第26回労働政策審議会安全衛生分科会じん肺部会 議事録

日時

令和7年3月5日(水) 10:00~

場所

厚生労働省 専用第21会議室

出席者

公益代表(敬称略)
飯田 裕貴子、近藤 光子、髙田 礼子、中野 真規子、永野 仁美、保利 一
労働者代表(敬称略)
金井 一久、鈴木 誠一、田久 悟、冨髙 裕子、堀尾 純士、吉村 健吾
使用者代表(敬称略)
川中 一哲、坂下 多身、佐藤 恭二、矢内 美雪

ヒアリング参集者(敬称略)
芦澤 和人
事務局
井内 努(安全衛生部長) 佐藤 俊(計画課長) 佐々木 孝治(労働衛生課長)
森川 博司(主任中央じん肺診査医) 栗原 啓輔(中央じん肺診査医)
中村 登紀子(健康疫学専門官)

議題

(1)じん肺健康管理実施状況について(報告)
(2)ずい道等建設労働者健康情報管理システムについて(報告)
(3)じん肺標準エックス線写真集の改定に向けた検討状況について(報告)
(4)じん肺診査ハンドブックの改訂について

(5)その他

議事

議事内容

○森川主任中央じん肺診査医 それでは時間になりましたので、「第26回労働政策審議会安全衛生分科会じん肺部会」を開催いたします。主任中央じん肺診査医を務めている森川です。よろしくお願いいたします。
 皆様方におかれましては、大変お忙しい中、当部会に御出席いただきまして誠にありがとうございます。本日は遠藤委員、岡野委員から御欠席の御連絡を頂いておりますが、その他の委員は御出席いただいておりますので、労働政策審議会令第9条第1項及び第3項に定める定足数を満たしておりますことを御報告いたします。ちょっと冨髙委員と飯田委員が遅れておりますが、先に始めさせていただきます。
 今回、初めて出席される委員がいらっしゃいますので、御紹介いたします。まず、公益代表の飯田委員なのですが、今、遅れていらっしゃいます。次に、労働者代表の金井委員です。
○金井委員 金井です。よろしくお願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 それから、鈴木委員です。
○鈴木委員 全港湾の鈴木です。よろしくお願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 堀尾委員です。
○堀尾委員 堀尾です。よろしくお願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 続いて使用者代表の川中委員です。
○川中委員 よろしくお願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 また、本日はヒアリング参集者として長崎大学大学院の芦澤和人教授にも御出席いただいております。よろしくお願いいたします。続いて事務局に交代がありましたので、御紹介いたします。安全衛生部長の井内です。
○井内安全衛生部長 よろしくお願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 続いて労働衛生課長の佐々木です。
○佐々木労働衛生課長 佐々木です。どうぞよろしくお願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 計画課長の佐藤です。
○佐藤計画課長 佐藤です。よろしくお願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 中央じん肺診査医の栗原です。
○栗原中央じん肺診査医 栗原です。よろしくお願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 健康疫学専門官の中村です。最後、私ですが去年8月に主任中央じん肺診査医に着任した森川です。よろしくお願いいたします。
 また、傍聴の方へのお願いですが、カメラ撮影等はここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。それでは開会に先立ちまして、安全衛生部長の井内より一言御挨拶を申し上げます。
○井内安全衛生部長 安全衛生部長の井内でございます。本日は委員の先生方、お忙しい中御参集いただき、誠にありがとうございます。この場を借りまして日頃より安全衛生行政に御尽力いただいておりますことを御礼申し上げます。どうもありがとうございます。
 本日、じん肺部会ということですが、粉じん対策というのは昔からずっと続いていることではございますが、まだまだなくなっているわけではないということで、粉じん対策として、いわゆる第10次粉じん障害防止総合対策というものが現在オンゴーイングで進んでいるというところでございますし、実際、粉じんの現場というものもまだまだ存在する、有所見の方もまだ定期的に100名という形で出ているという中で、本会議というものは非常に重要だというふうに思っております。この中でこれからも新しい知見に基づいた、よりリーズナブルで真実に正しい形の検証というものが進んでいくためにも本会は非常に重要な位置づけだと思っておりますので、よろしくお願いをしたいというふうに思っております。また、せっかくの機会ですので、我々の進め方も含めて忌憚のない御意見を頂けますようお願い申し上げます。それでは、本日はよろしくお願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 ありがとうございました。今回はペーパーレス開催とさせていただいておりますので、お手元にお一人1台タブレット端末を準備しております。画面を御覧いただいて議事次第、資料等が並んでいるページであることを最初に御確認いただいて、その中で指で操作できますので、見たい資料をタッチして開いていただければと思います。前の画面に戻る場合は矢印や、あとは戻るボタンを押していただければと思います。不具合等はないでしょうか。
 それでは、最初に資料の確認をいたします。まず、議事次第01がありまして、その次に、02の資料1「じん肺健康管理実施状況」、資料03として資料1の参考、04が資料2「ずい道等建設労働者健康情報管理システムデータ登録状況等」、05の資料3-1「じん肺標準エックス線写真集改定案」、06の資料3-2「じん肺標準エックス線写真集改定案に関する意見募集結果」、07の資料4-1「じん肺診査ハンドブックの改訂について」、08の資料4-2「芦澤参集者提出資料」、09の資料4-3「じん肺診査ハンドブック改訂案」、10の資料5-1「『じん肺健康診断へのDR(FPD)の使用に関する検討会報告書』の記載の明確化について」、11の資料5-2「じん肺に関する研修実施状況」です。以下参考資料ですが、12の参考1「令和5年業種別じん肺健康管理実施状況」、13の参考2「ずい道等建設労働者健康情報管理システム」、14の参考3「じん肺部会委員名簿」、15の参考4「労働政策審議会令」、16の参考5「労働政策審議会運営規程」、17の参考6「安全衛生分科会運営規程」、18の参考7「じん肺部会運営規程」です。
 オンラインで御参加の皆様には事前にお送りしております。資料の不足等がありましたら事務局までお知らせください。よろしいでしょうか。それでは、以降の議事進行については髙田部会長にお願いいたします。
○髙田部会長 皆様、おはようございます。どうぞよろしくお願いいたします。それでは、議事に入ります。議題(1)「じん肺健康管理実施状況について(報告)」となります。事務局より説明をお願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 それでは、資料02をお開きください。これは毎年御報告しているものになりますが、令和5年のものがまとまりましたので御報告いたします。1ページの一番下を御覧ください。適用事業場数は5万3,862か所、粉じん作業従事労働者数は63万9,293人、じん肺健康診断実施事業場数は2万7,164名、じん肺健康診断受診労働者数は30万2,070人、そのうち新規で有所見があった方が138名となっております。
 続いて、2ページを御覧ください。じん肺管理区分の内訳になっております。令和5年は、じん肺の管理区分が決定された方が1,101名、そのうち管理1だった方が185名、管理2から管理4までの有所見者の方が916名となっております。また、合併症を罹患されている方が1名います。
 続いて、3ページの3を御覧ください。こちらは、随時申請に係るじん肺管理区分の決定状況になります。令和5年の所ですが、管理区分決定件数は519件、管理1の方が177名、管理2から管理4までの有所見者の合計が342名、合併症を罹患された方が35名となっております。
 続いて、4ページの4、合併症の罹患者数です。こちらは延べの人数でいっておりますので、合計2名となっております。続発性気胸と原発性肺がんがそれぞれ1名となっております。
 続いて、5ページが随時申請に係る合併症の罹患の患者数です。こちらは、合計で延べ36名となっております。
 次に、左にスライドしていただけると次の資料に行くのですが、参考として資料03のじん肺健康診断実施状況を付けております。令和元年のデータになりますが、粉じん作業に従事されている方たちのじん肺健康診断の受診率を示しております。それぞれの業者において、大体90%以上が健康診断を受診されているデータになっております。議題(1)については、以上です。
○髙田部会長 御説明ありがとうございました。じん肺健康管理実施状況について、令和5年の数値を中心に御説明いただきました。ただいまの説明について御質問、御意見がある方は御発言をお願いしたいと思います。まずは会場の委員で何かありますか。それでは、金井委員、お願いいたします。
○金井委員 金井です。私からは、じん肺健康管理実施状況について発言したいと思います。直近2回の部会において、労働側委員から対象労働者の受診率100%受診を目指して、じん肺健診の実施率を把握すべき旨の発言をさせていただいた結果、今回、作業の種類ごとの受診率が提示されたことは前向きに受け止めています。
 また、今回示された受診率については、労働環境調査の結果によるものということですが、本調査については前回が令和元年、その前が平成26年と、約5年ごとに実施をされてきたと承知しています。おおむね5年ごとのサイクルと考えると、調査の実施サイクルが少々実施が遅れているようですので、早期に次回の調査の実施をしていただきたいと思います。また、未受診者のいる事業場に対しては、法律違反の状況であることを周知するとともに、引き続き労働基準監督署等による監督指導の徹底をしていただきたいと考えています。以上です。
○髙田部会長 ありがとうございました。事務局からは、いかがですか。
○森川主任中央じん肺診査医 御意見ありがとうございます。また機会を見付けてきちんと調査を引き続きやっていきたいと思います。それから、未実施の事業所等に対しては監督署等から見に行ったときなど、そういったものについて指導するとともに、また周知を一生懸命していきたいと思っております。今、動いている第10次粉じん障害防止総合対策においてもじん肺健康診断の着実な実施が入っておりますので、引き続き周知していきたいと思います。ありがとうございます。
○髙田部会長 ありがとうございます。金井委員、よろしいですか。ありがとうございます。そのほか、会場から何かありますか。坂下委員、お願いいたします。
○坂下委員 経団連の坂下です。御指名いただきまして、ありがとうございます。資料1について、2点発言をさせていただきたいと思います。まず、1点目ですが、1ページのじん肺健康診断結果によると、じん肺健康診断の実施が必要となる事業所の数や粉じん作業に従事する労働者の数は増加しておりますが、新規にじん肺の所見があると診断された労働者の数は長期的には減少傾向にあると思います。
 また、2ページ目の、じん肺管理区分内訳と3ページの随時申請に係るじん肺管理区分決定状況を見ますと、有所見者の合計はほぼ一貫して減少を続けております。こうした結果は官民による粉じん障害防止対策の成果であり、この間の厚生労働省や関係業界の皆様の御尽力に敬意を表したいと思います。
 一方で、アスベストを含む建築材料を使用する民間建築物の解体工事の件数は増加しており、社会インフラの恒久化に伴う維持管理、更新ニーズの上昇が見込まれております。こうした中で、労働者の粉じんばく露防止対策は、今後も重要な課題になると認識しております。厚生労働省においては、先ほど井内安全衛生部長もおっしゃっていましたが、第10次粉じん障害防止総合対策に基づいて事業者の取組を一層後押しいただけますようお願いいたします。
 2点目ですが、1ページの下の注のとおり、じん肺健康診断結果の基となるのは、じん肺法施行規則第37条に基づく事業者からの報告についてです。この報告については本年1月1日から電子申請が義務化されております。とは言え、経過措置として当面の間、書面による報告も可能とされているため、どの程度事業者が電子申請を行うか未知数です。電子申請については、行政手続に要する事業者の負担を軽減するだけではなく、行政機関にとっても事業者からの報告内容を集計分析しやすくなるというメリットがあると考えております。厚生労働省においては、より多くの事業者が電子申請により報告を行えるよう引き続き周知、広報をお願いしたいと存じます。以上です。
○髙田部会長 ありがとうございました。ただいまの御発言について、事務局からお願いいたします。
○佐々木労働衛生課長 労働衛生課長です。御要望、御指摘ありがとうございます。正に有所見者自体は確かに減少傾向にあるかもしれませんが、粉じん作業の対象となる事業場数、労働者数が増えていることに加えて、御指摘いただきました解体作業の問題も出てきますので、決してこれは手を緩めることなく引き続き関係者の皆様の御理解、御協力を頂きながら粉じん対策をしっかり進めてまいりたいと思います。じん肺は不可逆性ですので、しっかりと予防をすることが大事だと考えております。
 それから、電子申請についても、ようやく施行しておりますので、この辺りについてはしっかり周知、広報しながらフォローアップしてまいりたいと思っております。ありがとうございます。
○髙田部会長 ありがとうございました。坂下委員、いかがですか。よろしいですか。
○坂下委員 ありがとうございます。是非、よろしくお願いいたします。
○髙田部会長 そのほか、会場から御発言ありますか。それでは、佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤委員 飛島建設の佐藤です。先ほど金井委員からお話があったとおり、参考資料の実施状況の表を見て、実施率が高いのは非常にいいことだと思うのですが、そもそもの話ですけれども、この実施率はどうやって計算されているのかという。私、ちょっと不勉強なのかもしれませんが、例えば我々が関係ある所を見ますと、ずい道等建設工事作業が100%になっているのですね。いわゆる分母をどのように。実際に健康診断を実施して、それが厚労省に届出が出れば、分母さえきちんとつかめば何パーセントで出ると思うのですけれど、この分母の捉え方は、要するに総数の捉え方はどうされているのかなと思って、ちょっと教えていただきたいなと思いました。
○髙田部会長 事務局からお願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 お答えいたします。調査票なのですが、事業者にじん肺健康診断の受診対象者数、受診者数、有所見者がいた場合は有所見者数を報告していただいています。その受診対象者数ですが、3年に1回の実施対象者数は3年間分、それから1年に1回の実施対象者は1年分の方を記載していただいています。なので、その事業所にお勤めされている方でじん肺健康診断の実施対象になる方は全員入っているとなっております。そのうち、受診された方を報告してもらっています。以上です。
○髙田部会長 佐藤委員、いかがですか。
○佐藤委員 今の御説明ですと、要するに事業者が届け出ないと分からないということですよね。ということは、法違反というのですかね、特殊健康診断を受けていない事業場があれば、そこは当然拾ってこないわけですから。申告した事業所に対しての100%という捉え方ということですね。だから、全てのトンネル業者が受診しているということではないという捉え方でよろしいのでしょうかね。というのは、後ほど出てきますけれど、建災防さんでトンネル坑夫さんの健康管理システムをずっとやっていまして、前々から問題になっていたのは登録を100%にするのが我々の目標になっているのですが、分母の事業者数若しくは抗夫さんの人数を把握するのが非常に難しくて、もし厚労省さんのこういったデータが、何かうまい方法があるのであれば、それをそのまま建災防さんにも使用していただければ、我々がやっている健康管理システムも目標値が明確になると思います。今のところ目標は100%なのですが、分母が明確にならない、つかめないというところでなかなか100%にはならないことが、システムが立ち上がったときからずっと課題になっていまして。今の御説明だと、申告した事業者数に対しての実施率が100%ということですよね。と言うと、ほかの業種で100%になっていない部分はどういったことになるのかなと、ちょっと疑問に思ったのですけれど。
○髙田部会長 それでは、事務局、いかがですか。
○森川主任中央じん肺診査医 大前提として、令和元年にやっている調査はランダムでサンプリングしたものになりますので、この業種の全事業者に聞いているわけではないというのが大前提です。ただ、資料1の本体のほうのデータは、これは全事業者さんに出していただいているものになります。今、御指摘ありましたほかの業種について、低い業種に対してですが、ここも引き続き周知していくしかないかなと考えております。以上です。
○髙田部会長 ありがとうございます。佐藤委員、いかがですか。
○佐藤委員 ありがとうございます。
○髙田部会長 ありがとうございます。そのほか、会場からは御発言はありませんか。矢内委員、お願いいたします。
○矢内委員 矢内です。1点質問になります。有所見者の新規発生の中で事業主の定期報告と随時での程度の差ですとか、短期で発生しているのか長期的な影響なのかなど、詳細の分析結果があれば教えてください。
○髙田部会長 事務局、いかがですか。
○森川主任中央じん肺診査医 お答えいたします。随時の方の症状や定期の診断で見付かる方の症状など、そこまでは取っていないので、どれぐらいの期間を置いて発症されているか、そういうデータはないです。
○矢内委員 承知しました。ありがとうございます。
○髙田部会長 事務局から追加で御説明ありますか。よろしいですか。ありがとうございます。会場のほうはよろしいですか。オンライン参加の委員から御発言の御希望はありますか。ZOOMで何かチャットとか来ていますか。
○中村健康疫学専門官 ないですね。
○髙田部会長 では、よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、議題(1)についてはここまでとさせていただきます。いろいろ御指摘がありましたが、引き続き取組をよろしくお願いいたします。
 続いて、議題(2)「ずい道等建設労働者健康情報管理システムについて(報告)」になります。事務局から説明をお願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 事務局です。それでは、04の資料2を御覧ください。こちらは先ほどもお話がありましたが、ずい道等建設労働者、トンネル作業をされている方の健康情報管理システムにおけるデータ登録状況になっております。ずい道工事、トンネル工事の現場にお勤めの方は、作業が終わる度に現場が変わったりして、その方がどういった粉じん作業をされていたかを追いかけることがなかなかできませんので、それについて参考2を御覧いただけるとよいのですが、同じ労働者の方が事業場が変わってもどういった作業をされていたかを1か所に登録をしておいていただいて、その結果、その方が粉じん作業にどれぐらい従事されていたかを分かりやすく示せるようにと作られたシステムになります。
 それでは、資料2に戻ってください。登録対象の事業場は現在動いているトンネルが大体250か所と言われています。その中で、建災防さんに登録をしていただくのですが、令和6年に竣工されたトンネルで登録された箇所は94か所ありました。その結果、平成30年にこのシステムがスタートしていますので、累積で487事業場、487トンネルの登録がありました。その結果、健康情報が登録された労働者の方は3,783名となっております。
 データ登録のための取組状況として(1)(3)ですが、労働基準監督署等で元請会社、ずい道工事会社に対する集団説明、個別訪問の際にこういったシステムがあるので登録をお願いしますというのを言っております。また、トンネル作業の計画届出提出時などにも登録を案内しているところです。
 それから、建災防さんにおいては、プレートを配布していただいています。このプレートを配布していただいて、監督署がトンネル作業を見に行ったときに登録済みのプレートがあるかないかなども確認をさせていただいています。こういったことをしてシステムをどんどん利用していただけるように周知徹底しているところです。説明は以上です。
○髙田部会長 ありがとうございました。ずい道等建設労働者健康情報管理システムのデータの登録状況及びデータ登録のための取組状況について、御説明いただきました。ただいまの御説明について、御質問、御意見等がある委員の方がいらっしゃいましたら、お願いいたします。まず、会場の委員で御発言、御希望の方いらっしゃいますか。それでは、中野委員、お願いいたします。
○中野委員 中野です。御報告ありがとうございます。先ほど登録事業者に対して掲示するプレート配布という御説明がありましたが、どれぐらいの割合で未掲示なのか、未登録の事業所は何割ぐらいなのか、もし数字があれば教えてください。
○髙田部会長 それでは、事務局からお願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 御質問ありがとうございます。把握できた事業場数が全部で548か所ありました。なので、そのうち487か所が登録をしてくださっていますので、88.9%が登録をしてくださった状況になっています。以上です。
○髙田部会長 中野委員、御質問はプレートの件についてですよね。
○中野委員 御存じあれば。
○髙田部会長 事務局でプレートの件について、もし分かることがあればお願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 すみません。プレートの配布状況等は聞いていませんので、また確認しておきます。(事後確認:登録事業者に対する配布率は100%、掲示率は不明)
○中野委員 ありがとうございます。お願いします。
○髙田部会長 そのほかは、会場からいかがですか。よろしいですか。オンライン参加の委員からチャット等何か書き込みはありますか。
○中村専門官 書き込みはありませんので、よろしくお願いいたします。
○髙田部会長 ありがとうございます。それでは、ただいま、ずい道等建設労働者健康情報管理システムについて御報告いただきましたが、引き続き取組を進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次の議題に移ります。議題(3)「じん肺標準エックス線写真集の改定について(報告)」になります。事務局から説明をお願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 そうしましたら、05の資料3-1を御覧ください。これは、昨年のこの部会でもお話をしたものですが、標準エックス線写真集というものがあり、その写真集に基づいて、じん肺の程度がどういったものかというのを判断していただいている写真集になります。それにつきまして、従来22症例をお示ししていたのですが、新たに16症例追加し、全部で38症例にしたいというのを昨年度の部会でお示ししました。その38症例について、パブリックコメントを行うところをご報告しておりました。
 今回、パブリックコメントの結果がまとまりましたので、次の06の資料3-2でお示しいたします。パブリックコメントは、昨年12月から今年1月にかけて行いました。頂いた御意見は、個別の写真に対しての御意見が多かったです。例えば1番、通番の1の所ですが、30番の写真は1型相当に見えますという御意見がありました。厚労省としては、2型相当とお示ししていました。
 次に、2ページを御覧ください。通番8の御意見ですが、例えば写真の通番38は、厚労省はその他の陰影としているのですが、粒状影と読影しますという御意見がありました。個別の写真についての御意見は、今、専門家の先生に御覧いただいているところです。
 続きまして、全体的なところでは、1ページにお戻りください。3番の5行目になるのですが、じん肺標準エックス線写真集のDICOMデータを公開し、じん肺の診療に当たる全ての医師がアクセスできるようにしていただきたいものですというものがありました。このデータにつきましては、今回パブリックコメントをお願いする際についても、セキュリティの問題をどうするかと考え、なかなかDICOMデータをそのままホームページに公開するのは難しいだろうという判断をいたしました。ですので、このDICOMデータ自身を公開して見ていただくのは難しいかなと思いますので、もし技術的なところの問題がクリアできれば可能かとは思いますが、そこは検討していきたいなと思っています。
 続きまして、4ページです。(6)の胸部CTが補助的検査であることを明示すべきという御意見がありました。厚労省といたしましては、じん肺の診査につきましては単純エックス線写真を用いることとしており、CTは補助的に使用することと従来から言っていますので、これを引き続き周知させていきたいと考えております。頂いたパブリックコメント、御意見に関しましては、先ほどお話した専門家の先生方の御意見も踏まえて回答案を作成し、それがまとまり次第、また部会の先生方にも見ていただいて公表したいと考えております。以上です。
○髙田部会長 御説明ありがとうございました。資料3-2にありますとおり、じん肺標準エックス線写真集改定案に関するパブリックコメントの意見募集結果の取りまとめについて御説明いただき、パブコメの取りまとめの方向性について御説明いただきました。本件につきまして御質問、御意見等があります委員につきまして、会場の委員の方は御発言御希望の旨お知らせいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。冨髙委員、お願いいたします。
○冨髙委員 ありがとうございます。先ほど事務局から報告がありましたが、この内容は昨年の部会で報告があり、16症例が追加されるという方向性を確認したと思います。約1年が経過し、ようやくパブコメが実施されたということで、少々時間がかかり過ぎているのではないでしょうか。これからも対象労働者の増加が見込まれると思いますので、この写真集が早期改定がされることで、より精緻な検査が早く行われるべきだと考えておりますので、是非対応をお願いします。
 また、パブコメに対する対応の要否について、現在、専門家により確認されているということですが、その確認の結果、内容が変わるようなことがあるようでしたら、本部会の委員に報告いただくことも必要かと思いますので、その点よろしくお願いします。以上です。
○髙田部会長 ありがとうございます。今のタイムスケジュールのことに関しまして、事務局からお願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 ありがとうございました。1点目の所は、申し訳ありませんでした。個別の症例についてはCTが大量にあり、そこから個人情報等を削除していくのに手間が掛かり、12月となりました。申し訳ありませんでした。今後のスケジュールにつきましては、御指摘がありましたように、きちんとパブリックコメントの回答案ができましたら事前に部会の先生方にも御覧いただき、それで公開したいと考えております。以上です。
○髙田部会長 ありがとうございます。冨髙委員、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
○冨髙委員 はい。承知しました。
○髙田部会長 ありがとうございます。そのほか、会場から何かございますか。よろしいですか。オンライン参加の委員につきましても、特に御意見等はございませんか。よろしいですか。ありがとうございます。
 そうしましたら続きまして、議題(4)「じん肺診査ハンドブックの改訂について」です。事務局から御説明をお願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 そうしましたら、次に資料07、資料4-1を御覧ください。最初に改訂の趣旨です。じん肺の診断につきましては、「じん肺診査ハンドブック」というのをお示ししています。これに基づいていろいろな検査などを実施してくださいとお願いしていました。
 このハンドブックですが、できたのが1978年(昭和53年)で、その後、1979年に1回改訂し、その後は小幅な改訂をしていました。最終的な改訂が1987年10月でしたので、その後、医療の進歩や医学的知見の集積、制度の変更等がありましたので、そういったものを反映させてハンドブックを作り直そうと考えました。その結果、令和4~6年度まで芦澤先生に研究していただきました。詳細につきましては、芦澤先生からお話いただきますが、先に改訂案のスケジュールをお示ししたいと思います。
 今日、ハンドブック改訂について御説明しましたので、来年度になりまして1~2回、この部会におきまして具体的な内容について御議論いただきたいと思っています。その結果を踏まえて、今年の10月にパブリックコメントをできたらと考えています。その後、パブリックコメントの結果の御報告と、それを受けてハンドブックの内容確定を12月ぐらいにできればと考えています。それを踏まえて来年3月に通知を発出して、再来年度から新しいハンドブックの適用を開始したいと考えています。変更内容等については、芦澤先生から御説明いただきたいと思います。
○髙田部会長 それでは、芦澤先生、御準備できましたらよろしくお願いいたします。本日はお忙しい中、ありがとうございます。
○芦澤参集者 長崎大学の芦澤でございます。よろしくお願いいたします。資料4-2を提示いただけますか。今、森川主任から御紹介がありましたけれども、労災疾病臨床研究補助金を受けまして、この「じん肺診査ハンドブック」の改訂案を作成しましたので、説明をさせていただきたいと思います。次のスライドをお願いします。
 研究の目的に関しましては、ただいま御説明がありましたように第4版の改訂がされたのが1987年で、それ以降も適時、通達などは行われてきたわけですけれども、この「じん肺診査ハンドブック」は、現在、絶版となっているということ。それから、近年の目覚しい医療の進歩、あるいはじん肺の病態が少し変化してきている等に関して、様々な医学的知見が集積されてきていますので、このハンドブックの改訂を望む声が高いということでした。そこで、この新しい研究班でハンドブックの改訂案を作成したところになります。次のスライドをお願いします。
 研究組織はここに示すとおりですけれども、基本的に、この「じん肺診査ハンドブック」に関しては、1つ目が臨床検査、2つ目が肺機能検査、3つ目が画像検査及び病理、この3つの小班に分かれて3つの大きなグループを作り、それぞれが専門の領域に関して、ハンドブックの現状にそぐわない問題点を、まず抽出したことになります。ここに記載の先生方に御協力を頂きました。次、お願いいたします。
 研究の流れ図です。3年間の研究でしたけれども、1年目は、今、述べましたように3つの領域に関して、まずは問題点を洗い出したというところになります。2年目は、改訂案を作成して、2年目の後半で地方じん肺診査医及び労災病院の呼吸器系の先生方へアンケート調査を行いました。そこで様々な意見を頂きましたので3年目、今年度になりますけれども、その御意見に対して可能な限り修正を行いまして最終案を作成したところです。同時に、この研究では、先ほど御説明がありましたじん肺標準エックス線写真の見直し、それから、新たに遠隔画像診断のネットワーク体制の検討も行っています。次、お願いします。
 改訂のポイントですが、以下の観点から改訂案を作成していますけれども、非常に重要なことは、あくまでも現行の審査・運用方法は変わるものでないというところです。その中で改訂したポイントですが、(1)が通達・事務連絡の内容の追加ということで、例えば原発性肺がんを合併症に追加したこと。これは平成15年に出されていますけれども、それを明記しています。肺機能検査の判定法の変更、これは平成22年に発出されたものです。じん肺標準エックス線写真のリスト追加、CTの取扱いについても明記しています。(2)は医療の進歩や医学的知見の集積で、採血や血液ガス分析方法を削除したこと。現在では行われていない検査等(気管支造影、スパイロメーターの調整)を削除しています。それから、非常に意見が多かった、じん肺との鑑別が必要な疾患、溶接工肺等の新たなじん肺が出てきていますので、それらのCT所見等も追記しています。そして、ここに記載していませんけれども、今回は病理の画像もかなり追加して、CTと画像が対比できるような改訂案としています。次のスライドをお願いします。
 ここからは改訂項目で、左側が現在のハンドブックの目次になりますが、右側の「新」と書いてあるのが改訂案で、赤で示しているのが新たに加わったもの、あるいは順番等を並べ替えたものになります。じん肺の定義を最初に持ってきて、じん肺の種類について明記したこと。CTと病理、ここは赤が付いていませんが、病理所見等、多数の画像を提示しています。炭鉱夫じん肺と溶接工肺を新たに加えているのと、合併症では原発性肺がんを明記しています。次、お願いします。
 次の所は色は変わっていませんが、実際のところはⅡの3です。エックス線撮影検査及びエックス線写真の読影の所の(5)からになりますけれども、(5)じん肺の合併症・続発症の評価におけるCTの有用性、(6)じん肺の鑑別診断におけるCT検査の有用性、この(5)(6)を明記していて、更に、じん肺審査におけるCT検査の位置づけ、あくまでも補助的に使用することを明記しています。次、お願いします。
 あと、大きく変わったのは肺機能検査ですので、従来の方法を全て削除し、新たな検査法について記載しています。合併症に関する検査に原発性肺がんを加えたこと。その他の検査ではSABですね、選択的肺胞気管支造影を削除して心エコーを加えています。次、お願いします。
 「じん肺管理区分」決定の流れについても、これまで以上に詳細にフローチャート等を使用して改訂案を作成したところです。次、お願いします。
 現在は3年目で最終年度になっていますので、ここにありますように3年間の総合研究報告書になりますが、ほぼできていますので、今、印刷に出しているところです。ピンクの「じん肺診査ハンドブック」(案)という所から、100ページ以上に及ぶ改訂案の原稿を厚労省に提出する予定です。説明は以上になります。
○髙田部会長 芦澤先生、御説明ありがとうございました。ただいま、資料4-1に基づきまして、事務局から「じん肺診査ハンドブック」改訂案の検討スケジュールについて御説明がありました。その後、芦澤教授から「じん肺診査ハンドブック」の改訂につきまして、5ページ目にございます改訂のポイント、6ページ以降の具体的な改訂項目について御説明を頂きました。本件につきまして御質問、御意見等のある委員がおられましたら、会場に委員につきましては挙手をお願いできればと思います。いかがでしょうか。田久委員、お願いいたします。
○田久委員 説明、ありがとうございました。今回、改訂案の議論のスケジュールも出されたということで、以前から議論をもうちょっと深めたほうがいいというのも、前回、指摘したと思います。そういった意味では、スケジュールが掲げられていることもありますが、実は私自身は今日、委員としての最後の部会になります。10年経ってしまいましたので。そういった意味で発言をさせていただければと思います。
 今回のじん肺診査のハンドブックの改訂で重要だと感じているのは、現在、最も被害を受けていて、そして増加しているのが建設業のじん肺、特に石綿肺の患者です。こうした患者が適切に審査されて労災補償を受けられる、こういったことにあるのではないかと私自身は感じています。そういった面で、今後、議論するスケジュールはありますけれども、私自身は3点ほど意見と要望を言わせていただければと思います。
○髙田部会長 今、音声調整中なので、御発言の途中で申し訳ありません。少々お待ちください。
○田久委員 1つ目としては、建設業の石綿肺の判断に適した胸部レントゲン写真とCT写真、こういったものは3枚以上だったり、複数業種で示せるような「じん肺診査ハンドブック」の改訂が必要ではないかと考えています。じん肺の標準写真に関しては拙速に決定するのではなく、1年程度、若しくはじん肺の健診や治療、そして診断をしている医師から意見を様々聞いていただき、そういったものを付け加えて決定していく。こういう流れも必要ではないか。少なくとも、25年5月に日本産業衛生学会が開かれるとも聞いていますので、そういった所の意見を聞いてから決定していくことを要望したいというのが、1点目です。
 2点目は、石綿肺を典型とする不整形陰影のCTでの判断が困難で、芦澤先生の研究でも対象から外れた経緯があることからも、建設業の石綿肺の患者が補償を受けにくいような改訂については、削除したり表現を変えたりということが望ましいのではないかと考えています。特に28ページに、石綿肺の診断において、「HRCTで確認することが肝要である」と書かれている部分がありますが、特に「肝要」という部分が表現として重く捉えられると思いますので、この辺は削徐なり表現の変更を是非していただきたいと思っています。また、同じ28ページに、「特発性肺線維症」から始まって「判断する。」までの文章がありますが、石綿肺と類似の疾患が、あたかもCTできちっと判明できるような表現に受け取られやすい表現になっていると思いますので、この点に関しても、より適切な表現を求めたいと考えています。
 3点目は、89ページにある「じん肺審査におけるCT検査の位置づけ」、管理区分2以上と決定うんぬんという部分ですが、ここの部分でも、続発性気管支炎の合併症の判断にもCTを使用するとの誤解を招くような表現があるのではないかと思っていますので、削除なり表現の変更をしていただきたい。この後、2回ほどハンドブックの議論がされると思いますが、是非、そういったところで議論を深めていただければと思います。
 最後、改めまして標準写真同様、診断、治療に当たっている多くの医師から意見を求めていただきまして、反映、決定するよう要望して、多くの患者を救済できるように議論を尽くしていただくことをお願いして発言を終わりたいと思います。10年間、ありがとうございました。
○髙田部会長 ありがとうございました。ただいまの御発言につきまして事務局から御回答いただき、そのあと、芦澤先生からコメントがありましたら頂きたいと思います。まず、事務局からお願いいたします。
○佐々木労働衛生課長 労働衛生課長です。田久委員におかれましては10年間、この部会の委員をお務めいただきまして本当にありがとうございます。今、縷々、これまでの思いも含めて御指摘いただいたと思います。写真集のほうは足掛け2年というか、それ以上かかって、今回も何千枚の写真から個人情報を取り除く作業で時間がかかった部分もありましたけれども、丁寧に進めていって、いよいよパブコメという段階になっていますので、これは冨髙委員からも御指摘がありましたように、なるべく早期にアウトプットを出して、救済できる人をより救済する。そういう観点で進めたいと思っています。
 一方、今回のハンドブックにつきましては、今回は初出ですので、改めて皆様方にも御確認いただきながら、来年度の検討の中でしっかりと進めてまいりたいと思っていますし、当然、関係学会にも共有させていただき、頂いた指摘についても芦澤先生からコメントを頂けると思いますけれども、行政のほうも確認をさせていただきながら必要な検討をさせていただきたいと思っているところです。思いを受け止めて、今後、いずれにしましても検討してまいりたいと考えています。以上です。
○髙田部会長 ありがとうございます。続きまして、芦澤先生、よろしければお願いいたします。
○芦澤参集者 コメント、ありがとうございます。まず石綿肺に関してですが、これは私も厚生労働省、環境省の審査に携わっていますけれども、これは大変診断が難しいものだと思っています。御指摘いただきましたように、特に特発性肺線維症との鑑別というのは非常に難しいわけです。今回の原稿の作成に当たっても、それに関してはかなりディスカッションを行いまして、28ページの最後の所に記載していますが、あくまでもこの石綿肺の診断は画像だけで行うものではなく、職歴や経過が非常に重要ですので、その辺のところを十分勘案して最終的に判断することを明記しています。ただし、CTだけで診断できるという誤解を招かないように、より良い文言があればそれは検討したいと思います。
 もう1点は、CTの合併症の所ですが、基本的に私たちの中では、CTの一番の重要性は肺がんの合併症の審査において、CTを補助的に使用することが許容されていますので、それが非常に重要だと考えています。一方、続発性気管支炎に関しても、今回、CTの有用性に関して明記するかどうかという議論がかなりありました。例えば、気管支の壁が非常に厚くなっているとか、いわゆる粘液栓ですね、痰が非常に貯留しているような状況も、続発性気管支炎を示唆する重要な所見ではないかという意見もありましたが、必ずしも痰の量とその画像は比例しないという報告もあります。ですので、その辺のところから、それを今回、この重要なハンドブックに明記するのはちょっと難しいのではないかという議論がありましたけれども、今、そのような御意見を頂きましたので、今後も中央じん肺診査医、あるいは労災病院の呼吸器、じん肺に関与されている皆様方の御意見を頂きながら、あと、パブリックコメントがあるということですから、是非、その辺は検討していきたいと思っています。以上です。
○髙田部会長 芦澤先生、ありがとうございました。田久委員、いかがでしょうか。
○田久委員 是非、今、言われたように議論を尽くしていただいて、被害者をどう救っていくかということを第一に考えて議論していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○髙田部会長 ありがとうございました。そのほか、会場から御発言の御希望がある委員はいらっしゃいますか。堀尾委員、お願いいたします。
○堀尾委員 ありがとうございます。今回の改訂の趣旨は、昭和53年以降、ハンドブックの大幅な改訂がなかったということで、医療の進展や医学的知見の集積、発出された通達等の内容を反映させるものと受け止めています。先ほども改訂のポイントについて説明がありましたが、これからの審議において、改訂案の変更箇所、それぞれ変更理由の背景等々が分かるように示していただけたらと思います。先ほどの田久委員の発言も踏まえ、丁寧に進めていただけたらと思います。よろしくお願いします。
○髙田部会長 ありがとうございます。事務局から何かございますか。
○森川主任中央じん肺診査医 御指摘、ありがとうございました。次回の資料を出すときに検討させていただきます。ありがとうございます。
○髙田部会長 ありがとうございます。芦澤先生も特によろしいでしょうか。
○芦澤参集者 ありがとうございました。
○髙田部会長 ありがとうございます。そのほか、会場から御発言はございますでしょうか。よろしいでしょうか。中野委員、お願いいたします。
○中野委員 ハンドブックの改訂は非常に重要なお仕事だと敬意を表します。拝見させていただいて、今後の議題になるのかもしれないですが、20ページに、じん肺の種類、起因物質、発生職場とあります。例えば、私はインジウムに興味を持って研究していまして、21ページにインジウム肺の物質として、インジウム錫酸化物と1物質だけの提示になっていますけれども、インジウム錫酸化物以外のインジウム化合物も特化則に指定されていてインジウム肺を起こしますので、インジウム錫酸化物以外のインジウム化合物を追記いただけるよう、もう一度、御確認いただきたいと思います。あと、作業現場もなるべく多く追記していただけると、ここに載っていることがゴールデンスタンダードになると思いますので、対象者は、抜けがなく先生たちに診断していただけるのではないかと思います。よろしくお願いします。
○髙田部会長 ありがとうございます。今、インジウム肺に関して御意見を頂きました。事務局、何かございますか。
○森川主任中央じん肺診査医 御指摘、ありがとうございました。また、芦澤先生といろいろ検討していきたいと思います。
○髙田部会長 芦澤先生もよろしいでしょうか。
○芦澤参集者 貴重な御意見、ありがとうございます。検討したいと思います。
○髙田部会長 ありがとうございます。そのほか、会場から御発言はございますか。よろしいでしょうか。オンライン参加の委員から御発言はございますか。すみません、近藤先生が御発言を希望ということなので、お願いいたします。
○近藤委員 まず、この膨大な作業を丁寧にされたということで非常に貴重な改訂だったと思います。それで、1つ質問ですが、呼吸機能でLMSというものを書いていますけれども、これの採用は今回に関してはされないということで、よろしいのでしょうか。
○髙田部会長 ありがとうございます。事務局から、その後、芦澤先生もコメントがありましたらお願いしたいと思います。まず事務局からお願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 御質問、ありがとうございます。このハンドブックを作って、制度とか運用を現行のものと変えるつもりはありませんので、現行の中でお示ししている肺機能検査を実施していただくことになります。
○髙田部会長 芦澤先生、コメントがございましたらお願いいたします。
○芦澤参集者 ちょっと御質問が聞こえなかったのですが。
○近藤委員 肺機能の検査でLMS法についてコメントを書いていたのですが、今回、それについては準拠しないということで、よろしいでしょうか。
○芦澤参集者 御質問ありがとうございます。それに関しましても黒澤先生以下、専門の小班の先生方でかなり議論を何度もしていただきました。その中で、今、改訂案が最終のようになっているということで、現時点では採用しないと聞いています。
○髙田部会長 近藤先生、よろしいでしょうか。ありがとうございます。そのほか、ございますか。オンライン参加の委員も特に御発言はないということで、よろしいでしょうか。ありがとうございます。そうしましたら、本日は大変お忙しい中、芦澤教授に御説明いただきました。本当にありがとうございました。
○芦澤参集者 ありがとうございました。
○髙田部会長 また、引き続き、よろしくお願いいたします。
○芦澤参集者 失礼します。
○髙田部会長 最後に、議題(5)「その他」に移りたいと思います。2つ資料がございますので、順番に事務局から説明をお願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 10の資料5-1を御覧ください。これにつきましては、2ページ以降が実際に出した通知になりますが、昨年の令和6年5月20日にじん肺部会を実施して以降、新たに出したものについての情報提供ということになります。1ページ目に概要を書いていますので御覧ください。ここに書いてありますように、じん肺健康診断及びじん肺管理区分の決定において用いているエックス線写真については、画像の色や濃さ等のパラメータを示しています。それについてメーカーのほうが、新しい機器の開発等を行って条件を変えた場合には、その「じん肺健康診断へのDR(FPD)の使用に関する検討会報告書」に書いてある手続を参考にしてくださいと示しています。その中で、パラメータを変えた場合には「パラメータをフィルムに表示すること」と書いています。下の写真が例ですが、エックス線フィルムの水色の四角の所にパラメータを示すようにとなっています。最近はフィルムを使わずにモニター上で読影することが、一般的になってきていますので、新しい条件を示すときにエックス線フィルムに出してお示しするよりは、モニター上に新しい条件を示したほうがいいのではないかという声もありましたので、その出力先をフィルムに限る趣旨ではないと明確化したものになります。なので、フィルムだけでなくモニターにパラメータを示して、新たな条件を申請してきてもいいという通知になります。5-1については以上になります。
 続きまして、11の資料5-2を御覧ください。こちらは、じん肺に関する研修実施状況についての御報告です。1.で、じん肺総合対策普及啓発事業を行っていて、これは大きく2つに分けています。最初に、一般労働者の方向けの研修と、その労働者に対して指導する指導者向けの研修になっています。一般の方向けは講義、座学がメインになるのですが、指導者向けの研修においては座学に合わせて、実際の呼吸用保護具の付け方なども学んでいただく研修にしています。
 2.のじん肺診断技術研修についてですが、これはじん肺の健康診断に従事する医師等に対して、法制度の知識や専門的な技術を修得することを目的として年に1回開催しているものです。この中では、座学と、エックス線写真の読み方なども実際に研修していただくものになります。議題5についての説明は以上になります。
○髙田部会長 御説明、ありがとうございました。まず資料5-1に基づき、じん肺健康診断へのDR(FPD)の使用に関する検討会報告書の記載の明確化について、御説明いただいています。続きまして、資料5-2に基づき、じん肺に関する研修実施状況ということで、じん肺総合対策普及啓発事業の内容、じん肺診断技術研修について御説明いただきました。資料5-1、資料5-2とありますが、まず資料5-1につきまして、会場の委員から御意見がございましたら挙手をお願いします。5-1につきましてはよろしいでしょうか。オンライン参加の委員もよろしいですか。ありがとうございます。そうしましたら、資料5-2のじん肺に関する研修実施状況につきまして、何か御質問、御意見等はございますか。中野委員、お願いいたします。
○中野委員 中野です。御指名ありがとうございます。研修は非常に重要で大切なことだと思っています。その中で、じん肺診断技術研修という医師の研修の中で、法令、画像などが中心になるかと思いますが、ここ最近、マスクが進化し、防護係数の高いものが出ていますので、そういった知識のアップデートを医師にもしていただいたほうが、現場の指導に活用できるのではないかと思います。できましたら、電動ファンマスクなどの御紹介等を研修の中に入れていただけたらと思います。お願いします。
○髙田部会長 御意見、ありがとうございます。事務局、いかがでしょうか。
○森川主任中央じん肺診査医 御意見、ありがとうございます。御指摘いただいた呼吸用保護具の使い方等についても研修でお示しできないか、健康安全機構のほうとも相談しながらプログラムを作っていきたいと思います。ありがとうございます。
○髙田部会長 ありがとうございます。そのほか何かございますでしょうか。オンライン参加の委員につきましても特にございませんか。ありがとうございます。最後に、議題について事務局のほうで何かございますでしょうか。
○森川主任中央じん肺診査医 特にございません。
○髙田部会長 最後に、事務局から事務連絡がございましたらお願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 飯田委員がお出でになられましたので、一言、お願いします。
○飯田委員 電車の遅延に巻き込まれまして、初回参加なのに遅れて大変失礼いたしました。環境管理センターの飯田と申します。あと、高知大学医学部で講師の籍を頂いております。専門は、アスベストの測定と呼吸用保護具の着用方法を、適切に着用してもらうための方法の検討をしています。よろしくお願いいたします。
○森川主任中央じん肺診査医 ありがとうございました。事務局からは以上です。次回につきましては、日程調整をしてお示ししたいと思います。
○髙田部会長 ありがとうございます。以上をもちまして、当部会の議事は全て終了いたしました。本日は電車の遅延等もありまして大変な中、またお忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございました。これにて終了とさせていただきます。本日は、どうもありがとうございました。