- ホーム >
- 政策について >
- 審議会・研究会等 >
- 厚生科学審議会(感染症部会) >
- 第94回 厚生科学審議会感染症部会 議事録
第94回 厚生科学審議会感染症部会 議事録
日時
- 令和7年3月26日(水)9:30~12:00
場所
航空会館ビジネスフォーラム(5階)
議題
(1)再生医療等安全性確保法の対象から除外する核酸等を用いた感染症予防を目的とした医療技術について
(2)重点感染症リストの見直しについて
(3)「ポリオウイルスの取扱いに関する指針」(案)及び「ポリオウイルスに対する緊急時対応計画」(案)の策定に向けて(報告)
(4)風しんの追加的対策について(報告)
(5)医療法等の一部を改正する法律案の閣議決定について(報告)
(6)国立健康危機管理研究機構の設立準備状況について(報告)
(2)重点感染症リストの見直しについて
(3)「ポリオウイルスの取扱いに関する指針」(案)及び「ポリオウイルスに対する緊急時対応計画」(案)の策定に向けて(報告)
(4)風しんの追加的対策について(報告)
(5)医療法等の一部を改正する法律案の閣議決定について(報告)
(6)国立健康危機管理研究機構の設立準備状況について(報告)
議事
- 議事内容
- ○佐野エイズ対策推進室長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第94回「厚生科学審議会感染症部会」を開催いたします。
構成員の皆様方におかれましては、御多忙にもかかわらず、御出席いただき、誠にありがとうございます。
私、本日議事進行を務めさせていただきます、感染症対策部感染症対策課の佐野と申します。よろしくお願いいたします。
本日の議事は公開となります。また、これまでと同様、議事の様子をユーチューブで配信いたしますので、あらかじめ御了承ください。
なお、事務局で用意しておりますユーチューブ撮影用以外のカメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
また、傍聴の方は「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。
なお、会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので御留意ください。
本日は、ウェブ会議で開催することとしております。まず、ウェブ会議を開催するに当たり、会議の進め方について御連絡させていただきます。
御発言される場合は、まず、挙手機能を用いて挙手していただくか、チャットに発言される旨のコメントを記載していただき、部会長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承願います。
会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
続きまして、今回から新しく感染症部会に加わられた委員を御紹介いたします。
佐賀大学医学部准教授の原めぐみ様、川崎市健康安全研究所所長の三﨑貴子様です。
次に、委員の出席状況について御報告いたします。
御出席の委員につきましては、通信の確認も踏まえて、委員のお名前をこちらから申し上げますので、一言お返事をいただければと思います。
五十音順に、今村委員。
○今村委員 今村です。よろしくお願いします。
○佐野エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
大曲委員。
○大曲委員 大曲です。よろしくお願いします。
○佐野エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
越田委員。
○越田委員 越田です。よろしくお願いいたします。
○佐野エイズ対策推進室長 お願いいたします。
坂本委員。
○坂本委員 坂本です。よろしくお願いします。
○佐野エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
笹本委員。
○笹本委員 笹本でございます。よろしくお願いいたします。
○佐野エイズ対策推進室長 お願いいたします。
四宮委員。
○四宮委員 四宮です。よろしくお願いいたします。
○佐野エイズ対策推進室長 お願いいたします。
白井委員。
○白井委員 白井です。よろしくお願いします。
○佐野エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
谷口委員。
○谷口委員 おはようございます。谷口です。よろしくお願いします。
○佐野エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
土井委員。
○土井委員 土井です。よろしくお願いします。
○佐野エイズ対策推進室長 お願いいたします。
戸部委員。
○戸部委員 戸部です。よろしくお願いいたします。
○佐野エイズ対策推進室長 お願いいたします。
成田委員。
○成田委員 成田です。よろしくお願いいたします。
○佐野エイズ対策推進室長 お願いいたします。
原委員。
○原委員 原です。よろしくお願いいたします。
○佐野エイズ対策推進室長 お願いいたします。
藤田委員。
○藤田委員 藤田です。よろしくお願いします。
○佐野エイズ対策推進室長 お願いいたします。
三﨑委員。
○三﨑委員 三﨑です。よろしくお願いいたします。
○佐野エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
森川委員。
○森川委員 森川です。よろしくお願いします。
○佐野エイズ対策推進室長 お願いいたします。
脇田委員。
○脇田部会長 脇田です。よろしくお願いします。
○佐野エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
なお、小西委員、森田委員から御欠席の連絡をいただいております。また、四柳委員から遅れての参加との御連絡を、坂本委員、白井委員、四柳委員から途中退席との御連絡を、谷口委員から途中離席との御連絡をいただいております。
また、本日は参考人として、国立感染症研究所より俣野様の御参加をいただいております。
以上、現在、感染症部会委員19名のうち17名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令に基づき、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。なお、これ以降は写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意ください。
それでは、議事に入る前に資料の確認をさせていただきます。議事次第及び委員名簿、座席図、資料1から6、参考資料1から参考資料3-3になります。不備等がございましたら事務局にお申し出ください。
それでは、ここからの進行は脇田部会長にお願いいたします。
○脇田部会長 改めまして、皆様、おはようございます。
また、今回から御参加いただく原先生、三﨑先生、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、議事に入ってまいりたいと思います。
議事次第を御覧ください。
今日は議題が6つございまして、少々たくさんありますので、9時半開始ということで、いつもよりも少し早めの開始ということですので、効率的な議事の進行に御協力をお願いしたいと思います。
では、まず最初の議題「再生医療等安全性確保法の対象から除外する核酸等を用いた感染症予防を目的とした医療技術について」、こちらは資料1を事務局から御説明いただきます。よろしくお願いします。
○佐野エイズ対策推進室長 よろしくお願いいたします。
資料1をお手元に御用意ください。
こちらは、昨年8月8日の感染症部会において御議論いただきました、再生医療等安全性確保法の改正の中で特にトラベラーズワクチンについてどのように考えるかという内容の続きとなっております。
1ページめくっていただけますと幸いです。
この後、2ページから7ページまでは、昨年8月8日の感染症部会、また、その後、同様の議論が行われました同年8月22日の再生医療等評価部会の資料になります。
簡単に御説明させていただきますと、再生医療に関する法律としましては、右側に書いてあります製造販売に関連するものとしまして薬機法、こちらは具体的には再生医療等製品が対象なります。あとは自由診療や臨床研究、これは治験を除いた臨床研究になりますが、こちらの領域を対象としているものとして左側の再生医療等安全性確保法という大きく2つの法律がございます。このため、薬事承認されていない再生医療を提供する場合は、再生医療等安全性確保法に基づき、医療機関の管理者は提供計画の提出等が必要になるというものでございます。
次のページを御覧ください。
こちらが昨年行われました再生医療等安全性確保法の改正の内容となっております。
内容としましては赤枠のところとなっておりまして、まず1つ目としまして、細胞加工物を用いない遺伝子治療等を再生医療等安全性確保法の対象とするものとなっております。
次の4ページ、5ページに図を詳しくお示ししております。
まず4ページ目ですが、法の対象とするものを左側に書いておりますが、こちらよりも5ページのほうが詳しいと思いますので、5ページを見ていただければと思います。
こちらですが、具体的にはどういったものがこの法の対象になるのかといいますと、図の左下や右上のようにウイルスベクターなどを用いて遺伝子導入をするin vivo遺伝子治療や、ゲノム編集技術を応用した技術、mRNAを利用した技術などの核酸等を用いる医療技術について法の対象としているというところでございます。
次のページを御覧ください。
この改正に伴い、核酸等を用いたワクチンであって、薬事承認を受けていないものについても、法に基づき、提供計画の提出等が義務づけられることになってしまいます。このことに関してはかねてより議論が行われており、下の赤字にありますとおり、日本未承認の医薬品であるが外国で承認されている感染症予防を目的としたワクチンについては、公衆衛生施策上必要なものは再生医療等安全性確保法上、個別に除くという方針となっておりました。
次のスライドを御覧ください。
そして、その後、昨年8月8日の感染症部会におきましては、再生医療等安全性確保法の対象から除外するワクチンについて、どのような考え方、選定方法で検討していくかについて御議論いただきました。それをまとめているのがこちらのスライドとなっております。
その結果、再生医療等安全性確保法の適用から除外するワクチンにつきましては、薬機法の特例承認制度と同様な範囲の国、アメリカ、英国、カナダ、ドイツ、フランスにおいて承認を受けたワクチンに限定すること、また、ワクチンの選定に当たりましては、感染症部会及び再生医療等評価部会において検討を行うことについて御了承いただいたところでした。
今回の部会におきましては、この具体のワクチンの選定について御議論いただきたいというものでございます。
次のスライドをお願いいたします。
こちらが再生医療等安全性確保法の対象から除外する核酸等を用いたワクチンの具体についての案でございます。
上のところに考え方を示しておりますが、国内未承認であるが、同等水準国(アメリカ合衆国、英国、カナダ、ドイツ及びフランス)において承認されており、当該感染症の予防のために、当該感染症が蔓延する地域に渡航する者や、健康危機管理上の観点から国内において接種する可能性が想定され得るワクチンとして、事務局においてこの表にお示しのものを挙げております。具体的にはデング熱、チクングニア熱、エボラ出血熱、コレラのワクチンで再生医療等安全性確保法の対象となるものを挙げてございます。
改正後の法律が施行される本年5月31日のタイミングまでは、まずこれらを対象から除外してはどうかということを考えている所存でございます。
もちろんこのほかにも法の対象から除外するワクチンとして追加するべきものは今後も出てくることが想定されますので、その追加に当たりましては、関連学会または企業等からの提案を随時受け付けることとしたいと考えております。
参考資料1がその提案書の様式でございまして、これらの様式に沿って、医政局研究開発政策課及び当課宛てに御提案がございましたら、両課において確認の上、また同様に感染症部会及び再生医療等評価部会において御議論いただきたいと考えております。
また、一番下のポツにございますが、冒頭に申し上げましたとおり、再生医療等安全性確保法は薬事未承認のものについて係る法律になりますので、この法律の対象から除外されたとしても、そのワクチンは薬事未承認であることには変わりはなく、当該ワクチンの使用に伴い副作用が生じた場合も医薬品副作用被害救済制度は適用されません。この点、誤解がないよう、改正後の再生医療等安全性確保法の施行に当たっては、対象から除外されるワクチンを使用する医療機関の医師は、被接種者に対して当該ワクチンの使用に伴い、副作用が生じた場合も医薬品副作用被害救済制度が適用されないことを十分に説明し同意を得ること、法の対象から除外されるワクチンを使用した後の健康観察について当該医師が責任を持って行うこと等を通知等で周知したいと考えております。
資料1の説明は以上となります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
少し分かりにくいところもあるのですけれども、要するに、再生医療等安全性確保法の対象が拡大したために、組換えワクチンであるとかベクターワクチン、あるいは核酸のRNAワクチンみたいなものがそこの対象になってしまう。そうすると、トラベラーズワクチンとして現在承認されていないワクチンを打っていく必要がある際に、この再生医療等安全性確保法の対象となってしまうと、非常に時間がかかってしまうということを回避するために、その対象から除外するリストを8ページにお示しいただいたという形だと私は理解しております。
ということで、私から1点だけ確認なのですけれども、8ページの4種類の疾患に対するワクチンというのは、ここに挙げてあるものは全て再生医療等安全性確保法の対象になるものなので、そこからは除外するということで間違いないですか。ライブワクチンとかもあるのですけれども、これも対象になるワクチンということですか。
○佐野エイズ対策推進室長 そちらの御理解で間違いございません。
通常の遺伝子組換えのない弱毒生ワクチンですとか不活化ワクチンはその対象とはなりませんが、遺伝子組換えを行っているものですとか、mRNAワクチンですとか、あとはウイルスベクターワクチンが対象となってくるという形となっております。
○脇田部会長 ありがとうございました。
ということですので、暫定的にこのリストがあって、このリストにあるものは対象から除外してはどうかというところが案ということになります。
ただし、8ページの下に書いてありますけれども、医薬品副作用の救済制度には適用されないということが注意事項です。
それでは、委員の皆様から御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
順番に参りたいと思います。まず谷口委員、お願いします。
○谷口委員 ありがとうございました。
脇田先生と似たような質問なのですけれども、基本的にはin vitroでAttenuateした(弱毒化した)ライブワクチン(生ワクチン)、あるいはそれを基にした不活化ワクチンは対象にならない。当然弱毒化される過程で遺伝子は少しずつ変わってくるとは思うのですけれども、それはもちろん対象とならなくて、人工的に改変したもののみという理解でよろしいでしょうか。
○脇田部会長 ありがとうございます。
事務局に伺いますけれども、一点一点いきますか。それともまとめていきますか。
○佐野エイズ対策推進室長 1点ずつお願いできればと思います。
○脇田部会長 分かりました。
それでは、まず、今の谷口先生の御質問に事務局からレスポンスをいただきたいと思います。お願いします。
○佐野エイズ対策推進室長 谷口先生の御理解でございます。基本的な生ワクチンでどんどん弱毒化していく過程でも遺伝子変異が入るものになりますが、自然に入ったものは入らないという形になります。
○脇田部会長 ありがとうございます。
ですので、遺伝子組換え技術等を使ったものであって、あくまで我々がよく細胞にアテニエート、アダプトするとか、そういった技術を用いたものではないということですね。あるいは動物にアダプトする。
それでは、笹本委員、お願いします。
○笹本委員 日本医師会の笹本でございます。
資料ありがとうございました。
8ページにワクチンが提示されておりますが、これらを投与するということは自由診療と考えておりますけれども、現在、定期接種等のワクチンでは副反応等の疾病・障害認定に関しては患者救済の仕組みがございます。今回はそれらがカバーされないということですけれども、そうしますと、これらの副反応等が起きた場合には、ワクチン製造者の責任でカバーされるということなのでしょうか。お分かりになれば教えていただきたいと思います。
○脇田部会長 ありがとうございました。
それでは、事務局、いかがでしょうか。
○佐野エイズ対策推進室長 ありがとうございます。
公的な補償制度はないという先生の御理解で間違いございません。ただ、一部輸入業者がやっているような補償制度等もあるとは我々としても認識しておりますが、基本的にはやはり自由診療の中で医師と患者の間でのICの下、実施される医療となりますので、救済制度というものは公的なものはないという認識ではございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
それでは、白井委員、お願いします。
○白井委員 白井です。
そもそものところで申し訳ないのですが、6ページ、薬事承認を受けていないものについては、その接種に当たり、法に基づき提供計画の提出等が義務づけられることになるということを除外するということでどうかということだと思うのですけれども、この提供計画の提出等がかなり時間がかかるとのことですが、具体的には、どんな計画をどこに提出するということになるのでしょうか。
○佐野エイズ対策推進室長 ありがとうございます。
こちらは、まず再生医療を審査するCRBのようなものがちまたに設置されておりまして、こちらは厚生労働省の認定を受けている委員会となります。まずそちらのほうで審査をしていただいた上で、この再生医療等安全性確保法の中では、そのリスクに応じて実は3類型に再生医療が分類されておりまして、今回はその中の第1種ということになりますので、さらに追加で厚生科学審議会の再生医療等評価部会での審査が必要になってくるという形となっております。ですので、かなりハードルが高くなってくると思っていただければと思います。
○白井委員 時間を使うということと理解しましたし、その手続がかなり煩雑だということで、分かりました。
○脇田部会長 ありがとうございました。
谷口委員、お願いします。
○谷口委員 もう一点だけ確認なのですけれども、ペプチドワクチンの中には、遺伝子改変を行った末に微生物等でペプチドを合成されて、それをワクチンに用いることがあります。それは含まない。つまり、対象にならない、遺伝子改変ではないと理解してよろしいですねという確認です。
○佐野エイズ対策推進室長 谷口先生、ありがとうございます。
そのとおりでございます。あくまで遺伝子発現を伴うようなものが対象になるという形でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
次に森川委員、お願いします。
○森川委員 8ページのリストで、例えば一番上のデング熱のサノフィのCYD-TDVで、これはワクチンを接種してという副反応ではないのですけれども、デング熱特有の抗体を持っていることによって重症化するADEが幾つか報告されていると思うのですが、これは副反応ではないのですけれども、こういったワクチンを接種したことによるリスクみたいな情報というのはどこが責任を持って提供することになるのでしょうか。
○脇田部会長 お願いします。
○佐野エイズ対策推進室長 森川先生、ありがとうございます。
8ページ目の一番下のところの記載になりますが、こちらはどうしても最終的には自由診療という形になってしまいますので、医師、患者間のICが十分された上で健康観察を実施してされるものと認識しております。ですので、医師の十分な説明ですとか、そういった健康被害が起こらないかどうかの観察について医師に促すよう、通知等で周知したいと我々としては考えているところでございます。
○森川委員 ありがとうございます。
○脇田部会長 それでは、成田委員、お願いします。
○成田委員 御説明ありがとうございました。
今回提示されましたワクチンについて、法の対象から除外されることについては承知いたしました。
先程から、副作用について議論がされているところでございますけれども、今回の除外の手続によって、あたかも薬事承認を受けていると誤解されないように丁寧に御周知していただければと思います。
私からは以上となります。
○脇田部会長 ありがとうございました。
事務局、いかがでしょうか。
○佐野エイズ対策推進室長 ありがとうございます。それも周知のほうの通知等で含めていければと思います。よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 次に越田委員、お願いします。
○越田委員 御説明ありがとうございました。
トラベラーズワクチンは分かるのですが、例えばパンデミックになったときに、今般の新型コロナのように自治体で集団接種をするワクチンにも適用されると理解してよろしいですか。
○佐野エイズ対策推進室長 ありがとうございます。
そのような場合は、基本的には臨床研究の実施が可能という形になりますので、通常の治験等が実施されて薬事承認がされていくというスキームになると考えております。
○越田委員 ということは、さらに少し時間がかかるということですね。
○佐野エイズ対策推進室長 状況によってはその可能性はあるとは思いますが、基本的にはパンデミックのような状況になったときに、日本ですとかヨーロッパ、アメリカとかが足並みをそろえていろいろとしていくとは思いますので、その辺りは状況によるのかなとは思います。
○越田委員 ありがとうございました。
○脇田部会長 ありがとうございます。
そのほかいかがでしょうか。
三﨑委員、お願いします。
○三﨑委員 ありがとうございます。
今の越田先生の話と似たようなことなのですが、6ページの2つ目に、今回除外するという目的の一つに、「ワクチンについては、公衆衛生上、感染症対策として迅速な使用が認められるものが想定される」ので、これを除外するという理解で私はいたのですが、本当に広くワクチンを使わなければいけないときに、薬事承認までの期間というのが非常にあやふやで、そこがはっきりしていないと使いづらいのではないかなと思いました。そういった意味からは、薬事承認のタイミングはある程度事前に話し合って、どういう状態であれば使えるということを決めておいたほうがいいのではないかなと思っているところです。いかがなものでしょうか。
○脇田部会長 ありがとうございます。
事務局からいかがでしょうか。
○佐野エイズ対策推進室長 ありがとうございます。
先生がおっしゃられることは確かにあるかなとは思うものの、各疾患によってやはり開発可能性ですとか日本での薬事承認可能性、スピード感というのは大きく変わってくると思います。その温度感も含めて、やはりこの感染症部会ですとか、あとは再生医療等評価部会で個別に審議していただいて、それを本当に抜いていっていいのかどうかということを先生方に御議論いただくという形になるのかなとは考えております。
○脇田部会長 ありがとうございます。
今、議論を聞いていて私も少し疑問に思ったところがあったのですけれども、薬事承認可能性のあるものについては臨床試験、治験等が行われて、薬事承認に至って、それが使えるようになるというスキームは当然のことだと思うのですけれども、緊急に用いたい、公衆衛生上、感染症対策として迅速な使用をしたいというときに、薬事承認がされる前に、他国で例えば承認されているようなものについてはこのスキームで使用することもあり得るということですか。
○佐野エイズ対策推進室長 それも含めて各個別の議論になってくるかと思います。例えばなのですけれども、日本でも開発が進んでいて薬事承認間近といったものと、今回の議題に上ったような日本での開発可能性がかなり厳しいような薬剤についてはそれぞれ状況が違いますので、それを含めて先生方には個別に御議論いただきたいと思っているところでございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
お待たせしました。原先生、お願いします。
○原委員 今の議論にほとんどかぶっているのですけれども、今後また新たなものが出てきたとき、随時受け付けるということだったのですが、承認された国が同等の水準であれば、1か国であってもすぐにとか、そういう基準が何かあるのかなということが気になったので、お尋ねしようと思いました。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
いかがでしょうか。
○佐野エイズ対策推進室長 ありがとうございます。
あくまで同等水準国としておりますので、1か国でも先生方が必要だと判断され得れば、その可能性はあるとは思います。
○脇田部会長 ありがとうございます。
そのほかいかがでしょうか。大丈夫ですか。
いろいろと御議論いただきまして、ありがとうございました。
もしさらなる御質問、御意見等がなければ、おおむね反対の御意見はなくて、この御提案の件についてはおおむね賛成をする。ただ、いろいろな状況が想定されるので、そのときは、事務局から御説明がありましたとおり、個別の案件は検討が必要といったことだったと思います。
それでは、この事務局からの御提案については、感染症部会としてはこの案で承認をするということにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
それでは、事務局におかれましては、先生方から様々御意見をいただきましたので、この案を基に、また、今日の御意見も踏まえて進めていただければと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、次に参ります。議題の2「重点感染症リストの見直しについて」ということでございます。
資料2について御説明をお願いいたします。
○佐野エイズ対策推進室長 事務局でございます。
資料2をお手元に御用意ください。
こちらは「重点感染症リストの見直しについて」となっております。
こちらは、令和7年3月5日厚生科学審議会感染症部会第6回危機対応医薬品等に関する小委員会、第5回重点感染症作業部会の合同開催で議論させていただいた内容となっております。
1ページめくってください。
こちらは重点感染症の定義及び分類となっております。
まず、重点感染症の定義につきましては、公衆衛生危機管理において、救命、流行の抑制、社会活動の維持等、危機への医療的な対抗手段となる重要性の高い医薬品や医療機器等、こちらはMCMと略させていただきますが、利用可能性を確保することが必要な感染症と定義させていただいております。
ただし、下の※のところにありますが、一般的な公衆衛生対策として医薬品等の確保が必要になる感染症とは異なる概念で整理しておりまして、国内において既に十分な対策や取組等が行われている感染症は別途検討していることや、感染症法上の類型とは必ずしも対応するものではない点には留意いただければと思います。
重点感染症の分類についてなのですが、公衆衛生上危機の発生の予知可能性に基づき、重点感染症以下の5つのグループに分類したいと考えております。
まずGroup Xとしまして、分類の定義は、予見不可能かつ社会的インパクトが甚大な未知の感染症であり、対策においてGroup A及びGroup Bの開発を通じた基礎研究・基盤要素技術・開発/調達メカニズム等が必要な感染症。
続きまして、Group Aとしましては、パンデミック及び大規模流行のおそれがあり、社会的インパクトが甚大だが比較的予見困難な新たな感染症。そして、過去に流行した感染症と近縁な病原体による新たな感染症、根絶された感染症、人為的な改変や使用が疑われる感染症をGroup Aとさせていただいております。
続きまして、Group Bが定期的または突発的に国内外で一定レベル以上の流行を起こす敷地の感染症とGroup Aと近縁な病原体による感染症を分類させていただいております。
Group Cにつきましては、薬剤耐性の発生を抑えるため抗菌薬等の適正使用が必要であることから、その使用機会が制限される等、新規のMCM研究開発のインセンティブが乏しい感染症を分類させていただいております。
Group Dに関しましては、発生はまれだが一定の頻度がある輸入感染症、生物毒、その他希少感染症のうち、危機対応医薬品等の確保が必要なものや国内と国外に利用可能性のギャップがある希少感染症を分類させていただいております。
次のスライドを御覧ください。
重点感染症の該当性の判断要素と考慮すべき事項についてこちらにまとめさせていただいております。
重点感染症の該当性の判断・考慮すべき事項として、1つ目に我々が軸として考えましたのは公衆衛生的指標になります。
まず1つ目が健康への影響というところで、考慮すべき事項としては右のほうに書いてあるものを考慮しております。
続きまして、感染性・伝播性というものも考慮しておりまして、例えば感染性・伝播性でしたらまず右のところに書いているものですとか、あと、人と動物の接点、こちらは動物由来感染症ですとかベクター(節足動物媒介感染症)についてですとか、あとはゲノム変異による影響というものを考えております。
あとは、発生頻度・可能性/蓋然性というものにつきましては、過去に集団発生、流行等を起こしたような頻度及び発生が起こる蓋然性ですとか、過去のテロ事由の有無等を検討させていただいております。
あとは、医療への負荷ですとか社会経済活動への影響というものを検討させていただいております。
次のスライドをお願いします。
次は戦略的指標としまして、まず1つ目は既存のMCMの有無及び有効性、安全性、入手可能性について検討させていただいているという形となっております。
続きまして、2つ目は研究開発戦略としまして、国際的研究開発のメカニズムの有無ですとか、既存の研究開発促進メカニズムの有無ですとか、国内の有望なシーズの有無等、あとは創薬基盤技術開発・製造技術開発としての重要性、地域的要因等を勘案させていただいております。また、最後に安全保障のほうも勘案させていただいております。
次のスライドをお願いします。
こちらは重点感染症のリストでございますが、まずGroup Xにつきましては現時点で未知の感染症でありますので、該当する感染症はないという形となっております。
続きまして、Group Aにつきましては、まず1つ目としまして、次の病原体による新たな感染症として重症急性呼吸器感染症を来す病原体、例えばですが、新たなインフルエンザウイルス、新たなコロナウイルスなどとさせていただいております。次に新たなエンテロウイルス、ウイルス性出血熱を来す新たな病原体、重症脳炎・重症脳症を来す新たな病原体を挙げさせていただいております。もう一つ大きな分類としましては人為的な改変や使用が疑われる感染症、あともう一つは根絶された感染症をGroup Aとして分類させていただいております。
続きまして、Group Bにつきましては、呼吸器感染症といたしましてCOVID-19ですとか重症急性呼吸器症候群、中東呼吸器症候群、季節性及び動物由来インフルエンザ、RSウイルス感染症、あとはエンテロウイルス感染症、出血傾向を来す感染症、節足動物媒介感染症、人獣共通感染症を分類させていただいております。
Group Cは基本的に耐性菌について挙げさせていただいておりますが、カンジダ アウリスとアスペルギルス フミガタスについては真菌ですが、こちらのほうも入れさせていただいているという状況でございます。
あと、Group Dに関しましては、輸入感染症、希少感染症、生物毒という形で分類させていただいております。
次のスライドをお願いします。
こちらは、今後の危機対応医薬品等の対応についての案としてエコシステムを提出させていただいております。
まず上のところを御覧いただければと思いますが、次の感染症危機に備え、重点感染症を対象としたワクチン・治療薬・検査薬等の研究開発から利活用に至るMCMの一連のエコシステムを重点的に支援することとしております。また、重点感染症に指定されることにより、このエコシステムの対象となるという形となっております。
下のほうに図がありますが、まず重点感染症の指定が行われた後にMCMの優先順位と要件設定がなされ、そして、研究開発が進み、薬事承認がされ、一般流通等がされ、アクセス・供給のほうに話が進んでいくという形として、このような一連の流れを我々としては考えているところでございます。
資料としては以上になります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 御説明ありがとうございました。
重点感染症のリストの見直しについて御説明をいただきました。
では、ただいまの御説明を踏まえまして、委員、参考人の皆様から御意見をいただければと思います。よろしくお願いします。
こちらも順番に参ります。まず白井委員、お願いします。
○白井委員 白井です。
御説明ありがとうございました。
感染症法上の一類から五類とかというのとは関連しないということは理解しましたけれども、この重点感染症の分類に至るには、今の段階ではある程度されているのだとは思うのですけれども、何か発生したらこのような分類にするということになるのにはある程度時間がかかると思うのですよね。そういう意味では、どのぐらいの影響力があったかとか、今回のCOVID-19であれば今の段階でGroup Bのほうに入っていると思うのですけれども、ちょっと前だったらAかなというような感じもありますので、その辺、参考資料のほうにも随時見直しをすると書かれておりますけれども、そのスケジュール感というか、その辺の見直しのタイミングというのをどういうふうに想定していらっしゃるのか教えていただきたいなと思います。
○脇田部会長 今のこのリストの見直しのスケジュールといいますか、あるいは新たな感染症が出たときの見直しのタイムラインみたいなことですか。
○白井委員 新たな感染症が出たときです。そういう意味で、なかなか難しいとは思うのですが、例えば年単位なのか、発生したときにどういうふうに、今回もパンデミックが起こったものについては3~4年かかったわけですし、それでこういうような発想が出てきたのかもしれませんけれども、今後どうなっていくのかなと思いました。
○脇田部会長 分かりました。
事務局のほうからレスポンスをいただきたいと思います。
○佐野エイズ対策推進室長 白井先生、ありがとうございます。
先生がおっしゃる点、まさに非常に重要な点だと我々としても考えております。重点感染症の見直しというものは適宜行っていきたいと思っておりますが、おっしゃられるように緊急性が出てくる場合につきましては、重点感染症リストの改正を行うのか、例えば特措法のようなもので行うのかというところは、その時々で素早く対応ができる方向でやっていくことになるのかなと我々としては考えております。ただ、もちろん最終的には重点感染症に乗ってくる可能性というのは十分あるかとは思います。
○白井委員 ありがとうございました。これはMCMの対象としてということでの分類なので、分かりました。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
谷口委員、お願いします。
○谷口委員 ありがとうございます。
1点確認ですけれども、エンテロウイルスにポリオウイルスは入りますねというのが一点。
もう一点は、いろいろなこの対象に入っている疾病で、ワクチンが必要で、開発できました。でも、製造しなければなりません。ただ、ペイしない。つまり、それを製造しても、医薬品会社としては損するばかりだと。そういう病原体もこの中に入っていると思うのですが、そういった場合には、先ほどのエコシステムの中で国家としてその製造あるいは補完というのを支援していくと考えさせていただいてよろしいでしょうか。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
まさに6ページで薬事承認の後、一般流通、一般調達・備蓄みたいなのがありますけれども、そこが今、谷口先生がおっしゃられたような希少疾患の場合にどうなるかというところですね。
事務局、お願いいたします。
○佐野エイズ対策推進室長 谷口先生、御意見をいただきありがとうございました。
まず1点目については、2ページ目のスライドを御覧いただければと思います。※のところに記載がありますが、現段階で一般的な公衆衛生対策として医薬品等の確保が必要となる感染症とは異なる概念で整理しているというところをまず御理解いただければと思います。その中で、既に国内において十分な対策や取組が行われている感染症は別途検討しているということがございますので、ポリオは入ってきていないという認識でございます。ただ、先生がおっしゃられますように、例えばポリオが突然変異を起こして何かなったとかという話になってくると、またその議論というものは起こってくるのかなとは思います。
2点目につきましては、先生がおっしゃられた点は非常に重要な点だと思っておりまして、まさにそれを考えて我々としては今回重点感染症を指定させていただいたと思っております。実際にどこまで我々として支援ができるのかということはこれからの課題かと思っておりますので、最大限の努力は続けさせていただければと考えている所存でございます。
私からは以上でございます。
○谷口委員 ありがとうございました。
○脇田部会長 ありがとうございました。
ただ、そこに少しピットホールもあるかなと思います。ポリオの場合、もちろん様々対策されていますけれども、現状、抗ウイルス薬、治療薬はないわけですよね。それで、国内に患者はいないというところで、開発のインセンティブはないのですけれども、治療薬の開発はやはり必要と認識もできるというところなので、この重点リストにないような疾患でもやはりそういった開発が必要なものもあるということは言えると思いますので、そこをどう対応していくかということも一つ、今後の検討課題かなとは認識しています。私の個人的な意見です。
それでは、先に行きたいと思います。越田委員、お願いします。
○越田委員 いろいろ御説明ありがとうございました。
今回、AMRが入っていることに対しては、私はよかったなと思っております。
加えて、公衆衛生学的視点とはちょっとずれるかもしれませんが、発がん性のあるウイルスといったものがここには含まれていません。例えばHPVであるとかHTLV、EBといったウイルス、公衆衛生学的には異なるかもしれないのですが、直接あるいは間接的に発がん性のあるウイルスの視点はここで議論されることはないのでしょうか。教えてください。
○脇田部会長 ありがとうございます。
事務局、いかがでしょうか。
○佐野エイズ対策推進室長 先生、御意見をいただきありがとうございました。
まさに発がん性があるからといってこのMCMの俎上に載せるかどうかという議論はしておりません。ただ、あくまで我々としましては資料の3ページと4ページに従って分類を決めていったという形になりますので、もちろん発がん性があるような病原体に関しましても、この3番目、4番目のスライドに合致するような病原体が出てくれば、MCMに今後入ってくる可能性はあるかとは思います。ただ、現段階では上がってきていないという状況であると認識していただければと思います。
○越田委員 ありがとうございました。
発がん性ウイルスではありませんが、HIVも、最近では様々な治療が行われるようになってきていますが、これまでも今後も社会的な影響が大きいのではないかと思ったのでお尋ねした次第です。よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございます。
越田委員が言われるところは、まさに重点感染症の視点とは別の視点で、いわゆる慢性持続性感染症で広く国民に感染していて、一定の医療的なインパクトがあるわけですよね。発がんする、あるいはほかの疾患、免疫不全を起こす。そういった感染症で治療薬、ワクチンのないものに対しての開発をどうやって進めるかというところも、これも先ほどの話につながりますけれども、それもまた別の視点で進めなければいけない話だなと認識しています。
それでは、次に行きます。成田委員、お願いします。
○成田委員 御説明ありがとうございます。
そもそも論のところなのですけれども、重点感染症リストに関しまして、Group Dにヘビ毒、クモ毒が指定されているところでございますが、指定された意図についてぜひ御教示いただければと思います。
加えまして、ヘビ毒やクモ毒に対する医薬品につきましては、新型インフルエンザ等対策政府行動計画の感染症危機対応医薬品に該当することになるのか、仮に該当する場合、行動計画上、感染症危機対応医薬品のうち、感染症危機管理の観点から国による確保が必要なものについては必要な量の備蓄を行うこととされているわけですけれども、ヘビ毒やクモ毒に関して、今後、新型インフルエンザ対策として都道府県にどのような関与が求められるのか、負担も含めて御説明、情報提供をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございます。
事務局からお願いいたします。
○佐野エイズ対策推進室長 ありがとうございます。
前半部分につきましては、実はもともと我々の課で所管していたというところが一番大きいところでございまして、やはりヘビ毒、クモ毒の血清につきましては絶対に必要になってくるというところもございますし、危機管理として必要であると考えて、分類としては入れさせていただいているというところでございます。
あと、後半部分につきましては、今お答えすることが困難でございますので、宿題として持ち帰らせていただければと思います。
以上になりますが、いかがでしょうか。
○成田委員 ありがとうございます。
抗血清の確保については大変難しいこともあると思いますので、御検討のほど、よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございます。
確かにこれは抗血清の確保が非常に重要ですけれども、いろいろあると思います。よろしくお願いします。
続きまして、今村委員、お願いします。
○今村委員 今村です。
御説明どうもありがとうございました。
重点感染症の指定の目的、そのリストに関して異論はありません。今後の対策としても重要だと思っております。
対象病原体については、今後も検討が行われるものと理解しております。
1点だけお願いしたいのは、感染症法において世の中に知られている分類があるわけですけれども、ここでの対象病原体とは目的も違っているため分類も異なることは問題ありませんが、一般的なところに公開されたときに、どういう目的かがしっかり理解できないとかなり混乱が生じる可能性があると思います。なおかつ、これはどちらかというと病原体に向けた分類なのですけれども、分類されている記載名には病原体のものもあれば感染症名のものもあるので、そういう意味でも複雑になっているようです。根本的な目的がうまく伝わるように公開していただけたらと思います。よろしくお願いします。
○脇田部会長 ありがとうございます。
事務局、いかがでしょうか。
○佐野エイズ対策推進室長 今村先生、ありがとうございました。
まさに先生がおっしゃられた点は非常に重要だと思いますので、我々としても注意して公開していきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 よろしくお願いします。
次に森川委員、お願いします。
○森川委員 Group Bにエンテロウイルス感染症(A71)云々と書いているのですけれども、※のところにエンテロウイルスは多く存在するので、様々な病態を呈することから個別の記載とするとなっていて、それで、A71/D68というのは分かるのですが、「含む」という言葉がついていると、これ以外に何があるのだろうと考えてしまうのですけれども、あと、先ほど病原体の記載があるというので、Group Aの書き方は分かるのですが、Group Bのここは括弧でA71/D68による感染症と書いておかないと、これは感染症なのだけれども括弧の中は病原体名となってしまうのかなと思うのです。あと、この「含む」という言葉が必要なのかどうかということについて教えてください。
○脇田部会長 ありがとうございます。
事務局、お願いします。
○佐野エイズ対策推進室長 森川先生、御意見をいただきありがとうございました。
こちらの内容につきましては、エンテロウイルス感染症を広く見ておりまして、その中でA71/D68を含むという記載ぶりとなっているという認識でございます。
○脇田部会長 森川先生、いいですか。
○森川委員 とすると、A71/D68は感染症の名前ではないので、「による感染症」とか書かなくていいのでしょうか。
○佐野エイズ対策推進室長 先生、ありがとうございます。
そこの記載ぶりにつきましては、また少し先生と御議論させていただければと思いますが、いかがでしょうか。
○森川委員 はい。
○脇田部会長 では、つまり、そこはGroup Bの中の記載ぶりでそこだけが少し違うのではないかといった御指摘ですね。そこは御確認、御検討いただければと思います。
四宮委員、お願いします。
○四宮委員 御説明ありがとうございます。趣旨等はよく分かりました。
重点感染症リストについても特に異論はないのですが、先ほど来議論のあるように、感染症法の類型も病原性の強さとか社会的影響とかを考慮して分類しており、一方、重点感染症のGroup XやGroup Aはかなり急激に世の中に現れて、予見が難しいと書かれているので、新型コロナのように非常に短期間で急激に出現するのだと思うのですが、そうなったときの対応に法律的根拠を持たそうとすると、Group XとかGroup Aに該当する疾患も感染症法上に位置づけることになろうかと思うので、感染症法の類型と重点感染症の両者の位置付けを整理することは重要かなと思いました。
それと、6枚目のスライドですが、ここで検査試薬も対象になっていて、一般調達・備蓄のことも示されているので、1点触れたいのですが、COVID-19のときに、地衛研に関しても、検査試薬や消耗品、ピペットのチップであるとか、チューブとかが第3波あたりから非常に品不足になって、4波、5波とずっと慢性的な入手不足になりました。その頃アンケートを取って、どういうものが特に不足しているかということを我々のほうで把握しました。民間の検査機関や医療機関でも検査をかなりするようになったので、COVID-19については戦後最大の感染症危機であるということなので、この4年間に日本全体でどの程度検査に必要な試薬とか、消耗品とかが消費されたのかということを把握しておくことは重要と思っています。地衛研だけの問題ではないので、機会がありましたら、厚労省等で振り返りとして、検査に関する消耗品や試薬がどの程度消費されたのか分かると、今後の資料になると思います。現在、健康危機対処計画などを各自治体でつくっており、例えば検査試薬等を1,000件分とか1万件分とか、備蓄をする数字を書き込むような対処計画になっているのですが、その根拠がなかなか難しいという話を聞いているので、その点についての参考になると思います。
以上の2点です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
今の2点目のところは非常に重要なところだと思いますけれども、今議論が進んでいる新型インフルエンザ等の行動計画のほうでもそういったところのタイムライン、どのような対応が必要になるかというところで重要なポイントかと思います。
この2点について、事務局、いかがでしょうか。
○荒木感染症対策課長 事務局です。
1点目につきましては感染症法との関係ということだと思いますが、冒頭申し上げましたように、これはMCMということで、まず次のネクストパンデミックは何が起こりやすいかという観点からX、A、Bを定めています。それ以外にCとDというAMR、AMRはサイレントパンデミックと言われていますのでありますし、さらに国内としては希少で発生しづらいのだけれども、発生したときに何かないと困るというような類型で定めておりますので、冒頭申し上げましたように感染症法の一類から五類とはパラレルにつながっているものではないということではございますが、一方で、実態としてどういうふうに進めるかということについては四宮委員からも御提案がありましたので、そちらについては通常の感染症対応とともに、研究開発においてネクストパンデミックに備えて事前に準備していくというMCMの考え方を少し整理するということは今後とも工夫をしながら進めるということだと思います。
2点目、まさに検査の試薬の関係です。本当にコロナ時には一日100万件行きますとかそういうことで大変なパンデミックでしたので、走りながらやっていたというところがございますし、まさに新型インフルエンザ等行動計画が昨年改正されましたけれども、それに基づきまして、各都道府県においても予防計画あるいは医療機関等と検査の協定を締結していただくということで、次のネクストパンデミックに備えた形で検査のキャパシティーも日頃から準備をしておく。あるいは協定を締結することによってしっかりと地域においても対応していただくということを定めておりまして、各地都道府県で本当に協力いただいてなされていると理解しております。ですので、そういう意味で、御提案いただいた趣旨も踏まえて、引き続きネクストパンデミックに備えているということだと思っています。
あと、成田委員から先ほどございましたように、蛇毒とか、これは行動計画にというお話でしたけれども、行動計画は基本的にはまさに呼吸器感染症というかパンデミックに広がるものという前提で新型インフルエンザ等となっておりますので、蛇毒とは別物だということを御理解いただければと思っております。蛇毒は先ほど申し上げましたように、ほとんど発生しないのだけれども、発生したときに困るということなので、対策課のほうでもその対応というのはしているところで、各都道府県にそれをお願いするということを今のところ考えているものではございません。
以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
そのほかいかがでしょうか。今のやり取りの中での関連でも結構です。
大丈夫そうですか。
こちらは審議事項ではないのですが、様々御意見をいただきましたので、事務局におかれましては、今日の委員の先生方からの御意見も踏まえて対応、取組を進めていただければと思います。ありがとうございました。
それでは、次に進みたいと思います。次は「ポリオウイルスの取扱いに関する指針」(案)及び「ポリオウイルスに対する緊急時対応計画」(案)の策定についての御報告ということでございます。
資料3について事務局から御説明いただきます。よろしくお願いします。
○横田感染症情報管理室長 事務局でございます。
資料3に沿って御説明をさせていただきます。こちらにつきましては、一昨年、2023年10月の当部会におきまして、取扱指針と緊急時対応計画を策定することにつきましてお諮りをして、方針については御了承いただいていたものでございまして、今回この2つの文書が取りまとまりましたので御報告をさせていただくものとなっております。
次のスライドをお願いします。
前半のほうは前回の部会のときに御説明した概要の部分のおさらいになりますので、ごく簡単に御説明させていただければと思います。
まず1枚目がポリオの概要です。一番下の発生状況のところでございますが、日本では1960年代に大流行が見られましたけれども、その後、1964年から経口生ワクチンが導入されまして、流行は急速に終息したということでございまして、1980年の症例を最後に野生株によるポリオの症例は見られていないというようなところでございます。
また、ワクチンのほうは、上の予防のところでありますけれども、2012年からは不活化ポリオワクチンの定期接種に変更されて、現在まで継続している状況でございます。
次のスライドをお願いします。
こちらは世界のポリオの根絶及び流行状況でございまして、御案内のとおり、ポリオは1~3型と大きく3種類に分けられますが、そのうち、1つ目の○ですが、2型は2015年、それから、3型も2019年に世界的に根絶が宣言されているところでございます。一方、1型の野生株のほうは世界的に見るとまだ流行が続いておりまして、具体的には右下の地図で赤い丸になりますけれども、アフガニスタンとパキスタンの2か国で現在もまだ流行が続いている状況でございます。
それから、地図の緑の丸でアフリカの辺りにありますけれども、こちらは2型のVDPV、ワクチン由来のポリオウイルスということで、弱毒の生ポリオワクチンの病原性が復帰したものでございますけれども、こういったものの流行が少しアフリカのほうで続いているような状況でございます。
そういった状況も踏まえまして、一番下の○ですけれども、WHOは2014年にPHEICを宣言しておりまして、現在もそれが継続している状況でございます。
次のスライドをお願いします。
こちらは近年のポリオ排除国におけるポリオウイルスの検出ということでございますけれども、最近、環境水サーベイランスでヨーロッパを中心に幾つかワクチン由来株が検出されているようなところが見られているという状況がございます。
それから、下のほうでPEFと書いているところがポリオウイルスの取扱施設になりますけれども、そういったところで、数は少数ですけれども、ばく露事例であったり、施設の環境サンプルのからウイルスが検出されて、従業員を調べたところ、感染が確認された事例も一部報告があるところでございます。
次のスライドをお願いします。
次が世界ポリオ根絶イニシアチブでございます。3つ目の○のところでございますけれども、現在、根絶に向けてWHOのほうで「ポリオ根絶戦略2022-2026」が推進されているところでございますが、今御説明したとおり、世界的に1型の野生株の流行であったり、2型のワクチン由来株の流行がまだアフリカのほうで続いているような状況もございまして、少しタイムラインが予定どおり進んでないというところで、計画のほうが当初2026まであったのが2029年までに後ろ倒しになっているような状況でございます。
次のスライドをお願いします。
そういった中で、WHOのほうでポリオウイルス封じ込め世界行動計画、略してGAPという形で呼んでおりますけれども、そういったものを策定しておりまして、いろいろな取組が世界的に進められているところでございますけれども、根絶に成功した場合は、一番のリスクというのはポリオウイルスを取り扱っている施設からの流出というところになりますので、世界的な取組としましては、各国で不要なポリオウイルスを処分した上で、ワクチン製造とか診断・研究のために必要最低限のポリオを取り扱う施設については、ポリオ基幹施設、PEFとして指定をいたしまして、国が責任を持って監督をするというような形でスキームを進めております。PEFは必要な要件を満たして国の定期的な監査を受けたり、認証を行うというようなスキームでございまして、具体的には、右下にPEFの認証スキームの流れというのがございますけれども、現在、日本ではPEFは3か所指定しておりまして、現状は真ん中の暫定封じ込め証明書(ICC)というものの取得までは進んでいるところでございまして、その下のところにありますけれども、最終的には改善事項等は対応した上で、一番右側の封じ込め証明書(CC)の取得を目指しているところです。こちらのほうがWHOでも2026年までの達成を目標ということですので、CCの取得も2026年中を目指して進めているところで、現在、各施設で改善等を進めているところでございます。
その改善を進めるに当たりまして、上のGAP IVの概要の四角の4つ目の○に太字で書いてありますけれども、必要な条件として、各施設で緊急対応時の計画の策定等が求められているようなところもございます。
次のスライドをお願いします。
こちらが今回の指針と緊急時対応計画の策定でございますけれども、2つ目の○でございますが、ポリオウイルスは、感染症法上は二類感染症及び四種病原体に規定されており、感染症法に基づく対応が行われているところでございますが、今御説明したとおり、WHOのGAP IVでは取扱いの基準でありますとか安全対策というものが定められておりまして、我が国としては、WHOの加盟国として、感染症法に加えて、GAP IVに定められているこれらバイオリスク管理についても国内で実施を推進していく必要があると考えているところでございます。
そういったことも踏まえまして、3つ目の○ですけれども、このGAP IVも踏まえて、ポリオウイルスの適切な取扱い、それから、ポリオの発生に対応できるよう、今回この指針と、緊急時対応計画を策定するということになったところでございます。
具体的には一番下の検討過程というところの矢羽になりますけれども、今回の策定に当たりましては、まずポリオの有識者ヒアリングという形で関係者、これには衛生部長会でありますとか保健所長会、全国の地衛研協議会などにも御意見を伺ったり、あとは関連するPEFでございますとかその所在自治体、それから、監査人等に御意見を伺いながらたたき台をつくりまして、その後、日本ポリオ根絶会議のほうでお諮りいたしまして、内容について修正等を行った上で了承いただきまして、今回この感染症部会に御報告させていただいて、了解いただいた後に各自治体等に文書を発出して運用を開始したいと考えているところでございます。
次のスライドをお願いします。
こちらが今回取りまとめました指針と緊急時対応計画の概要でございますけれども、各文書はそれぞれ40ページから50ページずつぐらいとかなり大部にわたっておりまして、詳細についての御説明は割愛させていただきますが、左側のポリオウイルスの取扱いに関する指針につきましては、平時における具体的な対応がきちんと取れるように、目次にあるとおり、基本的事項でありますとか安全対策、病原体管理、各関係者の役割等を整理してお示ししているものでございます。
それから、右側の緊急時対応計画でございますけれども、こちらのほうは緊急時に具体的な対応を取れるようにということで、国内で発生が想定される事案を5つお示しいたしまして、それぞれについてPEFや国、自治体がGAP IVに沿った適切な対応を取れるように必要な事項についてまとめているものでございます。
また、下の今後の進め方のところでございますが、この文書を取りまとめるに当たりまして、日本ポリオ根絶会議の構成員からいろいろ御意見もいただきまして、現時点で整理できる範囲では整理したのですけれども、今後さらに検討していくべき課題もまだあるだろうということで、引き続き具体的な検討を行うための場を関係者のほうで設けるなどして、引き続き継続的に検討を行いブラッシュアップして、適宜改定を行っていきたいと考えているところでございます。具体的な事項としては、2つ目の○ですけれども、事案に応じた段階的な対応でありますとか、環境水サーベイランスの強化、医療体制、リスク評価等が挙げられているというようなところでございます。
一番下ですけれども、今回の文書に基づきまして、各PEFのほうで緊急計画の策定を推進していただいて、先ほど御説明したとおり、まず国内のPEF3施設につきましてCCを取得できるように国としても支援していきたいと考えているところでございます。
次のページ以降は参考という形で、もう少し詳細な各文書の概要を10ページ目以降につけさせていただいております。
あと、一番最後、15ページ目ですけれども、ポリオの関係はかなり略語が多いところで分かりづらくて恐縮なのですけれども、最後に用語集という形で略後の説明一覧をつけさせていただいていますので、適宜御参照いただければと思います。
それから、この2文書の本体につきましては、参考資料3-1として指針、参考資料3-2として緊急時対応計画、参考資料3-3としてこの2文書の概要を整理した紙を参考としてつけさせていただいておりますので、適宜御参照いただければと思います。
事務局からの説明は以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
ポリオに関しましては、今御紹介があったとおり、まだ野生株がアフガニスタン、パキスタンで流行していますけれども、それから、VDPVの流行もあるというところですが、西太平洋地域については根絶が確認されていて、毎年地域の根絶委員会、RCCがあるのですけれども、日本でもその根絶の状況を毎年御報告しているというところで、そのときの御指摘もあって、今回の取扱指針、緊急時対応計画というものの策定を求められ、そして、わが国の根絶委員会のほうでもかなり議論をして、事務局、厚生労働省の方には非常に頑張っていただいて、この2つの文書を作成して、委員も議論に参加してここまでまとめてきたという経緯であります。
PEFは日本に3か所ありますし、それから、現在、ICC(Interim Containment Certificate)の状況ですから、今後もCC(Containment Certificate)のほうに向けて努力をしていくといった状況というところでございます。
文書は非常に大部になるので、今まとめて要点を説明していただきました。まだ課題はあるのですけれども、現時点でかなり書き込めることは書き込んでいただいたというところでございます。
それでは、委員の皆様から御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
それでは、まず成田委員、お願いします。
○成田委員 御説明ありがとうございます。
私からはPEFに関して意見を申し上げたいと思います。現在、国におきまして候補施設の調整が行われることは承知しておりますけれども、施設所在地の都道府県とも丁寧なコミュニケーションを図っていただければと思っております。PEF候補施設が所在する都道府県に何かしらの責務が発生するのであれば、それに伴い、具体的にどういった負担が想定されるのか、説明や情報共有、それを履行するために必要な財政支援など、しっかりとお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
事務局、いかがでしょうか。
○横田感染症情報管理室長 成田委員、どうも御意見ありがとうございます。
施設、PEFの所在自治体のほうには、この2文書を策定する際、先ほど御説明しましたとおり、事前に御意見を伺ったり連絡、調整をしながら策定させていただいているところでございまして、また、今後、この文書を踏まえまして、PEFのほうで緊急時対応計画が策定される際に、自治体とも連携しながらということで、国のほうといたしましても必要な連絡、調整等をしながら相談して、適切に対応していければと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続いて、森川委員、お願いします。
○森川委員 ありがとうございます。
病原体管理のところとかPEFのこととか説明があったのですけれども、ポリオウイルスはRNAウイルスで非常に小さいウイルスなので、プラスミドとかで全ゲノムがクローニングされていると簡単にウイルスができてしまうのですが、それの取扱いに関しては何か規制とかを今後行う予定はあるのでしょうか。
○脇田部会長 事務局、何かレスポンスはございますか。
○横田感染症情報管理室長 今回の件とは全く別の話になるかと思いますが、遺伝子組換え技術を用いてつくるということであれば感染症法とは別になるかと思いますけれども、カルタヘナなどほかの法令がかかると思いますし、あとは研究倫理に関する話もあれば、そういった部分も含めてという形になるかと思います。
○森川委員 全ゲノムが入ったプラスミドみたいなのを持っていると、それが間違って細胞に入ると簡単にウイルスが出てきてしまうのがポリオウイルスとかエンテロウイルスの特徴なので、そこは特に所持の規制とかは何もかけなくても大丈夫なのかなというところで、誰か危惧している人がいるのかどうか分からないのですけれども、そういう意味での質問です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
GAP IVに定められているポリオが含まれている可能性のあるサンプル、検体の管理とか、それから、それにプラスミドも含まれていたと思いますけれども、そこは管理の対象になっているという理解ですが、事務局、それで正しいですか。
○荒川病原体等管理専門官 PIMについても、ポリオが含まれている可能性のあるものについても、PIMの取扱指針というのがWHOから出ておりますので、それに従って日本も進めていくというところにはなっているのですけれども、ゲノムを入れたものに関して対象になってくるのかというのが今すぐには回答できませんので、確認をさせていただきたいと思いますが、PIMの取扱いについても、やはり日本として今後適切に対応していく必要があると思って、検討していきたいと思っております。ありがとうございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
Potentially infectious material、PIMと言っているのですけれども、ポリオの場合はウイルスの研究で世界で一番初めにクローニングされたDNAの形でも感染性のウイルスができる。それから、もちろんRNAにすればRNAからウイルスができるということが既に報告をされていて、全合成で作ることもできるので、そこはポテンシャル、感染性の物質、PIMに入るという理解だと思います。ありがとうございました。
続いて谷口委員、お願いします。
○谷口委員 ありがとうございます。
ポリオの対策につきまして2点お願いしたいのですけれども、御存じのように、日本は今、AFPサーベイランスというのをやっているはずなのですが、non-polio AFP rateというのが全く基準に達していないと思います。つまり、今の日本のAFPサーベイランスはきちんと機能していないということになりますので、これはひょっとしたら今後のJIHSの問題かもしれませんし、法律的な問題なのかもしれませんが、本来これはnon-polio AFPをきちんと病原体を取っていく、それを確定するということが主眼のサーベイランスですので、ここはやはり改めて強化していただければと思うのと、もう一点、同様に、今、Sewage Surveillance、下水サーベイランスはWHOのフレームワークの中にも記載されていますし、ほぼスタンダードになりつつあります。ただ、日本の場合にはあくまで都道府県のボランタリーな参加によって流行予測調査事業で行われているだけですので、これは感染症対策としてであれば、感染症法によってきちんとサーベイランスとして行っていくべきではないかと思います。御考慮いただければと思います。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
ごもっともな御指摘なのですけれども、事務局、いかがでしょうか。
○横田感染症情報管理室長 谷口委員、どうも御質問ありがとうございます。
まず、1点目のAFPサーベイランスの件でございます。こちらにつきましては、日本の人口に対して少し届出が過小ではないかという指摘でございますけれども、こちらのほうは、AFPサーベイランスは現在感染症法の五類に位置づけられていて、全数把握疾患になっていますので、届出のほうは義務づけられているような状況でございますが、周知が不十分である可能性があるのではないかということで、引き続きそういった部分は周知徹底を図っていきたいと考えているところでございます。
それから、2点目の下水サーベイランスの関係でございますが、こちらのほうも谷口先生の御指摘のとおり、流行予測調査のほうで実施しているところでございまして、現在、全国で17自治体にやっていただいているところでございますが、自治体によってはいろいろ事情があって、環境サーベイランスの実績がないため、導入が難しいような自治体もあるというところでございます。平時でどの程度環境サーベイランスを実施していくことが適当なのかというのは、WHOでも特段何か基準などが明確に定められているような状況ではないと承知しておりますけれども、今後専門家を交えて検討を進めて、体制強化のほうはどの程度やるべきかというところは引き続き検討させていただければと思います。
以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
どちらも重要な課題ですので、取り組んでいく必要があると思います。特に下水サーベイランスは、これまでポリオの輸入例等のサーベイランスということだったと思うのですけれども、今後、欧米等でもPEFからの流出というところで環境サーベイで見つかるというようなこともありますので、さらに強化していくことが必要かなと私も感じているところであります。
続きまして、越田委員、お願いします。
○越田委員 谷口先生と同様に、私もAFPサーベイランスについてはもっと周知徹底が必要ではないかなと思っております。15歳以下であれば、ギラン・バレー症候群も本来なら届け出なくてはいけないはずですが、実際に保健所にはほとんど届出がない現状です。ですから、小児科医だけではなくて成人を診ていらしゃる神経内科や内科の先生方も含めて、15歳以下のAFPをきちんと届け出ていただく。お届けいただくことによって得られる情報量は非常に多いと思います。保健所も含て一般的に広く周知する必要があるのではないかなと思っております。最近の論文では3割ぐらいしか届けられていないのではないかと報告されておりますので、徹底する必要があると思っております。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
事務局、いかがでしょうか。
○池田感染症対策課長補佐 事務局です。
越田委員、コメントありがとうございました。
現在、AFPサーベイランスについては、研究班において届出の過小報告の可能性について指摘されているところでございます。今般、急性弛緩性麻痺サーベイランスの第3版が間もなく発出されるところでありますので、そういったガイドラインを通じて事務局のほうから積極的に周知等をしていきたいと思います。
また、研究班のほうで小児神経学会、小児感染症学会等にこういった急性弛緩性麻痺(AFP)サーベイランスの徹底について、来年度、令和7年度に周知徹底を図る予定となっております。引き続き届出に対するさらなる啓発を行ってまいりたいと考えております。ありがとうございました。
○越田委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
次に四宮委員、お願いします。
○四宮委員 AFPサーベイランスの病原体検査を地衛研で行っているので、参考情報ですが、2018年から五類にAFPが位置づけられ、2023年までの6年間で374症例の届出があり、そのうちの363例(97%)は地方衛生研究所で検査が行われています。AFP基準を満たしているのに届けられていない症例が多屋先生の調査では7割ぐらいあり、これらが届けられると、現状よりも3倍ぐらい増える可能性はありますが、現時点でも届出された症例の97%は検査されていて、そのうちの約4割で、何らかの病原体が検出していますので、AFP症例の中のポリオおよびポリオ以外のAFPを来す病原体検査はある程度モニターされていると思います。
それから、下水サーベイランスも17自治体の地衛研で検査されていますが、3か所のPEFのうち、2つのPEF所在自治体はその17か所に入っていないので、PEFの存在する自治体の下水サーベイランスは、そこから排出される下水域も特定されるわけですので実施するのが望ましいと思います。
それから、下水サーベイランスは環境水を取ってきて、それを濃縮したり、ヒトの検体とは違う工程があるわけですが、PEFからの排出域にある下水処理施設の流入水を採水するという自治体の協力が得られれば、地元の地衛研が難しい場合には感染研での検査の可能性もあるではないかと思います。
補足の意見です。以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
四宮先生から情報提供と御意見をいただきました。事務局、いかがでしょうか。
○横田感染症情報管理室長 四宮先生、どうも御意見ありがとうございます。
下水サーベイランスに関しては、地衛研の話もありましたけれども、各施設の排水の段階で、下水といいますか排水を採取して検査するといったスキームもPEFで御検討いただくような形も考えております。そういったものも組み合わせて、きちんとフォローできるような体制を関係者のほうで検討していきたいと考えております。
以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
続きまして、笹本委員、お願いします。
○笹本委員 日本医師会の笹本でございます。
資料ありがとうございます。
参考資料3-3で、事案の1から5まで分かりやすい例示をしていただきました。ありがとうございます。このようなそれぞれにおいて、国のほうから国民や自治体に迅速な情報提供をしていただきたい、また、丁寧な説明をしていただきたいと思いますが、併せて、医療機関に対して、それぞれ状況における適切な情報提供をしていただきたいと思います。私たちもできるだけ協力して適切な対応をしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございます。
ばく露者対応等で医療機関の協力は必要なところと思います。
事務局、いかがでしょうか。
○横田感染症情報管理室長 笹本委員、どうもコメントありがとうございます。
今回の緊急対応計画等を踏まえまして、これから各施設のほうで個別に緊急時対応計画をつくる際に当然地域の感染症指定医療機関などとも連携が必要な部分も出てくるかと思いますので、そういった関係者の間で相談して適切な内容になるように連携しながら対応していきたいと思っています。
以上でございます。
○脇田部会長 どうぞよろしくお願いいたします。
ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
ありがとうございました。
そうしましたら、さらなる御意見がなければ、議論はここまでとさせていただいて、本日御報告いただいた方向で対応を進めていただければと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、次に参ります。4番目の議題でございます。「風しんの追加的対策について」であります。
資料4について御説明をお願いいたします。
○佐野エイズ対策推進室長 事務局でございます。
資料4をお手元に御用意ください。
1ページをめくっていただければと思います。
こちらは「風しんの追加的対策について」ということで御報告させていただきます。
まず、風しんの概要について御説明させていただければと思います。先生方皆様、釈迦に説法ではございますが、風しんの概要といたしましては、症状として発熱、発疹、リンパ節腫脹を特徴とする。無症状から重篤な合併症の併発まで幅広い症状が見られる疾患でございます。
合併症としましては血小板減少性紫斑病ですとか急性脳炎関節炎などが知られており、特に問題となりますのが、妊娠中の女性が感染すると出生児に先天性風しん症候群が出現するということがよく知られているという形となっております。
潜伏期間は14日から21日で、感染経路は飛沫・接触感染、非常に感染力が強いという特徴がございます。
治療・予防としましては対症療法のみでございまして、予防にはワクチンが有効という形となっております。
風しんの基本再生産数なのですが、6~7となっておりまして、こちらはインフルエンザは1~2となっているものでございます。基本再生産数、こちらも先生方には釈迦に説法になってしまうと思いますが、免疫がない人々の集団で一人の患者から平均何人に二次感染させるかを示す数字となっておりまして、その中で集団免疫というものが規定されておりまして、これが集団において高い抗体保有率が達成されれば、感染症の伝播を防ぐことができ、感受性者も感染から保護される。この効果を集団免疫というという形となっております。
集団免疫閾値というものがございまして、集団免疫を獲得するために達成すべき集団内における抗体保有者の割合というものが規定されております。風しんの場合は集団免疫閾値というものは基本再生産数から求めることができまして、CDCやWHO等によりますとおおむね85%とされているという状況でございます。
先天性風しん症候群につきましては、風しんに対して免疫の不十分な女性が、特に妊娠20週頃までに風しんウイルスに感染した場合に出生児に引き起こされる障害でありまして、先天性心疾患、難聴、白内障が三大症状となっております。ほかには低出生体重ですとか網膜症、肝脾腫、血小板減少症、糖尿病等、多岐にわたってこういった症状が出てくるものとなっております。
次のスライドをお願いいたします。
こちらは日本における風しんの現状と対策についてまとめさせていただいております。
風しん対策の概要ですが、まず大きな目標といたしましては、先天性風しん症候群の発生をなくすとともに、平成32年度(2020年度)までに風しんの排除、こちらは定義としましては、適切なサーベイランス制度の下、土着株による感染が1年以上確認されないことを達成するとなっております。
あと、その中で予防接種を実施しておりまして、こちらが予防接種率の目標をそれぞれ95%以上とするという状況となっております。令和5年度につきましては、第1期が94.9%、第2期が92%となっております。
さらに、自治体に対する技術支援といたしまして、風しんの発生時の届出ですとか対応手順の手引き等を作成し、自治体に配布しているという状況でございます。
また、麻しん・風しん対策推進会議というものを開催しておりまして、政策の実施状況に関する評価、必要に応じた当該施策の見直し等も行っているという状況でございます。
抗体検査・予防接種の推奨としましては、普及啓発、自治体に対する抗体検査補助事業というものを実施しております。上記の取組に加えて、令和元年度から下記に記載しております風しんの追加的対策を実施しておりまして、現在、令和6年度末で終了予定となっております。
こちらの風しんの追加的対策でございますが、過去に公的に予防接種を受ける機会がなかった特に抗体保有率が低い昭和37年4月2日から昭和54年4月1日生まれの方、令和6年度では45歳から62歳の男性に対しまして、以下の3つの対応を行っております。
まず1つ目といたしましては、予防接種法に基づく定期接種の対象とし、令和元年度から令和6年度まで全国で原則無料は定期接種を実施いたしております。こちらは、実は当初3年間の予定ではございましたが、新型コロナウイルス感染症の影響から目標が達成できなかったということがございましたので、令和3年度に3年間延長したという形となっております。
2つ目としましては、ワクチンの効率的な活用のため、まずは抗体検査を受けていただくこととし、補正予算等により全国で無料で実施しているという状況でございます。
3つ目といたしましては、事業所健診の機会に抗体検査を受けられるようにすることや、夜間・休日の抗体検査・予防接種の実施に向けて体制を整備しているという状況となっております。
こちらは世帯ごとの抗体保有率というものが記載されておりまして、1回も接種していないというところがこちらに記載されている男性のところとなっているところでございまして、こちらはスタートラインの2013年から2017年を基に算出したものとしましては79.6%となっているという状況でございます。
スライドを1枚めくってください。
こちらは風しんの追加的対策の経緯と実施状況となっております。実施した促進対策は一番上のボックスの中に記載しておりますが、最終年度に向けて可能な限り追加的対策の促進につながるよう、以下の普及啓発活動を実施しております。
まず1つ目といたしましては、企業向けの風しん対策啓発イベントの開催ですとか企業向けサイトの作成、日本経済団体連合会へ取組促進について協力依頼を行い、職場におけるクーポン券の使用を促進いたしました。
2つ目といたしましては、地方自治体へ各抗体検査未受検の対象者全員にクーポンの一斉送付を依頼し、対象者の利便性向上とともに再度周知を実施しているという形となっております。
3つ目といたしましては、行動経済学(ナッジ)を活用した啓発資料の作成ですとか風しん対策啓発イベントを開催し、風しん対策に関する普及啓発を強化しております。
4つ目といたしまして、対象世代男性と妊娠の可能性が高い世代の女性にターゲットを絞り、TverでのCMを実施しております。
最後、全国での周知を促進するために映画『雪の花』とタイアップポスターを作成しているという状況でございます。
一番下のところに抗体検査・予防接種の実施状況とありますが、2024年度の現在の実績累計といたしましては、抗体検査が約495万人、予防接種が約107万人となっております。ただ、下のほうの※を見ていただければと思いますが、こちらはクーポン券により実施された抗体検査数のみでありまして、自治体が独自に実施した抗体検査の人数を含まないという形となっております。
次のスライドをお願いいたします。
こちらが風しんの追加的対策の進捗状況となっておりますが、まず目標といたしましては、先ほどの対象の男性、1962年4月2日から1979年4月1日生まれの男性、令和6年度45歳から62歳の男性につきまして、まず1つ目といたしまして、2022年12月までに対象世代の男性の抗体保有率を集団免疫閾値である85%に引き上げるということと、次の2つ目として2024年度末までに対象世代の男性の抗体保有率を90%に引き上げることを目標としております。
現在の進捗といたしましては、対象世代の男性の抗体保有率は、こちらに記載がありますとおり、暫定値として88.1%となっているという状況でございます。
下のほうに出生年度別の風しんHI抗体保有状況の年度推移について記載させていただいております。基本的には対象世代の男性につきましては順調に上がっていったという形となっております。
次のスライドを御覧ください。
次が風しんの発生状況となっておりますが、2012年から2013年にかけてかなりのピークがあったというところがあります。その後、2018年、19年にもピークがございましたが、その後順次減ってきておりまして、2024年は7人というところで、実際に一番下のところに書いてありますとおり、2008年に全数報告対象に変更されて以来、現在、過去最低値を記録しているという状況でございます。
さらに、下のCRSのほうも御覧いただければと思いますが、2021年を最後に直近3年間発生がない状況が続いているという状況でございます。
次のスライドを御覧ください。
風しんに関する今後の対応についてというところで、まず1つ目のボックスの中ですが、追加的対策の終了と今後の風しん対策についてということで記載させていただいております。
まず1つ目の○といたしまして、これは2023年にはなりますが、最新の当該世代の抗体保有率は暫定値で88.1%となっておりまして、WHOが定める集団免疫閾値を超えております。CRSは直近3年間発生がない状況ですし、また、風しんの発生状況の報告数も過去最低値を記録しているという状況ですので、こちらをもちまして、風しん感染拡大防止の追加的対策の施策目的は達成されていると評価できると我々としては考えております。
2つ目なのですが、このため、追加的対策としましては2024年までの限定的なものであるところ、当初の予定どおり今年度で終了させていただきたいと考えている所存でございます。
ただし、最後の○を見ていただければと思いますが、引き続き風しんの蔓延防止及びCRSの発生を防止するということは非常に重要でありますので、来年度以降も妊娠を希望するとする女性等に対する風しん抗体検査の助成ですとか、小児への定期予防接種、それらの周知啓発を行う等、自治体と連携した風しん対策を継続して実施していきたいと考えております。また、国内での風しんの発生状況を常に注視して、必要に応じて対策の見直し等検討を行っていきたいと考えております。
下のところに参考という形で風しん排除認定と我が国の状況についてというところを記載させていただいておりますが、2020年の3月を最後に、土着性の感染伝播と見られる感染例は報告されておりません。そのため、WHOの西太平洋事務局による風しんの排除認定の要件を2023年の時点で既に満たしていると第7回の風しん麻しん排除認定会議において結論がなされておりまして、ミーティングレポートとしてもその旨が記載されているという状況でございます。
次のスライドを御覧ください。
こちらは、今年の3月19日に実施されました第67回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会資料になっております。実は今年度におきまして一部MRワクチンの偏在が起こったために、実際に抗体検査を受けたものの、なかなか接種ができなかった方々がおられるという状況がございました。
それを踏まえて一番上のところを見ていただければと思いますが、我々といたしましては、引き続き各社に対して、不足を訴える自治体や医療機関へのワクチン配送を依頼するなど、流通改善の取組を継続しているという状況でございます。
次の2つ目の○を御覧いただければと思いますが、その一方で、3月末に定期接種の期限を迎える者が一定数想定されるということがございますので、3月までに接種ができなかった者につきましては、予防接種法施行規則第2条の8第4号の特別の事情に該当するとして、接種期間の延長を行おうと考えているところでございます。詳しくは下の図を御覧いただければと思います。
事務局からは以上でございます。よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 御説明ありがとうございました。
風しん対策ということで、CRSがかなり多く出た年もあって、予防接種を受けていない年代、特に1962年から79年までに生まれた男性ですね。そこが対象の追加対策が行われていて、コロナがあったために3年間延長されて、その結果、その年代は抗体価が上がってきたというデータをお示ししていただきました。それが85%を超えている。暫定値で88.1%なのですけれども、この3年間、21年から23年まで見ますと、信頼区間の下限でもほぼ85%を超えてくるといったところで、成果が見られるということで、これを終了したいというところでありますが、一方で、最近MRワクチンの偏在というものがあって、定期接種に関しては2年間の接種対象期間の延長をするといったお話でございました。
それでは、委員の皆様から御意見をいただければと思いますけれども、いかがでしょうか。
成田委員、お願いします。
○成田委員 御説明ありがとうございます。
MRワクチンの偏在の問題は非常に深刻だと考えております。都でも医師会等と協力して接種促進に取り組んでいるところでございますけれども、その大前提としてワクチンが十分に確保されているということが重要です。供給対策、流通改善の取組について、国としてもしっかりと進めていただきたいと思っております。
また、本日は風しんの話でありまして、麻しんの話ではないのですけれども、麻しんに関して最近気になっていることがございます。最近、特にベトナムが推定感染国とされるケースが非常に都内でも多くなっています。都や近隣他県からこれほど多く麻しんの報告が上がるのは今までにない事態ですし、都のケースなどを見ていますと、2回ワクチンを接種しているケースも目立ってきています。ワクチンの接種対象年齢に満たない子供への感染も懸念されているところでありますし、国においてもこういった状況を把握した上で麻しんへの対応の強化を図っていただきたいと思います。また、ベトナムの状況などについても情報提供をいただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
はしかのお話もいただきましたが、事務局、いかがでしょうか。
○眞中予防接種課長補佐 予防接種課でございます。
それでは、まずMRワクチンの確保対策の点について回答させていただきます。MRワクチンにつきましては、武田薬品のほかに阪大微研と第一三共に供給していただいておりますが、令和7年度におきましては、予防接種課が阪大微研、第一三共と調整をさせていただきまして、全体としては例年と同程度の供給を2社で行っていただくというところは確認しておりますので、今後も引き続きMRワクチンの安定供給に努めてまいりたいと思います。
以上でございます。
○佐野エイズ対策推進室長 ありがとうございます。
まさに麻しんの話というのは我々も重要だと思っております。まず、厚生労働省におきましては、3月19日に地方自治体及び日本医師会宛てに麻しんの増加についての注意喚起を行う事務連絡を発出させていただいております。内容といたしましては、定期接種未接種者で麻しんに罹患したことがない方は接種を御検討いただくこと、そして、渡航前、渡航後の注意喚起、また、麻しんを疑う症状がある際の受診方法を周知しているという形となっております。
あと、ベトナムのところなのですけれども、実際にベトナムからの輸入例というのは増えておりまして、推定地域としては現段階で13例報告されているという状況でございます。あと、実際にベトナムでもかなり感染は広がってきているという情報も我々は入手しておりますので、その辺りは注意しながら我々としても見ていきたいと考えているところでございます。
私からは以上でございます。
○成田委員 ありがとうございます。
通知については何度もいただいており、承知しているところでありますけれども、発生の多い自治体での情報共有なども必要と考えておりますので、御検討願います。
○脇田部会長 ありがとうございました。
1点目のMRワクチンの安定供給の話ですけれども、供給量は例年並みということなのですけれども、やはり偏在というところが問題になっているところですので、そこら辺もしっかりと調整をしていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、原委員、お願いします。
○原委員 ありがとうございます。
追加対策が積極的に行われて、抗体価が上昇したということはすばらしいなと思っております。
7ページ目にあります追加的対策の終了に関してというところで、3番目の○の中で来年度以降も妊娠を希望する女性等に対する抗体検査の助成をされるということですが、「等」とついているところを見ますと、パートナーであったりその家族に対しても助成をするということなのかということが一点。また、自治体と連携した対策を継続して実施するとありますけれども、今回、追加的対策に関しては全国で統一のことを実施されたかと思いますが、今後は自治体ごとに任されるということになるのかということをお伺いしたいと思います。お願いします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
事務局からお答えいただければと思います。
○佐野エイズ対策推進室長 ありがとうございます。
まさに「女性等」というところはそういったところも含まれているという認識でございます。
あと、自治体のところなのですが、我々としては自治体とも連携しつつ風しん対策を継続して実施するというところとなっておりますので、サーベイランスとかは国のほうでも実施しますし、それ以外でも自治体様のほうでお願いする対策というのもあるとは思います。
私からは以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
○原委員 補助とかそういったところが自治体ごとに異なっていくようになるのかということが知りたかったのですけれども。
○荒木感染症対策課長 ありがとうございます。
まず、今、こちらの事務局からお答えしましたように、いわゆる抗体検査の対象についてはある程度幅広く考えて、女性だけではなくてそのパートナーも含めてということはそのとおりでございます。
自治体ごとということで、国としても保健所で無料・匿名でやっております特定検査の事業というのがございます。例えばHIVとか性感染症もありますが、この中に風しんもございますので、そちらについて、国としては都道府県が事業を実施する際の2分の1補助というのをやっておりますので、そういうことも引き続き活用いただくようにお願いしたいと思っているところでございます。
以上です。
○原委員 ありがとうございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
四柳委員、お願いします。
○四柳委員 先ほど成田委員の発言とかぶるところもありますけれども、要望も兼ねて申し述べさせていただきます。
風しんに関しては、昨年秋にWHOの東南アジア地域でも会議が開かれていて、流行していることが報告されております。恐らくこれからゴールデンウィークなどに渡航して感染してくる人がかなりいらっしゃるのではないかと危惧しております。
MRワクチンの欠品が目立つ状況で、積極的に渡航のときにワクチンを打ってくださいというのはなかなか言いにくいのですけれども、麻しんも絡みますので、やはり接種の必要性をお知らせすることは大事だと思っています。
例えば渡航に関しては、今、恐らく厚労省はFORTHのホームページも直していただいて、分かりやすい形で御案内いただいていると思うのですけれども、例えば麻しん・風しんの予防接種が必要な人というのはどういう人かということ、これまでそれぞれのプロジェクトにおいてのポスターというのは厚労省のほうから出てきたと思うのですけれども、全体的にこういった人に関してはぜひ打ってほしいという全般的な案内はなかったと思うのです。ですから、風しんに関しても、先ほどからお話の出ているように追加の処置が必要な方、渡航する人に関してはぜひ予防接種を考えていただきたいということを勧めて頂くことを御検討いただければありがたいと思っています。
以上です。よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 四柳先生、重要な御指摘をありがとうございます。これからゴールデンウィークに向けて、やはり若い家族で特に東南アジア等に旅行されるといったことが多いかもしれません。そういったときの注意喚起というのもしっかりやる必要があるということだと思いますが、事務局、いかがでしょうか。
○佐野エイズ対策推進室長 四柳委員、ありがとうございました。
麻しんが対象ではありますが、3月19日に海外渡航者向けのポスターを作成し、普及活動を図っているところです。それ以外にも各所で普及活動はさせていただいておりますので、また先生方とも御相談しながら適切な普及活動を行っていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 よろしくお願いします。
越田委員、お願いします。
○越田委員 風しんについては、風しん抗体検査は、先ほどお話があったように保健所等でも行われており、妊娠している方、妊娠を希望される方の御家族等への周知とこの制度の活用をもっと進めてもいいのではないかと思います。
加えて、検査の結果、抗体が低ければ、ワクチン接種の費用を全額でなくてもある程助成することによって、本来ワクチン接種が必要な世代の感受性者の感染予防対策に資するのではないかとも思います。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
事務局、いかがでしょうか。
○佐野エイズ対策推進室長 ありがとうございます。
確かにおっしゃられることは重要な観点だとは思いますが、我々としても本当にどの集団にワクチン接種が必要なのかですとか、どういったところで公費を投入してワクチン接種を推進していくのかというところはよく検討していく必要性があると思っておりますので、その辺りにつきましては、私の課の所管を超えてしまう可能性もあると思うのですけれども、先生方の御意見を踏まえながら今後のことは考えさせていただければと思いますが、予防接種課からいかがでしょうか。
○橋本総括調整官 抗体検査の活用の結果、陰性だった方に対して補助という話だと思います。まずは定期接種優先という考え方でやらせていただいておりますけれども、その上でどういった対応が今後考えられるかというのは考えていきたいと思っております。
以上でございます。
○越田委員 ありがとうございます。居住する自治体間で不公平のないような形での施策を期待しております。よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございます。
予算が絡むお話ですので、ぜひどういったところが対策として必要なのかということも費用対効果も含めて検討していただきたいと思います。
そのほかいかがでしょうか。大体よろしゅうございますか。
それでは、たくさんの御意見をありがとうございました。
この風しん対策は、麻しんも含めて今後まだまだ対策が必要かと思いますので、今日報告いただいた方向で対応は進めていただきますが、引き続きよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。
それでは、次は5番目、「医療法等の一部を改正する法律案の閣議決定について」の御報告ということです。
資料5について御説明をお願いします。
○横田感染症情報管理室長 事務局でございます。
資料5に沿って説明をさせていただきます。
次のページをめくっていただけますでしょうか。
こちらが医療法等の一部を改正する法律の概要という一枚紙の資料でございます。法律の概要につきましては資料に記載のとおりでございますが、この法律案につきましては、各審議体での御審議を踏まえまして、2月14日に閣議決定し、今国会に提出いたしたところでございます。
この中で感染症法に関連する部分につきましては、赤枠で囲っている部分にございますけれども、3番の医療DXの推進に関連してということで、この中で感染症法の改正も盛り込まれているところでございます。
こちらの内容につきましては、既に昨年10月24日の感染症部会で御議論いただいたところでもございますし、また、公費負担医療のオンライン資格確認のほうは、その後、12月26日に持ち回りで開催させていただきましたけれども、こちらも感染症部会のほうで御報告をさせていただきまして、いずれも御了解をいただいたというところでございます。
具体的な内容は赤枠のところでございますが、3番の医療DXの推進のマル1のまず前段のところでございます。必要な電子カルテ情報の医療機関での共有等という部分でございますが、こちらは感染症対策上必要なときに、厚生労働大臣から支払基金に対して電子カルテ情報を求めることを可能にすることというのが具体的な内容になります。それから、マル1の後段のほうで、感染症発生届の電子カルテ情報共有サービス経由の提出を可能とするというところがもう一つになります。
それから、その次、マル2のほうが医療情報の二次利用の部分でございますけれども、こちらは仮名化情報の利用・提供を可能とするということで、感染症関連情報のほうも含まれているという部分になります。
それから、マル3ですけれども、こちらは一番最後のところですが、その他公費負担医療等に係る規定を整備するという部分でございまして、感染症法の中で規定されている公費負担医療で、結核患者さんの医療の部分でございますとか、あと、新型インフルエンザ感染症、それから、新感染症法の外出自粛対象者の医療につきましても公費負担医療の対象となっておりますので、こちらについてマイナンバーカードを活用してオンラインの資格確認を可能とするということが盛り込まれているという部分が今回の法改正の内容となっております。
施行期日のほうがその下のところにございまして、下線を引いておりますけれども、幾つか段階的に分かれておりまして、まず、マル1の前段になりますけれども、支払基金に対する電子カルテ情報の提供の求めに関しましては公布後1年以内。それから、マル1の後段ですけれども、電子カルテ情報共有サービス経由の発生届と、マル2の仮名化情報の利用提供につきましては公布後3年以内。最後、マル3の一番最後のところの公費負担医療のオンライン資格確認につきましては公布後2年以内という形で、政令で定める日という形で規定されているところでございます。
次の2ページ目以降が具体的な改正内容の説明資料でございますが、これまで感染症部会のほうで既に御説明、御議論をいただいていますので、詳細は省きますけれども、2ページ目が感染症法独自の改正事項ということで、発生届と電子カルテの連携でございますとか、電子カルテ情報等の提供指示という内容が含まれているところでございます。
それから、次の3ページ目は共通の事項になりますけれども、公的DBにおける仮名化情報の利用・提供の部分の一枚紙の説明資料でございます。
それから、次の4ページ目が今回感染症法に関係する部分は右側の赤枠のところで、公費負担医療の効率化の推進ということで、この中で結核の外来等の公費負担医療も含まれるということで、ほかの関係する法律と横並びでの改正という形になってございます。
簡単でございますけれども、説明は以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
医療法の一部改正という法律案についての御説明でございました。主に我々の関係するところでは医療DXの推進の関連というところでございます。
それでは、委員の先生方から何か御質問、御意見等があればお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
谷口委員、お願いします。
○谷口委員 ありがとうございます。
これまで手動で届け出ていたものがより便利になるなというのは期待しているのですけれども、サーベイランスと届出は同一ではございませんので、ここは記載を見ますと、あくまで届出にこだわっているような気がするのですけれども、電子カルテ情報が共有された場合には、これは英国も米国もそうですけれども、サーベイランスをしてどのデータを抽出してくるかということになるわけですので、届出というのは当然のことながら物すごいフィジシャンズバイアスがかかるわけですし、先ほどのAFPにしてもフィジシャンズバイアスがあるがために3割しか届け出られていないわけです。これは、きちんと抽出をすればより詳細なサーベイランスになるわけですので、今後の議論においてJIHSの先生方ときちんと議論をしていただいて、システムとしてやっていただければと思います。
以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
御意見をいただきましたけれども、事務局、いかがでしょうか。
○横田感染症情報管理室長 事務局でございます。
谷口委員から以前から同じような御意見を何回もいただいているところでございまして、こちらでもサーベイランスでの活用の重要性は認識しているところでございます。ただ一方で、今回の電子カルテ情報共有サービスでございますけれども、まずスタート段階では、今のところ、3文章6情報のみを取り扱うということで、情報量が限定的な形でスタートすると聞いているところでございまして、この情報だけでサーベイランスに必要な情報を網羅的に収集するのは直ちには難しい状況であることは一方で課題として認識しているところでございます。ただ、今後また運用しながら、この電子カルテ情報共有サービスで取り扱われる情報量も段階的に増えていく形になるかと思いますので、実際にこの制度がスタートしてからのサービスの運用状況でございますとか、そういった連携のニーズとかも踏まえまして、また関係者も含めてより効率的な活用の検討を進めていきたいと考えているところでございます。
以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
四宮委員、お願いします。
○四宮委員 医療DX化自体は大変すばらしいことだと思います。
1点確認なのですが、2枚目のスライドで電子カルテから厚労省あるいはJIHSが情報の提供を受けるというスキームになっていますが、現在のNESIDのシステムでは、当該地方の医療機関の情報は保健所や地衛研(感染症情報センター)に入り、それを経由して感染研とか厚労省に行くので、まず地方を経由するという点で情報の共有ができるわけですが、医療機関からダイレクトに中央集権的に情報を得る場合に、当該地方は国経由で情報を得ることになるのでしょうか。あるいは医療機関の電子カルテの情報を受けるのは、今のNESIDに準じて、まず地方の行政機関になるのでしょうか。
○脇田部会長 ありがとうございます。
それでは、その点について事務局からレスポンスをいただければと思いますが、いかがでしょうか。
○横田感染症情報管理室長 四宮先生、どうもありがとうございます。
2枚目のスライドにあるとおりでございますけれども、現在想定しているのは感染症対策上必要なときということで、NESIDとはまた別のシステムになりますので、厚生労働省から支払基金のほうに電子カルテ情報等の提供をお願いしまして提供を受けるという形で、直接地方からのアクセスは現時点では想定しておりませんけれども、ただ、当然緊急時などの必要なときですので、地方とも連携しながら対応する必要があるというのは御指摘のとおりでございますので、得られた情報というのは国なりJIHSだけでなくて関係する自治体とも共有しながら、必要な対策について連携して対応していく必要があると考えているところでございます。
以上でございます。
○四宮委員 分かりました。
そうすると、少なくとも当面は現NESIDシステムも並列して動くという理解でよろしいのですか。
○横田感染症情報管理室長 おっしゃるとおりでございまして、感染症サーベイランスシステムのほうは引き続き継続するということで、これは感染症サーベイランスシステムで得られない情報について電子カルテ情報共有サービスで得られる情報が追加的に必要なときは情報提供をお願いするというようなスキームで考えているところでございます。
○四宮委員 ありがとうございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
2ページに示してある図は、感染症対策上必要なときに厚生労働省がカルテ情報の提供の指示をして、その提供を受けてJIHSのほうに調査研究の委託をしていくということだけが示されているので、これが自治体とどのように、感染症対策というのは基本的には自治体が行うものですから、そこにどうつなげるのかというスキームをもうちょっと示していただければ今のような御質問への回答になるのかなと思いましたので、そこも併せて御検討をお願いいたします。
それでは、次に参ります。原委員、お願いします。
○原委員 御説明ありがとうございました。
初めての参加なので十分追えていないかもしれませんけれども、感染症上必要なときにということで、例えば予防接種に関しては予防接種データベースができていくと思いますけれども、それもこの活用促進の中に含まれているという理解でよろしいでしょうか。3ページの図の中には入っていないように思いましたので、確認をさせていただきます。お願いします。
○脇田部会長 事務局からお願いいたします。
○横田感染症情報管理室長 原委員、どうもありがとうございます。
3ページのところで予防接種DBは直接図には入っていないのですけれども、左下のイメージ図のエトセトラのところで実は予防接種DBも、現在構築中と伺っておりまして、まだできていないので、そういうのもあって書いていないということもあるかもしれませんけれども、当然この中で予防接種のDBも今後含まれる予定で、そことの連結解析も含めていろいろ利活用を進めていただけるような環境整備は予定しているところでございます。
以上でございます。
○原委員 ありがとうございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
予防接種の部会のほうでも同様の御質問があって、これは予防接種データベースも将来含まれるといったことでありました。
続きまして、三﨑委員、お願いします。
○三﨑委員 ありがとうございます。
先ほど来の話と同じようなことなのですが、必要なときに電子カルテの情報をいただくということをおっしゃっていたのですけれども、発生届は常に提出されるものなので、具体的にその発生届をどういう形で電子カルテ情報共有サービスに経由させるのかというところが私はいま一つ分からなくて、詳しく教えていただければありがたいなと思います。よろしくお願いします。
○脇田部会長 ありがとうございます。
事務局、そこのお答えはいかがでしょうか。
○横田感染症情報管理室長 事務局でございます。
これは、もともとは今回の新型コロナの発生を受けまして、インターネット経由で発生届を提出できるようにしたところではございますが、電子カルテ導入医療機関のうち、多くの医療機関では電子カルテはクローズドでインターネットにつながっていないという部分もございまして、電子カルテを基に発生届を出す際にデータの二重入力が負担になるという御意見もありまして、今回、そういった部分の負担軽減ということで、電子カルテ端末のほうから電子カルテ情報共有サービスを経由して感染症サーベイランスシステムに発生届を提出できるような流れということで規定を追加するということで法律を提出させていただいたところでございます。
説明は以上でございます。
○脇田部会長 よろしいですか。三﨑先生、何か。
○三﨑委員 そうしますと、全国のいろいろな医療機関でそれぞれ違う会社の電子カルテを導入していると思うのですが、その電子カルテとこの電子カルテ情報共有サービスというのが連結するという形になるということでしょうか。例えば医療機関の立場で考えると、電子カルテの中に発生届があって、そこに自動的に基礎情報が入力されて、そのまま提出できるというイメージでしょうか。イメージが全く湧かなくて、教えていただけたらありがたいです。
○脇田部会長 ありがとうございます。
事務局のほうからお答えいただきたいと思います。お願いします。
○横田感染症情報管理室長 委員の御指摘のとおり、ベンダーごとにいろいろありますけれども、そこは共通の規格にそろえて発生届を送れるようなシステムということで、変換しながら届出データが流れるような形でいろいろ検討を進めているところでございます。
○三﨑委員 分かりました。ありがとうございます。
あともう一点なのですが、現時点では3文書6情報をいただくということになっているかと思うのですけれども、その中に感染症情報というのも入っているかと思うのですが、これはそれこそサーベイランスに利用できたりはしないのでしょうか。そこも教えてください。
○脇田部会長 ありがとうございます。
いかがでしょうか。
○横田感染症情報管理室長 御質問ありがとうございます。
現在の3文書6情報のところの感染症情報につきましては、主に入院のときなどに検査されるような性感染症とか肝炎とか一部の限られた感染症情報しか登録されないような仕組みになっておりまして、現状、サーベイランスに使うというのがなかなか難しいような状況でございます。今後、情報の拡充というのは関係者の中で検討を進めていく形になるかと思いますけれども、そういった形でスタート時点では考えていると聞いているところでございます。
○三﨑委員 分かりました。ありがとうございます。
先ほど谷口先生がおっしゃったように、あまりバイアスが入らずに、例えば検査情報だけとか症状のみでランダムに取ってくることができれば、もっといいサーベイランスに結びつくかなと思いましたので、ぜひ進めていただければと思います。ありがとうございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
関連して私のほうから1点確認ですけれども、先ほどいろいろなベンダーがあってもそこで共通したシステムでできるという話でしたけれども、以前の議論でたしか発生届のほうに様々な共通事項のデータを自動的に入力といったところまでは今のところはまだいっていないみたいな話があったかのように記憶しているのですけれども、そういう理解でいいですか。
○横田感染症情報管理室長 脇田先生、ありがとうございます。
御理解のとおりでございまして、患者さんの基本情報などはそのまま発生届のテンプレートのほうに二重入力しないでいけるような形を想定していますけれども、発生届は感染症ごとにまちまちの部分があり、どうしても電子カルテで自動的に抽出できないような情報もございますので、そういったところはやはり追加的に入力していただいた上で、発生届のほうは届出をしていただく必要があるかなと考えているところでございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
そうすると、基本情報は行くということですね。
○横田感染症情報管理室長 御指摘のとおりでございまして、発生届のほうで改めて入力しなくても自動的にテンプレートにデータが移行できるような形で今検討を進めているところでございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
というところですので、基本的なところは自動的に行くのだけれども、発生届、個々の感染症の特異的な情報に関しては入力が必要ということだと思いました。
それでは、越田委員、お願いします。
○越田委員 ありがとうございます。
1ページ目の資料ですけれども、ここで施行期日、かなり具体的な日々が今回改めて表示されています。その中で、医療DXの推進の中で3番に相当するところは1年半とか2年遅れてスタートするという記載があります。実は前回のこの部会でもお話をさせていただいたのですけれども、地域では様々な形の医療ネットワークが出来上がっています。例えば石川県だったらID-Linkがかなり進んでいるので、そういったものがこの1年半とか2年、3年の間に全国的な規模の情報に統合されるか、あるいはそこをうまく利活用できるのかという見通しなどもできればここで御案内いただければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
そこもいかがでしょうか。
○横田感染症情報管理室長 越田委員、どうもありがとうございます。
この施行期日がいろいろまちまちになっているのは、共通の部分はやはりほかの法令と並びもありますし、あと、電子カルテ共有サービスのスタートの準備とかとの兼ね合いもありまして、3年以内とかという部分になっているようなところもございます。
また、地方のシステムとの連携の部分は、今のところ、特に統合はしないと聞いておりますが、そこは関係者のほうでまた相談しながらという形になるかと思いますけれども、地域の医療ネットワークと今回の件は現時点では別で動いていると承知しているところでございます。
以上でございます。
○越田委員 分かりました。ありがとうございました。
全国規模でやるのだったら、先ほど三﨑先生がおっしゃったように、本当は全国どこででもカルテがのぞけるというのが一番理想的だと思うのですけれども、予防接種の接種歴もそうですよね。その辺、どんなふうに進めていくのかなというのは興味、関心があるところです。
以上、よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございます。
今村委員、お願いします。
○今村委員 今村です。
先ほどから出ている電子カルテを活用しての届出あるいはサーベイランスの自動化は、みんなが期待しているところだと思います。ただ、実際にできることと、皆さんが期待してこんな感じになるのではないかと思っているところにかなり差があるのではないかと危惧しています。僕たちは臨床の現場で電子カルテを使っていますが、他の施設、例えば都立病院だけでつなぐということだけでもかなり大変なのです。それが全く異なる施設とつなぐとなると、相当な問題が起こるのではないかなと思います。さらに全体をつないでいくことになると、セキュリティー対策もしっかり行うことが必要となります。この辺の現場の人たちが期待している部分と実際にできるところとの差というのは、ある程度のところで示していかないと、現実とのギャップでみんなが驚くということがあり得るのかなと心配しています。少なくとも、海外における状況との比較も行い、日本だと対応が難しい部分などを明確化するような作業も同時に行ったほうがいいのかなと思いました。
以上です。
○脇田部会長 御意見ありがとうございます。
まさに重要なところと思いますが、事務局、いかがでしょうか。
○横田感染症情報管理室長 今村委員、コメントありがとうございます。
電子カルテ共有サービス自体は来年度以降稼働と聞いておりまして、それの後にこの電子カルテ共有サービスと発生届の連携のほうはシステムの検討を進めていく予定でございまして、その中で、最初はモデル事業のような形で本格運用に向けた検証等を行っていく必要があると考えているところでございますので、そういった中で今コメントいただいたような課題とか、実際にできること、できないことの整理も含めまして、いろいろと確認しながらそういった周知も含めて検討を進めていきたいと思います。
以上でございます。
○脇田部会長 ぜひよろしくお願いします。
それでは、皆様、さらに追加の御意見、御質問はいかがでしょうか。
それでは、大体御意見をいただいたところだと思いますが、今日御報告いただきました方向性でこちらも対応を進めていただければと思いますので、よろしくお願いします。関心の高い案件だと思います。
それでは、最後の議題になります。次が「国立健康危機管理研究機構の設立準備状況について」の御報告であります。
資料6について御説明をお願いいたします。
○渡邊国立健康危機管理研究機構設立準備室長 先生方、長時間恐れ入ります。JIHSの準備室長でございます。
資料6を御覧ください。
感染症部会におきまして感染症対策を様々御議論いただく中で、個々の局面でのJIHSの役割というのがあるわけですけれども、本日のこの御報告は法人として見た場合の全体像ということで御紹介をさせていただきます。
資料の2ページを御覧ください。
令和5年の5月に機構法という法案が成立しまして、その後から検討を進めてまいりました。特に昨年の7月に政府行動計画が改定されましたので、理事長をはじめとする役員体制でありましたり、JIHSに対して指示をする中期目標の検討をしてまいりました。来週4月1日にJIHSの設立ということになります。
3ページを御覧ください。
役員予定者の一覧でございます。脇田副理事長をはじめ、感染症部会の先生方にも参画いただきます。特徴としましては、理事長から理事のところまでがいわゆる内部の業務執行体制でありますが、外部理事ということで外部の各御専門の方々にも参画していただいて御意見を頂戴するというような運営体制になります。
次のページを御覧ください。
第1期の中期目標案でございます。法人設立時点で中期目標ということで指示をしまして、JIHS側でこれに基づく中期計画、年度計画というものを策定いたします。期間としては6年が一期でありますので、6年間でこの目標をしっかり果たせるように取り組んでいくというようなことになります。感染症時における初動対応の強化、研究開発力の強化をはじめとして、機構の設立経緯を踏まえてしっかり取り組んでいただくことで、政府においても様々対策の充実につながるだろうということでございます。
機構は来週発足いたしますけれども、現行の感染研、NCGMからの統合による移行ということもありまして、実態としてはそれを引き継いでいくということになります。自治体と直接やり取りさせていただいているような部署で組織名が変わるようなところもございますが、移行に当たりまして混乱のないように引き続き対応していきたいと考えております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○脇田部会長 御説明ありがとうございました。
というわけで、もう来週ですね。国立健康危機管理研究機構がスタートするということで、私も理事会のメンバーの一人として尽力してまいりたいと思っております。
今御紹介していただいたとおり、ここに参加していただいている四柳先生、俣野先生にも理事会に入っていただいているということです。また、感染症部会の先生方からも様々御意見、御尽力いただきまして進めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、御意見、御質問等があればお願いしたいと思います。
谷口委員、お願いします。
○谷口委員 1つだけ御教示いただきたいのですけれども、これは国立なのでしょうか。研究費の申請のときに、国立だから間接経費を取れないと言う人と取れると言う人がいて困ってしまったのですけれども、国立なのでしょうか。お願いします。
○脇田部会長 私のほうから言うことではないかもしれないのですけれども、感染研はこれまで国立の試験研究機関だったのです。なので、本当に公務員型ということで間接経費は取れなかったのですが、今後は取れると理解しています。
事務局から補足をお願いします。
○渡邊国立健康危機管理研究機構設立準備室長 ありがとうございます。
まさに今、部会長がおっしゃったとおりでございまして、名称に国立健康危機管理研究機構と「国立」がつきますけれども、法人としては国立の試験研究機関ではなくて特殊法人ということでございます。国立といわゆる独法、国研との間の特殊法人ということでございます。
○谷口委員 ありがとうございます。
そうすると、間接経費は計上するのですね。
○脇田部会長 計上することで間違いないと思います。
○谷口委員 ありがとうございます。
○脇田部会長 するのではなくて、計上できるかですかね。
そうしましたら、成田委員、お願いします。
○成田委員 御説明ありがとうございます。
先月2月に都が設置しておりますiCDCによるフォーラムを開催したところです。その中で、本日御参加いただいております脇田先生、大曲先生にシンポジストとなっていただきまして、今後のJIHSに関するディスカッションをしたところです。都民や都内の医療機関からJIHSへの大きな期待が寄せられておりまして、都としてもJIHSとの連携は非常に重要と考えております。研修や訓練など一緒に取り組めることも多いと思いますので、ぜひ綿密に情報共有しながら協力して進めていくことができればと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○脇田部会長 成田委員、ありがとうございます。
多分事務局からというよりは私のほうからお答えさせていただいて、地方自治体との連携、特に東京都との連携は非常に重要と思っていますので、これまでも連携させていただいていましたが、ぜひその点についてはこれからもしっかりと連携を続けさせていただきたいと思っております。よろしくお願いします。
大曲先生、今、お名前が出たので一言いただいてもいいですか。
○大曲委員 ありがとうございます。
成田さん、ありがとうございます。
脇田先生がおっしゃったとおりだと思っております。既に密に連携を取らせていただいておりますけれども、我々の立場も変わりますので、その辺のところをしっかりと踏まえた上で、さらにしっかりと効果的にといいますか、密に連携できるようにしっかりやっていきますので、よろしくお願いします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
今村先生、お願いします。
○今村委員 今村です。
2つの立ち位置が違う施設を「特殊法人」という扱いで1つの大きな施設として動けるようになったということは非常によかったなと思っております。それぞれの施設はこれまでもいろいろ努力されてきたところだと思うのですけれども、2つの施設が一緒になった利点を生かし、できる限りいろいろなことにトライしていただいて、この先の感染症医療につながってくれることを期待しております。よろしくお願いします。
○脇田部会長 ありがとうございます。
期待されるところ、公衆衛生対応あるいは医療面での感染症対応といったところもあると思いますので、そこはしっかりやっていくわけですけれども、今回といいますか、前回のコロナの対応において、やはり感染研、NCGMだけでは対応できなかったことがたくさんあって、外部の専門家の先生方からの御尽力というものが国のコロナ対策に非常に有用だったということだったと思いますので、JIHSができたからそれで全部できるのかと言ったら、必ずしもそうではなくて、そこは強化されていくのですけれども、やはり先生方のお力をしっかりとお借りするということもまた重要な機能の一つと思っています。外部の先生方との連携をしっかりとやっていくということだと思っておりますので、引き続き今村先生にもいろいろと御指導いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
それで、せっかくですので、JIHSの理事が2名いらっしゃいますから、今日オブザーバーの俣野先生と委員の四柳先生、今、画面が消えているのでいらっしゃるかどうか分からないのですけれども、いらっしゃいますね。
では、四柳先生から一言決意表明をお願いできますか。
○四柳委員 申し訳ございません。診療中でマスク、白衣姿で失礼いたします。
今回国のこれからの感染症の対策の一翼をお手伝いさせていただくことになりました。私の仕事は、皆様方と御一緒になって、現場で必要な臨床研究、基礎研究を支援させていただくということになります。、今日御出席いただいている先生方お一人お一人にもご助言をお願いするかもしれません。諸先生方と一生懸命やっていきたいと思いますので、今後とも御指導のほど、よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
そうしましたら、俣野先生からも一言いただけますでしょうか。
○俣野参考人 俣野でございます。
JIHSの4つの特に柱となるミッションというのは、研究機関としてのインテリジェンスの強化、研究開発の強化、総合的なメディカルケアの強化、さらに人材育成・国際協力となっています。このことについてはいずれも重要だと考えております。その中で、私ども、まず感染研の立場からこれまでやってきたことの継続ということも注視しつつ、今言った4つの柱が全てうまく進むように頑張っていきたいと思っております。
私、理事として特に人材育成・国際協力のところの担当となっていますが、これに関しては、当然、例えば地方衛生研究所等との連携等を含めて国内の連携、それから、国外との連携、いずれも非常に重要なミッションと考えておりますので、皆様の御協力の下、進めていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
議題から外れて、JIHSの関係者から少しコメントをいただいたという形になりまして、恐縮ですけれども、ありがとうございました。
というところで、さらに御意見がなければ、JIHSの設立に向けて我々も努力していきますし、事務局にもよろしくお願いをいたしますということにしたいと思います。
すみません。少し時間を超過してしまいましたが、最後に、そのほかでも結構なのですけれども、委員の先生方から何か御意見、御質問等があればお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、議題は以上になりますので、議事を事務局にお返ししたいと思います。
○佐野エイズ対策推進室長 ありがとうございました。
本日の委員、参考人の皆様の御意見を踏まえ、進めさせていただきたいと思います。
この後、当方で記者ブリーフィングとして議事の概要を説明させていただく予定としております。
また、次回につきましては、事務局より改めて御連絡させていただきます。
本日は、大変お忙しい中、御出席いただきありがとうございました。
○脇田部会長 今日もどうもありがとうございました。
これで失礼いたします。
また次回よろしくお願いいたします。