広報の取組~いのち支える自殺対策~
厚生労働省自殺対策推進室では、年間を通して、さまざまな広報・啓発活動に取り組んでいます。
令和6年度の取組
各種相談窓口や取組などを紹介しています。
過去の取組
イラスト:細川貂々「ツレがうつになりまして。」著者
自殺予防週間と自殺対策強化月間とは?
【9月10日が何の日かご存じですか?】

9月10日は世界自殺予防デー(World Suicide Prevention Day)です。2003年に世界保健機関 (WHO)と国際自殺予防学会(IASP)が共同で開催した世界自殺防止会議(スウェーデン・ストックホルム)の初日を最初の世界自殺予防デーとして、世界的に自殺対策に取り組む責任があると決意表明(宣言)された日です。
The Day underlines the responsibility for all of us to help save lives that may be at stake. It is possible - we can do it.
(国際自殺予防学会(IASP)プレスリリースより抜粋)
Suicide can be Prevented! World Suicide Prevention Day - 10th September, 2003 Press Release
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うそ、ホント?自殺に関する俗説 と事実
自殺に関する俗説と事実
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自殺について話すのは良くない考えであり、自ら命を絶つことを助長していると捉えられる。 |
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隠し立てせずに話すことで、その人に他の選択肢を与えたり、その人の決断を考え直す時間を与えたりすることができ、それによって自殺を防ぐことができる。誰かが命を絶つことにつながるわけではない。 |
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自殺について語る人は、本当は自殺するつもりはない。 |
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自殺を考えている人の多くは、精神的苦痛や悩み、不安、抑うつ、絶望を経験しており、他に選択肢がないと感じているかもしれない。自殺したいという気持ちに基づいて行動を起こす人もいる可能性があるため、誰かが自殺したいという考えや感情について話す場合は、真剣に受け止めなくてはならない。 |
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自殺を考えている人は、死を決意している。 |
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それどころか、研究が示すところによると、自殺願望のある人は、「生きたい」気持ちと「死にたい」気持ちの間で揺れ動いていることが多く、ただただ苦痛から解放されたいと考えている。生きていたかったのに、衝動的に行動して数日後に死んでしまう人がいるかもしれない。適切なタイミングで精神面でのサポートを受けることで、自殺を防げる可能性がある。瀕死の重傷を負った自殺未遂者を対象とした研究によれば、そのような人たちの多くは、生き延びたことを喜んでいる。 |
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自殺のほとんどは、何の前触れもなく突然起こる。 |
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前兆なしに自殺するケースもあるが、ほとんどの場合は、言葉による前兆(例:「自殺する」と言うなど)または行動による前兆(例:命を絶つのに必要なものを買う)のいずれかがあった。だからこそ警告サインがどのようなものかを知り、それを見逃さないことが重要である。 |
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自殺願望を抱いたことがある人は、その後もずっと自殺願望を持ち続ける。 |
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深刻な自殺リスクは短期的なものであることが多く、本人にとってその時点で重要な複数の要因に起因している場合がある。自殺願望が再発することはあるが、それは永久的なものではなく、以前に自殺を考えたり自殺未遂をしたりした人が、再びそのような願望を抱かない場合もある。また、そのような人が人生を終わらせるために再び行動を起こすことはほとんどない。 |
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自殺願望を抱くのは精神的な問題を抱えている人だけだ。 |
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自殺願望のある人の多くが精神的な問題を抱えているわけではなく、精神的な問題を抱えている人の多くが死にたいと思っているわけでもない。自殺の危機においては、急性の感情的苦痛、慢性的な痛み、暴力の経験、社会的決定要因など、根底にある多くの要因を考慮する必要がある。 |
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自殺関連行動は簡単に説明できる。 |
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自殺関連行動は簡単に説明できるものではない。それは決して単一の要因や出来事の結果ではない。個人が自ら命を絶つに至る要因は多様かつ複雑であり、単純化して報道すべきではない。自殺関連行動を理解しようとする場合、健康状態、メンタルヘルス、ストレスを伴うライフイベント、社会的・文化的要因を考慮する必要がある。 |
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自殺は、人々が用いる問題対処方法の一つである。 |
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自殺を、問題対処のための建設的で適切な手段として描写すべきではない。自殺を考えた経験があり、困難な人生の状況に何とか対処した人の話は、まさに今、自殺関連行動を考えている可能性のある他の人々に、自殺とは別の選択肢を示すのに役立つ。 |
引用文献:自殺予防を推進するためにメディア関係者に知ってもらいたい基礎知識(2023年版)日本語版 付録4