第42回全国健康保険協会業績評価に関する検討会 議事録

日時

令和6年9月20日(金)10:00~12:00

場所

TKP市ヶ谷カンファレンスセンター

議題

全国健康保険協会の令和5年度事業実績報告及び自己評価に対するヒアリング
(質疑及び業績評価についての議論)
  1. (1)基盤的保険者機能
  2. (2)戦略的保険者機能

議事

議事次第
○髙橋管理室長 ただいまより、第42回「全国健康保険協会業績評価に関する検討会」を開催いたします。
 皆様には、御多忙のところ御出席いただきましてありがとうございます。
 事務局を務めます保険課の髙橋です。どうぞよろしくお願いいたします。
 本会議は、オンラインによる開催としております。会議中、御発言の際はZoomの「手を挙げる」機能を使用せず、カメラに向かって挙手いただくようお願いいたします。
 挙手後は、座長の指名を受けた後、マイクのミュートを解除の上、御発言いただき、終了後は再度マイクをミュートにしていただきますようお願い申し上げます。
 また、議題等に対して御賛同いただく際には、カメラに向かってうなずいていただくことをもって「異議なし」の旨と確認をさせていただきます。御異議がある場合は、カメラに向かって挙手をお願いいたします。
 全国健康保険協会におかれましてはオンラインでの御出席となっておりますが、1点お願いがございます。御出席者多数のため、複数の方で1つの画面を共有することから、質疑等の際、どなたが発言されているかが不明瞭となることが想定されます。つきましては、誠に御面倒ではございますが、御発言の都度、御自身のお名前をお伝えいただきますようお願いいたします。
 全国健康保険協会の役職員に異動がありましたので、御紹介させていただきます。
 本年8月に業務部次長に就任された小木慎治様です。
○小木業務部次長 小木でございます。
○髙橋管理室長 本年9月に総務部次長に就任された栗田直人様です。
○栗田総務次長 栗田でございます。よろしくお願いいたします。
○髙橋管理室長 次に本日の出席状況ですが、構成員の皆様、全員御出席でございます。
 全国健康保険協会におかれましては、座席表のとおり御出席でございます。
 では、これより西村座長に進行をお願いいたします。
 恐縮ですが、カメラにつきましてはここで退室をお願いいたします。
○西村座長 皆さん、おはようございます。
 それでは、これより私が進めてまいりますのでよろしくお願いいたします。
 本日の議事の内容と資料について、まず事務局より説明をお願いします。
○髙橋管理室長 本日の議事でございますが、前回の検討会で決定いただいた進め方に従いまして、2回に分けて協会けんぽの令和5年度事業実績の説明と質疑を行っていただきます。
 1回目の本日は、健康保険事業について御審議をお願いいたします。
 次に本日の資料ですが、議事次第、座席表、出席者名簿の次に、資料1として基盤的保険者機能関係に係る業績評価シート、資料2として戦略的保険者機能関係に係る業績評価シートの以上でございます。
 不足等があれば事務局へお知らせください。
 なお、御参考までに本日の資料の中で重要度を付された事業項目は9項目、困難度が付された項目は9項目、自己評価の際に付された項目は2項目となっております。
○西村座長 ありがとうございました。
 早速ではございますが、業績評価の議論に入りたいと思います。初めに第1のテーマ、「健康保険の基盤的保険者機能関係」について、全国健康保険協会から御説明をお願いいたします。
○兼重業務部長 業務部長の兼重でございます。
 それでは、資料1の「基盤的保険者機能」関係について御説明をさせていただきたいと思います。
 なお、この基盤的保険者機能は9項目ございますが、(1)の「健全な財政運営」、(8)の「オンライン資格確認の円滑な実施」につきましては後ほど企画部長のほうから説明をさせていただきます。
 それでは、18ページの「サービス水準の向上」をお開きいただけますでしょうか。
 「サービス水準の向上」でございます。我々のほうといたしましては、現金給付につきまして、特に生活に資するものの給付に関しましては受付から支給まで10日間というサービススタンダードの期間を設けて処理をしてございます。また、加入者の利便性の向上や負担軽減の観点から、郵送による申請を促進しているところでございます。
 加えまして、お客様満足度調査、お客様の声に基づく加入者の方等の意見や苦情から協会の課題を見出し、迅速に対応するというところを事業としての計画と位置づけさせていただいてございます。
 これには、困難度を付させていただいてございます。
 理由といたしましては、サービススタンダード100%、これはKPIもございますが、最上限値である100%を目標として実施をしております。これら給付金につきましては申請件数が年々増加している一方で、職員の数は一定数で変化はございません。そのような中、サービススタンダードを遵守していくためには事務処理の方式でございますとか方法を常に見直していき、改善する必要があるということから困難度が高いというところでございます。
 KPIの実績といたしましては、サービススタンダードの達成状況100%の数値目標に対しまして、結果99.9%、対計画値は99.9%でございます。
 また、現金給付の申請に係る郵送化率につきましては、KPI数値96%に対しまして結果95.6%というところで、対計画値99.58%となってございます。
 自己評価といたしましては「A」とさせていただきました。
 理由といたしましては、18ページ下段にございます受付から支払いまでの平均所要日数、前年度8.14日であったところを6.19日と短縮し、10営業日以内の目標水準を遵守したこと。
 また、19ページでございますが、ホームページやメールマガジン、各種広報誌によって郵送化による提出が可能であるという旨を広報し、提出率は95.6%と、おおむねKPIを達成したこと。
 また、○の3つ目でございますが、窓口サービス全体としての満足度が前年は97.9%に対して98.6%ということで引き続き高い水準を維持したこと。
 以上によりまして、現金給付の決定件数、年間で219万5000件ございますが、未達のあったのは6件のみであり、極めて高い水準で達成できたものと考えてございます。
 繰り返しになりますが、申請書の郵送化率につきましてもおおむねKPIを達成し、お客様満足度調査についても昨年度を上回ったというところから、自己評価は「A」とさせていただいたところでございます。
 おめくりいただきまして、22ページをお願いいたします。「限度額適用認定証の利用促進」についてでございます。
 現在、オンライン資格確認の導入機関、医療機関においては99%以上がオンライン資格確認をできるような形での体制整備がされております。本来であればそこで自己負担限度額というのは御判断いただけるわけですけれども、病院側の体制でありますとか状況等もございます。ですので、保険者としても引き続き限度額適用認定証の制度周知、また利用の促進というところを掲げて取り組んでまいりました。
 自己評価といたしましては、B評価でございます。
 ホームページやリーフレット等による周知広報でございますとか、医療機関や市町村の窓口に限度額適用認定証の申請書を置かせていただくこと、また入院施設のある医療機関においては限度額適用認定証の提出勧奨、案内をしていただくよう依頼をいたしました。また、事業主様のほうにも納入告知書等を送付する際の利用促進のリーフレットのほか、健康保険委員の研修会や各種説明会において広報に努めたところでございます。
 ○の3つ目でございますが、令和5年4月からのオンライン資格確認の原則義務化により、限度額の適用認定証の発行件数自体は年々減少してございます。
 そのような中、下から2段目でございます現物給付の高額療養費の支給件数は前年度より4%増加しているというところでございます。
 以上、取組によって一定程度の利用促進が進んだというところで、自己評価は「B」とさせていただいたところでございます。
 おめくりいただきまして、24ページを御覧いただければと思います。項目といたしましては、「現金給付の適正化の推進」でございます。
 大きくは傷病手当金等の現金給付に関する適正化と、柔道整復師等の施術の適正化というところでございます。
 KPIといたしましては、柔道整復施術療養費の申請に占める施術箇所3部位以上、かつ15日以上の施術の申請割合について前年度以下とするというところでございます。柔道整復療養費につきましては、急性期のもので、また外傷性のものというふうな一定の保険給付に関する制限が設けられております。それに対しまして、保険者として適正な給付をするという観点で3部位、または15日以上の施術に注目をし、適正化を図ってまいりました。
 KPIといたしましては、申請の割合を0.86%と置きまして、結果といたしましては0.83%、対計画値は103.61%というところでございます。
 【自己評価の理由】でございますが、傷病手当金・出産手当金の給付に関しましては再就職が疑われる事案、または標準報酬の改定が高く遡及して行われた事案、これらをシステムで抽出し、照会を行った結果、不適切な申請として122件、約2070万円の返還請求を行ったところでございます。この件数、金額につきましては2021年度よりも上回ったというところでございます。
 ○の2つ目でございますが、傷病手当金と障害年金との併給調整について、内訳は26ページに記載させていただいておりますが、障害年金でございますとか老齢年金、労災給付、これらとの併給調整を行ったものは対前年の件数でいきますとプラス5,420件、2万4145件を行ったというところでございます。
 25ページを御覧いただけますでしょうか。
 ○のところでございますが、柔道整復施術療養費につきましては適正受診の啓発強化のために、多部位、頻回をターゲットとして文書照会を行いました。その中には、正しい受診の仕方というものをチラシとして同封し、申請割合についても0.83%と、対前年の申請割合を下回ることができたというところでございます。
 以上の理由から、自己評価は「B」とさせていただいたところでございます。
 続きまして、27ページをお願いいたします。「効果的なレセプト内容点検の推進」というところでございます。
 レセプトの点検につきましては、毎年度行動計画をそれぞれの支部で策定をいただき、それに基づき点検員のスキルアップをするための勉強会を毎月実施いただくとか、協会のシステムの中の自動点検を活用いただくこと、または支払基金との連携を強化するという意味で、毎月基金協議を確実に実施してもらうこと、これらを取組の柱として進めてまいったところでございます。
 困難度は高を設定させていただきました。御存じのとおり、社会保険診療報酬支払基金におきましては、コンピューターチェックによる審査等の拡大等が進んでございます。コンピューターチェックによって支払基金のほうで判断が明らかなレセプト、コンピューターチェックが必要なレセプト、目視が必要なレセプトというふうな形で、コンピューターによって振り分けを行って効率的な点検を行っていただいているところでございます。
 また、併せましてそのコンピューターチェックルールにつきましてはホームページ上で公開をされておりまして、それに基づいて医療機関が申請のルールを適正に守ることによって正しいレセプトが多く提出される仕組みを構築いただいているところでございます。
 これらにつきまして、協会のKPIとしては社会保険診療報酬支払基金と合算したレセプト点検の査定率について対前年度以上とするというところでKPI数値0.337%を設定させていただきました。結果といたしましては0.423%ということで、対計画値125.5%でございます。
 また、再審査レセプト1件当たりの査定額を対前年度以上とするということで、KPI数値は7,125円のところ、結果として8,472円、対計画値は118.9%となりましたので、令和5年度の自己評価につきましては「S」とさせていただきました。
 【自己評価の理由】として、28ページのほうに記載をさせていただいております。
 先ほど事業計画のところで申し上げましたけれども、取組として協会システムの自動点検の活用でありますとか勉強会の実施、基金との協議、これらを毎月しっかりとしていくこと。
 また、○の3つ目でございますが、高点数レセプトや高額査定事例を中心とした点検を優先的・重点的に実施するなどして、効果的かつ効率的な点検を実施したところでございます。
 ○の4つ目でございます。これらの取組の結果、査定率につきましては先ほどの繰り返しになりますが、0.423%、または再審査レセプト1件当たりの査定額は8,472円と、目標を大幅に上回ったところでございます。
 そして、下でございます。「また」というところで、29ページの下段に[協会の再審査件数に対する査定件数の割合の推移]というグラフを掲載させていただいております。これを御覧いただきますと、協会の再審査申出に対する査定割合、協会からこれはおかしいのではないでしょうかと提出したものの中のヒット率とお考えいただければ結構ですけれども、これが他の保険者に比べて高い水準で推移しているというところを併せて御紹介させていただきます。
 以上より、社会保険診療報酬支払基金が実績を伸ばす中、KPIを達成したこと、またはそれを大きく上回ったこと、これは自己評価として「S」を申請させていただきたいというところでございます。
 31ページをお願いいたします。「返納金債権発生防止のための保険証回収強化及び債権管理回収業務の推進」でございます。
 ここも、困難度は高をつけさせていただきました。事業所の皆様から、日本年金機構のほうに資格喪失届というものを御提出いただきます。それにつきましては電子申請というものが進んでおりまして、この電子申請というものが進みますと協会のほうに保険証が返納される期間というのが若干通常の紙のものとは異なり、長くかかってしまうこととなっております。その電子申請が進むことによって協会のほうで回収するのがなかなか1か月を守れないという厳しい環境にあるというところから、高を設定させていただいております。
 また、レセプト振替サービス、これは支払基金さんのほうで協会を辞めた後の資格が分かった場合にはそちらのほうにレセプトを振り替えるというサービスでございます。また、保険者間調整ですが、債務者の方に協会に直接返納いただくのではなく、協会と国保と調整をしてお金のやりとりをするというような仕組みがございます。これらが導入されることによって債権の回収率というものが非常に厳しくなっている。この2点をもって、困難度のほうは高と設定をさせていただきました。
 自己評価としては「B」でございます。
 保険証の回収率、KPI数値86.27%に対しまして結果は82.10%、返納金債権の回収率はKPI数値54.35%に対しまして53.29%というところでございます。
 32ページを御覧いただけますでしょうか。保険証回収に係る協会の取組といたしましては、ずっと毎年実施していることではございますが、日本年金機構での資格喪失の処理後、10営業日以内に文書や電話による催告を実施しております。また、保険証の未返納が多い事業所様を抽出させていただき、これらに対して訪問や文書によって重点的に周知を実施いたしました。これらの取組に注力いたしましたが、やはり電子申請の率が高くなったということもあり、「日本年金機構回収分も含めた資格喪失後1か月以内の保険証回収率」は82.10%となったところでございます。
 また、債権につきましては早期に調定をし、債務者の方にお知らせすること、またお知らせした債権については定期的に催告をし、なかなか納めていただけない方につきましては法的手続まで確実に実施をするというところで回収率の向上を図りました。
 その結果、債権の回収件数・金額でございますが、16万7734件、37.7億円と、前年度より増加したものの、発生件数、発生金額、ともに増加をしたため、返納金の回収率としては53.29%となったというところでございます。これらのことから、自己評価、対計画値についてはそれぞれ95.17%、98.05%と、おおむね目標は達成できたというところから、自己評価は「B」とさせていただいたところでございます。
 続きまして、34ページを御覧いただければと思います。「被扶養者資格の再確認の徹底」というところでございます。
 「被扶養者資格の再確認」につきまして、提出率を94%以上とするというところで、結果としては89.1%でございました。対計画値94.8%ということで、自己評価は「C」とさせていただきました。
 今年度、令和5年度、134万5000事業所に対して送付をいたしました。また、マイナンバーの情報連携を行って、お送りした申出書の中に被保険者と同居であるか、別居であるかというものをあらかじめ協会でリスト化し、掲載することによって、事業所様の事務負担の軽減を図ったところでございます。
 また、未送達となった事業所への架電調査や年金機構に対する調査、または未提出事業所に対する勧奨、これらを行いましたけれども、34ページの一番下でございますが、結果的に119万9000事業所より確認書を回収し、7万1350人の被扶養者資格の削除を行ったところです。これは、前期高齢者納付金の負担額にいたしますと約10億円の軽減がされたというふうに考えてございます。
 7万1350人の被扶養者資格の削除はしたものの、KPIが未達成になったことから自己評価は「C」とさせていただきました。
 最後、39ページをお願いいたします。「業務改革の推進」でございます。
 ここも、困難度は高とさせていただきました。業務改革の推進と言いますのは、継続的に実施をしていかなければならないものと考えてございます。そのためには、各支部の職員の多能化を図るとともに、生産性を意識した意識改革の推進が不可欠であると考えてございます。
 これらにつきましても、各支部でそれぞれ体制等が異なる中ではございますが、これらの業務の在り方等を全職員に浸透・定着させるためには、それぞれの支部のスキル、状況に合わせたステップ等を見ながら進める必要があり、多くの時間を費やすことが必要であることから困難度が高いというふうに設定をさせていただきました。
 自己評価といたしましては、「A」とさせていただいております。
 40ページ、【自己評価の理由】といたしまして、多くのステップを踏まなければならない支部に合わせた対応を構築していかなければならないというところで、10月26日から3月19日の間、26支部と意見交換を行ってまいりました。これは、郵便による申請者の受付、それから支払いの前にある決裁までの処理フローについて状況を確認するとともに、意見交換によってどの部分が効率化できるか等々を進めてまいったところでございます。年度末までは26支部とありましたけれども、今年度7月末までに47支部を全て訪問いたしましたことを申し添えさせていただきます。
 この結果、2023年度のサービススタンダード関連申請書の処理件数は219万件であり、ほぼ全てにおいて10営業日以内に支払うとともに、支払いまでの平均所要日数は6.19日ということで大幅な短縮を図ることができました。
 また、基盤的保険者機能から戦略的保険者機能へ事務処理の効率化によって人員のシフトを行っているという支部もございます。
 ○の3つ目でございますが、お客様サービスの向上という観点から電話相談研修を7月6日から3月15日の間、実施をいたしました。
 ○の4つ目、職員の業務に対する意識調査アンケート、これはそれぞれの項目において理解度はどうですか、実践度はどうですか、効果の実感はどうですかというものを5段階にしてアンケートを実施いたしました。【図2】にございますように、2023年度においても高い水準を維持したものと考えてございます。
 一番下の○でございます。以上により、業務の標準化・効率化及び簡素化などを図るとともに、研修の実施、本部と支部の連携、これに伴ってサービススタンダード関連の申請書の平均所要日数や職員の意識調査アンケートの結果が上がったことから、自己評価は「A」とさせていただきました。
 以上、業務部からの説明となります。
○西村座長 ありがとうございました。
 では、引き続きお願いします。
○内山企画部長 引き続き、1番の「健全な財政運営」と8番の「オンライン資格確認の円滑な実施」について、企画部長の内山より説明させていただきます。簡潔にまいります。
 まず1番についてでございますけれども、6ページを御覧ください。「健全な財政運営」というところでございますが、3つ項目がございます。
 【事業計画】のところを御覧いただければと思いますが、1つ目が運営委員会や支部評議会において丁寧な説明をした上で保険料率に関する議論を行う。
 2つ目が、今後厳しさが増すことが予想される協会の保険財政について協会の決算、今後の見通しに関する情報発信を行う。
 3つ目が、医療費適正化の努力を行うとともに各審議会等の協議の場において安定した財政運営の観点から意見発信を行う。
 この3つでございます。
 それで、この項目につきましては昨年度と同様、重要度、困難度、ともに高ということでつけさせていただいております。
 【自己評価】につきましては、ここに書いておりますとおりAということにさせていただいております。その中身についてはこれから説明をいたします。
 まず【自己評価の理由】でございますけれども、先ほどの3つのうち1つ目、保険料率に関する議論を丁寧に行うというところでございますが、【自己評価の理由】の1つ目の○を御覧ください。来年度の保険料率の決定に向けて議論する運営委員会という組織がございまして、こちらは事業者代表、被保険者代表、学識経験者、三者構成による法定の会議体がございます。こちらにおきまして、今後の収支見通し、試算の前提等の議論を皮切りにいたしまして、それを踏まえました中長期の財政見通しや「保険料率に関する論点」を提示した上で御議論いただいたというところでございます。
 次のページの3行目にございますが、運営委員会において4回にわたって精力的な議論を行ったということでございます。それで、4回議論したのは全国の平均保険料率についてでございまして、その後、都道府県単位保険料率についても1回の御議論、合わせて5回御議論いただいたところでございます。
 その上で、最後の3行目でございますが、47都道府県に支部がございまして、そこの支部の評議会においても並行して御議論いただきました。各支部評議会の御議論、御意見を集約した上で運営委員会に報告をし、そこで御議論、御意見を頂戴したというところでございます。これが1つ目についてでございます。
 それから、2つ目の協会決算や今後の見直しについての情報発信というところでございますが、こちらは7ページの2つ目の○を御覧ください。「都道府県単位保険料率の広報を行うにあたり」というところでございますけれども、2行目の後ろから、日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会など、関係団体の皆様にお願いをしまして各団体の機関誌やメールマガジンなどでの広報をお願いいたしました。 そういったところで、情報発信をしたということでございます。
 あとは、私ども自らがという意味では今年の7月に令和5年度の決算を記者クラブで記者発表いたしました。ウェブサイトにも適宜掲載しております。これが2つ目です。
 3つ目、医療費適正化等の意見発信についてでございますが、3つ目の○でございます。まず医療費適正化につきましては昨年度、今年度からの6か年の都道府県医療費適正化計画を作成するということでございました。そういったことを踏まえまして、昨年度は47支部において各都道府県における医療費適正化計画の策定プロセスにおいて、データを活用したエビデンスに基づく意見発信を積極的に行ったというところでございます。詳細は後ほど申し上げます。
 具体的な中身を紹介させていただくと、後ろにいきまして9ページで、中身までは省略させていただきますが、先ほど申し上げた運営委員会に示した論点の中身がこの9ページでございます。こういった点を認識の上、御議論いただきたいというところで整理しております。
 それから、少し飛びまして13ページでございますけれども、こちらは先ほど申し上げた10年の収支見通しを出したものです。この表ですが、複数の試算のパターンを置きまして、今後10年間の準備金の残高、単年度収支ということで示しております。こちらは法律では今後5年の見通しを2年に1回示すということになっておりますけれども、私どもといたしましては、より中長期の視点で御議論いただきたいという観点で、10年先まで粗い試算を出しております。10年先の試算を毎年度お示ししているというところでございます。
 それから、16ページでございますけれども、先ほど申し上げた支部評議会の保険料率の意見ということでございます。
 17ページの真ん中辺でございます。分析データの内容ですが、データエビデンスに基づく意見発信ということでございまして、データの例として幾つかお示ししておりますけれども、喫煙率のデータやバイオシミラーの置き換え率、あとは抗菌薬処方についてのデータ、白内障手術、化学療法での外来の実施率、こういったところを厚労省のほうからも適正な使用ということで論点がありましたので、データをお示しした上で各支部において意見発信をしたというところでございます。
 以上を踏まえまして、前に戻って恐縮でございますが、7ページの一番下の○のところですが、「以上により」というところであります。以上により、昨年度協会財政の見通しが不透明な状況である中で、運営委員会でしっかり必要な情報を提供した上で御議論いただいたと考えております。
 その上で3行目、加入者、事業主の皆様へのきめ細やかな情報発信に努めたというふうに考えております。
 そういうところを踏まえまして、自己評価は「A」とさせていただいたということでございます。
 それから次でございますが、ページが後ろに飛ぶのでございますけれども、37ページで「(8)オンライン資格確認の円滑な実施」というところでございます。
 こちらは2つ項目がございまして、【事業計画】のところの1つ目が加入者のマイナンバー収録率の向上を図る。
 それから2つ目が、国が進めるマイナンバーカードの利用推進、電子処方箋の周知・広報をするというところでございます。
 これにつきましてはKPIがございまして、下のほうですけれども、マイナンバーの収録率につきまして目標としましては対前年度以上の収録率とするというところでございました。それで、KPIの数値、目標が99.0%に対しまして、結果99.6%ということでございましたのでB評価とさせていただいたというところでございます。
 具体的な取組につきましては【自己評価の理由】のところでございますけれども、1つ目の○でマイナンバー収録率は昨年8月の時点では99%でございましたが、まだ数でいうと未収録者が35万人いらっしゃいました。こういう方をターゲットにしまして、昨年の秋、事業所宛てに提出勧奨を行いました。勧奨対象は約30万人ということです。
 それから2つ目の○で、昨年12月にマイナンバー未提出事業所に係る対象者個人、約15万人に対してマイナンバー提出勧奨を行いました。
 そういったところを踏まえまして、先ほど申し上げたとおり99.0%が99.6%になったというところでございます。未収録者の数につきましても、先ほどの35万人から約20万人減って15万人を切ったというところまできております。
 2つ目、マイナンバーカードの利用促進につきましては、次の38ページの1つ目の○のところで、協会のホームページにおける特設ページの設置や、マイナ関係のチラシ・ポスターを各支部の窓口に貼ったりしております。それから、電子処方箋につきましても各所にポスターを貼ったというところでございます。
 そういったところを踏まえまして、自己評価は「B」とさせていただいております。
 私からの説明は以上でございます。
○西村座長 御説明ありがとうございました。
 では、ただいま御説明された資料の内容について御質問、御意見などございましたら先生方よろしくお願いいたします。
 森下先生、お願いします。
○森下構成員 どうも御説明ありがとうございました。
 協会けんぽの運営につきましては多年にわたり大変御苦労されてきて、特に今回御報告いただいた中で、まず基盤的保険者機能についてでございますけれども、6ページにあるような「健全な財政運営」について、この件について運営委員会の議論も含めて、また多面的かつ合理的な運営が行われているということを評価したいと思っています。特に年次計画の推進によってその成果が徐々に上がっていることは、協会けんぽの努力の賜物と考えているところでございます。
 ただし、今後の課題として、保険料率については御存じのように医療費の増大、それから高齢者医療の肥大化、後期高齢者支援金の大幅な増加なども今後楽観視できない状況であると言われています。料率の維持に向けて協会けんぽが実施している様々な施策、その辺を評価しつつ、私は事業者の立場としてもこれ以上の保険料の値上げということについては何とか抑えられるような努力をお願いしたいと思っているところです。
 一方、ジェネリック医薬品の供給不足とかバイオシミラー、またはフォーミュラリに関する課題も最近出ておりますが、高度かつ収支のバランスの取れた協会けんぽの運営について課題は多々あると思いますので、協会けんぽにおかれましては一層の努力をされていくことを今、願っているところでございます。
 相対的に私も何年か評価委員をやらせていただいていますけれども、この5、6年、随分皆様の努力が実を結んでいる状況であるというように今日感じました。ありがとうございます。
○西村座長 ありがとうございました。
 御意見でしたが、何か補足の御説明とかありましたら協会からお願いします。
 よろしいでしょうか。
○内山企画部長 企画部長の内山より、一言申し上げます。
○西村座長 では、内山部長お願いします。
○内山企画部長 森下委員、御意見ありがとうございます。
 健全な財政運営につきましては、森下委員からもお話しいただいたとおり、最大限の努力をしているところでございます。
 その一方で、委員がおっしゃったとおり、今後負担増のリスクが幾つもございますので、私どもとしては加入者の皆様の健康づくりの取組を最大限進めるとともに、保険者財政の持続可能性というものも大事なこととして取り組んでおります。
 今、言及をいただきましたけれども、医療費適正化のための取組といたしましてはジェネリック、バイオシミラーの使用促進もございますし、あとはレセプト点検や不正請求対策といったところもございます。
 あとは、先ほども少し紹介いたしましたけれども、都道府県の医療費適正化計画の中では、例えば抗菌薬の適正使用でございますとか、あとは上手な医療のかかり方ということで、はしご受診とか夜間・休日の不要不急の受診はやめましょうとか、そういったところを加入者の皆様に働きかけるなど、そういったところで保険者ができる限りの取組をやっているつもりでございます。今後も引き続き取組をしてまいりたいと思っております。
 以上です。
○森下構成員 よろしくお願いいたします。
○西村座長 ありがとうございました。いろいろ取組をされている御説明をありがとうございました。
 ほかに御質問、御意見などございますでしょうか。
 では、古井先生、まずお願いいたします。
○古井構成員 お先に失礼いたします。
 御説明いただきましてありがとうございました。この基盤的保険者機能というのは、まさに持続可能性を担保する本当に大切な基盤だと改めて感じています。事前レクもいただきまして非常に理解も今日深まりました。協会けんぽさんはかなり基盤的な保険料率の検討も含めて、非常に困難な構造にはありますけれども、しっかりとその蓄積がされてきたなと思う反面、1つコメントとしてはやはり協会けんぽさん、それから運営委員会は協会の中のことは非常に詳しく御理解されている一方で、どうしても検討すればするほど内向きになりやすくなりますので、我々業績評価委員の役割としては少し外向きに、なるべく一般の方がどういうふうに感じられるかとか、経営者の方ももちろんそうですけれども、やはり協会だけの理屈にならないように、少し整理の仕方も含めて工夫していく余地がまだあるのではないか。中身的にはとても分かりやすく、我々も中身を詳しく知ってしまっているのでわかった気になっているのですけれども、なるべく外に対して発信していくことも大事かと思います。
 その中で(1)の「健全な財政運営」の17ページ目のところで、各支部から今、本当に医療費適正化とか制度改革に向けて意見発信をとても積極的にされています。私も自治体の医療費適正化の座長などをやらせていただいている中で、なかなかこの問題は医療側と需要側と難しいのですけれども、協会けんぽの支部長様たちが意見を必ず言ってくれます。それがやはり会を重ねていくと、医療団体のほうも、またほかの例えば健保組合の方も、そういうふうに協会けんぽが捉えているんだなと、とても難しい構造の中で一生懸命やられているという理解が深まってきたなと思いまして、私も座長として協会さんは今日何をおっしゃるのかなと非常に楽しみにしていまして、外に向けた発信をこれからも続けていただきたいなというのが1点目です。
 それから、2点目は(5)のレセプト点検のところなのですけれども、これは27ページ目から書かれていますように、例えば支払基金との兼ね合いでこれは変わってくるわけで、そういった社会の情勢の変化に伴ってKPIを例えば協会単独でも査定率を見ていこうとか、すごく柔軟性がある。
 それから、この業績評価というのは別に協会さんがいい、悪いということを単に判断するというよりは、どうしたら協会けんぽがこれから持続可能性を高められるかというお手伝いをしているわけなので、単にSとかA、Bという評価結果だけではなくて、やはり支払基金との兼ね合いでどういうふうに協会けんぽ自体の査定率が変わっていくのかとか、そういうモニタリングというのを我々も御一緒に見ていくことが大事だなと思いますので、結果だけにとらわれずにぜひ情報共有いただければと思います。
 それで、28ページ目の<内容点検>の4項目の取組もすばらしいと思っていまして、進捗管理、スキルアップ、効率化と事例の共有、それから基金さんとの競争連携と、多分全てがいい方向に働いていると思うのですけれども、どれがどういうふうに効いているかというのも検証していくとよろしいのではないかと思いました。
 以上でございます。
○西村座長 ありがとうございました。
 2点ほど御意見をいただきました。財政の点、運営状況全般、発信の重要性などを御指摘いただき、一般の認識を促進するという点、レセプト点検の点についてでした。この2つの部分について御説明をお願いいたします。
○内山企画部長 全部ではないのですが、まず1つ目の御指摘について企画部長の内山よりお答え申し上げます。
 古井先生、御意見ありがとうございます。持続可能性の担保が大事というところはおっしゃるとおりでございますし、私どもとしてもしっかり最重要のポイントとして受け止めて進めているところでございます。
 それから、内向きになりがちなので外の意見も聞いてというところでございますが、おっしゃるとおりかと思っております。ありがとうございます。
 それで、私どもとしても先生の御指摘をしっかりと受け止めて今後運営をやってまいりたいと思っておりますけれども、我々の打ち出しに対してどう皆さんが反応したかというのはしっかり把握しているところでございます。
 まず調査研究や、医療費適正化、学術的なところにつきましては運営委員会で学識経験者に入っていただいていることに加えて、アドバイザリー契約ということで、学識経験者の方と契約をさせていただいておりまして、必要に応じて適宜先生のアドバイスを頂戴しながら運営に努めているというところでございます。
 あとは外部への発信というところでございますが、広報は非常に重要だと考えておりまして、昨年度に本部全体での意思決定といたしまして広報の基本方針というものをつくりまして、それを踏まえて各年度の広報計画をつくるということで進めております。その上で、広報に関する重要事項につきましては本部で委員長以下、全幹部が参集します広報委員会という場をつくりまして、そこで重要事項についてしっかり議論をして広報施策を進めているといったところでございます。
 あとは、外部に発信したものが、我々の議論は外部も含めて決められているかということにつきましては満足度調査といったことをやっておりますので、そういったところもしっかり協会内で共有しながら進めているところでございます。今後も引き続きしっかりやってまいりたいと思っております。
 残りの質問につきましては、業務部長でよろしいですか。
○西村座長 では、続けてお願いいたします。
○兼重業務部長 古井先生、ありがとうございます。業務部長の兼重でございます。
 レセプト点検について御意見、御提言をいただいたと認識してございます。29ページにございますように、4項目について取決めを進めているところでございますが、例えば≪点検員のスキルアップ≫であればそこの支部の点検員全員のレベルが標準化されているかどうかであるとか、効率的な点検については我々のシステムを毎月メンテナンスした結果、どういう結果、効果が出たのか等々、より深く意味づけをして、どういう取組が効果に寄与しているのかという観点を取り入れながら、また本年度以降、取組を進めてまいりたいと思います。ありがとうございました。
○西村座長 ありがとうございました。
 各取組がどのような効果があるかという検証も大切だと思います。また分かりましたら御説明をしていただく機会もあるかと思います。よろしくお願いいたします。
 古井先生、今のところはよろしいでしょうか。
○古井構成員 ありがとうございました。
○西村座長 では、尾関先生が挙手されていたと思います。その後に森下先生とさせていただきます。
 では、尾関先生お願いします。
○尾関構成員 御説明ありがとうございました。
 組合健保が大部分は赤字の中で、協会けんぽさんは保険料率を維持しながら一定の人数の中で効率的な業務をされているということで、非常にうまく回っているとの印象を受けました。
 業務改革につきましても支部との意見交換、あるいは業務処理プロセスの標準化、いろいろな研修の実施、組織の意識改革、筋肉質な組織にするために非常に努力されているということを印象として受けました。
 その中で質問といいますか、コメントとして2点ほどございます。
 まず1点が各評価項目とKPIの関係なのですけれども、例えば24ページに「現金給付の適正化の推進」というものがあり、事業計画としましては4つくらい書かれていますが、KPIとしましては柔道整復施術療養費の申請に占める割合を下げるということで、これが例えば現金給付の適正化のKPIとして適正かどうかというところをちょっと疑問に思っていまして、もう少し別なKPIがあるのではなかろうかという気もしております。今年はこれで結構ですが来年以降、ほかにもし適正なKPIがあれば検討していただくということも必要なのかと思っております。
 しかも、柔道整復施術療養費の割合が0.83とか0.86とか極めて低い比率なのを、これは金額的にどれくらい影響があるかは分かりませんが、既に低い段階のものをKPIとして選ぶことが適正かどうかというのも疑問に思いましたので、検討いただければということを1点申し上げます。
 もう1点は、返納金債権のところで31ページから32、33ページ辺りですけれども、この返納金債権も早めに回収するということは非常に重要なことだと思っておりまして、早期回収のための対応をいろいろしていただいているということは理解しております。それで、最近レセプト振替サービスや保険者間調整というものが入ってまいりまして、これも早期解消に貢献するんだろうと思っております。33ページに保険者間調整の回収状況の表がありますが、この3年間の推移を見ると、件数が約1.7倍に増えております。ですから、これを利用して早期回収ができているなと思っていますが、一方で金額を見ると1.2倍くらいにしか増えていないので、この保険者間調整の内容は少額な療養費が増えているのかどうかという事実の確認をしたいと思って質問させていただきました。
 以上、2点でございます。よろしくお願いします。
○西村座長 ありがとうございました。
 御質問が2点ございましたので、それぞれ御説明をお願いしたいと思います。
 初めは、評価項目とKPIとの関係性についてお願いします。
○兼重業務部長 御質問ありがとうございます。
 まず評価項目とKPIにつきましては、我々のほうも事務局で状況を見ながら見直していかなければならないと考えてございます。柔整のほうを設定させていただいておりますのは、多くの現金給付の申請書がございます。先ほどサービススタンダードのところで190万件という件数もお示しさせていただきましたが、柔道整復施術療養費に関しましては年間で2400万件くらいの申請があるということで、かなり申請件数としては多い種類のものでございます。その中で支給基準というのも厳格に定められているという部分もございまして、現在KPIとして設定させていただいているというところを御説明させていただければと思います。
 また、返納金につきまして保険者間調整の件数は伸びているけれども、金額はというところでございます。我々といたしましては、特に金額で幾ら以上のものを保険者間調整しなさいとか、これ以下のものをしなさいとかという金額の制限というのは特に設けてございません。極力、国民健康保険に入っていらっしゃるということが分かった方については協会のほうにわざわざ納付を一旦いただかなくても、こういう制度があるんですよというところをいかに知っていただくかというのが課題でございます。
 協会から納付書がいきますと、開きもせず無視をされるという方も少なからずいらっしゃいますので、それらの方々にどうやってこういう制度があるということをお伝えして、これを活用いただけるか、ここが我々のほうも課題だと思っていますので、債権回収率アップのためにも保険者間調整につきましては引き続き取組を強化してまいりたいと考えてございます。
 以上です。
○西村座長 ありがとうございました。
 尾関先生、追加で何か関連質問はございますか。
○尾関構成員 大丈夫です。ありがとうございました。
○西村座長 では、よろしくお願いいたします。
 それでは、伊藤先生は最初の御質問になるので、その後また森下先生とさせていただきます。
 では、伊藤先生お願いします。
○伊藤構成員 ありがとうございます。時間もあると思いますので、なるべく簡潔に2つ意見と、1つ質問をさせていただきます。
 18ページのサービス水準の向上のところで、サービススタンダードの達成状況100%とKPIに対して結果99.9%、対計画値99.9%ということで、現金給付の郵送化率のほうもという話なのですけれども、これを見ますと評価の基準という資料、参考資料1に照らしますと100%以上となっていないというところからして、Aというのは難しいのではないかと思います。
 そもそも、KPIとしてこの設定をするということがどうなのかというところはございますが、現状こういう基準をつくってKPIをつくり、かつ基準を持っているということに照らしますと、今、言ったようなことにはならないのではないかと思いました。
 ここで【自己評価の理由】として、サービススタンダードの日数である10日どころではなくて、もう6.2日で、前年度比で2日も短くしているというところはすごく大きな話だと思うのですが、この点を39ページの「業務改革の推進」でもまた理由にしています。こちらでも困難度が高でサービススタンダードの日数を使って評価をしており、少し、ダブルカウントみたいになってしまっているのではないかと思っております。
 ですので、「業務改革の推進」という点で、このサービススタンダード関連の取扱い日数が短くできたということをどちらで評価するのかというのは明確にする必要がまずあると思います。先ほどのほうは明確にKPIがありますのでなかなか難しいということで、こちらのほうに持ってくるということなのかどうか分かりませんが、サービススタンダードに着目して2項目で評価するというのは疑問を感じたところでございます。
 ついでに、今後のKPIについても少し意見を言わせていただきたいのですが、先ほどのサービススタンダードの18ページにつきましては、郵送化率に着目するのはいかがなのかとも思いますので、今後、電子申請とかICTの活用とかを含めて検討していく必要があるのではないかと思います。
 さらに言わせていただきますと、31ページの保険証回収強化についてですけれども、マイナ保険証の移行が進むということでKPIの見直しも必要になってくるのではないかと思います。
 それで、質問です。最初の財政のところ、「健全な財政運営」で6ページから始まる部分で、これも重要度、困難度とも当初から高がつけられていますが、これは、やはり準備金残高とか、そういうものを見てきますと、5兆を超えて前年度から比べると4600億とか積み増され、14年連続黒字ということで財政的には安定しているということは言えると思うのですけれども、もともとは単年度財政が求められ、後に中長期的にという考え方を導入してきていると思いますが、やはり被保険者や事業主からすれば必要以上の保険料を賦課して財政を健全にするということが必ずしも適切ということにはならないと思います。ですので、今回2023年度に当たって何が困難だったのか、もう少し端的に御説明いただきたいと思います。合意を得るのが難しかったという話なのか、何が困難だったのかというところを教えていただきたいと思います。
 以上です。
○西村座長 ありがとうございました。
 最初の部分についてはKPIの設定、次にサービス水準、スタンダードにおける評価水準についてです。A評価がなされていることに対する御質問、KPI設定について具体的な御意見も出されています。
 そして、最後は財政運営についての御質問でした。別々に御説明をお願いできますでしょうか。
 では、兼重部長お願いします。
○兼重業務部長 業務部長の兼重でございます。
 まずサービス水準の向上でサービススタンダードのところは100%、99.9%という対計画値であって、Aなのはいかがかというところでございますが、我々といたしましては困難度のところを設定させていただいて、100%は確かに切っておりますけれども、困難度を鑑み、また全体のボリューム量として219万5000件のうち6件が達成できなかったというところを踏まえましてAとさせていただいたところでございます。
 それと、業務改革とサービス水準の向上、双方で研修日数の短縮があるのはというところでございますが、私どもの考えといたしましては業務改革を進めなければならない。進めた結果、果実としてサービス水準の向上の平均所要日数が短縮したというところで、どちらの指標にもなり得るのかなという考えでそこは自己評価の理由として挙げさせていただいたというところでございます。
 3点目、郵送化率につきまして御意見のとおりだと思います。今後、電子申請は協会においても令和8年の1月を目指して現在取組を進めてございますので、それらの動向を見ながら郵送化率についての扱いを検討してまいりたいと思います。
 最後に、マイナンバーが進んだ中での保険証の回収率についてでございます。これもおっしゃるとおりでございまして、我々といたしましても12月2日以降、新規の被保険者証を発行しないということがもう定まっておりますので、保険証回収率の取組につきましてはこの11月までの取組というふうに整理をさせていただいているところでございます。
 私のほうからは以上でございます。
○西村座長 ありがとうございました。
 では、財政運営についてお願いします。
○川又理事 協会の理事の川又と申します。よろしくお願いいたします。
 財政運営についての御質問でございます。重要度、困難度のことでございますけれども、医療保険の財政をきちんと運営していくというのはまさに我々協会のミッションの最たるものだと思っています。ここがしっかり回っていくことが全ての前提という意味で重要度であり、またその困難度ということでございますけれども、それぞれいろいろな状況はあるとは思いますけれども、中長期的に見て医療費というのは高齢化や医療の高度化などに伴って伸びていきます。
 そうした中で、限られた保険料収入等の中でどのように中長期的にこれを見通して財政を運営していくのか。我々としては、様々なパターンを置いて中期見通しの試算を出して運営委員会などで御議論いただいたわけですけれども、そうした構造的な医療費と収入とのギャップの中でどのように毎年の保険料率というものを判断していくか。そうした判断の中身におきます困難が伴う部分だと思いますし、プロセスという意味でも運営委員会を中心に、本部では運営委員会という形で様々な御意見をいただいていますけれども、各支部においても評議会において様々な意見をいただいております。
 そうした意見もいただきながら、それらを総合的に考えて翌年度の保険料率をどうしていくのかという形で議論をし、検討し、判断をしていくという意味においても、我々としては、そこはミッションというふうに考えておりまして、そうした意味で重要度、困難度もつけさせていただいておりますし、そうした丁寧なプロセスを経て、丁寧な議論を経て、保険料率の決定に至ったというところは、我々としてはここにお示ししているとおりA評価に耐えるような議論をしていると思っているところでございます。
 以上です。
○西村座長 ありがとうございました。
 伊藤先生、追加、関連でございますか。
○伊藤構成員 今の財政運営のところですが、重要性は重々承知しております。また、保険料設定、料率設定というものが様々な関係者の合意を得ながらどこに設定するかを決めるということの難しさということも承知しております。
 ただ、保険料率を設定するということは保険者機能そのものなので、これを難しかったので評価を上げさせていただきますというのはやはり少し疑問に感じたところでございます。
 それから、先ほどの業務改革のところとサービススタンダードのほうの話なのですけれども、サービス水準の向上のほうは困難度というものがついているというところで、それを前提に評価するとこうならないのではないでしょうか。ここの【自己評価の理由】として6.19日という説明は重なりますので、ここはなくして、業務改革の根拠にするというような考えにもなるかと感じております。
 以上です。
○西村座長 ありがとうございました。
 財政運営について困難度のつけ方が適切なのかという御意見と、業務改革において指標設定について、重複評価は避ける形で評価ができることが望ましいということだと思います。御意見としてありがとうございました。
 森下先生、挙手されていたと思います。お願いいたします。
○森下構成員 すみません。時間がなくなってくる中でちょっとだけお伺いしたい点があるのですが、先ほど古井先生から少しお話の出た、非常にうまくやっているようなお話ということで、その中で健保組合全体の中でやはりリーダー的な位置づけを持っているというお話が出ていましたけれども、私もまさにそういうふうに思いまして、ページで言いますと29ページに【査定率の推移】という表があるのですが、他の健保組合に比べて確かに協会けんぽは非常に査定率が、数字の絶対値は別にして、一番低いところは14.6、協会けんぽは例えば37.6というような数字が一番右側で出ているわけです。
 これを協会けんぽだけでうちは優秀なんだよと考えるだけではなく、国民全体から見ればこれは公平に同じような査定率の中で支払う保険料、なるべく平準化されていくことが理想的であるべきだと思います。厚生労働省の施策になるかもしれませんけれども、国民全体から見て不公平感のないような行政のやり方というものを求めてもらいたいと思っているのですが、協会けんぽ自体はうちだけこれはいい成績を上げているから非常に満足していますよということなのか、それとも健保組合全体でこういうものをやっていくべきだと思っていらっしゃるのか、ちょっと確認だけしておきたいと思っています。
○西村座長 今の御質問は査定に関して具体的な点でした。よろしくお願いいたします。
○木倉理事 協会の理事の木倉です。
 私は支払基金の外部理事も兼ねておりますので、御指摘いただきました29ページの一番下の表で支払基金理事会でも議論をさせていただいているものです。
 これは第1次審査を支払基金がやって、各保険者に送られてきたものをもう一度各保険者が見るのですけれども、その中で我々が見つけたもの、それで支払基金に再審査を申し出るわけですが、それで認められた率が37.5%、他の保険者では20%程度というようなことです。
 このような保険者ごとのばらつきについては支払基金でも議論をしています。支払基金では各保険者も含めた中期財政見通しの中で今議論をしています。各保険者が保険料からこういう審査の手数料を出しているわけですが、再審査の格差についてもやはりならしていくことが必要だということで、根拠を持った再審査の申出をして、第1次審査を担当いただいた支払基金のほうにも理解を求めていくということで、各保険者が連動しながらならしていこうという議論が進んでおります。
 今、再審査の在り方の議論の場では、再審査の根拠を明確にしてきちんと合理性のある再審査の申出をしようという議論をさせていただいています。保険者からも理由を明確に示して支払基金に再審査を申し出て、またその支払基金の審査のほうにも我々の再審査のノウハウをきちんとお伝えすることをやっていこうという議論をして、努力をして保険者の間でも共有しようということをしているところでございます。
 以上です。
○西村座長 ありがとうございました。
 確かにばらつきがございまして、協会けんぽは2009年あたりから査定率が上がってきていて、この時期に何らかの取組などなされたのかもしれないと思います。そうした取組を情報共有を通して各支部に拡散することにより、高い水準に合わせられるような形でばらつきがなくなっていくといいかと思います。
 追加で説明をお願いいたします。
○木倉理事 2018、2019と2年間低いのは、これは我々も内部点検だけではなくて外部点検でやった場合、どういう違いになるのかを実験的にやってみた年です。それで、外部点検で業者をお願いした年なのですが、やはり十分な効果が得られなかったため、再度内部の体制でやっていこうということで、内部でやって今に至るということでありますので、やはり努力をした結果として高いのが維持できているということは自負しているところでございます。
 以上です。
○西村座長 ありがとうございました。
 若干時間が過ぎておりますので、次に進めさせていただきたいと思います。次のテーマですが、「健康保険の戦略的保険者機能関係について」、御説明をお願いいたします。
○池井保健部長 保健部長の池井でございます。
 保健部の関連は5項目ありますけれども、まず資料2の6ページを御覧ください。「保健事業実施計画(データヘルス計画)の着実な実施」ということで、5年度の【事業計画】では3点書いてございます。
 1つ目が、このデータヘルス計画ですが、第2期は5年度が最終年度でありますので、計画の目標達成に向けて取組を着実に実施するということ。
 真ん中の2つ目のポツは、PDCAを回すということです。
 3つ目は、第2期が終わって第3期、今年度から6年間というものをきっちり策定するということでございます。
 【自己評価】は「B」とさせていただいております。
 取組としましては、まず【自己評価の理由】の1つ目の〇に書いてございますが、最終年として具体策の見直しを図り、上位目標、中位目標の達成に向けた取組を着実に実施したということで、その下に下線を引いておりませんが、第3期の保健事業実施計画の策定を行ったということでございます。ポイントを絞って説明させていただきます。
 それで、3つ目と4つ目の○はPDCAを回すというところでいろいろなツールも使ってやりましたということを記載させていただいております。
 次の7ページの2つ目の○、最終的に、今御説明したとおり、各種の分析ツールを用いてPDCAサイクルを効果的、効率的に回しつつ、第2期保健事業実施計画に基づく取組を着実に実施するとともに、第3期の計画の策定を進めたことから、自己評価は「B」とさせていただいております。
 8ページは各支部で策定した第3期保健事業実施計画における6年後の達成目標でございます。
 2つ目の項目でございます。9ページを御覧ください。
 こちらは「特定健診実施率・事業者健診データ取得率等の向上」ということでございます。こちらと次の特定保健指導は重要度、困難度を設定しております。これは、協会に実施することを義務と法律で規定しておりまして、目標も国から示されていること等から設定しているところでございます。
 9ページの【事業計画】ですが、今年度の事業計画では1つ目のポツのところで効果的・効率的な受診勧奨を行う。
 2つ目は従業員の方に我々が用意してあります生活習慣病予防健診について5年度に自己負担を軽減するとともに、関係団体と連携した受診勧奨等の取組を行う。
 3つ目は被扶養者、御家族の方の実施率の向上に向けて市、町等のがん検診と同時実施等の拡大を図る。
 4つ目が事業者健診データの取得、これについても取組を行う。
 【自己評価】はBとしておりまして、【KPI実績】の表に生活、事業者、被扶養者、それぞれKPI数値を記載しておりまして、結果は真ん中に記載しております。
 取組みとしましては、10ページでございます。
 (生活習慣病予防健診)では1点目に自己負担軽減を実施したこと。これについて、2点目に業界団体や健診団体に広報等の協力依頼を本部が行ったということ。
 3点目が、支部においてもこの自己負担軽減を契機に受診勧奨を行いつつ、関係団体との取組を実施したということでございます。
 (特定健診)では、先ほども申した自治体と一緒にがん検診、特定健診の同時実施というものを積極的に進めたということでございます。
 10ページの下の○ですが、結果は1つ目の行に書いていますけれども、生活習慣病予防健診は実施率と受診者数は過去最高でしたが、評価基準に合わせると4行目に書いたとおりでございます。健診対象者が増加する中での目標達成が困難であったことに鑑み、自己評価は「B」としてございます。
 続きまして、14ページを御覧ください。こちらは「特定保健指導の実施率及び質の向上」でございまして、先ほど健診のところで申しましたが、重要度高、困難度高を設定しております。
 【事業計画】ですが、1つ目のポツで今年度としては対象者になられた方への利用案内の徹底を図る。
 2つ目のポツが、特に重点的に実施したところでございますが、外部委託による特定保健指導のさらなる推進というところ、これは健診当日の初回面談というものがより効果的であると考えまして、そこを推進したということです。
 それから、5つ目、6つ目、7つ目のポツですが、私どもは保健師を直に雇用しておりまして、それらの育成等々のことを書いてございます。
 15ページを御覧ください。
 【自己評価】としましてはBとしておりまして、KPIの実績、KPIの結果は【KPI実績】に記載のとおりでございます。
 その下の【自己評価の理由】ですが、1つ目の○の1つ目のポツです。対象者全員への利用案内を段階的に目指すということと、各支部の体制確保を進めたということです。
 2つ目が、健診当日の初回面談を実施していない健診機関に対する働きかけを、より具体的な実績リストとかを活用しつつ働きかけを積極的に行ったということです。
 その下のポツでありますが、健診団体の協力依頼も行ったというところでございます。
 取組としてはいろいろと実施してございますが、16ページをご覧ください。
 1つ目の○でございます。実施率自体は被保険者が19.8%、被扶養者は15.6%であります。下線を引いてございますが、健診受診者の増加等により対象者数が増加する中での目標達成は困難であったことや、5年度は第3期特定健診等実施計画の最終年度で高い目標が掲げられていたことなどを鑑みて、自己評価は「B」とさせていただいております。
 次に、19ページを御覧ください。「重症化予防対策の推進」ということで、1つ目のポツのところで2行目の最後のほうですね。血圧・血糖・LDLコレステロール値に着目した未治療者に対する受診勧奨を着実に実施するというところでございます。こちらは、重要度は高とさせていただいております。
 【自己評価】としてはC、KPIの結果は表のとおりでございます。
 困難度も追加ということで設定させていただいて、3行目の後段ですね。受診率が低い連続該当者、これは受診勧奨しても受けていただけず、それが翌年も、その翌年も受けていただけないという割合が増加していくということから困難度が高いということでございます。
 取り組んだことを19ページの下に記載しています。1つ目のポツですが、40万6000人ほどに本部、我々のほうから一次勧奨を実施し、これに加えてLDLコレステロール値に基づく一次勧奨を28万1000人に実施したこと。
 次のページの1つ目のポツのところで、より重症域であるものについては各支部から二次勧奨を行うということで、電話等の受診勧奨を実施したということでございます。
 結果は真ん中の○のところでございます。健診受診後6か月後くらいに受診勧奨をするのですが、その後3か月以内に9.2%の方が受けていただいたということであります。
 ただ、一番下のグラフを見ていただくと一番右のところに、対象としては90万人以上いるんですけれども、先ほど3か月以内、6か月たってから送った後の数字は9.2%なのですが、その前の6か月も含めた10か月以内ということで見ると63%となりまして、3年間見ると着実に伸びているということでございます。
 ○の6行目、受診率が低い連続該当者の割合が増加する中での目標達成は困難であったこと、今、御説明しました医療機関受診率が着実に増加していることに鑑みて、自己評価は「C」とさせていただいています。
 21ページに図がありますけれども、一番左が対象者、左から2列目が6か月後の状態、左から3列目がその後3か月勧奨した後、先ほどKPIのところの数字がこのグラフの再掲のところですね。3万7000人というところでございます。
 最後に、24ページを御覧ください。「コラボヘルスの推進」でございます。
 こちらも、重要度を設定させていただいております。
 【事業計画】では健康宣言事業所数の拡大というものもございますが、2行目以降に書いておりますが、プロセスとコンテンツの標準化を踏まえ、加入者の健康づくりの推進を進めていくということでございます。
 【自己評価】は、Aとしております。
 【KPI実績】ですが、数値と結果は表のとおりでございます。
 24ページの下、取り組んだことは先ほど申しましたが、健康宣言の「基本モデル」を踏まえて健康宣言の標準化に向けた取組を進めていった。これが大きなところでございます。
 こちらは数字的にはかなり上回っているというところから、自己評価は「A」とさせていただきました。
 長くなりましたが、以上となります。
○内山企画部長 引き続きまして、(2)から(7)までについて、企画部長の内山より説明をいたします。
○西村座長 お願いします。
○内山企画部長 まず「(2)広報活動や健康保険委員を通じた加入者等の理解促進」、28ページを御覧ください。
 事業計画は主に6つ項目があります。1つ目と2つ目は広報基本方針、広報計画を支部においてつくるというものでございます。
 それから、3つ目が全支部共通広報資材、動画、パンフレットを積極的に活用して広報を行う。
 それから、4つ目がそういった広報資材についての改善、拡充ということ。
 5つ目が、「更なる保健事業の充実」についてしっかり広報をする。
 6つ目が健康保険委員に関してですが、健康保険委員活動の活性化を図るために研修会、広報誌等を通じた情報提供、また引き続き健康保険委員の委嘱拡大に取り組むというところでございます。
 【自己評価】につきましては、ここにありますとおりBでございます。
 【KPI実績】でございますが、6つ目の健康保険委員の委嘱の拡大のところをKPIで設定しておりまして、全被保険者に占める健康保険委員が委嘱されている事業所の被保険者の割合を50%以上とするというところでございまして、KPIが50.0%、結果は52.6%ということでございましたので、先ほど申し上げたとおりBとさせていただいているところでございます。
 具体的な中身にまいります。【自己評価の理由】のところを御覧ください。
 1つ目の○はさっきの1つ目、2つ目です。基本方針の計画をつくりましたということを書いております。
 それから、次の○が3つ目の共通広報資材のところですけれども、具体的には「協会けんぽGUIDE BOOK」という汎用のフルスペックのパンフレットを本部でつくりまして、健康保険委員の皆様や新規適用事業所にお送りするといったことをやっております。また、動画についても様々な広報機会をつくりまして活用したというところでございます。
 それから、その次の○でございます。同じく3つ目、支給の手続、申請の手続について動画を使って説明できるようにということで全国展開をしたというところでございます。
 それから、次の29ページですが、5つ目の保健事業の広報ということでございますけれども、29ページの1つ目の○です。本部においては保険料率の決定が1月に決まりましたが、そこのタイミングに合わせて大々的に広報しております。
 支部においても納入告知書に同封するリーフレットをつくったり、メールマガジン、あとは関係団体のツールを使わせていただくといったことで、様々なルートを使って、様々なチャンネルを使って広報いたしました。
 6つ目、健康保険委員の委嘱についてでございますけれども、2つ目の○でございます。これも委嘱の拡大を引き続き進めまして、後段のほうでございます。昨年度末で委嘱の人数が32万人ということで、前年度比で3.1万人の増加というところでございます。
 なお、次の○ですけれども、一層健康保険委員の委嘱を拡大するという趣旨で、これまでは先ほど申し上げたKPIの設定だけだったのですが、今年度からは「健康保険委員を置く事業所数」についても追加いたしました。つまり小規模の事業所のほうも委嘱を積極的に促進していこうということでございます。
 そういったところを踏まえまして、「以上により」のところでございます。一通りやるべきことはやったということでございますので、自己評価は「B」とさせていただいているところでございます。
 すみませんが、一通り紹介させてください。30ページで今年度の広報計画ということで概要を示しておりますが、真ん中のほうに太線で書いておりますとおり、ホームページの全面リニューアルや、SNSの運用開始といったところをしっかりやっていくというところでございますとか、広報の中身としては「健康づくりサイクルの定着」など、しっかり重点的なテーマを設定してやっていくということでございます。
 それから、ちょっと飛びまして38ページでございます。先ほど健康保険のところで研修をしっかりやるということでございますけれども、38ページの上の表で健康保険委員の皆様に対する研修もしっかりやっているというところでございます。2023年度は235回やらせていただいたというところでございます。
 次は「(3)ジェネリック医薬品の使用促進」でございます。39ページを御覧ください。こちらも幾つか項目がございます。ポツで言うと6つございまして、1つ目が支部間格差を解消するための「ジェネリックカルテ」ということ。
 2つ目が<医療機関・薬局へのアプローチ>ということでございまして、医療機関向けの見える化ツールを使って積極的に働きかけをしていこうということ。
 それから、3つ目、4つ目は加入者の皆様へのアプローチということで、減額通知、希望シール、イベント・セミナー、様々なところを関係団体とコラボしながら進めていく。
 それから、5つ目が<ジェネリック医薬品使用割合80%未満の支部への取組>というところでございます。しっかりターゲットを置き、未達成のところに対しましては影響が大きい医療機関、薬局に対する働きかけなどのターゲットを絞った積極的な取組をやっていくというところでございます。
 最後の6つ目が<その他の取組>というところでございまして、国の審議会などにおいてジェネリック医薬品の普及促進といったところの関係から意見発信をしていくということでございます。
 こちらにつきましては重要度、困難度は昨年度どおり高とさせていただいております。
 次のページ、【自己評価】でございますけれども、ジェネリック医薬品の使用促進ということで、こちらはBとさせていただいております。
 下にKPIがございますけれども、一応80%以上の支部、47支部ということでございましたけれども、結果は44支部ということでございましたが、Bとさせていただいた理由を次のところに書いてございます。
 41ページでございますけれども、<その他の取組>で「以上により」のところでございます。目標を達成していないので一時的には「C」となるのでございますけれども、医薬品業界の不祥事を発端としたジェネリック医薬品の供給不足といった状況がございました。一応、私どもとしてはできる限りのことをやったつもりでございますけれども、供給不足という私どもとしてはどうしようもないような事情がございました。そういったところをぜひ御考慮いただきたいというところでございます。
 あとは、ジェネリック医薬品8割超え、47支部には至りませんでしたが、昨年度40支部に対しまして44支部ということで大分増えているといったところでございます。
 それから、次のポツでございます。前年度使用割合も昨年度81.7%に対して83.6%ということでございましたので、自己評価につきましては「B」とさせていただいているところでございます。それぞれの取組は、しっかりやっているところでございます。
 次にまいります。次の項目で46ページ、「インセンティブ制度の着実な実施」というところでございます。
 こちらでございますが、まず簡単にインセンティブ制度について御紹介させていただきます。47ページの下のほうを御覧いただければと思いますけれども、インセンティブ制度について下のほうの点線の中を御覧いただければと思いますが、簡単に申しますと、保険事業の取組や医療費適正化の取組を一生懸命やった支部の保険料を少し下げようといったところでございます。
 例えば、特定健診の実施率、特定保健指導の実施率など、あとはジェネリック医薬品の使用割合といったところ、こういったところを評価指標として指数化しまして相対的に上位にきた3分の1の支部に対して保険料率を下げようというところでございます。
 46ページに戻りまして【自己評価の理由】のところでございます。先ほど申し上げたとおりですけれども、【事業計画】で上の令和3年度の計画のところを御覧いただければと思いますが、令和3年度に見直しの結論を得ました。それについて、令和3年度の実績を踏まえて令和5年度の保険料率に対応したというところでございます。
 それで、その結果、【自己評価の理由】の1つ目の○のところにありますが、今年度の都道府県単位の保険料率について一番下がったところは佐賀支部でございましたけれども、元のものから0.187%引き下げたというところでございます。
 それから、こういったインセンティブ制度は加入者の皆様に知っていただいてこそのインセンティブでございますので、広報をしっかりやっていくというのが自己評価の2つ目のところでございます。納入告知書同封、リーフレット、メールマガジンを活用した広報、あとは関係団体の広報誌、新聞、テレビ、ラジオ、あらゆるチャンネルを使った広報をやったというところでございます。
 そういったところを踏まえて、自己評価「B」とさせていただいております。
 それから、49ページで各支部の広報の例を挙げさせていただいております。
 次に、50ページで「(5)支部で実施した好事例の全国展開」というところでございます。
 こちらは【事業計画】は3つありますけれども、パイロット事業をしっかりやっていくというところでございます。そういったところをしっかり効果検証した上でエビデンスが得られた事業については速やかに全国展開を行うということでございます。
 【自己評価の理由】のところでございますけれども、2つ目の○です。昨年度のパイロット事業では2つございまして、「健診当日の特定保健指導の効果的な利用勧奨等」と、「地域特性・職域特性を踏まえた重点的喫煙対策」というところでございました。これについて5年度実施をいたしまして、6年度に全国展開の可否を判断していくというところでございます。
 その次の○、今年度のパイロット事業につきましてはバイオシミラーの使用促進ということで、「バイオシミラー情報提供ツールを活用した医療機関へのアプローチ事業」ということで事業を進めています。
 それから4つ目以降、従来どおりの取組でありますけれども、令和4年度後半から着手いたしました保険料率の支部間格差を少しでも縮めていくため、保険料率が高いところの原因をしっかり検証して、それを解決するための取組をしていくということで、4年度の後半から保険者努力重点支援プロジェクトをやっていたというところでございまして、昨年度はデータから課題抽出、データ分析から課題を抽出し、事業を企画しというところで、事業企画までが令和5年度の取組でございます。今年度、6年度は取組を実施しているというところでございます。
 それから、一番下でございますけれども、それ以外にも国保中央会と連携した保健事業のモデル事業も実施しているというところでございます。
 次に53ページで6番目でございます。「地域の医療提供体制等への働きかけや医療保険制度に係る意見発信」というところでございます。
 こちらは幾つかございますけれども、要は都道府県レベル、国レベルでしっかり意思決定の会議体の中で意見発信をしていくということが目標でございます。
 それから、53ページの下のほうです。IV)で「上手な医療のかかり方に係る働きかけ」ということで医療費適正化、あとは加入者の皆様の健康づくりという意味で、上手な医療のかり方ということについて効果的な働きかけを行うという計画でございます。
 それで、54ページが結果でございます。
 【自己評価】につきましては、B評価とさせていただきたいと思っております。
 こちらについてはその下にKPIがございまして、KPI自体は医療提供体制、都道府県や国などの会議体には医療保険に関する医療費適正化などを議論する会議体と、あとは地域における病院などの体制をどうするかという医療提供体制の会議体と大きく2つあるのでございますけれども、KPI上は後者のほうの地域医療の医療提供体制の場において全支部で意見発信するというのが見解でございました。
 そうなのですが、その医療提供体制のところだけを捉えるとそこに書いてありますとおり41支部が実施したというところでございますけれども、その下の※のところを御覧いただきたいと思いますが、2行目以下です。保険者がより意見発信をするところが大きいということでありますけれども、医療費適正化計画のところの会議体です。そちらの意見発信も含めますと、47支部全体が実施しているというところでございます。
 それで、医療提供体制のところだけを捉えると41支部なのでございますが、一部の都道府県において医療提供体制のほうの会議体に私どもがメンバーに入っていなかったり、あとは提供体制の場ということで保険者の立場から意見を言うような状況になかなかならなかったりといったところもあったりしまして、そういったところを踏まえて医療費適正化の会議体における意見発信も含めて担当させていただきたいということでございます。そうした場合ですと、47支部全部ということでございます。
 それで、具体的な発信の状況は下に書いてあるとおりでございます。時間の関係で割愛させていただきますが、47支部全てにおいてデータに基づいて積極的な意見発信をしたというところでございます。
 最後に59ページ、「調査研究の推進」というところでございますけれども、こちらは幾つかございます。I)、II)、III)のところで本部、支部によってしっかり医療費を分析するというのが最初のところでございます。レセプトデータ、健診データといったところを踏まえて、データエビデンスで事業の実施につなげていくといったところで、これがI)のところです。
 これにつきましては【自己評価の理由】のところですけれども、1つ目の○のところで昨年1月から導入された情報系システムを踏まえまして、支部ごとの医療費のデータ分析を各支部にも展開したというところでございます。そういったところを踏まえて、事業の運営につなげていったというところでございます。
 それから、下のほうの支部のところでございますけれども、こちらも外部の有識者の意見も借りながらしっかり支部レベルでもレセプトデータ、健診データを踏まえて分析をしていったというところでございます。
 それから、II)は「外部有識者を活用した調査研究の推進」ということでございまして、こちらについては次のページにまたがりますけれども、最近、毎年度、外部委託研究の公募をさせていただいておりまして、私どもの事業運営につながる研究をしていただける研究者の先生を募集したということを明確に書いています。
 その結果でございますけれども、【自己評価の理由】のところで1つ目の○ですが、昨年度も募集を行いまして結果的に12件御応募いただきましたが、その中で3件の採択を決定させていただきました。それで、もう既に進んでいるものを含めて今12件進んでいるところでございます。
 そういったことで研究成果の発表、2つ目の○のところでございますけれども、これは毎年やっておりますが、今年5月に調査研究フォーラムの場で研究の成果を報告させていただいたといったところでございます。
 そして最後の○でございますけれども、研究成果を事業につなげていく例としまして3つ目の○でございますけれども、未治療者受診勧奨業務における基準該当者かつ尿たんぱく陽性者への対応ということで、そこは今年度から実施をしているといったところでございます。
 最後にIII)のところでございますけれども、1つ目のポツで「調査研究フォーラム」でしっかり情報発信をするということ。
 2つ目が協会内部でのお話でございますけれども、調査分析できる人を育てる、調査研究の質の底上げを図るというところでございます。
 これにつきましては、【自己評価の理由】のところでありますが、60ページの一番下でございます。「調査研究フォーラム」を毎年開催しておりまして、そこでしっかり研究成果について発信させていただいているところでございます。
 61ページにいっていただきまして、フォーラムの場では研究者の先生だけでなくて各支部における取組についても発表の場を設けているというのが1つ目の○でございます。
 それから、職員のスキルの向上という意味で最後の○の2つでございます。下から2つ目の○のところで階層別研修というものをやりまして分析手法の理解、パソコンスキル向上といった研修を実施しております。
 それから、その下の○でございますが、各支部の分析担当が結構悩みがあっても御相談できないというような状況があるようでございます。それを解消するという意味で、社内チャットというものを今年から導入しております。それで、分析担当全体が分からないことを気軽に聞けるようにということで環境を整備したというところでございます。
 そういったところを踏まえまして最後に62ページでございますけれども、【自己評価】ということでA評価ということにさせていただいております。
 62ページの一番下の2行でございます。これまでの従来の取組を着実に進めたということに加えて、新たな取組もやらせていただいたということでございましたので、自己評価を「A」とさせていただいたところでございます。
 説明は以上です。
○西村座長 御説明ありがとうございました。
 時間があまり残っておりませんので、時間まで少し御質問、御回答というのをさせていただきたいと思います。まず御意見、御質問などありますでしょうか。
 古井先生、お願いいたします。
○古井構成員 ありがとうございます。
 先ほどもお話がありましたけれども、協会けんぽの強みというのがやはり発揮できることがたくさんあるなと思っています。森下先生からもありましたが、例えば先ほどの基盤であればレセプト点検もそうですし、それから戦略的保険者機能でも保健事業の基盤の整備というのは保険者の中でも一番規模が大きくてバーゲニングパワーがありますので、例えば15ページ目の健診機関ですとか、健診団体の特定保健指導を当日面談を促すということもなかなか一けんぽずつだと進まなかったのが、協会の各支部がやられたことで他の保険者にも相乗効果があるというふうに伺っています。
 また、実績値についてもとても被用者保険の中のベンチマークになると思っています。例えば、19ページ目の重症化予防の中の受診勧奨の効果として3か月で9.2%というのが出ています。これは構造的に実効性を上げることが難しい協会が9.2%ということが、健保組合とか共済がこれ以上自分たちもいかなければいけないというベンチマークになっていますので、こういうことの共有、公開というのも非常に意味があることだと思います。
 それから、戦略的保険者機能を発揮するにはやはり事業主、経営者、それから被保険者によく協会けんぽの意義とか内容を知ってもらうというのはこれからも引き続き大事だと思います。
 24ページのコラボヘルスもその一つですけれども、昨日たまたま岐阜県のほうで中小企業経営者を集めてフォーラムというものがありまして、私が座長をやらせていただいたときに、協会けんぽの支部長様から保健事業、例えば生活習慣病予防健診というものは本当に協会さんの補助が厚くて、それを事業主健診に取り入れることもすごくメリットがあったりとか、それから今、話題の持続可能な企業経営の要素である健康経営の支援まで協会けんぽの支部はやられていることが紹介されました。
 また、先ほどあった調査研究で私の同僚がこの間発表しましたけれども、協会けんぽのデータで糖尿病、血糖が高くなるほど離職が高くなっていくとか、こういうことを示したときに非常に岐阜県内の経営者の方々がいい意味でびっくりしていただいて、もっともっと協会けんぽのことを知るべきだと、我々が協会けんぽに加入していることのメリットをもっと生かさなければいけないというお声が上がりまして、イベントとかセミナーは単発で終わるのですけれども、地域ごとの経営者ですとか健康保険委員というのは協会けんぽにとっても貴重な社会資源のストックになっていくと思うので、これは各地の支部でもうやられているのですけれども、引き続きぜひこういうことも続けていただいて、まだやられていない支部があれば広めていただけるといいのかなと思いました。
 以上です。ありがとうございます。
○西村座長 ありがとうございました。
 ただいまのご発言は御意見でした。関連で補足説明などありますでしょうか。協会けんぽの取組に加えて、けんぽにおける重要な役割に関する御意見だったと思います。お願いいたします。
○池井保健部長 池井でございます。
 古井先生、ありがとうございます。私どもは加入者4000万人抱えておりますので、かなりの実施数があることから、私どもの数値が他の保険者から見たときにはベンチマークのようにはなりえるとは思います。ただし、数値的にこれがいいのか悪いのかというのは我々も分からないところではありますが、我々としてはそれぞれの取組をしっかりとやった結果が5年度ではこの数値だったということですので、これ以上の数値になるよう引き続き取り組んでいく必要があると考えております。
 以上でございます。
○西村座長 ありがとうございました。
 では、終了の時刻になりましたので、本日の議論はここまでとさせていただきます。これから質疑応答に入るところですが、質疑応答の部分を次回に持ち越して議論を行わせていただきたいと思います。
 本日、議論できなかった御質問はいろいろあると思いますので、それらを事務局宛てに送付していただいて、次回の冒頭ではいただいた御質問に基づいて、まず協会けんぽの御担当の方々から御回答をいただくという形で進めてまいりたいと思います。
 構成員の先生方にはお手数になりますけれども、御質問を事務局宛てに送信していただくという形にさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。メールで御記入いただいて、御質問の送信をよろしくお願いいたします。
(「了解しました」と声あり)
○西村座長 
では、事務局から次回の予定をお願いいたします。
○髙橋管理室長 
 御審議ありがとうございました。次回の検討会は、9月26日木曜日10時から開催いたします。
 なお、本日できなかった戦略的保険者機能関係についての質問に対する回答をいただいた後で「船員保険」と「組織・運営体制」の2つのテーマを予定しておりますので、よろしくお願いいたします。
 本日の内容につきましては、速やかに事務局案をお送りいたしますので御確認のほどよろしくお願いいたします。
 
○西村座長 それでは、本日は以上をもちまして検討会を閉会といたします。皆様、お疲れさまでした。ありがとうございました。
 お手数ですが、御質問の送付をお願いします。