第19回高齢者医薬品適正使用検討会議事録

医薬局医薬安全対策課

日時

令和6年12月11日(水) 13:00~15:00

場所

厚生労働省 専用第12会議室
東京都千代田区霞が関1-2-2

議題

  1. (1)令和6年度事業の中間報告について
  2. (2)令和7年度事業について
  3. (3)その他

議事

議事内容
○医薬安全対策課長 それでは、定刻になりましたので、第19回「高齢者医薬品適正使用検討会」を開会いたします。
 本日、御出席の構成員の先生方におかれましては、御多用のところ、御出席いただきまして、ありがとうございます。
 本日の検討会の公開については、ユーチューブによるライブ配信で行うこととしておりますので、御理解、御協力のほど、お願いいたします。
 議事録については、後日、厚生労働省ホームページに掲載いたします。
 また、本日はウェブ開催のため、対面での進行と一部異なる部分がありますので、議事に先立ち、審議の進行方法について、事務局より説明させていただきます。
○事務局 事務局より御説明申し上げます。
 まず、ハウリング防止のため、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。御意見、御質問をいただくときはミュートを解除し、初めにお名前をお知らせください。発言のタイミングが重なった際は、座長から順に発言者を御指名いただきます。会議中、マイクの調子が悪くなった場合などは、メッセージに御意見等を記入していただくようお願いする場合がございます。システムの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構ですので、事前にお伝えしている事務局の電話番号まで御連絡をお願いいたします。もし事務局のサーバーがダウンするなどのトラブルが発生した場合には、事務局から一斉にメールで御連絡いたしますので、御確認いただけますと幸いです。
 事務局からは以上になります。
 それでは、以降の進行は、座長の印南構成員にお願いいたします。
 印南構成員、よろしくお願いいたします。
○印南座長 座長の印南です。座長を務めさせていただきますので、皆様には円滑な議事進行に御協力をお願いいたします。
 今回はハイブリッド開催ということで、事務局から説明がありましたが、これまでの説明につきまして、御質問、御意見等はございませんでしょうか。
 よろしいですね。
 それでは、議事に入る前に、構成員に交代があったとのことですので、事務局より紹介してください。
○事務局 それでは、御紹介いたします。
 細川構成員が退任され、新たに着任されました公益社団法人日本医師会常任理事藤原慶正構成員です。藤原構成員から一言御挨拶いただけますでしょうか。
○藤原構成員 日本医師会常任理事の藤原です。前任の細川先生からの引き継ぎもありますので、引き続きよろしくお願いいたします。
○事務局 続きまして、伴構成員が退任されまして、新たに着任されました一般社団法人日本プライマリ・ケア連合学会副理事長松下明構成員ですが、本日は御欠席でございます。
 細川構成員、伴構成員には、この場を借りて、これまでの御議論において貴重な御意見をいただきましたことにつき御礼申し上げます。
 座長にお返しします。
○印南座長 委員の出席状況、審議への参加等について、事務局から説明をお願いします。
○事務局 最初に、本日の構成員の出席状況について御報告いたします。松下構成員、山中構成員より、御欠席との連絡をいただいております。このほか、井本構成員がまだ御参加いただいておりませんが、本検討会の委員18名中15名の構成員に現在御出席をいただいており、過半数の御出席がありますので、本日の会議は成立することを御報告申し上げます。
 報告は以上でございます。
○印南座長 それでは、議事を進めてまいります。
 初めに、事務局から資料の確認をお願いいたします。
○事務局 本日の資料を確認いたします。
 資料はあらかじめメールでお送りしておりますので、順に確認させていただきます。
 議事次第と配付資料一覧、開催要綱、資料1と2、参考資料1から5となります。
 資料1が、令和6年度事業の中間報告について、資料2が、令和7年度事業について、参考資料1が、「地域における高齢者のポリファーマシー対策の始め方と進め方」、参考資料2が、「高齢者医薬品適正使用の指針(総論編)」、参考資料3が、「高齢者の医薬品適正使用指針(各論編)」、参考資料4が、「地域におけるポリファーマシー対策の普及啓発用資材」、参考資料5が、「地域におけるポリファーマシー対策のアンケート調査票」でございます。
 本日の資料は以上でございます。不足等がございましたら、お知らせください。
 なお、これらの資料は厚生労働省のホームページにも掲載しておりますので、傍聴の方はそちらを御覧ください。
○印南座長 それでは、議事次第に沿って議事を進めてまいります。
 議題1は、令和6年度事業の中間報告についてです。まずは受託業者である株式会社NTTデータ経営研究所より、資料1の御説明をお願いいたします。
○NTTデータ経営研究所 NTTデータ経営研究所の西尾と申します。本事業の主担当を務めております。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、資料1の7ページから説明をさせていただければと思います。「事業の背景」と「事業の目的」について、説明をさせていただきます。
 本事業の目的は、最新の指針や業務手順書等を用いた地域における普及啓発活動を通じて、ポリファーマシー対策の実施環境整備を図るとともに、医療介護データの分析を通じて、医療現場におけるポリファーマシー対策業務の効果に係るエビデンスを入手することでございます。
 続いて、8ページに参ります。「事業の論理的枠組み」について説明いたします。「実施する業務」は、上下2つございます。上のほう、マル1番「ポリファーマシー対策の普及啓発」を行ってまいります。この目的でございますけれども、「アウトプット」という列の上ですが、指針や業務手順書を用いた地域におけるポリファーマシー対策の実施環境整備を図ることでございます。こちらについて、広島県、埼玉県において業務を進めているところでございます。詳細は後ほど御説明いたします。
 また、「実施する業務」の下のほう、マル2番「データ分析」についても行っております。医療現場におけるポリファーマシー対策やポリファーマシー対応の効果の指標を得ることを目的として、医療介護関係のビッグデータを解析しております。
 それでは、それぞれの業務の進捗状況につきまして、弊社の担当から説明をさせていただきます。
○NTTデータ経営研究所 NTTデータ経営研究所の林と申します。
 資料の10ページ御覧いただけたらと思います。私のほうからは、地域における普及啓発の中間報告をさせていただきます。
 11ページに参ります。こちらは、「指針・業務手順書の普及啓発の概要」でございますが、正式に調査対象地域、埼玉県、広島県が確定いたしましたので、記載させていただいています。
 12ページに参ります。「埼玉県における協力体制等」において、本事業への応募時点では埼玉県薬剤師会の賛同を得られております。今後、埼玉県医師会、各地域のケアマネジャーや訪問看護師の賛同も見込んでおります。また、ポリファーマシー対策に係る会議体の設置・運用に関して、埼玉県は既存の会議体を利用することとしております。
 13ページに参ります。「広島県における協力体制等」において、本事業への応募時点では、広島県医師会、広島県薬剤師会、広島市域薬剤師会、広島県病院薬剤師会の賛同を得られております。今後、広島県歯科医師会、広島県看護協会、広島県訪問看護ステーション協議会、広島県介護支援専門員協会にも協力を依頼する予定でございます。また、ポリファーマシー対策に係る会議体の設置・運用に関して、広島県は新しく会議体を設置することとしております。
 14ページに参ります。「普及啓発用の資材の概要」についてご説明いたします。普及啓発用資材の目的は、本資材を使用した講習会等を通して、地域ポリファーマシー対策の普及啓発を行うことです。また、本資材の位置付けは、ポリファーマシー対策の概念・目的の理解と地域課題に即した実施体制の構築の際に活用されるものであり、指針や業務手順書の主要部分を抜粋して本資材に盛り込むことを想定しております。
 15ページ御覧いただけたらと思います。「アンケート調査の概要」でございます。こちら、会議体に対するアンケート調査は、当初、2回を想定しておりましたが、会議最終回終了後に1回に変更させていただきました。
 なお、調査対象者でございますけれども、こちら、記載のとおり、県全体の会議、地域の会議、それぞれの主催者、参加者でございます。マル2、マル3は、同様でございます。
 また、調査内容は、こちらの記載のとおりでございます。
 16ページに参ります。事務局の実施事項並びに今後の予定について、御報告いたします。
 まず1ポツ目、「都道府県との連絡・調整」でございますが、広島県とは1回、埼玉県とは2回、進捗状況並びに今後の進め方について協議をしてございます。
 2ポツ目、「資材の作成」でございますが、事務局にて、普及啓発用資材を作成しまして、本事業の委員の皆様に御確認をいただき、現在、暫定版という形で、埼玉県に共有をさせていただいています。今後、皆様の御意見等をいただきながら、ブラッシュアップを進めてまいります。
 アンケート調査票に関しましては、こちら、資料のとおりに確定させていただきたいと考えております。
 17ページに参ります。ここからは、県別の実施事項について御報告いたします。
 まず、「埼玉県の実施事項」、「本事業の検討状況」、左側でございますが、11月14日に、本事業実施に向けた会議が行われてございます。こちらは、会議名、社会保険委員会、参加者としましては、埼玉県薬剤師会、社会保険委員11名、議題はこちらのとおりでございます。次回の会議は、来年1月9日を予定しております。
 右側の普及啓発活動に参りますが、まず、県民向けといたしまして、くすりの適正使用協議会が作成いたしましたリーフレットを活用しまして、健康窓口でこちら配布してございます。医療従事者向けの普及啓発活動といたしましては、11月17日に、埼玉県薬剤師会主催の研修の中で実施されてございます。
 18ページに参ります。埼玉県の地域調査の概要について、御報告いたします。まず、図表の上段、県全体の会議体になりますが、こちら、構成は、埼玉県薬剤師会の社会保険委員から構成されたものでございます。こちらの社会保険委員をポリファーマシーコーディネーターとして任命し、その社会保険委員が所属する地域の薬剤師会役員会において、こちらを地域の会議体といたしまして、そちらの中で普及啓発活動の実施並びに薬剤調整支援者の任命等を行い、議論をいたします。また、こちらの会議体、薬剤師だけではなく、医師、看護師、ケアマネジャー等多職種が参加を見込んでございます。
 また、右側になりますけれども、こちら、各地域におきまして、薬剤調整支援者を各地域およそ5~6名ほど設置をいたしまして、他職種と連携の上、ポリファーマシー対策を実施してまいります。また、普及啓発活動の実施もしてまいります。
 続きまして、19ページ目、タイムスケジュール。こちら、右下の点だけお伝えさせていただきますが、埼玉県薬剤師会が主催する普及啓発活動としましては、1月19日を次回予定してございます。
 続きまして、20ページに参ります。こちらは広島県の実施事項についてですが、まず初めに、2点訂正がございます。右側の参加機関一覧の行政欄に記載しております広島市健康福祉局健康福祉部環境衛生課、一覧から削除をさせていただきます。
 また、2点目といたしまして、医療機関として記載されております広島大学病院薬剤部につきましては、学識経験者としての位置づけに改めさせていただきたいと思います。
 資料の20ページに戻ります。広島県におきましては、12月9日に本事業に向けた会議を実施してございます。会議名は、令和6年度広島県高齢者医薬品適正使用に関する調査検討会でございます。議題については、こちらの4点を中心に協議されてございます。次回の会議は2月を予定してございます。参加機関としましては、こちらのとおりでございます。
 広島県の普及啓発の実施事項、今後の予定について、御報告させていただきます。まず左側、普及啓発活動、県民向けといたしまして、10月17日から23日の間に「薬と健康の週間」で、広島県が作成した啓発資料を配布しております。また、医療従事者向けの普及啓発活動は、2月を予定してございます。県民向けの啓発資料としましては、こちら右側に記載のとおり、広島県が作成した資材を作成してございます。
 以上で、地域における普及啓発の御報告とさせていただきます。
○NTTデータ経営研究所 では、NTTデータ経営研究所の田島でございます。私のほうから、データ分析について、22ページ以降を用いて説明させていただきます。
 23ページでございますが、データ分析、こちらの目的としましては、高齢者の処方状況を分析し、ポリファーマシー状況の改善を図るための指標を検討するということとしております。しかしながら、プロセスとして、薬剤の処方状況、そして、アウトカム、有害事象の回避の把握が必要でございますけれども、長期的なアウトカムの改善を確認することが難しいということ、また、本事業ではビッグデータを用いて分析するという制約上、アウトカムの適切な設定が困難なことから、今回、既にアウトカムが分かっている、高齢者に有害事象を引き起こしやすい薬剤、こちらの処方状況を分析することで、ポリファーマシーの状況と改善を図るための指標について、検討をすることとしております。
 24ページでございますが、データ分析の基本的な考え方については、変更はございません。個人属性ごとに、右側、青枠で示しております、特定薬剤の処方状況を分析することで、特に注意を要する集団や、集団ごとに注意すべき薬剤の処方割合、処方薬剤種類数を明らかにすることでポリファーマシー状況の改善を図るための指標を検討してまいります。
 25ページでございます。データ分析の方法でございますが、データとしましては、2019年度の八王子市の医療介護連結データを用いております。分析対象としましては、後期高齢者医療制度加入者のうち、75歳以上の高齢者としております。また、療養環境の定義は、こちらの25ページの下段に示すとおりとなっております。
 では、26ページに参ります。分析対象薬剤としましては、抗コリン薬、そして、薬剤起因性老年症候群の原因となる薬剤、こちらも分析の結果を本日お示しさせていただきます。また、今後、PIMsに該当する薬剤についての評価を実施予定でございます。評価指標、分析対象患者の個人属性は、26ページのスライドにお示しするとおりでございます。
 では、27ページでございますが、こちらは解析対象者の基本属性をお示ししております。
 28ページでございます。こちらは、療養環境別の基本属性をお示ししたスライドとなっております。
 それでは、29ページでございますが、こちらは、個人属性別の処方薬剤種類数をお示ししたものでございます。右側、赤枠でお示ししているとおり、全体の20%以上の患者が、10種類以上の薬剤を処方されているという状況でございました。また、ポリファーマシーの一つの指標となります6種類以上の薬剤を処方されている割合が、個人属性ほとんど半数を占めているという状況でございました。
 では、30ページに参ります。こちらは、個人属性別処方薬剤種類数を受診医療機関数別にお示ししたものでございます。受診医療機関が1以下と比較しまして、受診医療機関数が2つ以上になりますと、処方薬剤の処方数がおおよそ2剤から3剤、そして、薬剤の処方されている種類が6種類以上処方されている患者さんの割合が、おおよそ20%から30%高くなるという傾向が見られました。
 では、31ページでございます。こちらは、抗コリン薬の種類数及び総抗コリン薬負荷を示したものでございます。どの個人属性においても、3割以上の患者がコリン薬を1種類以上処方されているという状況でございました。
 また、特に要介護3~5、在宅・特養の患者に関しましては、総抗コリン薬負荷3以上の割合が10%を超えるという傾向がございました。
 32ページに参ります。こちらは、薬剤起因性老年症候群の減薬のグループ分けをお示ししたものでございます。分類は、在宅医療で遭遇しやすい薬剤起因性老年症候群の減薬の一覧より設定させていただいております。
 では、33ページでございます。こちらは、先ほどお示ししたグループにどのような薬剤が含まれているのかを一覧で示したものとなっております。
 34ページでございますが、こちらは、各グループの薬剤の分類が、どのグループに属しているのかをお示ししたものでございます。上に示されている薬剤に関しては、グループを重複して所属しているというものとなってございます。
 では、35ページでございます。こちらは、薬剤起因性老年症候群の処方割合の評価の方法をお示ししたものでございます。左側の個人属性の分類内で、処方割合の10%以上の差があるものに関して、ハイライト表示をしてございます。36ページ以降の結果につきましては、こちらのハイライト表示されているところを中心に御覧いただければと考えております。
 では、36ページでございます。こちらは、薬剤起因性老年症候群の減薬の薬剤分類別の処方割合でございます。左側に行くほど処方割合が高いというものでございます。多いものとしては、便秘薬、睡眠薬、NSAIDs、そういったものが高いという結果でございました。
 37ページでございます。こちらは、グループ別個人属性ごとの薬剤の処方割合を示したものでございます。薬剤起因性老年症候群の原因薬を処方されている方は、グループ全体で7割以上の方が処方されているという状況でございました。特に差が大きく表れているグループとしましては、グループ4(食欲不振)のグループであり、少ないグループとしましては、グループ9.2(不眠)に関する薬剤でございました。また、入院前後を比較すると、特に、処方割合に一定以上の差は見られないという状況でございました。
 38ページでございます。こちらのスライドでございますが、特に状態の悪い方で、処方されやすい利尿薬や抗精神病薬、認知症治療薬を除いた場合の処方割合を示しているものでございます。参考としてお示しいたします。
 では、39ページ、「まとめ」でございますが、ほとんどの個人属性で、処方薬剤種類数が6種類以上のものが半数を占めてございました。また、受診医療機関が2つ以上となりますと、処方薬剤種数は二、三種類多くなり、6種類以上の薬剤を処方されている患者の割合が二、三十%高くなるという結果でございました。
 これらのことから、薬物治療の全体像の把握に努め、一元管理することがポリファーマシー対策の重要な観点となり得ると考えております。
 また、抗コリン薬、薬剤起因性老年症候群の原因薬の処方割合が今回明らかとなりましたので、今後、属性に応じた注意すべき薬剤等を整理し、ポリファーマシー状況の改善を図る指標を検討してまいります。
 また、40ページでございますが、今後、PIMsに該当する薬剤の処方傾向及びNDBオープンデータを用いて、今回使用したデータとの処方傾向の比較を実施してまいります。
 弊社からの説明は、以上でございます。
 それでは、座長にお戻しいたします。
○印南座長 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、御質問や御意見等がありましたら、お願いいたします。
○池端構成員 ちょっと一点だけいいですか。
○印南座長 どうぞ。
○池端構成員 池端です。
 一応確認なんですが、広島県は、広島県の各医療関係団体と地区の医療関係団体ですが、このデータは県全体のデータということでよろしいですか。ある地区のデータなのか、県全体のデータなのか。
○事務局 事務局からお答えいたします。
 先ほど御紹介しましたデータの分析については、先ほど御説明した、実際に普及啓発活動を行っている地域とは別でございまして、八王子市のレセプトデータの解析となっております。
○池端構成員 それを広島で、また。
○事務局 すみません。2つの事業が結構分かれておりまして、まず、ポリファーマシーの手順書を普及啓発していただく事業を、埼玉県と広島県のほうで行っております。
 もう一つ、別建てとして、ポリファーマシーの改善の指標として、どのようなものがあるだろうかという探索を。
○池端構成員 また別ですか。
○事務局 そのとおりでございます。
○池端構成員 流れてきたので、あれっと思ったので。すみません。ありがとうございます。
○事務局 説明が不足しており、申し訳ございません。
○印南座長 ほかに御質問等は。
 北澤先生、お願いします。
○北澤構成員 北澤です。貴重なデータをどうもありがとうございました。
 処方薬の種類数が6種類以上の方が、どの属性でも半数以上を占めているという実態をよく理解することができました。教えてほしいのですけれども、「まとめ」のところで、処方期間を考慮できない等の理由により、やや過大評価される可能性があると書いてあるのですけれども、これがどういう意味なのか、少し理解できなかったので、ご説明をお願いできればと思います。よろしくお願いします。
○NTTデータ経営研究所 今回のデータ分析を担当しました医療経済研究機構の浜田と申します。私のほうから御説明させていただきます。
 今回用いたレセプトデータですけれども、データの粒度が少し粗いというところがあって、何日分がいつ処方されたかがはっきりしないという感じで、例えば3日処方された薬とか、7日間処方された薬とかあるのですけれども、そういったところの区別がちょっと難しいところがあったので、それを分けずに評価しています。そのため、短期間しか処方されていない薬も薬剤種類数に含まれてしまっているので、少し過大評価されているリスクがあるかなと考えております。
○北澤構成員 どうもありがとうございました。同時に6種類飲んでいるわけではないかもしれないという、そういう理解でよろしいわけですね。
○NTTデータ経営研究所 おっしゃるとおりです。ただ、ほとんどの薬が定期的に使われている薬なので、そんなに大きな違いはないかなと思います。
○北澤構成員 ありがとうございました。
○印南座長 ほかに。
 それでは、石田先生お願いします。
○石田構成員 1点だけちょっと確認なんですが、先ほどの御報告の中で、普及啓発の活動について、これは、対象の県の取り組みかと思うのですけれども、社会保険委員の方々で、ポリファーマシーコーディネーターを担っていただいて、その方が中心になって、県民向けの啓発活動に取り組むというお話を聞きました。これは、そこの県の独自の役割というものであるのかどうかについて、今後は、そういった形が広がっていくのかどうかというのを確認させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○NTTデータ経営研究所 NTTデータ経営研究所の西尾と申します。お答えいたします。
 ポリファーマシーコーディネーターにつきましては、昨年度の委託事業で業務手順書を作成しておりまして、その手順書の中で、地域の中で、ポリファーマシー対策をリードする存在として新たに位置づけたものでございます。今回、埼玉県におきまして、ポリファーマシーコーディネーターを試行的に設置、運用することで、どのようなよい効果が出るかということを見ていこうとするものでございます。
 以上でございます。
○印南座長 よろしいですか。
○石田構成員 ありがとうございます。
 これは、今後、全国的に広がるのかどうなのか、その辺は、まだこれからというところと理解してよろしいのですか。
○事務局 事務局からお答えいたします。
 この手順書でも、こういったやり方があるのではないかという1例で、地域ポリファーマシーの旗振り役がいたほうがいいのではないかということで、御案内をしているところでございます。
 今後、次の議題でも御説明をするのですけれども、実際にそういう活動してみてよかったかどうかというところのエビデンスを構築していきまして、もし、そういったことがやはり必要だよねということであれば、事例を横展開というか、こういうやり方もありますよということで、啓発を続けていくものかなと考えております。
 以上でございます。
○石田構成員 ありがとうございました。
○印南座長 それでは、溝神先生お願いします。
○溝神構成員 ありがとうございます。国立長寿の溝神です。
 埼玉県のほうの会議が11月14日、そして、1月9日に実施されると。こちらのほうは進んでいるような感じがいたしますけれども、広島県においては、12月9日に実施されて、次が2月ということで、地域ポリファーマシーコーディネーターは既に選出がされていることが分かりまして、県全体の会議体としての運用はできていると感じますけれども、薬剤調整支援者の選定について、これは2月頃に行われると考えると、これは実際のアウトカムとして、アンケート調査の結果が見られるのかどうかというのが、ちょっと気になっております。
 というのも、参考資料5に、地域ポリファーマシーコーディネーター及び薬剤調整を支援する者向けの調査票がございまして、これに関しては、2月までの報告書でまとめ切れるのかどうかというのをお答えいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○NTTデータ経営研究所 NTTデータ経営研究所の西尾と申します。御質問ありがとうございます。
 埼玉県、広島県それぞれ県の会議体を構成する主体が異なっている都合上、最初の会議の実施時期が異なってくるというように考えております。そうした中で、広島県につきましては、初回の12月9日の会議で、本事業への対応として、ポリファーマシー対策をどのように行っていくかというのを初めて検討したというところで、薬剤調整支援者の選定が、埼玉県と比べると少し後ろ倒しになるのは、やむを得ない部分もあるのかなと考えているところでございます。
 そうした背景の中、今、御質問いただいた、この事業の中で、アンケート調査で、薬剤調整支援者の運用結果を回答できるのかというところですけれども、そちらについては、少し難しいのかなと考えているところでございます。
 以上です。
○印南座長 よろしいですか。
○溝神構成員 ありがとうございました。
 もう一点だけよろしいでしょうか。埼玉県の県全体の会議体が、薬剤師会のみとなっているかと。つまり薬剤師のみとなっておりますけれども、アンケート調査には、それ以外の職種等を記載するようなところがあるかと思うのですけれども、このあたりは、埼玉県としては、薬剤師のみということで、回答がされるという認識でよろしいでしょうか。
○NTTデータ経営研究所 お答えいたします。
 埼玉県の県全体の会議体は、埼玉県薬剤師会様が開催する社会保険委員会となります。ポリファーマシーコーディネーターは基本的に薬剤師が任命される方針となっております。
 以上でございます。
○印南座長 それでは、藤原先生お願いします。
○藤原構成員 一応確認なのですけれども、埼玉県で、今後、参加が見込まれる関係者の中に、埼玉県医師会、訪問看護師とありますが、こちらは賛同されているということでしょうか。
 今後、普及啓発活動の本来の目的を考えると、処方するのはやはり医師ということになりますので、ここがどの程度のかかわりを持つのかということが、このポリファーマシー対策については、大事なところになるだろうと思います。ただ、基本的な考え方として、数が多ければ悪いというわけではもちろんないと思いますし、副作用の対策が主眼であろうかと思いますし、いわゆる重複になっている対応とか、あるいは少なかったときに見つけられるようにということが疑わしいので、そういう対策の面は確かにあるだろうと思います。
 それを思ったときに、埼玉県では、薬剤師が主体にやっていますということになるのですけれども、医師会がどういうふうにかかわっているのかというのが、この内容では説明がよく見えなかったので、その辺はどんなふうに進めているのか分かるように教えてください。
○NTTデータ経営研究所  埼玉県様の状況についてお伝えいたします。埼玉県につきましては、埼玉県薬剤師会様から、県の医師会様へ本事業の御報告しておりまして、どのような事業かご説明しているとお聞きしているところでございます。
 広島県様につきましては、県全体の会議体で、参加機関はこちらのほうにも記載がございますが、広島県医師会の方にも御参加していただいてございます。この中で、今後、どのように本事業を進めていくのかというところを議論していただくという形で、参加いただいているというところでございます。
 補足になりますが、埼玉県のほうにつきましても、まず、県全体で、県医師会様と話をしているというところと、あと、地域単位におきましても、各地域でポリファーマシーコーディネーター及び薬剤調整支援者と医師が連携をとりながら、本事業を進めていくというところはお聞きしているところでございます。
 以上となります。
○印南座長 よろしいですか。
○藤原構成員 これから先の令和7年度以降のお話につながっていくという解釈でよろしいのですよね。ありがとうございます。
○印南座長 ほかにいかがでしょうか。
○池端構成員 池端です。私も、藤原先生と全く同じことをお聞きしようと思ったのですけれども、ただ、そうは言っても、17ページを見ると、この会議体は、あくまでも薬剤師会の中の会議体ということで進んでいるように見受けられるのですけれども、福井県でも、医療費適正化事業等で、薬剤師会と、そこに処方する医師が入らないと全然進まないのですよね。だから、会議体そのものの中に、地域では、郡市区等医師会、上では、県医師会、薬剤師会が会議体の中に入ってないと、この事業は進まないと思うのですが、いかがでしょうか。
○事務局 事務局からお答えいたします。
 埼玉県のほうは、担当の方にもお話を聞きますと、先ほど会議体の中に入れたほうがよいということで、どちらかというと薬剤師会さんの役員とか、その地域の方が医師会さんとかの会議に出向いていって、いろいろと協力してくださいということで、御協力を依頼するという形と聞いております。
 中に入るということですと、先ほど御説明があった、広島県のような形態になると思うのですが、こちらはこちらで、いろいろな関係団体に声をかける都合上、会議体の構築までにかなりの期間を要するということも、課題として聞いておりますので、そういったことも踏まえまして、今年度の取りまとめのときに、会議体をつくるにせよ、あとはその会議体に医師会などを、外の会議に出ていって協力を取り付ける方式にせよ、どういった課題とか、どういったよい点があるかというところについては、各都道府県から聞き取りをして、まとめたいと考えております。
○池端構成員 分かりました。ただ、この中間報告を見ると、薬剤師会独自でどんどん行っているようなイメージになってしまうので、それは少し工夫されたほうが、これを横展開するときに、そこで何か変なトラブルにならないとも限らないので、その辺は少し御注意いただければと思います。
○事務局 ありがとうございます。
○池端構成員 以上です。
○印南座長 それでは、会場で滝田先生から手が挙がっていると聞きましたので、お願いします。その後は、秋下先生、それから、筒井先生お願いします。
○滝田構成員 ありがとうございます。日本製薬団体連合会の滝田でございます。
 報告書の17ページに、「ポリファーマシー対策に関する既存の冊子」と書かれているのですけれども、こちらは、多分、適正使用協議会と秋下先生と製薬協でつくった資材のことを指しているのではないかなと思います。
 質問ではなくて、コメントですけれども、この資材自体は、今年の10月の「薬と健康の週間」に併せて、一部改定させていただいておりまして、都道府県の薬剤師会からの資料請求ベースでの活用状況は、今年度は約8万冊となっております。ほかにポスターが約2万枚、カードが6万枚ぐらい請求を受けております。
 先ほどの都道府県独自で取り組まれているところもあるということでしたので、一概にどうのと言えないのですけれども、正直申しまして、かなり自治体ごとに請求数のむらがあるというのは事実でございますので、今後の取り組みで、多分、横に展開していくようになっていくのかと考えております。
 あと、産業界として、懸念というほどでもないのですけれども、最近、薬を減らしたほうがいいというふうに書かれている週刊誌もあって、患者様の「多剤投与は全部悪い」というような誤解につながらないように、あくまでも、先ほどお話がありましたように、医師と薬剤師の先生方の指示に従って服用するのが第一という前提で患者様への啓発活動等を注視させていただきたいと思っております。
 以上、コメントとなります。ありがとうございます。
○印南座長 それでは、秋下先生お願いします。
○秋下構成員 私からは、今まで質問の出た内容について、この事業にかかわっている委員会の委員長として、少し補足をさせていただきたいと思います。
 埼玉県と広島県ですね。2県の事業ということに今回はなっているわけですけれども、見ていただくと、広島県は様々な団体が入っていて、その段階で多職種になっていますし、非常に多くの団体からなっているということで、安心感がある組織をつくり上げているかなと思います。一方で埼玉県のほうは、先ほど来あるように、薬剤師会が主導で、医師会がついてきているのかどうか、それ以外の団体がどうなのかというのが構造的には気になるところなのですね。
 ただ、これはあくまで事業なので、例えば、今後、横展開していく際に、各都道府県を考えたときに、広島県のような組織にするところと、埼玉県のような組織で臨むところとあると。薬剤師のほうがポリファーマシー問題に対しては非常に熱心ですので、どうしても薬剤師会が引っ張る形というのが多くなるのかなと。そうでないとなかなか進まない部分があるのかなというのがあります。
 ですので、埼玉県の形は、実際には、地域のレベルで各地域の医師会あるいはそのほかの職能団体とつながっていくとみることができます。あとは、地域の中での個人レベルでの多職種協働が実際には行われるのではないかと、そういうモデルもあるのかなと思いつつ、実際に、どういうふうに実施されるのかを見ていきたいと思います。
 広島県のほうは、組織的には非常に安心感がある構造ですが、一方で、先ほど溝神構成員からも意見がありましたように、図体がでかいからなのか、会議も進んでいないし、本来のこの事業の目的とするところまで、年度内にたどり着けるのかどうか怪しい状況にあると、機動力の点で劣るのかもしれないと、そういう欠点もわかればそれはそれで面白いのかなと思います。広島県も埼玉県も、これまでポリファーマシー対策に関しては、非常に熱心に取り組まれてきた県でありますけれども、実際には、このような状況であって、今後、そうでもない都道府県に広げていくときに、どうやるのかなというところを見ていきたいと思います。
 以上、私も気になっていた点ですけれども、感じるところを補足させていただきました。
○印南座長 それでは、筒井先生、その後、橋場先生お願いします。
○筒井構成員 ありがとうございます。日本病院薬剤師会の筒井でございます。
 今、秋下先生のほうから、補足で情報提供をいただきましたので、それで、十分理解をすることができました。
 私のほうから、御説明があったかもしれないのですけれども、普及啓発活動というところで、県民向けに、それぞれの県が実施方法として挙げているのが、健康窓口での配布、どちらも期間を区切っての配布といった形になっています。これまでも、先ほどお話もありましたように、それぞれの地域で取り組み方に差はあるかと思います。ここでの配布が、これまでの取り組み状況と違った配布方法をされるという認識でよろしいのでしょうか。
○印南座長 いかがですか。
 配布上の何か工夫があるのかという御質問ですよね。
○筒井構成員 そうです。
○印南座長 回答をお願いします。
○NTTデータ経営研究所 回答いたします。過去の配布方法との違いという点に関しましては、自治体から確認できていないという状況になっております。
普及啓発活動の中で、埼玉県薬剤師会様から、薬剤師の方向けに実施させていただいている状況でございます。その中で、普及啓発活動の県民向けの一環として、資料の紹介や、どのように使えばいいか、そういったレクチャーがあったというところはお聞きしているところでございます。
 以上でございます。
○筒井構成員 ありがとうございます。
 多分、活動状況のアウトカムというか、結果を検証ということなので、どういった配布になったかということも、また、お知らせいただけたらなと思いました。
 以上です。
○印南座長 橋場先生、お願いします。
○橋場構成員 ありがとうございます。日本薬剤師会の橋場です。
 まず、埼玉県のことですけれども、私が知り得ているところでは、先ほど秋下先生もおっしゃっていただきましたけれども、埼玉県はかなり複数年にわたってポリファーマシー対策事業をやっていらっしゃると私は存じています。その中で、何かしら他団体と関係性ができている、特に医師会さんとかと関係性ができている中で、今回の事業を始めているとお聞きしているのですけれども、そのあたりのことを、背景とか経緯とか少し分かれば、ありがたいなと思ったのが1点です。
 後ほど、データ分析のことも少しお聞きしたいので、まず1点目、よろしくお願いします。
○印南座長 お願いします。
○事務局 先生のおっしゃるとおりでございまして、実際に埼玉県の薬剤師会さんのほうに進捗の確認等をしているときに、県の医師会もそうですし、地域の単位の医師会さんでも、もともと県の事業として取り組まれていたという経緯もございまして、十分に顔が見える、話ができる関係性は構築されている状態とお伺いをしております。
 ですので、新規の会議体を立ち上げるというよりは、こういうことをまたやりますということで、御協力ということで、適宜、情報共有とか、あとは意見交換をしているものと認識をしております。
 以上ございます。
○橋場構成員 ありがとうございます。
 そうしましたら、今回、中間報告ですけれども、最後のまとめのところで、その辺の経緯とかも一緒に御報告いただけるとありがたいと思いました。
○事務局 ありがとうございます。
 埼玉県のほうに、実際に事業の内容を御報告いただくときには、そういった点にも留意いただくようにお伝えしたいと思います。ありがとうございます。
○橋場構成員 よろしくお願いします。
 あと1点、データ分析のところでお伺いしたいのですけれども、資料で言うと29ページになるのですが、ここで下からブルーのところで3つ、外来と在宅と特養と分かれてございます。特養が10種類以上のところで少ない。左側の0種類から9種類のところを見ても、ほかの例えば在宅と比べても、3種類から6種類ぐらいのところにピークが来ているという感じで見て取れるのですけれども、特養のほうで、こういった結果になっているというのは、何か原因みたいなのが分かると、今後のポリファーマシー対策のヒントにもなるのではいう気がしたので、もし、今のところで分かっているところ、もしくは、今後、何かしら分析ができるのかというところをお知らせいただければと思います。
○NTTデータ経営研究所 では、浜田からお答えさせていただきます。
 今回のデータから、特養で特にどのような取り組みがされたということは分からないのですけれども、状態の悪い方とか、看取りが近づいてくる方ですと、減薬が進められることはあるかなというのが1点あります。
 また、今回、外来、在宅、特養という形で療養環境別の調査結果をお示ししていますけれども、健康状態は必ずしも調整はしていない結果になりますので、直接的な比較は少し難しいデータになっています。その辺を考慮すると、もしかすると、ほかの療養環境の方と健康状態が似ている場合には、同じような結果になっている患者さんもいるかと思います。
○橋場構成員 ありがとうございます。
 今回、八王子市のデータかと思いますけれども、これを、今後、NDBに広げていくという中で、今の点での何か分析みたいなのは可能なのでしょうか。
○NTTデータ経営研究所 例えば、厚生労働省がお持ちのデータですと、全国の医療と介護のレセプトデータが連結されたものがあります。そういうのを使うと、例えば全国の特養に入っている人でどういった処方かというのが検討できるかと思います。
○橋場構成員 ありがとうございます。
 私は分析のプロでも何でもないので、あれですけれども、もし、そういったことも考慮いただければ、ありがたいと思いました。
○印南座長 藤原先生、お願いします。
○藤原構成員 八王子市のレセプトデータを分析するということで、例えば特養ですけれども、介護度3以上の人が入っているということで、そういう意味では、そこだけ見ればそろっているのですけれども、秋田県の特養に入っている人と東京都の特養に入っている人たちは、多分全然違っているのではないかなという気がしているのですね。年齢層も違うし、例えば認知症が増えている地区が入っているような感じがします。その違いは小さくないと思うのです。だから、もし、本当に医療サービスを提供するということになれば、どんな状態でどんな薬が処方されているのかということを考えないと、違った結論が出てくる可能性があるのではないかなと思いますので、その辺も含めて考えていただいたほうがいいのではないかと思いました。
 こちらは質問ではなく、意見だと思っていただければと思います。
 以上です。
○印南座長 ほかにいかがでしょうか。
 お願いします。
○齋藤構成員 国衛研の齋藤でございます。
 データ分析についてお伺いしたいのですけれども、大変詳細なデータをありがとうございました。39ページ目に、薬剤起因性老年症候群の原因薬ということで、矢印で今後の検討に関しまして、属性に応じた注意すべき薬剤等を整理し、これは個別の薬剤の分類について整理されるという理解でよいのか。それとも、別にあるのか。また、ポリファーマシー状況の改善を測る指標を検討するとありますが、これは、原因薬の処方割合以外に、何か指標をお考えなのか、今後のことで恐縮ですけれども、浜田先生にお伺いできればと存じます。よろしくお願いします。
○NTTデータ経営研究所 そちらにつきましては、まとめ全体の今後の行うべきこととして挙げているかと思いますので、実際には、今回示したデータがスタート地点になって、ここから改善を目指していくべきものを探していくということになるかと思いますので、それからもう少し詳細に見ていきながらということだと思います。
 先ほどお話がありましたように、療養環境別掛ける例えば要介護度などのデータも今、準備しているところなので、そういったデータも参考になるかなと思っております。
○齋藤構成員 ありがとうございます。
 それでは、今後、特に注意すべき、対象にすべき集団を明らかにする、そういう理解でよろしいでしょうか。
○NTTデータ経営研究所 はい。
○齋藤構成員 分かりました。ありがとうございます。
○秋下構成員 今の点に関して、少しよろしいでしょうか。
○印南座長 秋下先生、お願いします。
○秋下構成員 今、御指摘いただいたのは非常に重要な点でございまして、ワーキングのほうでも議論になった点です。特養と要介護度という点ですが、特養という施設に入っているからこういう処方状況になるのか、要介護3以上の状態にあるからこうなるのか。要支援が一番多くて、要介護度が進むと薬が減ってくるというのは、ほかの地域などでも、同じような傾向はみられますが、それが要介護度の問題なのか、施設形態の問題なのかというのは、しっかりと分析しておく必要があるので、浜田先生にはその点を、またお願いしたいと思います。
 ポリファーマシー状況の改善を図ることについては、先ほど、藤原先生からもお話がありましたけれども、この検討会では数の問題よりも中身が問題なんだという点を当初からからずっと強調してきていまして、今までだと、薬剤数がどれだけ減ったかみたいな話になるけれども、この検討会で見たいものは、その中でもハイリスクなものであると。それは、例えば薬剤起因性老年症候群を引き起こすような薬であったり、その中でも、特に抗コリン作用のあるような薬であったりと、そういうところを共通の指標で見られるような形にしたいということでの今回の分析ということになろうかと思います。そういう視点で分析をしていただいていると御理解いただければと思います。
○印南座長 ほかはいかがでしょうか。
 私からよろしいですか。
 まず、普及啓発活動ですけれども、これは、対象はコーディネーターの方は、一般の薬剤師さんやお医者さん、さらに、その後、普及啓発活動の対象は県民と理解してよろしいのですか。
○NTTデータ経営研究所 NTTデータ経営研究所でございます。
 コーディネーターについては、薬剤師に限らず、医師とか、ポリファーマシー対策に詳しい方であれば、どのような職種でもよいと考えております。ただ、実質的には、薬剤師の方も多くなるのかなと思います。
 普及啓発の対象につきましては、県民の方もあると思いますけれども、医療従事者の方に、まずは普及啓発するというところも重要なのかなと考えておりまして、実際に、今回、埼玉県でも、薬剤師の方を対象として普及啓発が先日行われたという状況でございます。
 以上でございます。
○印南座長 もし、一般県民等にも普及啓蒙活動するのであれば、最近よく使われているナッジnudgeですね。ナッジって御存じと思いますけれども、この場合は、長期利得ナッジとか、社会規範ナッジみたいなのが、恐らく適用可能だと思うのですね。ぜひ、そういうのを活用してくださいといいますか、これは、NTT経営研究所だけでなくて、県のほうにも伝えていただきたいと思います。
 それから、分析のほうで、ちょっと質問といいますか、これは八王子市だけの分析になっていますけれども、先ほど秋下先生の話では、ほかの地域のデータもあるように私には聞こえたのですが、そうであると、比較することは可能なのでしょうか。
 というのは、特養、要介護度の問題だけではなくて、地域性みたいな問題があると、結果の解釈を間違ってしまうので、そこはいかがなのでしょうか。別に、やれと言っているわけではないので、できるのかどうかということをお聞きしています。
○秋下構成員 私が余計なことを口走ってしまいましたが、私どもは広島県呉市のデータなどを分析させていただいてきており、その経験からお話をしました。
 次年度以降になるかもしれませんが、比較できればと思います。
 それから、浜田先生が、NDBオープンデータから、NDBオープンデータで分かる属性的なものも含めてだと思いますが、処方傾向については、八王子市のデータが特殊なものなのか、そうでもないのか、日本全体をある程度代表できるデータなのか確認をいただくということなので、最終報告されるときには、そういった視点からの報告になるかと思います。再現性については、持ち寄ってということになろうかと思います。
 以上です。
○印南座長 ありがとうございました。
 ほかに御意見、御質問等あれば、お願いしたいと思います。
 よろしいでしょうか。
 非常に御活発な議論をいただき、多様な意見が出ました。一言でまとめるのは難しいのですが、特に自治体の今後については、医師会といいますか、医師の関与が明確になるような形でぜひ進めていただきたいなと思います。それ以外は多様な意見が出ましたので、それをまとめて、伝えていただくことにしたいと思います。
 よろしいですか。
 引き続き、厚生労働省及び委託事業者等において、今年度事業を進めていただき、事業実施の結果を検討会に、今後、御報告していただきたいと思います。
 以上で、議題1を終わりにいたします。ありがとうございました。
 続いて、議題2、「令和7年度事業について」事務局より説明をお願いします。
○事務局 議題2の「令和7年度事業について」御説明いたします。資料2の2ページを御覧ください。
 まず、「現状と課題の整理」ですが、高齢化が進む中で、ポリファーマシー対策はますます重要な課題となっています。ポリファーマシー対策を推進するため、厚生労働省では、これまで指針や業務手順書を作成し、環境整備を進めてきました。また、ポリファーマシー対策は、詳細な薬剤情報だけでなく、症状やADL等の様々な情報に基づく評価が必須であり、他職種が対策の重要性の認識を共有し、連携して取り組むことが重要です。しかし、対策の効果について、十分なエビデンスが創出されておらず、強固な共通認識が醸成されない課題があります。この対応策として、令和6年度事業では、議題1で御説明したとおり、レセプトデータ分析による指標の把握と、一部地域において手順書に定めたポリファーマシー対策の試行と普及啓発活動を行っているところです。
 このような状況を踏まえ、令和7年度は、より強固なポリファーマシー対策業務の効果に係るエビデンスの入手を目的として、ポリファーマシー対策について一定の普及啓発がなされた地域において、実務的な内容を含めた、より一層のポリファーマシー対策業務の推進を図るとともに、令和6年度に得られた指標の検証等を行うための調査を実施してはどうかと考えております。具体的には、例えば令和6年度に得られた指標について、地域での普及啓発や手順書の導入等を行う前後でどのような変化があるのかを調査すること、ポリファーマシー対策を実際に行った医療従事者等や患者に対して、薬物有害事象の減少、服薬アドヒアランスの改善等があったかどうかを調査することでどうかと考えております。
 3ページには和8年度までの事業イメージをお示ししておりますが、令和8年度では、令和7年度の事業状況に応じて、不足する情報等があれば引き続き調査を実施し、強固なポリファーマシー対策業務のエビデンスを得ていくことを考えております。
 また、以降は御参考となりますが、4ページ目、5ページ目は、前回の検討会でお示しした資料であり、これまでの事業内容と令和6年度の取組みをまとめております。6ページ目には、先日、閣議決定された認知症施策推進基本計画の一部をお示ししております。ポリファーマシー対策の推進について記載がございますので、御紹介させていただきました。
 御説明は以上となります。
○印南座長 ありがとうございました。
 内容について、御意見、御質問等があれば、お願いいたします。
 池端先生、お願いします。
○池端構成員 日本慢性期医療協会の池端です。
 基本方針について異論は特にありませんが、ただ1点、ちょっと事務局に御確認させていただきたいのは、今、令和7年度になると、このマイナ保険証の利用率をどんどん今、3割ぐらいに加算はなってくるし、あと、電子処方箋も少しずつ進めていくと思うのですね。
 そうすると、そこの膨大なデータが取れる可能性が出てくるので、それをこのポリファーマシーにぜひ生かしていただきたいと思うので、令和7年度は難しくても、令和7、8年にかけては、少しそういうスキームを何か視野に入れた書きぶりを入れておくといいのかなと思いますけれども、いかがでしょうか。
○事務局 御意見ありがとうございます。
 前回の検討会等でも、電子処方箋とかマイナ保険証でのデータということで、御意見をいただいていたかと思います。こちらも、どのように取組みを推進していくかを横目に見ながらにはなりますけれども、実際にそういったものが活用可能になった場合には、ぜひ、そういったところでもどういう情報が取れるかというところで読み込めるようにはしていきたいと思います。ありがとうございます。
○池端構成員 よろしくお願いします。
 以上です。
○印南座長 それでは、溝神先生お願いします。
○溝神構成員 溝神でございます。ありがとうございます。
 私のほうからは、大きく2点ですけれども、令和4年度に、モデル地域において実際にポリファーマシー対策に取り組み、地域での取り組みにおける課題抽出等を行うというのをたしか行ったかと思うのですけれども、そことのすみ分けをしっかりと行わないといけないかなと思っておりまして、今の御説明からすると、課題に取り組んだということで、引き続き、例えば広島県と埼玉県で行われるのであれば、たしか令和4年度のほうでも、広島市薬剤師会からの御報告があったかと思いますので、そのあたりをどのようにすみ分けをするのかというところを確認しないといけないかなと思っているのと。
 あと、この一番下のポリファーマシー対策を行った際に、医療従事者等や患者に対して、どのような変化、薬物有害事象、服薬アドヒアランス等の改善を調査とありますけれども、この場合は、その患者とかも見るのであれば、当然、患者等への同意とか、倫理的な配慮が必要になると考えますと、倫理委員会に提出して、対応を行うとなると、なかなか単年度の事業として、患者のアウトカムとかも見るのは非常に難しいかなと思うのですけれども、そのあたりはいかがでしょうか。
○事務局 ありがとうございます。
 まず1点目でございますけれども、令和4年度におきましても、広島市とかそういったところについて、実証的なところを取り組んだところでございます。
 ただ、こちらは、令和7年度、令和8年度にかけては、例数が少ないなど、エビデンスとしてもうちょっと強度があるものをつくりたいと考えておりまして、そのあたりで、前年度の手順書を作成する際に課題を抽出するということで、試行的にやったものと、ただ、手順として固まったものについて、実際に試行してみて、どういった改善があったのかというのを見たいというところでございます。
 そのことにも関連するのですけれども、御指摘のとおり、患者さんのことを取ろうと思いましたら、同意を取るとか、あと、倫理的な配慮というところで、いろいろと検討すべきことがあると考えております。ですので、資料にお示ししているとおり、実際、予算事業としては単年度ですけれども、令和6年度、令和7年度、令和8年度という形で、足りないところがあれば、令和8年度に引き続き実施をしていって、最終的な実際の患者さんにどのようなよいことといいますか、薬物有害事象が実際に減ったのかどうかといったところまで見ていきたいと考えておりまして、それが、令和7年度の枠に入り切るかというところは、確かに課題としてはあるのですけれども、引き続きやっていきたいと考えておるところでございます。
○印南座長 ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。
 ほかに御意見。
 秋下先生、お願いします。
○秋下構成員 今、溝神構成員からいただいた意見に関してですが、私も気になるところです。それで、令和4年度と令和7年度で何が違うかというと、地域におけるポリファーマシー対策の手順書が作成されていて、令和6年度にモデル地域でそれを実装していただいたということだと思います。そうすると、そこを検証するのが一番のポイントになるのかなと。ただ、うまく検証できなかったときに問題なので、少し曖昧な書き方というか、少し広めには書いてあるのですが、一番フォーカスされるのは、多分、埼玉県と広島県であり、そのほかの地域でも業務手順書を実際には使いましたというところがあれば、そういうところで業務手順書を導入して、ポリファーマシー対策を行う前と行った後でどうなったのかというようなことを見るのが、一番のこの検討会としての関心事項かなと思います。そこをしっかりと評価していただくようなことを、事務局のほうで調整していただくことをお願いできたらと思います。私としては、そのように考えています。
○事務局 ありがとうございます。
○印南座長 ほかにいかがでしょうか。
 藤原先生、お願いします。
○藤原構成員 令和7年度事業についてお伺いすると、ポリファーマシー対策を行わない場合、行った場合の変化について調査とありますが、広島県、埼玉県はこれを使って行った場合の変化を見ると考えればいいということでしょうか。
○事務局 先生、ありがとうございます。
 1例として、そういったところで比較したいと考えておりますけれども、実際にどういう比較が可能なのか、どういった比較のほうが適しているのかということについては、実際に研究をされている先生方とか、いろいろ御意見を聞きながら、どういった方策がよいかというのは、今後、詰めていきたいと考えておりますが、手順書がある場合とない場合と申しますか、そういったところで何か比較ができるようなデザインにしたいなと考えております。
○藤原構成員 分かりました。
○印南座長 ほかはいかがですか。
 石田先生、お願いします。
○石田構成員 視点がちょっと違うのかもしれませんけれども、こういった形で、ポリファーマシーに関する普及啓発ということの研究事業の中で、先ほど発表されたように、例えば10種類以上の薬剤を服用している方が2割以上いるとか、6種類以上だと半数を超えるという、この部分だけがよく切り取られて、いろいろな形で広報されてしまうということがあります。利用者というか、患者さんにしてみると、そこだけの限られた情報によって不安をかきたてられてしまって、今現在、たくさん薬を飲んでいるけれども、大丈夫なのか、やめた方がいいのではないか等、思い悩んでしまうことがあると想像します。こうしたマイナスの影響があることを懸念しております。引き続き、来年もこの事業を展開していく中で、今回のこの普及啓発の一番の目的は、医療従事者を中心とした薬剤師さんなどに、それをより理解していただくということではありますけれども、それに加えた波及効果といいますか、特に、薬剤のことについては素人の患者にとっては、受け取り方次第で非常に誤った情報になりかねないと思います。こうした情報の発信の際には、局解されやすい内容が独り歩きをしないような、そういった配慮もぜひ併せてやっていっていただきたいと思っておりますので、これは患者側の意見として、申し述べておきたいと思います。
○印南座長 事務局から何かありますか。
○事務局 ありがとうございます。
 今回の委託事業の調査検討会の中でも、医療従事者への啓発もあるけれども、実際に、その患者さんとか、国民の皆様への普及啓発活動についても、引き続きどんな方法があるのか、どういった情報を伝えていくのか、検討が必要だよねという御意見をいただいておりますので、こちらについても、また、今年度以降の課題として、引き続き御議論をさせていただければと思っております。ありがとうございます。
○印南座長 それでは、美原先生お願いします。
○美原構成員 全日本病院協会の美原でございます。
 教えていただきたいのですが、令和7年度の案で、令和6年度で検討した指標の検証と書いてあるわけですが、この指標とは具体的に何なのですか。例えば病院ですと、平均在院日数とか、病床利用率とか、指標というのが明確に分かるのですが、今、検討している指標は、どこか明確に具体的には示されているのですか。
○事務局 ありがとうございます。
 現在、こちらは、先ほど資料1で御報告しましたとおり、検討中でございますので、今、明確にこれですとお示しできるものがある状態ではございません。
○美原構成員 ということは、1から10までの指標があって、それが適切かどうかというのを今検討しているのであるならば、1から10の今検討している指標は、どこか明確になっているわけですか。
○事務局 現在、検討している指標自体を探索しているということで、資料1のデータワーキングのほうでお示ししましたとおり、例えば、こういう療養環境にある方が、実際にそのPIMsとか、抗コリン薬とか、これぐらい飲んでいるので、そこについて指標として使えるのではないかということで、データワーキングで議論をしているところでございますので、今は、すみません、具体的にこれですというものをお出しすることはできないのですけれども、今年度事業として取りまとめの中に、例えばこういう指標があるのではないかということを記載させていただいて、それが実際の都道府県、広島県、埼玉県とかそういったところで、介入をした場合にどういう動きがあるのかというのを見たいという趣旨でございます。
○美原構成員 そうすると、ちょっとくどくなって申し訳ないのですが、令和6年度のアウトカムとして、指標1、2、3、4、5が、きちんとした指標であるということが出るわけですね。
○事務局 こういったところがありますということで、最終報告としては出てくるものと認識をしております。
○美原構成員 なぜ、そんなことを聞くかというと、その指標が広く標準化された指標であれば、どこの病院でも調べられるわけですよね。だから、全国の病院においてその指標はどうなっていますかと聞けば、非常に大きなデータを捉えられると思うわけです。
 あるいは、自分の病院においても、その指標を見ながら、ポリファーマシー対策がうまくいっているかどうかことを自ら確認できるわけですね。ですから、そういう意味で、この指標が明確になるのはとても重要なことだろうと思って、お聞きいたしました。
 以上です。
○秋下構成員 先ほどの資料1に記載されていたのですが、PIMsについては、今、改定中なので、今回、検討していません。PIMs、抗コリン薬あるいは抗コリン薬スコアになるかもしれません。それから、薬剤起因性老年症候群、当検討会でつくりました指針の中にある表がありますので、そこに該当する薬物がどれぐらい実際に処方されているのか。その3種類が大まかに言ってその指標になるのかなと思います。
 ですので、それらについて、美原先生のほうからお話がありましたように、現時点で、それぞれの病院とか医療機関の処方状況はチェックすることができるかなと思っています。その中で、どういうデータを示すがいいのかということもありますので、そういうことを浜田先生に分析していただいていると思います。
○印南座長 それでは、藤原先生お願いします。
○藤原構成員 今、秋下構成員からお話があったので、今の流れと外れるかもしれませんが、それに付随して、最初に説明していただいたNTTデータ経営研究所さんの冊子の21ページに、「県民向け啓発資料」があって、これは、広島県と広島県薬剤師会がつくられたもので、「お薬の数が増えすぎていませんか?」と聞いているのですよね。参考資料の「地域における高齢者のポリファーマシー対策の始め方と進め方」に、用語集というのがあって、「ポリファーマシー」のところに、「単に服用する薬剤数が多いことではなく、それに関連して薬物・有害事象のリスク増加、服薬過誤、服薬アドヒアランスの低下等の問題につながる状態を指す。」と言っているのですね。
 別に、医療批判しているということではないのですけれども、ポリファーマシーが何かというのを啓発するのであれば、そこをきちんとしておかないと、間違ったメッセージを送ってしまうことになりかねない。不安をあおることになりかねないなと思っていますというふうに聞きましたので、一言、医者としてコメントをしたいということでお話しさせていただきました。答えていただかなくても結構ですから、そこは啓発するときには十分注意されたほうがいいのかなと思いました。
 以上です。
○印南座長 ほかにいかがでしょうか。
 美原先生、お願いします。
○美原構成員 非常にくどくて申し訳ないのですけれども、我々の病院では、どんなふうにしてポリファーマシー対策をどのように評価しているかというと、一番簡単なのは、もちろん処方薬剤の数だけの問題ではないと十分理解しつつも、薬剤調整加算の算定件数を用いています。どこの病院でもどの薬剤調整加算の算定件数は把握できるわけですよね。実際に、我々の病院でも、ドクターたちに、きちんとポリファーマシー対策をしてくださいとお話しする際、それぞれのドクターごとの薬剤調整加算算定件数を示しているのです。このようなやり方は、あまり格調高くないのですけれども、実際に薬剤調整加算を指標とするのはいいかもしれないと、僕はちょっと思ったと。
 それから、もう一副作用の問題です。どこの病院でも、副作用報告がなされていると思います。薬剤の副作用報告がどのくらいあったかということも指標となりうると思います。実際、我々の病院では、薬剤の副作用があったときに、それがどのような副作用が、どういうような状況で出ているかというのは、薬剤部で検討しており、どこの病院でもできると思いますので、副作用報告件数も指標の一つとして頭の隅に置いてもいいのかもしれないなと思いまして、発言させていただきました。
 以上です。
○印南座長 秋下先生。
○秋下構成員 指標の意義を評価するかということですが、今回の浜田先生の分析だけではまだ十分ではないという可能性はもちろんあります。指標の意義については、今、私が関係している研究も含めて、全国的に多くの研究がなされているのかなと思いますし、論文としても投稿されつつあります。
 例えば、日本老年薬学会で作成いたしました日本版抗コリン薬リスクスケール、これは溝神構成員が中心になってつくられたものですけれども、これについては、作成元の日本老年薬学会で、エクセル版を提供する代わりに研究登録をしていただいているのですが、現在、30以上の研究が登録されています。
 そういうものの中から、恐らく論文になって出てくるものも多くあるかなと思うので、そういった論文を集積して、この検討会として取りまとめておくというのもいいのかなと考えております。学会のほうに委託していただいてもいいかもしれません。ガイドラインなどを作成するときに行うシステマティックレビューという方法なども必要かなと思います。実行部隊が必要ですが。この事業の中にそういうものも含めて考えるということであっていいと。要するに、我々自身がそのデータを集めてくることだけではなくて、論文や研究結果など既に世の中にあるデータもあるので、そういう情報を集めてくるというようなやり方も含めて、次年度の事業を考えていただけたらということで御提案したいと思います。
○印南座長 ほかにいかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 伺っていますと、繰り返し出された意見としては、単なる薬剤の数だけで不要な誤解を招かないように、きちんと説明をするという努力をすること。
 それから、今、秋下先生から説明があったように、これから進むであろう周囲の研究とか論文とかそういうのも取り入れて、随時、事業に組み入れて、中身を豊かなものにしていくということだと思います。
 その他何か、この事業案に大きな修正が必要だとか、何か異議があるとかという御意見があったら、今、お願いしたいと思うのですが、いかがでしょうか。
 よろしいですか。
○平井構成員 すみません。平井ですけれども、よろしいでしょうか。
○印南座長 お願いします。
○平井構成員 直接、この内容そのものではないのですけれども、こういう事業の内容を、例えばいろいろなところで情報提供したりしますよね。そうしたら、やってみたいとか、こういうのに取り組んでみたいとおっしゃる薬剤師の方は結構いらっしゃるのですね。それで、実際にポリファーマシー対策に取り組んで、それを処方医に提案しても、この状態で安定しているから、ちょっと様子を見ましょうという答えが返ってきたり、あるいは、病院等でポリファーマシー対策をして、修正したものを、退院後にまた元に戻ってしまうということがやはりいまだにあるのですけれども、そういった面のことについては、例えば処方を監督するドクターのほうにどの程度その考え方が普及しているのかなというのが、調査というわけではないのですけれども、その辺、いかがでしょうか。秋下先生、どういうふうにお感じになっているか、ちょっとお聞かせいただきたいなと思います。
○秋下構成員 では、秋下から。
 地域によって結構差があるのかなと思います。例えば、この検討会でも、既に神奈川県の調査結果などを報告していただいたかなと思います。そこでは、薬剤師と医師、それぞれの団体を通じて、ほぼ同じようなフォーマットのアンケートを行って、ポリファーマシーに対しての問題意識を聞き取っていただいたところ、よく一致するような結果が得られたということで、神奈川県は結構進んでいると思います。特に医師と薬剤師の連携がですね。ただ、私も全国的にはちょっと分かりませんけれども、当然、ポリファーマシーに熱心なドクターもいれば、ちょっと一歩引いたような方もいる。興味がないということではなくて、対策すると言っても、結構大変ではありますので。ちょっと面倒くさいなということで、ポリファーマシー対策の提案等には一歩引いてしまうけれども、心の中では、ポリファーマシーって大事だよという意識は持っている医師が増えてきていると私は思っています。
○印南座長 平井先生、よろしいですか。
○平井構成員 ありがとうございます。
 数年前は、本当に興味ないみたいなアンケート結果が出ていたような気がするのですけれども、今、秋下先生がおっしゃったように、興味ないというのがむしろ減ってきたというのであれば、頑張ってこういう活動を進めていこうと感じました。ありがとうございます。
○印南座長 そのほか、資料2で提案された案につきましては、何か御意見等がございますでしょうか。
 よろしいですか。
 それでは、事務局の提案をほぼ了承するということでよろしいでしょうか。この前に若干まとめましたけれども、幾つか御意見は反映させるということで、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○印南座長 それでは、以上で議題2を終わりにします。どうもありがとうございました。
 本日予定されている議題は、以上です。
 その他、先生方から何か御意見等があれば、お願いしたいと思います。
 よろしいですか。
 それでは、事務局から連絡事項があればお願いいたします。
○事務局 次回の検討会の日程は、日程調整の上、改めて事務局より御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○印南座長 本日は、活発な御議論、大変ありがとうございました。
 本日の検討会は、これで閉会いたします。
 どうもありがとうございました。