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第180回社会保障審議会医療保険部会 議事録
日時
令和6年7月3日(水)15:59~18:08
場所
全国都市会館 大ホール
議題
- 1.「働き方の多様化を踏まえた被用者保険の適用の在り方に関する懇談会」について
- 2.マイナ保険証の利用促進等について
- (報告事項)
- 1.こどもにとってより良い医療の在り方
- 2.「経済財政運営と改革の基本方針2024」、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2024改訂版」及び「規制改革実行計画」等について
議事
- 議事内容
- ○池上課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより、第180回「医療保険部会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、御多忙の中、御参加いただきまして大変ありがとうございます。
まず、委員の異動がございましたので御紹介いたします。猪口雄二委員が退任なさり、新たに、日本医師会常任理事、城守国斗委員が就任されております。後ほど御挨拶をいただければと思います。
次に、本日の委員の出欠状況について申し上げます。本日は内堀委員、河野委員より御欠席の御連絡をいただいております。また、池端委員、横尾委員より途中から御出席なさるとの御連絡をそれぞれいただいております。また、藤井委員が遅れておられますけれども、間もなく御到着かと思います。
また、本日の会議は傍聴希望者向けにユーチューブにおいてライブ配信を行っております。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。よろしくお願いします。
(冒頭カメラ撮り終了)
○池上課長 それでは、以降の議事運営は田辺部会長にお願いいたします。
○田辺部会長 初めに、先ほど事務局からの御紹介のとおり、新たに委員が就任なさっております。城守委員より、一言御挨拶を賜れればと存じます。では、よろしくお願いいたします。
○城守委員 今回より参加をさせていただきます日本医師会常任理事の城守でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○田辺部会長 ありがとうございました。
次に、欠席される委員の代わりに出席なさる方についてお諮り申し上げます。
内堀委員の代理として根本和代参考人の出席につき、御承認を賜れればと存じますが、いかがでございましょう。よろしゅうございますか。
(異議なしの意思表示あり)
○田辺部会長 ありがとうございます。
それでは、早速議事に入ってまいります。本日は「「働き方の多様化を踏まえた被用者保険の適用の在り方に関する懇談会」について」、「マイナ保険証の利用促進等について」の2つを議題といたします。
ではまず、「「働き方の多様化を踏まえた被用者保険の適用の在り方に関する懇談会」について」を議題といたします。
それでは、事務局のほうから資料の説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
○山下課長 保険課長でございます。
資料1-1が「働き方の多様化を踏まえた被用者保険の適用の在り方に関する懇談会」の説明資料でございます。同時に資料1-2が懇談会の取りまとめそのものでございます。本日は資料1-1に基づいて説明をさせていただきます。
おめくりいただいて2ページ目、「働き方の多様化を踏まえた被用者保険の適用の在り方に関する懇談会」でございます。この懇談会は3つ目的がございまして、1つは短時間労働者、こういった働き方、短い時間で働く労働者に対する被用者保険の適用をどうするのか。2つ目が、個人事業所に雇われている方の被用者保険の適用範囲の在り方。3つ目としまして、複数の事業所で働いている方、またフリーランス、ギグワーカーというような多様な働き方をしている方に対する被用者保険の在り方。これらについて被用者保険をどのように適用していくのかを議論いただきました。
この懇談会の構成員は、こちらにあるとおり、菊池先生を座長とするほか、関係する有識者の方々、さらに労働者・使用者団体、関係する団体にお集まりいただいて、8回開催しました。それで、本日その議論が取りまとまったものでございます。それが先ほど言った資料1-2でございます。
あわせて、その議論の中では関係団体から様々なヒアリングをしております。その関係団体は、パート労働者、短時間労働者をたくさん雇う業界、また、個人事業所を束ねるような団体、さらにフリーランスの団体などに来ていただいて、あとは労働組合やシングルマザーの団体に集まっていただいて、ヒアリングをさせていただいたということでございます。この場を借りまして、こういった懇談会に関わっていただいたことを感謝申し上げます。
あわせまして、3ページ目を御覧いただきたいのですが、被用者保険の適用に関する基本的な視点でございます。この視点につきましては3つあるということでまとめています。一つは、働いている方にふさわしい保障を実現した方がいいということでございます。もう一つは、社会保険の適用のあるなしによって働き方がゆがんでしまうということを避けないといけない。働き方に中立的な制度をどのように構築していくのかということ。もう一つは、そうはいっても、社会保険を適用するということは、働く人だけではなくて、それを雇う方々も負担をいただくということになります。それは財政的な負担だけではなくて事務の負担も含めて、そこをどうするのか。さらに、医療保険の世界でいうと保険者が分立しておりますので、そうした分立している保険者での調整をどうするのかというような議論がなされたということでございます。
続いて、中身の説明をさせていただきます。4枚目のスライド、まずは短時間労働者に対する被用者保険の適用の話でございます。
この中身に行く前に、参考資料として8枚目を御覧いただければと思います。短時間労働者に対して、被用者保険の適用を順次拡大してきたのですけれども、その経緯を紹介させていただきたいと思います。もともと働く人の社会保険というのは、フルタイムの4分の3以上働いている方々に社会保険を適用するとなっていたのですけれども、それよりも短い時間で働く方々についても被用者保険の適用にすべきということに伴いまして、まず2016年10月から、8ページのスライドにありますように5つの要件で、この要件を満たす方については被用者保険を適用するというふうになりました。また、2017年4月からは、500人以下の企業であっても、任意で、自分たちの企業はパートの短時間労働者も適用すると決めるのであれば、それについては被用者保険に入るということ。また、国・地方公共団体に雇われている短時間労働者についても必ず適用するということに2017年4月からなりました。
さらに、2020年の改正では、この2016年10月からの要件の中で、勤務期間が1年以上見込まれているという要件は撤廃したということ。これはフルタイムの被保険者と同様、2か月超雇う見込みであれば、パート労働者についても適用するというふうになったということです。さらに、企業の規模として、500人超の企業で働くパート労働者という条件につきまして、段階的に企業規模を引き下げてきまして、2022年10月からは100人超、そして、2024年10月からは50人超の企業でパート労働者に対して適用することがもう既に決まっているということでございます。
それで、50人という要件につきましてどうなのかという議論が中心としてあったということ。さらに、それ以外には週労働時間20時間以上という要件。また、月額賃金8.8万円以上という要件。さらに学生をどうするのかということを議論したところでございます。
それでまた4枚目のスライドに戻っていただきまして、この4つの要件、企業規模要件、労働時間要件、賃金要件、学生除外要件についてということでまとまったところでございまして、まず、企業規模要件については、他の3つの要件に優先して撤廃の方向で検討を進めるべき。一方で、これに伴う事業所の負担、また、経営への影響、保険者の財政や運営への影響に留意して、必要な配慮措置や支援策の在り方について別途検討を行うことが必要というふうにまとまりました。
次に、労働時間要件につきましては、下線部にありますとおり、国民健康保険・国民年金というセーフティネットが存在する。これはどういうことかというと、雇用保険や労災保険のように働いている被用者としての位置づけ、ステータスであれば対象だけれども、そうでなければ対象外というのとは違って、ここは働いている人に対しての被用者保険とは別に、国民健康保険・国民年金というセーフティネットが既に存在する国民皆保険・皆年金の下では、被用者の範囲については別途線引きの議論をきちんと深めるべきという、そこが肝要でありますので、雇用保険の適用拡大の施行状況も慎重に見極めながら検討を行う必要があるというふうに整理をされているところでございます。
この雇用保険の適用拡大の施行状況も慎重に見極めながらというところにつきましては、先般の通常国会で、週10時間以上働く被用者については雇用保険が適用されることとなったというところがありまして、そこの施行状況も慎重に見極めながら検討を行うというふうになったところでございます。
次に、賃金要件につきましては、年収換算で106万円相当という額が、年収の壁というような形で就業調整の基準として意識されておりますけれども、一方で、最低賃金が上がっていって、さらに労働時間要件として週20時間以上という要件を満たせば、徐々にその賃金要件をあまり意識しなくてもというようなことも増えてきていますから、こうした点も踏まえて検討を行う必要があるのではないかという形で整理をされているというところでございます。
最後に、学生除外要件については、現状維持が望ましいとの意見が多く、見直しの必要性は低いというふうに整理をされたところでございます。
これがこの懇談会の目的の3つのうちの1つで整理されたことでございます。
続いて、5枚目のスライドで、個人事業所に係る被用者保険の適用範囲の在り方でございます。
この個人事業所について、10枚目のスライドを御覧いただきたいと思います。これを見ていただいて、被用者保険の適用について、ちょっと複雑になっているので説明をいたします。まず、被用者保険の適用については、企業などいわゆる法人に雇われている人たちには適用されるということ。これは法人であれば、どんな業種であっても必ず、人を雇っているのであれば被用者保険、具体的に言うと健康保険、また、年金でいうと厚生年金保険に強制適用されるということでございます。
一方で、右側を見ていただくと、個人事業主については2つメルクマールがありまして、一つは常時5人以上を雇っている個人事業主であるのかどうなのか、また5人未満なのかということと、もう一つの軸としまして、法定17業種の対象になっているかどうかというのがあります。ここでこの(B)のところの青い部分、個人事業主は5人以上を雇っていて、さらに法定17業種になっている、ここが被用者保険が強制適用される個人事業所ということでございます。法定17業種というのは、この下にある1から17なのですけれども、これは歴史的な経緯もありましてこのようになっています。
一方で、個人事業主で常時5人以上雇っている事業所ですけれども、法定17業種に該当しない業種については被用者保険の対象にはなっていないということ。それが、例えば、農業・林業・漁業というようなこと。また、宿泊業とかクリーニングとか理美容、ビルメンテナンスというようなところでございまして、ここの取り扱いをどうするのかということでございます。さらに、5人未満の事業所をどうするのかという論点がございました。
5枚目に戻っていただいて、今回の懇談会での整理については、5人未満の個人事業所への適用の是非の検討に優先しまして、常時5人以上使用する個人事業所における適用されていない業種については、解消する方向で検討を進めるべきと。その際、事務負担や経営への影響、保険者の財政や運営への影響に留意して検討することが必要であるというふうに整理されたところでございます。これが2つ目の柱について懇談会で議論した成果でございます。
最後に、複数事業所とフリーランスなのですけれども、5枚目のスライドで複数事業所の労働時間を合算するというところについては、各事業所での実務の実行可能性を見極めつつ慎重に検討をする必要があり、その上で、まずは現行の事務手続の合理化、事務負担軽減が図られることが必要です。実は今でも週20時間ずつそれぞれ別のところで働いていることについての健康保険に関する事務手続が大変複雑でありますので、その合理化について検討を進めるべきというふうに整理をされたところでございます。
また、フリーランスについては、働き方によっては、労働基準法の労働者に極めて近い場合もあれば、そうではない場合もあります。これはまさに労働基準行政の下で、この人の働き方は人に雇われているということであれば、これは労働行政のほうから情報を得て、日本年金機構が被用者保険を適用するということをしているのですけれども、一方で、講学上の労働基準法の労働者の定義についてどうするかということについては、別途、労働法制において研究会で議論をされておりますので、その議論を注視するということ。これを基に、法人なのか個人なのかにかかわらず、どのような方々が人に雇われて働いているのかということ。そういった議論を注視しながら、中長期的な課題として引き続き検討していく必要があるというふうに整理をされたところでございます。
長く説明をしてしまいましたけれども、この懇談会での議論の取りまとめの要点を説明させていただきました。
事務局からの説明は以上でございます。
○田辺部会長 御説明ありがとうございました。
それでは、御意見等ございましたら挙手にてお願いいたします。オンラインで御参加の委員におかれましては、挙手ボタンにてお知らせいただければ幸いです。
では、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
この懇談会には健保連も参加させていただいていますので、懇談会での発言の繰り返しになる部分もございますけれども、コメントをさせていただきます。
今回の取りまとめにつきましては、今後の本格的な人口減少に伴って、就業者の減少が懸念されるという中で、社会保障制度維持の観点からも、担い手を増やしていくこと、また、働き方に中立的な制度の構築に向けた対応を図っていくというのは大変重要だと思っております。今回の取りまとめは、その方向性に沿った見直し内容になっていると考えております。
その上で、「企業規模要件の撤廃」、また「常時5人以上雇用する個人事業所の非適用業種の解消」にあたっては、短時間労働者の割合が高い卸売・小売業や宿泊・飲食サービス業などの医療保険者、健保組合も大変大きな影響を受けることが想定されますので、取りまとめにも記載いただいたように、「保険者の財政や運営への影響等に留意し、必要な配慮措置や支援策」をぜひお願いしたいと思っております。
また、今回の取りまとめにおいて、引き続きの検討課題とされたフリーランス等については、労働者性・被用者性の概念の整理の必要性、また実務の実現可能性等々、現行の医療保険制度との整合性の観点からも慎重に議論をお願いしたいと思っております。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、根本参考人、よろしくお願いいたします。
○根本参考人 ありがとうございます。
国民健康保険制度につきましては、都道府県が財政運営の責任主体となっておりますので、保険者の立場で発言をさせていただきます。
被用者保険の適用拡大につきましては、今年10月から従業員50人を超える企業等まで適用範囲が拡大されることとなっておりますけれども、そのため、国民健康保険に関しましては、一定の所得を有する方々が被用者保険に移動すると考えております。国民健康保険は、保険料の負担能力が弱い加入者が多く、年齢構成や医療費水準が高いといった構造的な課題を抱えており、財政基盤が不安定になりやすいことが懸念されております。
今後、個人事業所等において被用者保険の適用を拡大することは、国保の支え手のさらなる減少につながり、国保財政への大きな影響を生じさせるものと考えております。国におかれましては、国保制度を取り巻く厳しい状況を踏まえつつ、被用者保険の適用拡大に伴う影響を分析した上で、慎重に検討を進めるようお願いいたします。
私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、横本委員、よろしくお願いいたします。
○横本委員 経団連の立場からコメントさせていただきます。
御紹介いただきました働き方の多様化を踏まえた被用者保険の在り方に関する懇談会につきましては、多様な論点について御議論いただき、御報告を取りまとめていただきました菊池部会長代理をはじめとしまして、関係の皆様に感謝申し上げたいと思います。
その上で、被用者保険の適用範囲の在り方につきましては、資料1-1の3ページにございます、公正・公平、あるいは労働者の安心という観点から、働き方に中立的な制度の構築を進めていくことが極めて重要であると考えております。今回の報告にございますとおり、企業の規模に限らず、被用者保険の適用を拡大するという方向で検討することに賛同したいと思っております。
また、4ページ、労働時間要件、それから賃金要件につきましても、保険者からの指摘を踏まえつつも、今後、前向きに検討を進めていくことが重要ではないかと考えております。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、伊奈川委員、よろしくお願いします。
○伊奈川委員 伊奈川でございます。私もこの検討会のメンバーでございましたので、その場でもいろいろ発言しておりますけれども、改めまして私の考えていたことを簡単に申し上げたいと思います。
まず、今回の検討のキーワードは、働き方との関係における中立性ということだと思いますけれども、考えてみますと、それというのは最終的には公平性とか、あるいは平等とか公正ということに帰着するのだろうと考えておりました。そういった点で社会保険というものを考えますと、保険集団としての一体性ということが不可欠な要素であるわけですし、とりわけ医療保険においては、現在、御承知のように、特定健診・特定保健指導をはじめとする様々な取組が保険者機能という点でも重視されるようになってきているわけであります。そういった点からいいますと、年金と医療、それぞれの特徴を踏まえた議論の検討が必要だろうということで発言をさせていただきました。
また、翻って考えてみますと、被用者なのだから被用者にふさわしい制度というレベルで議論がされるわけですけれども、例えばギグワークとか、あるいはフリーランスというようなことを考えますと、被用者性、労働者性ということがありますけれども、むしろ働き方にかかわらずといったような視点が重要なのではないだろうか。とりわけ現時点ではなかなか労働者性の有無ということに関しては、労働法制のほうでもまだ議論が終着しているわけではありませんので、そういった点では働き方にかかわらずという視点が重要だろうと考えております。
そういう点で、年金の場合はどうしても国年か厚年かという二者択一になるわけですけれども、医療保険の場合はいろいろなベクトルがあるわけでありまして、少なくとも現物給付に関しては、現在、制度間の差は基本的にはなくなっているということからしますと、むしろ給付の側面もありますけれども、負担という側面も併せて考えなければいけないのではないだろうかということを考えておりまして、今回そういった点で私は参画した次第でございます。
以上であります。
取りまとめに当たられました事務局の方、また菊池部会長代理、大変お疲れさまでありました。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、原委員、よろしくお願いします。
○原委員 ありがとうございます。
私どもも、私どもの役員がこの懇談会に参画をさせていただきまして、いろいろ意見を申し上げ、報告書にほぼ反映をさせていただいておりますので、そのような意味で関係者の皆様には御礼を申し上げたいと思います。
先ほどの地方団体のほうからの御意見と重なるところでございますけれども、一言意見を申し上げたいと思います。
年金保障の充実という主な趣旨から適用拡大をすることについては大事なことだろうということはそのとおりだと思っておりますけれども、一方で医療保険に与える影響というものがあるのだろうと。しかも、今回どういった具体的な対応をするかはまだ出ておりませんけれども、何となく今日の資料の4ページ、5ページを見ていますと透けて見えるわけでございますが、今回の対応をどうするかはさることながら、昨年12月に政府が閣議決定いたしました全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋、いわゆる改革工程を拝見しますと、この被用者保険の適用拡大というのは、今回に限らず今後も検討が続けられていくこととなっております。この適用拡大がこのままどんどん進められた場合には、人口減少で今、国保の被保険者がどんどん減っている中で、さらに被用者が抜けていくということになりますと、地域の連帯感を基礎とした国保の保険者機能の発揮というものが困難となり、ひいては国民皆保険体制の基盤となっている国保制度の存立そのものに大きな影響を与えるのではないかということを実は危惧しております。
そうならないようにするためには、少なくとも医療保険制度においては年金とは別に一定の歯止めを設けるといったことも将来は考えなければいけない、そういった必要も出てくるのではないかと思っているところでございます。
この問題については、説明はまだございませんけれども、恐らくこの懇談会の取りまとめを受けて、今後、いつからかは分かりませんけれども、この医療保険部会で議論されるというふうに聞いておりますので、改めて厚生労働省からの資料説明等を聞いた上で意見を申し上げたいと思っております。
また、国保の財政や保険者機能の発揮にも大きな影響が予想されますので、具体案の議論に当たりましては、地方団体でありますとか国民健康保険組合、こういった国保関係者の意見をしっかりと聞いていただき、その理解と納得を得ながら対応を進めていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、中村委員、よろしくお願いします。
○中村委員 まず、これはもしかしてあまり大きな論点ではないのかもしれないのですけれども、学生除外要件についてなのですが、例えば大学院生、特に博士課程の学生などについて、当事者がどう思っているのかということは、数が少ないということはあるかと思うのですけれども、何か要望はないのかということが少し気になりました。
それから、保険者間で加入者の移動が起きるということについてなのですけれども、健康状態とか年齢構成によるコストの違いということについて、もう少し情報が必要ではないかなと思いました。
以上です。よろしくお願いいたします。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがございましょう。
では、袖井委員、よろしくお願いします。
○袖井委員 被用者保険の適用拡大というのは、第3号被保険者を減らしていく一番いい方法ではないかと思っております。女性団体としては、いつも第3号問題は非常に大きな課題なのですが、社会保険料を払わないで年金や医療サービスを受ける人が一定程度存在するというのは公平性の観点からいってもおかしいと思っております。ですから、今回のこういう措置によって、第3号がどんどん減っていくというのはとてもいいことかなと思います。
ただし、106万円という年収の壁をいつまで維持するのか。これがある限り、就労調整する人は後を絶たないと思うのです。私は、個人的にはこの壁は撤廃したほうがいいと思うのですが、少なくとも半分くらい、50万か60万ぐらいにしないと就労調整をする人は出てくると考えておりますので、この辺の議論があるのかないのか知りたいと思います。
○田辺部会長 今のは御質問でございましょうか。
○袖井委員 はい。第3号の問題もこれに入っているのかどうかというのを聞きたいと思っています。
○田辺部会長 どなたか答えられますか。
では、お願いいたします。
○山下課長 保険課長でございます。
第3号の話は年金制度でございますので私から答えることはできないのですけれども、当然この懇談会の中ではそういった話も出てきて、今、袖井委員のおっしゃられたとおり、第3号被保険者制度について解消といいますか、人数を少なくするというようなことを前提に適用拡大を進めていくべきというような主張をされる委員もいらっしゃったということでございます。
あわせて、賃金のところにつきまして、106万の壁についても、確かに懇談会の中では、特にパート労働者を多く抱える方々のところとか、また、そういった労働組合の方々からも、この壁を意識しないようにするために、賃金要件はもう少し引き下げるべきなのではないか。一方で、雇う側からすると引き上げて、もっと壁を意識せずに働けるようにすべきというようなこと、それぞれ意見があったということでございます。
○田辺部会長 袖井委員、よろしゅうございますでしょうか。
ほかはいかがでございましょう。
村上委員、よろしくお願いします。
○村上委員 ありがとうございます。
私ども連合からもこの懇談会の委員は出ておりましたので、重なる部分もありますけれども、意見を申し上げたいと思います。
今回、働き方などに中立的な社会保険制度の構築を目指して、短時間労働者の適用に関わる企業規模要件や5人以上を使用する個人事業所の非適用業種の撤廃解消が明記されたということについては評価したいと思っております。一方で、労働時間要件や賃金要件、また複数の事業所で勤務する場合の適用について、今回、明確な方向性が示されなかったことは残念に感じております。
今後は、議論の取りまとめを踏まえて、次期改正に向けて、年金部会や、この医療保険部会で議論を行っていくことになるかと思います。その際、現行制度は、働く場所などで社会保険が適用されるのかどうかが決定されることは不合理だということを前提に、働き方などに中立的ではないという認識の下で、全ての被用者への社会保険の適用に向けて、適用要件の見直し、撤廃に向けた前向きな議論を期待したいと思っております。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、城守委員、お願いいたします。
○城守委員 ありがとうございます。
本日の資料の3ページにありますように、被用者保険の適用拡大に関しましては、その重要性、またその趣旨も十分に理解をさせていただいているところでございますが、それを踏まえた上で、この資料にもございますように、適用拡大をしますと被保険者さんが移動するということになって、保険者の財政、また運営に影響が出るということですけれども、これは特に保険者の規模が小さいところでは顕著に出てまいりますし、その存続にも関わるということにもなろうと思います。
そういう点を踏まえまして、ここにも記載がございますが、この制度を今後検討するに当たっては、十分な支援策を考慮していただいて、各保険者がしっかりとその体制を維持できるというふうにしていただきたいということを要望させていただきたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、前葉委員、よろしくお願いいたします。
○前葉委員 ありがとうございます。
被用者保険の在り方をこのような形で働き方の多様化、それから恐らく雇用主側も、人手不足の時代ですから、安心して働いていただけるような制度づくりというのは非常に関心が高い分野だと思いまして、こういう形で議論していただいていることを非常にありがたく、かつ重要なことだなと思いながら受け止めさせていただいております。
その上で、国保との関係で申し上げますと、この報告書自体が国民健康保険というセーフティネットが存在するということを前提に書かれてございまして、そのとおりなのですが、国保自体がセーフティネットであり続けるためには、どういう形で国保を、この議論が進む中で考えていくかということを常にセットを考えていかないといけないなと。つまり、心配するのは、先ほど来、原委員もおっしゃいましたが、国保の支え手が減ったりとか、被用者保険に移っていくことによって保険料収入が減る。あるいは加入者の平均年齢が上がってくることなどで、国保の基盤が緩んでくるということ、基盤が危うくなってくるということなのだろうと思いますが、それは突然そうなるというよりも、だんだんそうなってくるということなのですね。
一番懸念するのは、気づいてみればそうなっていた。国保をどうしようというようなことにならないように、裏表というか、被用者保険に移っていく際に国保がどういうものになるのかということを常にセットで考えていかなければいけないと思っております。したがって、国民健康保険が後からついていくというよりも、一緒になって走っていく。常時、国保がどういう形になっていくのかということを探求しながらこの議論を進めていく必要があるのではないかと思っておりますので、今後もこの部会で、国保の保険者の立場も含めてしっかりと取り組んでいきたいなと思っています。ありがとうございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、藤井委員、よろしくお願いします。
○藤井委員 ありがとうございます。
今後、この部会で具体的な検討を行うに当たりましては、懇談会での議論に引き続き、中小・小規模事業者の実態を十分に踏まえてお進めいただくようにお願いしたいと思います。
取りまとめの資料にも記載されていますとおり、適用拡大の対象となる事業所においては、事務負担や保険料負担が新たに発生または増加いたします。より小規模な事業者であればあるほど、その負担は大きく、経営に与える影響が相対的に大きいものになります。そのため、適用拡大することにした場合も、事業者が予見性を持てるよう、実施までの時間を十分に確保するとともに、実務現場の実情、実態に寄り添った支援が必要であることを改めて申し上げておきたいと思います。
また、医療保険制度全体への影響も無視することはできません。先ほど同様の意見もございましたが、被用者保険への加入者が増えることで、個人事業者やその配偶者などが加入する市町村国保が先細りすることは明らかです。加入者による支え合いが前提となっている保険制度の在り方そのものを考え直す必要があるのかもしれない、とも思われます。ぜひこういったことへの配慮もお願いしたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、北川委員、よろしくお願いいたします。
○北川委員 ありがとうございます。今回の適用拡大の方向性につきましては、冒頭、佐野委員からも御発言がありましたとおり、被用者保険者としましては、社会環境の変化に対応した持続可能な社会保障制度維持の観点からは必要なものだと理解しております。
一方、今回、見直しの対象者の多くは協会けんぽに加入することが想定されておりますが、協会としましては、加入者の健康づくりの推進や医療費の適正化に向けての保険者機能の発揮に当たっては、事業主との連携が大変重要だと考えております。そうした観点からは、保険者機能が引き続き確保されるためには、対象者が被用者としての実態を備えているということが非常に重要な要素であると考えており、今後の適用拡大に当たっては、そうした実態面への配慮をお願いしたいと考えております。
また、具体的な制度見直しに当たっては、適用徴収、給付などの事務処理負担、さらには、大規模な人数での制度間での移行実務、こうしたことについても実現可能な手段、期間等に御配慮いただきたいと考えております。特に各保険者への財政影響の試算、これについてはできる限り早くお示しいただければありがたいと考えております。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、菊池委員、よろしくお願いいたします。
○菊池部会長代理 ありがとうございます。一言発言をさせていただければと思います。
今回、取りまとめに当たりまして、本日も御出席いただいております関係各団体の皆様から様々な御意見をいただきまして、また、取りまとめに向けて御協力も賜りまして、本当にありがとうございました。伊奈川委員には理論的な整理の面でサポートいただいたりもしまして、本当にありがとうございました。
私は前回の懇談会に参加していませんので、詳細までは承知していないのですが、これは恐らくはという感触なのですけれども、今回、企業規模要件の撤廃、あるいは非適用業種への適用拡大が議論され、先ほどお示しいただいたような方向性が出ているわけですが、さらに雇用保険法の今年の改正で週10時間まで下がってきたという部分もあって、今回、今までにも増して、同じ保険者でありながら、年金保険と医療保険の性格の違いですとか、保険者の規模ですとか、そういったものの固有性がかなり明らかになったのかなと、皆様の御議論を拝聴していても感じたところです。
ただ、今回そういった御議論をいただいたのですが、取りまとめの中では、特に医療保険についてはこうとか、年金についてはこうという形でのまとめにはなっていないところであります。それはこれから各部会で議論していただくことになると思いますが、現時点では、健康保険法、厚生年金保険法ともに、適用事業所に使用される者という同一の文言で、多分、法解釈としても特段、別意に解釈はされてきていないと思いますので、そういう中での議論になるかなとは思ってございます。
そこで1点、ここは事務局に内々にはお願いしているところですけれども、今日も実は先ほどまで3階で年金部会をやっておりまして、被用者保険の適用拡大についての御発言もあったところですが、保険局、年金局、ぜひどういった議論がなされているかという情報交換ですとか情報の共有を密にやっていただきたいと要望させていただきたいと思います。その中でそれぞれの部会で議論されていくものだと承知していますということです。
あと1点、先ほど袖井委員から御質問がございましたが、国民年金第3号被保険者につきましては、次期年金改正に向けて、論点の1つに入っておりますので、今日財政検証が発表されて、これから来年の法改正に向けて本格的に議論を行っていきますが、その中の論点になっているということをお伝えさせていただきたいと存じます。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
兼子委員、よろしくお願いいたします。
○兼子委員 ありがとうございます。
全体の方向として、保険の適用が広がるというのはその方向だと思うのですけれども、私は研究者ではないので分からない点もありますが、保険料の負担について言えば、まだ日本の保険は逆進的な負担が残っているわけです。あるいは高額所得者や資産の多い人たちの保険の問題も残っているかと思います。
今議論されている方向が進めば、小規模企業、あるいは所得の低い人の加入が進んでいくわけですけれども、当然、保険の在り方として、御発言がありましたように制度全体の問題ということも課題になるかと思っていますので、やはりこの逆進的な問題、あるいは高額所得者や資産の多い方たちの問題についても、どのように解決していくのか、この辺についても議論を進めていただければと思っております。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
では、本議題についてはこれまでとしたいと存じます。
本日いただきました意見も踏まえつつ、今後、医療保険部会においても議論を深めていければと存じます。
次に、「マイナ保険証の利用促進等について」を議題といたします。事務局から資料の説明をお願いいたします。では、よろしくお願いします。
○竹内課長 医療介護連携政策課長でございます。
資料2「マイナ保険証の利用促進等について」、御説明をいたします。
まず、資料の3ページを御覧いただきたいと思いますけれども、前回、6月21日の医療保険部会におきまして、保険者におけるデータ登録の迅速化と受診時のマイナ保険証による資格確認の円滑化に向けた対応について御説明するとともに、これに併せまして、資料の4ページ、それから5ページにございますけれども、マイナンバーカードによるオンライン資格確認を行うことができない場合の対応、12月1日までの取扱いについて周知徹底を図っていく旨の御説明を申し上げました。
資料の1ページにお戻りいただきまして、本日は医療機関等におけるマイナ保険証の利用時に生じる主な事象、課題への対応について、前回の医療保険部会で御説明した内容も含めまして、厚生労働省としてどのように対応しようとしているのか、改めて整理いたしましたので御説明いたします。
まず左側一番上でございますけれども、健康保険証は有効なのにマイナ保険証で無効と表示される、保険資格の確認ができず10割負担での請求を行うという点でございます。
解決に向けた対応でございます。右側の矢印のところでございますけれども、転職や転居等により資格変更があった際に新しい資格情報が迅速に登録されるよう、昨年6月に省令改正を行い、資格取得の届出から5日以内、資格変更から10日以内にシステム登録を求めておりますが、前回の医療保険部会でも御説明いたしましたとおり、さらに保険者に対しまして迅速化を図るために、改善計画の策定を求め、フォローアップ調査を実施することとしております。また、オン資未登録のままマイナ保険証を使ってしまう事態を回避するために、データ登録までの期間の周知、登録が終わったことを通知する仕組みを導入することとしております。
そして、こうした対応によってもなおマイナンバーカードでオンライン資格確認が行えない場合には、矢印の右側、赤枠で囲ってある部分になりますけれども、資格無効画面に表示された喪失済みの資格や過去の受診歴から確認した資格情報で請求を行っていただくか、被保険者番号等が不詳でも、本人に資格申立書を記載していただき、不詳レセプトとして請求を行い、マイナ保険証を持参した患者に対して、紙の保険証の提示がなくとも、10割負担とすることなく適切な自己負担、3割等の支払いを求めるよう周知することとしております。
次に、顔認証付きカードリーダーが起動しない、顔認証付きカードリーダーで顔認証ができないという点でございます。
解決に向けた対応でございますが、カードリーダーの起動時の不具合につきましては、定期的に電源のオン・オフ、シャットダウン・再起動を行うことで解消できることが多く、6ページの簡単チェックシートも参照の上、御対応いただきたいと考えております。
また、顔認証時の読み取りエラーでございますが、カードを袋に入れたまま置いてしまう、あるいはカメラに近づき過ぎる、逆光や外光の影響を受けることなどが主な原因でございまして、エラー時の対応について周知を図ってまいりたいと考えております。
次に、前回の医療保険部会でも複数の委員から懸念する声がございましたけれども、電子証明書の有効期限が切れるとマイナ保険証として使えなくなるという点でございます。資料の7ページを御覧いただきたいと思います。これまでの対応といたしまして、有効期間満了日の3か月前から、本人の元に地方公共団体情報システム機構(J-LIS)から更新手続の案内の封書が送付されております。また、有効期間満了日まで3か月以下となった場合には、医療機関・薬局での資格確認の際に、顔認証付きカードリーダーの画面上で、市区町村の窓口で更新手続を行うようアラートを出す機能を設けております。
矢印の下、今後の対応でございますけれども、本年12月より、電子証明書の有効期間満了日から3か月の間は、通常どおり暗証番号の入力や顔認証等により本人確認を行うことを前提といたしまして、手元にあるマイナンバーカードを活用して、オンライン資格確認を行うことができるよう、必要なシステム改修を実施しております。また、12月2日以降は、電子証明書の有効期間満了日から一定期間を過ぎてもなお更新手続が行われない場合には、本人からの申請によらず、医療保険者等から資格確認書を交付することとしております。
資料の1ページに戻っていただきたいと思います。先ほどの顔認証付きカードリーダーが起動しない、あるいは電子証明書の有効期限が切れるとマイナ保険証として使えなくなるといったことについての解決に向けた対応、これらの対応によってもなおマイナンバーカードでオンライン資格確認が行えない場合の対応につきましては、矢印の右側、赤枠で囲ってある部分になりますけれども、先ほど御説明をさせていただいたとおりでございます。
次に、資料の2ページを御覧いただきたいと思います。過去に別人との紐付け誤りが報じられたこともあり、安心してマイナ保険証を利用できないという点でございます。
解決に向けた対応でございますが、全ての登録済みデータ1.6億件について、住民基本台帳情報との突合を完了し、そのうち確認が必要なデータについて保険者等による確認作業も完了しております。また、新規加入者の登録時に、全てのデータについて住民基本台帳情報と突合するチェックシステムの仕組みを本年5月から実施しております。
次に、高齢者がうまくマイナ保険証を使えない、暗証番号を忘れて入力できないという点についてでございます。
解決に向けた対応でございますが、暗証番号の入力や顔認証が困難な場合には、目視モードによる資格確認が可能であり、引き続き周知をしてまいります。また、今後、来年春を目途としたシステム改修によりまして、窓口での目視モードの操作を簡便化することとしております。さらに、暗証番号を3回誤入力した場合でも、顔認証や目視モードの対応が可能であり、また、暗証番号を設定しない顔認証カードでも、マイナ保険証として御利用いただくことが可能でございます。
次に、顔認証付きカードリーダーがクリニックに1台しかないので、待合室が混雑するという点についてでございます。
解決に向けた対応でございますけれども、10ページに関連する資料を入れてございますが、令和5年度補正予算によるカードリーダーの増設補助を通じまして、対象となる施設の増設を支援しており、補助の要件としている利用件数の判定期間を本年3月から7月に延長したところでございます。
また、同意の画面操作について、繰り返し「同意する」を選択することは煩雑だと、そうした御指摘をいただいておりまして、本年秋頃を目途に、包括同意等の改善を順次行っていくことを予定しております。
次に、通常の受付窓口以外で対応する方式、ドライブスルー形式等を取っている薬局では1台のカードリーダーで対応することになり、マイナ保険証での受付が困難という点でございます。
解決に向けた対応でございますが、医療機関等の窓口において資格確認ができない場合として訪問診療等で用いられる居宅同意取得型を活用したマイナ保険証による受付が可能であり、その運用につきまして、9月頃までに提示をさせていただく予定でございます。
最後に、資格確認時に表示された情報に「●」が出るという点についてでございます。
解決に向けた対応でございますが、12ページに関連する資料を入れてございますけれども、医療機関等へのマニュアルでお示ししているとおり、表示された内容のまま、つまり「●」表記のままでレセプト請求していただくことが可能でございます。こうした内容を再周知するとともに、レセコンやオンライン資格確認等システム、保険者システムの文字コードの違いを踏まえつつ、よく「●」表記となる漢字から修正を検討したいと考えております。
資料の一番下の※印でございますけれども、医療機関等におきまして不具合等でお困りの際は、オンライン資格確認等コールセンター(0800-080-4583:通話無料)までお問い合わせいただきたいと思います。
資料の3ページから13ページは、ところどころ御紹介いたしましたけれども、ただいま御説明した内容に関連する資料となっております。
また、資料の14ページ以降は、オンライン資格確認の利用状況などの参考資料となっております。
資料2の説明は、以上でございます。
○田辺部会長 御説明ありがとうございました。
それでは、御意見等ございましたら、挙手にてお願いいたします。オンラインで御参加の委員におかれましては、挙手ボタンでお知らせいただければ幸いです。
では、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
資料の4ページから5ページに記載のとおり、初回登録は必要ですけれども、一旦マイナ保険証として登録すれば、保険者が変わった場合でもマイナ保険証で受診できるという大変大きなメリットがあると考えております。この点、まだまだ知られていないというか、伝わっていない部分があると思いますので、ここはやはり政府としても、よりPRすべきだろうと思っております。
その一方で、保険者が変わった場合でも、保険者間の負担が円滑に行われる必要がありますので、前回申し上げたとおり、レセプトの振替・分割機能を充実させた上で活用する等、請求スキームの改善については併せてお願いしたいと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございますしょう。
では、渡邊委員、よろしくお願いいたします。
○渡邊委員 ありがとうございます。
12月に向けて、マイナ保険証の利用促進については薬局でも取り組んでいるところなのですけれども、現場で今抱えている問題で数点お願いと質問をさせていただきたいと思います。
1点目なのですけれども、今回の資料の課題の中には挙げられていないのですが、現場において利用促進に取り組んでいる成果、つまり現状の利用率を確認するということなのですけれども、これができない状況にあります。というのは、実際にはポータルサイトにおいて、それぞれの施設の利用件数であったり割合であったりというのを確認しているのですけれども、その確認に関しては、この7月に入って4月の数字が確認できるというような状況になっている状況です。つまり、この集中取組月間中は、集中取組月間が終わってからしか集中取組月間の数字が確認できません。
もちろん集中取組月間が終わっても取組は続けてまいるのですけれども、リアルタイムに数字を評価、判断するということは大変効率的な取組につながっていきますので、その数字自体がレセプトベース云々というのもあるかもしれないのですけれども、目安とする数字自体をどうするかという部分も踏まえて、リアルタイムに数字が確認できるようにしたほうがいいのではないかというのが1点あります。
次に、スライド7に電子証明書の有効期限に関する部分が書かれていますけれども、これに関しても期日後に有効期間を延ばしておくという対応もありますが、その期間に更新をされずに放ってあった患者さんが受診されるとは限らないので、その期間に来られた場合に関しては、カードリーダーの表示画面で切れていますよということが出るのだと思うのですけれども、切れてしまう前に、マイナポータルか何かでプッシュ通知をするとか、そういう部分での事前の対応、切れてしまってからではなくて、切れてしまう前の分かりやすい対応をぜひお願いしておきたいなと思います。
それと、スライドの9ページに目視モードがあるのですが、これも現場の設置状況にもよるのですが、資格確認端末等の切替え操作というのは残っているのですね。ということは、切替え操作をするために資格確認端末と顔認証付きカードリーダーの間をスタッフが行き来して対応しなければならない状況が現場で生じるのですけれども、これがなかなか現実的ではない状況です。この目視モード自体を常時使えるような状態の設定ができるのかどうなのか。要するに、毎回資格確認端末を触らなくてもできる状況になるのかという部分。
それと、今回の実装に関しては、来年春とスライド9の一番下に書かれているのですけれども、資格確認に関する居宅同意取得型に関しては、目視モードがないと対応ができない状態になるので、これに関しては本年の10月に予定されていることについて変わりないかという確認をしたいのと、これに関しては常時、目視モードが稼働できるのだろうということは確認しておきたいと思います。
それと、スライドの11ページの部分は実は一番声が大きく上がっているところなのですけれども、顔リーダーの改修の部分です。包括同意に関しては、もちろんこれをしていただくことはプラスになるのですけれども、現在、マイナ保険証として初回登録がされていないカードに関しては、顔認証付きカードリーダーで初回の紐付けを行っているのですけれども、実はその方がリーダーを通されたら、ここに今表示されている4枚の同意画面が出てきて、その後に、このカードを健康保険証として利用しますかと出てきて、処理を選んだら、処理時間があって、処理されましたとなるのですけれども、その後にもう一回、同じ同意画面が4回出てきます。これは、患者さんは大変負担になるのと、時間がかかる状態になります。ですので、この改修のときに、ぜひ最初に紐付いていないカードについては、紐付けをしてから包括同意に移ることが患者の負担軽減になると思いますので、ぜひこの事象も同じタイミングで改善をしていただきたいと思います。
現場から数点のお願い、質問でしたけれども、以上よろしくお願い申し上げます。
○田辺部会長 何点かございましたので、回答のほうをお願いいたします。
○中園室長 保険データ企画室長でございます。
御指摘、御質問いただきありがとうございます。まずは目視モードの関係で御指摘と御質問をいただきました。御指摘のとおり、現在目視確認モードがございますが、資格確認端末を立ち上げて、モードの切替え、目視確認という形で操作を行う必要があります。この間、患者さんとカウンターの内側との間を何度も行き来してしまって、使い勝手がよくないのではないかとの現場のお声をいただいております。したがって、目視モードという方法があるということの周知を行いつつ、目視確認モードを使い勝手のよい形で、例えばワンタッチで、職員によるカードリーダー側での操作によって、何らかの支援が必要な方の目視確認、本人確認をスムーズにできるといった簡便な形での改修を現在検討しているところです。
また、御質問のありました在宅等での居宅同意取得型において、医療機関・薬局の職員がその施設のモバイル端末等を用いてカードを読み取るという仕組みがあります。この点についても、4桁の暗証番号での本人確認方法に加えまして、在宅等でもカードのお写真での目視確認方法ができるようなアプリケーションの開発について、これまでいただいた御要望を受けて進めてきているところです。昨年10月にその方向性をお示しさせていただいておりましたが、在宅等における目視確認方法のアプリケーションの開発については、予定どおり本年10月にアプリケーションの配信を予定しております。これによって、在宅等における居宅同意取得の仕組みについても簡便な形で本人確認が可能になると考えております。
私からは以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
あと、リアルで出てこないとか、プッシュでやってくれないというのがございましたけれども。
○中園室長 追加で、利用率の通知につきましては、現状、特に一時金の要件となりますマイナ保険証を使った人に着目した利用実績やその利用率を各医療機関・薬局に対して、メールや医療機関等向けポータルサイトで通知しているところです。どうしても分母のがレセプト枚数となっておりまして、社会保険と国民健康保険、それぞれのレセプト枚数の実績を集めて、その分母の数字を通知しているという関係上、どうしても例えば4月実績が6月下旬頃のお知らせという形で1か月半ぐらい時間がかかっている現状がございます。この通知に関しては、他の数字を参考までにお送りするとか、いち早くお出しできる利用件数ベースの数字を通知することができるかどうかなど、なるべく現場での取組の参考となる指標として通知できるよう前向きに検討させていただきたいと考えております。
また、最後に御指摘いただきました11ページ目に関しまして、保険証の利用登録は医療機関・薬局の顔認証付きカードリーダーでできますが、委員御指摘のとおり、保険証の利用登録をされる方は、最初に本人確認と同意の取得をして、その後に保険証の利用登録をされますかとの画面が出てきて、もう一回本人確認と同意の取得をし直さないといけないという仕様となっているメーカーが一部ございます。この点、私どもはプログラム改修ができないか各社と調整しておりまして、現在メーカーにおいて対応を検討中でございます。前向きに改修対応を検討されていると聞いておりますので、実装時期などが明らかになりましたら、お示しをしてまいりたいと考えております。ありがとうございます。
○田辺部会長 渡邊委員、よろしゅうございますか。
○渡邊委員 ありがとうございます。取り組んでいる成果の数字に関しては、レセプトで出てきたベースの数字ではなくてもいいので、実数でもいいので、リアルタイムに教えていただくほうが現場としては評価して実績につなげられると思うので、併せて検討をお願いしておきたいと思います。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、藤井委員、よろしくお願いします。
○藤井委員 ありがとうございます。
マイナ保険証は命のカードだということを常々申し上げております。私は個人的にもいろいろな講演の現場などで訴えてきておりますが、いまだに登録が厄介だという声も聞いており、病院や薬局に持っていけば3秒で登録できるということを申し上げると、いまだに驚きの声を聞きます。ドラッグストアの薬局に行けば、3秒で登録できますと周知するのも、ジャストアイデアですが良いのではないかと思います。
それから、先日、防災体験学習施設を視察する機会がございました。館内で、被災時に持っていくべきもののリストを目にしました。そこにはお薬手帳はあったのですが、マイナ保険証、あるいはマイナ保険証の事前登録ということは残念ながら書いていませんでした。今回の能登半島地震を見ても分かるように、現場は大混乱になりますので、事前にマイナ保険証として登録しておくということは、命を守るカードになると、緊急時にこそ必要だということをしっかりと情報発信すべきではないかと思います。公的な空間、教育的な場において分かるような工夫をしていただければと思います。
お薬手帳の話を申し上げましたので、追加で少し申し上げます。マイナポータルを見れば、当然、受診履歴、処方薬の情報を見ることができ、ある程度お薬手帳の代わりにもなりますが、ここにはOTC医薬品の情報がまだ反映されていません。最近はスイッチOTCを拡大しようという動きがあると伺っておりますが、医療用医薬品とは相互作用も当然あります。医師が治療方針を決め、処方箋を出すに当たって、OTC医薬品の服薬情報があれば素晴らしいと思いますので、ぜひマイナポータルの中にも情報が入るように、御検討いただければと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、局長、よろしくお願いします。
○伊原局長 今の藤井委員の御指摘に関して1つコメントをさせていただきますと、お手元の資料の22ページにマイナ保険証を活用した救急業務の迅速化・円滑化というのがございます。先ほどは命のカードということだと思うのですけれども、この5月から全国の67消防本部660隊におきまして、救急車の中で、マイナカードでその人の過去の受診した病院とか薬が見られるようになるということを始めております。
24ページに、先日、厚生労働大臣も含めた3人の大臣が東京消防庁に視察を行った際の資料があります。その際、取組の状況を聞かせていただきましたけれども、119番をすると、オペレーターの方が「もしマイナ保険証をお持ちなら、救急隊が着くまでの間に用意しておいてください」という話をします。救急隊が着くと、そこでマイナカードがある場合は、カードリーダーで読み取って、その方のかかりつけ病院がどこかということも把握しますので、どこの病院に搬送したらよいか非常に短時間のうちに分かるといったお話がございました。
ただ、家の中の場合はそれでいいらしいのですけれども、夏のように出先で熱中症で倒れるようなケースが増えてくると、常にマイナンバーカードを携行していただかないと使えないという話もあるので、ぜひできるだけ多くの方に日常的に携行してほしいという話もございました。マイナ保険証は、医療機関で使うだけではなくて、万一のときにも非常に有効であるという話がございますので、我々としても積極的にPRしていきたいと考えてございます。
○藤井委員 ありがとうございました。
金庫に入れておくべきと最初に広まってしまったので、どうしても誤解が続いてしまっています。救急車の件を色々な場で話すと、え、今はできていないの、と、何となくできている気になっている方が多いです。現状そうなっていないということをしっかり知らしめていただくことも重要かと思います。よろしくお願いします。
○田辺部会長 ほかはいかがでございましょう。
では、大杉委員、よろしくお願いします。
○大杉委員 ありがとうございます。
本日の資料におきまして、様々な不具合に対してフロー図を示していただきまして、より分かりやすく整理されたと思います。日本歯科医師会としましても、会員周知をより一層働きかけていきたいと考えております。
ただ、マイナ保険証の利用促進におきましては、前回に当部会で示されましたけれども、4月末時点のマイナ保険証の登録状況は約58%とまだ6割にも達していない状況であり、医療機関における声かけも実を結ばないところがあります。何度もこの場で申し上げているとおり、マイナンバーカードの保有率とともに、利用率については、国民の理解が得られなければ進まない部分が多くあると思いますので、引き続きよろしくお願いを申し上げたいと思います。
また、利用促進に向けて、年齢階級別や性別での利用状況などの情報等もありましたら教えていただければありがたいと思います。
参考資料の15、16ページにマイナ保険証利用率の推移をお示しいただいておりますが、歯科でもやっと1割を超えたところであり、ただ、15ページを見ますと、利用率の算出の分母がオンライン資格確認の利用件数となっており、従来の保険証受診でのオンライン資格確認を行っている部分も多く含まれていると考えられます。一方、先ほどありましたが、支払基金の総合ポータルサイトのマイナ保険証の利用率のお知らせでは、利用件数、利用者数、外来レセプト数から利用率が算出されており、分母が統一されておらず、分かりにくいところがありますので、利用率の分かりやすい示し方についても御検討していただければと思います。
最後に、3ページの保険者におけるデータ登録の迅速化と受診時のマイナ保険証による資格確認の円滑化に向けての対応とあります。保険者の方々も非常に御苦労されていることと思われますけれども、その中においてデータ登録が完了し、マイナ保険証が使えるようになるまでに要する時間の提示や、データ登録が完了したことを資格情報のお知らせなどを利用して確実にお知らせするなどの対応を徹底するとありますが、昨年6月に省令改正を行い、本来、資格取得の届出から5日以内、資格変更から10日以内にシステム登録をするようなルールとなっておりますけれども、実際にはどのように運営されているのか、情報共有としてお教えいただければと思います。厳しいのであれば、できる手だてを考えるべきであろうと思います。ぜひともよろしくお願いを申し上げます。
私からは以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
今お伺いのあった数字は手元にございますか。
○山下課長 保険課長でございます。
個別個別の数字は手元にございませんが、前回も申し上げたとおり、これは保険者の作業が遅れているという保険者だけの話ではなくて、私も例えばこのポストに来る前は内閣官房というポストにいて、今とは共済組合が違ったのですね。それで、こちらに来るときに自分で手続をして、自分で自分のマイナンバーを伝え、自分で登録しない限り、それは当たり前ですけれども、厚生労働省の共済組合は、あなた誰ですかという話になってしまう。さらに私、被扶養者もいますから、子供の情報を私が集めて、それで登録しないといけない。こういった一つ一つの手続、これはまさに皆保険というのは、言い方は悪いけれども、天から降ってくるようにしてサービスが提供されているわけではなくて、一人一人が自らきちんと手続をして、そして、その手続があって、これはみんなで支えていただいて成り立つものですから、まさにそういったことをしていかなくてはいけないと思っておりますので、今の大杉委員の御指摘を踏まえて、しっかりと保険者の皆さん、事業主の皆さんが被保険者お一人お一人からしっかりとしたデータを取ってやっていく。これでみんなで支えるということをちゃんとしてまいりたいと思っています。
○田辺部会長 大杉委員、よろしゅうございますか。
○大杉委員 ありがとうございます。
医療DXは避けて通れないところだと思いますが、皆様、保険者の方々も本当に努力をされておると思いますけれども、何でこれだけ上がっていかないのかというのは疑問に思うところもあります。そういう意味で、ぜひとも将来に向けてきちんとした体制をつくっていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。
○田辺部会長 ほかはいかがでございましょう。
では、横尾委員、よろしくお願いいたします。なお、横尾委員は遅れて参られましたので、一番初めの議題についても何か御意見をお持ちでしたら、そこも併せて御発言いただいて構いません。
○横尾委員 御配慮いただいてありがとうございます。
まず、今2項目の審議中なので、この2項目のことから申し上げたいと思います。
マイナ保険証の利用等に関しての率の向上については、いろいろ御努力いただいていることに感謝をしたいと思いますし、地方自治体の首長であり、後期高齢者医療広域連合の関係者としては、もっともっとこういうのが伸びていけばいいなと思っています。
また、具体的なトラブルケースや事案を想定して幾つかの解説を含めた資料を今日提出いただき、説明もありましたが、ありがとうございます。
まず1ページ目でございますけれども、登録の変更その他に関することで5日以内とか、資格変更から10日以内という記述等もあるのですが、一般の方の今のデジタル機器等の活用とか、いろいろなネットを利用しての登録、解除等の時間感覚からすると、ほぼリアルタイムというのが望ましい姿ではないかなと感じるのです。できるだけそのレベルに近づくようにしていただくのはとてもいいと思いますし、そうすることによって、例えばあなたはちゃんと登録できましたというのがその日のうちか24時間以内に届けば、間違いなく自分はできたのだなという確認もできますので、そういったシステムなのか、アプリなのかの改良というのはとても大切ではないかなと思っています。
いろいろな技術的な事情はあるかもしれませんけれども、ぜひ日常、一般の方が使っているサービスの登録、解除等に関する時間感覚、スピード感覚をぜひ考慮いただいて、改善していくのが一番有効だろうとまず感じました。
中段のほうで顔認証付きカードリーダーに関する認証ができる、起動しないということに関する対応もここに説明つきで書いていただいていますが、やはりこれは少し立ち上がり時期は手間暇かかるかもしれませんけれども、そこに来た方が安心してちゃんと認証できて、待合室で座って、必要な医療を受けることができることが大切ですので、そういった意味からしますと、医療機関等には大変お手数をかけるかもしれませんが、窓口や受付をしてくださる方々に、こうしたら大丈夫という基本的な動作については御指導いただいて、啓発をして、そのことができる体制が向上していくこともとても大切ではないかなと思います。そのことによって嫌悪感も、ストレスも、あるいはアレルギー感もなくなっていくと思いますので、ぜひこの入口であります顔認証から始まるカードリーダーの利活用ということも担保できるように、厚生労働省がリードするなり、みんなでやっていかなければいけないなと改めて感じました。
また、2ページ目にも幾つか高齢者のことが書かれています。これはとても大切だと思ったのが、一番上に書かれていることですが、「来年春を目途としてシステム改修を行う」ということが書かれていますので、ぜひこのことを明確に広報していただくとともに、「来春の改修があって、そのことでかなりよくなりますよ」ということを公に明らかにしていただいて、多くの方に周知していただくことがとても大切だろうと思っています。その理解があれば、様々な心配も少し解けていくのかなという印象を強く持ったところです。
いずれにしろ、マイナンバーカードは、先ほど藤井委員もおっしゃっていましたけれども、命を守る上でもとても大切ですので、大事だからしまっておくものではなくて、金銭とか何か大事なものはありますけれども、それ以上に大事な自分の命のそばに置いておかなければいけないものなので、そのことをやはりアピールすべきだろうということを改めて感じました。
あと、今、座長からの御指名のときに1項目についてもという御意見だったので、少し述べさせていただきます。頂いた資料には、個人事業者、あるいは複数の事業所で勤務する人、フリーランスと出ているのですけれども、やはりここらの辺の課題で多くの方々がいろいろ感じていらっしゃることの中に、賃金との関わりのことがメモでも出ていましたが、そういったことがあると思うのです。自制が働くというか、あまり時間がオーバーしないようにしようよというふうな、このことをどう解決していくかが重要ですので、ぜひそのことを今後取り組んでいただく必要があるかと思います。
それは次のページに書いてある賃金要件と関わることです。結構このポイントが多くの方々の考えになり、行動を起こすきっかけになっていますので、ここをどうするかということは十分な検討も必要だろうと思っています。ただ、一回変えると、それをまた変え直すということは難しいので、慎重かつ丁寧な分析と、それによる対策というのをぜひ考えていく必要があると思いました。
また、先ほど言いました個人事業者、複数の事業所、フリーランス等ですけれども、特にフリーランスの方々は、ある意味で個々の才能を仕事の資本として有効活用して、クリエーティブな仕事をたくさんしている方がいらっしゃると思うのですけれども、こういった方々が十分に安心して活躍できるような環境を整えることも必要だと思っています。日本ではあまり移民政策は有名ではありませんが、海外の例ですけれども、カナダなんかは、一頃はたしか才能のある方、資格のある方などを中心に移民をどんどん受け入れることをされていたと伺いましたが、これはやはり国の戦略としてそういった方々の能力を国の繁栄に生かそうという考え方が基本の底流のところにあると思うのです。それをそっくりそのま真似しろとは言いませんけれども、やはりフリーランスの方々は、それに準ずる、あるいはそれに匹敵する能力を持った方も当然いらっしゃいますので、そういった方々が安心して仕事できることも、ワーク・ライフ・バランスを保ちながらやれるようなことをサポートする面もあると思います。
また、個人事業者に関しましては、手続の簡素化というので上から3行目、事務負担や経営への影響、保険者の財政のことが書かれていまして、特に手続が簡素化できること、すなわち標準化してできないかなど、いずれにしろ負担を減らす方法ということもとても大切だと感じました。そういったことをぜひ工夫していただくのが大切だと思っています。
あと、これに関連して個人的に感じているのは、日本では、労働というのが、ルーチン的な仕事をすることも、その他新しいことをやって仕事をすることも一緒くたになっているような印象を持っています。決して労働というのは決まったことをやればいいだけの話ではなくて、日本人の場合は細かいことにも気遣いをし、全体のハーモニーも考え、そして、一般的に言われるいわゆる匠(たくみ)の技とか、細部へのこだわり、仕上がりの美しさというのは、必ずしも成果物の指標にないのですけれども、それにこだわるだけの感性を日本人は持っているので、そういったことを守りながらビジネスとして成り立ち、かつ働き方として満足できるようなことをどこかで考えていかないと、単純に海外でやっているスタンダードだけでやっていくのではなくて、日本らしさということもぜひ考えていく必要があるのではないのかなと思います。特に専門職でいらっしゃいます、例えば医療健康部門でいうと医師の方々は、時間切り売りで仕事をされているわけではなくて、患者を守っていこう、あるいは病む方を治していこう、あるいはそれに必要な研究をしようということで、本当に時間を惜しむことなく努力されていまして、そういった方々の志とか意欲ということをしっかりと保持しながら、全体がハッピーになるような、そういったことも一方で考える必要があるなと感じたところです。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、北川委員、よろしくお願いします。
○北川委員 ありがとうございます。
マイナ保険証の利用促進と一体化に向けまして取組が進んでまいりますと、やはり国民の皆様が制度への疑問を抱く機会というのも増えてくると考えております。先日も外部の方とお話ししたときに、12月になると保険証が使えなくなるんだね、どうしたらいいんだろうというレベルの会話を受けて、非常に驚いた意識も持ちました。
先般の部会においても御紹介させていただきましたけれども、協会けんぽでは、この9月に資格情報のお知らせを全加入者約4000万人に配付いたします。そのタイミングで、加入者からのマイナンバーに関する問合せに一元的に対応するためのコールセンターを設置する予定でございます。マイナンバーの登録状況や資格情報のお知らせの送付状況など、協会に関連することについてはこの協会のコールセンターで対応するわけですけれども、マイナンバー制度の意義、あるいはマイナンバーカードの安全性等、一般的なお問合せについては、ぜひとも既に設置されております国のコールセンターで御対応を進めていただければなと考えております。
こうした紹介窓口の拡充については、今後も進められてくると思いますけれども、利用者、関係者が、内容によって、どこに問い合わせてよいか混乱することがないよう、国におきましても、この機会に改めて整理をいただいて、特に国のコールセンターについての御周知も強化いただくとともに、対応体制の強化も図っていただければなと考えております。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、池端委員、よろしくお願いします。
○池端委員 ありがとうございます。遅参して申し訳ありませんでした。
様々な課題に対する対応策等を御説明いただきまして、ありがとうございました。私の経験で1つ推進策のヒントになればということでお話しさせていただきたいと思いますけれども、こういうことを一般市民に広げたいところで一番広がりやすいのは、やはり口コミとマスメディアだと思うのですね。こちらがプッシュ型で厚労省からいろいろなものが流れたといってもあまり興味を持って見ないのですけれども、一般紙とか一般のメディア、例えばモーニングショーとかワイドショーとかそういうところで取り上げられると、おっと興味を持って、あれ何って聞いてくれることがよくあるのです。
たまたま私は地元で取材を受けたのですね。某公共放送の地方局ですけれども、途端に患者さんからどんどん問合せが来て、これ使ってみたいと言ってくる。これは国レベルで放送局にプッシュするのはなかなか難しいと思いますけれども、各都道府県とメディアの関係って結構投げ込みしたりすることがあるので、そこで取り上げていただくことでものすごく広がることがある。実は私もその某公共放送局から取材を受けて、その画像が流れた後に、すぐまた次の民放の地方局からも取材を受けて、少し撮らせてほしいということでした。本当にそれが目に見えて広がっていくというか、マイナ保険証を利用する患者さんが増えるというのが実感できているので、こういうことを地方レベルでやっていくと案外広がっていくのではないかということで、国として対応できるかどうかは別として、こういうのも1つの方法ではないかということで御紹介をしておきました。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございます。
では、城守委員、よろしくお願いします。
○城守委員 ありがとうございます。
マイナ保険証の利用がなかなか進まない原因というのは、もちろん事業所、そして利用者、この両サイドに様々な事情があるということは皆さん周知のことだろうと思います。本日、事務局のほうで、医療機関等において生じる事象に関して非常に分かりやすく整理をしていただいて、これらは都度伝えていただいておったわけですけれども、今回、これを整理していただいたということで、当会としても、会員の先生方を含め、皆様方にしっかりと周知をさせていただきたいと思います。
国のほうも一層周知をしていただきたいと思うわけですけれども、一方、国民の皆さんには、先ほど池端先生もおっしゃいましたけれども、やはりまだまだ不安が多いということが非常に大きな足かせに最終的になるだろうと思います。各都道府県の利用状況を見ても、県によってかなり差があるというところ。これは国としてももう少し分析をしていただいて、県民性なのか、それとも今お話があったような情報ツールの問題なのか、それぞれを検討していただくことによって、その底上げができると思いますので、一層の国の御支援というものをお願いしたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
では、袖井委員、よろしくお願いいたします。
○袖井委員 マイナ保険証の利用率は、毎回出てきて、とても切ないというか、何か徒労感なのです。こんなにお金をかけて、こんなに厚労省が努力しているのに広がらないのは何故なのか。やはりここら辺で考える必要があると思うので、できればちゃんと一度調査をして、簡単なイエス・ノーみたいな調査はやっていらっしゃるのですが、国民の真意がどこにあるのかというのを調べる必要があるのではないか。このままやっていって本当に12月2日までに100%に行くとはとても思えない。だから、どこで間違ってしまったのかというのを今考えたほうがいいのではないかと。私は毎回このテーマが出てくるたびに、すごく違和感というか、徒労感を感じてしまいます。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、局長、よろしくお願いいたします。
○伊原局長 今、袖井先生が直球で御質問された話と関連しますけれども、まず、12月2日の段階で新たな保険証の発行は取りやめていくということですけれども、12月2日のときはどういう状況になるかといいますと、今、マイナンバーカードをお持ちで、マイナ保険証の登録をされている方が78.5%ぐらいだと思います。その方々は、ぜひ12月2日以降、マイナンバーカードを使って受診していただきたいと。マイナ保険証をお持ちではない方には資格確認書をお送りしますので、資格確認書を使ってやっていただくということですから、アナログとデジタルを併用する状況が12月2日から始まります。
また、今の保険証が1年間有効なものですから、実は12月2日以降の段階で資格確認書を御利用される方というのは、その後、転居したり、仕事を変えた人でありまして、多くの方々は、その次の年の今の保険証の経過措置が切れて以降に利用することになります。
今は保険証があるから、まずはそれで良いではないかというような方もいらっしゃると思いますが、我々としてはできるだけ多くの方にマイナ保険証を使っていただきたいと思っておりますので、PRの努力をしていかなくてはいけないと思っております。
それから、大杉先生と城守先生からPRの話とかをいただきました。今日お手元に示した1ページ目、2ページ目の話は、最近、週刊誌などでも、医療現場でこういうトラブルがあるという話がありまして、それに対して我々としては対応しているつもりではあるのですけれども、よく御理解いただいていないところもありますので、今回整理させていただきました。
さらに、今まで医療機関・薬局を対象に、こういう支援制度がありますよ、ぜひ声かけしてくださいみたいな言い方でオンラインセミナーを開いてきましたけれども、近いうちに、今回ここでお示ししたように、実際こういうことでお困りの問題に対してはこういう解決策がありますので、ぜひ対応してほしいというようなPRを医療機関の現場に対して行いたいと考えてございます。
それから、お二人から、国民の皆様によく浸透していくために、国レベルだけではなく都道府県レベルでというお話がございました。実際に18ページの都道府県の利用率を御覧いただきますと、一番高い富山県で12.52%、沖縄県が一番低くて3.42%なので、3倍以上違います。この背景には、1つはマイナンバーカードそのものの普及率もあるようですし、あとは医療機関・薬局の声かけの程度と相関しているとの指摘があります。そういう分析はしっかりやっていきたいと思いますけれども、PRという面でも、実はこの6月、7月と全国14の都道府県で各県の民放の情報番組がありますが、そこに保険局の若手の職員、20代、30代の職員が出張って、マイナ保険証のPRを行っています。地方レベルでも御理解いただけるように、もう少しいろいろな工夫をしていきたいと考えてございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、横尾委員、よろしくお願いします。
○横尾委員 関連でございます。以前から広報とか啓発の重要性に触れるたびに、私は、厚生労働省の広報と政府広報でやってくださいと申し上げているのですね。それはどういう意味かといいますと、政府広報の場合は総理官邸が多分広報手段をいっぱい持っていらっしゃると思うし、ツールもお持ちですし、場合によっては番組をお持ちのこともあると思うのですね。そこをしっかり有効活用していただいて、前面に出してやっていくべきだと思いますし、あと、各省庁別に記者クラブがあり、官邸にももちろんありますけれども、協力要請というのはなかなか安直ではないとしても、これだけ大きな国家的なマターで、予算もかけて、これからのデジタルガバナンスの基本インフラになるものですから、理解を求めながら、解説番組とかコメント番組とかいろいろありますので、そこに有効活用してくれということをぜひぜひ伝えてほしいなと思います。
そのときにぜひ忘れてほしくないのは、先ほど来複数の委員もおっしゃっている、命、救急に関わることでのメリットがあることと、あるいは高額療養費の限度額適用認定証などの資格証に関しましてもほとんどそのまま自動的にできることなど、意外と皆さん知らないことが多いので、この間もほかの委員の方がこのことの大切さをおっしゃっていただきましたが、まさにそういった重要なことをコンパクトに早く広く伝えてほしいと思っています。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、池端委員、よろしくお願いします。
○池端委員 関連で1点だけ質問させていただきたいと思います。
伊原局長、すばらしい取組をやっていただいてありがとうございました。実はうちの市なのですけれども、今までマイナカードを持っていない方をまとめてくれればそこに出張サービスすると言っていたのですが、ついに1人でも出張サービスに行きますよというサービスを始めたのですけれども、これは全ての市町村でやっていることなのかどうか。これは高齢者の方はすごくありがたいので、窓口でマイナンバーカードを持っていなかったら、連絡したら市の担当の方が自宅に行ってつくってくれるよということを言って、それならすぐやりますということを言っていただけたので、これも1つすごく促進策になるのかなと思いますが、全国レベルではないのかどうか、その辺だけ御質問させていただきたいと思います。
○田辺部会長 自治体レベルの情報を持っているか分かりませんけれども、お願いいたします。
○中園室長 御質問ありがとうございます。保険データ企画室長でございます。
池端先生に御指摘いただいた取組は、各自治体における出張申請という形で、例えば高齢者施設、福祉施設への出張申請といったものの対応を、昨年8月、12月にカード申請の際の福祉施設向けのマニュアルなどを策定させていただいた際に、総務省における取組として、全国の自治体に出張申請という方法があることと、さらにその出張申請にかかる支援事業を総務省から自治体向けに行っていただいております。
この出張申請の具体例としまして、今、委員から御指摘があったとおり、在宅における、例えば障害のある方や難病のある患者さん、何らかの支援が必要な方、そういった在宅の方に対する対応も出張申請の対象であるということを総務省からも自治体に対してお示しいただいているところです。こういった取組があるということを、ぜひ私どもも総務省とともに周知していきたいと考えています。
○田辺部会長 よろしゅうございますか。
ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
では、ほかに御意見がなければ、本議題についてはこれまでとしたいと存じます。
次に、事務局のほうから別途報告事項があるということでございますので、資料3、それから引き続いて資料4に関しまして、御報告をお願いいたします。
では、よろしくお願いいたします。
○笹子課長 国民健康保険課長でございます。
時間も押しているようでございますので、ポイントを絞って資料3に基づきまして御説明申し上げます。
本件、昨年9月7日の医療保険部会において御報告したもののフォローアップということでございます。1ページ目の2ポツにございますように、国民健康保険の国庫負担の減額調整措置について、こども医療費助成について廃止するという方向性を決定しているところであります。
あわせて、廃止するだけではなくて、適正な抗菌薬使用を含めて、こどもにとってより良い医療の在り方について、この部会における意見なども踏まえて検討し、必要な措置を講ずると、この後者が極めて重要でございます。
3にございますように、財源措置をいたしまして、今年4月1日から開始させていただいたというのが御報告の1点目です。
2ページ目以降に、そのときに先ほど申し上げたこどもの医療をめぐる課題、2ページ目の下にあるような課題があり、3ページ目のような保険者へのインセンティブ導入、医療の適正化の取組、こども医療費助成の影響に関する分析、こういったものをやってまいりますということで御了解いただいたところでございます。
4ページ目以降はその具体策でございます。4ページ目、保険者努力支援制度で、例えば具体的な指標例といたしまして、周知・啓発であるとか、あるいはアウトカム評価の指標例というものも設定していきたいと考えているところでございます。
5ページ目、抗菌薬適正使用のために医療費適正化計画の作成等々を進めてまいるということでございます。
6ページ目、令和6年度診療報酬改定においても一定の措置を講じたという御報告になります。
7ページ目、令和5年度においては、既存の論文の調査、データ分析、6年度においては、厚生労働科学研究を新たに立てて調査するということを御報告させていただきました。
8ページ目にございますように、論文の分析です。こういったところがあります。一番上のところに結果の分析がございますので、御覧いただければと思います。
9ページ目は、厚生労働省で独自にレセプトの分析を行わせていただいたということでございます。左のX県A市は、医療費助成を拡充したパターン。右は、逆に無料だったところを定額負担に変更したパターンということでありまして、これを見ると、左のほうは変更前と比べて変更後のほうが若干受診率が高くなる。右のほうは、変更後において、県全体と同水準程度まで若干下がっているように見えるということでありますけれども、いずれにしても、こういったものも含めて、今後、厚労科研の分析なども見ながら分析を深めてまいりたいと考えているところでございます。
以上になります。
○田辺部会長 では、引き続きお願いいたします。
○池上課長 引き続きまして、資料4について総務課長のほうから御説明申し上げます。
6月21日にもろもろの文書が閣議決定されておりますので、それを報告する趣旨でございます。
まずは経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる骨太の方針2024になります。スライドの2ページを御覧いただきますと、経済・財政・社会保障の持続可能性の確保ということで、そのページの下のほうですけれども、全世代型社会保障制度の構築を進めるといった内容が入ってございます。
それから、3ページでは賃上げの促進ということで、今回の診療報酬改定で導入されたベースアップ評価料等の仕組みを活用した賃上げを実現するということで関連する記載がございます。
それから、4ページを御覧ください。中ほどから医療・介護・こどもDXということで書いてありますけれども、その3行目、現行の健康保険証について12月2日からの発行を終了するといった旨も入ってございます。
そこから6行ぐらい下になりますけれども、医療DXに関連するシステム開発、運営主体として、社会保険診療報酬支払基金について抜本的に改組するという話が入ってございます。また、医療・介護DXを推進し、医療の効果的・効率的な提供を進めるための必要な法整備を行うといった事項も入ってございます。
それから、少し飛びますけれども、8ページに医療・介護保険等の改革ということで、医療保険制度改革についての記述がまとまって入ってございます。冒頭にありますけれども、関連法案の提出も含め、各種医療保険制度における総合的な検討を進めるとされてございます。その中では、審査支払機関による医療費適正化の取組強化、多剤重複投薬等の記載もございます。それから、国民健康保険制度について、都道府県内の保険料水準の統一を今進めていただいているところですけれども、それの徹底を図るといった記載も入ってございます。
それから、9ページは医薬品の関係でございます。冒頭のところで、イノベーションの進展を踏まえた医療や医薬品を早期に活用できるようということで、民間保険の活用も含めた保険外併用療養制度の在り方の検討を進めるという記載がございます。
そこから4行くらい下には、費用対効果についての記載もございます。
中間年改定については、9行目になりますけれども、様々な環境の変化を踏まえ、皆保険の持続可能性を考慮しながら、その在り方について検討するとされているところでございます。
最後に10ページ、働き方に中立的な年金制度の構築等のところで、本日報告のありました適用に関する考え方も書かれているところでございます。
それから、中ほどですけれども、加速化プランの着実な実施ということで、子ども・子育て支援金制度を導入することとし、必要な環境整備等を進めるといったことも記載されてございます。
11ページからは、新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画ということですけれども、骨太の方針と重複する内容も多くなってございます。
14ページからは、規制改革について各種項目が記載されてございます。
22ページからは、デジタル社会の実現に向けた重点計画に関連する部分を記載してございます。
御報告は以上になります。
○田辺部会長 ありがとうございました。
御報告事項ではございますけれども、今の2つの報告に関しまして、御意見等ございましたらよろしくお願いいたします。
では、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
資料4についてコメントをさせていただきます。医療・介護保険の改革については、「給付と負担のバランスの見直し」や「現役世代の負担上昇の抑制」を進めると資料8頁に書かれております。また、改革工程においては、「2028年度までに実施について検討する取組」として、年齢に関わりなく能力に応じて支え合うという観点に基づく「患者負担の見直し」、また、経済情勢や負担能力に応じた負担の観点を踏まえた「高額療養費制度の見直し」等が検討事項で挙げられていると理解しております。これらの課題は、現役世代の負担軽減の観点からも大変緊急度の高い項目だと考えておりますので、ぜひ次期制度改正等においては取り上げていただいて、検討をお願いしたいと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、前葉委員、よろしくお願いいたします。
○前葉委員 ありがとうございます。
私のほうからは、こども医療費について発言をさせていただきます。都市自治体は、国保の保険者であるとともに、こども・子育て施策を推進するという立場でございます。地方単独事業で行っているこども医療費の助成でありますが、各自治体が子育て施策として実施をしておるものでございまして、こどもを産み育てやすい社会づくりのための政策でございます。一方で、本日御報告があったように、こどもにとってより良い医療を保険の中でしっかりと提供していくということで、こども医療費助成の仕組みを、できれば一部負担をさせてはどうか、あるいは償還払いにというようなお話ももちろんあることは十分承知しておりますが、これを保険者の努力として評価していくことについては、国を挙げて推進しておるこども政策の強化ということと矛盾することのないように、丁寧な議論をして、十分に御留意をいただくということが必要かと思っております。
国保をしっかりとこども政策の中でうまく位置づけながら、保険全体をいい形で整えていくということ、これを我々も努力してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、村上委員、よろしくお願いいたします。
○村上委員 ありがとうございます。資料3と資料4について、それぞれ申し上げたいと思います。
まず、資料3についてです。こどもにとってより良い医療というものは大変重要だと思っております。ただ、そのために持続可能な医療保険制度というものが不可欠であると考えておりますので、抗菌剤の適正使用だけではなく、上手な医療のかかり方についても併せて周知をいただきたいと思います。また、こども医療費助成の影響に関する検証や分析をさらに進めていただくこともお願いいたします。
次に、資料4についてでございます。こちらにつきましては、賃上げについて記載いただいているところがスライド3にございます。2024年度の診療・介護・障害福祉サービス、3つの報酬改定におきましては、賃上げについても重点を置いた改定をいただいたと認識をしておりますが、ただ、ほかの産業と比べれば、まだ賃金水準が低いということもございますので、そういった観点からの引き続きの取組が必要だと考えております。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、横尾委員、よろしくお願いいたします。
○横尾委員 ありがとうございます。
まず、資料3、こどもにとってより良い医療の在り方ということです。こどもにとって良い医療ですので、何もすべてを安くするとか、負担を取るとかとらないという話ではなくて、その本質のところを考えるべきだと思うのです。それは何かといいますと、先ほど前葉委員もおっしゃったように、各自治体で工夫しながらこどもたちへの医療費助成をやっているわけですけれども、我々もその際に医師会の皆さんの意見を聞いて、なるほどなと思うことがありました。それは、「全く無料になってしまうと、恐らく保護者である親は、あまりこどもの健康や医療的なことを日々観察せず、考えず、病気になったら病院に行けばいい、そこでお薬をもらえばいいというふうになってしまうのが一番怖いんだ」という話を実は承ったことがあります。
よくよく考えてみると、これはとても大切なことで、こどもを放置しておいて、公が薬を出してくれる、治療してくれる、診察もしてくれる、経済的負担はゼロだとなると、やはり注意緩慢になるかもしれません。でも、それ以上に大事なのは、日々のこどもの成長を見守りながら、こどもの健康をよく気づかって、例えばこどもと一緒に病院に行ったときに、この1週間の様子とか、日常はこうしていますよということを、なかなかこどもは記憶できていませんし、そんな専門知識もありません。それを代わりに親が説明してくれることがとても大切ですね。ですから、そういったこともしっかりやった上でのこどもにとっての良い医療だと思いますので、医師の皆さんの専門的なお力と、日々見守って育んでいただく親や保護者の皆さんの協力あってこその医療だと思います。そこをどう高めるかということも一方ではしっかり認識しておく必要があると思っています。
ですから、完全無料化していないこども医療費の場合は、そういった意味でのワンコイン、500円を頂くとか、医療機関については月内だったら2つか3つまでを上限とするとか、いろいろなルールで多分工夫しているはずなのですが、今冒頭に申し上げたところはとても大切なので、ぜひそういった啓発もしていただく必要があると思っているところが1点目です。
2つ目は、次の項目の資料4ですけれども、これは規制改革、骨太のこと、グランドデザインのこと、規制改革実行計画などが書かれています。私自身はこういったデジタルガバナンスに関していつも思い出すのが、e-Japanを発表したときの日本の状況です。森内閣のときに発表されました。世界は注目をし、特に注目した国がお隣の韓国でした。後で調べて分かったのですが、実はたくさんの調査団が日本に入ってきて、いろいろなことを調べておられます。帰られた人たちはどうしたかといいますと、お隣の国日本では、こんな戦略の下に将来を見越して大変な改革をしていくそうだと、これはぼうっとしているとあっという間に置いていかれて、国際競争力も何もできなくなってしまうのではないかという危機感を持ったそうです。ですから、そこで国の方針として一気に、我々も負けない体制を組み、デジタルガバナンスということを意識しようではないかということで改革を始められたそうです。それから10年、20年、25年ほどたって、結果どうなったかというと、日本はもう負けているのですね。あまり勝っていません。ですから、こういったことにならないように、総理官邸を中心に、デジタル庁もございますけれども、日本国としての本来目指した姿や今後あるべき姿ということを考えていただきながら、ぜひ各省庁、協力をして頑張ってほしいと思っています。
あと、これは一部の霞が関界隈とその周辺で聞いた話です。正しいかどうか必ずしも裏を取っていませんので、本当はこんな場で発言してはいけないのかもしれませんけれども、大変気になったことがあったのでお伝えします。それは、各省庁が協力をしてという形とか、デジタル庁に任せてみんなで協力してとなると、実は責任の所在が必ずしも明確ではなくなるおそれもありうるのですね。どういう意味かといいますと、デジ庁ができる前は、各省庁にデジタル担当の部署があったはずです。ICTのこととか、今後のデジタルとか、そこには熱心な方がおられたはずなのですけれども、権限や調査能力とか、さらにその予算を含めて全部デジ庁に持っていかれたら、これらの人材も動けなくなりますね。その間なかなか大変もったいないことが起こって、詳細な細部にわたるデジタルガバナンス、デジタル改革のことに関する議論が必ずしも十分に煮詰められないままに時間だけ経過しているのではないかなという見方があり、これは研究者の方から聞いた話ですけれども、そういった危機感を持たれました。
ぜひそうならないようにデジタル庁には頑張っていただくとともに、全省庁が協力して本来のデジタルガバナンスの改革ができることを目指していただきたいということを心から願っています。そのことによって、今後予想される人的な資源の不足の問題とか、いろいろなコストの問題も大いに改革されると思っておりますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
では、中村委員、よろしくお願いいたします。
○中村委員 資料3のこどもにとってより良い医療の在り方について一言申し上げたいのですけれども、こども医療費助成の影響に関わる分析については様々な研究があって、いろいろな結果が出ているということなのですけれども、今、実証研究で非常に言われていることは、政策による、何らかの施策による影響はすごく個人差が大きいのですね。なので、この場合の助成の影響というのは、非常に影響にばらつきがあると。特に世帯の所得というか、家庭の経済状況によって非常に助成の影響というのは違ってくるのではないかと思います。なので、様々な検証とか今後の政策議論においても、対象によって、こどもによって、親によって、家庭によって、もしくは地域によって影響が異なっていて、場合によっては、例えば家庭の経済状況であったり、地域によって違った助成の在り方が必要かもしれないといったような議論もこれから非常に重要になってくるのではないかと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、北川委員、よろしくお願いいたします。
○北川委員 ありがとうございます。
資料3のこどもにとってより良い医療の在り方についてコメントをさせていただきたいと思います。こどもにとってのより良い医療の実現を目指すとともに、限られた医療資源の適切な配分を図るということは、医療保険の持続可能性の確保のためにも大変重要だと考えております。協会けんぽとしましても、SDGsの観点から、持続可能性に資する戦略的保険者機能の捉え直しというのを現在やっております。特にこども向けにヘルスリテラシーの一層の向上や、将来の加入者としての健康増進に向けて、学齢期を対象とした健康教育に取組を強化していきたいと考えております。
医療費適正化等も、広く申し上げれば国民のヘルスリテラシーの向上が不可欠であり、持続可能性ということを考えれば、こどもの健康教育への投資こそが、急がば回れのよりよい選択肢の一つになるのではないかなと考えているところであります。
既に一部の支部においては、地域の教育委員会と連携した取組を実施しておりますけれども、この4月から本部にこども健康教育プロジェクトチームを立ち上げて、こうした取組を全国ベースで推進できるよう活動を進めているところでございます。こうした貢献を通じて、協会けんぽとしましても、持続可能で質の高いこども医療の実現に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございます。
ほかはいかがでございましょう。
では、藤井委員、よろしくお願いします。
○藤井委員 ありがとうございます。
こどもにとってより良い医療の在り方についてコメントさせていただきます。こどもの医療をめぐる課題については、「より良い医療」をどう実現していくか、医療保険財政への影響を考えつつ、議論を進めていくことが必要です。一方で、自己負担をすることなく医療を受けられるということ、それ自体はすばらしいことですが、どんな世界にも無料でサービスが受けられるということはなく、どこかに無理を強いているわけであると、無料ではないということを国民全体が知る必要があると考えます。
また、今回いただいた資料の中に、自己負担で受診回数は減るが、受診減少と病状悪化は直結しないとも読める研究報告がございました。そうであれば、単純な無料化は必要ないともいえるのではないかとも思います。
重要なことは、質の高い医療を持続させるためには、医療はただではないと。健康・医療に関する自助、共助、公助の考え方、医療保険制度について、お子さんを含め、多くの方にきちんと理解をしていただくことが大切はないかと考えます。
その方法として、1つ提案したいと思います。以前も申し上げましたが、法人会の活用についてです。法人会というのは、企業の健全な経営を支えるための税の知識を普及啓発することを中心に据えた活動を行っている全国団体です。全国法人会総連合という組織があり、全国で75万社が加盟して、各地に440の単位会があります。国税庁の指導の下に、地元の小学校を訪問して租税教育セミナーを行っています。
私も何回か講師を務めたことがございますが、まさに税と社会保障というのは切っても切れない関係です。セミナーの中で医療、保険の話をすると大変関心を持たれる方が多く、逆に御父兄の方からも、もうちょっと医療の話をしてほしいという要望も来るくらいです。国税や全法連に直接お願いしていただいても構わないと思いますが、親御さん、お子さんも含めたリテラシーの向上、医療への理解を高めていただく活動をぜひ展開していただければと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
では、城守委員、よろしくお願いします。
○城守委員 ありがとうございます。
資料3と資料4に関して手短に。まず、資料3に関しては、皆さんもおっしゃっておりますけれども、この医療費助成の目的は、自己負担の問題で受診抑制をすることによっての健康被害を防ぐということが目的であるわけですから、これは適切に運用される必要があろうと思います。しかし、それとともに、例えば「#8000」の適切な使用ないしは周知、さらにはお子様の健康に関する市町村単位での勉強会等、やはりそういうものを含めた上手な医療のかかり方ということも同時に行っていただくことが非常に重要であろうと思いますので、その辺りに関しては各自治体も含めて取組を進めていただきたいと思います。
資料4に関しては、4ページの医療DXの推進に関して一応確認なのですけれども、ここにはしっかりと、医療の効果的・効率的な提供を進めるために行うと、いわゆる質の向上と、そして、医療現場または患者さんの負担の軽減ということが目的なのであって、医療費を適正化するということが目的化してはいけないと思っております。また、ここの上段にありますように、支払基金というのは基本的には適正な審査と迅速な支払いということが業務の本筋であろうと思いますが、ここも何か記載ぶりに、医療費適正化を強化する組織というようなニュアンスも見てとれますので、それは我々としては適切ではないのではないかなというふうに申しておきたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
ほかに御意見等なければ、本日はこれまでとしたいと存じます。
最後に、このたび池端委員が御退任となります。一言御挨拶を頂戴できればと思います。
○池端委員 すみません。ありがとうございました。田辺部会長からお許しをいただきましたので、退任に当たり一言御挨拶を申し上げたいと思います。
私は、2018年、平成30年7月の第113回から今回180回まで六十数回、この部会に参加させていただきました。前任の前日本慢性期医療協会会長の武久洋三氏の後を受けた形で、日本慢性期医療協会副会長という立場でこの部会に入らせていただきましたが、2019年に福井県医師会の会長を拝命し、そして、後半の4年間は中医協委員も併任させていただいた関係で、その立場からも少し発言をさせていただいたつもりでございます。ただ、私自身は地元の地域密着型の本当に小さな病院での外来、訪問、入院、介護等で、今もなお現場の第一線で働いている医師としての立場を重視して発言してきたつもりです。
いろいろな大切な議題がありました。診療報酬改定の基本方針に関わらせていただいたことももちろんそうですし、それから、高齢者医療の負担の在り方等を含めた医療保険制度改革にもいろいろ御意見いただいたこと、本当に勉強になりました。更に2020年に始まった新型コロナウイルス感染症の対応ということは、会議が全てウェブになったということもあって、非常に私にとってはいろいろな意味で思い出深い状況になったかと思います。そのほかに、今日も議論がありましたけれども、医療DX関係、それから不妊治療の保険適用化、薬剤給付の適正化、あるいは後発医薬品の利用促進と不安定供給の対応と、本当に多くの課題、大変な課題に関わらせていただいたことはすごく勉強になったと思っています。
ただ、先ほどもお話ししましたように、私自身は、この部会では数少ない地域で現役ばりばりの医師として働いている立場を大事にしながら、でき得る限り現場で起こっていることを正確かつ正直にお伝えすることが、私しかできない使命ではないかということを肝に銘じ、この部会に臨み、発言させていただいたつもりです。
ただ、今日はちょっとメモを取ったのですけれども、いかんせんずぼらな性格で、実はこれまでほとんどが読み上げ原稿なしの発言でしたので、ひょっとしたら時には的外れとか失礼な発言になってしまったことがあるのではないかということを反省しておりますし、改めてこの場を借りて、その点についてはおわび申し上げたいと思います。
ただ、様々なお立場で、今日いらっしゃる医療保険に関わるすばらしい構成員の皆様方と、いろいろな議論を通じて多くの勉強をさせていただいたことは、私にとってもかけがえのない財産となったことは間違いありませんし、改めて構成員の皆様方に心から感謝を申し上げたいと思います。
そしてまた、特に私のような拙い者の意見を常に真摯に傾聴していただき、とても発言しやすい雰囲気をつくっていただいた田辺部会長にも心から感謝申し上げたいと思います。
さらに、微に入り細に入り、資料づくりをはじめ、会議運営に御尽力いただいた事務局の皆様方にも心から感謝申し上げます。
最後に、今後とも当部会がさらに活発な議論の中で世界に冠たる我が国の国民皆保険制度をしっかり守り抜いていただけることを切に御祈念申し上げ、私の退任の御挨拶とさせていただきたいと思います。本当に長い間ありがとうございました。
○田辺部会長 ありがとうございました。委員の本部会への貢献に御礼申し上げます。
次回の開催日につきましては、追って事務局のほうより連絡いたします。
本日は御多忙の折、御参加いただきありがとうございました。
これにて散会いたします。