報告がなされております。また、残念なことに、受付進捗管理システムというシステムをこのような事態を防止するために導入いたしておるわけでございますが、平成24年10月に導入いたしておりますが、それ以降に約350件が発生しているという状況でございます。我々はこの結果を深刻に受けとめなければならないと考えております。
先ほど申し上げましたが、後追いと申しますか、対症療法的な対応を排除して、このような問題の根絶を期すためには、やはりシステムで仕組みを作っていかなければならないと思っておりまして、特に受付進捗管理システムを初めとして、現在あるシステムについていかにその問題点を摘出し、改善し、そしてその運用に当たって徹底を期していくかということであると思っております。正に魂を入れていくという組織作業を我々として全力を挙げてやっていかなければならないと思っております。
また、この間、監査には種々問題はあったと認識はいたしておりますが、やはりそのようなシステムあるいは運用がきちっと行われているかどうかについては、徹底的に監査を行っていかなければならない、これは体制として強化していかなければならないと思っております。また、今後、同様な問題が発生した場合には、やはり厳しく対処することについてもやむを得ないというふうに決意をいたしているところでございます。ただし、対応に当たりましては、やはり仕組みや運用の改善に重点を置きませんと、問題が隠れてしまう懸念があります。そういう意味で、このようなリスクを排除しつつ、このようなことを行っていかなければならないと考えております。
それからもう一点、組織の風土について先ほど申し上げましたが、やはり書類の放置を許さない文化という、相互にチェックしていくという仕組み、文化というものが組織の中にきちんとインボルブされていかなければならないというふうに思っておりまして、例えば同僚でありますとか縦横のラインでありますとか、縦軸、横軸というご指摘をいただいておりますが、この縦横の軸をベースにして相互のチェックシステムを組み込んでいくということが大切だと思っております。
もう一点でございますが、先ほどご指摘がございましたが、この処理遅延問題あるいは時効特例問題も内部告発から事態が把握されております。内部告発に対する対応という点では、我々も一層反省しなければならない点があるという認識をしております。この問題はいずれも内部事案通報から端を発しまして、日本年金機構内部でその対応に時間を要したということから、外部に通報が行われて問題が顕在化したということでございます。このような事態が発生いたしましたことにつきましては、やはり対応が後追いであるということや、時効特例問題にございますように、事務処理の統一に関しましても途上にあるということも踏まえますと、このような問題を摘出していくためには内部告発を活用することが有効な手段であると認識すべきであったと思っておりますし、その点について虚心坦懐に受け入れたかということについては、もう一度胸に手を当てて考えてみる必要があるかというふうに思っております。
したがいまして、現在、各地のチャンネルから収集されますお客様の声あるいは職員の声に関しまして、コンプライアンス上、疑いのあるものにつきましては、リスクコンプライアンス部に集約される仕組みになっております。これまでこの集約された情報に関しましては、副理事長のところで対応をまとめて指示しておりました。この体制は変わっておりませんが、7月からは私も全件目を通しております。非常に私も勉強になります。この中から問題点を感度を上げて抽出していかなければならないと思っております。
それから、「理事長への声」という仕組みがございます。これに関しましては、もちろん全部見ておりますが、返事を返すわけでありますけれども、これは来た当初からすぐでございますが、直接私がサインをして返事を返す体制にいたしました。サインをすることがどれほどの意味があるかということはございますが、「理事長への声」を言ってきてくれた人に対しては、私がちゃんと見ていると、それから、対応については責任を持つということを示しているわけでございますので、一定の効果はあるものと期待をしているということでございます。
いずれにいたしましても、情報に関しましていかに感度を高く、かつ迅速に対応するかということがポイントだと思っておりまして、お客様の年金権を守るということが基本的な観点だと考えております。
以上、申し上げてまいりましたが、このような事態を起こさないためには、最も基本的なことは、発生した事象を個人やその拠点の問題として矮小化(わいしょうか)するのではなくて、組織の問題としてとらえて、仕組みとして解決することを考えていくということが一番大事だと思っております。まだまだ問題はあるかもしれません。しかし、やはりこの書類を処理しない文化というのは何としても根絶しなければならないと思っておりまして、これについては私自身、強い決意で当たるつもりでございます。
委員の方々には常日ごろ、さまざまなご意見、ご指摘をいただいておりまして、誠にありがたいと思っております。引き続きご指導をお願い申し上げる次第でございます。どうもありがとうございました。
(磯村委員長)
ありがとうございました。
とりあえず資料の説明を伺いましょうか。よろしくお願いします。
( 日本年金機構深田理事)
事業管理部門の担当をしております深田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、お手元の資料4でございますが……
(磯村委員長)
どうぞお座りになって。
( 日本年金機構深田理事)
ありがとうございます。その前に、記録関係でございますが、事務センターの事務処理遅延・書類紛失が兵庫事務センター及びそれ以外にも40カ所にわたり発生しておりまして、関係する皆様方、あるいは受給者の方々、被保険者の方々、それぞれにご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げたいと思います。申し訳ございませんでした。
それでは座らせていただきます。
それでは、お手元の資料4でございますが、まず最初に兵庫事務センターの事務処理遅延・書類紛失の事案についてご説明いたします。それは、ページでいいますと7ページまでになります。その次に9ページ以降がこの間、行いました総点検の結果でございます。これは2つございますので、分けて、流れとしてはできるだけまとめてご説明できる分はしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、1ページからになりますが、兵庫事務センターにおける事務処理遅延・書類紛失等についてでございます。
兵庫事務センターにおきましては、遺族年金請求書及び未支給年金請求書の事務処理遅延と紛失が判明いたしました。具体的には、最近までの処理の状況などは後ろの6ページに出ておりますので、件数等についてはそちらをご覧いただきたいと思いますが、2ページ目をお開けいただきまして、判明の経緯についてでございます。まず、先ほどお話がございましたように、1月に日本年金機構へのご意見・ご要望メールあてに事務処理遅延がある旨の通報があり、我々としては事務センターに事実確認の指示を行ったところでございます。その後、2月に入りまして、兵庫事務センターから事務処理遅延があるという報告がありました。これは先のものとはまた別の案件でございます。どうもこれはおかしいのではないかということで、近畿ブロック本部が2月13日から15日にかけて、兵庫事務センターの受付簿と請求書の突合確認、それから事務センター内の捜索を実施しております。その結果、見つかりました書類が、申し訳ございません、1ページへ戻っていただいて、全体で250件の書類になったということでございまして、そのうち57件が紛失しているというものでございます。
具体的にこれの書類につきましては、3月に入りましてから、要するに書類を確定させて、6月で件数の確定に至っているというものでございまして、お客様への対応につきましては3月から順次対応しております。8月9日に公表いたしましたので、この時点では233件の事務処理が終了ということになっておりましたが、現時点では、後でまとめて6ページでご説明させていただきます。
具体的には、次の3ページにございますように、どんなものの処理が完了していないかというものをまとめたものが3ページ目でございますが、これにつきましても後で出てまいりますので、まとめてご説明したいと思います。
次に、5ページをご覧いただきたいと思いますが、日本年金機構は兵庫事務センターの事務処理遅延・書類紛失について、その後、事実関係について追加の調査あるいは監査を行っております。近畿ブロック本部における調査結果から、先ほども申し上げましたように250件の事務処理遅延等が発生しておりますけれども、これは兵庫事務センターにおきます特定のグループで発生をしております。グループというのは仕事の単位でございますので、課のようなものというふうにお考えいただければいいかと思いますけれども、そこのグループの特定の職員の担当分に係る分に多くの事務処理遅延などが発生している。250件のうち少なくとも148件はその方のご担当であったのではないかと思われるものでございます。
こういう事態を踏まえまして、その職員を含め、その上司あるいは同グループの職員などにも全体で本人も含めて20人、本人以外で19人の方ですが、事務センター長以下の職員にヒアリングをいたしました。事実関係のみにつきましてヒアリングをいたしましたところでございますが、その結果判明した原因などにつきましては、まず担当している特定の職員自身の処理の進捗管理ができていないということ。それから、当該グループのグループ長も当然、しっかりグループ内の進捗管理をするべき立場にいるわけでございますけれども、その進捗管理が極めて不十分な形になっている。それから、これは兵庫事務センター全体の、あるいは日本年金機構においても他のところもそういう状態があるかもしれませんが、業務が担当者ごとの縦割りになっていて、担当者以外が正確な進捗状況を把握できていないということでございまして、本人、担当者に聞かなければわからないという状況にどうも陥っているのではないかということでございました。なお、当該特定の方については、事務処理遅延などの一部についてはみずからかかわったということは認めているという状況でございます。
次にもう一つ、これは監査でございますが、近畿ブロック本部からは、先ほど申し上げましたように、調査としては、受付簿の処理未済となっているものについて全件調査を行ったという結果、250件の事務処理遅延などが出てきたという報告でございましたが、本部監査部においては、当該特定の職員が担当し事務処理を行ったと想定される書類、平成22年1月以降の遺族年金請求書など約4万件につきまして、全件について処理が完結しているかどうかの調査を行いました。その結果、事務処理遅延が、250件以外にということでございますが、2件、それから紛失が10件新たに判明したところでございます。早速、これは問題でございますので、ブロック本部、兵庫事務センター共同でお客様への直接確認などの対応は行わせていただきまして、現在完了をいたしているところでございます。
他のグループも当然ございますので、他のグループについては、総点検ということで自主的な点検を行っておりますので、その結果、1と2、つまり特定のグループの問題以外には、事務処理遅延なり紛失は報告されていないという状況でございます。
次の6ページをご覧いただきたいと思います。
それで、監査などの追加調査の結果も踏まえた処理遅延の全体像と現状の姿はどうなっているかというのをまとめたものでございます。これは括弧で書いた数字は、後で監査のときに判明したもので、内数となっています。250件でございましたが、12件追加されましたので、判明した総数が262件でございます。そのうち8月9日時点では、その2件も含めてですが、244件の完了件数、それから未完了が18件ということでございましたが、9月24日時点、昨日時点でございますが、お客様への対応が完了しているもの、つまり、お客様に事態のご説明をし、必要な対応についてご説明をしているものでございますが、全件のお客様への対応は一応完了いたしております。ただ、事務処理がまだ完了していないものが全体で12件でございます。うち1件が書類紛失に係る後から判明したものでございますが、お客様に書類の提出をお願いしているという状態のままでございますので、その状態がまだ続いているというような状況でございます。
そこで、次の7ページでございますが、兵庫事務センターの事案について、大体いつ頃の年代に受け付けたものがあるのかということで、表にしてみたものでございます。平成21年に4件、平成22年に79件、平成23年が75件ということで、全体でいうと262件ということになってございます。
次に、9ページからご覧いただきたいと思います。
9ページにつきましては、日本年金機構の中で年金事務所等におきます事務処理遅延等については、自主点検ということで全ての年金事務所、それから事務センターにおいて未処理届出書の点検を行うようにということで、指示依頼でお願いをしているところでございます。8月末ということで取りまとめをし、その後の処理なども行った結果でございまして、順次、結果につきましては、先ほど理事長からも出ましたように、総数、全拠点数が40カ所、うち年金事務所が29カ所、それから事務センター11カ所で、総計40の拠点で事務処理遅延や書類の紛失が出ているということでございます。件数にしまして約1,151件ございます。お客様対応ということで、お客様のほうにご連絡をして、お詫びを申し上げているものが、全件対応は一応昨日時点で完了しているというものでございます。
そこで、具体的な内容でございますが、幾つかに分けてご説明したいと思います。1拠点当たり100件以上の処理遅延があったものということで、4つの年金事務所でございました。計677件でございます。それは函館、室蘭、日立、木更津というものでございます。それ以外の年金事務所、拠点でどれだけのものがあったかというのは、次のマル2をご覧いただきたいと思います。
次に、事務処理遅延として内容はどういうものかをまとめたものが次の10ページの(2)でございますが、再裁定の本部への進達処理が遅延しているもの、それが468件ございます。それから、ねんきん特別便を初め、各種便が出ておりますが、回答などが寄せられているにもかかわらず、その処理を遅延しているものが201件、それから、年金関係の請求書、諸変更の届け出などの処理を遅延しているものが149件、それから、加入記録の訂正をしなければならないのですが、その場合の処理が遅れているものが約100件、それから、国民年金の免除等の申請書の処理が遅れているのが80件といったような内容となっております。
次に、備考1と書いてありますが、この全体の1,151件のうち、進捗管理を図るために受付進捗管理システムというものを平成24年10月から導入しておりまして、10ページの下にございますが、注として少し書かせていただいていますけれども、受付進捗管理システムというのは、バーコードを活用しまして、受けた届出書の表面にバーコードをとにかくつけていくということで、それを読み取ることで受付あるいは進捗管理をしていこうということで導入したものでございます。残念ながら、マル1にございますように、受付進捗管理システムにまだ未入力であったというものが144件ございました。それからその次に、次の11ページでございますが、受付進捗管理システムに入力はされてはいたのですが、その後の進捗管理がそのシステムを利用して十分に行われていなかったものというのが223件ございます。それから、備考2でございますが、書類などの紛失が判明したというものが19件ございました。
現時点でのこれらの対応状況でございますが、1,151件全てについては、お客様にお詫びの上、ご説明を行い、お客様対応としては一応の完了ということでございますが、事務処理につきましては、ここにありますように134件についてまだ処理が終わっていないというものでございます。ただ、これはお客様に書類の提出をお願いしていたり、医療機関に初診日等を照会しなければならなかったり、あるいは、共済組合などから情報提供を受けなければならないといったようなものとなっております。
全体を通してでございますが、何が原因なのかということでございます。我々でいろいろと、これまででわかった範囲ではございますが、やはり管理体制といいましょうか、届出書がいっぱい出てくるわけですけれども、届出書が出てきたとしても、その進捗をちゃんと管理されているのか、確認はされているのかということでございます。それから、多いのは、不備な届け出として出されていて返戻するという場合がありますけれども、この返戻の扱いが徹底されていないがために、どうも現場で持ったままになってしまって、それがいつの間にか処理遅延になってしまっているというようなケースもあり、この辺の取り扱いも我々としても見直しをして徹底していかなければならない点があるということでございます。
それから、何よりも我々としては、これを徹底的にやっていかなければならないと思っていたのですが、残念ながら受付進捗管理システムが運用していく上でやっぱり不備も多少あったということでございまして、受付あるいは返戻したという事蹟管理がちゃんと反映されていないということがやっぱり起きていまして、この点の徹底がどうしても不可欠ではないかと思っているところでございます。
次に、4.でございます。
先ほども幾つか申し上げておりますが、再発防止として、我々は兵庫の事案にも書いてありますが、まとめてここの点でご説明をさせていただきたいと思いますけれども、まず、業務処理マニュアルを徹底していく必要があると考えております。1つは、受け付けた届け出は確実にシステムに登録して、まずそのシステムの中に入れる。これがないと、書類がなくなってもどこへ行ったかわからない、あるかないかすらわからないという事態になりますので、武器としては昨年10月に用意いたしましたので、これを徹底的に活用してそのシステムの中に入れていきたいと思っています。これは周知徹底を何度も何度もこれまでも図ってきたところでありますが、なかなか十分には徹底されておりませんので、更に徹底を期していきたいと思っています。
それから、まず業務処理がちゃんと進んでいるかどうか。未処理のものについての確認をしっかりしていただくということが必要ですので、一定期間経過しても処理されていない、動きのない届け出については、毎週必ず管理職員による確認を徹底していただくといったようなフォローの対応を必ずやっていただくということも、徹底していかなければならないのではないかと思っています。
次に、マニュアルの見直しも行う必要があると考えておりまして、運用のルールが明らかになっていなかった部分については明らかにして、業務処理を徹底していくということを考えております。次は年金事務所の場合でございます。事務センターは業者で受付進捗管理システムには登録しますので、ここへ出てきますのは年金事務所の職員が行っていますので、あらかじめ登録作業をする人は誰かということを明らかにする。それで、その人に渡せというのをまず明らかにしなければ、どうも誰かがやっているということでは困るということですので、そういうのを明らかにしたいと思っています。
それからもう一つは、先ほどから出ています返戻についてですけれども、基準を明らかにして、処理の保留が長期化しないような対応をしていきたいと思っております。
次に、受付進捗管理システム自体も機能強化を図っていく必要があるというふうに考えています。事務をできるだけ効率的に行っていただく必要がありますので、そのためには業務改善になるようなことも、作業の効率化を図っていく必要があるということでございます。平成26年4月に動かそうと思っているものでありますが、現在は受付進進捗捗管理システムは事務センターと年金事務所の間はつながっています。つまり、年金事務所で受け付けたものは事務センターでどういうふうになっているかという状態は見られることになっているのですが、本部への進達が絡んできた場合については、本部でどうなっているかというのが見られなければという状態に現在なっていますので、これは早急に手直しをして、受付進捗管理システムから本部での処理状況も確認できるようにしたいと思っております。
それから、事務処理で1個ずつ入れますと、それぞれ受付登録をしていくことになるのですが、それについても基礎年金番号を入力することで、オンラインシステムで管理している基本情報であります氏名とか生年月日とか住所については自動的に収録されるというような仕組みを入れて、作業の効率化を支援していきたいと思っています。来年度の開発になってしまうのですが、やはり受け付けをして何日か経過しているものについては、必ずいつでもどれぐらいの件数があるのか、あるいは未処理の件数を見にいくときにすぐに見にいけるような、検索の工程を短縮していくといったようなことを図っていって、事務の効率化も図っていきたいと思っています。
こういった受付進捗管理システムの効率化を図りながら、マニュアルによります、やっぱり現実の現場の管理者なり本人の入力の徹底とその確認の徹底ということを進めていきたいと思っているところでございます。
監査においても、残念ながら、これまで平成21年から平成24年にかけまして、今回出ました40カ所も含め、兵庫事務センターも含め、全ての年金事務所、事務センターには最低一度は、一般監査でございますが、監査に行っております。その都度、残念ながら、事務処理遅延についての指摘もしてきております。それは379件の指導を行ってきているところでございますけれども、残念ながら、兵庫につきましても指導してきたところでございますが、大型の案件について発見するに至らずということでございまして、この点については監査の強化も図っていかなければならないと思っているところでございます。
監査につきましては、未処理書類の定期的な確認と受付進捗管理システムへの運用が適切に行われるかどうかを、事務センターや年金事務所が行います自治監査と、本部が行います本部監査の重点事項としてチェックをし、無予告で全ての拠点を対象に監査も行うということを本年6月から実施しているところでございます。
以上でございます。
(磯村委員長)
ありがとうございました。
(日本年金機構松田理事)
続いて、時効特例の説明を簡単にさせていただきたい。
(磯村委員長)
一応こちらの説明を先にしてから、その後でまたひとつよろしくお願いします。
はい、どうぞ。
(三木委員)
非常に深刻なゆゆしき事態だというように思います。ただ、直さなければいけないことというかやらなければいけないことは非常に明快だと認識しておりまして、3つあるのだと思います。
まず1つ目は、銀行などの非常に信頼度の高いオペレーションができる組織であれば、特にそういうものは必要ないのですが、そうでない一般的な場合は、通常バーコードで管理する場合は、割符というか、お客様にもバーコードを渡すわけです。それは例えば宅急便をコンビニで受け付けをする場合もそうですし、郵便局で受け付けをする場合もそうなわけです。郵便局の場合も宅急便の場合も、その後はバーコードの複写であったりとか、郵便局だと割符になっているものを渡して、それをぺたっとその紙に張りつけると、そこから先はバーコードでずっとプロセスを追っていくので、究極的にはというか、今はどこでも大体そうなっているわけなのですが、基本的にはネットで、自分の紙の届書がどういう遷移をしているのかというのはエンドユーザーが見ることができるということになっているのが普通なわけです。
基本的には、今の日本年金機構が持っている届書管理システムというバーコードシステムに乗せるという観点でいえば、実はもともと郵便局というのは連番で振ってある割符形式になっているバーコードを手元に持っているというようなことだったりとか、宅急便もそうなわけで、伝票のもともとの紙のもので刷っておけば、今のものに乗せることも実は全然難しいことではないわけです。お客様の手元にバーコードが残るだけなので。あとは、それを中で今までと同じように運用するということだと思います。
あと、もう一歩進めていくと、バーコード管理では、これは通常はPOS(ポス)でもそうですけれども、誰がそのバーコードを読んだかということは、POS(ポス)レジに行くと、手元のこういうものでチュッと店員さんがチェックして、それで打つというのをご覧になられたことがあると思いますけれども、誰がやっているかというのは基本的には完全にわかるようになっているわけです。ステータス遷移をそれで追っていけば、だれがこのステータスの担当者かということもわかるわけでして、そこまで次の段階で行ければ、全くこういう問題はなくなるはずだというように思います。
ただ、少しこのことに関して1つだけ付言すると、バーコードに登録する人を決めるという記述がこの中にありますけれども、できれば本当は、人の管理ができるようになれば、とにかく窓口の水際でとった担当者が受領して処理をしたというところで、一旦そこでその人に責任が全部行って、責任が分解されるべきなので、少し長期的には届書をとにかく登録する係を決めるという運用は必ずしもいいかどうかわからないので、それは検討しなければいけないと思います。
2つ目は、兵庫以外に全体で約1,000件あったということだと思うのですが、基本的にはお客様というのはこういう問題があると3%から6%の人が電話してくるものです。そういう意味では、本当は30件とか60件とかはお客様から電話が入っているはずです。それをきちんとシステム的に把握する仕組みがないせいで、恐らく年金事務所でのクレーム電話として何となく誰かが受けて、どうなっているんだとか言われて、消えているはずなのです。日本年金機構の中で現在CRM、つまり顧客対応システムのようなものを作られているかどうかわからないですけれども、そういうものを作られる場合は、きちんとシステム的にこういうお客様からのクレームがあったものを把握して、これがどうなっているんだということを追えるようにしなければいけないと思います。そういう意味では、今言ったバーコードのシステムとCRMのシステムというのは、基本的には基礎年金番号で連動することができるはずなので、統合的に見られるようにしていかなければいけないと思います。
あと、3つ目は、今こういう問題が起きている中で、枝番の番号をどう付番するかということが、事務センターからの戻しの場合とかがあるのだと思います。返戻の場合の処理に関して、枝番をどうバーコードでつけるかとか、そういうことに関しても考えていかなければいけないというようなワークフロー上の問題があるのですが、一番の問題は、返戻を年金事務所にしていることが1つ問題なわけです。本当は事務センターから直接エンドユーザーに返戻していれば、こういう問題は起きていないかもしれないというようなことがありますので、そういう意味では、個々の書類の管理という観点だけということでなくて、そもそも間違わないように、業務フローをできるだけ簡潔にして、エンドユーザーに事務センターから送ったら、案件はクローズだというようなワークフローをきちっと提示すると、そういうことが一番大事だと思います。
(磯村委員長)
ありがとうございました。
今お答えになりますか。
( 日本年金機構深田理事)
ご示唆に富むご意見をいただいているかと思います。バーコードの管理の方法というのは、まだ10月に入って、現在、我々としてはとにかく入力を徹底してくれと言い続けてきたという状態にあります。これは改善していかなければならないことは当然必要でございますし、ご意見いただいたような内容については、当然、十分に検討していきたいと思っております。
更に、電話の関係というのも、確かに現在はそういったコールセンターなどへの電話とかが、こういうものがあったということが具体的に統計的に処理されている状況に現在はありません。年金事務所に大体来るのではないかと思っているところでございますが、基本的には、あれば年金事務所に回付して、そちらへどうぞというふうにご案内しているのが現在の状況でございます。
それから、業務フローについては、我々も正直言って、今後どういう形で事務センターと年金事務所の関係を作っていくのか、再構築していくのかといったような問題もあるというふうに考えておりますので、あわせて検討していきたいというふうに思っています。
(磯村委員長)
はい、どうぞ。
(三木委員)
年金事務所と事務センターの業務分担のときに一番大事な視点は、どこでお客様と責任を分解するかということで、大事なことは、とにかく組織の中に入ったもの、データベースに入ったもの、届書として受け取ったものというのが、その中身の完全性があって、そこで受け取ったということになるのであれば、それはもういいのです。ただ、それが一旦窓口で受け取ったのだけれども、実はそこでチェックはしないで、事務センターへ行って、事務センターでもう一回見たら何かおかしかったとかいうと話がおかしくなってしまうわけで、そういう意味では、今後のチェックプログラムであったりとか、年金事務所と事務センターの仕事の分担ということは、どこでお客様と組織の中で分解する水際の線を引いて、その一旦受けたら完全に運用をすることができる状況を作るかという視点で業務フローを、もう一回きちんと年金事務所と事務センターが徹底的に、本当にゼロから考えたほうがいいと思います。
(磯村委員長)
どうぞ。
( 日本年金機構深田理事)
これから我々として考えなければならないのは、書類はできるだけ動かさないということを基本にフローは考えていかないといけないと思っておりまして、そういったものに向けていろいろなシステムを作っていきたいと思っております。参考にさせていただきます。ありがとうございました。
(磯村委員長)
はい、どうぞ。
(白石委員)
先ほどのお話の中で、日本年金機構さんも、結構この案件を重要視されているということはお話でよくわかりましたけれども、やはり今のご質問に対する回答を聞いていますと、普通、民間企業でしたら、これだけの案件が出たら、すぐその場から再発防止策を実行しますが、スピードがないと感じてしまいました。一応、対策としましては、マニュアルに基づく事務処理の徹底とかシステムの改善というお話がありますけれども、やはりこれを使うのは人間、職員の方たちです。そうすると、それが実行されて成果が出ているかどうかという部分、この成果を出す期間がすごい短期間でなければいけないのだと思うのです。そういうことを考えますと、やはり職員の意識を徹底的に変えていかなければいけない。先ほど、理事長のお話の中にも、意識、風土を変えていくというお話も入っておりましたけれども、やはりそのスピードというのが相当求められていると思うのです。
そういう部分でいきますと、私はできたら、これは要望ですけれども、日本年金機構本部の方たちが監査とかそういうのではなくて、違う立場で各現場に行って生の声を届けることによって、現場と本部の接点が近くなる。肌と肌で感じる、温度差がなく、心も開いてという部分が出てくると思いますので、できたら生の声を届けていただきたいと思うのです。そうでないと、これだけのマニュアルをただやれやれというのでしたら、やはりなかなか実行できないし、これでよいのだという、どうしても今までの風土はそうは簡単には変えられないと思いますので、できましたら生の声を届けていただけるような仕組みも少し考えていただけたらと思いました。
(磯村委員長)
ありがとうございました。
何かございますか。
( 日本年金機構深田理事)
ありがとうございます。我々もこれまでも役員初め、拠点、ブロック本部、それぞれに訪問をして、この話というよりは全般的なお話から組織の目標、目的、とにかく理事長からももう年度当初から言われていることですけれども、記録問題の解決に向けた努力、それから国民年金の収納率の向上、それから事務処理誤りの根絶、この3つが課題であるということは、再三にわたり、理事初め、地方に出かけていって、現場でそれは話をしているところでございます。それは当然これからも続けていきたいと思っております。
(磯村委員長)
はい、どうぞ。
(日本年金機構水島理事長)
お二人の委員がおっしゃることは非常によくわかります。それで、ただ、実はこのシステムの仕組みを運用していく上で入り口と出口をいかに押さえるかということの状態から、まだ出ていないのです。それをやらなければいけないと。だから、入り口で誰が入れたのかとか、そういうことをどうシステムとしてチェックするのかとか、そういうことというのはやらなければいけないことはたくさんあります。本来こうあるべきだと思っていることも、我々の中でも議論をしています。しかし、では、おっしゃるとおり、スピード感を持って明日現場を指導するのはどうするかということになりますと、やはり入り口を徹底させるということと、入り口を徹底するときにやらなかったらわからないわけですね。そうすると、プリミティブに言えば、行って、書類を見て、そこにバーコードが張られているか張られていないかということをチェックするというところから、まず始めるという状態なのです。
監査はそれをきちっと見るということが大事だというところからスタートをしておりまして、それが年金事務所から事務センターに行って、それから本部に行くわけですが、おっしゃるとおり事務センターと年金事務所の関係とかがいろいろありますが、しかし、まだ県別に分担は異なっています。ですから、どういう形でチェックするべきかというものをシステムで決めるためには、事務センターと年金事務所の役割というものを今すぐ決めないと、それがシステムとしてでき上がらないのです。だから、それはやっていかなければいけないのです。
現在、事務センターの統合の中でそういう議論を進めようとしているわけですが、しかし、明日そういうことが起きないようにするためには、入り口と出口をいかに押さえるかと。それから、出ていったものが戻ってきたときにどういうふうに管理するのかと。それはちゃんと登録させると。そして、登録したものがちゃんと処理されているかということを、それはやっぱり管理者がきちっとチェックするのです。そのルールが、兵庫事務センターなどは管理者がチェックしていなかったということが最大の問題なのです。
何をやっていたかということで、そこで、さっき三木委員がおっしゃいましたけれども、クレームがあったはずだと。あったのです。だけれども、周りの人はあそこにクレームがあったということがわかっていても、それはあの人の問題だと思っていたわけです。その文化がいけないと言っているわけでありまして、それをチェックするためには、あるべき姿というのはわかりますが、まずやらなければいけないと思っているのは、入り口と出口をきっちり押さえて、それをチェックできて、マネージャーはこういうことを絶対にやらなければだめだというルールを作ってやっているかどうかということをチェックすると。ということからスタートしないと、この問題は解決しないと。とりあえずです。
ただ、おっしゃるとおり、この仕組みを作っていく上では、そもそも仕事のやり方全体の問題にも及びます。ご存じのとおり、事務センターに行きますと、ものすごく大量の書類がこんな箱で移動しているのです。その中でぽろっとなくならないという保証はどこにもないのです。だから、日本年金機構がやってきたことは、事務センターは第三者の委託業者に全部来たものは登録させると。だから、職員が登録しないから、事務センターでは必ず登録されるわけです。それで、出たところも必ず業者に登録させるから、一応わかるのです。ところが、ここで起きた問題は、本部に進達したものが戻ってきたものが、それは業者を通らないのです。これが漏れてしまったのです。これが返戻の処理が漏れたというのが、兵庫事務センターの最大の250件の大半です。こういうことです。
ですから、おっしゃることは非常によくわかります。それで、そういうふうな方向を求めていかなければならないと思います。ただ、現在、我々がやらなければいけないことは、非常にプリミティブな部分でできることで防げることをきちっとやっていくということについて、まずスタートをいたしましておりますので、ぜひご理解をいただきたいということでございます。
(磯村委員長)
はい、どうぞ。
(大戸委員)
あと、私どもの手続もそうなのですが、年金事務所に持っていっていいものと直接、事務センターに送ってくださいというものがあるのですが、それを最初に年金事務所にとにかく持っていって、そこから事務センターに送るというシステムをきちんと構築していただきたいと思うのです。1つは、事務センターにぱっと送っていいものと、窓口でやってもらっても構わないという両輪があるのは、よくないと思うのです。全てが年金事務所で受け付けて、それを事務センターへといったほうがいいと思うのですが。
(磯村委員長)
はい、どうぞ。
( 日本年金機構深田理事)
ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。ただ、これまで少し経緯がございまして、事務処理がそれぞれの都道府県単位で仕事を行っていた関係で、処理の仕方がどうも少しずつ違っていた。現在それを統合していって、統一的なやり方で処理しようと少しずつなのでちょっと見えないのですが、変えていきたいと思っていまして、その際にはできるだけ年金事務所の仕事は対人、それから対企業といった窓口の機能を強化し、事務センターは書類の処理に特化していく。だから、いろいろな書類も事務センターで一括して引き受けられるようにという形でできるだけ進めていって、円滑にやっていかないと事務がとまってしまいますので、少しお時間は必要なのですが、そういった形であり方を整理していきたいと考えております。
(大戸委員)
ぜひそのようにお願いしたいと思います。
(磯村委員長)
よろしいですか。
はい、どうぞ。
(岩瀬委員)
少し細かいことをお尋ねしたいのですが、遅延したというのはどれぐらい遅延しているのですか。最大遅延者ケースとその遅延の中身というものを少し教えていただきたいのと、遅延したことによって年金が受け取れなくなった人がいるのかどうか、兵庫事務センターの事案だと死亡してしまったというケースがあったと思うのですが、そのケースがあるかないか。それともう一つ、兵庫の場合は死亡してしまって処理ができないということだったのですが、今はこの資料だと全件処理ができているということは、遺族の方が見つかってちゃんと処理ができたのかどうか。それとあと、無予告監査は今回だけではなくて、今後定期的に続けていくのかどうか。その辺を教えていただけますか。
(磯村委員長)
どうぞ。
( 日本年金機構深田理事)
まず、すみません。少し資料の私の説明が飛んでおりました。最後の13ページをご覧いただきたいと思うのですが、13ページが総点検におきます受付時期別の書類の分布でございます。これでよろしいでしょうか。
(岩瀬委員)
例えば、平成25年に323件、処理されていない書類があったということでしょうか。
( 日本年金機構深田理事)
その一番古いものということですか。
(岩瀬委員)
これは平成25年に判明した件数なのか、受け付けた件数ですか。
( 日本年金機構深田理事)
これは受け付けた件数です。ですから、いつの時点で出された書類だったかということを年度別に分布を示したものでございます。
(岩瀬委員)
ということは、例えば平成21年だと……。
( 日本年金機構深田理事)
平成21年以前のものが255件あるということです。
(岩瀬委員)
これは例えば受け付けて、大体、普通は何カ月かで処理されているわけですよね。例えば平成22年だと、受け付けたまま、平成22年のまま放置されていたということでしょうか。
( 日本年金機構深田理事)
そうです。
(岩瀬委員)
わかりました。死亡した人はいないのですか。
( 日本年金機構深田理事)
死亡した方は今回はいらっしゃいません。
(岩瀬委員)
兵庫のケースは遺族の方がわかったということでしょうか。
( 日本年金機構深田理事)
はい。
(磯村委員長)
よろしいですか。
(岩瀬委員)
わかりました。
(磯村委員長)
他には。
実は、たまたま4月のこの委員会の場でしたか、事務処理誤りの第1ラウンドを確かご審議いただいたと思いまして、残っている部分については、第2ラウンドとして11月にお願いしようということでご理解をいただいていたと思いますが、そのときに、ここに書いておられますいろいろな再発防止策等のどこまでできたかも含めまして、改めてその第2ラウンドの11月のところでもう一遍、やっぱりこうだったとか、いやいや、これはここまでできたとかいう話をお伺いするということでいかがでございましょうか。
実は、私も聞きたいことはいっぱいあるのです。あるのだけれども、少しここは我慢しまして。例えば、さっきのお話ですと、全部監査が入っているのですね。理事長のお話でもありましたように、その監査で見抜けなかったのが問題だというお話がありました。それはまことにそのとおりなので、この再発防止策のところの4に監査の重点項目としてチェックしますと書いておられますが、何をどうやって、どんな目で見るのか、その辺のこともぜひ聞きたいのです。だから、そんなこともあわせまして11月にもう一遍いろいろ実施状況をお伺いするという運びでいかがでございましょうか。よろしいですか。
何か。どうぞ。
(大熊委員)
お客様対応というのがたびたび出ましたが、あなたの書類、なくなってしまいましたということを言いに行くわけでしょうか。そうすると、先方はどういうふうに反応し、それに対してどういうふうにされたのかが知りたいのですが。
(磯村委員長)
どうぞ。
( 日本年金機構深田理事)
お客様対応としては、お客様に、紛失したケースであれば、なくなってしまっていますということをお伝えして、謝って、今後の対応で、こういう書類でしたということで、もう一度出していただけないかということでお願いにいくということになります。多くの場合は、びっくりされたり、怒られる方のほうが多いと思います。それはこちらの非でございますので、頭を下げて謝罪するしかないと思っています。
(磯村委員長)
ご納得いただけますか。
(大熊委員)
すごく怒りそうで、どうなんだろうと思って。
(磯村委員長)
では、そんな運びでよろしゅうございましょうか。少し時間も大分たちましたので。
それでは、最後の議題を1つ。よろしくお願いいたします。
(日本年金機構松田理事)
それでは、続きまして時効特例給付の業務不統一について説明したいと思います。予定の時間を超過しておりますので、手短に説明をしたいと思います。
本件でありますけれども、4月のこの特別委員会にも時効特例給付の業務実態について調査した調査委員会の調査結果を報告しまして、その際に、今後どういう対応をするのかということも説明をしたところでございます。去る9月10日に総務省の年金業務監視委員会に、その後の対応状況について中間的に整理を行いまして、報告しております。本日はその資料に沿いまして、対応状況について簡潔に説明したいと思います。
対応として考えておりましたのは、不統一ケースの是正、これは要するに本来支払うべき給付がされていない方について追加的な支払いを行うということと、それから、不統一ケースが他にないのかどうかを検証していく作業であります。それから、不統一ケースが発生しないように、再発防止をするということでございます。
まずは不統一ケースの是正の関係であります。参考資料1、1枚紙がついておりますが、これを少しご覧いただきたいと思います。
調査結果では10ケースが調査委員会の調査対象になったわけでありますが─この資料のまとまりの後に1枚紙がついていると思いますが、参考資料1です。調査委員会で調査対象にした10ケースについて、4ケースについて不統一が見つかったわけでありまして、まずはこの不統一4ケースについて追加支給が必要かどうか点検作業をしてきたところでございます。
2ページ目をご覧いただきたいと思います。
ここの表に書いてありますけれども、4月に報告しました調査委員会の調査結果では、追加支給の件数が1,311件でありましたけれども、最終的に確認して確定した件数は1,155件となっております。この追加支給が必要な方に対しまして、7月以降、ここに書いてありますけれども、順次、追加支給をしてきております。9月までに支給した件数は1,103件になっておりまして、まだ追加支給ができていない方が、この表の支払い先等の照会のところにありますけれども、52件残っている状況になっております。これは受給者の方が亡くなられて、遺族等の方に対して支払い先を確認しているものでございまして、確認ができ次第、順次、追加支給をすることで考えているものでございます。追加支給についてはケースごとの件数を参考資料の2に書いてございますので、後ほど確認いただければと思います。
2ページの(2)に書いてあることでございますけれども、4ケースについて、調査委員会では昨年の10月までの310万件を調査した結果、1,311件、不統一ケースがあったという結果であったわけでありまして、この310万件に対して1,155件、追加支給の件数が確定したわけでありますが、その後の11月以降5月までの処理分、これは約39万件ございましたけれども、これについて点検した結果、追加支給が必要な対象は9件で、これはこの資料では9月6日時点と書いてありますけれども、最終的に9件で確定しております。9件、不統一ケースがあったということでありまして、これについては10月以降、お支払いをすることで考えております。したがいまして、4ケースについて言いますと、1,155件プラス9件の不統一があって追加支給が必要な件数ということでございます。
次に、3ページをご覧いただきたいと思います
今まで説明しましたのが、追加支給が必要な4ケースについての対応状況でございまして、3ページは、4ケース以外の6ケースについてと、4ケースと6ケースの10ケース以外のケースについての、不統一があるかないかの検証作業の関係であります。
検証についてどういう考え方でやるかが、まず3ページに書いてありまして、6ケースについては、客観的に不統一は見つかっていないのですが、可能性があるのではないかというのが調査結果であったわけでありまして、この6ケースにつきましては、年内12月までに不支給分については全件、支給分については平成19年から各年3月分を点検をすることで考えております。
それから、10ケース以外、これは具体的に不統一が生じ得るケースも特定することはできていないわけでありますけれども、まず通常の業務処理を行う中で不統一ケースに該当するものがあるかどうかを確認する作業を現在やっております。それから、現段階で不統一があり得るかもしれないケースとして、詳細は説明を省略しますけれども、偽名ケースというものと、もともと職員が問題提起した事案ですけれども、問題提起に関連する3ケース、これを具体的なケースとして年内までに点検をすることで現在作業をしております。加えまして、平成22年10月から12月までの全件、これは19万件あります。4ケースの不統一が一番多かった平成22年の処理件数を拾っているものですけれども、これについて年度内に点検作業をすることを考えているということでございます。
これらの進捗状況、4ページをご覧いただきたいと思います。
現時点でまだ全て点検が終わっているわけではありませんけれども、これまでのところでは不統一ケースは判明していないという状況になっているということであります。
少し飛ばしまして、続きまして5ページ以下、再発防止の取り組みの関係について状況を報告したいと思います。
まず1点目、処理基準の整備・明確化の関係であります。そもそも処理基準が文書化されていないということが指摘をされたわけでありまして、これについてはまだ完成しておりませんけれども、現在、年金局とも協議・調整をしながら、できるだけ早く10月には処理基準を作成すべく、作業を進めている状況にございます。
それから(2)の関係、まず、処理基準等についての周知徹底の関係であります。これも情報共有のルール化ということで、きちんとそういった処理のルールについては、共有ホルダーにわかりやすくきちんと格納するということで、ルール化を徹底しております。
続きまして、6ページでありますけれども、マル2の関係であります。周知を図るための研修・勉強会、これも適宜、充実しながらやっておるところでございます。
続きまして、(3)疑義があった場合の対応、取り扱い、運用について疑義があった場合の対応でありますけれども、きちんと文書でされていない、あるいは年金局で時間がかかってしまったということが指摘をされておったわけでありますけれども、まず日本年金機構の対応といたしましては、疑義照会については文書で照会することを徹底するということで取り組んでおります。それから、年金局では、照会があれば、できるだけ早くということで、基本的には2週間以内に回答するということで取り組みをいただいているところでございます。
続きまして、7ページをご覧いただきたいと思います。
審査体制の改善の関係であります。幾つか取り組み事項がございました。まず、迷った場合には上位者と協議をする。これも現在、周知徹底をしながら、協議を徹底しているところでございます。それからマル2の事項、担当部長、要するに管理職が進捗管理だけしていると。どれだけ処理ができているかという、そういう進捗管理しかやっていなくて、問題事例等の把握ができていなかったということでありますけれども、これは定例会議でそういった問題があるかどうかということもきちんと確認することを徹底しております。それから、チーム編成の見直し。チームが固定化するということは余りよろしくないということがありますので、これも人事異動を契機にして、見直しをするということに取り組んでいるところでございます。それからマル4、事後点検もことしの4月以降、事後点検をしているところでございます。それから、機構の監査部における監査でございますけれども、今年度下期に監査をやる予定にしているところでございます。
それから(5)、これは厚生労働省の年金局の対応でありますけれども、日本年金機構に対する積極的な指導・監督ということで、年金局でも取り組みをいただいているところでございます。特にマル2の事項、本件についてのフォローアップでありますけれども、これはまず日本年金機構の中に理事長を委員長にした検証委員会というものを設けておりまして、現在、基本的には月1回、対応状況に問題がないかどうかを確認しております。この状況について年金局でもフォローをいただいているという状況になってございます。
それから(6)、コンプライアンス対応の関係。まず、職員から問題提起があった場合に、きちんとくみ上げていく。こういった形にしていく必要がありますけれども、風通しのよい職場環境、コミュニケーションの活性化、それから、先ほど理事長からもお話がありましたけれども、いろいろな制度の運用の改善ということも取り組んでいるところでございます。
最後は9ページ、日本年金機構、それから厚生労働省年金局の責任の明確化の関係であります。まず、日本年金機構でございますけれども、これは9月10日に関係者の制裁等を決定して、公表したところでございます。厚生労働省の状況でありますけれども、ここに書いてございますけれども、厚生労働省の監察本部で桝屋副大臣を主査とするワーキングチームで現在まだ調査をされていると聞いておりまして、この結果を踏まえて必要な処分は行うと聞いておるところでございます。
少しはしょった説明になりましたけれども、状況は以上のとおりでございます。
(磯村委員長)
ありがとうございました。
何か。はい、どうぞ。
(三木委員)
基本的には品質管理の問題だというように思いますが、まず1つは、この中でも少し記述がありますけれども、複数の担当者がいた場合みたいな話に書いてありますけれども、絶対間違わないということは人間なのであり得ないので、基本的には絶対間違わないようにするのにできるだけ近づくためには、複数でやっていくということを基本にするということだと思います。
その上でですけれども、複数でやった場合も担当者が2人とも間違っているという可能性も十分あり得るわけなので、今、品質管理は抜き取り検査をするという記述がありますが、基本的にはまず抜き取り検査の場合は、初期の場合はやっぱり上位者の人が業務を理解しているということが前提ですけれども、全件、多分見ないとなかなか品質が出てこないだろうというようにまず思います。そういう意味では、初期の段階ではちゃんと上位者が、品質をチェックするというよりは、本当に理解した上で全部フォローしていくという姿勢をまず大事にしなければいけないと思います。
その後、継続的に管理する場合もそうですけれども、基本的には、チームを固定化するのがいいのかどうかという議論もありますけれども、一定の測定単位で測定しないと品質というのは測定できないので、1週間、山田さんと田中さんという2人のセットがやったというユニットで、例えば500件やったとした場合は、大体JISの規格で決まっていて、例えば1%のミス率というようなことであれば、50サンプルを見て、そのうち1件だったら、AQLと言うのですが、許容できる品質は1%だというのは、それは算数で決まっているわけでして、基本的には10%ぐらいは抜いたほうがいいのだろうと思います。そういう運用を、抜き取りをある測定単位できちんとやるということを明文化して、10%は見るというようなことを継続してやっていくということが非常に大事だというように思います。
あと、これはいろいろな話でいつも出てくるのですが、やはり日本年金機構の業務というのは、とにかく代数の法則が働く世界にすぐなってしまうので、きちんと品質管理をそれぞれの部署でやっていくというようなことが必要なので、これは個別にこうして出てきた事案が云々ということではなくて、多分、品質管理部と監査部も品質管理概念というものを全社的にどう入れていくかということはきちんと検討するということが必要だと思います。
(磯村委員長)
ありがとうございました。
どうぞ。
(日本年金機構松田理事)
ただいま品質管理ということでご指摘、ご意見がありましたけれども、現在、先ほどありましたように、基本的に審査については複数で、主担当、副担当でやっておりまして、確かに迷うケースについて上位者について協議するという形になっております。現在、先ほど指摘もありましたけれども、事後的にチェックをする形になっておりまして、先ほども言われたように、10%というのは通常業務をする中で件数を増やすこと、少し工夫はしてみたいと思いますけれども、なかなか難しい面もあります。したがって、今1%の事後的な点検になっておりますけれども、少しどういう事例で誤りがありそうなのか、あるいは、複数で審査をやっていますけれども、どちらも誤っている可能性というのも、確かにご指摘のようにあり得るわけでありまして、そこはどういう事例かというのも、中身を確認しながら、確かにこういうものは少し周知が徹底できていなくて、両方とも間違っている可能性があるというようなものとか、現在は1%の事後的なチェックではありますけれども、その中で少し問題がありそうなところは少し抽出率を高めるとか、そういう工夫ができるかどうかも確認をしながら取り組みをしたいというふうに思っています。
(磯村委員長)
どうぞ。
(三木委員)
おっしゃるとおりで、品質管理はコストというものがかかりますから、むやみやたらにその工数を増やしても意味がないわけでして、そういう意味では一番大事なのは、もともと持っている品質というものがどのくらいなのかということで、例えば日本の工場で絶対間違わないという品質でわかっているものは、チェックしないで工場で部品を受け入れて使うわけです。そうなれば、品質管理のコストというのは、こちら側の受け入れ側ではかからないわけでして、非常に大事なのは、そもそもその2人チームなら2人チームの持っている品質がどのくらいなのかというのを、初期の何かの業務をやり出したときにきちんと把握をして、それが定着することがわかれば、もうむしろそれは見なくていいというようなことだと思います。
それは今まで実は日本年金機構が従来型の業務をやっているときだけというのは、そういう職員の人がやっているか間違わないという状況だったと思いますが、今はさまざまな新しいことが起きてくる中では、新しいことについてこそ重点的に管理をしていって、そういうものはよく見ると。もう安定した業務は見なくていいのだと思います。そういう意味では、少し品質管理のウェイトをどう置くのかということは、きちんと整理をするというのは大事だと思います。
(磯村委員長)
どうぞ。
(日本年金機構松田理事)
ご指摘のとおりだと思います。もちろん、人が審査をするものでありますので、当然ながら職員のレベルというか、スキルとか習熟度の問題もあります。そのあたりはまさに上位者がどんな状況なのかをよく把握をしながら対応することが必要だと思っておりますし、今後、勉強会とか研修もできるだけ頻度も上げて取り組みをしたいと思っておりますので、そういった面も含めて品質管理に努めたいと思っております。
(磯村委員長)
ありがとうございました。
他に何かありますか。よろしいですか。何か一番最後に一言。よろしゅうございますか。
それでは、これで一応予定の議事はいいですか。何かそちらからありますか。
(梶野年金記録回復室長)
いいですか。では、次回の。
(磯村委員長)
どうぞ。
(梶野年金記録回復室長)
次回の日程ですけれども、すみません、お忙しいところを恐れ入りますけれども、10月31日17時からを予定しております。
以上です。
(磯村委員長)
30分ほど延長いたしまして、申しわけありません。これでお開きにしたいと思います。遅くまでありがとうございました。
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