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第379回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 議事録
日時
2025年(令和7年)2月20日(木) 10時00分~
場所
東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎第5号館
職業安定局第1会議室(12階)
職業安定局第1会議室(12階)
出席者
- 公益代表委員
-
- 小野 晶子
- 坂爪 洋美
- 原 昌登
- 山川 隆一(部会長)
- 労働者代表委員
-
- 木村 拓志
- 田久 悟
- 冨髙 裕子
- 永井 幸子
- 使用者代表委員
-
- 佐久間 一浩
- 田尻 久美子
- 平田 充
- 村田 泰崇
議題
- (1)「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律案」及び「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律案」(労働者派遣法の一部改正関係)について(報告)(公開)
- (2)労働者派遣事業の許可等について(非公開)
- (3)有料職業紹介事業及び無料職業紹介事業の許可について(非公開)
議事
- 議事内容
- ○山川部会長 おはようございます。それでは、ただいまから「第379回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会」を開催します。本日は、原委員、小野委員、坂爪委員、田尻委員、村田委員がオンラインでの御参加となっています。
本日は、議題(1)「「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律案」及び「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律案」(労働者派遣法の一部改正関係)について」の報告があります。その後に許可の諮問に係る審査を行います。許可の諮問に係る審査については、資産の状況等、個別の事業主に関する事項を扱うことから、「公開することにより、特定の者に不当な利益を与え又は不利益を及ぼすおそれがある」場合に該当しますので、非公開となっています。
では、議事に入りますので、カメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。まず、議題(1)「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律案」及び「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律案」(労働者派遣法の一部改正関係)について、事務局から説明をお願いいたします。
○木原需給調整事業課長補佐 事務局です。まず、前提ですが、労働関係法令の派遣労働者に関する適用については、原則として、派遣中の労働者と労働契約関係にあります派遣元の事業主が責任を負う立場にあります。しかしながら、派遣中の労働者に関しては、その者と労働契約関係にない派遣先の事業主が、業務遂行上の具体的指揮命令を行い、また、実際の労働の提供の場における設備、機械等の設置管理も行っているということから、派遣中の労働者の保護に欠けることのないようにする観点から、派遣先の事業主が責任を負うことが適当な労働関係法令上の事業主の義務もあります。このため、派遣先の事業主が責任を負うことが適当な事項については、労働関係法令の適用の特例等に関する規定が、労働者派遣法第44条から第47条の4として現在でも設けられています。今般、雇用環境・均等分科会と安全衛生分科会で議論がなされ、厚生労働省において、今国会において提出を目指している2つの法律案の中にも、この特例に関するものが含まれているため、御報告をするというものです。
資料1の1ページ目、2ページ目を御覧ください。まず、雇用環境・均等分科会で取りまとめられました女性活躍の更なる推進及び職場におけるハラスメント防止対策の強化についての概要です。このうち2ページ目の赤囲みがなされているカスタマーハラスメント対策と就活等セクシュアルハラスメント対策が、今回、関連する内容となっています。
次に3ページ目です。こちらが、安全衛生分科会で取りまとめられている今後の労働安全衛生対策についての概要です。このうち、赤囲みがなされている混在作業による災害防止対策、個人ばく露測定、高年齢労働者の労働災害の防止、治療と仕事の両立支援の4つの項目が関連する内容となっています。この具体的な内容については4ページ目以降で御説明します。
まず、提出を目指しています2つの法律案のうち、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律案に含まれるものです。5ページ目です。カスタマーハラスメントや就活等セクシュアルハラスメントに対する雇用管理上の措置義務についてです。この下の点線で囲っている部分が、雇用環境・均等分科会の取りまとめの抜粋ですが、カスタマーハラスメント対策について、事業主の雇用管理上の措置義務とすることが適当とされ、その具体的な内容等については、措置の具体的な内容は指針において明確化されるということになっています。また、いわゆる就活等セクシュアルハラスメントも同様です。
上のポツですが、現在、セクシュアルハラスメントやパワーハラスメント等に関して事業主に課されている雇用管理上の義務の規定については、派遣先もまた派遣労働者を雇用する事業主とみなして適用がなされています。今回、新たに事業主に措置が求められますカスタマーハラスメントや就活等セクシュアルハラスメントに関する雇用管理上の措置義務に関しても、同様の扱いとすることとしています。
次に下の治療と仕事の両立支援についてです。こちらに関しては、安全衛生分科会において、治療と仕事の両立支援のための必要な措置を講じることを事業主の努力義務とすることとされています。現在、労働者に対する健康教育及び健康相談に関して事業主に課されている努力義務の規定や、事業主に女性労働者が保健指導又は健康検査を受けるために必要な時間を確保することを求める規定については、派遣先もまた派遣労働者を雇用する事業主とみなして適用されているところです。今回、新たに設けられます治療と仕事の両立支援のための必要な措置を講じる努力義務に関しても、同様の扱いとすることとしています。
6ページ目、7ページ目は参照条文ですので御参考です。8ページ目以降が、労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律案に含まれるものです。
9ページ目です。高年齢労働者に対する労働災害防止については、安全衛生分科会の取りまとめにおいて、高年齢労働者の特性に配慮した作業環境の改善、適切な作業の管理その他の必要な措置を講じることを事業主の努力義務とすることとされています。現在、事業主が「中高年齢者その他労働災害の防止上特に配慮をする必要とする者」に対する「心身の条件に応じて適正な配置等を行うことの努力義務」の規定については、派遣先もまた派遣労働者を雇用する事業者とみなして適用がされています。今回、新たに設けられる「高年齢者」に対する「特性に配慮した作業環境の改善、作業の管理その他の必要な措置を講ずることの努力義務」に関しても、同様の扱いとすることとしています。
次に10ページ目を御覧ください。まず、混在作業による労働災害防止についてです。混在作業による労働災害防止については、現在、建設業、造船業及び製造業の元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者の作業が同一の場所で行われる場合には、作業間の連絡調整等の必要な措置を講じることが求められているところ、安全衛生分科会においては、業種を限定することなく、作業間の連絡調整等の必要な措置を義務付けることとされています。現在、製造業等の元方事業者に対する「労働者、請負人の労働者が一の場所において作業を行う場合」に「作業間の連絡調整を行うこと等の義務」の規定については、派遣先を派遣労働者を雇用する事業者とみなして適用しています。今回、新たに設けられる製造業等以外の業種も含めた作業間の連絡調整を行うこと等の義務に関しても、同様の扱いとすることとしています。
最後ですが、化学物質による健康障害防止対策についてです。労働安全衛生分科会において、個人ばく露測定について、作業環境測定と同様に測定の精度を担保するため、法律上の位置付けを明確にし、有資格者により実施しなければならないこととするとされています。現在、事業者が「有害な業務を行う屋内作業場等」において「作業環境測定を行い、結果を記録する義務」の規定については、派遣先を派遣労働者を雇用する事業者とみなして適用されています。今回、新たに設けられる事業者が「個人ばく露測定を行う義務等」に関しても、同様の扱いとすることとしています。説明は以上です。よろしくお願いいたします。
○山川部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの説明に対する御質問等がありましたら挙手をお願いいたします。Zoomで御参加の委員は、Zoom内の「手を挙げる」機能を使うか、画面上に映るように挙手をお願いいたします。御質問等はありませんか。冨髙委員、お願いいたします。
○冨髙委員 2点ほど意見を申し上げたいと思います。今回、セクハラ、パワハラ防止との並びでカスタマーハラスメント、また就活ハラスメントについても、派遣先を事業主とみなして義務を課すということは妥当と考えています。派遣労働者が派遣元に相談をしても、クライアント間の力関係により、派遣先に強くものが言えずに、結果的に泣き寝入りになってしまうことがないように、派遣先も含めてきちんと対応していただきたいと思います。
また、治療と仕事の両立支援に関する努力義務についても妥当と考えています。JILPTの調査では、派遣労働の形態で働く方は、ほかの雇用形態と比べて、治療と職業生活を両立させたいと思っても、「相談先が不明である」、また「申出により職場で不利益が生じることが心配」といったことから、相談を躊躇してしまう割合が高くなっているというデータも示されています。雇用形態にかかわらず、治療と仕事が両立できるように、派遣先、派遣元双方で連携した対応が図られるよう、厚労省としても働き掛けをお願いしたいと思います。以上です。
○山川部会長 ありがとうございます。事務局から何かありますか。
○中嶋需給調整事業課長 御指摘大変ありがとうございます。今般、御指摘ありました部分も含めまして、様々な規定を派遣元に、あるいは派遣先にも適用していくということですが、その趣旨は、御指摘がありましたように、正に派遣労働者の保護や配慮、こういったものに抜けが生じないようにするということです。そのための規定の整備ということです。法律レベルでこうした措置をした上で、施行においてもしっかりと担保されるようにするということが大事だと思いますので、具体的な対応はどのようなものか、期待されるものはどういうところかということについて、担当部局ともよく相談をしまして、派遣元・先両方に分かりやすく周知をしていきたいと考えています。
○山川部会長 冨髙委員、よろしいでしょうか。それでは、ほかに御質問等はありませんか。木村委員、お願いいたします。
○木村委員 御説明どうもありがとうございます。私からは8ページ以降の労働安全衛生法改正の部分に関して意見を申し上げたいと思います。安衛法の部分についても、派遣元と派遣先を事業主とみなして義務を課すことに関しては、妥当ではないかと思っています。
その上で、10ページの一番下の所の個人のばく露測定の部分について、意見を申し上げたいと思います。化学物質等による健康障害の可能性などがある職場で働く場合には、派遣先が、ばく露の程度などをきちんと把握した上で、また、その程度に応じて適切にリスクアセスメント等を受けさせることは当然であると考えています。また、ばく露の程度や健康診断の情報が派遣先から派遣元へもしっかりと提供されて、双方が連携しながら派遣労働者の健康を守る対応が適切に取られることが非常に重要だと思っておりますので、この点、お願いしたいと思います。以上です。
○山川部会長 ありがとうございます。この点については事務局ではいかがでしょうか。
○中嶋需給調整事業課長 御指摘、承知しました。この義務自体は、個人ばく露測定に関しては、正に就業場所を管理するという観点で派遣先に義務を課すわけですが、全般的にこの派遣労働者の健康管理や安全ということに関して、派遣元・先の連携が重要だというのは御指摘のとおりですので、そういう点についても意を用いた形で周知などしていきたいと存じます。
○山川部会長 よろしいでしょうか。田久委員、お願いいたします。
○田久委員 御説明ありがとうございました。10ページ目の混在作業に関する労働安全防止の措置ですが、これも製造業以外も含めてということは妥当だと思っています。ただ、やはり私たちの所でいうと、建設業でいうと、元方というのは慣れているというか、分かり切っている状況でもありますが、今までやったことがない、考え方としてなかなか浸透しにくいものでもあるのかなと思います。経験もしていないので。そういった点では、作業間の連絡等の必要な措置というのは、安衛部等ともしっかり連携をしながら、是非、全ての産業において、こうしたことを進めていただきたいという要望です。
○山川部会長 ありがとうございます。では、こちらの御意見についても事務局からお願いいたします。
○中嶋需給調整事業課長 承知しました。安衛部という言葉も頂きました。担当部局とよく相談と連携をしながら対応していきます。御指摘ありがとうございます。
○山川部会長 田久委員、よろしいでしょうか。ほかに御質問、御意見等はいかがでしょうか。平田委員、お願いいたします。
○平田委員 法律が成立した後に、周知、施行という段取りだと思いますが、恐らく雇均局や安衛部が責任を持って対応するのだろうと理解しています。丁寧に周知していただければと思っています。以上です。
○山川部会長 ありがとうございました。では、事務局からお願いいたします。
○中嶋需給調整事業課長 御指摘ありがとうございます。正に御指摘のとおりで、その制度についての全体設計は雇均局や安衛部でやっていくわけですが、きめ細かい周知というところで、派遣制度を所管している我々で力を尽くせる部分があると思っていますので、御指摘を踏まえて丁寧な周知ができるように連携をしっかり取っていこうと思います。
○山川部会長 平田委員、特段、何かありますか。よろしいでしょうか。ほかに御質問、御意見等はありませんか。よろしいでしょうか。周知、連携、運用について御意見を頂きました。ありがとうございました。本件は報告事項ですので、この事項については終了させていただきたいと思います。
公開の議題はここまでとさせていただきます。初めに申し上げましたとおり、これから非公開ということになりますので、傍聴の方々は御退席をお願いいたします。