先進医療合同会議(第137回先進医療会議、第167回先進医療技術審査部会) 議事録

日時

先進医療合同会議(第137回先進医療会議、第167回先進医療技術審査部会)
令和6年11月7日(木)16:00~

先進医療会議(第137回先進医療会議)
令和6年11月7日(木)16:50~
 

場所

オンライン開催

出席者

先進医療合同会議(第137回先進医療会議、第167回先進医療技術審査部会)
【構成員等】
新井座長 竹内座長代理 北脇構成員 黒瀨構成員 近藤(晴)構成員 近藤(正)構成員 佐藤構成員
滝田構成員 手良向構成員 長瀬構成員 比企構成員 後藤構成員 平田構成員 山本(紘)構成員
遠藤技術専門委員

【事務局】
審議官 医療技術評価推進室長 先進・再生医療迅速評価専門官 医療課長補佐 医療課主査 研究開発政策課長 研究開発政策課長補佐 治験推進室長補佐 他


先進医療会議(第137回先進医療会議)
【構成員等】
新井座長 竹内座長代理 北脇構成員 黒瀨構成員 近藤(晴)構成員 近藤(正)構成員 佐藤構成員
滝田構成員 手良向構成員 長瀬構成員 比企構成員

【事務局】
審議官 医療技術評価推進室長 先進・再生医療迅速評価専門官 医療課長補佐 医療課主査 研究開発政策課長 研究開発政策課長補佐 治験推進室長補佐 他

 

議題

  1. 先進医療合同会議(第137回先進医療会議、第167回先進医療技術審査部会)
  2. 1 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について
     (先-1)(別紙1)
  3.  
  4. 先進医療会議(第137回先進医療会議)
  5. 1 新規技術(11 月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(案)
  6.  (先-1)(別紙1)(別紙2)
  7.  
  8. 2 先進医療Bの試験終了に伴う取り下げについて
  9.  (先-2)
  10.  
  11. 3 その他

議事

 

先進医療合同会議
16:00開会

○新井座長
 それでは、時間となりましたので、ただいまより、認定臨床研究審査委員会で承認されました先進医療Bに係る新規技術の科学的評価について、「先進医療合同会議」を開催したいと存じます。
 まず初めに、構成員の先生方の出欠状況でございますが、本日は、松山構成員、山本昇構成員が御欠席となっております。欠席されます構成員の先生方からは委任状の提出がございまして、議事決定につきましては座長一任となっております。
 また、先進医療技術審査部会から、平田構成員、後藤構成員、山本紘司構成員に出席をいただいております。
 さらに、先進医療Bに係る新規技術の科学的評価に係る審議のため、遠藤技術専門委員に御出席をいただいております。
 続きまして、資料の確認を事務局からよろしくお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。頭撮りについてはここまでにさせていただきます。
 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 議事次第、委員名簿と続きまして、先-1「先進医療Bの新規届出技術に対する事前評価結果等について」という資料がございます。こちらには別紙1がついてございます。
 なお、今回の先進医療合同会議におきましてはウェブ上で行うこととさせていただいております。先生方におかれましては、本日使用する資料一式を事前に送付させていただいております。申請書類等については、送付させていただいた資料を閲覧していただきます。発言者は会議資料のページ又はタブレット資料のページとあらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上助かりますので、よろしくお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。
○新井座長
 ありがとうございました。資料についてはよろしいでしょうか。
 確認させていただきました。ありがとうございます。
 続きまして、今回検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしておりますが、その結果について事務局から御報告をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 今回検討対象となる技術等に関しましての利益相反はございません。よろしくお願いいたします。
○新井座長
 ありがとうございました。出席されております構成員・技術専門委員におかれましても、利益相反ないということでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○新井座長
 確認させていただきました。ありがとうございました。
 それでは、次に事務局から「先進医療Bに係る新規技術の科学的評価について」の資料が提出されておりますので、説明をよろしくお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。それでは、資料について御説明させていただきます。
 先-1の資料に基づきまして御説明させていただきます。今回御審議いただきます技術は、整理番号356番、技術名は「上部消化管癌術後のアナモレリン塩酸塩経口投与」でございます。かかる費用につきましては資料にお示ししたとおりでございます。
 先進医療技術審査部会における事前評価につきまして、主担当として平田構成員、副担当を後藤構成員、山本構成員、遠藤技術専門委員にお願いしてございまして、総評としては「適」の御評価をいただいております。
 また、先進医療会議における事前評価につきましては近藤正英構成員にお願いしてございまして、総評として「適」の御評価をいただいております。
 続きまして、医政局研究開発政策課より追加の御説明がございます。
○研究開発政策課長補佐
 事務局でございます。
 お手元の資料、先-1の別紙1、24ページを御覧ください。こちらは様式第9号と左上に記載されておりますが、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件として考えられるものをお示ししております。
 まず、実施責任医師の要件としまして、診療科は消化器内科又は消化器外科又は腫瘍内科又はそれらに相当する科が必要。資格は、日本消化器外科学会消化器外科専門医又は日本消化器病学会消化器病専門医又は日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医が必要。
 当該診療科の経験年数は10年以上が必要、当該技術の経験年数は不要、当該技術の経験症例数は不要となっております。
 医療機関の要件として、診療科は消化器内科もしくは消化器外科又は腫瘍内科もしくはそれらに相当する科が必要。
 実施診療科の医師数は、日本消化器外科学会消化器外科専門医又は日本消化器病学会消化器病専門医又は日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医が1名以上必要。
 他診療科の医師数は不要、その他医療従事者の配置は薬剤師が必要。
 病床数は200床以上が必要、看護配置は10対1看護以上が必要、当直体制は内科又は外科の医師1名以上が必要。緊急手術の実施体制は必要、院内検査の24時間実施体制は必要、他の医療機関との連携体制は不要、医療機関の保守管理体制は必要、医療安全管理委員会の設置は必要、医療機関としての当該技術の実施症例数は不要となっております。
 その他の要件として、頻回の実績報告は不要となっております。
 以上でございます。
○新井座長
 それでは、整理番号356でございますが、先進医療技術審査部会における事前評価については、主担当を平田構成員、副担当を後藤構成員、山本紘司構成員、遠藤技術専門委員にお願いしております。まず、平田構成員より概要の説明と実施体制の評価をお願いいたします。
○平田構成員
 平田でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
 まず、私が御説明させていただきますのは、先ほどありましたように、胃がん、食道がんの手術を受けられた方に対する経口グレリン様作用薬でありますアナモレリン投与療法に関する医療技術になります。
 概略につきましては、タブレット資料の164ページを御覧ください。対象患者としましては、胃がん、食道がんに対する根治的切除術を受けた方。今回の試験ですと、胃がんについては、噴門側胃切除術、胃全摘術を受けた方。食道がんですと、食道は全摘、胃管再建術を受けた方を対象としております。
 これらの根治的切除術後、経口摂取を再開した日から、このアナモレリンを投与し、投与12週間後の除脂肪体重変化率を見るという試験となっております。
 背景としましては、この届出書や研究計画書にも書いてありますように、根治施術を受けられた方というのは体重減少や筋肉量の減少というのが多く認められ、それらによって生活の質、ひいては予後等にも影響するということが報告されております。これまでこういった状況になりましても有効な対処法がなかったところですけれども、その一つの新しい治療法を提案すると位置づけて認識しております。
 このアナモレリンは、現在、非小細胞肺がん、胃がん、膵がん、大腸がんによる悪液質に対して適応症を有しておりますけれども、今回のように、食道がんや術後の投与というものは適応外となっております。
 続きましてロードマップになりますけれども、タブレット資料の165ページを御覧ください。このアナモレリンの製造販売後調査から胃を切除された方においても、このアナモレリンの経口内服は安全性が担保されていること、また、タブレット資料の7ページ、8ページにもありますように、同申請医療機関では既に実績のある症例が幾つも挙げられておりまして、本剤の投与によって術後の体重減少が軽減されていること、また、研究者らのこれまでの研究において胃がんの術後や食道がんの術後で血清グレリンが低下しているために、このアナモレリンを投与することによって体重減少や筋肉減少の抑制が期待されるということで、本試験の立案がされたと理解しております。
 今回、多施設共同無作為割付・非盲検並行群間試験となっており、被験者数は160名、主要評価項目は除脂肪体重変化率となっており、副次評価項目としては、QOLなどで評価するようになっております。
 本試験では探索的にこの臨床的な効果の評価を行いまして、得られた結果をもとに、次相として薬事承認申請に向けた検証試験の実施を計画する予定となっております。ロードマップの右下にありますように、海外において、本技術は薬事承認、ガイドラインの記載、進行中の試験等はございません。一方、国内においては、ガイドラインでの記載はないのですけれども、進行中の臨床試験として、がん悪液質を有する胃がん患者を対象として臨床試験が行われておりますが、今回のような術後に本剤を投与するという状況とは異なっている状況です。
 続きまして評価に移りたいと思います。総合評価の部分については後ほど御説明させていただきますが、事前の照会事項におきまして申請医療機関から全てにおいて適切に御修正いただけたものと判断しております。
 以上から、実施責任医師等の体制は「適」、実施医療機関の体制も「適」、医療技術の有用性等も「適」と判断しております。
 以上となります。それでは、一旦お返しさせていただきます。
○新井座長
 ありがとうございました。それでは続きまして、遠藤技術専門委員より実施体制の評価をお願いいたします。
○遠藤技術専門委員
 よろしくお願いします。私は、医療技術の面から3つの疑義を尋ねてみました。
 1つは、本研究は胃がんと食道がんを同一の臨床試験で扱うということが提案されていましたので、手術侵襲がかなり違うということを質問しましたところ、胃の上部がんに限れば、手術侵襲は食道がんと胃がんで同等であるという回答をいただきましたので、妥当であると判断いたしました。
 続きまして、最近の手術では低侵襲手術が多く行われていますので、本試験は開腹手術と開胸手術、腹腔鏡手術同等にエントリーするのかという質問を投げかけましたところ、参加施設はほとんど開腹手術はやっていないということですので、対象を腹腔鏡ロボットの手術に限るということで回答いただきました。
 最後に、術後の補助化学療法が体重減少に影響を与えるのではないかということを質問しましたが、こちらに関しては、当該施設の先行研究で、術後補助療法を行っても、体重変化、影響を与えないという回答をいただきましたので、「適」と判断いたしました。
 以上です。
○新井座長
 ありがとうございます。続きまして、後藤構成員より、倫理的観点からの評価をお願いいたします。
○後藤構成員
 では、後藤のほうから倫理的観点について御説明をさせていただきます。
 本研究のような無作為割付・二重盲検試験におきましては、より適切な説明が必要になってくるところでございますけれども、本説明同意文書につきましては同意を得るのに必要十分な説明がされているということから、説明同意文書につきまして「適」とさせていただきました。
 また、補償に関しましては、補償のスキームを含めて適切に設定・説明されているというところから「適」とさせていただきました。
 以上でございます。
○新井座長
 ありがとうございます。続きまして、山本紘司構成員より、試験実施計画書等の評価をお願いいたします。
○山本(紘)構成員
 副担当の山本でございます。
 私のほうでは、プロトコルの主に科学的側面から評価をさせていただきました。本試験によって、胃がん、食道がん患者さんに体重維持等の効果が期待されるというところも先行研究から分かりましたし、それを探索的にこの試験で確かめたいということで適切に計画されていると判断しました。
 1点ちょっと症例数設計等で少し目的と整合していないのではないかという点を照会させていただきましたけれども、適切に修正いただきまして疑義解消されましたので、計画は適切にやられているのではないかという形で、「適」とさせていただきました。
 以上となります。
○新井座長
 ありがとうございました。それでは、平田構成員に現時点での先進医療技術審査部会としてのまとめをお願いいたします。
○平田構成員
 平田でございます。
 これまで各構成員からございましたように、申請医療機関との照会のやり取りを経て、疑義は解消されておると判断しております。その後に適切な研究計画に修正いただけたと判断しておりますので、それらの御評価を踏まえて、1から16における総合評価は「適」と判断しております。
 私からは以上になります。
○新井座長
 ありがとうございました。続きまして、先進医療会議における事前評価については近藤正英構成員にお願いしております。近藤構成員より評価結果等について御説明をお願い申し上げます。
○近藤(正)構成員
 近藤正英でございます。
 今、画面が出てくるかと思いますが、私の評価票ですね。こちらになります。先進技術としての適格性について評価させていただきました。上部消化管術後のアナモレリン塩酸塩経口投与という技術でございます。社会的妥当性(社会的倫理的問題等)につきましては、参加者の方への説明やそういったことに関して主に考えまして、倫理的には問題がないと判断いたしました。
 現時点での普及性についてでございますが、罹患率、有病率等は高いかと思いますが、この技術としてはガイドラインに載っているとかそういうこともなさそうということでありまして、私の今回の判断としては、普及していないという判断をさせていただきました。
 効率性につきましては、既に保険医療に係る医療技術と比較が原則的にできないような新しいアイデアの提案とは理解しておるのですが、1日1錠の、比較的薬価も穏当な製薬でありまして、やや効率的と判断させていただきました。
 将来の保険収載の必要性についてでございますが、この御提案されているようなロードマップについてはよろしいのではないかと判断しまして、本先進医療の探索的な無作為化比較試験の結果を総合的に検討した後に、さらには企業への開発要請や治験の実施などを経て効果をしっかりと確認をして、薬事承認申請や保険収載を行うような方向性が望まれると判断いたしました。
 そして、最後、総合判定としては「適」とさせていただきまして、それについてのまとめのコメントとしましては、上部消化管患者に対する根治的手術を施行した者を対象として切除施行後の体重減少に対しアナモレリン塩酸塩グレリン様作用薬の経口投与を行う際の体重減少抑制効果を含めた臨床効果を探索的に検討する無作為化比較試験としてあるということで、試験実施計画や対象者への同意説明は妥当と考え、「適」と判断させていただきました。
 以上でございます。
○新井座長
 ありがとうございました。説明は以上でございますけれども、これまでの説明について何か御質問ございますでしょうか。
 特にないようです。
○比企構成員
 すみません。比企です。
○新井座長
 よろしくお願いします。
○比企構成員
 ちょうど、まさに私の研究内容とど真ん中と言ったらあれですけれども、合致しているものですから、一言コメントを。いろいろと私から出した質問に対しても真摯に的確な返答をしていただいたので本当にありがたかったですし、いい研究計画になったと思います。ただ一方では、将来的にこの薬は、今、悪液質に対して適応になっているのですけれども、適応禁忌が結構多くて使いにくいという声もあるので、その辺りの結果ですね。どのくらい適応禁忌が入ってきたのかとかそういったところと、あとは筋肉量をベンチマークにしていますけれども、機能とかそういった、実質その患者さんにとって本当にいいことが何かということをこの研究の結果からよく検討する必要があると思いますので、研究をやっていただいて、保険収載に至るときにそこをよく審議する必要があるかなと思いました。
 以上です。
○新井座長
 ありがとうございました。今、重要な点を御指摘いただいたように思いますので、この点についてはぜひ申請者にお伝えして、しっかりとした研究を行ってもらうというようにしたいと思います。ほか、よろしいでしょうか。
 それでは、検討結果の取りまとめに移りたいと思います。
 各先生方の評価結果どおりの決定としたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○新井座長
 ありがとうございました。ではそのようにさせていただきます。
 以上をもちまして、「先進医療合同会議」を終了させていただきたいと思います。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 準備が整い次第、「先進医療会議」を開催させていただきます。御参加いただきました先進医療技術審査部会の構成員の先生方並びに技術専門委員の先生方は御退席いただいて差し支えございません。御協力いただきましてありがとうございました。




先進医療会議
16:50開会

○新井座長
 それでは、ただいまより「先進医療会議」を開催したく存じます。
 構成員の先生方の出欠状況ですけれども、松山構成員、山本昇構成員が御欠席となっております。欠席されます構成員の先生方におかれましては委任状を御提出いただいておりまして、議事決定については座長に一任とされてございますので、御了承ください。
 それでは、資料の確認を事務局からよろしくお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。頭撮りにつきましてはここまでとさせていただきます。
 それではまず、資料の確認をさせていただきます。議事次第、委員名簿に続きまして、「新規技術(11月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(案)」として先-1の資料がございます。こちらには別紙1及び別紙2がついてございます。続きまして、「先進医療Bの試験終了に伴う取下げについて」として先-2の資料がございます。
 今回の先進医療会議におきましてはウェブ上で行うこととさせていただいております。先生方におかれましては、本日使用する資料一式を事前に送付させていただいております。申請書類については送付させていただいた資料を閲覧していただきます。発言者は、会議資料のページ又はタブレット資料のページをあらかじめ御発言いただけますと議事の進行上助かりますので、よろしくお願いいたします。
 以上となります。
○新井座長
 ありがとうございます。資料等についてはよろしいでしょうか。
 確認させていただきました。
 それでは、今回検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をさせていただいております。その結果について事務局から御報告をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 今回検討対象となる技術等に関しての利益相反はございません。よろしくお願いいたします。
○新井座長
 ありがとうございました。出席されている構成員におかれましても、利益相反はないということでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○新井座長
 確認させていただきました。それでは、次に移ります。
 「新規技術(11月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分け(案)について」、2件の資料が提出されておりますので、まずは1件目について事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 まずは1件目の技術について、先-1の資料に基づき御説明をさせていただきます。1件目の技術は、受理番号171番、技術名は「子宮頸部内視鏡検査」でございます。適応症につきましては、子宮頸部上皮内腫瘍でございます。今回、香川大学医学部附属病院から申請がございました。
 本件は5月の先進医療会議において振り分けを行っていただきましたが6月19日の第162回先進医療技術審査部会で「不適」と判断されましたため、今回、申請者が指摘事項をもとに研究計画の変更を行い、再度新規の申請をしてきたものでございます。
 かかる費用につきましては表にお示ししたとおりでございます。
 続きまして、技術の概要につきまして御説明させていただきます。別紙1-1を御確認ください。まず1ページ目を御覧いただければと思います。ページ下のほうでございますけれども、概要部分を読み上げさせていただきます。
 世界保健機関の子宮頸がん撲滅の世界戦略は、2030年までに死亡率を33%減少させることが目標であり、HPVワクチン普及とともに新しい方策が模索されている。コルポスコピーは、細胞診異常があった場合に2次精査として行われる。最近のレビューでは、CIN2+に対するコルポスコピーの感度75.1%、特異度71%、陽性適中率72%と報告され、コルポスコピーは、現在、世界中で標準検査法として採用されている。コルポスコピー診断精度の向上に向けての現況としては、婦人科医からの声として、子宮頸管口の退縮例、頸管口側に発生する腺がん、視野確保用の機械的器具クスコによる子宮膣頸部展開不良例、クスコが重なり盲点となる膣上皮内腫瘍などへの解決法も求めている。それゆえ、診断能を落とさず、患者が検査を受け入れやすい検査法の開発が求められている。そこで申請者らは、これまでの探索研究で画像強調拡大機能を有する上部消化管内視鏡とコルポスコピーの前向き比較試験を行ってきた。CIN2以上の検出能は両検査法で同等であるものの、不快感及び羞恥度2点以下の患者調査ではUCE vs.コルポスコピー:85.4%と26.1%、84.1% vs.35.2%であった。また次回検査選択の希望は、UCE vs.コルポスコピーで75.6% vs.2.3%の結果でUCE検査希望者が有意に高かった、とされております。
 よって、その後、AMEDのPRIMO相談、それからPMDAの全般相談を経て、薬事申請の役割を担う内視鏡メーカー数社と面談をし、前向きな回答が得られたオリンパス社との相談のもと、AMED研究として保険収載を目指す先進B・特定臨床研究を実施することとなった。腫瘍診断学においてその検査が有する診断能が最も重要であるという観点からUCE検査とコルポスコピー検査の診断能を比較する非劣性試験とし、副次的に安全性と被検者受容度を評価する試験デザインとした、とされております。
 続きまして(効果)の部分でございますけれども、子宮頸部上皮内腫瘍の診断において、ME-NBIを用いたUCE検査は、コルポスコピーでは視認できないような血管や白色上皮腫瘍の認識が可能となる利点があり、病変検出及び質的診断率が向上する効果が期待される。さらには、痛みや羞恥心という点で被検者受容度の高い可能性のあるUCE検査は2次検診のハードル低下に繋がり、子宮頸がんの年間2,921人とされる死亡者数の低減に貢献できる効果が期待される、と記載いただいております。
 ページをおめくりいただきまして、3ページ目から4ページ目のところでございますが、2-1の①にございますとおり、本技術は医療機器の適応外使用に該当することとなっております。
 続きまして、先-1にお戻りいただきまして、本技術は、資料先-1の下方の備考の3、未承認等の医薬品、医療機器若しくは再生医療等製品の使用又は医薬品、医療機器若しくは再生医療等製品の適応外使用を伴う医療技術(2に掲げるものを除く。)に該当すると考えられましたため、先進医療Bとして振り分け案を提示させていただきました。
 1件目の説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○新井座長
 ありがとうございました。ただいまの説明に何か御質問ございますでしょうか。
 特にないようです。それでは、受理番号171の技術については先進医療Bとして振り分けるようにいたします。
 続きまして、2件目でございます。事務局から御説明をお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 2件目の技術は、受理番号172番、技術名は「脳性麻痺に対する自家臍帯血由来有核細胞輸血」でございます。適応症につきましては脳性麻痺でございます。今回、高知大学医学部附属病院から申請がございました。かかる費用につきましては表にお示ししたとおりでございます。
 続きまして技術の概要につきまして御説明させていただきます。別紙2にお移りいただき、1ページ目を御覧いただければと思います。
 まずページ中ほどの(概要)でございます。
 脳性麻痺と診断された1歳以上7歳未満で、自家臍帯血有核細胞を細胞バンクに保管してある小児を対象とし、以下の条件を満たした小児を研究対象者とする、となってございます。
 こちら、【選択基準】は記載のとおりとなっております。
 輸血前6か月間を前観察期間とし、臍帯血有核細胞の輸血を行い、輸血後12か月間を後観察期間とする。主要評価項目として運動障害の輸血実施前6か月間と2回目入院時の変化(スコアの差)と輸血実施後6か月間の変化を比較する。副次評価項目としては、有効性評価として、輸血実施前と輸血実施後のスコアの差、GMFM、発達遅滞・知的障害及び頭部MRI画像の変化、前述3項目、主要評価項目でのスコア変化と顆粒球を除くCD45陽性細胞数との関連性を評価する。また、安全性評価として、有害事象の有無、有害事象の種類、出現頻度及び時期について評価する、とされております。
 ページをおめくりいただきまして、2ページ目を御確認ください。(効果)のところでございますけれども、第I相臨床試験において、6例の小児の脳性麻痺患者に自家臍帯血細胞を単回輸血した。その結果、全例で輸血1年後の粗大運動能力試験スコアが輸血前よりも改善した。また、改善度は、年齢と障害度から予測される期待値以上であった。この改善は3年間保持されていた。ただし、重度障害例ではその改善度は低値であった。またGMFM-66が著明に改善した3例では、新版K式試験で言語社会領域の改善も著しかった。これらの効果と投与細胞数の間に有意な相関は認められなかった、とされております。
 ページをおめくりいただきまして3ページ目から4ページ目にかけてでございますが、本技術は未承認、適応外の医療機器等の使用を伴わない医療技術となってございます。
 一方で、先-1にお戻りいただきまして、本技術は、資料、先-1下方の備考の4、医療技術の安全性、有効性等に鑑み、その実施に係り、実施環境、技術の効果等について特に重点的な観察・評価を要するものと判断されるものに該当すると考えられましたため、先進医療Bとして振り分け案を提示させていただきました。
 2件目の説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○新井座長
 ありがとうございました。ただいまの御説明について何か質問、御意見ございますでしょうか。
 特にないようです。
 ありがとうございました。それでは、受理番号172の技術につきましては、先進医療Bとして振り分けたいと思います。
 続きまして、事務局から先進医療Bの試験終了に伴う取下げについての資料が提出されておりますので、説明をよろしくお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 申請中の先進医療Bの技術に関する取下げの申請が1件ございましたので、資料の先-2に基づきまして進めさせていただければと思います。こちらにつきましては、既に先進医療技術審査部会にて取り上げさせていただいているものでございます。
 告示番号4「テモゾロミド用量強化療法」でございます。取下げ理由といたしましては、症例登録及び全症例の追跡期間が終了したため、当該先進医療を取り下げる。なお、総括報告書については提出準備中である、とのことでございます。
 事務局からは以上になります。
○新井座長
 ありがとうございました。何か御質問等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 ではそのような形にさせていただきます。
 本日の議題は、残りは「その他」となっておりますが、事務局から何かございますでしょうか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 特にございません。
○新井座長
 構成員の先生方から何かございますでしょうか。
 特にないようです。
 それでは、次回の開催について事務局から説明をよろしくお願いいたします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
 事務局でございます。
 次回の開催については、令和6年12月5日、木曜日16時からを予定しております。場所については別途御連絡をさせていただきます。
○新井座長
 ありがとうございました。
 それでは、第137回の「先進医療会議」をこれをもって終了といたします。構成員の先生方の御協力に御礼申し上げます。ありがとうございました。