2024年8月1日 薬事審議会 医療機器・再生医療等製品安全対策部会 議事録
日時
令和6年8月1日(木)16:00~
出席者
- 出席委員(18名)五十音順
-
- 泉知里
- 伊藤正明
- 岩﨑清隆
- 小早川雅男
- 齋藤綾
- ◎佐藤陽治
- 佐藤好美
- 澤田留美
- 外園千恵
- 中川孝太郎
- 藤原慶正
- 正宗賢
- ○三村秀文
- 宮地茂
- 山口里香
- 山本栄一
- 山本謙吾
- 渡邉幸子
(注)◎部会長 ○部会長代理
欠席委員(4名)-
- 赤瀬智子
- 宮﨑義継
- 萬知子
- 脇田隆字
- 行政機関出席者
- 野村由美子(医薬安全対策課長)
高畑正浩(安全使用推進室長) 他
議事
○医薬安全対策課長 それでは、定刻に少々遅れましたが、「令和6年度第1回薬事審議会医療機器・再生医療等製品安全対策部会」を開会いたします。
本日、御出席の委員の先生方におかれましては、お忙しい中、御出席を頂きまして、ありがとうございます。本日の部会の公開につきましては、YouTubeによるライブ配信で行うこととしておりますので、御理解、御協力のほどお願いいたします。議事録については、後日、厚生労働省ホームページに掲載いたします。
また、今回もWeb開催としており、対面での進行と一部異なる部分があります。前回と同様ではありますが、議事に先立ち、審議の進行方法等につきまして事務局より説明をさせていただきます。
○安全使用推進室長 それでは、御説明申し上げます。まず、Web会議上のお願いでございますが、ハウリング防止のため、発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。御意見、御質問を頂く際は、ミュートを解除し、初めにお名前をお知らせいただければと思います。御発言のタイミングが重なったりした場合には、部会長から順に発言者を御指名いただきます。
会議中、マイクの調子が悪かった場合は、音声の代わりにメッセージに記入いただくようお願いする場合がございます。システムの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構ですので、事前にお伝えしております事務局の電話番号まで御連絡、お願いいたします。また、もし事務局のサーバーがダウンするなどのトラブルが発生した場合には、事務局から一斉にメールで御連絡いたしますので、御確認をお願いいたします。
次に、今回より委員として御参画いただくことになりました先生を御紹介いたします。細川委員の後任といたしまして、公益社団法人日本医師会常任理事の藤原慶正委員が御着任されました。一言お願いできますでしょうか。
○藤原委員 日本医師会の藤原です。医療安全を担当します。どうぞよろしくお願いいたします。
○安全使用推進室長 ありがとうございます。また、事務局に人事異動がございましたので紹介させていただきます。厚生労働省大臣官房審議官の佐藤大作でございます。今日は欠席させていただいております。厚生労働省医薬局医薬安全対策課安全使用推進室長の私、高畑正浩でございます。よろしくお願いいたします。厚生労働省医薬局医薬安全対策課プログラム医療機器等情報専門官の土井万理香でございます。
続きまして、機構です。医薬品医療機器総合機構医療機器安全対策・基準部長の石井健介でございます。医薬品医療機器総合機構安全性情報・企画管理部長の太田美紀でございます。医薬品医療機器総合機構医薬品安全対策第二部長の前田大輔でございます。事務局からは以上となります。
それでは、以降の議事進行は佐藤部会長にお願いいたします。
○佐藤部会長 佐藤でございます。皆さん、こんにちは。それでは、議事に入る前に委員の出欠状況、審議への参加等について、事務局から御説明をお願いします。
○安全使用推進室長 最初に、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。あらかじめ、赤瀬委員、萬委員、脇田委員からは御欠席との御連絡を頂いております。現在、岩﨑委員、中川委員、宮﨑委員が遅れて御参加のようです。あと、渡邉委員は音声トラブルで、こちらも遅れての御参加ということですが、今、入られました。よろしくお願いいたします。現時点で、22名中16名の委員に御出席いただいておりますので、薬事審議会規程により、定足数に達していることを御報告申し上げます。
続いて、所属委員の薬事審議会規程第11条への適合状況の確認結果について、御報告させていただきます。薬事審議会規程第11条には、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定されております。今回、全ての委員より、この規定に該当しない旨を御申告いただいております。報告は以上です。
○佐藤部会長 ありがとうございました。ただいまの事務局からの御説明に対しまして、御意見、御質問等ございますでしょうか。いかがでしょう。よろしいですか。
続いて、事務局から配布資料について御説明をお願いします。
○安全使用推進室長 資料を、あらかじめメールにてお送りさせていただいておりますが、議題1に関して資料1-1~1-8、議題2に関して資料2-1~2-3-3、議題3に関して資料3-1-1~3-2-2、議題4に関して資料4-1~4-2がございます。このほか、議事次第・資料一覧、委員名簿をお送りしています。お手元に御用意のない方がいらっしゃいましたら事務局までお知らせください。
なお、本日の議題は全て報告事項となっております。よろしくお願いいたします。
○佐藤部会長 足りない資料とか、大丈夫ですか。それでは、議題1の「医療機器・再生医療等製品の市販後安全対策について」に入りたいと存じます。事務局から改めて御説明をお願いします。
○事務局 それでは、議題1の「医療機器・再生医療等製品の市販後安全対策について」、資料1-1~1-8について御説明をいたします。資料1-1を御覧ください。今回は本年度の初回の部会になりますので、昨年度、令和5年度の安全対策についてを御説明いたします。
1ページの「1.過去5年間の不具合等の報告数の推移」では、(1)にて医療機器についてお示ししております。一番左の列、製造販売業者からの不具合報告の件数は、前年度より少し減少し、国内・外国を合わせて23万880件でした。
続きまして、(2)は、コンビネーション医薬品の機器部分における不具合報告の件数の推移についてお示ししております。資料には、国内及び外国に分けて報告数を示しておりますが、外国の報告とありますのは、国内で承認されたコンビネーション医薬品と同一のものが外国で使用され、不具合等が発生したことを国内の製造販売業者が知ったときに報告するものであり、その件数を示しております。令和5年度の報告件数は、国内症例1,712件、外国症例2,627件でした。国内症例、外国症例ともに大幅な増減傾向は認められませんでした。
今回の部会での報告対象である令和5年10月1日から令和6年3月31日までの6か月間の不具合報告については、議題2にて御説明をいたします。
続いて、2ページ、(3)再生医療等製品については、令和5年度の不具合報告の件数は、国内・外国を合わせまして4,422件でした。半期ごとの不具合報告の詳細は、資料2-1の最終ページに記載しておりますので、資料2-1の説明の際に御確認ください。
不具合報告が、年々増加傾向にある要因は、新規の承認品目があったことや、使用者数が増加していることが挙げられます。令和5年度には新たに1品目承認されております。
次に、3ページの「2.令和5年度の安全対策について」を御覧ください。(1)は、令和5年度に発出した医療機器関連の安全対策通知を示しております。今回、こちらにお示ししております通知については、令和6年3月末までに発出したものですが、前回(令和6年3月7日)の部会までに発出した通知及び事務連絡につきましては、既に内容を御紹介しておりますので、今回は割愛させていただきます。前回の部会以降に発出した通知は、資料1-2~1-8として添付しておりますので、この後、御説明いたします。資料1-1の説明は以上です。
続きまして、前回の部会以降に発出した通知について御紹介をさせていただきます。資料1-2「使用上の注意」の改訂について。本通知は、発出にあたり事前に先生方に御確認を頂いたものですので、内容の御紹介は割愛させていただきます。
続きまして、資料1-3 医療機器のサイバーセキュリティを確保するための脆弱性の管理等について。医療機器のサイバーセキュリティの確保については、国際的なガイドラインを踏まえた手引書を周知するほか、医療機器の基本要件基準の改正を行い、許認可においてもサイバーセキュリティ対応を確認することができる体制の構築を進めてまいりました。今般、医療機器のサイバーセキュリティの更なる確保に向けた医療機器製造販売業者等の体制確保を円滑に行えるよう、脆弱性の管理等に関する留意事項をまとめた通知を発出いたしました。
具体的には、医療機器製造販売業者は、医療機器の脆弱性を特定、評価、開示、修正等するために、医療機関等と連携するとともに、関連する機関のウェブサイトから適時情報収集し、必要な場合は対策、対処、開示を行う体制を確立すること等を示しております。また、サイバー攻撃に対応するために、医療機関等に必要な情報を提供すること等も示しております。
資料1-4、1-5に関しては、この後、別途御説明させていただきます。
飛びまして、資料1-6 再生医療等製品の電子化された添付文書の記載要領について、及び資料1-7 再生医療等製品の電子化された添付文書の記載要領(細則)について、まとめて御説明させていただきます。
現行の記載要領が発出された平成26年以降、多種多様な再生医療等製品が開発されていることを受けまして、医薬品、医療機器の添付文書の記載要領を参考にしつつ、現状に合わせて内容をアップデートしたものでございます。令和3~5年度に実施された厚生労働科学研究「新たな形態の医療機器等をより安全かつ有効に使用するための市販後安全対策のあり方に関する研究」で実施された分担研究の成果です。
主な変更点として、添付文書の項立てを大きく見直しました。現行の記載要領は医療機器よりの構成となっておりましたが、CAR-T等、医薬品よりの製品の開発が進んだことを踏まえて、医薬品の要素を取り入れた項立てとしております。
続きまして、資料1-8 「「疾病の兆候を検出し受診を促す家庭用医療機器の承認申請に当たって留意すべき事項について」の一部改正について」の一部改正について。当該通知では、疾病の兆候を検出し受診を促す家庭用医療機器について、製造販売業者が使用者や医療関係者に提供すべき内容等の具体的な対応策を示しておりました。当該医療機器の開発が活発化している現状を踏まえ、製造販売業者が公表している最新の情報を使用者が取得しやすくすることを目的に、機構のホームページを整備し、本邦にて承認された疾病の兆候を検出し受診を促す家庭用医療機器の一覧や製造販売業者のウェブサイト等の情報を一元的に取りまとめ掲載することといたしました。
○事務局 資料1の残りの資料である資料1-4及び資料1-5について御説明します。資料1-4 「医療機器等総括製造販売責任者の基準に関し、又は医療機器責任技術者の資格を有する者として、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則第百十四条の四十九第一項第四号等に掲げる、厚生労働大臣が同項第一号等に掲げる者と同等以上の知識及び経験を有すると認める者」の告示についてです。
医療機器製造販売業の総括製造販売責任者及び医療機器製造業の責任技術者の資格要件の見直しを行った内容を告示したことに関する通知となっております。具体的な見直し内容については、令和5年3月16日に開催しました医療機器・再生医療等製品安全対策部会において議題として取り扱いましたが、令和3年12月22日の規制改革推進会議による「当面の規制改革の実施事項」を契機として検討を進め、新たに、学部を問わず大学等を卒業し、医薬品等の品質管理又は製造販売後安全管理に関する業務に3年以上従事した後、特定の講習を修了した者を、厚生労働大臣が規則に掲げる者と同等以上の知識経験を有すると認めた者として追加しました。
また、これに伴い、規則で定めた講習会における、受講者要件が変更となったため、資料1-5 「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則第百十四条の四十九第一項第三号に規定する講習等の開催に当たっての留意事項について」において、その留意点を通知しております。
資料1については、以上となります。
○佐藤部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局からの御説明に対しまして、御意見、御質問ございますでしょうか。よろしいでしょうか。御意見、御質問等ないようですので、議題1の報告は以上となります。
それでは、議題2です。「医療機器・再生医療等製品の不具合等報告について」にまいります。事務局から説明をお願いします。
○事務局 それでは、議題2の「医療機器・再生医療等製品の不具合等報告について」、資料2-1~資料2-3-3に沿って御説明をいたします。まず、資料2-1を御覧ください。令和5年度の下半期である、令和5年10月1日から令和6年3月31日までの6か月間の報告状況について御報告いたします。2ページを御覧ください。不具合等報告の全体の概要です。医療機器及び再生医療等製品の不具合報告制度は、製造販売業者等からの報告である企業報告制度と、医療機関等の医薬関係者からの報告制度の二つから成り立ち、1.は医薬品医療機器法第68条の10第1項に基づく、製造販売業者等からの不具合等報告について、3ページの2.は医薬品医療機器法第68条の10第2項に基づく、医薬関係者からの不具合等報告になり、それぞれについて御報告いたします。
まず2ページの1.の「製造販売業者等からの不具合等報告」です。医薬品医療機器法第68条の10第1項において、医療機器及び再生医療等製品の製造販売業者又は外国製造医療機器特例承認取得者等は、医療機器及び再生医療等製品の有効性及び安全性に係る事項、その他製品の適正な使用のために必要な情報について、能動的に収集するよう規定されております。
国内にて、医療機器又は再生医療等製品の不具合が原因、又はその不具合が原因と疑われる死亡や重篤な健康被害が発生した場合、又は不具合によりそれらが発生するおそれのある症例が発生した場合、製造販売業者等がそのことを知ったときには医薬品医療機器法第68条の10第1項に基づき、厚生労働大臣に報告する義務があります。報告の対象や情報を入手してから報告するまでの期限は、医薬品医療機器法施行規則第228条の20により定められております。
また、海外で使用される医療機器又は再生医療等製品にて、死亡又は重篤な健康被害が発生した症例又はそれらのおそれがあると判断された症例に関する不具合の情報については、医療機器等が使用されている国の規制に従って各国の規制当局に報告等されることとなりますが、日本で承認を受けた医療機器と形状、構造、原材料、使用方法、効能、効果、性能等が同一性を有すると認められる医療機器については、それらの海外における医療機器の不具合等に関する情報を日本の製造販売業者が入手したときには、日本においても外国症例の不具合報告として、不具合報告の対象となります。この場合の報告者は、日本の製造販売業者です。
今回の資料では、令和5年度の後期である令和5年10月1日から令和6年3月31日までの医療機器の不具合等報告について、各分類の報告件数を示しております。
1.(1)1)の「不具合報告」の件数については、国内と外国の合計は12万6,183件です。その内訳は、9つの製品分類で言いますと、分類(4)「生体機能補助・代行機器」の7万9,346件と、分類(3)「処置用・施設医療機器等」の3万7,343件が多く、この二つで全体の約92%を占めております。国内報告と外国報告の件数は、国内報告が1万4,458件、外国報告が11万1,725件となっております。
また、コンビネーション医薬品の医療機器部分における不具合報告は、国内報告が977件、外国報告が1,257件の計2,234件ありました。再生医療等製品の不具合報告は、国内報告が312件、外国報告が2,105件の計2,417件ありました。続いて2)の「感染症報告」は、医療機器、コンビネーション医薬品、再生医療等製品ともに0件でした。
3ページの一番上、(2)の海外の規制当局や外国製造元等が行った措置を報告する外国措置報告については、医療機器が531件、再生医療等製品が11件でした。(3)の「研究報告」は、医療機器が2,430件、再生医療等製品が1件、(4)の「感染症定期報告」は、医療機器が36件、再生医療等製品が85件でした。感染症定期報告の詳細については、次の議題で御説明させていただきます。また、2.の「医療関係者からの不具合報告」は、医療機器では155件、コンビネーション医薬品では6件、再生医療製品では0件でした。3.「副作用救済給付又は感染救済給付に係る疾病、障害及び死亡の報告」は、医療機器、再生医療等製品ともに0件でした。
次に、報告件数の推移について御説明いたします。4ページを御覧ください。国内報告と外国報告を合わせた総件数について、過去3年分の推移をグラフにて示しております。令和5年度下半期における不具合報告総数は12万6,183件で、前回、令和6年3月の部会で報告した令和5年度前期の件数、10万4,991件と比較して、約2万1,000件の増加となっております。この増加は、ほとんどが外国報告に起因するものですが、前期と比べ外国報告件数が増加した理由として、一部の品目において報告のタイミングが集中したためと推察しております。これらの報告について、発現時期や内容を精査し、発現頻度の上昇が見られないことや、大半が既知の事象であることを確認しており、特段対応の必要はないと考えております。なお、分類(4)に関しては、令和3年より実施しているフィリップス社のCPAP製品の回収関連の報告が依然として多いことが、報告数の底上げに一定程度関与していると考えております。
6ページのコンビネーション医薬品については、2,000件前半の水準となっており、報告件数に大きな増減傾向は認められませんでした。
再生医療等製品については、国内及び外国の総報告件数で見ると、前回の報告期間から若干の増減傾向が認められております。具体的な再生医療等製品の品目別不具合発生件数の推移については、14ページ以降に掲載しており、令和5年度前期と比較して、国内報告は28件減少、外国報告は378件増加しております。市販後において新たに確認された不具合については、添付文書改訂指示を行う等、引き続き対応していきます。
○医薬品医療機器総合機構 続いて、8ページ以降の製品の分類ごとの不具合について、機構から御説明をさせていただきます。8ページ以降においては、後の資料2-2-1~2-2-2の膨大なラインリストより、主要なものをピックアップして御説明をいたします。
まずは8ページを御覧ください。2.「令和5年度後期の不具合報告の概況」の2-1、「各分類における国内不具合報告」には、各分類における国内の不具合報告件数と、その中でも特に報告件数の多かった品目の一般的名称、その主な不具合又は健康被害状況をピックアップして記載しております。表の「一般的名称等」の列には、一般的名称ごとの不具合等報告の件数について、多いものから順に第1位から第3位までの一般的名称を掲載しております。また、「主な不具合又は健康被害状況」の列には、それぞれの一般的名称の製品群で報告された不具合又は健康被害の件数について、多いものから順に第1位から第3位までの事象を記載しています。なお、同数で同順位となる一般的名称や事象名についても、全て掲載しております。
分類(1)の「画像診断用機器」として、体腔向け超音波診断用プローブ、移動型デジタル式汎用一体型X線診断装置、据置型デジタル式循環器用X線透視診断装置、汎用超音波画像診断装置等、合計18件報告されております。
分類(2)の「生体監視・臨床検査機器等」として、再使用可能な高周波処置用内視鏡能動器具、グルコースモニタシステム、再使用可能な内視鏡用能動処置具等、合計614件報告されております。
続いて、9ページを御覧ください。分類(3)の「処置用・施設用機器等」として、ポータブルインスリン用輸液ポンプ、中心循環系血管内塞栓促進補綴材、バルーン拡張式血管形成術用カテーテル等、合計5,721件報告されております。分類(4)の「生体機能補助・代行機器」として、経カテーテルウシ心のう膜弁、大動脈用ステントグラフト、経カテーテルブタ心のう膜弁等、合計6,691件報告されています。分類(3)と(4)については、リスクの高い医療機器が多く分類されていることもあり、報告件数が多くなっております。
分類(5)の「治療・鋼製機器等」として、骨手術用機械、治療用電気手術器、脊椎手術用器械等、合計1,164件報告されております。分類(6)の「歯科用機器・材料」として、歯科用インプラントフィクスチャ、歯科用骨内インプラント材等、合計15件報告されております。
続いて、10ページを御覧ください。分類(7)の「眼科用機器」として、挿入器付後房レンズ、多焦点後房レンズ、後房レンズ等、合計189件報告されています。分類(8)の「衛生材料・避妊用具・家庭用機器等」として、骨固定型補聴器、家庭用創傷パッド、家庭用電気マッサージ器等、合計17件となっております。分類(9)の「プログラム医療機器」では、遺伝子変異解析プログラム(がんゲノムプロファイリング検査用)、ホウ素中性子補捉療法用治療計画プログラム、汎用画像診断装置ワークステーション用プログラム、放射線治療情報照合プログラムの合計29件となっております。
なお、これらの国内での不具合報告及び外国での不具合報告については、資料2-2-1にまとめておりますので、後ほど御説明いたします。
続いて11ページでは、令和3年4月1日から令和6年3月31日までに、新医療機器として承認された品目の国内での主な不具合報告の状況について説明いたします。各承認年度において、不具合等報告の件数のうち多いものから順に第1位から第3位までの品目を掲載しております。令和3年度から令和5年度までで、分類としては(3)と(4)です。全て添付文書に記載されている既知の事象となっております。引き続き、不具合・健康被害の情報を注意深く収集しております。
次に、コンビネーション医薬品の医療機器部分の不具合報告として、国内報告が977件となっております。これらの不具合報告の詳細については資料2-2-2、「コンビネーション医薬品不具合報告」に別途まとめております。医療機器に関する資料2-1の説明は以上です。
続いて、資料2-2-1~資料2-2-2ですが、先に御説明させていただいたとおり、資料2-1の中で主要な不具合については御説明しましたので、内容の御説明は先の御説明をもって資料2-2-1~資料2-2-3の御説明に代えさせていただき、ここではラインリストの見方のみ御紹介させていただきます。
まず資料2-2-1の1ページに、「注意事項」として不具合報告リストの見方を記載しております。このリストについては、医療機器との因果関係が不明なものも含め、製造販売業者等から報告された内容を基に記載しております。また、報告に関する分類は(1)~(9)までの9分類に分類されており、次に目次が記載されており、その次から表の下にページ番号を記し一覧を記載しております。
一覧の掲載順については、医療機器の一般的名称、販売名、企業名の順に五十音順で掲載しております。それぞれの件数については、提出された報告書の件数を示したものであり、同一の症例で複数の医療機器が関与している場合には、複数の企業からそれぞれ報告されることがあることから、このような場合には同一の症例を重複してカウントしております。したがって、報告件数がそのまま症例数にならない場合があることに御留意いただければと思います。
また、報告症例の中には、不具合状況がなし又は不明であり、かつ、健康被害状況が不明のケースがあります。これは健康被害状況が不明で現品調査を実施できない、得られた使用状況の情報が限られているなどの理由から、機器との因果関係を否定できないと判断するだけの情報が得られなかったため、不具合報告がされたものです。
表の右端の「対応状況」欄に、報告症例に対する対応措置の項目として、原則として報告期間対象期間の末日である令和6年3月31日時点の措置の内容を簡潔に記載しております。「回収(改修)」と記載しているのは、製品を医療現場等から引き上げる「回収」をした場合、又は修理や検査の実施等を行った「改修」の措置を取ったことを示しております。「情報提供」と記載したものは、添付文書の改訂、あるいは書面による注意喚起文書を、医療機関等に配布したなどの措置を取ったものです。この中には、既に添付文書等で関連する注意喚起の記述がなされているものも含んでおります。
資料2-2-1の医療機器の不具合報告のまとめと同様に、資料2-2-2では、コンビネーション医薬品の医療機器部分に関する不具合、資料2-3-1では再生医療等製品に関する報告をそれぞれ一覧表でまとめております。
続いて、資料2-2-3について御説明をいたします。医療機器に関する外国措置報告については、企業が外国でも同一性を有する製品、つまり、日本で承認を受けた医療機器と形状、構造、原材料、使用方法、効能、効果、性能等が同一性を有すると認められる外国で使用されている医療機器を製造販売している場合に、外国の規制当局などで取られた措置について、日本の行政当局にも報告するというものです。
令和5年度後期では531件の報告がなされております。資料の一番右の2列には国内外での対応状況について記載しております。外国で措置を行った結果について、日本の対象製品がない場合を除き、おおむね日本においても同様の対応を取っているという状況でした。
続いて、資料2-2-4について御説明をいたします。医療機器研究報告は、不具合の発生頻度、発生状況などの疫学調査や集計・分析等に関する内容の文献報告等があった場合に報告されるもので、今回は文献数にして2,430報ありました。なお、今回報告により安全対策上の特段の措置が必要になったものはありません。
○医薬品医療機器総合機構 続いて、再生医療等製品について御説明いたします。資料2-1の12ページを御覧ください。2-3-1に、再生医療等製品の主な国内不具合報告をお示ししております。
再生医療等製品は、国内報告全体で312件報告されております。表には、期間中の不具合報告件数が多い3品目を記載しております。また、主な不具合又は健康被害状況については、報告件数上位3位の事象を記載しております。これらの報告は資料2-3-1、「再生医療等製品不具合報告」にまとめております。
続いて資料2-1の12ページ、2-3-2を御覧ください。2-3-2では、令和3年4月1日から令和6年3月31日までに、新再生医療等製品として承認された品目の国内不具合報告について説明しております。表には、期間中に国内不具合報告があった品目をお示ししており、主な不具合又は健康被害状況については、各々の品目における報告件数の上位3位までの事象を記載しております。なお、表に記載の品目以外に承認された品目は5品目ありますが、これらの品目については、期間中に不具合報告はありませんでした。
続いて、資料2-3-2について御説明いたします。再生医療等製品に関する外国措置報告は期間中11件です。当該11件の報告のうち、9件がCAR-T細胞製品に関する報告でした。具体的にはアベクマ点滴静注が1件、イエスカルタ点滴静注が1件、カービクティ点滴静注が5件、キムリア点滴静注が1件、プレヤンジ静注が1件となっております。CAR-T細胞製品投与後のT細胞性の悪性腫瘍に関する内容であり、いずれの外国措置報告についても、本邦添付文書において、製品投与後に悪性腫瘍の発現が報告されていること、また、CAR陽性のT細胞を起源とするリンパ系腫瘍の発現が報告されていることに関して、一定の注意喚起等を行い、対応済みとなっております。残りの2件は、いずれもゾルゲンスマ点滴静注に関する報告で、うち1件は本邦投与対象外の年齢に対する、本邦未承認の投与経路による臨床試験に関する内容であり、市販後における追加の措置は不要と判断しております。残りの1件については肝機能障害及び血小板減少症に関する措置内容であり、本邦添付文書において、一定の注意喚起済みとなっております。
続いて、資料2-3-3について御説明いたします。再生医療等製品に関する研究報告は期間中にアロフィセル注の1件がありましたが、新たな安全性に関する懸念は報告されておらず、市販後における追加の対応は不要と判断しております。説明は以上です。
○佐藤部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局からの説明に対しまして、御意見、御質問等ありますでしょうか。いかがでしょう。よろしいですか。
○藤原委員 少しいいですか。
○佐藤部会長 藤原委員。
○藤原委員 基本的なことで申し上げますと、今の2-1で、不具合等報告が相当な数あるということなのですが、添付文書等で既に知られている内容で、新たな措置をする必要がないというお話が所々であったのですが、全体を含めてそのような判断をしているということで、現場に新たにフィードバックしなければいけないような内容はないと考えてよろしいでしょうか。
○佐藤部会長 どうぞ。
○医薬安全対策課長 ありがとうございます。医薬安全対策課よりお答えします。安全対策の措置ですが、今、先生から御指摘があったように、不具合、それから、それに基づく症例の報告につきましては、既に添付文書で記載をされているようなものが多いのですが、一部、未知ということで、添付文書に記載のないようなものもございます。ただ、こういったものにつきましては、ある程度症例の集積などを待ちまして、因果関係の評価を行った上で、必要なものについては措置を取るということです。先ほど、この期間中のアクションについて、通知などの御紹介をさせていただきましたが、必要なものについては、例えば、先ほど資料1-2、「使用上の注意」の改訂についてという御報告をさせていただきました。このような形で改訂をしております。個々にそういう対応をさせていただいているということです。お答えになっておりますでしょうか。
○藤原委員 すみません、もう一つ伺いたいのです。同じ資料の12/16の所で、再生医療等製品の不具合の一番件数の多いものを三つ並べてますという中の一番上ですが、イデカブタゲンというのでしょうか。これは83件で多いということなのですが、この次の次のページの表で、令和3年度から令和5年度までを見ると、このアベクマ点滴静注の不具合報告の件数が徐々に増えているように見えるのですが、これはどういうことなのでしょうか。ちょっと気になったのですが、これはどのようにお考えでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 機構よりお答えさせていただきます。ただいま御指摘のありましたイデカブタゲン ビクルユーセル、アベクマ点滴静注に関しましては、報告数の増加要因は、使用患者数の増加が主な要因と考えられます。以上となります。
○藤原委員 分かりました。ありがとうございます。
○佐藤部会長 ほか、いかがでしょうか。
○外園委員 すみません、よろしいですか。
○佐藤部会長 外園委員、よろしくお願いします。
○外園委員 医療機器の場合、対応が「回収」、「情報提供」、「その他」というようなイメージがしやすいのですが、再生医療製品は、「回収」というのは余り起こらないのではないかと思って見ていましたところ、やはり「情報提供」か「その他」ばかりが並んでいます。生のものなので、機械が故障したわけではないので、「回収」というのは基本的にないのではないかと思うのです。そうしますと、「情報提供」と「その他」で、「その他」が非常に多いと。一体どのような対応がなされたのかもう一つイメージがしにくい。再生医療製品の場合、「その他」は様子を見たということなのかという感じなのですが、果たして治ったのかとか、状況が分からないというのがあります。分類として、実際にあり得ない対応、余りない対応状況を選択肢に入れているのは何かちょっと違和感がございました。いかがでしょうか。
○佐藤部会長 どちらから。
○医薬品医療機器総合機構 少々お待ち下さい。
○医薬安全対策課長 恐れ入ります。ちょっと時間を頂きまして、幾つか具体的なその他のアクションについて、説明ができるようであればさせていただければと思います。先生が御指摘のように、医薬品に近いようなものが最近多くなってきていることから、医薬品のほうでは、必ずしもこのような形で1例1例の対応というのを出しておりませんで、先ほど藤原先生からも御指摘のあった、既知・未知で未知であったようなものとか、そういう形になっているかもしれないのですが、このお示しの仕方については、また少し検討させていただきたいと思いますが、機構から少し補足がありますか。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。こちらの理解としましては、再生医療等製品不具合等報告、資料2-3-1の対応状況の記載について、基本的には、「情報提供」と「その他」という枠組みで示すことになっているとの理解です。主に「情報提供」というのは、添付文書の改訂又は情報提供が行われたもので、「その他」というのは、それ以外の、例えば、現時点では添付文書等に記載はないが、追加の安全対策措置を検討するため今後も発生状況を注意するなどの場合をいう、というような通知も出ているところです。したがいまして、現状のルールとしましては、「情報提供」と「その他」という記載をさせていただいておりますが、内容等に関しては、必要に応じて検討させていただきたいと思います。以上です。
○外園委員 ありがとうございます。
○佐藤部会長 ほか、いかがでしょうか。私から、一つ気になるのですが、資料2-2-1の新医療機器の不具合、国内不具合で、例えば、Alto腹部ステントグラフトシステムとかあって、心停止とか心室細動とか、結構、重い健康被害が出ているということなのですが、この辺は、その後の追跡とか、あるいは因果関係とかというのはどうなっているのかは情報は入っているのでしょうか。新しい製品で心停止とかだと、ちょっと、これだけ見ると何となくびっくりしてしまうのですが。
○医薬品医療機器総合機構 お待たせいたしました。機構より御説明をさせていただきます。
○佐藤部会長 よろしくお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 心停止、心室細動等のこういった重大な不具合は、もともと腹部ステントグラフトシステムが使用される症例というのは、それなりに重篤な症例ということもありまして、そういったこともありますが、この症例に関して申し上げますと、その後、心臓マッサージを行い軽快しているという症例にはなってはございます。
○佐藤部会長 そうですか。
○医薬品医療機器総合機構 はい。
○佐藤部会長 分かりました。ありがとうございます。ほか、いかがでしょう。よろしいでしょうか。では、議題2の報告は以上となります。
では次に、議題3です。「医療機器・再生医療等製品の感染症定期報告について」にまいりたいと存じます。事務局から御説明、お願いできますか。
○事務局 それでは、議題3「医療機器・再生医療等製品の感染症定期報告について」、資料3-1-1~資料3-2-2に沿って御説明いたします。まず、感染症定期報告について、制度の概要を御説明いたします。ヒトや動物などに由来し、保健衛生上特別な注意を要するものとして厚生労働大臣が指定する生物由来製品については、その原材料が細胞組織等であることから、未知の感染因子である細菌、ウイルス等を含有している可能性が否定できません。また、感染症につきましては、一般的な医薬品・医療機器の副作用、不具合等と比べ、製品との因果関係が明確になる以前から潜在的に感染が進行するおそれがあり、さらに、感染した後は、時間の経過に伴い軽減することなく、一定期間経過後に顕在化するおそれもあります。
このような背景を踏まえ、生物由来製品については医薬品医療機器等法において、製造販売業者等に対し、製品への直接的な影響がいまだ不明の原料動物等の感染症に関する最新の知見を常に把握し、それを集積した上で感染症のリスクを多角的に評価・検討し、その結果を報告するよう義務付けております。これが感染症定期報告です。
なお、感染症定期報告で寄せられた情報につきましては、本部会も含めた薬事審議会に報告し、措置が必要ないか御検討いただいております。以上が感染症定期報告の概要となります。
資料は3-1と3-2に分かれており、資料3-2は重複を含む期間中の全ての報告となっております。そのうち、重複や過去に報告されたものを整理し、今回の期間に新規に報告されたものをまとめたものが資料3-1になります。また、資料番号末尾が1の資料3-1-1及び3-2-1が医療機器、末尾が2の資料3-1-2及び3-2-2が再生医療等製品の報告をまとめたものとなっております。
それでは、資料3-1-1、医療機器の報告を御覧ください。今回は、2023年10月1日~2024年3月31日までに報告されたものをまとめております。詳細な説明は省略させていただきますが、こちらについては、今回、新たに報告された文献は49件ございました。
次に、資料3-1-2、再生医療等製品の報告を御覧ください。こちらについては、今回、新たに報告された文献は5件ございました。
これらの報告について、国立感染症研究所の脇田委員、宮﨑委員、国立医薬品食品衛生研究所の澤田委員に御確認いただいておりますが、この場で御紹介すべき特段の御意見は頂いておりません。議題3の感染症定期報告に関する御説明は以上となります。
○佐藤部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局からの説明に対して、御意見、御質問等はございますでしょうか。いかがでしょう。よろしいですか。ないようですので、議題3の報告は以上となります。どうもありがとうございました。
では、次は議題4「医療機器・再生医療等製品の回収報告について」にまいりたいと存じます。事務局から説明をお願いします。
○監視指導・麻薬対策課 令和5年度における医療機器等の回収報告の状況について、御報告いたします。資料は4-1と4-2を御用意しておりますが、資料4-1が報告状況を総括したもの、資料4-2が各報告事例を一覧にしたものです。本日は資料4-1に沿って御説明しますので、資料4-1を御覧ください。
まず、資料冒頭の部分ですが、医薬品医療機器等法第68条の11の規定に基づき、製造販売業者等はその製造販売などを行う医薬品や医療機器等を回収するときは、回収に着手した旨、及びその回収の状況を厚生労働大臣に報告しなければならないとされています。
また、「医薬品・医療機器等の回収について」という通知を発出しておりますが、回収に当たっての基本的な考え方や手続の詳細などについて明確化を図るとともに、回収の着手報告がなされた場合には、全ての事例をインターネット上で公表しています。
医薬品等の回収状況については、医薬品医療機器等法第68条の12の規定において、毎年度、薬事審議会に報告を行うこととされていますので、本日御報告させていただきます。
1の「回収件数年次推移」の表を御覧ください。回収件数の年次推移をお示ししています。令和5年度については、医療機器が376件、再生医療等製品は0件であり、大きな動向の変化はないと考えられます。なお、医薬品も含めた令和5年度の総回収件数は、計822件でした。令和5年度の総回収件数について比較しますと、昨年度よりは減少しているものの、新型コロナウイルス感染症が流行する前、平成30年度以前と比べると、医薬品の回収件数が多いことから、多くなっています。
次に2ページの2、「令和5年度医薬品・医療機器等の回収件数及びクラス分類」の表を御覧ください。医療機器の回収件数については、クラスIが0件、クラスIIが328件、クラスIIIが48件の計376件であり、クラス分類の観点からも回収状況に大きな動向の変化はないと考えられます。なお、表の一番左上、医薬品のクラスI回収の件数ですが、200件であり、いずれも血液製剤の回収事例でした。また、そのうち153件は、献血後に新型コロナウイルス感染症への感染が確認されたことによる血液製剤の回収事例でした。
昨年度は例年と比べ医薬品のクラスII回収の件数が593件と非常に多く起こりましたが、これも主に献血後に新型コロナウイルスの感染症への感染が確認されたことによる血液製剤の回収事例だったため、昨年度同様、今年度についても新型コロナウイルス感染症の流行状況が、回収件数及び医薬品等の総回収件数の増加に主に影響していたものと考えられます。
その他、医薬品、医薬部外品、化粧品、再生医療等製品の報告件数について、大きな動向の変化はありませんでした。資料4-1及び4-2の報告は以上になります。
○佐藤部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局からの御説明に対して、御意見、御質問はございますでしょうか。いかがでしょう。中川委員、よろしくお願いします。
○中川委員 今の御説明にありました、不具合報告というところでお伺いします。不具合があった報告の件数が出ていますが、これらの不具合報告の内訳がいろいろこの後出てくると思いますが、これらが医療事故とか大きな健康被害につながって、改修されるということの報告とか承認とか規制とかという形で、規制をするものと理解していますが、例えば、重大な医療事故につながるような回収が起きた場合とか、大きな健康被害を及ぼすような副作用とか医療機器の不具合が起こった場合、これらのものを、薬事審議会だけではなく、承認するところだけではなくて、例えば承認を外すのか改正させるのか、もしくは医療事故報告制度という制度もありますので、そちらのほうを活用するような指導をするのかといった、そういう重大な改修が起きた、クラスIに該当するような報告を受けた場合の、その後の措置と連携というのはどうなっているかということをお聞きしたく、質問させていただきます。
○監視指導・麻薬対策課 御質問ありがとうございます。監視指導・麻薬対策課から御説明します。今、御質問にありましたように、クラスIに分類されるような回収が生じる場合というのは、おっしゃったように重篤な健康被害が生じる、あるいは生じたケースの場合に行われる回収措置です。
そういった場合、通常そこまで重篤でないものについては、通常の回収情報の掲載であるとか、そういうところになるのですけれども、クラスI回収が発生した場合には、その製造販売業者の許可を所管する都道府県や厚生労働省と共にプレスリリースを行って、速やかにそういった重篤な健康被害が起き得る、生じるということを、広く周知するといった対応とともに、実際にどのような安全対策が講じられるかというところで対応を図っています。
昨年度の回収においては、医療機器でクラスI回収というのは生じていませんけれども、それ以前には、例えば植込みのペースメーカーであるとか、そういったものでクラスI回収が生じるといったケースもありましたので、そういったときには、実際に埋め込んでいるものということになると、かえってそれを取り出すのが難しいケースもありますので、回収とは言いながらも、実際に埋め込まれた患者様をモニタリングする、患者モニタリングといった措置が講じられているところです。お答えになっていますでしょうか。
○医薬安全対策課長 すみません、医薬安全対策課のほうから少し補足をさせていただきます。基本的に回収になるものについては、承認をされた構造とか形態、それから規格、あるいは表示などが損なわれていて、健康被害の観点から非常に深刻なものとなりまして、今、説明があったように、医療機器はほとんどないという状況になっています。
そういう中で、まずはこういうものを速やかに市場から戻して、その後はきちんと承認に沿ったものを提供してもらうというのが、まずは原則になると考えています。
ただ、先生御指摘のように、可能性の問題としては、やはりそういった回収のみならず、先ほどの不具合の報告もそうですけれども、その辺りから製品の改良点というようなことが分かってくるということもありますので、そういう場合、企業のほうから変更の申請であるとかいったこともありますし、法律上の建付けとしては、御指摘のようにそういったものの承認を整理するということも一応制度としてはあります。
また、日本医療安全調査機構の御指摘も頂きましたけれども、製品にまつわる部分については、日頃より私どもも情報の共有をしていまして、必要なものについてはコラボをして情報提供させていただくといったような取組もしているところです。非常に雑駁な御説明になりまして恐縮ですが、お答えになっていればと思います。
○中川委員 ありがとうございます。今の内容で大体この審議会、部会等の話の趣旨と合致していると思うのですが、特に植込みの医療機器とか再生医療機器とか、植込み型の医療機器になりますと、クラスIII、IVのほうになっていますね。そうなりますと、今お話にありましたように、患者さんから取り出すのが不可能だったり、何かしらの処置をしなければいけない形です。
今、植込み型の機械に関しては、患者登録制度というものを恐らく使われて、そちらのほうで回収が進められる形になっていますが、こちらのほうの例えば承認するときに、患者の情報取得、トラッキング制度ですね、こちらをきちんと行うような規制とか承認という段階では、どのような指導とかをしているか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
○医薬安全対策課長 ありがとうございます。正に先生御指摘のとおり、植込みのもの、それからちょっと余談になりますが、血液などの特定生物由来製剤については、そういったものを御使用あるいは埋め込まれた患者さんの記録を、医療機関できちんと取っておいていただくことになっていて、回収などの必要な事情が発生した場合には、そういった情報を医療機関から製販業者のほうにもお伝えして、患者様に直接連絡を差し上げるということが、法律上の義務として規定されています。
○中川委員 分かりました。これはあくまでも医療機関で持っておくということでよろしいですか。
○医薬安全対策課長 はい、まずは医療機関で持っていただく。患者さんの個人情報については、まず医療機関で保管をしていただくという形になっています。(※)
※ 特定医療機器の記録の保存義務について、正しくは製造販売業者に課せられているものであり、該当部分を訂正する。
○中川委員 そうしますと、回収が起きた場合には、メーカーから医療機関、医療機関から患者様という、そういう流れが原則ということでよろしいでしょうか。
○監視指導・麻薬対策課 はい、左様でございます。
○中川委員 分かりました。では、そのようなことがあれば、即時にメーカーから情報が医療機関にという形で、医療機関で対策を求めるというようなスキームでよろしいでしょうか。
○監視指導・麻薬対策課 はい、そのような形になるかと思います。
○中川委員 分かりました。この辺のところが明確にならないと、回収が起きた場合にいろいろと齟齬が出たり、不具合の情報が伝わらなかったりということが起きると思いますので、保健所のほうにも、連携のことについてはよろしくお願いいたします。以上です。
○監視指導・麻薬対策課 ありがとうございます。
○佐藤部会長 そのほかいかがでしょう、御質問、ご意見。藤原委員、よろしくお願いします。
○藤原委員 確認です。先ほど私が質問したことにお答えいただいた、資料1-2の件で、再生医療等製品について医薬安全対策課長から、再生医療イノベーションフォーラムの代表理事長宛てに発出された文書ということなのですけれども、再生医療等製品を使うところが限られているからということで、ここに発出ということでいいのですね、という確認が一つ。
それから先ほども話したように、自分も現場で診療していますので、すごく数がたくさんあるということを考えると、本当に現場で日常の診療をしている普通の先生方に注意喚起をしなければいけないことは、これだけの数があっても、ないと、改めて考えていいということでよろしいですねという確認です。
○医薬安全対策課長 ありがとうございます。お答えいたします。今、先生から御指摘のあった資料1-2ですが、この再生医療イノベーションフォーラムは、製造販売業者とか原材料を提供するような企業の集まりとなっていまして、こういうところに対して改訂の指示をするという位置付けの通知です。
今、先生から御指摘を頂いた医療機関へのお知らせという観点ですけれども、これは別途、例えば機構のほうからプッシュ型のメールでの配信、それから当然ホームページでの掲示、そういったものでお知らせをするという形で医療機関への提供をしています。また、年に10回ほど、医薬品・医療機器等安全性情報といった冊子なども、Web経由で出していまして、いろいろな手段を使って広く先生方への情報の提供をしているところです。
それから数が、かなり報告があるけれどもというお話がありました。かなりCAR-Tなどについては、既知の副作用ではあるものの、それなりに重篤なものが起こるということがあり、件数が多くなっている状況です。ただ、先ほども申し上げたとおり、未知のものについても、症例の集積の状況なども見ながら必要に応じて改訂をしているということで、結果、今のところこのような改訂の状況になっております。
○藤原委員 ありがとうございます。
○佐藤部会長 ほかにいかがでしょう。よろしいでしょうか。では、議題4の報告は以上になります。予定していた議題は以上ですけれども、事務局から何かございますか。
○安全使用推進室長 本日の御議論、ありがとうございました。次の部会の日程については、令和7年3月頃を予定していますが、別途部会での審議等が必要な議題が生じた場合には開催をすることもありますので、御承知おきいただければと思います。
なお、次回の詳細な日時については、事務局より改めて先生方の御都合を伺って、調整させていただきたいと思います。以上です。
○佐藤部会長 それでは、これで令和6年度第1回医療機器・再生医療等製品安全対策部会を閉会といたします。長時間ありがとうございました。
本日、御出席の委員の先生方におかれましては、お忙しい中、御出席を頂きまして、ありがとうございます。本日の部会の公開につきましては、YouTubeによるライブ配信で行うこととしておりますので、御理解、御協力のほどお願いいたします。議事録については、後日、厚生労働省ホームページに掲載いたします。
また、今回もWeb開催としており、対面での進行と一部異なる部分があります。前回と同様ではありますが、議事に先立ち、審議の進行方法等につきまして事務局より説明をさせていただきます。
○安全使用推進室長 それでは、御説明申し上げます。まず、Web会議上のお願いでございますが、ハウリング防止のため、発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。御意見、御質問を頂く際は、ミュートを解除し、初めにお名前をお知らせいただければと思います。御発言のタイミングが重なったりした場合には、部会長から順に発言者を御指名いただきます。
会議中、マイクの調子が悪かった場合は、音声の代わりにメッセージに記入いただくようお願いする場合がございます。システムの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構ですので、事前にお伝えしております事務局の電話番号まで御連絡、お願いいたします。また、もし事務局のサーバーがダウンするなどのトラブルが発生した場合には、事務局から一斉にメールで御連絡いたしますので、御確認をお願いいたします。
次に、今回より委員として御参画いただくことになりました先生を御紹介いたします。細川委員の後任といたしまして、公益社団法人日本医師会常任理事の藤原慶正委員が御着任されました。一言お願いできますでしょうか。
○藤原委員 日本医師会の藤原です。医療安全を担当します。どうぞよろしくお願いいたします。
○安全使用推進室長 ありがとうございます。また、事務局に人事異動がございましたので紹介させていただきます。厚生労働省大臣官房審議官の佐藤大作でございます。今日は欠席させていただいております。厚生労働省医薬局医薬安全対策課安全使用推進室長の私、高畑正浩でございます。よろしくお願いいたします。厚生労働省医薬局医薬安全対策課プログラム医療機器等情報専門官の土井万理香でございます。
続きまして、機構です。医薬品医療機器総合機構医療機器安全対策・基準部長の石井健介でございます。医薬品医療機器総合機構安全性情報・企画管理部長の太田美紀でございます。医薬品医療機器総合機構医薬品安全対策第二部長の前田大輔でございます。事務局からは以上となります。
それでは、以降の議事進行は佐藤部会長にお願いいたします。
○佐藤部会長 佐藤でございます。皆さん、こんにちは。それでは、議事に入る前に委員の出欠状況、審議への参加等について、事務局から御説明をお願いします。
○安全使用推進室長 最初に、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。あらかじめ、赤瀬委員、萬委員、脇田委員からは御欠席との御連絡を頂いております。現在、岩﨑委員、中川委員、宮﨑委員が遅れて御参加のようです。あと、渡邉委員は音声トラブルで、こちらも遅れての御参加ということですが、今、入られました。よろしくお願いいたします。現時点で、22名中16名の委員に御出席いただいておりますので、薬事審議会規程により、定足数に達していることを御報告申し上げます。
続いて、所属委員の薬事審議会規程第11条への適合状況の確認結果について、御報告させていただきます。薬事審議会規程第11条には、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定されております。今回、全ての委員より、この規定に該当しない旨を御申告いただいております。報告は以上です。
○佐藤部会長 ありがとうございました。ただいまの事務局からの御説明に対しまして、御意見、御質問等ございますでしょうか。いかがでしょう。よろしいですか。
続いて、事務局から配布資料について御説明をお願いします。
○安全使用推進室長 資料を、あらかじめメールにてお送りさせていただいておりますが、議題1に関して資料1-1~1-8、議題2に関して資料2-1~2-3-3、議題3に関して資料3-1-1~3-2-2、議題4に関して資料4-1~4-2がございます。このほか、議事次第・資料一覧、委員名簿をお送りしています。お手元に御用意のない方がいらっしゃいましたら事務局までお知らせください。
なお、本日の議題は全て報告事項となっております。よろしくお願いいたします。
○佐藤部会長 足りない資料とか、大丈夫ですか。それでは、議題1の「医療機器・再生医療等製品の市販後安全対策について」に入りたいと存じます。事務局から改めて御説明をお願いします。
○事務局 それでは、議題1の「医療機器・再生医療等製品の市販後安全対策について」、資料1-1~1-8について御説明をいたします。資料1-1を御覧ください。今回は本年度の初回の部会になりますので、昨年度、令和5年度の安全対策についてを御説明いたします。
1ページの「1.過去5年間の不具合等の報告数の推移」では、(1)にて医療機器についてお示ししております。一番左の列、製造販売業者からの不具合報告の件数は、前年度より少し減少し、国内・外国を合わせて23万880件でした。
続きまして、(2)は、コンビネーション医薬品の機器部分における不具合報告の件数の推移についてお示ししております。資料には、国内及び外国に分けて報告数を示しておりますが、外国の報告とありますのは、国内で承認されたコンビネーション医薬品と同一のものが外国で使用され、不具合等が発生したことを国内の製造販売業者が知ったときに報告するものであり、その件数を示しております。令和5年度の報告件数は、国内症例1,712件、外国症例2,627件でした。国内症例、外国症例ともに大幅な増減傾向は認められませんでした。
今回の部会での報告対象である令和5年10月1日から令和6年3月31日までの6か月間の不具合報告については、議題2にて御説明をいたします。
続いて、2ページ、(3)再生医療等製品については、令和5年度の不具合報告の件数は、国内・外国を合わせまして4,422件でした。半期ごとの不具合報告の詳細は、資料2-1の最終ページに記載しておりますので、資料2-1の説明の際に御確認ください。
不具合報告が、年々増加傾向にある要因は、新規の承認品目があったことや、使用者数が増加していることが挙げられます。令和5年度には新たに1品目承認されております。
次に、3ページの「2.令和5年度の安全対策について」を御覧ください。(1)は、令和5年度に発出した医療機器関連の安全対策通知を示しております。今回、こちらにお示ししております通知については、令和6年3月末までに発出したものですが、前回(令和6年3月7日)の部会までに発出した通知及び事務連絡につきましては、既に内容を御紹介しておりますので、今回は割愛させていただきます。前回の部会以降に発出した通知は、資料1-2~1-8として添付しておりますので、この後、御説明いたします。資料1-1の説明は以上です。
続きまして、前回の部会以降に発出した通知について御紹介をさせていただきます。資料1-2「使用上の注意」の改訂について。本通知は、発出にあたり事前に先生方に御確認を頂いたものですので、内容の御紹介は割愛させていただきます。
続きまして、資料1-3 医療機器のサイバーセキュリティを確保するための脆弱性の管理等について。医療機器のサイバーセキュリティの確保については、国際的なガイドラインを踏まえた手引書を周知するほか、医療機器の基本要件基準の改正を行い、許認可においてもサイバーセキュリティ対応を確認することができる体制の構築を進めてまいりました。今般、医療機器のサイバーセキュリティの更なる確保に向けた医療機器製造販売業者等の体制確保を円滑に行えるよう、脆弱性の管理等に関する留意事項をまとめた通知を発出いたしました。
具体的には、医療機器製造販売業者は、医療機器の脆弱性を特定、評価、開示、修正等するために、医療機関等と連携するとともに、関連する機関のウェブサイトから適時情報収集し、必要な場合は対策、対処、開示を行う体制を確立すること等を示しております。また、サイバー攻撃に対応するために、医療機関等に必要な情報を提供すること等も示しております。
資料1-4、1-5に関しては、この後、別途御説明させていただきます。
飛びまして、資料1-6 再生医療等製品の電子化された添付文書の記載要領について、及び資料1-7 再生医療等製品の電子化された添付文書の記載要領(細則)について、まとめて御説明させていただきます。
現行の記載要領が発出された平成26年以降、多種多様な再生医療等製品が開発されていることを受けまして、医薬品、医療機器の添付文書の記載要領を参考にしつつ、現状に合わせて内容をアップデートしたものでございます。令和3~5年度に実施された厚生労働科学研究「新たな形態の医療機器等をより安全かつ有効に使用するための市販後安全対策のあり方に関する研究」で実施された分担研究の成果です。
主な変更点として、添付文書の項立てを大きく見直しました。現行の記載要領は医療機器よりの構成となっておりましたが、CAR-T等、医薬品よりの製品の開発が進んだことを踏まえて、医薬品の要素を取り入れた項立てとしております。
続きまして、資料1-8 「「疾病の兆候を検出し受診を促す家庭用医療機器の承認申請に当たって留意すべき事項について」の一部改正について」の一部改正について。当該通知では、疾病の兆候を検出し受診を促す家庭用医療機器について、製造販売業者が使用者や医療関係者に提供すべき内容等の具体的な対応策を示しておりました。当該医療機器の開発が活発化している現状を踏まえ、製造販売業者が公表している最新の情報を使用者が取得しやすくすることを目的に、機構のホームページを整備し、本邦にて承認された疾病の兆候を検出し受診を促す家庭用医療機器の一覧や製造販売業者のウェブサイト等の情報を一元的に取りまとめ掲載することといたしました。
○事務局 資料1の残りの資料である資料1-4及び資料1-5について御説明します。資料1-4 「医療機器等総括製造販売責任者の基準に関し、又は医療機器責任技術者の資格を有する者として、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則第百十四条の四十九第一項第四号等に掲げる、厚生労働大臣が同項第一号等に掲げる者と同等以上の知識及び経験を有すると認める者」の告示についてです。
医療機器製造販売業の総括製造販売責任者及び医療機器製造業の責任技術者の資格要件の見直しを行った内容を告示したことに関する通知となっております。具体的な見直し内容については、令和5年3月16日に開催しました医療機器・再生医療等製品安全対策部会において議題として取り扱いましたが、令和3年12月22日の規制改革推進会議による「当面の規制改革の実施事項」を契機として検討を進め、新たに、学部を問わず大学等を卒業し、医薬品等の品質管理又は製造販売後安全管理に関する業務に3年以上従事した後、特定の講習を修了した者を、厚生労働大臣が規則に掲げる者と同等以上の知識経験を有すると認めた者として追加しました。
また、これに伴い、規則で定めた講習会における、受講者要件が変更となったため、資料1-5 「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則第百十四条の四十九第一項第三号に規定する講習等の開催に当たっての留意事項について」において、その留意点を通知しております。
資料1については、以上となります。
○佐藤部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局からの御説明に対しまして、御意見、御質問ございますでしょうか。よろしいでしょうか。御意見、御質問等ないようですので、議題1の報告は以上となります。
それでは、議題2です。「医療機器・再生医療等製品の不具合等報告について」にまいります。事務局から説明をお願いします。
○事務局 それでは、議題2の「医療機器・再生医療等製品の不具合等報告について」、資料2-1~資料2-3-3に沿って御説明をいたします。まず、資料2-1を御覧ください。令和5年度の下半期である、令和5年10月1日から令和6年3月31日までの6か月間の報告状況について御報告いたします。2ページを御覧ください。不具合等報告の全体の概要です。医療機器及び再生医療等製品の不具合報告制度は、製造販売業者等からの報告である企業報告制度と、医療機関等の医薬関係者からの報告制度の二つから成り立ち、1.は医薬品医療機器法第68条の10第1項に基づく、製造販売業者等からの不具合等報告について、3ページの2.は医薬品医療機器法第68条の10第2項に基づく、医薬関係者からの不具合等報告になり、それぞれについて御報告いたします。
まず2ページの1.の「製造販売業者等からの不具合等報告」です。医薬品医療機器法第68条の10第1項において、医療機器及び再生医療等製品の製造販売業者又は外国製造医療機器特例承認取得者等は、医療機器及び再生医療等製品の有効性及び安全性に係る事項、その他製品の適正な使用のために必要な情報について、能動的に収集するよう規定されております。
国内にて、医療機器又は再生医療等製品の不具合が原因、又はその不具合が原因と疑われる死亡や重篤な健康被害が発生した場合、又は不具合によりそれらが発生するおそれのある症例が発生した場合、製造販売業者等がそのことを知ったときには医薬品医療機器法第68条の10第1項に基づき、厚生労働大臣に報告する義務があります。報告の対象や情報を入手してから報告するまでの期限は、医薬品医療機器法施行規則第228条の20により定められております。
また、海外で使用される医療機器又は再生医療等製品にて、死亡又は重篤な健康被害が発生した症例又はそれらのおそれがあると判断された症例に関する不具合の情報については、医療機器等が使用されている国の規制に従って各国の規制当局に報告等されることとなりますが、日本で承認を受けた医療機器と形状、構造、原材料、使用方法、効能、効果、性能等が同一性を有すると認められる医療機器については、それらの海外における医療機器の不具合等に関する情報を日本の製造販売業者が入手したときには、日本においても外国症例の不具合報告として、不具合報告の対象となります。この場合の報告者は、日本の製造販売業者です。
今回の資料では、令和5年度の後期である令和5年10月1日から令和6年3月31日までの医療機器の不具合等報告について、各分類の報告件数を示しております。
1.(1)1)の「不具合報告」の件数については、国内と外国の合計は12万6,183件です。その内訳は、9つの製品分類で言いますと、分類(4)「生体機能補助・代行機器」の7万9,346件と、分類(3)「処置用・施設医療機器等」の3万7,343件が多く、この二つで全体の約92%を占めております。国内報告と外国報告の件数は、国内報告が1万4,458件、外国報告が11万1,725件となっております。
また、コンビネーション医薬品の医療機器部分における不具合報告は、国内報告が977件、外国報告が1,257件の計2,234件ありました。再生医療等製品の不具合報告は、国内報告が312件、外国報告が2,105件の計2,417件ありました。続いて2)の「感染症報告」は、医療機器、コンビネーション医薬品、再生医療等製品ともに0件でした。
3ページの一番上、(2)の海外の規制当局や外国製造元等が行った措置を報告する外国措置報告については、医療機器が531件、再生医療等製品が11件でした。(3)の「研究報告」は、医療機器が2,430件、再生医療等製品が1件、(4)の「感染症定期報告」は、医療機器が36件、再生医療等製品が85件でした。感染症定期報告の詳細については、次の議題で御説明させていただきます。また、2.の「医療関係者からの不具合報告」は、医療機器では155件、コンビネーション医薬品では6件、再生医療製品では0件でした。3.「副作用救済給付又は感染救済給付に係る疾病、障害及び死亡の報告」は、医療機器、再生医療等製品ともに0件でした。
次に、報告件数の推移について御説明いたします。4ページを御覧ください。国内報告と外国報告を合わせた総件数について、過去3年分の推移をグラフにて示しております。令和5年度下半期における不具合報告総数は12万6,183件で、前回、令和6年3月の部会で報告した令和5年度前期の件数、10万4,991件と比較して、約2万1,000件の増加となっております。この増加は、ほとんどが外国報告に起因するものですが、前期と比べ外国報告件数が増加した理由として、一部の品目において報告のタイミングが集中したためと推察しております。これらの報告について、発現時期や内容を精査し、発現頻度の上昇が見られないことや、大半が既知の事象であることを確認しており、特段対応の必要はないと考えております。なお、分類(4)に関しては、令和3年より実施しているフィリップス社のCPAP製品の回収関連の報告が依然として多いことが、報告数の底上げに一定程度関与していると考えております。
6ページのコンビネーション医薬品については、2,000件前半の水準となっており、報告件数に大きな増減傾向は認められませんでした。
再生医療等製品については、国内及び外国の総報告件数で見ると、前回の報告期間から若干の増減傾向が認められております。具体的な再生医療等製品の品目別不具合発生件数の推移については、14ページ以降に掲載しており、令和5年度前期と比較して、国内報告は28件減少、外国報告は378件増加しております。市販後において新たに確認された不具合については、添付文書改訂指示を行う等、引き続き対応していきます。
○医薬品医療機器総合機構 続いて、8ページ以降の製品の分類ごとの不具合について、機構から御説明をさせていただきます。8ページ以降においては、後の資料2-2-1~2-2-2の膨大なラインリストより、主要なものをピックアップして御説明をいたします。
まずは8ページを御覧ください。2.「令和5年度後期の不具合報告の概況」の2-1、「各分類における国内不具合報告」には、各分類における国内の不具合報告件数と、その中でも特に報告件数の多かった品目の一般的名称、その主な不具合又は健康被害状況をピックアップして記載しております。表の「一般的名称等」の列には、一般的名称ごとの不具合等報告の件数について、多いものから順に第1位から第3位までの一般的名称を掲載しております。また、「主な不具合又は健康被害状況」の列には、それぞれの一般的名称の製品群で報告された不具合又は健康被害の件数について、多いものから順に第1位から第3位までの事象を記載しています。なお、同数で同順位となる一般的名称や事象名についても、全て掲載しております。
分類(1)の「画像診断用機器」として、体腔向け超音波診断用プローブ、移動型デジタル式汎用一体型X線診断装置、据置型デジタル式循環器用X線透視診断装置、汎用超音波画像診断装置等、合計18件報告されております。
分類(2)の「生体監視・臨床検査機器等」として、再使用可能な高周波処置用内視鏡能動器具、グルコースモニタシステム、再使用可能な内視鏡用能動処置具等、合計614件報告されております。
続いて、9ページを御覧ください。分類(3)の「処置用・施設用機器等」として、ポータブルインスリン用輸液ポンプ、中心循環系血管内塞栓促進補綴材、バルーン拡張式血管形成術用カテーテル等、合計5,721件報告されております。分類(4)の「生体機能補助・代行機器」として、経カテーテルウシ心のう膜弁、大動脈用ステントグラフト、経カテーテルブタ心のう膜弁等、合計6,691件報告されています。分類(3)と(4)については、リスクの高い医療機器が多く分類されていることもあり、報告件数が多くなっております。
分類(5)の「治療・鋼製機器等」として、骨手術用機械、治療用電気手術器、脊椎手術用器械等、合計1,164件報告されております。分類(6)の「歯科用機器・材料」として、歯科用インプラントフィクスチャ、歯科用骨内インプラント材等、合計15件報告されております。
続いて、10ページを御覧ください。分類(7)の「眼科用機器」として、挿入器付後房レンズ、多焦点後房レンズ、後房レンズ等、合計189件報告されています。分類(8)の「衛生材料・避妊用具・家庭用機器等」として、骨固定型補聴器、家庭用創傷パッド、家庭用電気マッサージ器等、合計17件となっております。分類(9)の「プログラム医療機器」では、遺伝子変異解析プログラム(がんゲノムプロファイリング検査用)、ホウ素中性子補捉療法用治療計画プログラム、汎用画像診断装置ワークステーション用プログラム、放射線治療情報照合プログラムの合計29件となっております。
なお、これらの国内での不具合報告及び外国での不具合報告については、資料2-2-1にまとめておりますので、後ほど御説明いたします。
続いて11ページでは、令和3年4月1日から令和6年3月31日までに、新医療機器として承認された品目の国内での主な不具合報告の状況について説明いたします。各承認年度において、不具合等報告の件数のうち多いものから順に第1位から第3位までの品目を掲載しております。令和3年度から令和5年度までで、分類としては(3)と(4)です。全て添付文書に記載されている既知の事象となっております。引き続き、不具合・健康被害の情報を注意深く収集しております。
次に、コンビネーション医薬品の医療機器部分の不具合報告として、国内報告が977件となっております。これらの不具合報告の詳細については資料2-2-2、「コンビネーション医薬品不具合報告」に別途まとめております。医療機器に関する資料2-1の説明は以上です。
続いて、資料2-2-1~資料2-2-2ですが、先に御説明させていただいたとおり、資料2-1の中で主要な不具合については御説明しましたので、内容の御説明は先の御説明をもって資料2-2-1~資料2-2-3の御説明に代えさせていただき、ここではラインリストの見方のみ御紹介させていただきます。
まず資料2-2-1の1ページに、「注意事項」として不具合報告リストの見方を記載しております。このリストについては、医療機器との因果関係が不明なものも含め、製造販売業者等から報告された内容を基に記載しております。また、報告に関する分類は(1)~(9)までの9分類に分類されており、次に目次が記載されており、その次から表の下にページ番号を記し一覧を記載しております。
一覧の掲載順については、医療機器の一般的名称、販売名、企業名の順に五十音順で掲載しております。それぞれの件数については、提出された報告書の件数を示したものであり、同一の症例で複数の医療機器が関与している場合には、複数の企業からそれぞれ報告されることがあることから、このような場合には同一の症例を重複してカウントしております。したがって、報告件数がそのまま症例数にならない場合があることに御留意いただければと思います。
また、報告症例の中には、不具合状況がなし又は不明であり、かつ、健康被害状況が不明のケースがあります。これは健康被害状況が不明で現品調査を実施できない、得られた使用状況の情報が限られているなどの理由から、機器との因果関係を否定できないと判断するだけの情報が得られなかったため、不具合報告がされたものです。
表の右端の「対応状況」欄に、報告症例に対する対応措置の項目として、原則として報告期間対象期間の末日である令和6年3月31日時点の措置の内容を簡潔に記載しております。「回収(改修)」と記載しているのは、製品を医療現場等から引き上げる「回収」をした場合、又は修理や検査の実施等を行った「改修」の措置を取ったことを示しております。「情報提供」と記載したものは、添付文書の改訂、あるいは書面による注意喚起文書を、医療機関等に配布したなどの措置を取ったものです。この中には、既に添付文書等で関連する注意喚起の記述がなされているものも含んでおります。
資料2-2-1の医療機器の不具合報告のまとめと同様に、資料2-2-2では、コンビネーション医薬品の医療機器部分に関する不具合、資料2-3-1では再生医療等製品に関する報告をそれぞれ一覧表でまとめております。
続いて、資料2-2-3について御説明をいたします。医療機器に関する外国措置報告については、企業が外国でも同一性を有する製品、つまり、日本で承認を受けた医療機器と形状、構造、原材料、使用方法、効能、効果、性能等が同一性を有すると認められる外国で使用されている医療機器を製造販売している場合に、外国の規制当局などで取られた措置について、日本の行政当局にも報告するというものです。
令和5年度後期では531件の報告がなされております。資料の一番右の2列には国内外での対応状況について記載しております。外国で措置を行った結果について、日本の対象製品がない場合を除き、おおむね日本においても同様の対応を取っているという状況でした。
続いて、資料2-2-4について御説明をいたします。医療機器研究報告は、不具合の発生頻度、発生状況などの疫学調査や集計・分析等に関する内容の文献報告等があった場合に報告されるもので、今回は文献数にして2,430報ありました。なお、今回報告により安全対策上の特段の措置が必要になったものはありません。
○医薬品医療機器総合機構 続いて、再生医療等製品について御説明いたします。資料2-1の12ページを御覧ください。2-3-1に、再生医療等製品の主な国内不具合報告をお示ししております。
再生医療等製品は、国内報告全体で312件報告されております。表には、期間中の不具合報告件数が多い3品目を記載しております。また、主な不具合又は健康被害状況については、報告件数上位3位の事象を記載しております。これらの報告は資料2-3-1、「再生医療等製品不具合報告」にまとめております。
続いて資料2-1の12ページ、2-3-2を御覧ください。2-3-2では、令和3年4月1日から令和6年3月31日までに、新再生医療等製品として承認された品目の国内不具合報告について説明しております。表には、期間中に国内不具合報告があった品目をお示ししており、主な不具合又は健康被害状況については、各々の品目における報告件数の上位3位までの事象を記載しております。なお、表に記載の品目以外に承認された品目は5品目ありますが、これらの品目については、期間中に不具合報告はありませんでした。
続いて、資料2-3-2について御説明いたします。再生医療等製品に関する外国措置報告は期間中11件です。当該11件の報告のうち、9件がCAR-T細胞製品に関する報告でした。具体的にはアベクマ点滴静注が1件、イエスカルタ点滴静注が1件、カービクティ点滴静注が5件、キムリア点滴静注が1件、プレヤンジ静注が1件となっております。CAR-T細胞製品投与後のT細胞性の悪性腫瘍に関する内容であり、いずれの外国措置報告についても、本邦添付文書において、製品投与後に悪性腫瘍の発現が報告されていること、また、CAR陽性のT細胞を起源とするリンパ系腫瘍の発現が報告されていることに関して、一定の注意喚起等を行い、対応済みとなっております。残りの2件は、いずれもゾルゲンスマ点滴静注に関する報告で、うち1件は本邦投与対象外の年齢に対する、本邦未承認の投与経路による臨床試験に関する内容であり、市販後における追加の措置は不要と判断しております。残りの1件については肝機能障害及び血小板減少症に関する措置内容であり、本邦添付文書において、一定の注意喚起済みとなっております。
続いて、資料2-3-3について御説明いたします。再生医療等製品に関する研究報告は期間中にアロフィセル注の1件がありましたが、新たな安全性に関する懸念は報告されておらず、市販後における追加の対応は不要と判断しております。説明は以上です。
○佐藤部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局からの説明に対しまして、御意見、御質問等ありますでしょうか。いかがでしょう。よろしいですか。
○藤原委員 少しいいですか。
○佐藤部会長 藤原委員。
○藤原委員 基本的なことで申し上げますと、今の2-1で、不具合等報告が相当な数あるということなのですが、添付文書等で既に知られている内容で、新たな措置をする必要がないというお話が所々であったのですが、全体を含めてそのような判断をしているということで、現場に新たにフィードバックしなければいけないような内容はないと考えてよろしいでしょうか。
○佐藤部会長 どうぞ。
○医薬安全対策課長 ありがとうございます。医薬安全対策課よりお答えします。安全対策の措置ですが、今、先生から御指摘があったように、不具合、それから、それに基づく症例の報告につきましては、既に添付文書で記載をされているようなものが多いのですが、一部、未知ということで、添付文書に記載のないようなものもございます。ただ、こういったものにつきましては、ある程度症例の集積などを待ちまして、因果関係の評価を行った上で、必要なものについては措置を取るということです。先ほど、この期間中のアクションについて、通知などの御紹介をさせていただきましたが、必要なものについては、例えば、先ほど資料1-2、「使用上の注意」の改訂についてという御報告をさせていただきました。このような形で改訂をしております。個々にそういう対応をさせていただいているということです。お答えになっておりますでしょうか。
○藤原委員 すみません、もう一つ伺いたいのです。同じ資料の12/16の所で、再生医療等製品の不具合の一番件数の多いものを三つ並べてますという中の一番上ですが、イデカブタゲンというのでしょうか。これは83件で多いということなのですが、この次の次のページの表で、令和3年度から令和5年度までを見ると、このアベクマ点滴静注の不具合報告の件数が徐々に増えているように見えるのですが、これはどういうことなのでしょうか。ちょっと気になったのですが、これはどのようにお考えでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 機構よりお答えさせていただきます。ただいま御指摘のありましたイデカブタゲン ビクルユーセル、アベクマ点滴静注に関しましては、報告数の増加要因は、使用患者数の増加が主な要因と考えられます。以上となります。
○藤原委員 分かりました。ありがとうございます。
○佐藤部会長 ほか、いかがでしょうか。
○外園委員 すみません、よろしいですか。
○佐藤部会長 外園委員、よろしくお願いします。
○外園委員 医療機器の場合、対応が「回収」、「情報提供」、「その他」というようなイメージがしやすいのですが、再生医療製品は、「回収」というのは余り起こらないのではないかと思って見ていましたところ、やはり「情報提供」か「その他」ばかりが並んでいます。生のものなので、機械が故障したわけではないので、「回収」というのは基本的にないのではないかと思うのです。そうしますと、「情報提供」と「その他」で、「その他」が非常に多いと。一体どのような対応がなされたのかもう一つイメージがしにくい。再生医療製品の場合、「その他」は様子を見たということなのかという感じなのですが、果たして治ったのかとか、状況が分からないというのがあります。分類として、実際にあり得ない対応、余りない対応状況を選択肢に入れているのは何かちょっと違和感がございました。いかがでしょうか。
○佐藤部会長 どちらから。
○医薬品医療機器総合機構 少々お待ち下さい。
○医薬安全対策課長 恐れ入ります。ちょっと時間を頂きまして、幾つか具体的なその他のアクションについて、説明ができるようであればさせていただければと思います。先生が御指摘のように、医薬品に近いようなものが最近多くなってきていることから、医薬品のほうでは、必ずしもこのような形で1例1例の対応というのを出しておりませんで、先ほど藤原先生からも御指摘のあった、既知・未知で未知であったようなものとか、そういう形になっているかもしれないのですが、このお示しの仕方については、また少し検討させていただきたいと思いますが、機構から少し補足がありますか。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。こちらの理解としましては、再生医療等製品不具合等報告、資料2-3-1の対応状況の記載について、基本的には、「情報提供」と「その他」という枠組みで示すことになっているとの理解です。主に「情報提供」というのは、添付文書の改訂又は情報提供が行われたもので、「その他」というのは、それ以外の、例えば、現時点では添付文書等に記載はないが、追加の安全対策措置を検討するため今後も発生状況を注意するなどの場合をいう、というような通知も出ているところです。したがいまして、現状のルールとしましては、「情報提供」と「その他」という記載をさせていただいておりますが、内容等に関しては、必要に応じて検討させていただきたいと思います。以上です。
○外園委員 ありがとうございます。
○佐藤部会長 ほか、いかがでしょうか。私から、一つ気になるのですが、資料2-2-1の新医療機器の不具合、国内不具合で、例えば、Alto腹部ステントグラフトシステムとかあって、心停止とか心室細動とか、結構、重い健康被害が出ているということなのですが、この辺は、その後の追跡とか、あるいは因果関係とかというのはどうなっているのかは情報は入っているのでしょうか。新しい製品で心停止とかだと、ちょっと、これだけ見ると何となくびっくりしてしまうのですが。
○医薬品医療機器総合機構 お待たせいたしました。機構より御説明をさせていただきます。
○佐藤部会長 よろしくお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 心停止、心室細動等のこういった重大な不具合は、もともと腹部ステントグラフトシステムが使用される症例というのは、それなりに重篤な症例ということもありまして、そういったこともありますが、この症例に関して申し上げますと、その後、心臓マッサージを行い軽快しているという症例にはなってはございます。
○佐藤部会長 そうですか。
○医薬品医療機器総合機構 はい。
○佐藤部会長 分かりました。ありがとうございます。ほか、いかがでしょう。よろしいでしょうか。では、議題2の報告は以上となります。
では次に、議題3です。「医療機器・再生医療等製品の感染症定期報告について」にまいりたいと存じます。事務局から御説明、お願いできますか。
○事務局 それでは、議題3「医療機器・再生医療等製品の感染症定期報告について」、資料3-1-1~資料3-2-2に沿って御説明いたします。まず、感染症定期報告について、制度の概要を御説明いたします。ヒトや動物などに由来し、保健衛生上特別な注意を要するものとして厚生労働大臣が指定する生物由来製品については、その原材料が細胞組織等であることから、未知の感染因子である細菌、ウイルス等を含有している可能性が否定できません。また、感染症につきましては、一般的な医薬品・医療機器の副作用、不具合等と比べ、製品との因果関係が明確になる以前から潜在的に感染が進行するおそれがあり、さらに、感染した後は、時間の経過に伴い軽減することなく、一定期間経過後に顕在化するおそれもあります。
このような背景を踏まえ、生物由来製品については医薬品医療機器等法において、製造販売業者等に対し、製品への直接的な影響がいまだ不明の原料動物等の感染症に関する最新の知見を常に把握し、それを集積した上で感染症のリスクを多角的に評価・検討し、その結果を報告するよう義務付けております。これが感染症定期報告です。
なお、感染症定期報告で寄せられた情報につきましては、本部会も含めた薬事審議会に報告し、措置が必要ないか御検討いただいております。以上が感染症定期報告の概要となります。
資料は3-1と3-2に分かれており、資料3-2は重複を含む期間中の全ての報告となっております。そのうち、重複や過去に報告されたものを整理し、今回の期間に新規に報告されたものをまとめたものが資料3-1になります。また、資料番号末尾が1の資料3-1-1及び3-2-1が医療機器、末尾が2の資料3-1-2及び3-2-2が再生医療等製品の報告をまとめたものとなっております。
それでは、資料3-1-1、医療機器の報告を御覧ください。今回は、2023年10月1日~2024年3月31日までに報告されたものをまとめております。詳細な説明は省略させていただきますが、こちらについては、今回、新たに報告された文献は49件ございました。
次に、資料3-1-2、再生医療等製品の報告を御覧ください。こちらについては、今回、新たに報告された文献は5件ございました。
これらの報告について、国立感染症研究所の脇田委員、宮﨑委員、国立医薬品食品衛生研究所の澤田委員に御確認いただいておりますが、この場で御紹介すべき特段の御意見は頂いておりません。議題3の感染症定期報告に関する御説明は以上となります。
○佐藤部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局からの説明に対して、御意見、御質問等はございますでしょうか。いかがでしょう。よろしいですか。ないようですので、議題3の報告は以上となります。どうもありがとうございました。
では、次は議題4「医療機器・再生医療等製品の回収報告について」にまいりたいと存じます。事務局から説明をお願いします。
○監視指導・麻薬対策課 令和5年度における医療機器等の回収報告の状況について、御報告いたします。資料は4-1と4-2を御用意しておりますが、資料4-1が報告状況を総括したもの、資料4-2が各報告事例を一覧にしたものです。本日は資料4-1に沿って御説明しますので、資料4-1を御覧ください。
まず、資料冒頭の部分ですが、医薬品医療機器等法第68条の11の規定に基づき、製造販売業者等はその製造販売などを行う医薬品や医療機器等を回収するときは、回収に着手した旨、及びその回収の状況を厚生労働大臣に報告しなければならないとされています。
また、「医薬品・医療機器等の回収について」という通知を発出しておりますが、回収に当たっての基本的な考え方や手続の詳細などについて明確化を図るとともに、回収の着手報告がなされた場合には、全ての事例をインターネット上で公表しています。
医薬品等の回収状況については、医薬品医療機器等法第68条の12の規定において、毎年度、薬事審議会に報告を行うこととされていますので、本日御報告させていただきます。
1の「回収件数年次推移」の表を御覧ください。回収件数の年次推移をお示ししています。令和5年度については、医療機器が376件、再生医療等製品は0件であり、大きな動向の変化はないと考えられます。なお、医薬品も含めた令和5年度の総回収件数は、計822件でした。令和5年度の総回収件数について比較しますと、昨年度よりは減少しているものの、新型コロナウイルス感染症が流行する前、平成30年度以前と比べると、医薬品の回収件数が多いことから、多くなっています。
次に2ページの2、「令和5年度医薬品・医療機器等の回収件数及びクラス分類」の表を御覧ください。医療機器の回収件数については、クラスIが0件、クラスIIが328件、クラスIIIが48件の計376件であり、クラス分類の観点からも回収状況に大きな動向の変化はないと考えられます。なお、表の一番左上、医薬品のクラスI回収の件数ですが、200件であり、いずれも血液製剤の回収事例でした。また、そのうち153件は、献血後に新型コロナウイルス感染症への感染が確認されたことによる血液製剤の回収事例でした。
昨年度は例年と比べ医薬品のクラスII回収の件数が593件と非常に多く起こりましたが、これも主に献血後に新型コロナウイルスの感染症への感染が確認されたことによる血液製剤の回収事例だったため、昨年度同様、今年度についても新型コロナウイルス感染症の流行状況が、回収件数及び医薬品等の総回収件数の増加に主に影響していたものと考えられます。
その他、医薬品、医薬部外品、化粧品、再生医療等製品の報告件数について、大きな動向の変化はありませんでした。資料4-1及び4-2の報告は以上になります。
○佐藤部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局からの御説明に対して、御意見、御質問はございますでしょうか。いかがでしょう。中川委員、よろしくお願いします。
○中川委員 今の御説明にありました、不具合報告というところでお伺いします。不具合があった報告の件数が出ていますが、これらの不具合報告の内訳がいろいろこの後出てくると思いますが、これらが医療事故とか大きな健康被害につながって、改修されるということの報告とか承認とか規制とかという形で、規制をするものと理解していますが、例えば、重大な医療事故につながるような回収が起きた場合とか、大きな健康被害を及ぼすような副作用とか医療機器の不具合が起こった場合、これらのものを、薬事審議会だけではなく、承認するところだけではなくて、例えば承認を外すのか改正させるのか、もしくは医療事故報告制度という制度もありますので、そちらのほうを活用するような指導をするのかといった、そういう重大な改修が起きた、クラスIに該当するような報告を受けた場合の、その後の措置と連携というのはどうなっているかということをお聞きしたく、質問させていただきます。
○監視指導・麻薬対策課 御質問ありがとうございます。監視指導・麻薬対策課から御説明します。今、御質問にありましたように、クラスIに分類されるような回収が生じる場合というのは、おっしゃったように重篤な健康被害が生じる、あるいは生じたケースの場合に行われる回収措置です。
そういった場合、通常そこまで重篤でないものについては、通常の回収情報の掲載であるとか、そういうところになるのですけれども、クラスI回収が発生した場合には、その製造販売業者の許可を所管する都道府県や厚生労働省と共にプレスリリースを行って、速やかにそういった重篤な健康被害が起き得る、生じるということを、広く周知するといった対応とともに、実際にどのような安全対策が講じられるかというところで対応を図っています。
昨年度の回収においては、医療機器でクラスI回収というのは生じていませんけれども、それ以前には、例えば植込みのペースメーカーであるとか、そういったものでクラスI回収が生じるといったケースもありましたので、そういったときには、実際に埋め込んでいるものということになると、かえってそれを取り出すのが難しいケースもありますので、回収とは言いながらも、実際に埋め込まれた患者様をモニタリングする、患者モニタリングといった措置が講じられているところです。お答えになっていますでしょうか。
○医薬安全対策課長 すみません、医薬安全対策課のほうから少し補足をさせていただきます。基本的に回収になるものについては、承認をされた構造とか形態、それから規格、あるいは表示などが損なわれていて、健康被害の観点から非常に深刻なものとなりまして、今、説明があったように、医療機器はほとんどないという状況になっています。
そういう中で、まずはこういうものを速やかに市場から戻して、その後はきちんと承認に沿ったものを提供してもらうというのが、まずは原則になると考えています。
ただ、先生御指摘のように、可能性の問題としては、やはりそういった回収のみならず、先ほどの不具合の報告もそうですけれども、その辺りから製品の改良点というようなことが分かってくるということもありますので、そういう場合、企業のほうから変更の申請であるとかいったこともありますし、法律上の建付けとしては、御指摘のようにそういったものの承認を整理するということも一応制度としてはあります。
また、日本医療安全調査機構の御指摘も頂きましたけれども、製品にまつわる部分については、日頃より私どもも情報の共有をしていまして、必要なものについてはコラボをして情報提供させていただくといったような取組もしているところです。非常に雑駁な御説明になりまして恐縮ですが、お答えになっていればと思います。
○中川委員 ありがとうございます。今の内容で大体この審議会、部会等の話の趣旨と合致していると思うのですが、特に植込みの医療機器とか再生医療機器とか、植込み型の医療機器になりますと、クラスIII、IVのほうになっていますね。そうなりますと、今お話にありましたように、患者さんから取り出すのが不可能だったり、何かしらの処置をしなければいけない形です。
今、植込み型の機械に関しては、患者登録制度というものを恐らく使われて、そちらのほうで回収が進められる形になっていますが、こちらのほうの例えば承認するときに、患者の情報取得、トラッキング制度ですね、こちらをきちんと行うような規制とか承認という段階では、どのような指導とかをしているか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
○医薬安全対策課長 ありがとうございます。正に先生御指摘のとおり、植込みのもの、それからちょっと余談になりますが、血液などの特定生物由来製剤については、そういったものを御使用あるいは埋め込まれた患者さんの記録を、医療機関できちんと取っておいていただくことになっていて、回収などの必要な事情が発生した場合には、そういった情報を医療機関から製販業者のほうにもお伝えして、患者様に直接連絡を差し上げるということが、法律上の義務として規定されています。
○中川委員 分かりました。これはあくまでも医療機関で持っておくということでよろしいですか。
○医薬安全対策課長 はい、まずは医療機関で持っていただく。患者さんの個人情報については、まず医療機関で保管をしていただくという形になっています。(※)
※ 特定医療機器の記録の保存義務について、正しくは製造販売業者に課せられているものであり、該当部分を訂正する。
○中川委員 そうしますと、回収が起きた場合には、メーカーから医療機関、医療機関から患者様という、そういう流れが原則ということでよろしいでしょうか。
○監視指導・麻薬対策課 はい、左様でございます。
○中川委員 分かりました。では、そのようなことがあれば、即時にメーカーから情報が医療機関にという形で、医療機関で対策を求めるというようなスキームでよろしいでしょうか。
○監視指導・麻薬対策課 はい、そのような形になるかと思います。
○中川委員 分かりました。この辺のところが明確にならないと、回収が起きた場合にいろいろと齟齬が出たり、不具合の情報が伝わらなかったりということが起きると思いますので、保健所のほうにも、連携のことについてはよろしくお願いいたします。以上です。
○監視指導・麻薬対策課 ありがとうございます。
○佐藤部会長 そのほかいかがでしょう、御質問、ご意見。藤原委員、よろしくお願いします。
○藤原委員 確認です。先ほど私が質問したことにお答えいただいた、資料1-2の件で、再生医療等製品について医薬安全対策課長から、再生医療イノベーションフォーラムの代表理事長宛てに発出された文書ということなのですけれども、再生医療等製品を使うところが限られているからということで、ここに発出ということでいいのですね、という確認が一つ。
それから先ほども話したように、自分も現場で診療していますので、すごく数がたくさんあるということを考えると、本当に現場で日常の診療をしている普通の先生方に注意喚起をしなければいけないことは、これだけの数があっても、ないと、改めて考えていいということでよろしいですねという確認です。
○医薬安全対策課長 ありがとうございます。お答えいたします。今、先生から御指摘のあった資料1-2ですが、この再生医療イノベーションフォーラムは、製造販売業者とか原材料を提供するような企業の集まりとなっていまして、こういうところに対して改訂の指示をするという位置付けの通知です。
今、先生から御指摘を頂いた医療機関へのお知らせという観点ですけれども、これは別途、例えば機構のほうからプッシュ型のメールでの配信、それから当然ホームページでの掲示、そういったものでお知らせをするという形で医療機関への提供をしています。また、年に10回ほど、医薬品・医療機器等安全性情報といった冊子なども、Web経由で出していまして、いろいろな手段を使って広く先生方への情報の提供をしているところです。
それから数が、かなり報告があるけれどもというお話がありました。かなりCAR-Tなどについては、既知の副作用ではあるものの、それなりに重篤なものが起こるということがあり、件数が多くなっている状況です。ただ、先ほども申し上げたとおり、未知のものについても、症例の集積の状況なども見ながら必要に応じて改訂をしているということで、結果、今のところこのような改訂の状況になっております。
○藤原委員 ありがとうございます。
○佐藤部会長 ほかにいかがでしょう。よろしいでしょうか。では、議題4の報告は以上になります。予定していた議題は以上ですけれども、事務局から何かございますか。
○安全使用推進室長 本日の御議論、ありがとうございました。次の部会の日程については、令和7年3月頃を予定していますが、別途部会での審議等が必要な議題が生じた場合には開催をすることもありますので、御承知おきいただければと思います。
なお、次回の詳細な日時については、事務局より改めて先生方の御都合を伺って、調整させていただきたいと思います。以上です。
○佐藤部会長 それでは、これで令和6年度第1回医療機器・再生医療等製品安全対策部会を閉会といたします。長時間ありがとうございました。
( 了 )
- 備考
- 本部会は、公開で開催された。
照会先
医薬局
医薬安全対策課 安全使用推進室 医療機器情報専門官 土井(内線2751)