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社会保障審議会障害者部会(第145回)・こども家庭審議会障害児支援部会(第10回)合同会議議事録
日時
令和7年1月30日(木)14:00~17:00
場所
ベルサール飯田橋駅前
東京都千代田区飯田橋3-8-5 住友不動産飯田橋駅前ビル1階
東京都千代田区飯田橋3-8-5 住友不動産飯田橋駅前ビル1階
出席者
障害者部会委員(五十音順)
阿部委員 小﨑委員 丹羽委員
安藤委員 小林委員(代理:大塚参考人) 樋口委員
伊豫委員 酒井(大)委員 藤井委員
江澤委員 櫻木委員 山本(則)委員
岡田委員 佐々木委員 吉野委員
沖倉委員 白江委員
叶委員 竹下委員(代理:吉泉参考人)
菊池委員 富岡委員
河野委員 永松委員
小阪委員 中村委員(代理:一政参考人)
石澤委員 北川委員 山本(圭)委員
一見委員(代理:池田参考人) 小島委員 吉田委員
大胡田委員 酒井(康)委員 渡辺委員
小澤委員 陶山委員
安藤委員 小林委員(代理:大塚参考人) 樋口委員
伊豫委員 酒井(大)委員 藤井委員
江澤委員 櫻木委員 山本(則)委員
岡田委員 佐々木委員 吉野委員
沖倉委員 白江委員
叶委員 竹下委員(代理:吉泉参考人)
菊池委員 富岡委員
河野委員 永松委員
小阪委員 中村委員(代理:一政参考人)
障害児支援部会委員(五十音順) ※障害者部会兼務委員については記載省略
有村委員 加藤委員 田村委員石澤委員 北川委員 山本(圭)委員
一見委員(代理:池田参考人) 小島委員 吉田委員
大胡田委員 酒井(康)委員 渡辺委員
小澤委員 陶山委員
議題
- (1)障害保健福祉施策の動向について
- (2)その他
議事
- 内容
○本後企画課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから「社会保障審議会障害者部会・こども家庭審議会障害児支援部会合同会議」を開会いたします。
委員の皆様方におかれましては、御多忙のところ御出席をいただきましてありがとうございます。
今回は、障害者と障害児双方に関係する「障害福祉分野における運営指導・監査の強化(案)について」などが主な議題でございますので、両部会の合同会議を開催することとなりました。
それでは、本日の進行は障害者部会の菊池部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○菊池部会長 皆様、こんにちは。大変お忙しい中、本日も御出席を賜りまして誠にありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は私が進行を務めさせていただきます。
本日の会議につきましては、こちらの会場で原則対面としつつ、オンラインを併用して開催いたします。事務局におかれましては、資料説明はできる限り分かりやすく、要点を押さえた説明となるようにしてください。
いつもながらで恐縮ですが、各委員の皆様からの御発言についてお願いがございます。最初に私が発言を希望される方を募りますので、会場の方は挙手をお願いします。その後、オンラインの方に御意見を募りますので、Zoomの「手を挙げる」機能を使用してください。
私の指名により発言を開始してください。より多くの委員の御発言の機会を確保するため、できる限り簡潔に御発言をいただきたいと思います。
御発言の際は、お名前を名乗っていただき、できるだけゆっくり分かりやすくお話しください。その際、資料の記載内容について御発言される場合は、資料番号と記載内容の位置について御教示ください。
会場の方は、できるだけマイクに近寄ってお話しください。発言後は必ずマイクのスイッチをオフにしてくださいますようお願いいたします。
円滑な会議運営に御協力をお願いします。
それでは、事務局より、本日の委員の出席状況、資料の確認をお願いします。
○本後企画課長 本日御欠席の連絡をいただいておりますのは、障害者部会の清水委員、新保委員、野澤委員、障害児支援部会の小野委員の4名でございます。
続いて、委員の代理につきまして、障害者部会では、竹下委員の代理として社会福祉法人日本視覚障害者団体連合情報部長の吉泉参考人に、中村委員の代理として愛媛県保健福祉部生きがい推進局長の一政参考人に出席させたいとの申出があり、障害児支援部会では、一見委員の代理として三重県子ども・福祉部障がい福祉課長の池田参考人に出席させたいとの申出がありました。また、両部会を兼務している小林委員の代理として一般社団法人日本発達障害ネットワーク副理事長の大塚参考人に出席させたいとの申出がありましたが、皆様、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○本後企画課長 ありがとうございます。
なお、白江委員、永松委員、丹羽委員につきましては、遅れて御出席をいただく予定となっております。
本日の資料でございますけれども、議事次第、資料1から7、参考資料1から8、櫻木委員提出資料。以上となります。
会場にお越しの方でこれら資料の不足がございましたら、事務局にお申しつけいただければと思います。
カメラがありましたら、カメラの頭撮りは以上とさせていただきます。御協力をお願いいたします。
○菊池部会長 それでは、議事に入らせていただきます。
議題1につきまして、資料1から3の説明を事務局からお願いします。
○本後企画課長 障害保健福祉部企画課長でございます。
資料1について御説明をさせていただきます。
1ページ目でございます。障害福祉サービスにつきましては、事業所数、とりわけ営利法人が運営する事業所数が急増している中、株式会社恵の事案のように多くの影響があるような処分事例も発生いたしております。質の確保されたサービスを利用していただくために、運営指導・監査の強化が必要ということで、検討を進めてきております。
2ページ目でございます。まず、都道府県等が実施する運営指導についてです。令和5年度の運営指導の実施率は16.5%。実施率は低い状態になっております。一方で、障害福祉サービスの事業所数は年々増加しており、自治体の体制整備が追いついていないという状況にございます。
これを受けまして、3ページ目でございます。効率的かつ実効的に運営指導ができるように見直しを検討しております。他のサービスと比べて事業所数、とりわけ営利法人が運営する事業所数が急増している就労継続A型、就労継続B型、共同生活援助、児童発達支援、放課後等デイサービスについては、3年に1回以上の頻度で行うこと。指定後間もない事業所については、指定後3年以内に運営指導を行うこと。過去の指導内容や通報等により不適切な運営や報酬請求が疑われる事業所については、優先的に運営指導を行うこと。こういった運営指導の重点化を図っていきたいと思っております。
4ページ目でございます。障害福祉分野におきましては、介護保険分野のように運営指導・監査のマニュアル、処分基準の考え方の例は作成されておりません。こういったことを受けまして、令和7年度中にマニュアル等の作成に向けまして調査研究を進めることとしております。自治体の行政措置の実施状況について情報収集を徹底したいと考えております。
また、都道府県等が障害福祉サービス事業者の行政処分を行う前に、国が必要に応じて都道府県等に助言ができるように、国へ事前に情報提供する運用を検討していきたいと考えてございます。
5ページ目でございます。毎年1月頃に都道府県等の職員を対象に研修を実施しております。ただ、実施率が必ずしも高くない状況であります。これを受けまして、年度初期に研修を実施するということ。それから、実践報告、グループワークを取り入れる形で内容の充実した研修にすること。こういったことを考えてございます。
6ページ目でございます。大規模な法人に対する業務管理体制の検査については、国が所管しておりまして、920法人所管しております。一方で、検査が実施を徹底できていない状況にございます。これを受けまして、全ての国所管の事業者に対し、書面による一般検査を実施する。これは6年に1回程度、年間150法人程度を想定しております。そして、書面検査を経た上で、現在と同水準(年間30法人程度)の事業者に対して実地による一般検査を行う。中でも大規模な事業者(100以上の事業所を運営)につきましては、実地で3年に1回程度の検査を実施するということを考えてございます。
同じく大規模な法人に対する検査ということで、現状、その検査の情報が都道府県等と情報共有をされていない状況にございます。その情報共有を今後はしっかりと行っていくということ。
8ページ目でございます。国所管の事業者に対する研修。これも実施しておりますけれども、参加率が低い状況にございます。この点につきましても開始実施時期、それから実践報告の導入、そういったことをいたしまして研修内容の充実を図ってまいりたいと思っております。こういった点につきまして強化を図り、安心してサービスを利用していただけるような環境をつくってまいりたいと考えてございます。
資料1については以上でございます。
○伊藤障害福祉課長 障害福祉課長の伊藤です。
資料2と3について御説明させていただきます。資料2を御覧ください。
事業者の方の手続負担の軽減ということで、非常に重要なテーマで、累次の取組を行っておりますが、本日は中でも標準様式の基本原則化ということを皆様にお諮りするとともに、システム整備の状況について御報告したいと思います。
2ページを御覧ください。標準様式の基本原則化については、これまで令和5年の規制改革の閣議決定を起点として標準様式の作成等をしてまいりました。最近では令和6年の秋の経済対策の中でも、基本原則化に係る法令上の措置を今年度中に講ずるということが方針として示されたということでございます。
3ページをお願いします。これは令和5年度の推進事業の概要なのですが、ポイントは、本件を考える上では、事業者団体の方の要望、自治体の皆様方の事情、そこのバランスを取ることが重要でありますので、双方から委員に入っていただいて標準様式の作成等をし
てまいりました。
4ページは割愛しますが、令和6年4月にまず標準様式というものを厚労省としてお示ししたということです。様式だけでなくて、例えば押印・署名とか、紙でなくて書類の電子化とか、そういった手続の簡素化についても併せてお示ししております。
5ページは少しそれますが、これも令和6年の規制改革からの依頼も踏まえて、事業所の吸収合併に伴う指定とか、報酬上の事務の簡素化ということも行ってきております。
6ページは、令和6年度の引き続きの推進事業で、こちらも事業者団体の方、自治体の方、さらにはシステム化がテーマになっておりますので、システムに詳しい専門家の方にも入っていただきながら、それぞれの観点から意見をいただいているというものです。
7ページは、今年度行っている標準様式に係る調査結果の概要ですが、指定申請の標準様式は、今のところまだあまり使っていただいていない。一方、加算の届けのほうはもう既にかなり使っていただいている。使われていないところの理由としては、自治体側の事務の切替えの手間が一定かかりますので、まだちょっと時間がかかるということが挙げられております。
8ページを飛ばしまして、9ページは本日の御提案の案ですが、これまでの対応は、今、御説明したとおりです。
ということを踏まえて、下段の「今後の対応」のところです。ポイントは、今年度中に必要な省令、告示の改正を行った上で、標準様式の使用を基本原則化するということをやりたいと考えております。
ポイントは施行時期ですが、先ほど申し上げたような現在の自治体での使用状況とか準備状況を考えまして、1年準備期間を置きまして令和8年4月からとしてはどうかと考えております。もちろん、既に基本原則ができるところは8年4月まで待っていただきたいということではございませんので、可能なところはできるだけ早期にということが、事業者の方の利便の観点からはポイントなのではないかと考えております。
後段は、11ページを御覧ください。システム整備について御報告です。指定申請とか加算の届出のシステム化も同じく令和5年の規制改革を基に準備をしてきておりますが、最近の動きとしては、令和6年9月のところですが、国・地方デジタル共通基盤推進連絡協議会という枠組みがございまして、自治体さんからの要望も踏まえて、もともと我々が考えていた指定申請・加算届出のシステムに加えて、関連するものとして、自治体さんの持っている事業所台帳管理システム、事業所というよりは法人単位のデータベースであるところの業務管理体制データ管理システム、これらは事業所さんが自治体に提出した情報のシステムということで共通しますので、一体的に共通化したほうがトータルコストを最小化できるし、それから事業者さんからの利便性も高いという御指摘を受けまして、一応この方向で検討することにしております。詳細は今年度中に推進方策を出すこととしております。
14ページは、令和6年度の補正予算でも一定の予算をいただいておりまして、今、申し上げたような新しい共通化のシステムの要件定義等を今後行っていきたいと考えております。
資料2は以上です。
資料3は、経営情報の見える化ということになります。
1ページをお願いします。全世代型社会保障構築の改革工程というものが令和5年12月に閣議決定をされております。こちらの中でいろんな取組があるのですが、今回の話で言うと、医療とか介護とか保育とか、公定価格で運営されている事業、並びではあるのですが、経営情報の更なる見える化ということが定められております。
2ページをお願いします。昨年末に改革実行プログラムといった工程表のようなものをお示ししておるのですが、障害は赤で囲ったところです。その一段上が介護ですので、そこと見比べていただくと、一言で申し上げますと、介護より1年遅れで進む感じになっております。すなわち、今年度中にデータベースを準備して、令和7年度(2025年度)に、データベースの運用というのは、要するに、事業者さんにデータを入れていただく必要がありますので、入れていただく。入れていただいたものを実際分析したり、公表したり、結果を使っていくのが令和8年度(2026年度)からと。介護より1年遅れという感じでプログラムを立てております。
3ページは、現行の足元の制度ですが、既に情報公表制度というものを運用してきております。これは利用者さんが個別の事業者さんのいろんな情報が分かるようにということで、WAMNETのホームページで公表してきて、今、運用されているものです。
4ページは、現行の情報公表制度を基に、そこに機能を追加するという形で今回のデータベースの準備を今してきておるというものですが、その趣旨は、システム開発がゼロから別のところにつくるよりも、福祉医療機構のWAMNET上に追加したほうがシステム開発の経費が効率的だということ。それから、事業者さんがこのシステムにアクセスするという観点からも、既存の情報公表制度と併せてアクセスできたほうが利便性が高いだろうということで、こういった形で進めてきております。
5ページは、来年度予算の予算案ですが、こちらは毎年情報公表システムないしは経営情報データベースを運用していかなければいけませんので、こういったランニングコストも予算を確保しておるということです。
6ページが御提案になります。経営情報の見える化の趣旨としては、一番上の四角で書いておりますが、国民の方の理解の促進、事業者の方の経営状況の実態を踏まえた政策の検討、昨今の物価上昇等が経営にどういう影響を与えているか、そして支援策の検討に資するということが目的です。今、3年に一度行っている経営実態調査の補完という書き方をしております。これはまずデータをしっかり入れていただく必要があるので、すぐに経営実態調査がなくなるということではないので、補完としておりますが、将来的には事業者の方の手間を省いていかなければいけませんので、こういったデータベースが充実してくることで経営実態調査に代わるということも将来の方向性としては目指したい。よって、いろいろな調査負担を減らしたいと考えております。介護の分野の状況を踏まえつつ、令和7年度からやりたいと思っております。
基本的に介護と同じことをやりたいということですが、まずは経営情報データベースの整備ということで、個別の事業者単位ではないのですが、例えば地域別とか、法人別とか、規模別とか、グルーピングした分析結果を公表していく。
現在の個別の事業者の情報公表制度の拡充という意味では、実は障害分野は財務状況の公表というのは既に行っておるのですが、1人当たり賃金の公表については、任意の公表情報として追加したいと考えております。これは趣旨からすれば、全ての事業者に入れていただきたいと考えておりますが、介護のほうで導入するときに、やはり事業者サイドからの例えば個人情報的なものとか、いろんな御懸念の声もありまして、現在は任意ということでスタートしたいと思いますが、極力多くの事業者さんに入れていただけるようにしたいと思っております。
7ページは経営情報データベースの整備に関して、年度内に法令改正を行いたいと思いまして、その概要ということです。法令、省令の中では対象事業者とかこういった報告を求める項目などを書いていきたいと思いますが、ポイントを御紹介したいのは右の報告方法というところです。基本的には毎年の会計年度終了後3月以内に入れていただく。3月で終わるなら6月までと思っておりますが、初年度の令和7年度は1年間のうちに入れていただくということ。それから、報告していただくという意味では、システムへの入力負担があるわけですが、これも極力事業者の負担を軽減する必要がありますので、通常使われている会計のソフト等からこのデータベースへの入力用にデータ変換を行うようなツールを作成して負担軽減に努めたいと考えております。
8ページは情報公表制度における1人当たり賃金の公表について、先ほど申し上げたように、任意での公表情報として追加したいと考えております。
説明は以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの事務局の説明につきまして、皆様から御意見、御質問がありましたらお願いしたいと思います。御発言についてはできるだけ簡潔にお願いいたします。まず、会場の皆様から。私の右手、安藤委員、吉泉参考人、沖倉委員までの方でお手を挙げいただきたいと思います。樋口委員、吉泉参考人、冨岡委員、小﨑委員ですね。
それでは、樋口委員からお願いします。
○樋口委員 日本知的障害者福祉協会の樋口でございます。御丁寧な御説明をいただきましてありがとうございます。
資料1のところですが、株式会社とは限らないわけです。一部の社会福祉法人も含まれるわけですが、営利を目的とした運営主体の不祥事案が多発していると思います。当協会もそうですけれども、社会福祉法人が組織する傘下の各地方の協会もそれぞれの自治体との定期的な意見交換の場や、合同でセミナーを開催するなど、情報を共有する機会も非常に多うございます。そういう中で一定の意思疎通、新たな施策が打ち出されたときにその制度の趣旨であるとかその中身について情報共有をするような場面があるわけですが、そういう意味では一定の信頼関係というものが構築できていると思います。そうした現状を踏まえて、営利企業への監査はより丁寧に、時間をかけた、めり張りをつけた監査であるべきではないかなと思っております。特に新規参入時の事業申請は審査が非常に甘いと思います。不慣れな担当官によっては、単に指定要件がそろえば指定を安易に出しているという現実もあるのではないかと思います。そういう課題意識を持っています。何らかの第三者的な立場での諮問機関、そういうものも検討する時期にあるのではないかと思います。
また、監査に当たっては、事業所は相当量の事前提出書類が求められます。その整理や点検、過去の申請書類とのそご、制度の変更に伴う様式の変更等において相当な事務負担が発生しています。事前資料に対する自治体側からの問合せも多く、担当官が代わるたびにそのやり取りに相当時間がかかっているという実態もございます。
また、私たちから見て行政の担当官も相当お忙しいように思います。また、システムの合理化、ITを積極的に活用した合理化も含めて、こうした指導・監査の強化をされるというのであれば、自治体の仕事も一定増えるわけで、自治体への支援ということもぜひ検討されるべきではないかと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、吉泉参考人、お願いします。
○吉泉参考人 日本視覚障害者団体連合の吉泉と言います。
幾つか御意見を申し上げたいと思います。
まず、資料1の指導・監査の強化ですけれども、これが確実に行われるようにするためには、自治体のほうでいろんな仕事を抱えながらの中だと思いますので、人数を増やすといったことも含めて考えていただければと思います。監査に当たる人材の質については、研修等も今後さらに進めるようですけれども、数的にも増やすのがいいのではないかと考えています。
これに関連してもう少し申し上げますと、行政だけのチェックで十分かなというところがあります。その施設で働く職員、あるいは施設を利用する障害者の人またはその家族、そういったところから何か通報があった場合に、それを適切に扱ってその指導・監査に反映させていただきたいという思いがあります。通報については、それが事実かどうかの確認も必要ですし、いろんな内容の通報がありますので、指導とか監査につながるものなのかどうかという判断も必要になります。そういったことには時間もかかりますので、先ほど申し上げた担当する人の数の確保は必要なのではないかなと思います。
もう一つ指導・監査の強化に関連して申し上げますと、こういう指導・強化をやりますよということを広く事業者の皆さんに周知すること自体が、適切ではない運営の抑制効果を持つのではないかと思いますので、その周知徹底を図っていただきたいということです。
資料3、経営の見える化に関連してですが、これは視覚障害者の立場から申し上げたいと思います。こういう財務書類とかそういったものはPDFという形で公表されることが多いので、この場合もそうだと思うのですが、これは確かに晴眼者の人、あるいは視覚障害者でもロービジョンの人はPDFのほうがいいという方もいらっしゃいますので、これはこれとして公表の素材として頂きたいのですが、PDFだけだと、全盲の視覚障害者は内容を把握するのが困難です。特に表形式などは、縦と横の関係をきちんと把握するのがほぼ無理という状況です。csvあるいはExcel形式であれば比較的表として認識しやすくなります。
資料によっては色の識別で分かりやすく示すというのがあって、これも見える方にとってはとても分かりやすい手法だと思うのですが、視覚障害者にはその識別ができませんので、例えば記号で置き換えるとか、青色は何の記号、丸印とか、赤は星印とか、そういったふうに置き換えたものも添えていただければ。PDFはPDFとして公表していただくといいと思うのですが、そういった視覚障害者にも分かるようなものを添えていただければと思います。
私からは以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
冨岡委員、お願いします。
○冨岡委員 日本相談支援専門員協会の冨岡です。よろしくお願いいたします。
私からはお願いの話でございます。指導・監査関係の研修について、資料1の1-3または2-3についてです。都道府県等の職員または事業所等に対する指導・監査における留意事項に関する研修ですが、参考となる情報が少ないとの声もあり、そのため、実践報告やグループワークを通して情報交換等の意見交換の場を取り入れるということはとても大事なことだと思っておりまして、賛同いたします。
ただ、オンライン形式によるグループワークでの意見交換には限界もあることから、オンライン形式に限定せず、対面による研修もどこかで御検討いただけたらありがたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○菊池部会長 ありがとうございました。
小﨑委員、お願いします。
○小﨑委員 全国肢体不自由児施設運営協議会の小﨑です。
まず、資料1と2と併せての話になりますが、先ほど来指導・監査を行う側の自治体の人的リソースに対する懸念というような御意見もあったかと思いますが、資料2での書類の標準化ということがそれを一つ助けるものになるのではないかと思いますし、最近話題になっているAI等もうまく利用することによって、予備調査的なところもそういったものに活用することができるのではないかと思います。
もう一点、資料2の中で書類の標準化というのは、例えば利用者の方々が実際に使うような手続用の書類なども標準化の対象になるのかどうかということをお聞きしたいということです。
もう一つ、資料3に関してです。経営情報の見える化というのは時代の趨勢と理解しておりますが、例えば私どもの施設群においては、従来の経営実態調査でも、設置主体が公立・公営の場合などですと会計方式が異なるということで、経営指標が見かけ上大変優良に見えるような事態というのがありました。だから、そういったことも含めて情報が恣意的に扱われるということがちょっと心配かなと思うので、その辺りも御配慮をお願いしたいと思っております。
以上になります。
○菊池部会長 ありがとうございます。
御質問に対してよろしくお願いします。
○伊藤障害福祉課長 ありがとうございます。
資料2、利用者の方が使う文書というところ。まず、本日御説明した現在標準様式を作ったり、システム化を進めているというものは、基本的には事業者の方が指定申請とか加算届とかを自治体に出すものについて現在取り組んでおります。
一方、我々のところでいろんなものがあると思いますが、例えば受給者証とか、それ以外にも利用者と事業者の関係。もちろん、受給者証だったら自治体も関係してくるわけですが、そういったものでもいろんな御意見をいただいておりますので、例えば今年度の推進事業の中でもいろんな現場とか事業者の声は集めております。なので、順次ということにはなりますが、まずは今、予算を取ってやっているのは事業者がということですが、それ以外のものも当然手続負担の軽減という意味ではスコープに入れていきたいと考えております。
以上です。
○小﨑委員 理解できました。ありがとうございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、私の左、吉野委員、大胡田委員のサイドの皆様。吉野委員、大胡田委員、山本委員、田村委員、酒井委員、北川委員、加藤委員、小澤委員。皆様ですね。
それでは、吉野委員からお願いします。
○吉野委員 全日本ろうあ連盟の吉野でございます。発言の機会をいただきましてありがとうございます。御説明も併せてありがとうございます。
意見を申し上げます。資料1、指導・監査の強化という項目についてでございますが、きちんとした適切な指導・監査というのは当然求められることで、金銭的な運営だけではなく、事業所にいる聞こえない人、あるいはろう重複の人たちもいるので、そういう利用者に対してもきちんと対応できているのかどうかということもしっかりとチェックしていただきたいです。
といいますのは、恵の問題が発生しましたが、本社だけでなく、各支所におきましても、つまりろう者だけの事業所ということではなく、一般の障害者がいる恵の事業所にもろう者がいました。ただ、問題が起こっていても、それに気がつかない、状況を知らないままになってしまっているということがあります。ですから、このようなことがないように丁寧な対応ができているのかどうかということも指導・監査に加えていただきたいということが1点目です。
2点目は資料3についてでございます。情報の見える化ということは非常に重要な視点だと感じております。これについては、職員の個々の情報や事業所の運営や財務諸表などということもありますが、それだけではなく、事業所のスタッフが手話で対応できるとか、あるいはろう重複障害者がいれば、その方に対してきちんと対応できる、その辺りの情報の見える化ということについても明確に位置づけていただければありがたいと思います。これも重要な視点ではないかとお願いしたいところです。
今のところは以上です。よろしくお願いいたします。
○菊池部会長 ありがとうございます。
大胡田委員、お願いします。
○大胡田委員 日本視覚障害者団体連合の大胡田でございます。ありがとうございます。
まず、資料1についての意見ですけれども、他の委員からも御指摘がありましたが、指導・監査を強化するというのは大変結構なことではありますが、事業所の負担が過度に増えてしまって、本来の業務に差し障り、影響が出てしまわないように御配慮いただきたいというのが1点目でございます。
資料1に関して1つ質問がありまして、今後障害分野でも監査等のマニュアルを作るとか処分基準を公表するということがありましたが、公表されるのですか。これは事前に事業所等にも分かる形で示されるのかということが質問でございます。
資料2に関しての意見がございます。1つは、書式等の標準化による簡素化ということがうたわれておりますが、標準化イコール簡素化というのは直結しないのかなと思います。絶対的な資料の量を減らすとか、事業所側の負担が本当に軽くなるということをぜひ重視していただきたいと思っております。
資料2に関してもう一点ですが、電子申請などがオンラインで行われるようになっていくと思うのですけれども、電子申請のシステムが視覚障害者にも使えるものであってほしいという要望でございます。こういった福祉分野で働く視覚障害者も多数おりまして、電子申請のシステムに視覚障害者がアクセスできないということになると、そこが1つ仕事の壁になってしまいますので、視覚障害者も使えるシステムの構築をお願いしたい。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
質問がございました。お願いします。
○本後企画課長 企画課長でございます。
指導・監査の関係、マニュアル等を事前に事業者等にお示しいただけるのかということでございました。これは先ほど御説明いたしましたが、令和7年度調査研究の中で研究・分析をし、つくっていきたいと思っております。もちろん、皆様にも利用者あるいは事業者のお立場で重要なものでございますので、どういった形でということはまだ決めている段階ではございませんが、確定する前の段階で何らかの形、案でお示しできるようにしていきたいと考えてございます。
○菊池部会長 大胡田委員、よろしいでしょうか。
○大胡田委員 結構です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、山本圭美委員、お願いします。
○山本(圭)委員 全国重症心身障害児(者)を守る会の山本です。御説明ありがとうございました。
今、大胡田委員からも事業者側の負担のお話がありましたが、私からも1点お願いになります。資料3について、事業者側が入力する際、担当者に負担がかからないよう、できるだけシンプルで分かりやすいフォームにしていただきたいと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
田村委員、お願いします。
○田村委員 立命館大学の田村です。
私のほうからは運営指導・監査の強化について、幾つか質問と意見を述べさせていただきます。
1点目です。先ほどの説明で課題の目的のようなところで、事業所数が急増して、多くの人に影響があるような処分事例が発生しているということから強化をするのだという説明だったわけですが、処分事例が発生していることの中身の中で、なぜそういうことが起こるのか。単に営利目的とか利潤追求だけではない理由もきっとあるのではないか。その辺をどう分析されているのかということについて少しお聞かせいただきたいというのが1点目です。
2点目ですが、自治体のほうで丁寧な運営指導や監査が実施できる体制をつくるために国のほうはどうサポートするのか。これまで丁寧な、あるいはきちんとした監査ができてこなかった、運営指導ができてこなかったということで、そこに何かしらてこ入れをして上乗せをしてやらないと、多分そこはきちんとした監査や運営指導ができないのではないかと思うので、何かしら国のほうでそういう配慮ないしは補助のようなことを考えられているのかどうか教えてください。
3点目ですが、事業所向けの研修のところで、先ほども出されていましたが、制度とかルールを遵守させるというのは、枠組みの中に入れてしまうということだけになってしまうので、当事者、御本人さんの自由な希望や願いのようなことをどう実現するような実践になっているかどうか、そういう項目がないといけないと思うのですけれども、それはそれでつくっていく必要があると思うのですが、現場レベルでそういう実践報告を交流するということ、一方で、経営管理レベルではどういう運営をしているのかというところで交流するというような研修の見直し方向が今、要るのではないかと思います。
最後ですが、今ほど少し言いましたけれども、いわゆる実践の質の充実や向上のためにそれを評価するということをどう見える化するのか。その辺りを議論や検討していく必要があるのではないか。今の監査や運営指導は、きちんとルールを守っているかどうかということのやり方なので、質がどう担保されているか、どうすばらしいものになっているのかということ、それを見える化することが大事ではないかと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
4点にわたって御意見をいただきました。特に1点目、2点目に関して御質問があったかと思います。お願いします。
○本後企画課長 ありがとうございます。企画課長でございます。
今、田村委員から御指摘いただきました処分事例については、御指摘いただきましたとおり、処分の内容からいたしましても、必ずしも営利法人だけというわけではなく、様々な法人類型にわたって処分が行われております。数としては営利法人が多いという状況でございます。内容につきましては様々でありまして、報酬の請求の不適切な請求、あるいは処遇が不適切であること、あるいは時には虐待、そういったケース、様々ございます。ですので、急増している状況、あるいは営利法人の状況ということを踏まえてではございますが、それだけではなく、サービス全体をしっかりと運営していただけるようにしていきたいということでございます。
2点目は、これまで監査でできて、運営指導でできてこなかったてこ入れのポイントということだったかと思います。これは例えば財政的な何らかの補助があるということではもちろんございません。都道府県等がやっていただくということになりますので、てこ入れのポイントといたしましては、今までは全てのサービス類型について重点化せずに運営指導をやっていただきたいということであったところ、とりわけ事業所数が急増しており、かつ営利法人の参入も多い、そういった類型について特に重点化をしてしっかりと対応してほしいということ。その際にマニュアル等も作成いたしまして、観点を明確にした上で運営指導をしていただきたいということ。こういったところについてお示しをしていきたいということでございます。
○菊池部会長 田村委員、いかがでしょうか。
○田村委員 大変だなと思う次第です。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、酒井康年委員、お願いします。
○酒井(康)委員 全国児童発達支援協議会の事務局をしております酒井です。どうぞよろしくお願いします。
私のほうから資料1、資料2について、それぞれ意見を述べさせていただきます。
まず、資料1、運営指導・監査の強化についてです。監査の実施率が全体にあまり高くないという報告をいただいておりますが、可能であれば自治体ごとの実施率の差というものを見せていただけると、我々は全国的に一緒に考えていくことができるのではないかなと思っていますので、今後に向けて御検討いただければと思っています。
また、指導・監査に関わる研修についても参加率が高くないということが言及されておりました。実際に監査を受けている側からすると、現場のことを十分に理解していただけていなかったり、こども家庭庁が示してくださっている方針とずれた中で見解が示されていたり、行われたりすることがあると聞いています。今後マニュアルの整備が進んでいくと聞いていますので、ぜひ最新の情報を入手した形で監査が行われるようになっていただけるといいかなと思っています。そういった点では、監査を実施する職員についてきちんと研修を終えられているのかどうかということのライセンスを提示するとか、名札を持ってきてもらうとか、こういった工夫ができないかなということを考えています。我々は実際に現場に行ったり、現場のところではきちんとライセンスを提示してサービス提供しているわけなので、同じような形で提示していただくと、受講する意味も出てくるのではないかなと思ったりしているところです。資料1になります。
資料2です。手続負担の軽減、様式の指定等について。現場のほうでも負担軽減につながることであれば大歓迎ですので、ぜひ進めていただきたいと思っています。特に先日の報酬改定のような形で大きな変更があると、現場のほうでも混乱を来します。理想的には報酬改定のタイミングと様式の提示というものを同時に行っていただけると大変助かるのですけれども、現実的には相当大変なことであるということは重々分かっているつもりです。せめていつ頃に様式が提示される予定であるというスケジュールだけでも出しておいていただけると、我々はそれを待って次の展開を考えることもできるかなと思っております。
それから、様式ではないのですけれども、現場のほうでは各種マニュアルの策定ということをかなり多くのものが求められています。近年ですと、感染症に対するBCPとか、災害に対するBCPを含めていろんなマニュアルを作らなければいけない。これはそれぞれ必要なことはよく分かっているのですが、それぞれ大きな事業所向けのマニュアルの案というのが出てくるのですけれども、小規模で職員が3人、4人しかいないような事業所でも使えるようなマニュアルというものも出していただけると、同じように現場の負担としては軽減されるのではないかなと考えておりますので、意見として述べさせていただきます。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
御意見ということでしたが、御提案などもございましたので、最初のほうで実施率の差についてなど、何かお答えできるところがあればお願いできますか。
○本後企画課長 御指摘の趣旨はそのとおりだと思います。どういった形でお出しできるかは検討していきたいと思います。
○菊池部会長 御検討いただけるということで、よろしくお願いします。
それでは、北川委員、お願いします。
○北川委員 監査の強化ですが、皆さんと同じく、残念ながら不適切な運営も見られるので、よいことだと思います。監査は、私の法人ではコロナ前までは毎年来てもらっていました。監査というのは、すごいどきどきするのですけれども、でも、ちょっとした解釈の違いで間違っていたとか、早く教えてもらって改善できるので、よりよい運営を教えてもらえるというところで何か得した気分になるというか、嫌なことだけでなくて、法人としては適切な運営につながるので、とてもいいことだなと思います。
また、田村委員が言っていたような人権が守られているかどうかという観点も非常に大事だと思います。ただ、実際これをやるに当たってどんなふうにやるのか、ほかの企業主導型保育園とか、民間に委託しているようなことも聞いたことがあるのですけれども、都道府県の職員だけでこれができるのかどうかというのも心配なので、そういう民間に委託することなどを考えているのかどうかということも教えてください。
○菊池部会長 ありがとうございます。
最後の点、いかがでしょうか。
○本後企画課長 ありがとうございます。
今の運営指導の実施につきましても、民間の事業者、外部の機関に委託をしても構わないという取扱い、運営になっておりまして、実際に都道府県、政令市、指定都市の中で6自治体については外部の機関に委託をされて実施しているということでございます。
○菊池部会長 よろしいでしょうか。
○北川委員 はい。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、加藤委員、お願いします。
○加藤委員 全国医療的ケア児者支援協議会の加藤でございます。
本題に入る前に、冒頭に少しばかり発言をお許しいただきたく存じます。新年早々の1月5日に福岡で人工呼吸器を外して7歳の女の子を死なせた容疑で、医療的ケア児のお母さんが殺人罪で逮捕されました。大量に服薬をして一緒に死ぬつもりだったと報道されており、介護疲れや孤立が背景にあると見られています。元に戻したい、娘に会いたいと供述しているそうで、本当に痛ましい事件です。
昨年神戸でも医療的ケア児の事件死が起こっております。30分置きにたんの吸引を必要としたり、立って動き回る人工呼吸器のお子さんなどの場合、気管カニューレを事故抜去して窒息死するリスクもあるので、一刻も目を離すことができないお子さんたちがいます。医療的ケア児に限りませんが、「実は重度の障害のある子供と一緒に死のうと考えたことがある」というふうに話してくれたお母さんは決して少なくはありません。日頃から一生懸命ケアを頑張ってきたお母さんが限界を超えて、心がぽっきり折れてしまうケースの場合、日常的な虐待の兆候はなくとも、一瞬で死につながる多重的なリスクを抱えております。
法律や制度ができても、地方ではショートステイやレスパイトなどの地域資源の受け皿は十分に足りておらず、対象者が少ない地方の現場からは、「制度要件が東京の基準や感覚でつくられており、自治体の財政力の差や専門性のある人材も乏しい。どうにかしてあげたくても手も足も出ない」といった切実な声を聞いております。
お母さんが追い詰められて我が子の命を絶つほど痛ましい事件はございません。再発防止のために国と自治体の現場、そして関係機関、多職種専門家のより一層の連携によって声なき子供たちの命を救えるように、どうか縦割りを排した支援施策の強化・充実をお願いいたします。
冒頭発言を御寛恕くださいまして、座長、委員の皆様に感謝を申し上げ、続きまして、資料1から3に対して簡潔に意見を申し上げます。
先行している医療・介護分野に引き続いて障害福祉分野の運営指導・監査強化や経営情報の見える化、そして国と自治体相互の情報共有推進による実態調査の精度向上、業界全体の健全化は不可欠であり、いずれも方向性に賛同いたします。とりわけ地方では人手不足がより深刻となっており、人員基準を満たせずに閉鎖に追い込まれる事業所も続出しております。
昨年の政府の総合経済対策で保育士の人件費が10.7%、予算規模にして1150億円の大幅な引上げが決まりましたけれども、ほかの産業分野で相次ぐ賃上げや処遇改善から取り残されれば、福祉分野の質の確保はおろか、人材確保がさらに困難となってまいります。
私が籍を置く医療法人では福祉強化型の短期入所施設も運営しているのですが、首都圏で4年近く福祉職の募集広告を打ち続けても応募件数0件という状況です。経営の健全化、営利主義の悪質事業者の淘汰との両輪でスキルやキャリア評価の導入によって福祉職の魅力を向上していくこと。そして抜本的な処遇改善策を一層促進していただくことが重要と考えます。意見として申し上げます。
ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございます。
小澤委員、お願いします。
○小澤委員 筑波大学の小澤です。
私のほうからは、各委員がおっしゃっていたので、2点ほど手短に申し上げます。
1点目は資料1、指導・監査に関してです。監査対象をA型、B型、そしてグループホーム、その他、ここに書いてあるとおり3年に1回ということですが、基本的には都道府県の、要するに、この数によって、普通に考えると、これを3で割ると業務量がおよそ推測がつくので、その差は大変ものすごく大きなものだろうと推測されますので、ある程度多量の対象があるところに関しては何らかの対策を打たないと、現実にはできないだろうなというのが1点目です。
2点目は大規模法人に関してのことですが、大規模法人に関する監査のありようというのは、今までのマニュアルを整備すると書かれているのですけれども、相当に違う形のマニュアルを作らないと、いわゆるサービス体系も非常に多いし、言うなれば本社機能とその他の機能、そういったことも含めて、通常の監査マニュアルとはかなり違うのではないかなと思うのですが、保育等を参考にして書いてあるので、そういった参考のものがあればぜひ教えていただきたいと思いました。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
最後の点につきまして、いかがでしょうか。
○本後企画課長 ありがとうございます。
大規模法人に対する検査というところでありますけれども、これは書面検査を新たに導入したいということでございます。介護、保育に関しては書面検査を既に実施しているということであります。介護については、法人という単位で見たときに、どういった点に注意しなければいけないか。法令遵守、コンプライアンスということを考えたときに、どういった点を留意すべきかということを書面検査の事項の中にかなり丁寧に入れております。保育に関しましては、法人とともに事業所の情報もその中に記載してもらうと。そういった形で運営がされておりますので、こういった先立つ例を参考にしながら、どういった形で書面検査にしていくかということは検討していきたいと考えてございます。
○菊池部会長 小澤委員、いかがでしょうか。
○小澤委員 ありがとうございます。障害の場合、種別が多いということもありますので、そのことも勘案していただきたいと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、オンラインの皆様からお願いいたします。まず、永松委員、お願いします。
○永松委員 全国市長会の永松でございます。丁寧な御説明をいただきましてありがとうございます。
資料1、運営指導・監査の強化(案)に関する市長会としての意見を述べたいと思います。
障害者総合支援法に基づいて事業所の指定や運営指導・監査を行う主体は都道府県とされておりますけれども、一方、そのサービス費の支給については市町村が支弁するものとなっております。そのため、都道府県による運営指導・監査の結果、事業所の不正受給等が発覚した場合は、当然障害福祉サービス費の金額も是正されますので、これに伴って市町村は事業所に対して支払った障害福祉サービス費等の返還を求める必要が生じます。これは当然だと思います。この際、事業所の破産等の事情により回収できない金額が生じる場合があります。回収不能となった金額については全て市町村が負担しているところでございます。これは回収不能となった金額にかかわらず、国・県より助成した障害福祉サービス費等の全額の返還を求められることによるものです。障害福祉サービス費等は国、県、市町村それぞれ負担することとされておりますので、返還を求める金額についても同様の負担としていただきたいと思っております。
もちろん、不正そのものが起こらないように取組を強化していくことが必須ではあります。ただ、こうした費用面の実態が自治体における過度な負担となっておりますので、破産等の特別な事情により回収不能となる金額がある場合は、回収できた金額に応じ、国、県、市町村のそれぞれの割合で再計算した返還額とするなど、指導・監査に加えて障害福祉サービス費等の取扱いも併せて一体的に見直していただければと思います。そういう要望でございます。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、阿部委員、お願いします。
○阿部委員 ありがとうございます。日本身体障害者団体連合会の阿部です。
御説明いただいた資料1の内容等に関しましては賛同申し上げます。その上で、今回の説明、また資料、そして委員の方々の御指摘で随分分かってきたこともあるのですけれども、資料1の10ページ目を拝見しますと、事業者の指定権者は都道府県であって、特に大規模な営利法人。営利法人の全てがまずいわけではないのだと思いますが、その監督権者は国とあります。そうしますと、なるほどなと思いながらも、私たちは、障害福祉サービスの利用に関しては市町村が主だということで認識しておりますが、さて、今度はそれぞれ利用される方とか職員の方からの問題提起、またはこれに関連しまして相談支援事業所のモニタリングなどで様々な課題が明確になった場合、これは市町村でありますけれども、それがどのようにして営利法人というか、国が監督権者の法人に及んでいくものなのかということについて、例を挙げてちょっとだけ説明していただきたいと思います。全体像は理解できましたが、個別の案件で改善すべき課題が生じた場合には、どのようにして改善につながっていくかということについて教えていただければと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
事務局からいかがでしょうか。
○本後企画課長 企画課長でございます。
的確にお答えできるかどうか分かりませんけれども、例えば事業所の中で虐待がある、あるいは不適切な報酬請求が行われているのではないか、そういった情報が市町村に寄せられるケース、あるいは事業所の指導監督権限を持っている都道府県に寄せられるケース、様々あろうかと思います。実際の指導・監督権限は都道府県、政令市、中核市にありますので、市町村にもしそういった情報がありましたら、市町村の中で事実確認等を行っていただいた上で、都道府県と連携して対応するということになろうかと思います。
幾つかの事業所が県をまたいで運営をされている場合には、法人としての検査の権限は厚生労働省、国にあるということになります。都道府県の中で事業者について様々な処分を行う、あるいは行った際には国のほうに情報提供を行っていただく。こういったことを今もやっておりますし、これからも徹底して行っていただきたいと思っております。そういった上で、国でも、ある県で行った処分、ほかの県でどういう状況になっているのか、そういったことを踏まえて、法人として全体としてどうなのかということをしっかりと確認できる。そういった体制をつくっていきたいと考えております。
○菊池部会長 阿部委員、よろしいでしょうか。
○阿部委員 ありがとうございます。
そうしますと、1点だけ確認ですけれども、そのようなことから多分改善されるのだと思いますし、9ページ目を見ますと、国と自治体との情報連携ということで、国所管の業務管理体制の整備に関する一般検査実施事業所を自治体に情報提供をしていない。介護保険の場合は情報提供をしているのだけれども、これも改善されていくということで説明いただいたように思うのですが、この辺についてもよろしくお願いいたします。
○菊池部会長 お願いします。
○本後企画課長 今の御指摘の点はおっしゃるとおりでございまして、資料1でいきますと、7ページ目でございます。大規模な法人についての業務管理体制の検査の計画あるいは結果について、その事業所が所在する都道府県に必要に応じて情報提供を行うということ。そして、都道府県等がその事業所の運営指導を実施した、あるいは実施予定であれば、適宜国に情報共有を行うこと。そういった国と都道府県等との間での情報の連携・共有を今後明確化して、しっかりと対応していけるようにしたいと考えております。
○阿部委員 ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、櫻木委員、お願いします。
○櫻木委員 ありがとうございます。日本精神科病院協会の櫻木です。
資料1の運営指導・監査の強化ということについてお話をしたいと思います。私が提出した資料がありますので、そちらを参照していただくと、これは11月22日に厚生労働大臣宛てに日精協として要望書を提出しております。「障害福祉サービスの抜本的見直しに関する要望」ということになっています。この中身ですけれども、去年の7月4日の当障害者部会で私のほうから幾つか質問をさせていただいて、お答えいただいたのですが、障害福祉サービスの質の担保よりも量的な拡大を優先した過程で、結果として他分野からの営利企業の参入を招いてしまったということがあるのではないか。そのような障害福祉分野での実績や経験のない事業者の参入によりサービスの質の低下が大いに懸念されるということになっている。
営利企業は、当然のことですけれども、株主に対する義務として利益を追求するということが求められております。その結果、必要なサービスを必要としている人に提供するのではなく、必要のないところに需要を喚起してサービス提供を行っている事例が散見される。サービスの質を担保する方法としては、運営指導というのは極めて有効な手段であると考えると。そういう中身で質問をさせていただいて、お答えいただいたということですけれども、その後も問題の事例がいっぱい出てきたということで、要望書を出したわけです。
要望書の要望事項というのは3点にわたっています。その1は障害福祉サービスの事業者として安易に営利企業が参入することがないように、新規の参入事業者に対する厳格な審査を行う。当然既存の事業者に対しても例えば更新制度を設けるという抜本的な見直しが必要なのではないか。
2点目として、その際には当事者のニーズにかなった医療・介護との密接な連携が必要になりますので、それまでの実績とか経験を重視するということは当然ですけれども、地域における協議の場、いわゆる精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの協議の場であるとか、あるいは後でまた説明があるようですが、2040年に向けて新たな地域医療構想、こういったものも今までの医療機能だけではなくて、介護との連携、あるいは重複して援助が必要な人たちに対する地域としての提供体制ということがありますから、そういったところを使いながら、地域で必要とされているということを重視していただくということ。
3点目は、適切な調査あるいは運営指導を行うということ。それから先ほども出ましたが、サービス費を不当に取得したようなケースの場合には、その返還等の徹底を図ること。それから、都道府県をはじめ、監督官庁に関しては適切な間隔で調査・指導を行い、適切な運営を図るように厳しく指導することというふうな内容になっています。
ただ、今日の資料1はこれに関してお答えいただいたというふうに判断しているわけですけれども、全くゼロ回答に近いものです。例えば「都道府県が実施する運営指導・監査ついて」という3枚目の資料ですが、3年に1回ということを考えているのだけれども、その実施率というのは、非常に実施できていない。16%でしたか。それから、指定後間もない事業者については、指定後3年以内に運営指導を行うと。これは事前に参入するときにいろんなことをするのでなくて、取りあえず量的な確保を優先して入れておいて、後から運営指導をやるという考え方になっています。
それから、2つ以上の都道府県をまたぐ。これは国の所管となっていますけれども、これが令和6年12月時点で920法人となっています。これを書面による一般検査。これは6年に1回程度と書いてありますけれども、年間150法人。この書面検査を経た上で、今と同水準と書いてありますが、年間30法人。920の法人に対して年間30ですから、これは冗談としか取れないですね。何年かかるのでしょうか。
それから、大規模、100以上の事業所を運営しているのが24法人あるということで、これは実地で3年に1回やると。24法人を3年に1回やるとすると、1年間に幾つやるのでしょうか。医療とか介護に比べると、非常に尻抜けの多いやり方だなというふうに思っているのですけれども、今日の資料1によると、運営指導・指導の強化(案)となっていますが、令和7年度から運用するということでこの案をまとめられているようですけれども、これから数か月の間に、我々にしてみれば不十分なゼロ回答に近いような中身ですが、どういったタイムスケジュールで令和7年からやれるとお考えなのか。様々な委員のほうから、やはり都道府県は人手が足りないのではないかという御指摘もありましたけれども、それに関して具体的に来年度から運用するという見込みでやっておられる裏づけがあるのかどうかということをお教えいただきたいと思います。
以上です。
○菊池部会長 裏づけというなかなか難しい御質問でございますけれども、事務局、いかがでしょうか。
○本後企画課長 企画課長でございます。
今の御指摘でございますけれども、今日おおむね方針について御了解をいただけましたならば、すぐにこの方針について都道府県にお示しをさせていただいた上で、正式な通知の形になるのは、年度内にどこかのタイミングで正式にお示しをしたいと思っております。都道府県のほうでは来年度から対応していただく必要がありますので、体制も含めて早めに準備していただき、来年度からこの強化の対応をしっかりしていただきたいといった形で考えてございます。
都道府県等の職員の人員については、今、櫻木委員からも御指摘がございましたし、あるいは多くの皆様からも御指摘をいただきました。自治体の職員ということになりますので、どういった形でということを明確に申し上げるのは難しいのでありますが、ここは御指摘が様々ございましたので、どういった形で対応できるのか、都道府県等のほうでしっかりと体制を取ることができる、そういう方策としてどういうことがあるのかということは検討してまいりたいと思っております。
来年度につきましては、今までどうしても運営指導の実施率が低い状態になっていたということに対して、それでもしっかりとやっていただくべき事業類型については実施率を上げていく、しっかりと対応していただく。まずそれが重要だと思っておりますので、そういった方針について都道府県にお示しし、来年度から体制を取っていただけるように周知、御説明をしてまいりたいと思っております。
○菊池部会長 ということでございます。今日のところはよろしいでしょうか。
○櫻木委員 今のでとても来年度からやれるというふうに私は受け取れなかったのですけれども、この方針について各委員から意見が出ていて、総論的には賛成される委員が多いというふうに思いますが、これについて、障害者部会に関しては今日の議論だけで終わりなのでしょうか。それともある程度具体のところは委員から様々御意見があろうかと思うのですが、その辺はいかがなのでしょう。
○菊池部会長 この議題に関しては今日取り上げて、今日の御意見を踏まえて事務局案を基に御準備いただくと。そういうつもりと認識しておりますけれども。
○櫻木委員 例えば6年に一度がいいのかとか、3年に一度がいいのかという具体の御意見については聞く予定はおありにならないということでしょうか。
○菊池部会長 どうでしょうか。御意見は御意見で今日も賜りますけれども、この部会の場が終わっても個別に御意見をいただければ、それも踏まえて事務局で実施に向けて対応を考えていただくということになろうかと思いますが。
○櫻木委員 分かりました。
○菊池部会長 ということなので、引き続き各委員から御意見が出ましたら、それを真摯に受け止めていただきたいと思います。よろしくお願いします。
ありがとうございます。
それでは、佐々木委員、小島委員、お願いします。
○佐々木委員 全国手をつなぐ育成会連合会の佐々木でございます。御説明ありがとうございます。
まず、資料1について申し上げます。事務手続が大変重要であるということは認識しておりますけれども、指定基準に沿った運営の確認。例えば令和6年度から導入されました個別支援会議への原則本人同席というのが実施されているかどうかの確認とか、そういったことを徹底する方向で進めていただきたいと思います。
また、御本人への適切な支援の質の向上につながるような運営指導・監査マニュアルを作成していただきたいと思っております。
続きまして、資料2について。手続負担の軽減については、もちろん大賛成ですけれども、施設長が事務を兼務しているような小さな事業所もありまして、現在も事務手続に毎月の報酬請求をするのが精いっぱいというような小さな事業所もありますので、性急に進めないようにしていただけると大変ありがたいと思います。
続きまして、資料3です。財務状況のデータベースをつくることに全く異論はございませんけれども、障害福祉サービスは公定価格で、収入はおおよそ読めるので、小さな事業所では人が辞めても、人材不足ということではなく、あえて代わりの人を補充しないでいるところがあったり、本来やるべき職員研修を断念するなど、そういった工夫をして赤字にしないようにしているところもあります。ですから、単に収支を見るだけではなく、そういった小規模事業者の経営実態を見える化できるようにしていただきたいと思います。例えば事業所として配置したいもしくは配置すべき人員と実際の配置人員の差異が見えることなどを実施していただきたいと思います。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございました。
叶委員、お願いします。
○叶委員 どうもありがとうございます。全国社会就労センター協議会の叶です。
資料1の障害福祉分野における運営指導・監査の強化についてですが、皆さん、多くの方から出された意見とダブりますけれども、基本的には運営指導や監査の強化を図ることについては重要だと考えております。ただ、都道府県等において運営指導・監査に関する人員が強化されない限り、結果は変わらないのではないかということで、心配しております。
本会では昨年発生したA型事業所の大規模な事業所閉鎖、解雇の状況を受けて、事業所の指定の在り方の見直しに係る要望を出しております。運営指導・監査の強化と並行して事業所指定の厳格化ということを進めていくべきではないでしょうか。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
山本則子委員、お願いします。
○山本(則)委員 ありがとうございます。日本看護協会、山本でございます。
資料1に関して申し上げたく存じます。障害福祉分野における運営指導・監査の強化については、他の委員の方々の御指摘もありましたように課題は多くありますけれども、基本的に重要でありまして、整備・強化の実現を求めたいと思っております。それとともに、適正な障害福祉サービスの運営を事業所側自身が主体的に取り組めるように、自己点検、自己評価などの整備・充実等についても併せて検討いただけたらと思います。
続きまして、資料2、障害福祉分野における手続負担の軽減についてですが、7ページに記載のある調査結果で多くの自治体から標準様式が使用されず、その理由として、様式の入替えの対応が間に合っていないということでした。各自治体の活動を待つだけでなく、入替え対応加速のための対策をぜひ支援策として検討いただきたいと思います。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
江澤委員、お願いします。
○江澤委員 ありがとうございます。
資料1につきまして、運営指導・監査の強化については賛成でございます。
また、令和4年度の行政処分の取消しが130件余りあったと思いますけれども、その大半が営利企業であったという結果でありましたので、その点を踏まえながらの対応と認識しております。
続きまして、先ほどから意見が出ておりますが、運営指導を行う側の担当者のマンパワーが本当に足りるのかどうか。その辺りは各自治体の状況を詳細に確認しながら取り組んでいくべきだと思っております。介護保険におきましても、自治体によって運営指導の頻度がかなり異なっているのが実態であります。したがいまして、その辺りはぜひ進捗を確認しながら、また国のほうでもいろいろ支援、あるいは国と県においても必要な対応をお願いしたいと思います。
また、これまでもいろいろな指導の分野で指摘がありますけれども、自治体とか担当者によって指導の内容がばらつきがあるという指摘がありますので、その辺りも均てん化なり必要な対応はお願いしたいと思います。
先ほどの御意見にもありましたが、例えば介護分野で用いられている自己点検マニュアルというのがございます。ですから、事業所でチェック方式でいろいろ点検できますので、そういったものを定期的に行うような対応というのも必要ではないかなと思います。
資料2につきまして、標準様式等の使用の基本原則化、あるいは電子申請・届出に関することについても賛成でございます。標準様式の基本原則化とか、あるいは電子申請・届出につきましては、これも現場の実態を踏まえながら、トラブルがないのかどうかいろいろ確認しながら丁寧に進めていくことが必要かと思います。
最後に資料3、経営情報の見える化についてでございます。医療や介護では医療法人の経営情報データベースを新たに構築し、介護分野では介護サービス事業者経営情報データベースを新たに構築して、そのデータを今、国として取り組んでいる医療情報等のプラットフォームに格納していくという方向になっています。ですが、障害分野においては、このたびは新たなデータベースを構築しないで、既存の障害福祉サービス等情報公表システムの仕組みを活用するということになっています。もちろん、費用が安価であるという形であります。
一方で、今回医療と介護で新たにデータベースを構築する国としての目的は、人口動態の変化であったり、人材不足、新興感染症等による経営の影響、あるいは制度の持続可能性へ的確に対応するということと、併せて物価上昇や災害、新興感染症等に当たって的確な支援を行う、そういったことを検討するために新たなデータベースを構築するとうたわれています。そして、その調査結果によって分析を実施していく方向になっていますので、ですから、医療や介護の経営情報データベースの目的と、従前からある情報公表制度は国民のためにサービスの内容とか事業者の実態を分かりやすくするということで、目的が異なっています。資料の6ページにありますように、介護分野でも新たに経営財務状況の公表等は付加していくということになっていますから、将来的にこれが医療情報等のプラットフォームの中に構築されるときに、そういった政策とか経営状況の把握支援に当たって、障害福祉分野のみが異なる方式で問題ないのかどうか。ここは今後検討が必要かどうか。また事務局のほうで対応をお願いしたいと思います。
最後に、1人当たりの賃金の公表は、今、医療・介護分野でもいろいろ意見が出ておりますけれども、例えば事業所でその職種の方が1人とか2人とか少人数であれば、その職種別賃金というのは個人情報に近くなりますから、その辺りの配慮は十分必要かと思っております。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございました。
岡田委員、お願いします。
○岡田委員 ありがとうございます。全国精神保健福祉会連合会の岡田です。
資料1の障害福祉分野における運営指導・監査の強化につきましては、まずは利用者に不利益が生じることがないように運営の適正化に向けて取り組んでいただきたいと考えております。
現状、たくさんの事業所への指導・監査の実施については、実施する立場からも、それを受ける立場でも多大な労力を要するということは、これまでの委員の皆様の御発言からも大変よくわかりました。御苦労なことだとは思いますけれども、対応の仕方を工夫しながら取り組んでいただきたいと思っております。
利用者家族の立場から考えますと、必要書類の確認から運営実態を把握するだけではなくて、利用者がその事業所内でどのように過ごしているのか。実際の作業場面や生活場面を視察すること、利用者や利用者家族の声を聞くことも必要なのではないかと考えていますけれども、運営指導・監査においては、このことについてはどのように考えられているのか教えていただけたらと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
事務局からいかがでしょうか。
○本後企画課長 ありがとうございます。
今、御指摘いただきましたとおり、運営指導ということで、基準に従った運営がしっかり行われているかどうかということを確認するわけですが、その際、実地に、事業所に足を運ぶということになりますので、その中で行政が対応、事業所の中の状況、そういったことも併せて確認をすることは今でも行っておりますし、十分行っていくべきだろうと思っております。
運営指導等の中で家族の御意見を伺うかどうかということは、基本的には今の運営指導の中では行っていない状況でありますけれども、こういった点については、マニュアルを検討する中でどういった対応が適切なのかということは検討して参りたいと思っております。
○菊池部会長 岡田委員、よろしいでしょうか。
○岡田委員 はい。ありがとうございました。
○菊池部会長 それでは、最後になります。お待たせしてすみません。酒井大介委員、お願いします。
○酒井(大)委員 ありがとうございます。全国就労移行支援事業所連絡協議会の酒井です。
私からは資料1の運営指導・監査の強化について発言をさせていただきます。就労系福祉サービス事業所全体を見渡しましても、指定権者である自治体が運営についてもう少し確認が必要ではというような内容、事例が散見されておりますので、強化する方向については賛成です。
ただ、先ほど来ほかの委員の方もおっしゃっておりますけれども、自治体職員のマンパワーももう限界に来ているのではないかなとも思います。運営指導については、都道府県が認定すれば民間事業者へ委託することも可能となっていて、先ほど6自治体が民間委託をしていると回答があったところですが、認定できる事業者も非常に限られていると聞きます。まずは民間委託をする選択が可能なものとなっているのか、ぜひ実態を把握していただきたいということ。このような民間委託をする事業者を養成するという観点も強化の一環に取り入れていただくことも検討していただけないかなと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
これで一わたり皆様から御意見を賜りましたが、
それでは、樋口委員から簡潔にお願いできればと思います。
○樋口委員 申し訳ありません。資料ごとの意見出しと思っておりました。すみません。資料2、資料3についての意見を申し上げさせてもらいます。
標準様式等の使用の原則化については、そうされるべきだと思います。ローカルルールの弊害をなくすという点では非常に必要なことだと思っております。新たな施策が変わるたびに、自治体ごとの解釈の違いが現場に混乱をもたらしているということも少なくありません。自治体が何がローカルルールか認識されておられないという問題ではないかと思います。
資料3のところで経営状況の見える化についてですけれども、誰のための見える化なのかということです。現に現況報告で毎年提出するようになったWAMによる公表とどこがどのように違うのかということを教えていただきたいということ。何度も同じようなことを求められていると、事務のさらなる負担が心配されます。これは先述しました。利用者や家族に対するものであるなら、もっと分かりやすい形式のほうがよいのではないかと考えます。
経営状況の見える化ということですけれども、社会福祉法人と民間企業では会計基準が異なっている場合が非常に多いです。一例を挙げると、派遣人材への費用については、社会福祉法人では人件費ですが、民間企業では委託費であるという場合が多いです。また、その際、会計基準の異なる費用の条件を同様にするという整理をした上で見える化をすべきではないかと思います。
先ほども委員から御意見が出ていましたけれども、プライバシーの問題として種別ごとの表については、一人職場、例えばサビ管であったり、管理者であったり、栄養士など、給料が丸分かりになるわけです。任意であっても公開は難しいと思います。それから、3年に一度実施されている経営実態調査等でも同様の内容に回答することになるため、同様のデータはリンクできるようにしていただいて、今回の経営状況の見える化が将来的には報酬改定や物価高への対応に活用できるような、そういう仕組みにしていただきたいと思います。いずれにしても、見える化することには全く異存はありませんが、現場の事務負担については考慮していただきたいと考えております。
以上です。
○菊池部会長 ほかにはよろしいでしょうか。
ございませんようですので、本議題についてはここまでとさせていただきます。先ほど少しやり取りをさせていただきましたが、資料1から3につきましては、本日皆様から様々な御意見を頂戴いたしましたので、それを十分に踏まえつつ、事務局で準備を進めてください。また、今日の会議後にも御意見が個別にあった場合には受け止めて、必要に応じて対応をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
私から1点だけ。皆様の御意見を伺っていて、やはり人員の御心配、御懸念というのが多数寄せられたと思います。老健局で今年に入ってサービス供給体制のあり方に関する検討会が立ち上がりましたけれども、障害保健福祉部も事務局に入っていますが、介護もそうですし、困窮分野もそうですし、今後は全国一律の供給体制ではない形で地域の特性に応じて組んでいくという方向に行くのですね。その関係で都道府県と市町村の在り方というのを全体として見直すというか、検討するという視野も必要になってくると思います。さらに、今日の御意見の中で指導・監督につき、市町村が指導・監督を担っている部分もありますが、とりわけ都道府県ですね。そこまで視野に含めた形でのサービス供給体制の議論をしてほしいと。多分そういう示唆が今日の皆さんの御意見の中に含まれているかと思って拝聴していたものですから、障害保健福祉部は事務局でもあるので、さらにこの春以降は介護だけではなく、子どもも含めて各分野横断的にサービス供給体制の在り方を議論していくと聞いていますので、その辺も含めて今日の議論の様子を老健局のほうにお伝えいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○本後企画課長 はい。
○菊池部会長 ありがとうございます。
事務局が用意してくださった予定時間をかなりオーバーしてございまして、大変恐縮でございますが、予定していた16時を超えそうな状況でございます。大変恐縮ながらここで一旦休憩を挟ませていただいて、45分から再開ということにさせていただければと存じます。すみませんが、よろしくお願いいたします。15時45分再開とさせていただきます。
(休憩)
○菊池部会長 それでは、お待たせいたしました。再開させていただきます。
続きまして、議事の2番目に移ります。資料4から7につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○小林精神・障害保健課長 精神・障害保健課長でございます。
私からは資料4に基づきまして、新たな地域医療構想における精神医療の位置付けについて、御説明をさせていただきます。この論点につきましては、前々回、昨年11月14日の合同部会におきまして、そのときの資料2に基づき、新たにプロジェクトチームを医政局と障害保健福祉部において設置しまして検討が行われているということの状況について御報告をさせていただいたところでございます。先般このプロジェクトチームの報告書がまとまり、その後の医政局における検討状況について御説明をさせていただきます。
資料の1ページ目は、昨年12月3日にまとめられましたプロジェクトチームの報告書の内容でございます。新たな地域医療構想に精神医療を位置づけることが適当ということとされてございます。
また、下のほうの丸でございますが、新たな地域医療構想に精神医療を位置づけた場合の具体的な内容は、法律改正後の施行に向けて、必要な関係者で議論する必要があり、精神医療に係る施行には十分な期間を設けることが必要とされてございます。
また、ここには記載してございませんが、この報告書の中では精神医療について、新たな地域医療構想に位置づける場合には、引き続きこれまでの精神保健医療福祉施策の中で進められてきた精神障害にも対応した地域包括ケアシステム等の考え方と整合性を取ることが重要であるといったこと。また、精神医療においては、その取り巻く状況を踏まえると、精神疾患を有する者をはじめとする、誰もが安心して信頼できる良質かつ適切な入院医療の実現を目指していくことも重要であると。このため、今般検討されている新たな地域医療構想の仕組みの構築と併せて、これまで進められてきた精神保健医療福祉施策についても検討を加えながら一層推進していくべきであるということが盛り込まれているところでございます。
資料の2ページ、医政局のほうの新たな地域医療構想等に関する検討会、全体を議論する検討会の中でも位置づけることが適当であるとなされてございます。
3ページにございますように、社会保障審議会医療部会においても同様の結論がなされてございます。それを踏まえて、今、医政局のほうで立法化に向けた検討が行われているという状況でございます。
以上でございます。
○本後企画課長 企画課長でございます。
続きまして、資料5でございます。2040年に向けたサービス提供体制等のあり方検討会ということで、これは先ほど菊池部会長からも御紹介いただきました検討会でございます。資料5の1ページ目は、2040年に向けて人口減少のスピードが地域によって異なる中で、地域別のサービス提供モデル、支援体制を構築する必要がある。そういった観点から、まずは高齢者に係る政策を検討した上で、その検討結果を踏まえて、他の福祉サービス、障害分野も含めました共通の課題についても検討を行うということとしております。老健局長が参集する検討会でございまして、事務局は老健局、私たち障害福祉部、こども家庭庁も協力する、参画をするという形で進めております。
主な論点といたしましては、地域差、中山間・人口減少地域、都市部、それ以外、そういった地域の状況に合わせたサービスモデル、支援体制を検討していくということでございます。1月にスタートいたしまして、その後ヒアリングを実施しながら議論をし、春頃に中間まとめを行う予定でございます。これは高齢者の関係を中心にまとめるということになっております。その中間まとめ以降、他の福祉サービスを含めた共通の課題について検討して、夏頃に取りまとめといった予定で検討しているところでございます。
資料5は以上でございます。
○伊藤障害福祉課長 障害福祉課長の伊藤です。
資料6を御覧ください。今年の10月から施行予定の就労選択支援という新しいサービスの準備状況について御報告いたします。少し駆け足の説明になることをお許しください。
1ページは、令和4年の法改正に基づいて新設されたサービスということです。
2ページは、もう既にこれまで法律に基づいてこの1年間でいわゆる省令、運営基準とか報酬告示、この辺りは令和6年度の報酬改定の一環で既に公布済みでございます。今後、10月1日という施行日の政令を含め、若干の法令も公布予定ですが、詳細はこれから御説明する通知事項をこれから決めていきたいと考えております。
3ページ、4ページは昨年の報酬改定の資料なので、割愛します。
5ページは就労選択支援のサービスの流れということで、改めてまとめております。ポイントは、全体が標準1か月、4週間をイメージしているということと、選択支援のサービスの中身としては、マル1マル2マル3マル4と4つに分けてございますが、この4つの作業、支援から構成されるサービスだということがポイントでございます。
6ページは、今年度各種モデル事業、マニュアル、支援員の方の養成研修の素材、教材とか、そういったものを専門家の団体の方の御参画もいただきまして現在準備をしております。
7ページは飛ばします。
8ページ以降からが本題です。施行に向けてということで、10月1日施行予定ですので、今年度中をめどにこれから御説明する内容を通知等でお示しして、さらに準備の徹底を図っていきたいと考えております。
9ページ以降ですが、昨年の報酬改定で既に説明されている内容と重複もございますので、新しい内容に絞って御説明させてください。9ページ、実施主体については、方向性の2丸目ですが、同一市町村内に就労選択支援事業所がない場合は、例えば以下のような事業所についても都道府県知事が認めることを想定ということで、直近3年ではなくて、過去10年間のうちの連続する3年間に3人以上の利用者が通常の事業者に雇用されたというふうに一定要件を緩和することを考えております。
10ページ、就労選択支援員の養成に関してです。方向性の2丸目、7年度から養成研修をスタートしたいと思っております。研修の質を担保する観点から、まずは国において直接実施を検討しております。具体的には6月頃から80人規模掛ける年10回程度を考えておりますが、詳細は令和7年度以降順次御案内していきたいと思っております。
11ページ、報酬算定についてということで、先ほどマル1からマル4の4つの要素と申し上げましたが、サービス提供に当たっては、サービス提供記録の中で1日単位で支援内容を記録していただくということで、マル1からマル4全てそろって全体としてやっていただいて初めて報酬算定の対象となると。部分ではなく、全体だということです。
就労選択支援についても、利用者に対して直接支援を行った場合、行った日について報酬を算定可能とすると。もちろん、マル1のアセスメントは対面実施ということになりますが、それ以外のケース会議等はオンラインによる支援等もあり得ると考えております。
一番下のところ、月当たりの利用日数というのは、ほかの現行のサービス同様ですが、土日、8日を除いた日数を限度というふうに考えております。
12ページ、対象者については、基本的に昨年からお示ししているとおりですが、一番下の※のなお書きのところですが、本日も就労系サービスも含め、質のばらつきの問題とか、それをいかに適正化していくかという論点、多々御意見をいただいているところですが、選択支援もそういったことに資するものでありたいと考えております。したがいまして、選択支援事業者においては、利用者に対して就労に必要な知識、能力の向上に資する、そういった事業所を適切に情報提供する。そういったことによって利用者の希望、能力、適性に応じた事業所につないでいくということを求めることによって、先ほど申し上げた質の向上に資するものにしたいと考えております。
13ページ、支給決定についてということで、支給決定期間は原則1月ということは昨年からお示ししておりますが、ここも同じです。方向性の一番下のところで、支給決定においても就労選択支援で作成されたアセスメント結果を勘案することによって、同じく就労に必要な知識及び能力の向上に資するサービスが利用されるような支給決定をお願いしたいと考えております。これはこれだけでとか、先ほどの監査だけとか、1つだけで全てうまくいくとは思っておりませんが、複層的にとか様々な関係者の御努力によって質の向上ということを考えていきたいと思っております。
14ページ、相談事業所との連携についてということで、就労選択支援の中でも計画相談支援事業者の連携というのが非常に重要であるということからして、就労選択支援のアセスメント結果の作成の会議とかそういったことに参加することによって、既存の「サービス提供時モニタリング加算」の算定を可能とするということで、一定の支援を行いたいと考えております。
1枚飛ばして16ページ、特別支援学校の取扱いですが、特別支援学校の生徒さんが選択支援を使う場合が想定されます。この場合は学校現場における御理解が必要ですので、我々としても文部科学省さんと連携して連名通知のような形で教育委員会にお示ししていきたい。特に就労選択支援を使う日は授業を休むことになりますので、校長の判断により、校長が出席しなくてもよいと認めた日数というような取扱いにしていただくということを考えております。
1ページ飛ばして18ページ、他のサービスとの同一日の利用ということで、一般ルールとして報酬が重複しない場合は同一日の併給可能。逆に言うと、報酬が重複する場合は併給不可としております。選択支援の利用形態を考えますと、下に書かれているように、放課後等デイサービスとの同日利用とか、障害児入所施設との同一利用に関しては、支援内容や報酬に重なりがないと考えられますので、同一日に併給できると考えております。
一方、下の参考に書いてありますが、例えばB型等の他の日中活動サービスについては、報酬、支援内容の面での重なりがあると考えられますので、同一日の併給はできないと考えております。ただ、もちろん実際に利用者さんが午前、午後で利用するということはあり得ますので、その場合は、括弧内のところですが、相互の合議による報酬の配分によりということを考えております。これは具体的な取扱いは今後示していきたいと思いますが、例えば時間で案分するとかそういった例は示していきたいと思いますが、そういったことで考えております。
最後、19ページは中立性の確保ということで、報酬改定では特定事業所集中減算というのを設けました。それに加えて2点ほど。1つは、就労選択支援の指定申請に当たって、協議会や市町村の意見を聞いて、その評価を受けることで地域に根差した業者であるかどうかを評価していきたいということ。最後が現に就労継続支援を利用中の方が選択支援を受ける場合は、中立性の観点から、同じ法人による選択支援ではなくて、他の事業所の選択支援を受けていただきたいというルールを設けたいと考えております。
説明は以上です。本日いただく意見も踏まえまして施行に向けて準備に万端を期していきたいと思います。
ありがとうございました。
○羽野地域生活・発達障害者支援室長 地域生活・発達障害者支援室長の羽野でございます。
資料7につきましては、障害児虐待事例への対応状況調査結果について御報告を申し上げます。こちらは令和5年度の結果を昨年12月に公表したところでございまして、その概要、ポイントのみを御報告いたします。
資料をお開きいただきまして、1ページ目の一番上の丸の1つ目のポツのところからでございます。調査におきましては、養護者による虐待、障害福祉施設等従事者による虐待と2種類ございますが、全体の結果といたしましては、通報件数、虐待判断件数、被虐待者数、いずれも増加したという結果でございました。
データにつきましては、下の点線のところに細かいデータを載せておりますが、特に障害福祉施設従事者のデータが伸びているという状況でございます。虐待判断件数だと24.9%の増加、被虐待者数につきましては74.3%の大幅な増加という結果となったというところでございます。
2つ目のポツのところを御覧いただければと思いますが、通報者の割合につきましては、特に養護者の話ですが、虐待の通報の経路としては、警察によるものが多くございます。こちらのところが養護者による虐待通報の増加の要因に大きく寄与しているというところがございます。
3つ目のポツのところでございますが、施設従事者の虐待の判断件数につきまして、サービス類型で見ますと、グループホーム、施設入所支援、生活介護、放課後等デイサービスの順に多いということ。障害者種別で申し上げますと、知的障害者の割合が多いということと、行動障害がある方の割合も高いという傾向でございます。
次に、施設従事者の虐待について、特に今回大幅な増加ということになったわけですが、その理由として考えられるものが3点、2つ目の丸のところに書いてございます。3つポツがございますが、最初の2つのポツは昨年と同様の理由となっておりますが、令和4年の改定でございましたけれども、虐待防止措置による通報の徹底がなされてきているということ。それから事業者数、利用者数の増加がある。その傾向による影響があるだろうと思っております。
3つ目のポツのところは、今回のところで特徴的に現れているというところでございますが、株式会社恵が運営するグループホームにおける経済的虐待が複数の事業所で認定されたということ。こちらが大きく影響しているのではないかと考えております。具体的に恵の事案というのは、食材料費の過大徴収というところが経済的虐待として全国の複数の事業所において認定されたというものがございます。その事業者の利用者全員に認定されるという性質がございますので、被虐待者数はそれを受けて大きく伸びたという結果になったと考えてございます。
ちなみに、個別の事業者の件数についてはお答えするということはしておらないのですが、恵の事案を除いて分析してみましたところ、伸び具合としては例年同様の傾向であったというところで評価できると考えてございます。
続きまして、2ページ、今後の対応のところでございます。ポイントだけ申し上げますと、2つ目の丸、施設従事者の虐待のところにつきましては、令和6年度の報酬改定で、ここに4点書いてございますが、様々な措置を設けております。1つ目では、虐待防止措置が未実質の場合の減算措置の導入。2つ目のところは身体拘束未実施減算の減算額の引上げ。3点目のところは、特にグループホームや施設入所支援についてですが、地域連携推進会議を設置するなど、外部の目を入れていくという取組。4点目のところは特に強度行動障害を有する方々への支援としての受入れの加算、集中的支援、そのようなことを今回の改定で盛り込んでおりますので、これに基づいて取り組んでいきたいというところでございます。
3つ目の丸のところでございます。今年度の調査研究の中で深掘り調査というものをこれからやるということにしてございます。具体的にはグループホームでありますとか障害者支援施設等で発生した虐待事案に関する深掘り調査というものをやりたいと思っていまして、虐待が発生した状況とか法人や施設の特性などの把握・分析、そういったことをやっていきたいと思っております。この結果につきましてはまた後日公表したいと思っておりますけれども、この結果も踏まえて今後の施策の見直しなどに取り組んでいきたいと思っております。
簡潔でございますが、以上でございます。
○菊池部会長 それでは、ただいまの事務局の説明につきまして、御意見、御質問を賜りたいと存じます。恐縮です。本日16時までとなってございましたが、時間延長になっております。まず、途中退席を御予定で御発言をお求めの方がいらしたら、オンラインの方は挙手ボタンでお示しいただき、会場の方は挙手していただきたいと思います。吉泉参考人と田村委員ですね。
それでは、吉泉参考人からお願いします。
○吉泉参考人 日本視覚障害者団体連合の吉泉です。
資料6の就労選択支援に関連してちょっと懸念がありますので、申し上げたいと思います。アセスメントは、この資料を読ませていただくと、就労能力あるいは適性の評価というのが中心に据えられているという印象を持ちました。これはとても大事な要素ではあるのですけれども、現実にそれだけで適切な選択ができるのだろうかという心配があります。例えば就労のB型であっても高い生産性を追求して、高い工賃を支給できるようにすることを目指しているところもある一方で、作業はもちろんやりますけれども、現実には居場所づくりといった側面を比較的重視してやっているところもあると思うのです。そういう居場所づくり。障害者の人がアセスメントの結果を受けて、ちょっと就労は厳しいですねということになったとしても、その人が実際に通える範囲に就労ではない施設があるかどうか。あるいは視覚障害者の立場から言うと、そういう施設があったとしても、視覚障害者にきちんと対応できる職員とか体制があるかどうかというのが、個人の障害者にとってはとても大きな問題になってきます。
形式的にその施設を選んでも、いざ入ってみると、なかなかちゃんとしたサポートを受けられなくて生活の質が低下してしまうということがありますので、アセスメントそのものは結構ですが、実際の選択支援となったときには、その資料づくり、あるいはアドバイスの中で就労能力という側面だけではなくて、いろんな社会資源という観点も盛り込みながら、選択支援員の人にはそういう総合的な観点で支援していただきたいと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、田村委員、お願いします。
○田村委員 私のほうも就労選択支援について少し御意見を述べたいと思います。単純な質問ですが、この就労選択支援という事業は、事業として単独で成り立つ事業なのでしょうか。支給決定が1か月から2か月。しかも1か月ずっとあるわけでない。それで収支が成り立つのか。どういう形でこの事業が成立して、どこが責任を持ってやる事業になるのかということがちょっと見えないので、少し教えていただければと思います。
以上です。
○菊池部会長 御質問ということでよろしいですね。
○田村委員 はい。
○菊池部会長 では、お願いします。
○伊藤障害福祉課長 お答えします。御質問についてはおっしゃったとおりで、支給決定の期間とか利用者数を考えると、単独でというのは想定しておりません。単独ではいけないというわけではございませんが、複合的にやっていただくものだと思っております。したがって、選択支援の実施主体としても就労移行支援とか現在の就労継続支援とか、そういったところで実績があるところを実施主体というふうにしておる。そういう考え方でございます。
以上です。
○田村委員 ありがとうございます。収支上は赤字になる事業ですか。
○伊藤障害福祉課長 特段試算をしているわけではないですが、単価自体は、昨年の報酬改定で決めたときは、現行の就労移行支援の単価を参考にということでありますが、先ほど複合的と申し上げましたが、厚労省として何か試算をしているものではございません。
○田村委員 この事業にどういう形で手を挙げていくのかということ。多分かなり迷われるのではないか。必要性は分かるにしても、その事業の採算が最初から成り立たないような事業に手を挙げるのかということはちょっと疑問だなと思いますし、報酬単価は示されていますけれども、実際に支給決定期間も短い中で、例えばそれを違う事業と抱き合わせてやるにしても、そこの事業がプラスでないとなかなか一緒にやれないということになる事業なので、就労選択、就労移行に力を入れるという割には少し厳しいような気がします。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、オンラインから佐々木委員、小島委員、お願いします。
○佐々木委員 育成会の佐々木でございます。
就労選択支援についてと虐待について意見を述べさせていただきたいと思います。就労選択支援についてですが、適切なアセスメントを受けて、本人の特性に合った職種を選択できるということは大変よいことだと思っているのですけれども、先ほど吉泉委員からもお話が出ましたように、例えば就労継続支援A型が本人の適性に合っているというふうにアセスメント結果が出された場合、本人が通える地域内にA型事業所がないなどというと、せっかくのアセスメント結果が生かされません。ですので、地域における障害者の就労支援体制の整備とこの就労選択支援がセットであるということを繰り返し強調していただきたいと思います。
また、そういうことも踏まえまして、就労したのだけれども、職種が合っていなくてすぐ辞めてしまったという御本人もいらっしゃいますので、就労選択支援の研修は、適切なアセスメントが確実にできる人材育成をお願いしたいと思っています。
続いて、虐待防止、資料7についてです。福祉サービスの事業所における障害者虐待の中で行動障害のある人が48%と大幅に増加していることに大変懸念を強くしております。また、一定年齢以上の男性職員が虐待者になっている傾向は変わっておらず、このことに着眼した取組、改善する取組を強化していただきたいと思っております。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、先ほどと同じ順序でまず会場、私の右手、安藤委員から沖倉委員の皆様からお手を挙げていただきたいと思います。樋口委員、丹羽委員、冨岡委員、小阪委員、沖倉委員。では、樋口委員からお願いします。
○樋口委員 よろしくお願いします。私も資料6の就労選択支援についてです。先ほども各委員の皆様から懸念が示されていましたが、同様なことと重なりますけれども、まず事業者選定に当たって、就労継続支援A型もそうですが、放課後等デイサービス、また、日中一時支援型のグループホームのような、ビジネスモデルを最優先するような事業者の参入がないような制度設計をしていただきたいということが一番です。
一方で、就労選択支援員は一定の経験も必要なことで、中堅職員の配置がイメージされるわけですが、実際の利用者については未知数であるということから、経営的な不安で指定申請をためらう事業所も多いかと思いますので、事業運営が成り立つ報酬を設定していただきたいということと、これを報酬の単価が高いということで、ビジネスライク的に機械的な支援をして、それで報酬が得られるような仕組みにはしていただきたくないということです。
また、現在の就労系の障害福祉サービスは、就労移行A型、就労継続B型、就労定着と。今回の就労選択が加わって5事業となるわけですけれども、一方で、就労移行の事業所を撤退する。私のところの法人もそうですが、そういう現象も見られるという中で、これだけではないのですけれども、ここらでもう少しシンプルな就労系のサービス体系の整理を行う、そういう時期に来ているのではないかと強く思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
丹羽委員、お願いします。
○丹羽委員 全国地域生活支援ネットワークの丹羽でございます。
私のほうからは3点ほど意見を申し上げたいと思います。まず、資料5「2040年に向けたサービス提供体制等のあり方」検討会についての1ページ目です。「主な課題と論点」の2つ目のポツに「介護人材確保・定着、テクノロジー活用等による生産性向上」とあります。言葉尻を捉えるようですけれども、この「生産性向上」というのは何を指しているのでしょうか。きっと事務手続等、テクノロジーなどを活用したりすることで利用者に対する支援者の時間を捻出して、良質なケアを届けるという意味合いというふうに捉えたいと思いますが、一般的に「生産性の向上」というふうに捉えると、多くの利用者に対して少ない支援者で効率的に回していくというような印象に捉えられかねませんので、「主な課題と論点」となっておりますので、言葉の使い方を丁寧にしていただきたいと思いました。
2つ目は資料6の就労選択支援の一番最後のページの「方向性」にある小さなポツの2つ目。この中で技術的助言をするところとして協議会が挙げられていますが、そもそも協議会は、それぞれの自治体、地域にとってフィットした様々な創意工夫ある取組を検討し、実行していく場所というふうに受け取っておりますが、例えば日中サービス支援型の評価なども含めて、なかなか責任の重いことを協議会に求めてくると、負担が過重になってくるかなと思います。その上でもし求めるのであれば、チェックリストとか、チェックリストでこういうことになったらこんなスキームで解決をしていくとか、改善を求めていくということまで提示しないと、市町村の職員からすると、これはどう取り扱っていいのですかねというのがこれまでの状況で、私が管理者を務める協議会においても、1回日中サービス支援型から報告を受けてそれっきりみたいなことにもなっておりますので、この実効性についてしっかり御検討いただきたいと思います。
3点目は障害者虐待事例の調査結果についてでございます。御説明にもあったとおり、恵の事件を受けてかなり数が増えているということがございましたけれども、だからといって全体が下がっているわけでもないので、ますます障害者虐待防止の取組が重要かというふうに考えております。その中で様々な経歴を持った人たちがこの業界で働いてくれるようになっておりますので、現場からすれば、これまでどおりの虐待防止の研修とかレクチャーだけでやっていくということに難しさも感じているところでございます。そういった実態を踏まえて、先駆的に虐待防止に関わる研修を行っている法人さんとか、こんなふうにやっているよという情報が行き渡ったり、交換できるような取組をしていただけると、よりよい虐待防止の取組が広がっていって虐待防止にも直接的につながっていくのではないかと考えます。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
1点目の「生産性向上」については、大分前に介護保険部会などでも御懸念がかなり出されて、これは福祉の外から入ってきた言葉ですね。なので、こういった御懸念が示される。これも検討会の事務局のほうに丁寧な説明をしてほしいという形でお伝えいただきたいと思いますが。本後課長、何かあれば。
○本後企画課長 企画課長でございます。
今、丹羽委員からお示しいただきましたとおり、ここの「生産性の向上」というのは、現場の職員の皆さんの負担の軽減、事務手続の軽減、そういったことを通じて利用者に対する直接の支援をしっかりやっていくと。こういったことについて「生産性の向上」という表現を介護の世界でも用いているということでございます。今の御懸念は老健局のほうにもお伝えしたいと思います。
○丹羽委員 そういった場合に、今、国のほうでもしっかり取り組まれている意思決定支援をはじめ、利用者さんとしっかり関わるということや、御本人の希望をかなえるということの時間に充てられるのだということをしっかりその中でも確認していただいて、その方向性は間違えないようにぜひお願いしたいと思います。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、冨岡委員、お願いします。
○冨岡委員 日本相談支援専門員協会の冨岡です。
私からは1点、資料6、就労選択支援について意見を申し上げます。障害のある方が就労先や働き方についてよりよい選択ができるよう就労選択支援を活用することだというふうに思っております。働きたいと思っている人や就労したいという希望を見出し、多機関が共有することはとても大切かと思います。しかし、働く場面というのは心身の健康や日常生活の遂行、本人の希望などにも大きく影響してくることかと思います。相談支援専門員として相談支援の展開に当たっては、本人の希望、立場に寄り添うことを最も大事にしているところです。就労選択支援における多機関連携による会議については、意思決定支援の推進という観点からも、本人参加ということはとても重要と考えております。今後就労選択支援事業所との連携・協働については、相談支援事業所としてもしっかり丁寧に協力関係をつくって進めていきたいと思っているところでございます。
私からは以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
小阪委員、お願いします。
○小阪委員 ありがとうございます。日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構の小阪と申します。当事者の立場から言葉を紡ぎたいと思います。
就労選択支援について、ぜひ御本人たちの就労の意欲や可能性。可能性とは、現段階の可能性だけではなく、将来的なキャリアアップを見据えてということですが、御本人にとって有効となるサポートの一つのメニューとして、御本人主体で活用できるようにしていただきたいと思っています。そうした観点から3点質問させてください。
まず、対象者の整理としてですが、「令和7年10月以降、就労継続支援B型の利用申請前に、原則として就労選択支援を利用する。また、新たに就労継続支援A型を利用する意向がある者及び就労移行支援における標準利用期間を超えて利用する意向のある者は、支援体制の整備状況を踏まえつつ、令和9年4月以降、原則として就労選択支援を利用する」となっていますが、利用者本人にとって利用したいと思えるサービスであれば、当然サービス利用を希望されると思いますので、就労選択支援の利用の有無については、本人の意思を尊重すべきではないかと当たり前に思う私がいるのですが、本人の意思とは無関係に一律就労系サービスを利用する際には、原則的に就労選択支援を受けなければならないとする。もう少し言葉を付け足せば、本人に意思によらず原則的扱いとしている点。障害当事者が納得できるようにぜひ御説明いただけますでしょうか。
2点目は、就労選択支援の過程の中で作成されるアセスメントシートと御本人の希望の不一致はあり得るような気がするのですが、そのようなケースも想定され得るという理解で合っていますでしょうか。
また、作成されたアセスメントシートと御本人の希望が一致しない場合においては、最終的にどちらが優先されて、その後につながっていくのでしょうか。
3点目は、同一の事業者によって提供されたものの占める割合が100分の80を超えている場合について減算するとありますが、もっと厳しい設定でもいいような気がいたしますが、御本人のための支援という観点と公平性という観点から、この設定でそれらは十分担保されると理解してよろしいでしょうか。
質問は以上です。
もうひとつ意見がありまして、資料7の「障害者虐待事例への対応状況調査結果等について」の9ページの真ん中のところです。「身体拘束の適正化」という文字が用いられています。私たち障害当事者としては、身体拘束の適正化はあり得ないと思っています。私たちが求めているのは身体的拘束のゼロ化です。ただし、法律にのっとって身体的拘束が行われることは理解しているつもりです。ですから、その間を取ってというのは何ですけれども、「身体拘束」というワードを使うときには、「適正」という言葉はできれば用いないでいただきたいと思っています。用いるのであれば「最小化」です。法に基づいて行われる身体拘束であるけれども、障害当事者はゼロを求めている。ですから、限りなく少なくしていく。「身体的拘束」という言葉を使うときは、「最小化」という文言が最低限必要であるというふうに意見を申し上げたいと思います。
以上になります。
○菊池部会長 ありがとうございました。
最後は貴重な御意見だと思いましたが、御質問につきましてお願いします。
○伊藤障害福祉課長 障害福祉課長です。
就労選択支援について3点御質問をいただいたと思います。まず初めの対象者のところで原則としてということですが、サービス供給量の整備の観点から順番にということですし、それ以外の方も希望して使われたいというのは、当然御本人の希望だと思います。供給量との見合いがありますが。新規にここで書かせていただいている、B型を使う方が7年10月から原則としてと書いているところは、使いたくない人はどうするかというところは御意見としてはまずあると思います。一方、選択支援、法改正を令和4年でやりましたけれども、その前に当部会で大分御議論いただいて法改正に至っているわけですが、承知している限りでは、例えば特定の事業所のことを念頭に置いているわけではないですが、能力にかかわらず事業所や利用者の方の抱え込みのことだったり、本来もうちょっと違うステップアップができる方がそうなっていなかったり、そういう現状を踏まえてこういった形になってきているので、そういう制度だと認識しております。もちろん、今後実施してからそのような御意見が出たときにどうするかというのは、別に我々は固定的に考えているつもりはないですが、そういった経緯で準備してきていると考えております。
2点目のアセスメントと本人の希望のギャップみたいな話です。ケース会議とかも御本人とコミュニケーションを取りながらやっていくので、そういったものをすり合わせていくというのがまず課題だったと思っています。ただ、一方、例えばA型へ行きたいのだけれどもA型がないという例もそうかもしれませんが、絶対的に選択支援事業者がここにしなさいとか決めるという話ではないので、あくまでも最終的に決めるのは御本人だということです。ただ、その前提で、もちろん限界ケースというのはあるかもしれませんが、御本人の希望と客観的なアセスメントをすり合わせていくというところがやはりポイントなのかなとは思っております。
集中減算の基準に関しては、昨年の報酬改定で御紹介いただいたものになったのは、経緯としては、介護保険の介護報酬のケアマネさんの仕組みをコピーしているというのが現状です。したがいまして、ここは新設のサービスですので、そこからスタートしておりますが、まさに実施してみて、次は9年ということになる。3年に一度の報酬改定で見直していくということと考えております。
以上です。
○菊池部会長 よろしいでしょうか。
○小阪委員 はい。
○菊池部会長 ありがとうございます。
沖倉委員、お願いします。
○沖倉委員 沖倉です。時間がない中でお時間をいただきましてありがとうございます。
1点だけ。本日の会の最初に資料1のところで運営指導・監査に関して議論をしましたけれども、その関係で資料7の虐待の部分について1点だけ申し上げたいと思います。資料7で言うと、2ページ目の「今後の対応」の真ん中の辺りのマル3にサービス評価に関する記述があるのですが、最初に議論した運営指導・監査の目的も、例えばサービスの質の確保というところ、あるいは向上という点でなされるべきだと理解しています。そのときに、先ほど来御意見がありますけれども、実施をするマンパワーが不足しているのではないかという話が出ましたが、以前の部会でもお話が出ているのだと思うのですが、サービス支援の質の確保という部分で1つ議題を立ち上げて皆さんで話していくというふうに考えたときに、資料7の2ページのところにあるように、行政責任による運営指導や監査だけではなくて、第三者評価。これは民間への委託や民間も含むでしょうし、あと、事業所の自己評価。そして利用者・家族等の当事者評価。これらを全体として見た形で支援の質の確保というのを検討していくべきではないかと思います。それはマンパワーが限られている中にあって、目標を一にするのであればなおさらだと思いますので、1点だけ申し上げたいと思います。
以上です。
○菊池部会長 どうもありがとうございました。
それでは、私の左手のサイドの皆様からいかがでしょうか。小澤委員以外の皆様ということですね。それでは、吉野委員からお願いします。
○吉野委員 全日本ろうあ連盟の吉野です。
2つあります。1つ目、資料6の就労選択支援員のことです。以前聞こえない人が就労支援A型を希望していたのにB型にされてしまい不満につながった例があります。これはアセスメントの支援でコミュニケーションが取れていないという理由が考えられます。つまり、アセスメントできちんと支援することが大切なわけです。支援に、手話通訳を置くだけで通じるわけではないこともあります。つまり、ろう当事者の相談員も一緒に支援をすることで、最終的に本人の意思決定につながるということができるわけです。それがとても大切だと思います。そのために、就労選択支援員の研修のときに、これはこれから新しく入りますけれども、障害当事者、聞こえない人はどんなものかということ、盲ろう者とは何なのかということ、ろう重複の方々など障害それぞれの違いがあるということ、支援の特性を踏まえ、背景などをつかめるような研修ができる場、そういう機会を設けてほしいです。また、手話を学べるというカリキュラムも入れてほしいということが意見の1つ目です。
もう一つ、資料7の虐待についてです。実際に社会の現状を見ますと虐待がかなり増えています。すごく懸念しております。虐待の定義は、暴力や言葉によるとか、いろいろあると思いますが、発見したときには通報することになります。盲ろうの旦那さんでろう者の奥さんという夫婦での会話のときに、コミュニケーション方法は当然触手話になるのですが、けんかをしたとき、コミュニケーションが取れないときに手をつよくたたくことがあります。それを支援者、ケアマネジャーさんが見て、「あ、虐待をしている」と大きな問題になってしまったという事例があるのです。ですから、この事例は、そうではないということ、その辺りを研修の中で改めて入れていただきたい。ですから、今後研修をする場合には、聞こえる支援者だけではなくて、障害当事者団体からきちんと話を聞いて勉強してもらうということを盛り込んでいただきたいという意見です。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
大胡田委員、お願いします。
○大胡田委員 日本視覚障害者団体連合の大胡田でございます。
2点ございます。まず、資料5についてですが、高齢者の関係の審議が終わった後に障害福祉も含めた一般的な問題に移っていくということだったのですが、現在の構成員の中には障害福祉に対して非常に専門性の高い方というのはいないのかなと。いるのかどうか分かりませんが、いないとしましたら、障害の話になったときには、障害についての専門家の参画、あるいは当事者団体のヒアリングをお願いしたいというのが1つ目でございます。
資料6についてですが、これは特別支援学校の高校3年時を対象としていないということですが、他のサービスとの調整の関係でそうなっているのだと思いますけれども、本当にそれでいいのか。3年生のときにちゃんとアセスメントを受けて、選択の支援をしていただくことが必要なのではないかなと思ったので、この辺り、どうしてそうなっているのか教えていただきたいと思います。
○菊池部会長 ありがとうございます。
事務局からお願いします。
○伊藤障害福祉課長 最後の特別支援学校のところで、3年利用できないということはないです。もしかしたら分かりにくかったかもしれませんが、ちょっと省きましたけれども、17ページで特別支援学校の在学者に対するモデルのようなものが書いてありますが、当然1年、2年、3年。もしかしたら「3年生以外の各学年でも」というところをちょっと強調するがために説明が不十分だったかもしれませんが、3年生が実際にはメインだと思っております。
○菊池部会長 よろしいでしょうか。
○大胡田委員 はい。失礼いたしました。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、吉田委員、お願いします。
○吉田委員 ありがとうございます。日本相談支援専門員協会の吉田と申します。簡潔に意見と可能な範囲での御要望をさせていただきたいと思います。
就労選択支援について、ほかの委員からもありました。まず、新しいサービスが始まるといったところで、地域ではちょっとざわついているところがあるのですけれども、今日具体的なお話もいただきましたので、また地域のほうで検討しようかなと思っています。我々の協会でも既にこの新しいサービスに向けての不安や課題、質問等々を全国の相談員から取りまとめをしていますので、そちらの情報も提供できればなと思っているところでございます。
また、この新しいサービスが始まるときに、前提としてこのサービスの趣旨、目的の共有がされていないと円滑な導入にはならないと考えておりまして、1つは、就労選択支援ですので、御本人の行き先を決めることではなくて、御本人の選択を支援するためのサービスなのだと。この部分を勘違いしてしまうと、あたかもここで決められたからこちらに行かないなどということになりかねない。そこで、御報告にもありましたが、文部科学省さんと連名で通知を出していただけると。これは本当にありがたいことだと思っていて、以前相談支援と学校との連携も同じように通知を出していただいたところ、本当に停滞していた連携が進んだのです。何かあったときに、国からこんな通知が出ていますよなどというのが、打ち出の小づちまでいかないですが、かなり効果的だったのを思い出しました。ですので、この通知の活用として、単に連携をしましょうとかお休みの取扱いではなく、先ほど申し上げたように、今回のサービスはこういうサービスなのだと。だから、連携が必要なのですよ。ひいては相談支援も入れてくださいねと。その辺の部分を強調するような通知を出していただけると心強いなと思っています。
同様に、先ほど丹羽委員からありました地域の協議会の活用というのが非常に大きいと思っていて、まずは地域の中でこのサービスを共有しておかないと、先ほど言った円滑なスタートは切れないと思っていますので、ぜひ都道府県を通じて。むしろ都道府県を筆頭に地域の協議会で今日の資料などを基に、我々の地域ではどのような活用ができるのか、どういうふうに進めていくのかといったような協議の場を設けていただくと。このようなことも後押ししていただけるとありがたいなと思っております。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、山本圭美委員、お願いします。
○山本(圭)委員 全国重症心身障害児(者)を守る会の山本です。
発言の機会をいただきましてありがとうございます。資料7の虐待に関して意見を述べさせていただきます。養護者の障害者虐待については、相談・通報の増加に伴い、関係者の努力によって事件を未然に防ぎ、サービスにつなげられたケースも増えているのではないかと思われます。しかし、先ほど加藤委員からもありましたが、1月5日に福岡市で母親が7歳の娘の人工呼吸器を外してしまうという悲しい事件がありました。年末年始で福祉サービス利用が困難だった時期ということもあると思いますが、普段から希望どおりにサービス利用ができる状態にはなっていません。毎日の介護に疲弊し、孤立感を深めてしまう親もまだまだいます。医療的ケアが必要な人や重症児者への支援、福祉サービス、相談支援体制のさらなる充実と、親のレスパイトのためのショートステイがもっと気軽に利用できるよう、改めてお願いしたいと思います。
また、6ページ下中央のところに障害者虐待が認められた事例1,194件の事業所種別が掲載されていますが、コロナ禍以降、面会制限などで外部の目が入りにくくなり、重症児者の関係でも療養介護やグループホームなどで虐待件数が増えていると伺っています。グループホームでも施設でも親の高齢化や家庭の様々な事情によって、愛情をかけて大切に育ててきた我が子を他人の手に委ねるということは相当な覚悟を持ってのことになります。言葉で伝えることができず、全ての介護を人に委ねることとなる重症児者の場合は、何をされても受け入れるしかありません。親たちから聞こえてくる本音は、もし我が子がグループホームから出されたら、入所施設から出されたらと思うと、たとえ虐待を疑っても簡単に口にはできないということです。
支援の質の確保ということで、先ほどから様々な委員からも意見が出ていますが、外部の目を入れることなどとともに、虐待防止等の研修・人材育成に力を入れていただきたいと思います。そして、そうした場面で親の思いや心情を聞いていただく機会があるべきかと思います。
なお、1ページの相談・通報者の14.3%は本人となっておりますが、重症児者の場合は自身で訴えることが難しく、数字に表れにくい現実があります。つまり、この数字の大小だけでは実態を見逃してしまうおそれがあるということをぜひ共通認識として御理解いただきたいと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
酒井康年委員、お願いします。
○酒井(康)委員 全国児童発達支援協議会の事務局長の酒井です。どうぞよろしくお願いします。
私からは資料5、2040年に向けたサービス提供のあり方について意見を述べさせていただきます。この観点は非常に重要なことだと理解しております。特に我々の業界では今、重要な職種の一つである保育士の確保に非常に苦労しております。全国的に保育士さんをいかに確保するかということが非常に大きなテーマでして、保育園のほうでも不足している。そして我々のほうでも不足しているということで、今後保育士をいかに確保していくか。保育士だけではなく、いろんな職種をどう確保していくのかという観点で今回のこの取組に強く期待をしているところであります。
そんな中で、少し違う会議になるのですけれども、私たちは今、こども性暴力防止法に関わる検討会のほうにもオブザーバーということで参加しております。今、次のようなことが話題になっているのです。就職を考えている人の犯罪履歴の確認ということが我々事業者団体のほうには求められてきます。これは当然のことだと理解していますが、この情報の取扱いについて、現場のほうで厳密に管理をしてくださいということが求められようとしているところです。もちろん、情報を管理するということはとても大事なことではあるのですけれども、そもそもシステムとしてもう少し国のほうで現場にそういった管理を任せないで済むようなシステムをつくっていただければ、僕らのほうはもう少し負担が減るのではないかなと思っています。
特に小さな事業所は人もいない、お金もない、技術や専門性も高くない。特に対人援助職を目指す人たちは、あまりシステムについて知識が高くない人が多いのが一般的ですので、そんな中で工夫をするというのはどうしても限界が出てきます。そういった末端の小さな事業所に重要な責任を負わせて、事故が起きてしまうと、特に今回のような問題というのは非常に大きな人権問題になっていくと思っています。そういったときに、スキルがなくても小さな事業所でも楽に安全に使えるシステムをつくっていただけると、非常にありがたいなと思っています。もちろん、オブザーバーとして参加しているそちらのほうでも意見出しはしますけれども、今回のほうではそういったことを一例として、なるべく全体でシステムとして開発していただいて、事業所のほうでは子供さんとか対象者の方に専念できるような、そういったシステム構築をしていただけると、人材確保という点でもすごく楽になるのではないかなと思っておりますので、意見として述べさせていただきました。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、北川委員、お願いします。
○北川委員 知的障害福祉協会、北川です。
今回の就労選択支援についてですが、特別支援学校からできるということで、地域の進路指導の先生方が研修をしたりして、先ほどざわついていますというのがありましたけれども、そのような状況です。樋口会長も言っていましたけれども、高校生からできるということで、このビジネスモデルとつながって囲い込みにならないように気をつけていただきたいなと思います。
あとは、15歳から17歳、高校生。文科省との連携の話がありましたけれども、ここで児童相談所の意見が必要というふうになっています。これまでも生活介護の利用などのときに児童相談所の意見書が必要でした。ただ、就労選択支援はほとんどの高校生がやるとしたら、かなり児童相談所の負担になるのではないかなと思います。児童相談所はかなり疲弊しているということで、採用しても今、4割が辞めるという実態があるということの中で、今回就労の選択の支援員もきちんと配置されている中で、児童相談所の意見書は必要なのかなというふうに思います。
虐待に関してですけれども、養護者の虐待に関しては、私は子供虐待の関係の理事でもあるのですが、子供の場合、0日が多いのですが、障害のある場合、研究によると、どの年齢でも見られるということで、養護者の虐待に関しては、子供の場合ですと、子育てをどう支えていくかということで、家族支援が非常に大事だと思っております。加害者をつくらないで、ジャッジでなくて、どうケアしていくかという仕組みだと思います。今回は大人のデータですけれども、それは大人になっても同じではないかと思います。在宅の家族への支援が必要だと思いますので、今後国において入所の検討会などをされると聞いておりますが、地域支援として入所の検討会で入所施設が在宅をしっかり支えていくという機能についてもぜひ検討していただきたいなと思います。
あと、グループホームに関して非常に多いということで、とても残念なのですが、やはり強度行動障害の方がいる場合、1人で見るということは、夕方の支援、大変になってきています。法人の自助努力で生活介護の職員が夜グループホームに行ったりしながら支援しているということで、グループホームの人員配置などもきちんと見直していく必要があるのかなと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、会場から最後の御発言となります。加藤委員、お願いします。
○加藤委員 全国医療的ケア児者支援協議会の加藤でございます。発言の機会をありがとうございます。資料6の就労選択支援について簡潔に意見を申し上げます。
現在、特別支援学校の高等部に在学中で、卒業後に働きたいと自立を模索している医療的ケアの当事者、そしてその家族の方々や現場の相談支援員の方に今回のこの就労選択支援制度について意見を聞いてまいりましたが、働きたいと思って企業の職場見学に行っても、そこから先につながる選択肢が今は1つもないという声がございます。就労選択アセスメントの先の課題にはなるのですけれども、就労継続支援も移行支援も自力で通えることが前提となっているので、医療的ケア児者の就労はこれまで社会的に想定されてこなかった現状がございます。
人工呼吸器が必要でも知的には問題がなく、中には理系の大学院卒の医療的ケア児者もいますが、現状の制度や枠組みの中では働けないので、そういった方々が一日中ゲームをして無為に過ごしていたりします。テクノロジーの適切なサポートやオンラインの就労環境が整えば働きたい意欲も能力もある一定層がいるという社会変化を織り込んで今後の制度検討の課題としていただきたい。これは要望ですが、申し上げます。
ありがとうございます。
○菊池部会長 ありがとうございました。
会場からは以上でございます。
オンラインの皆様から御質問のおありの方。酒井大介委員、お願いします。
○酒井(大)委員 ありがとうございます。全国就労移行支援事業所連絡協議会の酒井です。よろしくお願いいたします。
私からは資料6の就労選択支援について発言をさせていただきます。今回示されている内容について全て賛成の意見です。その上で、障害のある方が働くことを考えたときに、自分自身の就労に関する強みであるとか弱みを理解して、進むべき方向を御本人、支援者で一緒に考えるプロセスが誕生することはとてもよいことだと思っていますし、大きな期待をしているところです。現場の支援者としては、就労選択支援の意議をしっかり理解して、先ほど来もありましたが、単に就労系サービスの振り分けを行うためにこのサービスが提供されるのではなく、ここで得られた御本人さんの情報をその後の就労支援にどう生かしていくかが大切ですし、その専門性をしっかりと身につけていく必要があると思います。ですので、新たに始まるこの制度とアセスメントに関する専門性の両輪があって初めて成功するものだと思います。専門性の向上に向けては厚生労働省として研修を用意するとされておりますけれども、我々もできる限り人材養成に向けて尽力をしたいと考えております。
そして、残念ですけれども、この御時世、新たな制度ができるときには、どう濫救を防ぐかや、ビジネス化を防ぐかという観点も大切かと思います。この就労選択支援で言えば、例えばこの事業はアセスメントの情報が肝なわけですが、就労選択支援事業者がこれまでの資料等から知り得た情報に加えて、作業場面等の取組によってしっかり情報をアップデートしていくことを義務として周知してほしいと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
ここで山本則子委員が御退室を御予定になっておられるということで、先にお願いしたいと思います。
○山本(則)委員 ありがとうございます。申し訳ございません。簡潔に申し上げたいと思います。
資料6の就労選択支援でございます。5ページのサービスの流れを拝見しますと、1か月の間で本人との面談や多機関連携によるケース会議など、多くのプロセスを経る必要があるように見えます。様々な障害においては症状の波ですとか環境の変化による影響を受けやすいという側面もございます。支給決定期間が原則1か月と短いことが本人の不利益、負担となることを懸念しております。また、一方で、事業者側としては状況に応じ短時間で就労に結びつける関わりへの努力が必要かと思われます。
他の委員の先生方の御意見も伺いまして、サービス提供者、関係機関が同じ認識の下で10月からの円滑な開始を行えるのか、少々懸念がございます。支給決定期間に加えて就労支援員の人員確保及び質の担保も課題と考えております。このような運用がなされた後には、必ず期間の妥当性も含めて運用状況を評価・検証し、必要に応じた見直しも検討していただけたらと思います。
続きまして、資料7でございます。障害者虐待について、2ページ目にあります調査の結果を拝見いたしました。今後の対応をリストしておられますが、今後の対応につきましては、必ず評価・対応策の再検討、長期的なアウトカムの確認など、実効性のある取組にしていっていただきたいと考えております。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
叶委員、お願いします。
○叶委員 全国社会就労センター協議会の叶です。
私のほうは資料6の就労選択支援について意見を述べさせていただきます。本会は、就職を希望する障害のある人に対して就職に向けた支援をすることは非常に重要なことと思っております。一方、就労継続支援のA型やB型で働くことを希望する方への思いにも応えていくことも重要だと思っています。
スライド3の中で、就労選択支援事業は、障害者本人が就職先・働き方についてよりよい選択ができるよう、本人の希望や就労能力や適性等に合った選択を支援するとされており、本人の希望や意向を大切にしながら障害者の働くことに関する選択を支援するというこの事業については、大いに期待をしているところです。
期待しているということを前提として、幾つか課題についてお伝えしたいと思っています。1つ目は、スライドの18の一番下にあります就労選択支援の報酬を算定する場合に、同一日に他の日中活動サービスの報酬は算定できないとされていて、例えば就労継続A型に午前中行って、B型に就労選択支援を利用するということは基本的には駄目だと。ただし、その後ろに、相互の合議による報酬の配分により、両サービスを同一日に利用することは妨げないということで、要するに、双方の話し合いで案分ができるとされております。ただ、スライド19のところでは、原則として別法人、当該サービスを提供している法人とは異なる法人で就労選択支援を利用するということとされていますから、そういう意味で、別法人で双方の話し合いの中で報酬を案分していくというのは、なかなか難しさがあるなと思っております。課長も先ほどそこら辺は例を示していくということを言われましたが、ぜひここは現場が混乱しないように基準を示していただければと思っています。
もう一点ですれども、就労選択支援事業を利用している間の所得保障の問題です。例えばA型を利用して、そして就労選択支援を利用する場合、原則1か月とされていますけれども、その1か月間は賃金が発生しないということになります。B型の場合でも工賃が発生しないということになります。そのことによって生活が安定しなくなってしまう可能性があるために、就労選択支援事業を安心して利用できないということも考えられますので、ぜひ利用できるような仕組みを検討、考えていただきたいと思います。
最後に、これも他の障害福祉サービスと同様ですけれども、就労選択支援事業は、障害のある方御本人のためのものという前提に立ってよりよいサービスになるよう、我々自身も取り組んでいきたいと思っているところです。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
白江委員、お願いします。
○白江委員 遅れて申し訳ありませんでした。全国身体障害者施設協議会の白江と申します。
私からは2点意見を申し上げたいと思います。まず、1点目は虐待防止に関してです。先ほどの御説明の中でといいますか、毎年説明の中で点数が増えているのが、虐待防止の通報の周知が徹底してきているからということをおっしゃるのですが、私も確かに10年間はそう思っていましたが、それはもう言ってはいけないのではないかと思っております。そこはしっかり分析しながら考えていかなければいけないと思います。先ほど深掘りをして4月に公表されるという御説明でしたが、大変強い関心を持って待っているのですが、深掘りの必要性を私なりにずっと訴えきたつもりですが、大事なことは、虐待あるいは不適切な対応の一件一件の分析が非常に重要だと思っております。要するに、市町村あるいは都道府県の分析力の格差というのが非常に大きなものがあるかと思いますので、私は各都道府県あるいは市町村に虐待防止専門官を置いてもいいのではないかと思っておりますが、そういった点も少しお考えいただければと思います。
2点目は、先ほど丹羽委員、部会長もおっしゃっておられました生産性のことについてです。先ほどの御指摘は全く同感で、私も非常に危惧していたところですが、もう一つ、これは私個人の違和感と言ってしまうとそれまでなのですが、どうしても「生産性」と言うと労働生産性につながってしまっていて、今言われている生産性とは違うイメージを私自身持ってしまいます。福祉あるいは障害福祉の分野ではこの言葉についても特に違和感があって、御検討いただけるとありがたいなと思っておりました。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
ただいま事務局から紙が参りまして、会場の都合で17時20分までに閉会させる必要がありますという伝令が参りまして、大変申し訳ございませんが、3~4分でおまとめいただけますと幸いでございます。大変申し訳ございません。
櫻木委員、お願いいたします。
○櫻木委員 ありがとうございます。それでは、資料4と5と6についてお話をします。
資料4「新たな地域医療構想における精神医療の位置付け」ということです。2025年を目途とする従来の地域医療構想は、精神病床を対象としていませんでした。ただ、今回新たな地域医療構想ということで、在宅であるとか外来であるとか介護、場合によっては障害福祉サービスとの連携も含めた新たな地域医療構想であるということと、そのことによって地域完結型の医療、介護、障害福祉の提供体制を構築するという意味合いで我々の団体も参加すべきだと考えて、今回新たな地域医療構想に精神医療が位置づけられたということは非常によかったと考えています。
ただ、資料5を見ていただくと、今日初めてこの検討会のことを知ったのですけれども、2040年に向けたサービス提供体制等のあり方検討会というのがもう既に動いているということですが、1ページのところを見ると、「主な課題と論点」というところに「地域包括ケアと医療介護連携、認知症ケア」ということが書いてあります。それから、人口減少モデルということで、中山間地、あるいは都市部、あるいは地方都市という3つのモデルを考えると。これは全て新たな地域医療構想でも取り扱うところなのです。ですから、これが屋上屋を重ねるということになりはしないかということと、もっと考えると、この方向性が違ってしまうと、有効な地域における医療介護連携の提供体制の構築に逆に障害になるのではないかという心配をしていますが、医政局の新たな地域医療構想と老健局のサービス提供体制のあり方検討というのがどういうふうな関係性で、これからどういうふうに進行していくのかということについて教えていただければと思います。私の心配が杞憂に終わればというふうに思います。
資料6の就労選択支援に関してですけれども、5ページのところに就労選択支援サービスの流れということがあります。アセスメントシートをつくるとか、あるいはケース会議をやっていくということですが、この中で例えば精神障害であるとか、あるいは難病の方などもそうだと思いますけれども、医療と障害福祉の連携というのは非常に大事だと思います。従来から訓練等給付は支援区分の審議の対象になっていませんから、我々は意見書を提出するという機会もありませんし、これから新たな就労選択支援の中で医療と障害福祉の連携をどういうふうに担保されるのかを教えていただければと思います。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
医療との関係性というのは私も気になっていて、ただ、これは老健局が進めているところなので、現時点でどういう方向に行くのかというところまでは、事務局は今日の時点で明確なお答えをできないのではないかと思いますので、そこは宿題にさせていただいて、老健局にも先ほど幾つかあったことと同様にお伝えいただいて、何らかの見通し等をお示しいただけるのであれば、次回の宿題にさせていただくということで、櫻木委員、お許しいただけますでしょうか。
○櫻木委員 分かりました。では、次回お願いします。
○菊池部会長 私もそこはとても大事な論点だと思ってございます。
ほかの点で。お願いします。
○伊藤障害福祉課長 障害福祉課長です。
就労選択支援における医療との連携についてお答えします。櫻木委員がおっしゃったとおり、障害種別とかにもよると思いますが、医療との連携というのは重要だと思います。就労選択支援のフローで言いますと、例えば多機関連携によるケース会議に主治医の方に参加いただくということも当然あろうかと思います。報酬上の評価としましては、診療報酬の話なので、本日資料に入れておりませんでしたが、6年度の診療報酬改定において、診療情報提供料(I)という情報提供料の対象として就労選択支援事業所も加えるという改正が既に行われておりまして、多機関連携のケース会議に参加いただくとともに、診療報酬上でも評価していると考えております。
以上です。
○菊池部会長 よろしいでしょうか。
○櫻木委員 制度、仕組みとしてはあるということですけれども、現場で医療も含めて連携をするということをより一層周知していただければと思います。
○菊池部会長 ありがとうございます。
河野委員、お願いします。
○河野委員 就労選択支援について意見を言いたいと思います。まず、就職する際に本人の就労の希望を聞いておかねばとはずっと思っていました。そして、地方でも熱心な職員はそうしていると聞いています。今回就労選択支援の創設は大変喜ばしいことだと思っております。
私たち難病患者はできるなら一般企業で働きたいと願っています。日本難病・疾病団体協議会は、難病患者が障害者雇用対象になるよう今、国に働きかけています。企業の合理的配慮で働ける人材は多いと考えています。
患者当事者視点から見た職場の働きやすさに関するアンケートをいたしまして、その中で企業とかにやっていただきたい合理的配慮について調査しました。そこで挙がった重要な事項をまた新たに難病患者就労支援状況把握調査として、1,234社の企業に対してアンケートをしました。回答は649社で、その中で我々のニーズが大きかった病気休暇実施が、500名以上の大企業の60%程度、通院休暇は40%程度、現在実施しているとの結果でした。あと、フレックスタイムの実施や在宅ワークについても同様な結果でした。中小企業ではどちらも半分ほどしか実施していませんでした。
その中で、昨今話題になっている政策あれば対策ありなのですけれども、障害者雇用ビジネスや特例子会社など、それによって雇用率を達成するということは、本来私たちが望んでいるわけではありませんので、それに関しては何とかならないのかと思っています。
これは文科省の範囲になるのですけれども、教育現場から障害者・難病患者が当たり前にクラスで学んでいるインクルーシブの実施から、企業の中でも普通に難病患者や障害者が働きやすい社会情勢ができると思っておりますので、まずその初めとしてぜひこれをやっていただいて、最後そういう方向を目指していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○菊池部会長 ありがとうございます。
石澤委員、お願いします。
○石澤委員 資料7の障害者虐待事例への対応についてですが、個人的な意見ですけれども、性的虐待を行った方に対しては、ブラックリストではないですが、それ相応のリストに載って、次のサービスや教育の場には就職とかそういった職種に就けないというのが新たにつくられるようですけれども、私は性的虐待だけでなくて、根本的に虐待をできる限りなくしていただきたいと思っているので、性的虐待だけではなく、精神的虐待は判別が難しいので、まずは身体的虐待の性的虐待を行った人に対しても同じような対応を取っていただけたらなと考えております。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、岡田委員、お願いします。
○岡田委員 ありがとうございます。全国精神保健福祉会連合会の岡田です。
資料4と7についてお話をさせていただきます。資料4、精神医療を新たな地域医療構想に位置づけることとするとの結論が出されたことは大変よかったと思っております。
精神科は、同じ医療でありながら、それ以外の医療科目とは法律上も別扱いとなってきています。精神の疾患もそれ以外の疾患と同じ、人間の体の一部に起こる疾患であって、ほかの疾患と同じように誰もがかかる可能性のある疾患だという認識を誰もが持つ必要があると考えていて、地域医療構想への位置づけはとても重要なことと考えております。
資料7について。2ページに養護者虐待防止についてあります。ここに記載されていますように、養護者を加害者として捉えることなく、支援が必要な状況にある人として捉える視点が大変に重要と思います。このことが関係者の方々にしっかりと周知されることが重要と考えております。
また、4ページの被虐待者の状況を見ますと、20~59歳といった成人の障害者ですが、虐待者との同居が84.5%と大変高くなっています。これは今回の報告に限られたことではないと思いますけれども、虐待に至る前の防止のためにも、成人した障害がある人は、家族がそのケアを抱え込むことなく、自立生活を進めることが重要であることを改めて確認したいと思いました。障害がある人が成人したら、様々な支援を活用しながら自分の力で生きていくことができる地域の支援体制の充実、そして障害がある人とその家族が地域で孤立することのない支援体制の充実が、養護者からの虐待を防ぐためにも重要だということがこの調査結果から見えておりますので、さらなる支援体制がさらに充実することに強く期待をしたいと考えております。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
それでは、大塚参考人、お願いいたします。
○大塚参考人 ありがとうございます。日本発達障害ネットワークの参考人の大塚です。
私のほうからは資料5の障害者虐待防止についての意見を述べさせていただきます。その内容は、虐待防止法第32条における市町村障害者虐待防止センター、36条の都道府県障害者擁護センターの機能強化というものを図っていただきたいと思っています。虐待件数が増えていますけれども、今後も増えることが予想されて、強く言えば抜本的改革が必要かと思っています。現行においてもそれぞれ通報の窓口として機能しているのでしょうけれども、市町村の虐待防止の中核としてのセンター、都道府県と中核的な権利擁護支援センターとしての機能がなかなか見えていない状況だと思っています。特に都道府県の障害者権利擁護センターについては、地域福祉のほうで行われている権利擁護支援の地域連携ネットワークとの整理とか連携が重要であると考えています。
というのは、先ほどお話がありましたハードなケースの深掘りも必要であると思います。それも重要なテーマですけれども、今後は経済的虐待と関連した本人の意思決定支援に基づく金銭管理が広くできているのかどうかということが、非常に大きな課題として障害福祉分野に現れていると思っています。そういう意味では、このような金銭管理も含めた権利擁護については、都道府県の権利擁護支援センターが権利擁護の中核的機関としての機能を持てるような、そういう人員確保予算、運営ガイドライン、こういうものを整備する必要があると考えています。
以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
それでは、江澤委員、お願いします。
○江澤委員 時間がないので手短に申し上げます。
資料4につきましては、今回精神医療を地域医療構想に位置づけるのは初めてですので、十分な期間を設けると記載もありますから、十分時間をかけて丁寧に進めていただきたいと思います。
資料5につきましては、今後の人口推計に基づいたサービス利用に見合った提供体制の構築が重要な論点だと思いますから、その辺りと新たな地域医療構想がしっかりと連携できるようにしていただきたいと思います。
資料6の就労選択支援につきまして。先ほど櫻木構成員からも申されましたけれども、また、これを創設するようなときに私も申し上げましたが、これはアセスメントが非常に重要であって、そこにおいては病状や医療上の留意点というものが就労しながら重要でありますから、しっかりと主治医との連携をぜひよろしくお願いしたいと思いますし、また、就労選択支援の研修の中にもそういったことをぜひ盛り込んでいただきたいと思います。
最後に資料7につきまして。今後の対応も記されておりますけれども、重要なポイントは、やはり経営者・管理者のリーダーシップによる拘束・虐待を行わないという組織風土の醸成だと思いますから、その辺りはまた重要視していただきたいと思います。
併せまして、人材不足の中で適性が必ずしもそぐわない人も就職してこられると思いますし、そういうことを否定するものではありませんけれども、しっかりと理念・方針に見合った職員教育、あるいは行動障害への対応力向上といったものを日々継続して行うことが重要だと思います。
最後に、生産性向上の話が少しありましたが、これは介護の分野でも直接介護の時間を増やしてケアの質を高めるということが背景にあって導入されておりますが、現実的には職員の負担が増加する傾向が多いと思いますので、これは引き続き慎重に、本当に生産性向上に資するものかどうか検討が必要だと思います。
以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございました。
これでオンライン参加の皆様から御意見を頂戴できたかと存じます。
最後のほう、皆様にちょっと急がせる形になってしまいまして大変申し訳ございませんでした。さらに本日2時間の予定のところ、3時間20分近いというのは、あり得ない議事の進め方だと私自身思っておりまして、大変お忙しくしておられる委員の皆様方に大変な失礼をしてしまったと反省してございます。事前説明を受けていながら、私の見通しの甘さであるとか、事務局の見立ての甘さですとか、そして事務局と私の連携不足といったこと、いろいろ考えられますが、この後、反省会をしっかりやりまして、2時間で済まなければ、もう少しお時間を最初から頂戴するということは十分あり得ると思いますが、少なくとも今日のようなことはないように重々注意したいと思いますので、何とぞお許しくださいますようお願い申し上げます。
ほかにもいろいろ御発言がおありの方がいらっしゃったかと思いますが、今日のところは時間が超過しておりますので、ここまでにさせていただきたいと存じます。
最後に今後のスケジュールなどを事務局からお願いします。
○本後企画課長 本日は長時間ありがとうございました。運営についてはしっかりと検討させていただきたいと思います。
次回の部会につきましては、追って事務局よりお知らせいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
○菊池部会長 それでは、大変長時間にわたりまして御参加いただきまして、どうもありがとうございました。これにて閉会とさせていただきます。