第28回厚生科学審議会がん登録部会(議事録)

健康・生活衛生局 がん・疾病対策課

日時

令和6年9月18日(水)10:00~12:00

場所

オンライン開催

議題

(1)がん登録等の推進に関する法律の見直しについて

議事

議事内容
○石川専門官 定刻となりましたので、ただいまより、第28回「厚生科学審議会がん登録部会」を開催いたします。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 本日の検討会につきましては、YouTubeにおいて配信しております。委員の皆様方におかれましては、参加中、基本的にマイクをミュートにしていただき、御発言の際には挙手ボタンで挙手いただきまして、事務局もしくは部会長から御指名がございましたら、初めにお名前をいただいてから御意見、御発言いただくようお願いいたします。
 続きまして、部会構成員の変更がありましたので、御紹介さしあげます。
 本年9月までで公益社団法人日本薬剤師会常務理事の亀井美和子委員が御退任となり、新たに今回より公益社団法人日本薬剤師会常務理事の川名三知代様に委員として御参加いただくことになりました。
 新たに委員に御就任いただいた川名様に一言御挨拶をいただければと思います。川名様、よろしくお願いいたします。
○川名委員 御紹介ありがとうございます。日本薬剤師会常務理事の川名です。
 がん治療に医薬品は欠かすことのできない存在だと思います。医薬品開発、薬学研究、そして薬剤師の視点から参加させていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○石川専門官 川名委員、ありがとうございました。
 続いて、委員の出欠状況でございますが、本日は白井千香委員、松前恵環委員、徳永えり子委員、中村康彦委員より御欠席の御連絡をいただいております。
 本日のがん登録部会における委員及び議事に関係のある臨時委員定数13名に対しまして、現在11名が参加されています。厚生科学審議会令にある議事運営に必要な「委員及び議事に関係のある臨時委員の過半数」を満たしていることを御報告申し上げます。
 本日、参考人として国立がん研究センターがん対策研究所がん登録センターセンター長、松田智大参考人に御出席をいただいております。
 また、医政局特定医薬品開発支援・医療情報担当参事官室より、西川宜宏企画官を含む5名が参加しております。
 それでは、開会に当たりまして、健康・生活衛生局長より一言御挨拶をいたします。
○大坪局長 皆様、おはようございます。厚生労働省健康・生活衛生局長の大坪でございます。
 本日もお忙しいところ御参画をいただきまして、誠にありがとうございます。
 本日御参加いただいている先生方、がん登録、がん行政のみならず、厚生労働省の行政全般に常日頃から御意見をいただいて御指導いただいておりますことに感謝申し上げます。ありがとうございます。
 本日のがん登録部会でありますけれども、御案内のとおり医療情報の二次利用、医療DXの工程表に基づきまして、厚生労働省では医療情報の利活用といったことについても検討を進めているところであります。今日の資料2にもございますけれども、前回のがん登録部会におきまして、令和5年の10月でありますけれども、がん登録に係る課題や対応方針の中間とりまとめをいただいております。この中で御意見をいただいたもの、もう一歩さらに深めてまいりたいと思っておりまして、本日は医療等情報の二次利用に関する現状、今後の対応方針、論点などをお示しいたしまして、先生方に御議論いただきまして、さらに御意見をいただければと考えております。
 私、今日は最後まで参加させていただくことが難しいのですけれども、先生方に今日も御議論をいただきまして、しっかり前に行政を進めてまいりたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
○石川専門官 それでは、以降の議事進行を中山部会長にお願いいたします。
○中山部会長 皆さん、どうもおはようございます。本日もお集まりいただきまして、どうもありがとうございます。
 部会長をさせていただきます京都大学の中山健夫です。
 それでは、まず事務局から資料の確認をお願いいたします。
○石川専門官 事務局でございます。
 それでは、資料の確認をいたします。
 資料は委員の皆様方に事前にメールでお送りしておりますが、厚生労働省のウェブサイトにも掲載しております。議事次第、資料1から2、参考資料1から7がございますので、御確認ください。資料の不足等がございましたら、事務局までお申し出ください。
 事務局からは以上です。
 それでは、中山部会長、議題をよろしくお願いいたします。
○中山部会長 資料等に問題がなければ、議事に入りたいと思います。皆様、よろしいでしょうか。
 それでは、議題1「がん登録における今後の対応について」に入ります。
 まずは医政局から資料の説明をお願いいたします。
○西川企画官 医政局の企画官でございます。
 私から資料1について御説明をさせていただきます。資料1「医療等情報の二次利用に係る現状と今後の対応方針について」という資料でございます。
 3ページでございます。今、政府としまして医療DXを推進しておりまして、その中で医療等情報の二次利用についても検討を進めていくということになっております。3ページには政府の医療DXの工程表と規制改革実施計画の抜粋をおつけしております。上の工程表の中では二次利用についてあり得る論点を整理するということで検討体制を構築するということが書かれております。規制改革実施計画でもこの医療等データに関する特別法の制定なども含めて所要の制度・運用の整備、情報連携基盤の構築等を含めて検討するということになっております。
 次の4ページでございます。こちらは今年の6月に決定された骨太2024の抜粋でございます。真ん中に赤字になっているところが2~3行ほどございますけれども、ここでも二次利用の環境整備、医療・介護の公的データベースのデータ利活用の促進などについて進めるということが記載されております。
 次の5ページでございます。こちらは武見厚生労働大臣が8月30日に発表しました近未来健康活躍社会戦略の中の医療・介護DXの抜粋でございます。真ん中のほうに医療等情報の二次利用の推進というものがありまして、この後御説明します公的データベースの利用促進、情報連携基盤の構築などの方向性を打ち出させていただいたところでございます。
 次の6ページでございます。こちらは医政局に設置しましたワーキンググループでございます。この二次利用の推進のための論点を検討するため、昨年の秋に設置をしております。東京大学の森田先生を座長に、ここまで5回議論をして中間整理をしております。これから御説明する内容についても、このワーキンググループでの検討を基にして進めているところでございます。
 続きまして、8ページでございます。「医療等情報の二次利用の推進に向けた対応方針について(案)」ということでございます。上の薄い灰色のところですけれども、医学・医療分野のイノベーションを進めるために医療等情報の二次利用を進めていく必要があるというわけですけれども、現在我が国では幾つかの課題があり、ここに書いてあるような対応を取ってはどうかということで、まず全体をまとめております。
 左に大きく課題として3点整理をさせていただいております。1つ目は、カルテの情報に関する二次利用の課題でございます。我が国では大病院が幾つか参加したデータベースというものがありますけれども、悉皆性のあるデータベースがないことが指摘されております。診療所を含めた患者のアウトカム情報については長期間の分析ができないことが指摘されております。これにつきまして、右側の黄色の箱のところですけれども、現在医療DXの中で「電子カルテ情報共有サービス」というものを構築中であります。これは全国の医療機関で必要な電子カルテ情報を共有するという基盤をつくるものであります。ここで今後共有されていく、収集されるカルテ情報について匿名化または仮名化した上で二次利用を可能としていく方向性で進めてはどうかと考えております。
 それから、課題の大きな2つ目でございます。こちらが仮名化情報の利用促進でございます。現在データ利活用が進んでいる諸外国などでは、匿名化情報だけでなく仮名化情報の利活用も進んでおります。これまで我が国では厚生労働大臣がレセプトや介護レセプトなど様々な医療・介護のデータベースを構築して、匿名化した情報の利活用を進めてきたところであります。一方で、より情報量が多くて利用の価値も高いとされています仮名化情報の利用を進めるべきという指摘もございます。実際に民間部門においては昨年次世代医療基盤法の改正が行われまして、仮名加工医療情報の利活用が一定の枠組みでスタートしたところでございます。こうしたことを受けまして、右側の対応方針ですけれども、厚生労働大臣が持っています医療・介護の公的データベースについて、これまでの匿名化情報に加えまして仮名化情報の利活用を可能としてはどうかということでございます。
 3つ目の課題でございます。こちらはデータの利活用環境に関する課題でございます。これにつきましては、データを扱う研究者などにつきまして、例えば物理的な閉鎖空間で扱うなどといった負担が大きいことが指摘されています。また、様々なデータベースが分散して存在している関係で、研究者や企業が利用したいと思ってもそれぞれに申請を出さなければいけないという手続的な負担もございます。こうした現状につきまして、右側の黄色のところですけれども、まず厚生労働大臣の公的データベースについて、研究者や企業がリモートアクセスして一元的に利用できるようなクラウド環境の基盤を構築してはどうかと考えております。また、利用の手続についても、申請先の一元化、審査体制の一元化を進めてはどうかと考えております。
 次の9ページでございます。こちらは今、申し上げたことのイメージ図でございます。上のほうにカラフルなドラム缶が幾つも並んでおりまして、これらが現在厚生労働大臣の保有するデータベースとして構築しているまたは構築中のものでございます。今回御議論いただくがん登録データベース以外にもNDB、介護DBなど様々なデータベースがあり、これまで匿名化情報の利用・提供という形で進めてきたところであります。詳しくは次の10ページ以降で御説明をさせていただきたいと思います。
 10ページでございます。現状と課題のところは先ほど申し上げたところでございますので、省略をさせていただきます。次の対応方針案のところですけれども、今回御議論いただく全国がん登録情報につきまして、例えばがんの疫学研究や政策研究、または医薬品の研究開発に向けた基本的な調査へのデータの利活用を推進するという観点から、適切な審査を行った上で、厚生労働大臣、利用者が遵守すべき保護措置も定めた上で、仮名化情報の利用・提供を可能としてはどうかと考えております。その仮名化した情報につきましては、他の公的データベース、例えばレセプト、電子カルテのデータベースの仮名化情報、また次世代医療基盤法の仮名加工医療情報との連結解析も可能としてはどうかと考えております。
 次の11ページでございます。今回仮名化情報の利用・提供可能とするに当たりまして、データベースを管理する厚生労働大臣、またはその利用場面、またはそのデータを提供する先の利用者について、各種の保護措置を設けて適切に管理をした上で進めていきたいと考えております。
 まずは、データベースの管理というところですけれども、そもそもがん登録データベースについては今でも個人情報を保有するデータベースということになっておりまして、これを委託されています国立がん研究センターにおきましても、個人情報の漏えい、滅失、毀損の防止などにつきまして、適切な安全管理措置を取っていただいているところであります。今回仮名化情報を提供するということで、個人情報保護法上求められる水準と同程度の安全管理措置について、改めてがん登録推進法に規定をして進めてはどうかと考えております。
 次に、真ん中の利用場面や目的のところでございます。これにつきましては、現在匿名化した情報の利用と同様に、がん医療の質の向上などに資するものについて幅広い利用を可能としてはどうかと考えております。先ほどもちょっと申し上げましたけれども、この仮名化したがん登録情報の利用に当たっては、審査会で利用目的、その利用する内容、情報の内容について適切に審査をしていただいた上で提供していく、またその仮名化の情報の加工基準、審査の基準については、改めて厚生労働大臣で別途定めることとしてはどうかと考えております。
 最後に、利用者の保護措置・利用環境ですけれども、こちらは先ほど少し出てきましたけれども、この仮名化情報につきましては、今後構築するクラウド型の情報連携基盤の上で基本的に利用してはどうかと考えております。また、これに伴いまして、利用者の不正利用がないかといったことを利用ログで監視をすることが可能になると考えております。ただ、一方で、従来どおりの例えばDVDなどの記憶媒体でデータを提供してほしいという研究者のニーズも一定あると思われますので、どういった場合にこれを認めるかは引き続き検討させていただきたいと思っております。また、現在匿名化情報の利用に当たって求めています照合の禁止、データの消去、また安全管理措置、不正利用した場合の罰則については、仮名化情報の場合も同様に求めていくことになります。その上で、匿名化情報よりも仮名化情報についてはより厳格な管理を利用者に求めるという観点から、厚生労働大臣から利用者に対して一定の安全管理措置を取るよう要求する義務の規定を置く、また利用者に対しての従業者の監督義務、それに違反した場合の罰則などをより上乗せの措置として設けてはどうかと考えております。
 最後に、12ページのスライドでございます。先ほども出てきましたクラウドの情報連携基盤の話、またその利用申請や審査の体制の話でございます。クラウドの情報連携基盤につきましては、今後この制度の設計などを医政局のワーキングで引き続き議論をさせていただきたいと思っております。具体的には情報セキュリティーをどう設計するか、公的データベース以外にどういったデータベースもここにつなげられるようにするか、またそのポータルサイト機能、そういったものもどういったものを具備すべきかといったことについて引き続き検討を進めたいと考えております。
 利用申請や審査体制のところですけれども、これも利用者の利便性の観点を考慮して利用申請の受付窓口を一元化するとか、各種データベースの審査体制を原則的に一元化していくといったことについて検討を進めていきたいと思っております。各データベースそれぞれに個別の事情があると思いますので、ここは丁寧に議論を進めていきたいと考えております。
 資料の説明は以上でございます。
○中山部会長 御説明をどうもありがとうございました。
 ただいま医政局から説明いただきました資料1「医療等情報の二次利用に係る現状と今後の対応方針について」の内容について、委員の皆様に御意見、御質問いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。Zoom機能で挙手をお願いいたします。
 村本委員、お願いいたします。
○村本委員 ありがとうございます。村本です。
 今、御説明いただいた内容に関しては、患者・国民への成果還元に向けて医療等情報の二次利用を推進、迅速化する全体の方向性には異論ありません。
 私からは関連質問を含めて大きなくくりとして1点お伺いしたいと思います。
 スライドの15枚目は参考資料になっておりますが、医療等情報の二次利用に関するワーキンググループのこれまでの議論の整理がありまして、この中で2.のマル4に「医療現場・患者・国民の理解や利活用の促進」が、利活用の目的・メリット等の情報発信の重要性とともに記載されています。これはワーキンググループの議論で患者側委員の方が繰り返し問題意識を持って発言されたことの反映と認識していますが、スライド8枚目、医療等情報の二次利用の推進に向けた対応方針の中では「医療現場や患者・国民の理解を得ながら」との記載はあるものの、それ以上は特に言及されていません。医政局御担当として医療等情報の利活用の目的・メリット等の情報発信を今後どのように行っていくのか、お考えを聞かせてください。
 関連して、患者・国民にとっては医療等情報の利活用の目的・メリットというよりも、具体的に例えばがん登録情報の利活用の目的・メリットといったほうが理解はしやすいものと私は考えます。医療等情報という形で全体的に患者・国民に発信していくのか、それとも個々の情報の利活用に落とし込んで発信していくのか、医政局御担当としてお考えがあれば併せてお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○中山部会長 村本委員、どうもありがとうございます。
 それでは、医政局、いかがでしょうか。
○西川企画官 医政局でございます。御指摘いただきまして、ありがとうございます。
 御指摘のとおり、15ページで二次利用ワーキングのこれまでの議論の整理をつけさせていただいております。ワーキングの中では御指摘のあったように医療現場の理解、国民の理解の重要性が指摘をされているところであります。これにつきまして、私どもはまさにこの二次利用を進めていく上での大前提だと理解をしております。今回御説明した8ページ以降の資料にそこが十分に記載されていなかったところは大変申し訳なく思っております。二次利用を進めていく上では、国民の理解、医療現場の理解が本当に不可欠だと思っておりますので、そこをしっかりと得ながらやっていくということだと思っております。具体的には各データベースの二次利用を進めることでどういったユースケース、国民へのメリットがあるかをしっかりとお伝えをしていくことが大事だろうと思っております。その際には医療・介護データベース全体としての周知・広報とともに、各データベースにそれぞれ着目した説明も必要だろうと思っておりますので、ここは二次利用を統括する医政局とそれぞれのデータベースを所管する各局とで連携をして、この周知・広報を進めていきたいと思っております。
 御指摘への答えは以上になりますが、資料の説明で1枚スライドを飛ばしておりましたので、部会長、追加の説明をさせていただいてもよろしいでしょうか。
○中山部会長 お願いいたします。
○西川企画官 それでは、13ページの説明をお願いします。
○石川専門官 健康・生活衛生局でございます。
 こちらはがん登録制度に関するところですので、私から御説明させていただきます。
 13ページでございますけれども、がん登録データベースについても先ほど御説明のあった一元化を適用することを考えております。ただし、がん登録データベースにおいては、まず提供者が厚生労働大臣、国立がん研究センター、都道府県知事と分かれております。そして、提供対象の情報も顕名情報、匿名化情報、加えて先ほど御説明のあった仮名化情報と3種類ございます。さらに、連結を可能とするように提供する場合も考えられます。このようにパターンが多いため、事務の効率性の観点から、こちらの表でお示ししておりますように国立がん研究センター及び都道府県からの提供については既存の体制を維持することとし、厚生労働大臣からの提供について一元化を適用することを考えております。
 私からの説明は以上です。
○中山部会長 追加の御説明をありがとうございました。
 村本委員、重要な御質問をどうもありがとうございました。この会議もきちんと対外的にも公開されておりますので、多くの方が見てくださることを期待したいと思います。
 それでは、中島委員、お願いいたします。
○中島委員 九州大学の中島です。よろしくお願いします。
 8ページを見せていただいてよろしいですか。電子カルテ情報共有サービスと公的データベースの話がありましたけれども、一番上が電子カルテ情報共有サービスですね。公的データベースに関しては法改正も含めて着実に進められているということで賛成なのですけれども、この電子カルテ情報共有サービスですね。これは骨太の方針にも書かれていまして、一次利用基盤であるこの基盤を二次利用していくことも賛成であります。というのは、データの悉皆性も向上しますし、標準化が進みますので、データの品質も上がるということでいいのですけれども、2つ質問があります。この個人情報の使用に関して、恐らく個人情報保護法の公衆衛生例外の典型と思うのですけれども、それだとなかなかグレーだと言う人もいるので、何らか法改正を含めたあるいは新しい法を含めた法根拠を考えておられるかどうか。あるほうが使いやすいのかと思います。
 もう一つは、先ほど二次利用用のクラウドデータベースをつくると、なるべく長期のデータをつくるということを言われていましたけれども、この一次利用としての電子カルテ情報共有サービスは、実は期間が限定されているのです。短い情報で100日でデータが消えてしまうこともあるので、そうすると患者さん・国民としては、二次利用のデータベースは長期になるのだけれども一次利用は短い、これはなかなか国民の理解を得にくいのかと思いますので、この一次利用サービスをもっと長期にするというお考えはないのかという2つをお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
○中山部会長 中島委員、どうもありがとうございました。
 それでは、医政局、いかがでしょうか。
○西川企画官 御指摘ありがとうございます。医政局でございます。
 2点御指摘をいただきました。電子カルテの情報のデータベースについてでございます。こちらはこれから構築をして、ここに書いていますように匿名化・仮名化での利活用を可能としていくということでございますけれども、これにつきましては、今回の資料には詳しく御説明しておりませんが、厚生労働大臣のデータベースとして位置づけて、このがん登録推進法ですとか、これまでのNDBや介護DBと同様に法律に位置づけた上で匿名化・仮名化の利用を可能にしていく方向性で考えております。まだ具体的にどの法律にどのように位置づけるかは内部で検討中でございますけれども、法律に根拠を置いてやっていくことを考えております。
 2点目の御質問で、一次利用でのデータの保存期間の長期化の御指摘でございました。御指摘のとおり、現在構築をしています電子カルテ情報共有サービスでは、カルテの保存期間に合わせて基本的には5年とした上で、検査などの情報については100日間ないしは直近3回分のデータとなっております。これにつきましては、もう少し長い期間保存すべきという御指摘もいただいてはおります。それを受けまして、例えば傷病名につきましては、医師の判断で長期保存も可能な形にするとか、そういった工夫はさせていただこうと考えております。また、全てのデータを5年を超えて持ち続けるのは、なかなか悉皆性のあるデータベースとしては大変なところもあると思っておりますので、まずは今、申し上げたような形で進めたいと思っております。一方で、二次利用につきましては、一次利用のデータから二次利用用のデータベースに移してくる、データを移管してくることになろうかと思いますけれども、ここでは一定の長期保存をした上で、匿名化ないし仮名化でのデータ提供をしていくという設計で考えているところでございます。
 以上です。
○中島委員 ありがとうございました。
 後者のほう、よく分かりましたけれども、患者さん・国民にとっては一次利用のほうが短いというのは、なかなか理解が得にくいかとは思いました。
 最初のほうは、私の伝え方が悪かったのですが、もう一度言いますと、電子カルテ情報共有サービスというものが一次利用用ですが、これを二次利用するときに法的な根拠は個人情報保護法の公衆衛生例外だけかという話です。ほかに何か法的な根拠を持たせないのかという質問でした。少し答えが違ったと思うのです。
○中山部会長 ありがとうございます。
 この点、医政局、いかがでしょうか。公衆衛生例外の対応だけで、それ以上の明確な法的根拠を今後検討していくかということだと思います。
○西川企画官 ありがとうございます。失礼いたしました。
 今回この電子カルテ情報のデータベースを別の法律に位置づけるということで、個人情報保護法との関係ではいわゆる法令例外に当たると整理をしております。ですから、基本的には二次利用ワーキングでも御議論がありましたが、法令例外として、さらに行政の長が保有するデータベースということで、データ取得のときの患者の同意などは省略をして進めていくということでやろうとしているということでございます。
○中島委員 分かりましたけれども、法令例外の法は何の法律ですかね。個人情報保護法に優先されるとなる法律があるはずですね。何をこの電子カルテ情報共有サービスの法にされるということですか。
○西川企画官 この電子カルテ情報のデータベースを何法に位置づけるかは、まだ省内で検討中でございますが、今も例えばがん登録データベースはがん登録推進法に根拠があり、ナショナルデータベースであれば高齢者医療確保法という法律に根拠がありますので、それぞれの法律に位置づけると考えております。
○中島委員 分かりました。これからされるということですね。よろしくお願いします。
○中山部会長 ありがとうございました。
 おっしゃるとおり、本当に横断的な領域だともちろん個人情報保護法もありますし、次世代医療基盤法もありますし、それで縦割りになるような個別のところといろいろ整理が必要かと思いますけれども、その点は医政局、どうぞよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
 それでは、坂元委員、お願いいたします。
○坂元委員 川崎市の坂元でございます。どうも御説明ありがとうございました。
 少し視点がずれるのかもしれないのですけれども、こういう情報の取扱いとマイナンバーとの関係ですね。例えばさっきの9ページのいろいろなデータベースの中で、予防接種はマイナポータルで自分の情報を知るという利用など、また今回のコロナでもマイナンバーを使って自分のコロナの予防接種の情報をウェブで把握できました。そういうマイナンバーを使った医療情報の利用もあるのですけれども、今回は医療データベースの二次利用という話なのですけれども、そういう意味でマイナンバーの活用ですが、これは国民の関心は非常に高いところで、現在川崎市でもいわゆるマイナンバーで病院の受診ということもいろいろな形で進めております。当然こういう話が出てくると国民の皆さんはマイナンバーとこの医療データとの関係は将来どう結びついていくのだということ、これは非常に高い関心事だと思います。そのマイナンバー利用がどのように議論されているのか、もしお分かりになればお教えいただきたいと思います。
 以上でございます。
○中山部会長 坂元委員、ありがとうございました。
 それでは、医政局、いかがでしょうか。
○西川企画官 医政局でございます。御指摘ありがとうございます。
 マイナンバーとの関係ということですけれども、今回御説明しましたデータの二次利用という点につきましては、基本的にマイナンバーは使わないということでございます。もちろん現在使っていないということで、将来的にどうなるかは分からないということではありますけれども、基本的には今はマイナンバーを使っておりませんということです。これから電子カルテのデータベースなどもつくっていく、またはほかの公的なデータベース解析も可能としていくということですけれども、そのときにもマイナンバーは使わずに被保険者番号を使ってデータ連結を可能にしていく、またはデータを収集する方向性で今は考えているところでございます。ただ、一方で、その仕組みが効率的なのかどうかという御指摘も専門家からあるのはあるところでございますので、今後の制度設計の中で議論はしていきたいと考えております。
 二次利用とマイナンバーとの関係につきましては、以上でございます。
○中山部会長 どうもありがとうございました。
 次は東委員、木下委員、佐藤委員の順でお願いいたします。
 東委員、お願いいたします。
○東委員 詳細な説明をいただきまして、どうもありがとうございます。東京大学公衆衛生の東と申します。
 私から2点御質問させていただきたいのですが、スライドの10枚目の仮名加工情報同士の連結解析と匿名加工情報との連結解析ということと、もう一つ、Visiting解析環境についてということで11枚目から12枚目についてのお話を伺いたいと思っています。
 1つ目ですけれども、今、映していただいているスライドの中で、匿名加工情報同士の連結解析は行えるけれども、仮名加工情報同士の連結解析は行えないと上の半分の一番下の行のところに書いてあることなのですが、直感的に考えて匿名加工情報が連結できるというのは特異的な情報が残っているということで、匿名加工情報なのか、匿名化情報というのは匿名加工情報ではないのかがいまいちよく分からないところではあるのですが、ここが少し矛盾しているように聞こえるのですけれども、教えていただきたいというのが1つ目の質問です。なぜ匿名化情報は連結ができて仮名加工情報は連結ができないのかということです。
○中山部会長 1つずつにいたしましょうか。
 では、まずこの御質問について、医政局、いかがでしょうか。
○西川企画官 ありがとうございます。
 10ページの御指摘のところでございますけれども、現在は匿名化情報は匿名化情報同士との連結しかできないことになっております。これは法律にそのように規定をしてやっております。匿名化情報と仮名化情報と連結をしますと、一方には特異な記述も残っている状態でありますので、匿名化情報の匿名性が失われてしまうので、匿名化と仮名化との連結はできないということでございます。
 一方で、仮名化情報はそれ単体ではもちろん個人が識別できるものではありませんけれども、一定の特異な情報も残し得る状態での提供が可能になるということでございますので、あくまでも個人が識別されないという前提で仮名化情報同士の連結解析もできるということで、これも法律に位置づけてやっていくということでございます。
 実際、今は匿名化情報同士の連結は被保険者番号をキーにしたID5という識別子を別に払い出しておりまして、それを基に技術的に連結させている状況でございます。先ほどマイナンバーのところでも出てきましたけれども、仮名化情報同士の連結につきましても基本的に同じような仕組みでやっていくことを考えておりますが、技術的な検討はまだこれからさせていただこうと思っております。
 1点目は以上でございます。
○中山部会長 御説明ありがとうございました。
 どうぞ。
○東委員 そこの部分をもう少し教えていただきたいのですけれども、匿名化情報に関してID5を持っているので連結ができるということですと、要するに、匿名化情報になっていても連結できる先はID5があるものでないといけないということが現状かと思います。ID5というのは相当限られた人しか持っていないようなものになると思うのですが、今後連結キーを拡大していくようなことは考えられるのか、それとも法律上それは考えられないのか、どっちの方向性にあるのかを教えていただけると幸いです。
○中山部会長 ありがとうございます。
 それでは、医政局、いかがでしょうか。
○西川企画官 ありがとうございます。
 連結キーとして今はID5を使っておりまして、これは被保険者番号を基に払い出した識別子ということでありますので、相手先にも被保険者番号のデータが必要になるということでございます。今はこうした仕組みで進めておりますけれども、今後どうなのかというところはもちろん議論の余地はあるとは思っておりますけれども、現在は例えばマイナンバーではなく被保険者番号で進めてきていることもありますので、今すぐ別の連結キーをつくるということは考えていないところであります。
○東委員 ありがとうございます。
○中山部会長 ありがとうございました。
 2つ目の御質問をどうぞ。
○東委員 2つ目はVisiting解析環境なのですけれども、そちらのアクセスされる先の解析環境、Visitingでクラウド上というのは分かったのですが、どこからアクセスが可能なのかということについて、そちらの安全管理等については何か現時点で緩和されるのか、それともデータをお渡ししたのと同じように厳しくということになっているのか、その辺りの感触を教えていただけると幸いです。
○中山部会長 ありがとうございます。
 医政局、お願いいたします。
○西川企画官 ありがとうございます。
 Visiting環境にアクセスする環境の要件につきましては、まさにこれから検討させていただこうと思っておりますが、例えばどこでもいいというわけにはなかなかいかないのだろうと思います。町なかのカフェでパソコンからアクセスするというのはあまりよろしくないのではないかと思いますので、そういったところの一定の縛りはかけつつも、今のような物理的な閉鎖空間までは求めないというところになるのではないかと思いますけれども、その辺の詳細については今後検討していこうと考えております。
○東委員 ありがとうございます。
○中山部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、木下委員、お願いいたします。
○木下委員 新潟大学の木下でございます。
 本日議論のありました二次利用の推進に向けた対応方針については、おおむね賛同いたします。
 私からは8ページの対応案が書かれているところで用語に関して少し確認したいのですけれども、左の一番下のカラムの「また、我が国では、公的DBのほか、次世代医療基盤法の認定DB、学会の各種レジストリなど、様々なDBが分散して存在しており」とあります。右側の対応方針案ですけれども、「公的DB等に研究者・企業等が」云々と書いております。この「等」というところなのですけれども、左で言及している公的データベースのほかに認定データベースや学会のレジストリなどと書かれておりますので、この「等」にこれらを含むと考えて、次の9ページの公的データベースがたくさん並べられてある右端に次世代データベースがあると思うのですけれども、恐らく世の中には本当に学会でつくっているデータベースはたくさんあると思うのですけれども、今回の趣旨といたしましては、先ほどの提案の中の「等」の中には学会のレジストリ等も含めるけれども、基本的にはこの公的データベースをまずはこのような手続等を一元化できるようなシステムをつくるということで、そちらを優先ということで学会等はこの次に考えていくような、そのような優先順位としてこの整備を考えていく方向性で考えているということでよろしいでしょうか。
 以上でございます。
○中山部会長 木下委員、ありがとうございます。
 それでは、医政局、お願いいたします。
○西川企画官 医政局でございます。御指摘ありがとうございます。
 基本的には御指摘のとおりでございます。8ページで「公的DB等」としていますのは、厚生労働大臣のデータベース以外にも学会のレジストリや次世代医療基盤法の認定事業者のデータベースも含み得るものとして「等」としてございます。一方で、今回クラウドの基盤をつくってそこでの利用を進めるというのは、まず公的データベースから始めていきたいと考えております。その上で、例えば学会のレジストリや次世代医療基盤法の認定事業者のデータベース、これらも同じ環境で利用できるようにするかどうか、これにつきましては、今後検討させていただきたいと思っております。厚生労働大臣の持っているデータベースであれば、法律に根拠があって、それぞれのデータベースで求められる管理なども同じ形でやっているのですけれども、それ以外のデータベースにつきましては、そのセキュリティーや管理の方法がどうなっているかもばらばらだと思っていますので、そういったものもよく踏まえた上で考えていきたいと考えております。
○木下委員 ありがとうございます。
○中山部会長 御説明ありがとうございました。
 お待たせしました。佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤委員 産経新聞の佐藤です。御説明ありがとうございました。
 がん登録の情報を二次利用できるようにしていくことには賛成です。
 研究を進めるためには、情報を連結解析することが不可欠だと思っています。一方で、連結解析したときに個人を特定しやすくなることは当然起き得ることで、そこについてどのような対応をしていくのかを懸念しています。そこで、確認でお尋ねします。いただきました資料と御説明によりますと、その部分については11ページのポツでいうと4番目でしょうか。「仮名化したがん登録DB情報の提供に係る情報の加工基準や審査基準については、厚生労働大臣が別途定める」となっており、その次のページ、利用申請・審査の体制の一元化についての最初のポツのところで「利用申請の受付窓口や審査の体制について原則的に一元化を図り、審査の手順や内容の統一を行う」、この部分が対応するものと理解しています。例えばこの情報とこの情報を突合したときに個人が特定できるけれども、では、その情報について提供するのか否か、提供するとすればどのような環境下での提供をするのかということについては、一元化されたどこかの組織でデータについて知見のある方たちに審査していただけるものという理解でよろしいでしょうか。教えてください。
 以上です。よろしくお願いします。
○中山部会長 どうもありがとうございます。
 医政局、いかがでしょうか。
○西川企画官 医政局でございます。御指摘ありがとうございます。
 今、佐藤委員から御指摘があったとおり、今後のデータの提供または連結解析に当たって、それが適切かどうかにつきましては、例えば11ページに設けました審査基準をつくった上で、審査会の中で有識者に審査をいただいて、その上で適切と認められれば提供するということでございます。これは現在も例えばレセプトのデータベースであればレセプトの専門委員会というものがありまして、そこでこのデータの提供の目的、研究内容の適切性、結果、個人が特定されるリスクですとか、それを避けるためにどうデータを加工していくかといったところも審査委員会の中で議論されて判断をされて提供が許可されているということでございます。基本的には同じような仕組みでやっていくということでございますけれども、今回は仮名化情報ということですので、仮名化情報にふさわしい審査基準を改めて設けて、その上で専門家の方々に御議論をいただく形にしていきたいと考えております。そのときに、今はデータベースごとにそれぞれの審査委員会が設けられているのですけれども、できればそれを一元化して、審査の内容や基準も統一化してやっていければというのが、ここでの御提案でございます。
 以上です。
○佐藤委員 ありがとうございます。
○中山部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、藤田委員、お願いいたします。
○藤田委員 沖縄病院の藤田です。詳細な説明をありがとうございます。
 9ページの各データベースの利活用で、様々なデータベースをつないで、がんに罹患された方のいろいろな合併症等、疾病や治療が見えるようになってその情報が国民に還元すれば望ましいことだと思うのですけれども、この各データベースをつなぐことがメインになっております。けれども、このデータの精度が全て同じように精度管理がされているのかがとても問題です。がん登録のように精度が管理されているデータや感染症のデータベースや難病データベースなどの信頼性は承知しておりますが、私は国保の審査も関わっておりまして、傷病名が整理されておらずにとても問題があるものも多くあることが分かっておりますので、データを利活用する際にそのような精度の問題もあると理解して皆様に今後検討いただければと思います。
 厚労省の医療DXの方向性を検討される場におかれましては、このデータの接続ということと併せまして、精度の管理、あとはデータの標準化やHL7FHIRの傷病名のICD-11のコードなどもありますので、そちらなども取り入れて、より傷病名の精度が上がるような準備をぜひ進めていただきたいと思い、こちらで発言させていただきました。よろしくお願いいたします。
○中山部会長 藤田委員、ありがとうございました。
 それでは、医政局、いかがでしょうか。
○西川企画官 医政局でございます。御指摘いただきまして、ありがとうございます。
 データの精度の管理や標準化の重要性について、大変ごもっともと思っております。15ページに二次利用ワーキングの議論の整理をつけさせていただいておりますが、このワーキングでの議論でも標準化、データの精度管理の重要性については度々指摘されてきたところでございます。一方で、現状の厚生労働大臣のデータベースは幾つかあるわけですけれども、それぞれのデータ精度の管理につきましては、それぞれでばらばらとやられているのが実態でありまして、必ずしも統一されていない現状にあると理解しています。我々はこれから電子カルテのデータベースをつくっていこうとしておりますけれども、まさに傷病名や検査などのデータ、どういうコードを一意に使って集めていくか、登録されてきた傷病名、検査データの精度管理をどうするかが非常に重要だと思っております。具体的には令和7年度、8年度以降に調査設計や開発を進めていきたいと思っていますが、その中で精度管理などをどうやっていくかをよく検討して、その開発、どういった機能を盛り込むかをよく検討していきたいと思っております。
 以上です。
○藤田委員 ありがとうございます。
○中山部会長 どうも御説明ありがとうございました。
 では、よろしいでしょうか。
 どうもありがとうございました。
 国民への説明、法的な根拠、連結IDのこと、利用環境、厚労省の公的データベースから学会などへの連携、審査体制、精度管理と、いろいろな視点から貴重な御意見をいただいたかと思います。医政局もいろいろ課題が多いところですけれども、お願いしたいと思います。
 以上、適切な審査を行った上で仮名化情報の利用・提供や連結解析を可能にすること、併せて必要な保護措置を講じること、原則的に利用申請の受付や審査体制等の一元化を図ることについて、この公的データベース全体の動きに合わせてがん登録データベースについても進めていきたいと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、どうもありがとうございました。
 仮名化情報の提供等の詳細については、今後公的データベース全体の動きも踏まえながら議論していくことにしたいと思います。
 2つ目の議題「中間とりまとめ等を踏まえた今後の対応について」に進みたいと思います。
 事務局から資料の説明をお願いいたします。
○石川専門官 事務局でございます。
 資料2「中間とりまとめ等を踏まえた今後の対応について」を御説明いたします。
 2ページを御覧ください。令和5年10月に全国がん登録及び院内がん登録に係る課題と対応方針をまとめた中間とりまとめを公表しており、法の改正が必要となり得る内容や運用で対応するべき内容等が幅広く記載されております。
 3ページを御覧ください。先ほどの中間とりまとめに記載された事項等について、こちらにお示ししている流れで扱っていくことを考えております。本日は主に法改正が必要となり得る内容として上段の5項目を取り上げることとし、今後中段、下段の事項について検討してまいります。
 4ページに、先ほどの5項目を挙げております。
 5ページを御覧ください。まず、1.の「(1)他のデータベースとの連結・解析」でございます。
 6ページを御覧ください。まず、上の枠内に中間とりまとめ等を基に現状・課題を記載しております。現行のがん登録推進法では、他のデータベースとの連結解析に係る規定が整備されておりません。これを受けた対応案として、下の枠内に記載しておりますが、連結解析を可能とするよう法の規定の整備を行うことを考えております。具体的な運用として、病院等から被保険者番号を収集し、原則、ID5を利用して利用者における連結解析を可能とすることを検討しております。あわせて、情報の保護に係る措置についても、現在一部は運用上のルールで行われているところ、今後は他のデータベースと同様に法令上整備することを考えております。
 7ページを御覧ください。こちらではNDBを例に挙げておりますが、連結のメリットとして、がんの新たなリスク要因の解明に資する疫学研究やがん診療の実態把握に資する政策研究等に取り組むことが可能となると考えております。
 8ページ、9ページは、御参考として連結のイメージと中間とりまとめの該当箇所の抜粋でございます。
 10ページを御覧ください。続いて、1.の「(2)匿名化の定義の明確化」に参ります。
 11ページを御覧ください。現状・課題として、がん登録推進法において、匿名化の加工基準が明確に規定されておらず、匿名化を行った情報か否かの判断が運用上で行われていること、そして今後仮名化情報の提供を行うことに伴い、匿名化と仮名化の加工基準について整理する必要があると考えております。これを受けた対応案として、匿名化情報、仮名化情報それぞれの基準について、他の公的データベース等や個人情報保護法における基準を勘案し、法令上に規定することを考えております。なお、これに伴い、匿名化に係る部会の意見を聴く規定を廃止し、匿名化情報、仮名化情報いずれも、利用・提供に際しては、利用目的・内容に応じて審議会等における意見を聴くこととすることも併せて考えております。
 12ページは、御参考として中間とりまとめにおける該当箇所の抜粋でございます。
 13ページを御覧ください。次に、1.の「(3)法第20条に基づいて提供された情報の取扱いの見直し」に参ります。
 14ページを御覧ください。現状・課題として第20条に基づいて提供される生存確認情報は、診療録への転記や学会等のデータベースへの転用等が認められていないというものがあります。
 15ページから17ページにわたり、これまでの部会でいただいた御意見を抜粋しております。生存確認情報のカルテへの転記、病院等からの第三者提供に関する運用ルールの見直し等について、多くの御意見をいただいておりました。
 18ページを御覧ください。生存確認情報の性質として、亡くなった方の情報であったとしても、例えば遺伝性のがんが死因の場合であって、その情報が家族の個人情報と一緒に保管されている状況では、家族の要配慮個人情報となることが考えられるため、機微性が高いと考えられるということを示しております。
 19ページを御覧ください。ここから第20条に基づいて提供される生存確認情報の取扱いに係る対応案を整理していくに当たり、まず第20条の規定の趣旨を確認しております。法制定前は生存確認調査が不十分であり、がん医療の有効性について十分な検証が困難となっていたため、第20条の規定により病院等へ生存確認情報の提供を行うこととしたものです。そのため、この生存確認情報は、病院等における院内がん登録やがんに係る調査研究のために利用されることが前提であります。また、この生存確認情報は、本人の同意なく収集された情報であることから、第30条から第34条までの安全管理等に関する規定の適用対象とされているものであります。
 20ページを御覧ください。以上を踏まえて、第20条の規定により提供される生存確認情報の取扱いに対する対応案として、現状の第20条の規定を維持しつつ、適切な利活用の推進に向けて検討を進めることとしてはいかがかと考えております。まず、枠内の1点目のとおり、先ほど確認させていただいた第20条の規定の趣旨・目的を踏まえ、情報の保護にも留意しつつ、利用の範囲を考える必要があると考えております。具体的には、その下の2~3点目において示しておりますが、2点目において病院内の調査研究については引き続き認め、今後さらに研究ニーズを踏まえて利用や保管の方法について見直してはいかがかと考えております。そして、3点目において病院以外の方、すなわち第三者への提供については、都道府県からの提供時点において、あらかじめその第三者の特定ができず、安全管理措置等の実効性の担保が困難であるため、第20条に基づき提供される生存確認情報を加工せず提供することは認めるべきではない、一方で、研究ニーズを踏まえ、情報の保護にも留意した利活用の在り方について今後整理してはいかがかと考えております。
 21ページ、22ページは、参考として関連する条文、中間とりまとめの該当箇所の抜粋です。
 23ページを御覧ください。2.の「(1)届出の照合・集約作業の効率化及びデータ精度の向上」に参ります。
 24ページを御覧ください。現状・課題として、届出情報の審査・整理、いわゆる名寄せの際、目視での確認を含めて氏名、生年月日等を用いて同一人物の重複届出を照合しており、多くの労力・時間を要しております。これを受けた対応案として、被保険者番号から生成されるIDを用いて精緻に、そして効率的に照合を行うことができるよう、法の規定を整備することを考えております。
 25ページを御覧ください。イメージとして、現行のフローへ赤色の部分の追加を想定しております。病院等から被保険者番号を収集し、これにより生成された名寄せ用ID5を用いることで、国立がん研究センター及び都道府県における審査・整理において情報の精緻化、作業の効率化を図ることを考えております。
 26ページ、27ページは、参考として識別子の整理や中間とりまとめの該当箇所の抜粋です。
 28ページを御覧ください。最後に2.の「(2)住所異動確認調査の円滑化」でございます。
 現状・課題として、先ほどお示しした名寄せにおいて、患者住所が不一致の場合は、照合精度を上げるために住所異動確認調査を実施しておりますが、この調査に多くの労力・時間を要しております。これを受けた対応案として、住基ネットを利用可能とするよう法の規定を整備し、この調査の円滑化を図ることを考えております。
 29ページに、この調査の現行のフローの例を示しております。
 30ページを御覧ください。住基ネットを利用可能とし、この調査をデジタル化することにより、期間短縮及び情報の精緻化を図れると考えております。
 31ページは、参考として中間とりまとめにおける該当箇所の抜粋でございます。
 事務局の説明は以上です。
○中山部会長 どうもありがとうございました。
 ただいま事務局から説明いただいた資料2「中間とりまとめ等を踏まえた今後の対応について」の内容につきまして、委員の皆様から御意見、御質問をいただきたいと思います。Zoom機能で挙手をお願いいたします。
 黒瀨委員、お願いいたします。
○黒瀨委員 ありがとうございます。
 まず、全体的な方向性と具体的な見直し案につきましては、おおむね異存はございません。
 その中で1点質問、お願いがございます。資料2の2ページの左の枠内の(2)のマル2に関するところ、「情報の利用範囲(民間事業者の利用可否)の明確化」について、国民の皆様方の利益、健康の増進に資することが最優先であることは大前提として、その中で一定の領域の事業者を一律排除することはもちろん賛成いたしません。一方で、ここにも「運用上の実績を蓄積し」と書いてありますが、例えば全く新しい分野での実績がない場合に、それがまた営利目的であってかつ国民の不利益になるような場合、こういったものをどうやって制御するのかに関して、できる限り現時点でまだなかなか具体的に示すことは無理だとしても、考え方そのものを教えていただきたいと思います。現時点で少なくとも国民の不利益にならないとしても、蓄積していくことによって民間事業者の利用方法によってはそれが不利益につながる場合も想定されますので、そういったときにどのようにしてそれをコントロールしていくのかという点に関してお考えをお知らせいただければと思います。
 以上でございます。
○中山部会長 黒瀨委員、ありがとうございました。
 それでは、お願いいたします。
○石川専門官 健康・生活衛生局でございます。御指摘ありがとうございました。
 「情報の利用範囲(民間事業者の利用可否)の明確化」とへの御指摘でございましたけれども、今後新しい分野については必ずしも国民の利益になるとは限らないといったところかと思いましたけれども、そちらについてどのように利用を考えていくのかにつきましては、今後まさにどのぐらいの実績を蓄積されているかを勘案しつつ、必要に応じてそういったところも取り組んでいくことが可能なのかどうかについて、マニュアルの改定を含めてどのように利活用を推進していくか考えていければと思っているところでございます。
 以上でございます。
○中山部会長 どうもありがとうございました。
 黒瀨委員、よろしいでしょうか。
○黒瀨委員 全く新しい分野で全く新しい利活用に関しては当然運用実績がないわけですから、そういったものを新規参入させる場合に当たっての注意点もしっかりと明示していただければということをお願いしておきたいと思います。
○中山部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、西野委員、お願いいたします。
○西野部会長代理 御説明いただき、ありがとうございます。
 私からの質問はまず20条提供のお話について20ページの対応案に関する点になります。診療録への転記、利活用促進のために見直すという形で中間とりまとめでは22ページにもあるように書かれているところですが、この対応案ではいわゆる診療録への転記ができる形での対応の検討を進めるという理解でいいのかをお伺いしたいということと、その場合に、現状の法20条の規定を維持しつつという記載があることから、従来は法32条の保有期間等の制限によって診療録への転記ができないという解釈がなされてきたと思うのですが、その規定を維持しつつ転記が可能になるのかについてお伺いできればと思います。まずはその点についてお願いいたします。
○中山部会長 ありがとうございます。
 それでは、健康・生活衛生局、お願いいたします。
○石川専門官 ありがとうございます。
 20条におけるカルテへの転記への御指摘でございましたけれども、こちらにつきましては、事務局でもどこまでできるか検討してきたところでございます。現時点では、カルテへの転記をすることによってどのような研究や活用につながるのかを今後こちらとしてもお聞かせいただきながら、それに応じてどこまで現行の規定の中で、目的の中でできるかをまず検討していければと思っております。保有期間制限との関係性へのご指摘もございましたけれども、それも含めてどこまで認めることができるかを検討できればと思っております。
○中山部会長 ありがとうございます。
 どうぞ、西野先生。
○西野部会長代理 今後の部会の中で転記ができるのかどうかの検討を進めるということで理解しましたので、よろしくお願いいたします。
 続いて、照合作業においてID5を使うということが25ページでお話があったと思いますが、この点について、今後登録される症例についてはID5を使った照合作業が可能になるかと思うのですが、これまで登録されていた症例については被保険者番号等がないということがありますので、これらの症例の照合について、例えば前半の説明でID4という話も出てきましたけれども、何かを活用することができるのかどうかをお伺いできればと思います。お願いいたします。
○中山部会長 ありがとうございます。
 それでは、健康・生活衛生局、お願いいたします。
○石川専門官 ありがとうございます。
 名寄せのところの昔の登録症例に係る御指摘かと思いましたけれども、そちらにつきましては、結論としては、おっしゃるとおり被保険者番号を収集しておりませんので、現行どおりの氏名、生年月日等を用いた審査・整理を行うことを考えているところでございます。
 以上です。
○中山部会長 お願いします。
○西野部会長代理 ありがとうございます。
 最後にもう一点、住基ネットの利用でお話をいただきましたが、御承知のとおり、全国がん登録は大部分の都道府県がその業務を都道府県から外部の機関に委託しています。業務の省力化という観点からいうと、委託先機関で住基ネットが使えるということになると非常に作業の省力化が図れますし、もし委託先機関で使えないということになると、都道府県と委託先機関との間で情報のやり取りが生じますので、安全管理上のリスクにもつながるところがあります。もちろん委託先については、各県によってどのような機関に委託しているかという体制はばらばらですので、なかなか一様には難しいところがありますが、もし委託先機関で住基ネットが利用可能になれば非常に業務上の負担が減ると思いますので、その辺の可能性についてお伺いできればと思います。
○中山部会長 ありがとうございます。
 それでは、健康・生活衛生局、お願いいたします。
○石川専門官 ありがとうございます。
 住基ネットにつきまして委託先でも使えるか、使えるようにしたほうが望ましいとの御指摘だと思いましたけれども、そちらにつきましては、結論としてはまず委託先では住基ネットを使うことは難しいといったことがございます。住基ネットを定めている住基法との兼ね合いもございまして、そういった制約に関してはこちらとしても加味する必要があるというところでございます。ただ、おっしゃるとおり、現状この住所異動確認調査も含めて外部へ委託している実態があることもこちらとしては把握してございますので、情報のやり取りまたは効率的なやり方について、今後非効率にならないように、また安全管理のリスクが増えないようにといったところは加味して運用は詰めていきたいと思っております。
 以上でございます。
○西野部会長代理 ありがとうございます。
 なかなか難しいというお話だったかと思いますけれども、できるだけ効率的な方法を構築いただければ、検討をお願いできればと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。ありがとうございます。
○中山部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、東委員、お願いいたします。
○東委員 詳細な説明をありがとうございました。
 私から3点お伺いしたいというか、1つは意見なのですけれども、まず意見からお話をさせていただきますと、先ほどのカルテ転記のことは、西野委員の御指摘にもありましたとおり、今後議論が進むものとは思っておりますけれども、一言だけカルテ転記をしないことによって何が問題なのかというと、病院の中に情報があるにもかかわらず、まず何よりもそれをどこまで使えるのかが全然分からないということが起きます。カルテは病院情報の基本中の基本ですので、そこに転記ができない情報はどういう扱いをしたらいいのかが全く病院のほうには分からないということになってしまいますので、ここのところは割と今の制限は撤廃したほうがいいと私は考えるわけです。
 典型的なところをいいますと、いただいた情報を基に、要するに病院の中でカルテをこの人は亡くなったからということで保管庫に移動してもよいのかすら分からないということを言われて、前のがん登録部会でも指摘されておりました。保有制限、管理が目的でカルテ転記ができないということになっていますけれども、情報を基にカルテを保管庫に移動したら、保有期間を過ぎたらまたそのカルテを元に戻さなくてはいけないのかという問題も悪い冗談としてあったりしたので、ここのところは今後ぜひ整備をしてきちんと必要十分な管理ができるようにお願いをしたいところです。すみません。意見が長くなりました。
 2つ目、3つ目は質問なのですが、6枚目のスライドでID4を使うということが書いてあります。これは非常に重要な点でありまして、これまでずっとがん登録には被保険者番号はなかったわけですし、仮に被保険者番号が今後ついたとしても、非常にこの被保険者番号を第三者が使うというのは難しいところがありますので、学術研究であればそれを例外として集めることができると理解はしておりますけれども、なかなか難しいところはありますので、ID4に今後着目をしながら使っていけるようにしていただけるといいなと思いますが、ID4に関しては何か現時点でこのように使おうという方向性は検討されているでしょうか。
○中山部会長 ありがとうございます。
 それでは、健康・生活衛生局、お願いいたします。
○石川専門官 ありがとうございます。
 今のID4の部分につきましては、6ページに書かれているような被保険者番号が付与されていない、過去に収集された情報等との連結を念頭に置いて考えているものでございます。
○東委員 分かりました。これは割と重要だと思うので、またどうぞよろしくお願いします。
 もう一点質問なのですが、18枚目で20条提供における死亡情報、生存確認情報は機微性が高い理由というところで、かなりここのスライドでは家族が強調されておりますが、確かに家族の個人情報と一緒に保管されている状況においては家族の個人情報となり得ることは考えられますけれども、これは病歴という意味で詳細な病歴がある場合、診断名であるとか、死因とか、そういったものがある場合は家族の個人情報となる可能性はあると思いますけれども、死因ではなくてもっと丸めたような情報であるとか、いつ亡くなったのかという情報とか、家族の個人情報と一緒に絶対に保管されているかというと、そうでもない場合も多いと思いますので、家族と一緒でなければ別に構わないと考えられるのか、その辺の検討状況を教えていただけると幸いです。
○中山部会長 ありがとうございます。
 では、健康・生活衛生局、お願いいたします。
○石川専門官 ありがとうございます。
 こちらの生存確認情報の情報の性質の部分で書かせていただいたことについての御質問でございましたけれども、18ページに書かせていただいたことは個人情報保護法における解釈といったことで一般的な記載、ガイドライン等を基にして書かせていただいたものでございます。さらにそれを丸めた情報や必ずしもここに書かれている状況ではないところについてどこまで可能なのか、同じ取扱いにするか、取扱いをどうするかといったところについては、おっしゃるとおり議論があるかと思っておりますので、生存確認情報等をどのように取り扱うか、それを踏まえてどのように利活用していくかについては、今後具体的な研究ニーズ等を踏まえながらどこまで可能か検討していければと思っております。
○東委員 ありがとうございます。
○中山部会長 ありがとうございました。
 それでは、村本委員、お願いいたします。
○村本委員 ありがとうございます。村本です。
 私からは質問1つ、意見を1つ申し上げます。
 まずは質問ですけれども、素朴な質問で恐縮ですけれども、7枚目のスライドのがんをNDBとの連結解析により今後可能となる研究(イメージ)の中の「がんとの共生」で今後可能となる研究について、もう少し詳しく教えていただけないでしょうか。がんとの共生は患者にとって人生や暮らしそのものに大きく関わるものであり、第4期基本計画のキーワードにも掲げられている誰一人取り残さないとか、あるいは協議会の中で度々言及されている格差の問題などがこの分野での研究を今後期待されるのではないかと推測はしますが、もう少し教えていただければと思います。
○中山部会長 村本委員、ありがとうございます。
 それでは、健康・生活衛生局、お願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。事務局でございます。
 御指摘の点に関しまして、全国がん登録情報に関しては、基本的には診断時の情報を収集する形になっておりますので、診断後の患者さん、がんサバイバーの方々が実際にどのような診療を受けたのかや、時系列で見たときの併存疾患の治療の状況は、全国がん登録情報のみでは把握できないというのが現状でございます。村本委員御指摘のとおり、がんとの共生の分野の課題を検討する際には、がんサバイバーの方々がどのような診療を受けていらっしゃるのか、そこから見えてくる課題についての解決も一方で重要だという認識をしておりますので、そういったことについての実態把握に大きく期待があると考えておるところでございます。
 以上となります。
○中山部会長 ありがとうございます。
 村本委員、どうぞ。
○村本委員 ありがとうございます。連結による研究の推進に期待しております。
 もう一点意見を申し上げます。先ほどから出ているカルテの問題です。カルテ転記に関しては、カルテに転記しないという運用ルールが定められた第12回部会は6年前だったと認識しております。その後、いろいろな御発言があって、資料にも抜粋されておりますが、その辺りを拝見しておりますと、カルテ転記ががん登録情報を利活用した研究の推進につながるのであれば、患者・国民への成果還元も期待されるわけですので、私としては推進いただきたいと考えています。
 また、先ほど東委員から御質問がありましたような、例えばスライド18枚目にあります家族への影響など非常にデリケートな問題も含まれているかと思っております。この辺りは今後の検討会での議論にもなるかと思いますが、家族・患者へのデリケートな問題である以上、この問題の検討や進展に当たっては、患者・国民の成果還元にもつながることをぜひ一緒に明示いただきたいと思います。
 以上、意見です。ありがとうございます。
○中山部会長 村本委員、どうもありがとうございました。
 この点につきまして、健康・生活衛生局、いかがでしょうか。
○事務局 事務局でございます。
 村本委員御指摘のとおり、利活用と保護のバランスを皆様と御一緒に、委員の皆様に御意見をいただきながら、今後詳細について御検討できればと考えております。その際には、そういった研究が進むことによってどういった患者さんや家族の方々にメリット、国民にメリットがあるのか、そういった点についても資料等に明示しながら皆様と一緒に御議論できればと考えておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
○中山部会長 どうもありがとうございました。
 ほか、いかがでしょうか。いろいろな御視点から御意見いただいたかと思います。よろしいでしょうか。
 どうもありがとうございます。
 いただいた御指摘としては、民間利用のこと、この20条規定をめぐる診療情報の転記、生存確認、家族との関係も含めた検討、名寄せの問題、ID4、ID5、都道府県での実務との兼ね合い、がんとの共生をめぐるほかのデータベースとの連結によるがん共生の推進、よりよい共生に向けた研究に資する体制の整備など、非常に重要な論点をいただいたかと思います。
 がん登録部会、本部会としての意見を取りまとめますと、事務局より御説明のありました他のデータベースとの連結解析、匿名化の定義の明確化、届出の照合・集約作業の効率化及びデータ精度の向上、住所異動確認調査の円滑化については、法令に規定していく方法で進めていただきたいと思います。
 また、この法第20条提供情報については、委員の皆様からいただいたニーズや利活用方法について、現状の法第20条の規定を維持しつつ、運用の見直しでどのように対応できるか引き続き議論をしていきたいと思います。よろしいでしょうか。
 どうもありがとうございました。限られた時間ですけれども、非常に多くの重要な御指摘、御意見をいただけたかと思います。
 それでは、事務局にお返しをしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○石川専門官 本日は様々な御意見、御議論をいただきまして、ありがとうございました。
 次回のがん登録部会の詳細につきましては、調整の上、御連絡をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の会議は以上とさせていただきます。お忙しい中ありがとうございました。
○中山部会長 どうもありがとうございました。お疲れさまでした。

照会先

健康・生活衛生局 がん・疾病対策課

代表03-5253-1111(内線 3825、3826)