第4回農業機械の安全対策に関する検討会議事録

労働基準局安全衛生部安全課

日時

令和6年6月14日(金)14:00~

場所

TKP新橋カンファレンスセンター ホール16A

議題

  1. (1)農業機械の使用実態について(ヒアリング)
  2. (2)農業機械メーカーの安全対策等について(ヒアリング)
  3. (3)その他

議事

議事内容
○土井室長 それでは、定刻となりましたので、第4回「農業機械の安全対策に関する検討会」を開会いたします。
 報道関係者の皆様、傍聴の皆様、この会議の撮影は冒頭のみとしています。改めて御案内しますが、それ以降の撮影は御遠慮いただきますようお願い申し上げます。
 初めに、出席者の確認をさせていただきます。本日は、齋藤参集者が御欠席、それから元広参集者の代理として石澤様に御出席いただいております。また、髙橋参集者とオブザーバーの田中様はオンラインでの出席となっております。
 本日の議事でございますが、農業従事者の方1名、それから車両系農業機械を製造する5社へのヒアリングを予定しております。
 続きまして、資料の確認をいたします。本日は、議事次第のほか、資料1として農業従事者ヒアリング資料、資料2として車両系農業機械メーカーヒアリング資料、資料3として農業法人経営者・農業従事者に対するヒアリング概要。これは前回まとめた資料に、前回のヒアリングを踏まえて、事務局において追記したものでございます。それから、資料4として、これまでの車両系農業機械メーカーに対するヒアリング概要。これは前回の車両系農業機械メーカーに対するヒアリング概要を事務局においてまとめたものでございます。このほか、参考資料を1から6まで準備しております。
 以上でございますが、過不足等ございましたら、事務局までお知らせいただければと思います。
 報道関係者の皆様、傍聴の皆様におかれましては、これより先の撮影は御遠慮くださいますようお願い申し上げます。
(カメラ退室)
○土井室長 それでは、この後の議事進行につきましては、梅崎座長、よろしくお願い申し上げます。
○梅崎座長 それでは、本日も引き続きヒアリングということで、どうぞよろしくお願いいたします。
 最初に、議題1の「農業機械の使用実態」につきましてヒアリングを行います。既に参考資料1にヒアリング対象者の皆様をお示ししていますが、本日は、農業を営んでいらっしゃいます工藤隆正様にお願いしております。どうぞよろしくお願いいたします。説明が10分ぐらいで、その後、質疑応答15分ぐらい、全体で25分程度を目安ということで、どうぞよろしくお願いいたします。
○工藤氏 私、青森県青森市の工藤隆正と言います。年齢は65歳、短大を卒業してから農業だけをずっとやってきました。私は、水稲が主な作付です。息子は野菜を少々やっています。鹿はいないけれども、猿が結構出るので、収穫時期になると猿が来るので、猿に食われないようなものということでやっているみたいです。私は野菜は全然分からないのですが、息子には水稲のほうも結構頑張ってやってもらっています。
 私が所有しているトラクターは、ここに書いているとおり、フルクロが2台。65馬力のフルクロは、もう6000時間ぐらい使っています。多分、こんなに使っているのはどこにもないのではないかと私は自負しているのですけれども、使いやすいので、修理は結構しましたけれども、本当に頑張ってもらっています。113馬力は、買ったけれども、まだ飾っています。65馬力が多分近々駄目になると思ったので、いずれ息子がフルクロでやるのではないかと思って買っておきました。
 あと、セミクローラは両方とも中古で買いました。セミクローラとかフルクローラは、足回りがキャタピラなので本当に金がかかります。だから、私の友達はフルクロとかセミクロをやめてホイールにしている人もいます。でも、ホイールで間に合うそういう圃場だけじゃないので、私は必須だと思って、ホイールもあるけれども、田んぼは主にセミクロとかフルクロを使っています。ホイールを使うときは、直まきのブームで除草剤散布や肥料散布をするとき。あと、フロントローダーもついているので、苗箱の土の運搬をやるときとか、そういうときに使っています。あと、冬の除雪にも使っています。冬の除雪は、ロータリーの飛ばすやつもつけています。
 あと、田植機は、GPS付のやつが1台と、その前に買ってあったやつの2台体制です。側条施肥も結構使いましたけれども、側条施肥は大規模で考えると時間がかかり過ぎるというか、田植のときに時間がかかるので、やめました。だから、今はフリッカーで振っています。
 コンバインは、キャビン付とキャビンなしと、2つあります。田植機もコンバインも2台ないと、40町歩ぐらいつくっているから、何か不具合があったときに仕事が止まってしまうので、2台にしています。トラクターは、田んぼだから耕起、代かきで、あとはスタブルカルチで荒起こししたりもします。あと、バーチカルもケンブリッジローラーも使ったり、レベラーもあるので、レベラーで田んぼをならすこともあります。
 私たちのところにも保全会があるのですが、保全会は、どうしても平場もそうだけれども、私のところは中山間の田んぼが多いので草刈りが非常に多くて、1回ぐるっと回って終われば、また次の2回目に入るような状態です。草刈りは、スライドモアとハンマーモアと2台体制で、最初、スライドモアで1回、道路をぐるっと回って、スライドモアで刈れないところをハンマーモアで刈る。すごく重宝しています。これがないと大規模で田んぼをつくるには草の対策は難しいのではないかと思います。
 あと、のり面もいろいろな機械が出てきていますけれども、まだそこまでは要らなくて、今ある機械で間に合っていますので、そういう機械を展示会とか実演をよく見ますけれども、まだ導入は考えていません。
 私も運搬車を使うのですけれども、運搬車は春先の田植の苗箱のハウスへの運搬だけにほとんど使っています。軽トラとかでハウスの中に搬入するかも分からないけれども、うちで軽トラでは車輪が埋まってしまうので、そういうことで運搬車を使っています。たまに私が圃場整備したりするのですけれども、とのときにダンプの運搬車で土を寄せたり、そういうこともします。あと、息子が野菜の収穫に使ったりすることがあります。
 それから、事故の情報というか、今まで生きていれば結構いろいろな事故を見てきまして、自分でも爪を落としたりということもありました。近いところで言うと、まず、コンバインのバックでの死亡事故もあったし、私も覚えているおじさんが用水路に転落して、下敷きにはならなかったけれども、本当に危なかったということもあって、コンバインのバックはちょっと気をつけないといけないと思いました。
 あと、青森は雪が降るので、除雪していて、小さいトラクターだったんだけれども、それに満載の雪を持ち上げて、ちょっと斜めのところへ行ったらひっくり返った。キャビンはなかったけれども、その人はかろうじて助かったというか、ただ転倒しただけで済んだので、不幸中の幸いというか、よかったです。
 あとは、農業の教育と点検は、今まで農業機械士としてずっといろいろな研修なり講習、いろいろなことを受けてまいりました。私の息子も農水省の筑波の研究所ですか、今はやっていないですけれども、あそこへ安全講習とか行ったりして、そういう研修はたびたびやってきました。
 自分の機械の点検というのは、私、やればやれるんだけれども、自分の弟が機械店を営んでいるので、そこに丸投げで、春先、機械をみんな見てもらって、整備が終わってきたやつを、私が日々、仕事の前後に確認して何か不具合がないか、音がどうかとか、カバーとか、いろいろなところまでちゃんとなっているかとか、ぐるっと回ったりして確認しています。
 あと、うちにも何人かバイトで手伝いに来てくれる雇用者がいるのですけれども、私もコンバインに乗ってバックするときにあまり後ろを見ないので、私のコンバインの周りには近寄らないでくださいと口を酸っぱくして言っています。コンバインにはバックモニターもついていますけども。今は、角を手刈りすることはなくなったので、人が角にいることはなくなって、機械が一周りしてから、刈り残っていれば、それを手で刈るということはあるけれども、今はほとんど機械が刈るので、人が鎌で稲を刈ることはあまりなくなりましたね。
 私たちも砂利敷きをしたり、草を刈ったりするときはヘルメットをかぶったりはしますが、青森も熱中症がひどくて、毎年、病院通いになるんです。午後になって具合が悪くなるんです。頑張り過ぎるというか、仕事をして汗をかいて、分からないうちに。気がついたときには立てないとか、やばいとなって病院へ行って点滴を受けたり、そういうことは何回かありました。なので、みんなにファンのついたベストを渡しているのですけれども、もうちょっと作業時間を短くするとか何かやらないと、特に草刈りとかやっていると分からないうちに熱中症になってしまって、本当に具合が悪くなってしまう人が毎年います。なので、そうならないように対策しているのですけれども、もっと対策しなければ駄目かなと思っています。
 あと、農業機械に対して最後ですけれども、安全対策が何かないかということで書きましたけれども、今のコンバインとかトラクターはすごく快適になりました。音も静かになったし、振動も操作性もよくなりました。昔のやつは本当にうるさくて、ガタガタとか、みんなクラッチ式だったので足に来るし。そういう点ではよくなりました。
 あと1つ、トラクターに乗るとよく眠くなるので、あぜが前に来ると直進アシストが止まるようにというのを標準でつけてくれるといいと思います。私、前に突っ込んでしまったことがあったので、そういうことがないように何か工夫してもらいたいというのはあります。
 もう一つ、作業速度、いろいろな速度がありますけれども、私が今、ちょっと気になっているのは、スライドモアとかハンマーモアの操作のときの油圧の速さとか、普通の作業機の油圧の上げ下げはレバーで調整できたりするけれども、いろいろな機械の作業の速さを調整できないかなと。できるものも結構ありますけれども、欲しいなと思うものがあるので、そういうのも考えてもらいたいなと思っています。そういった感じですかね。時間的にはどうですか。あれば、まだまだしゃべるけれどもね。
○梅崎座長 大体10分になりましたので。もしまだ何かあれば、一言。
○工藤氏 機械もそうですけれども、心が壊れるというのがあるのです。そういうデータはないけれども、私の周りの若い者で再起不能が3人いるのです。機械の事故よりも駄目。もう農業できないんだから。車の運転もできない。1人は自殺というか、亡くなったし。70歳になった先輩は、あれほど元気だったのにぼけたというか、農業ができなくなった。考えられないけれども、そういう人が周りにいるんですよ。医師が治せない。何でか分からないけれども、通常の生活、できなくなるんだから。考えられないんだけれども、すごく頭がよくて従順な、いい子だったのだけれども、3人とも駄目。
 若いときにそうなるんです。ちょうど大学が終わったりして、農業に入った2~3年のときに親の姿を見て。いいほうに取ればいいけれども、悪いほうに取る。これは機械と関係ないですけれども、そういうこともありました。
○梅崎座長 分かりました。それでは、工藤様、どうもありがとうございました。
 それでは、今の工藤様のお話に対して、御質疑ありましたら、どうぞお願いいたします。
 川口さん、お願いいたします。
○川口参集者 どうもありがとうございました。
 トラクターが全部で7台ということで、大分たくさん使っておいでですけれども、若干小さいものもありますが、全て小さいものも含めて、キャビンなり、フレームなりはついているという理解でよろしいでしょうか。
○工藤氏 ついていないのもあり、ハウスの中を起こすのはついていない。あとはみんなついています。
○川口参集者 そうすると、ついていないのは30馬力のやつですね。
 キャビン、フレームがついているトラクターですと、恐らくシートベルトもちゃんとついていると思うのですが、シートベルトは使われていますか。
○工藤氏 今、それをよく騒いでいるけれども、私は低速で走っているから。高速で道路に出たりとか、そういうときは締めたほうがいいけれども、圃場の中はいいのではないかと私は自分勝手に思っているのです。そんなに速く走ることはないので。
○川口参集者 圃場の中は御自分であまり危険を感じていないということでしょうか。
○工藤氏 のり面がきついところとか、そういうところは極力低速で入っていくし、自分で圃場の危ないところは分かるから、そういうところは本当に気をつけてやるから。それ以外であれば転倒とかはないと私は思っているから。
○川口参集者 ありがとうございます。
○梅崎座長 それでは、次の御質問、いかがでしょうか。
 鈴木さん、お願いいたします。
○鈴木参集者 事故事例について4つほど挙げておられますが、この4つは皆さん、周りの方の事故でしたか。御自身のものはこの中にはないですか。
○工藤氏 ここの中は、私のやつはないです。周りの農家というか、聞いた話というか。私が助けに行ったこともあるけれどもね。
○鈴木参集者 ありがとうございます。
 それで、その中で刈払い機での災害が多いかと思うのですが、この災害はどんな内容の災害・事故だったのでしょうか。
○工藤氏 共同活動しているから、機械を持っている人と、鎌を持っている人とが近くにいたんだよ。保険に入れと言うけれども、保険も限度があるから、ちょっと保険で賄えないぐらいの重傷というか、後遺症が出たのです。なので、極力、機械の人と鎌の人は一緒にならないような仕事の仕方をしたほうがいいのではないか。機械だけでも転倒して自分でけがをしたりするんだから、まして近くに鎌を持っている人もいて。共同活動は、兼業農家とか、ふだん農家をやっていない人も来たりするんだよ。だから、かえって危ないと思います。
○鈴木参集者 どうもありがとうございました。
○梅崎座長 ほかにございますか。
 それでは、泉さん、お願いいたします。
○泉参集者 お話ありがとうございます。
 1点、熱中症のお話が出ましたけれども、どのような作業でそのようなことが起こっているか、ちょっと御説明いただいたら。
○工藤氏 一番は草刈りですね。あとは私、来年の春に使う土を通したり、そういう仕事もするので、そういうのも日照りが強かったりすると。仕事をしているときは分からない。仕事を終わったとか、後半になってきてからあんばいが悪いとうか、具合が悪いとかって、午後は帰ったり。よくあるんですけれども、うち、年が行っている人もいるから。
○梅崎座長 ほかにございますでしょうか。いかがでしょうか。
 では、氣多さん、お願いします。
○氣多参集者 御説明、大変ありがとうございました。
 40町歩やっておられて、特にコンバインの収穫の御説明をいただいたのですけれども、機械は御自身と息子さんしか操作されないということでしたけれども、日によって違うのかもしれませんが、典型的な日で、アルバイトもいるようなことをおっしゃったと思うのですけれども、周りで何人の方がいて、どれぐらいの人がどういうふうに作業しているのでしょうか。
○工藤氏 収穫はほとんど私です。息子はもみすりのほうにいることが多いので。収穫は大概2人。トラックで収穫のもみを運ぶ人と、私が圃場で稲刈りするのと。だから、今は昔みたく角々を刈ったりとか、ほとんどなくなりました。そんなに田んぼに人はいません。2人、もしくは、人がいないと私1人で行くときもあるから。コンバインが田んぼにあれば、トラックで私だけ行って。
○氣多参集者 もみを運ぶのは奥さんとかではなく。
○工藤氏 いや、従業員です。アルバイトに来たり。
○梅崎座長 よろしいですか。
 ほかにございましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。
 それでは、藤井さん、お願いいたします。
○藤井参集者 ヘルメットを使用すると書いてあるのですけれども、これはどういうときでしょうか。
○工藤氏 一番多いのは、保全会ではしないと駄目なので、砂利敷きのときとか。集団で草刈りが多いのです。そのときは、ヘルメットなり、工事のときのベストを着たりします。
○藤井参集者 そうすると、機械を運転するときは、特にヘルメットはかぶっていないのでしょうか。
○工藤氏 正直言うと、かぶったことないです。
○梅崎座長 よろしいですか。
 ほかにございますでしょうか。どうぞ、お願いいたします。
○横手氏 全農の横手です。
 アルバイトを雇われていると聞いたのですけれども、同じような方を雇用されているのですか。
○工藤氏 たまに変わるけれども、最近は同じような人がいます。
○横手氏 では、慣れていらっしゃる方が大体来られるみたいな形ですか。
○工藤氏 車の運転だから、農作業をさせるというものではないです。水稲の場合は機械でやる仕事が多いので、なかなか人は使いません。草刈りも、あぜに除草剤をまくのが主流になってきたので、できるだけ草を刈らなくてもいいようなことをみんな考えています。
○梅崎座長 よろしいですか。
 では、志藤さん、お願いいたします。
○志藤参集者 農研機構の志藤でございます。
 特別教育の研修を受けるとして、それに許せる時間、最大限、どのぐらいまでだったら、例えば何日間だったら研修に通ってもいいよとか、工藤さんのお考えはいかがでしょうか。
○工藤氏 もし朝から晩までの講習・実習があっても、私は参加しますよ。私の息子も参加させますし、従業員ももし需要があれば行きます。
○志藤参集者 例えば複数の、1日だけじゃなくて、何日間か続くとして、何日ぐらいまでだったら。
○工藤氏 仮にそういう詳しい講習・説明というか、そういうことを予定しているとか、あるのですか。
○志藤参集者 どういう形になるかはこれから相談するのですけれども、もし仮に何日間かにわたって講習を受けなければいけないということになったとすると、受ける側の立場としては何日間ぐらいまでだったら行けるか、感覚で結構ですので工藤さんのお考えをお聞かせください。
○工藤氏 私はいろいろな話し合いとか何でも、参加するほうなんです。今までの話し合い、あまり出てこない人も多いんだよ。だから、私は極力、何でも参加しますよ。2日、3日の講習も前にあったし、事業継承のときは3日間やったから、それも私、出たことがありますけれども、ほとんど役所関係の人ばかりで、農家とか誰も出なくて、そういうことがありました。だから、私は極力出るようにしています。
○志藤参集者 ありがとうございました。
○梅崎座長 そのとき従業員の方、それこそ年に何回しか来ないような人もいらっしゃるので、そういう方も想定した上で。
○工藤氏 それでもいいですよ。忙しいときは駄目だけれども、忙しくないときであれば、別に3~4人で行ってもいいんじゃないですか。
○梅崎座長 ありがとうございます。
 ほかにございますでしょうか。
 泉さん、これを最後にします。
○泉参集者 すみません。アルバイトの方を募集するとき、どのような形で募集されていますか。
○工藤氏 昔はハローワークで申し込めば、面接するぐらい来たんだけれども、今は全然来ないんですよ。本当に。だから、最近は、前に来てもらった人を使っているとか。どこにみんな働きに行っているのかなというくらい。前は結構年配の人でも若い人でも、2人しか欲しくないのに10人くらい来たこともあったけれども、今は本当にない。だから、できるだけ少数精鋭でやるように機械でやれることは機械でやるようにして、あまり人を使わないようにして水稲の場合はやります。
○泉参集者 ありがとうございます。
○梅崎座長 よろしいでしょうか。
 オンラインで田中さん、お願いいたします。すみません。
○田中氏 工藤様、御説明どうもありがとうございました。
 先ほど、講習会、丸1日でも数日でも参加するということでお聞きいたしましたけれども、農業機械の安全講習ですと、座学の部分と機械を使った実技の部分も考えられるのですけれども、工藤さん、あるいは御長男さんも長年作業に従事されていて、実技の部分も必要だとお感じになられますでしょうか。工藤さんのお考えをお聞きしたい。
○工藤氏 絶対やった方がいいと思います。私もやります。慣れてしまっているから、また見直す意味で参加します。
○田中氏 ありがとうございました。
○梅崎座長 どうもありがとうございました。
 工藤様、どうもありがとうございました。それでは、議題1の「農業機械の使用実績について」のヒアリングを終わります。
○工藤氏 貴重な機会をありがとうございました。
○梅崎座長 ありがとうございました。
 続いて、議題2の「農業機械メーカーの安全対策等」につきまして農業機械メーカーの方々からヒアリングを行います。名簿の順番に行いますので、最初に有限会社河島農具製作所様、御説明をお願いいたします。ウェブになりますので、河島さん、どうぞよろしくお願いいたします。
○有限会社河島農具製作所 お世話になります。河島農具製作所の加藤です。私は、開発と品管のほうを担当しております。
 この項目に従って説明いたしますけれども、現在生産している農業機械(乗用型のもの)とありますけれども、ここの内容のところには、歩行型農用運搬車とありますけれども、歩行と乗用、兼用になっているものもありますので、こういう具合に書かせていただきました。あと、乗用型小型運搬車のほうで、括弧して小型特殊自動車。これは免許を持っていれば公道で乗ってもいいというものと、鳥取県は芝の生産者が結構多いので、芝を吸い上げるスイーパーを生産しております。
 現在生産している乗用型の農業機械の国内向け出荷台数は、河島ブランドとして生産しているものが、ここに書いてありますけれども、300台ほどです。OEM等も結構生産しておりますので、弊社河島のステッカーを貼って出しているものの台数をここに書かせていただきました。
 3番目の農業機械使用者等の安全を確保するための措置の状況は、安全装備検査基準を遵守と書いてありますけれども、以前の安全鑑定基準のチェックシートをつくりまして、最新の基準に準拠するように全て合格するような形で製品を開発しております。
 その下に、上記基準に記載がある作業者の身を守るとありますけれども、TOPSというのは乗用型の小型特殊自動車に、日農工さんの車両部会で皆さん合意の下で進めた内容ですけれども、転倒したときにオペレータが機械に挟まれるということで、以前は歩行と乗用兼用のホイール運搬車を造っておりましたけれども、それはやめて乗用専用にしましょうと。三輪の運搬車も以前は造っていたのですけれども、三輪タイプも転倒が多いということで、全て四輪でTOPSをつけた形でシートベルトも装備しているということで、ホイールタイプの運搬車はこういう具合にしております。
 あと、クローラタイプの運搬車のほうも、安全装備基準のほうにTOPSを装備できることという基準がありますので、それに準拠した形で、これはオプションとして開発して、注文があればいつでも出荷できるように体制を取っております。ただ、今のところ注文等はあまりないということですけれども、一番は安全装備検査基準に準拠するということで、開発のほうもそれに従って行っております。
 それと、4番目の「機械の包括的な安全基準に関する指針」の取組状況(本質安全化、ユーザーへの情報提供、教育研修等を含む)とありますけれども、一番は取扱説明書を内容的に満足したもの。冊子のほうも絶えず内容を盛り込んだ形で。一遍できてから、もうこれは内容を変えないというものではなくて、事故等があれば、その事故がどういう原因で起きたかということが判明しますと、それを回避するための内容もそこに盛り込んだ形にしております。ですから、ユーザーの方が熱心にこの取扱説明書の内容を確認していただければいいですけれども、農家の方に、何かあったときに取扱説明書を見ていただきましたかと言いますと、そんなもの見るかというような答えが返ってきたときもあります。
 ですから、内容的にいろいろ書いておりますけれども、その取扱説明書も、農家の方はこれだけは気をつけてくださいということを書いたほうがいいということで、取扱説明書は標準でつけておりますけれども、それ以外のところ、「安全運転のしおり」という黄色の紙ですけれども、これをつけております。この添付資料のほうにあります。項目1の参照ですけれども、黄色の紙を見ていただいて、これだけは絶対守ってくださいということでつけております。
 それと、5番目の農業機械での事故発生の原因や事故防止のための取組(構造上の課題や対応の見込み、高齢者対策等)ですけれども、新しい機械を造るときには、過去の苦情とか事故内容といったものを精査して、これは品質管理部のほうで内容的にクレームとか、そういったものを全てパソコン上に機種ごとに整理してありますので、そういった過去問題をクリアするということを徹底して行っております。
 納品の際は、ユーザーに機体の操作説明を行うということで、これは納入説明カードというものをつけておりますけれども、お客さんのほうに製品を渡すだけではなくて、一番守ってほしいところ、ここだけは気をつけてほしいとか、こういう事故がありますから、こういう使い方はしないでくださいというところをお客さんのほうに説明して、お客さんのほうが分かったということでサインをいただいて、営業のほうが持ち帰るということにしております。
 そうしませんと、高齢者の方なんか、こういった運搬車を結構使われますので、もし事故があったときには、おうちの方から高齢者の方に説明も何もせずに売ったのではないかというようなことを言われますので、ちゃんと説明しましたということで、使われる方のサインをいただいて、何かあったときにちゃんと説明しておりますということをここで確認しております。
 それと、量産後は品質管理等からの苦情、事故情報を確認し、原因を特定して是正処置を行い、その機体で同じ事故が起きないように設計変更等で対応する。他社さんの場合は、品質管理部と開発部が別の部門なのですけれども、うちの場合は私のほうが責任者として品質管理部と開発のほうを見ておりますので、市場からのクレームとか、そういったものが全て私のほうに入ってくれば、設計担当者が改善にすぐ進めるということを徹底しております。
 それと、6番目の主なる用途以外の実態。これは農用運搬車ということで取扱説明書等にも書いておりますけれども、実際には土木とか工事関係の方でも購入されて使用することもできます。そういった工事関係とか農業以外の法人の方から、これは特別教育を受けなければいけないですかというような問合せがありますけれども、その際は、乗用型のものについては受けてください。ただし、不整地運搬車としては労働安全衛生法には準拠しておりませんということは言っておりますけれども、定期点検簿とかはありますかというような問合せがありますけれども、その辺も今後の課題かなと思っております。
 あと、ここにも書いておりますけれども、クローラタイプのものは、主として堆肥とか農産物を運ぶために使われていると思うのですけれども、小型特殊自動車のホイールタイプが15キロ未満、速度が出ますので、高齢者の方が足代わりとして使われているということも情報として上がってきております。農家の方は、軽トラックを主として使われますけれども、家の方が高齢なので、もう軽トラックも危ないのでということになれば、何らかの足が欲しいということで運搬車のほうも使われているのではないかなということを思っております。
 あと、7番目、農業機械の安全対策について、メーカーとして考える課題、例えば、農業機械使用者に対し、作業の安全のために実施してほしいことですね。この項目の3~5番目を実施して、事故情報があれば、大半は危険な使用によるものであるために、安全に使用するために取扱説明書を確認してほしいということを書いておりますけれども、さっきありました、何か事故があって、こういった使い方をすれば危ないと書いてありますがということを言いますけれども、取扱説明書を一々見るかということを言われますので、そういった場合には、うちのほうも、さっき説明したように、これだけは読んでくださいという黄色い紙を入れております。
 最近、いろいろな農業機械以外の電化製品とかでも、これだけはお守りくださいというような紙が別に入っておりますので、そういう流れになってきたのかなと思っております。特に気をつけてほしいのは、一度経験すればということもありますけれども、経験が事故につながって大けがをしたり、死亡事故になったりすることがあります。特に坂道での変速といったものは絶対行わないでくださいということで、ステッカーとか注意銘板、PL銘板等でつけておりますけれども、気が緩むというか、そういったことをしてしまって、本機のほうが下がってきて作業者が挟まれて亡くなったというようなことがありますので、そういったことを徹底的にユーザーの方が守っていただくということの、何らかの形で啓発活動が必要かなと思っております。
 取扱説明書を紛失したら、再度、販売店で入手してほしいということと。
 あと、農業機械をユーザーが買われて、壊れるまで使われればいいですけれども、もう農家の跡継ぎもいなくなったので中古として売ってしまったということになれば、当然、取扱説明書も一緒につけて中古に出されればいいですけれども、取扱説明書はもうなくなってしまって、機械だけが次のユーザーのところに行ってしまうことになりますので、その際は販売店等で取説もちゃんと準備してほしいというようなことをここに書いております。
 簡単ですけれども、以上です。何か質問等があれば、よろしくお願いします。
○梅崎座長 河島農具製作所の加藤様、どうも御説明ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に対して御質問ありましたら、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
 鈴木さん、お願いいたします。
○鈴木参集者 御説明ありがとうございました。
 ユーザーからの苦情とか事故事例は、各社さんとも情報の入手に御苦労されているかと思うのですが、加藤様のところでは、どのような仕組みでいろいろな苦情等、情報を入手しているのでしょうか。
○有限会社河島農具製作所 私どもは、河島ブランドは全農販売、農協さんのほうに販売していただいておりますので、農協のほうから情報が入ってきます。機械の不具合等の情報も併せてです。あと、OEM先も、こういった不具合が原因でけがにつながったということはありますけれども、あまり具体的にどこどこで、どういった事故があったという詳細のほうは入ってきません。ただ、うちのほうに何らかの原因があったときにはありますけれども、ユーザーの使い方がどうのこうのというようなときには、その辺はあまり情報として入ってこないというのが現状です。
○鈴木参集者 ありがとうございました。
○梅崎座長 よろしいですか。
 それでは、次の質問、お願いいたします。
○髙橋参集者 すみません、法人協会の髙橋と申します。
 先ほど構造上のお話で、労働安全衛生法、1トン未満の不整地運搬車と比べてという話になるのでしょうけれども、特に1トン未満の運搬車の構造と違うところをちょっと教えてもらえますか。
○有限会社河島農具製作所 あくまでも農用運搬車として、取扱説明書の使用目的のところには、農用運搬車です。土木等、そういった目的以外には使用しないでくださいということをはっきりうたっております。販売されるときも、あくまでもこれは農用運搬車ですよということを言っていますけれども、造園業者といった土砂を積まれて運搬されて不具合があったということを聞いておりますけれども、労働安全衛生法の不整地運搬車と比較されて、ただ、基本的にはそこまで強度を要求していないというのがありますので、あくまでも農用運搬車ですということで、そういったところから問合せがあったときには話をして理解していただいております。
○梅崎座長 髙橋様、今の点、よろしいでしょうか。
○髙橋参集者 その辺が現場としてはちょっと心配なところかなと思ったものですから、ありがとうございました。
○梅崎座長 それでは、次の質問をお願いいたします。いかがでしょうか。
 氣多様、お願いいたします。
○氣多参集者 先ほどの鈴木さんの御質問とも関係するのですけれども、5番のユーザーへの説明とかを記述されているところですけれども、これは河島ブランドのことについて、こういうふうにお書きになっているのでしょうか。
○有限会社河島農具製作所 いや、全てOEM先のほうから情報が入ってきますので、何らかのうちのほうで対応をしなければいけないということに対してはあれです。
 それと、納品の際はユーザーに機体の操作説明を行いとありますけれども、これは河島もOEM先も、完成品として出荷しているものに対しては、そういったものを各社ともつけておられます。
○氣多参集者 実際に説明されるのは、当然ながら農機の販売店なりJAなりということになるのですね。そういうところの従業員の方たちには、基本的には紙でそういう情報というか、説明書を御確認いただいて説明してくださいというふうに河島さんのほうからお願いしているということでしょうか。
○有限会社河島農具製作所 はい。これはOEM先もうちのほうの運搬車を扱っていただいておりますけれども、OEM先のほうはOEM先のほうで説明していただいて、OEM先のほうで説明したカードは保管していただいております。
○氣多参集者 分かりました。
 しつこいようですけれども、新製品が出たときなんかには、JAとか農機の販売店の方に河島農具製作所さんが直接御説明されることは、どれぐらいの頻度でどういうふうにあるものでしょうか。
○有限会社河島農具製作所 新しい製品ができたときには、OEM先なりで評価会なりがありますので、そこで審査していただいて、OEMとして扱ってもいいということですけれども、農協さんの場合は、うちのほうが新商品として説明に行って、農協さんに扱っていただくということを行っております。ただ、内容的にお客さんのほうから苦情等があれば、農協さんを通じて、うちのほうにすぐ情報が入ってきますので、その辺は製品に対して何らかの対応をするなり、機械のほうの改善を行うということを、期中からですけれども、そういったことを即座に行っております。
 今、運搬車には、握りといいますか、レバーがたくさんついておりますので、チェンジレバー、ブレーキレバー、サイドクラッチレバー、クラッチと副変速とか、運転席の上のほうに4本、5本ぐらいレバーがついております。とっさの場合には、レバーのどれを操作していいかというのが銘板でちゃんと書いてありますけれども、一々銘板を見て、これはブレーキだ、クラッチだという判断をする時間もありませんので、握りの色を全て変えております。
 一番目につきやすいのが赤い握りです。これを真っ先に切ればブレーキがかかりますということで、その辺を全ての製品に徹底して、握りを全て同じ色にするのではなくて、一番先に事故等、例えば挟まれたとか、崖から落ちそうだというときにはどれを操作すればいいかというのは、なかなか判断がつきませんけれども、とにかく目につく色いうことで、そういうのもしております。これはちょっと補足ですけれども、そういったことです。
○氣多参集者 よく分かりました。ありがとうございました。
○梅崎座長 ありがとうございました。
 ほかに御質問ありましたら。
 それでは、志藤さん。
○志藤参集者 農研機構でございます。御説明ありがとうございます。
 御社のほうに上がってきている事故の情報ですけれども、死亡とか負傷に至らなくて、物損で終わっているようなものも含まれていたりするのでしょうか。
○有限会社河島農具製作所 いや、そういった情報は直接上がってきません。メーカーのほうで止まっていると思いますので、うちのほうの製品に何らかの欠陥があって、そういった事故につながったということになれば、そういった情報が上がってきて、何らかの対応をしてくださいと。補償問題等がありますけれども、そういったけがとか骨折されたということ等の情報は直接上がってくるようなルートはありませんので、あまり把握できない。ただ、死亡事故があったというのは、何らかの形で情報として上がってきておりますけれども、そういったルートというのはあまりないというのが現状です。
○志藤参集者 項目7番の内容で、3~5を実施しても事故情報があり大半は危険な使用によるものであるためと書かれているのですけれども、ということは、御社のほうにも事故情報は何件かぐらい上がってきているという理解でよろしいでしょうか。
○有限会社河島農具製作所 そうですね。ですから、製品が何らかの原因でというのは、OEM先のほうが何らかの改善をしてくださいということを言ってきますので、こういう事故があって、これが原因だということになれば、7番目にありますけれども、変速抜けがあったということで、そういった場合にはブレーキとクラッチを連動にしてしまうとか、クラッチを切ったら自動的にブレーキがかかるようにするとか、そういった何らかの手を打って、坂道でクラッチを一遍止めたときにはブレーキもかかるというような形にしております。事故の情報というのは、詳細はあまり上がってこないです。
○志藤参集者 この質問の意図というのは、これから特別教育のカリキュラムを検討していかなければいけないということで、その内容について、事故の実態を踏まえた上で検討する必要があると考えています。その段になったときに、もし御社のほうでお持ちの情報、我々のほうでも事故情報は収集してございますけれども、重複する部分もあるかもしれませんけれども、場合によっては情報の共有をさせていただければありがたいなと思いまして、そういう意図で質問させていただきました。
 以上です。
○梅崎座長 いかがでしょうか。情報は大事なことですが、この点につきまして、論点の中で構造的な話もありますので、そちらのほうについても御質問がありましたらお願いいたします。ただ、今の話は重大だと思いますので、皆さん、共有していきたいと思います。
 いかがでしょうか。ほかに御質問ありますか。
 では、齋藤さんの質問、お願いします。
○繁野審査官 本日欠席しております齋藤参集者から、事前に資料を見ていただきまして質問をお預かりしておりますので、御質問させていただきます。
 資料の項目3にリスクアセスメント、FMEAの実施とございます。これらの取組を開始されたのは何年前からでしょうか、という御質問と、現在販売されている農用運搬車は、リスクアセスメントがなされた機種となりますでしょうか、ということをお伺いさせてください。
○有限会社河島農具製作所 これはOEM先から要求された内容ですので、リスクアセスメントのほうはJISの番号は忘れましたけれども、それに準拠する形で一つ一つ照らし合わせて、こういった事故があって、どういう具合に回避するかというものを全部ランクづけして、全てクリアしているということでOEM先のほうに提出します。
 FMEAのほうは、過去の問題をここで取り上げて、運搬台の上に乗られて転倒されて事故になったとかいうことになれば、その辺をどういう具合にするか。荷台の上には乗らないようにステッカー等を貼るのか、取扱説明書に書いて、これで問題点を回避したというところで、この2点は新製品に対しては必ず実施しております。
○繁野審査官 ありがとうございます。
 何年前からでしょうか。
○有限会社河島農具製作所 これは10年、15年になるのですかね。安全鑑定基準がOEM先から要求されますので、項目ごとにチェックリストをつくって、それに準拠していないと製品として取り扱いできませんということをはっきり言われていますので、どうのこうのというのはお互い協議する。以前もありましたけれども、立ち乗りの運搬車を造ったときには、安全鑑定上はガードが必要ですということになったのですけれども、これは後進の速度等をここまで下げればということで、準拠していないのですけれども、扱っていただけることになってつけております。そういったことを書いてありますけれども、安全装備基準とリスクアセスメント、FMEAは必ず実施しております。
○繁野審査官 ありがとうございます。
 すみません、もう一つございまして、試作機を製作される際と設計変更を検討される際、両方で実施されているということでよろしいでしょうか。
○有限会社河島農具製作所 試作機を造るときですか。試作機を造るときは、ここに書いてあります安全装備基準の最新版に照らし合わせて、これに適合しているかというところですね。それをモデルチェンジするときも、過去のものは基準が変わったときには基準から外れていたけれども、モデルチェンジするときにはそれを最新のものにということでメーカーのほうから要求されますので、そういったものに対しても準拠するような形で進めております。
○繁野審査官 ありがとうございました。
○梅崎座長 どうもありがとうございました。
 時間が来ましたが、あと1問ぐらいはできると思うのですが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 1点だけ。先ほどTOPSがオプションで、なかなか普及しないというのがありましたけれども、物によって、今後検討か分かりませんが、TOPSはオプションじゃなくて標準装備してよという話が出てきたときには、それを標準にするということも特段差し支えないという理解でよろしいですか。ただ、ここで見ると、農用小型特殊自動車はもう標準装備で、オプションは農用運搬車のみということですね。
○有限会社河島農具製作所 それ以外の乗用のクローラ運搬車がありますので、それらも安全基準に照らし合わせますと、オプションの準備でユーザーから要望があった場合には出荷できることという基準になっていますので、実際に試作して正規のところで共同試験していただいて、いつでも出荷できるような段取りで準備しております。ただ、注文がないというのが現状です。
○梅崎座長 分かりました。ありがとうございます。
 それでは、特段なければ、これで河島農具製作所様のヒアリングは終わりにしたいのですが、よろしいでしょうか。それでは、加藤様、どうもありがとうございました。
○有限会社河島農具製作所 どうもありがとうございました。失礼します。
○梅崎座長 どうもありがとうございました。
 続きまして、株式会社筑水キャニコム様、御説明をお願いいたします。また説明10分、討議15分を目安として御説明のほう、お願いいたします。
○株式会社筑水キャニコム 筑水キャニコムの川崎と申します。本日は、よろしくお願いいたします。弊社では、農業用の運搬車、建設用の不整地運搬車及び林業用の木材運搬車を製造・販売させていただいております。運搬車以外では、乗用草刈り機等も製造・販売させていただいております。質疑対応といたしましては、私と、隣におります国内営業担当の梅田で対応させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、早速、資料に基づきまして報告させていただきます。基本的には、次のページ以降で詳細を説明させていただきたいと思いますけれども、ここの中にあります項目2と項目6につきましては、このところで報告させていただきます。
 まず、項目2の現在生産している乗用型の国内向け出荷台数につきましては、日農工様にて出されております統計資料の台数を記載させていただいております。これは弊社だけではなく、運搬車メーカー全体と考えていただいてよろしいと思います。2023年の乗用型の農用運搬車の販売台数は1541台。うち、クローラ乗用型が420台、小型特殊自動車はホイール型の乗用運搬車になりますけれども、1121台となっております。
 また、項目6の主たる用途以外の使用実態につきましては、特にこれといった事例、運搬が目的のこと以外は、あまり私どもでは把握できておりません。申し訳ございません。
 それでは、次のページをお願いいたします。まず、弊社で生産しております乗用型運搬車について御説明させていただきます。弊社では、大きく分けまして2つの種類の乗用運搬車を製造・販売させていただいております。まず、左側1)ホイール型の乗用運搬車、これは全て小型特殊自動車となります。また、2)クローラ型の乗用運搬車、この2つに分けられております。
 ホイール型の運搬車は、写真左下のホイールキャリアという形状、前引きタイプと私ども、呼んでおります。それと、写真右下のダンパの2つに分けられております。ちなみに、前引きタイプというのは、ハンドルを車両の前方に倒せるようになっておりまして、歩行で操作もできる形状としております。前に引いていける形状ということで、前引きタイプというふうに呼んでおります。これは特に果樹園等での収穫物の運搬時等において、低い棚下でも歩いて操作ができるようになっております。ダンパは、軽トラックに近いような形状で、車体が中央で屈折するタイプの車両で、特に小回り性に優れた車両となっております。ホイールキャリアとダンパの違いは、小型特殊上の構造要件が違うという形で分類されております。
 それから、クローラ型運搬車ですけれども、これは荷台が進行方向の後ろ側の車両を前乗りタイプと呼んでおります。クローラ型、乗用型の左下の写真が前乗りタイプです。この前乗りタイプですけれども、前方に降りて、歩いて操作ができるようになっておりまして、これは歩行乗用兼用型の車両となっております。また、乗用タイプには、進行方向が荷台側の後ろ乗りタイプの車両もあります。これは写真下の右の後ろ乗りのタイプでございます。
 次のページをお願いいたします。それから、現在生産している車両の中で、乗用運搬車を使用する上で、特に安全上の注意事項として、運搬車の荷台への搭乗というのは全て禁止させていただいています。荷台に乗って走行することを禁止するということで、取扱説明書にも全て運搬車で同乗禁止と記載させていただいております。ただし、走行時ではないのですけれども、特にリフト仕様の運搬車の場合は、収穫物のトラックへの載替え時に荷台に乗るケースはあります。
 4)の車両がリフト機能のある車両になります。リフト機能のある車両は、高いところの高所作業をするものではなくて、運搬の一連の作業で作業性をよくするために、より楽に使用していただくための機能と考えていただいてよろしいと思います。リフト機能のある車両は、先ほど御説明しましたように、主に収穫物のトラックへの積替え時に使用いたします。
 果樹や野菜の収穫物の入ったコンテナや段ボールをトラックに積み替える際に作業が発生いたしますけれども、この際、運搬車をトラックの横まで移動させ、横づけしまして、積替え作業を楽にするために、トラックの荷台の床面高さ、1メーターぐらいですけれども、運搬車の荷台をリフトさせて積替え作業を行う。このときに、どうしても運搬車及びトラックの荷台の上には人が乗る必要がありますので、その際にはちょっと乗る場合があるということです。なお、運搬車及びトラックの荷台上に乗ることはあるのですけれども、この際、荷台からの落下等の防止策は特に講じておりません。
 次、お願いいたします。続きまして、これは御参考になるのですけれども、弊社では歩行タイプの運搬車も製造・販売させていただいております。
 左側、1)が歩行のホイール型運搬車になります。これは小回り性の高い三輪タイプとなっております。現在、この三輪タイプの運搬車は歩行型のみ、1型式のみとなっております。
 それから、2)歩行型のクローラ運搬車。圃場内の走破性、傾斜地・軟弱地での運搬に対応するためのクローラタイプとなっております。条件のいいところでは、簡易的に立ち乗りができるステップをオプションで追加できる車両もございます。
 次、お願いいたします。現在生産していますその他の運搬車といたしまして、またこれも御参考としての御紹介となりますけれども、弊社ではその他の乗用型運搬車として、1)、車両系の荷役運搬機械の中の不整地運搬車に該当します建設機械用の運搬車があります。
 それから、2)、車両系の木材伐出機械、走行集材機械集材車に該当します林内作業用木材運搬車の製造・販売をさせていただいております。
 ここで紹介させていただいた車両は、どちらも労働安全衛生法施行令または労働安全衛生規則に該当する車両でございます。これらの車両は、写真を見ていただければ分かりますように、特に不整地運搬車のほうは先ほど3ページで説明させていただきましたけれども、乗用型の農用クローラと運搬車と、形状としてはほぼ同じ構造をしております。基本的にはほぼ同じ構造で、考え方としては、使用場所が異なると考えていただければよろしいかと思います。木材運搬車も、運搬するものが木材と異なりますけれども、足回り及び操作系の基本構造は全て同じとして考えていただければよいかと思います。
 次、お願いいたします。続きまして、3項目、農業機械使用者等の安全の確保のための措置の状況について御説明させていただきます。農用運搬車の乗用型クローラ運搬車は、前のページでも御説明いたしましたとおり、労働安全衛生法の対象である不整地運搬車/集材車と基本構造は同様の構造であり、安全措置に関しましても同一思想・同等基準で設計・生産しております。農用運搬車も同様思想・同基準で設計していることから、規制対応である構造要件等が不整地運搬車と同等に設定されたとしましても、基本仕様からさほど大きな変更なく、農用運搬車は法規制対応ができるのではないかなと考えております。
 ちなみに、弊社の農用運搬車の場合、車両サイズが基本的には比較的小型ですので、構造規格の条件を満たすためには、ホーン、バックミラーをつけたり、車両の仕様を明記した表記等が追加できれば、対応できると考えております。基本的には、先ほど申しましたように、一体何が違うかというと、不整地運搬車と農用運搬車、大きな相違点は稼働時間と使用環境の違いと耐久寿命と考えていただいてよろしいと思います。
 次、お願いいたします。次に、農用運搬車の乗用型ホイール運搬車について、安全確保のための措置の状況について御説明いたします。農用運搬車の乗用型ホイール運搬車は、3ページで御説明させていただきましたけれども、現在、全て小型特殊自動車として道路運送車両法の保安基準に適合した車両を製造・販売させていただいております。安全措置としましては、保安基準適合車両であるために十分な安全性を確保していると考えております。
 ここにある写真ですけれども、従来、7年から8年ぐらい前までですけれども、乗用型のホイール運搬車として、前引きタイプの運搬車は、写真にあります形状のような四輪と三輪の圃場内専用の運搬車として製造・販売させていただいておりました。
 次、お願いいたします。従来の車両から、車両の安全確保のための措置・対応・取組といたしまして、現在、前引きタイプの運搬車は、安全性を最優先し、3つの措置を実施しております。
 まず、1つ目に、前引き三輪車の製造販売を全て停止いたしました。現在は四輪車のみの販売とさせていただいております。
 次に、2つ目としまして、前引き四輪車を全て小型特殊自動車へ移行し、従来の圃場内専用の前引きの四輪車という形は、現在生産を停止いたしております。
 また、3つ目といたしまして、弊社では新型の前引き四輪車の小型特殊自動車には、全車TOPS、シートベルト、方向指示器、低速車マーク等の安全装備を標準装備としております。
 なお、このTOPSにつきましては、折り畳み式としまして、果樹園等の高さが制限される場所でも使用していただけるような構造としております。今後、弊社では、この後の新型車の開発は、乗用型農用運搬車の全車両にTOPSを標準装備していくことを社内的には決定しております。ただし、農用運搬車というのは、どうしてもモデルチェンジのサイクルが非常に長く、なかなか新型車両の開発ができていないというのが実情でございまして、TOPS搭載の新型車両は2017年に販売を開始した、現行の前引き四輪の小型特殊自動車のみで、ほかの車両では新商品の開発・販売には至っていないという、ちょっと悩ましい問題が今あります。
 次、お願いいたします。続きまして、第4項の「機械の包括的な安全基準に関する指針」の取組状況について御説明いたします。
 まず、弊社では、製品開発時にリスクアセスメントを実施しております。詳細な内容につきましては、社外秘のため、実施項目の名称のみとさせていただきますけれども、まず設計チェックリストです。簡単に言いますと、設計が完了したときに設計者が設計図面を基に、リスクアセスメントを含むチェックをチェック表に基づいて実施するものです。それから、試作機のチェックリストは、試作機が完成したときに設計者が試作車両チェック表を基に実施するものです。それから、安全性・整備性のチェック。これは試作車両において、実験部門で実施するチェックリストとなっております。
 次に、2)としまして海外規格対応です。これは各仕向け先別の規制をチェックリスト化して、リスクアセスメントも併せて実施しております。
 それから、3)国内労安法規制対応ということで、先ほど御説明させていただいたとおりでございます。
 それから、4)、ホイール型の運搬車。これは小型特殊の保安基準適合書によりチェックを実施しております。
 それから、5)取扱説明書による注意喚起を実施しております。具体的には、安全に関する注意事項 安全運転・作業の心得。なお、添付資料として取扱説明書の安全に関する注意事項の部分を添付させていただいております。それから、運転と操作に関する詳細な操作方法を取説に入れております。それと、保守・お手入れ 定期点検表ということで、注意喚起を図っております。
 次、お願いいたします。続きまして、第5項 農業機械での事故発生の原因と、事故防止のための取組について御説明いたします。まず、この表は弊社が入手しました弊社製品の過去10年間の農業用運搬車の重大事故の発生状況をまとめたものです。過去10年で9件の重大事故の発生を入手しております。この表の入手情報としましては、全ての事故情報が弊社に直接入っているわけではございませんで、警察からの車両の問合せや各メディアでのニュース等によるものもございます。そのため、詳細情報が把握できない場合もございますけれども、聞き取りやインターネット等で可能な限り調査は実施しております。
 また、発生情報につきましては、まず品質保証部門が窓口になりまして、これらは全て毎週実施されます幹部会議、それから毎月実施されます取締役会にて報告しまして、全社レベルで情報共有化を図っております。
 発生状況等を分析してみますと、乗用型が9割、ホイール型の運搬車が7割でした。このホイールタイプは、ほとんどが旧型の前引き四輪、三輪の圃場内運搬車ということです。それから、原因は、車両との挟まれ、引かれが半数と、乗用タイプですが、歩行兼用型でもあるため、車両の歩行時の事故が多く発生しているというのが分かりました。
 また、見ていただいて分かりますように、運搬車の使用期間がほとんど10年以上使っていただいている車両で事故が発生しています。使用期間何年以上と書かせていただいておりますけれども、これは発生した車両は生産を終了した車両がほとんどでして、製造番号等が不明なために生産日が分からずに、販売終了して何年たっているかを表記させていただいております。中には30年近い、30年以上の車両も幾つかありました。こういうことで、メンテナンスの状況等がどのような状態であったか、不明な車両が多くあるのが実情でございます。
 次、お願いいたします。事故情報の事例ですけれども、先ほど御説明しましたとおり、警察から、それから各メディアのニュース等から入手したもの。それから、弊社の営業マンを含めて社員から、こういったニュースが出ていますというのが寄せられますので、その辺は詳しく調べまして、そういう形で情報を入手しております。また、先ほどのページにつきましては、農林水産省様、それから日農工様には、発生情報を入手した際、都度報告させていただいております。
 それから、死亡事故以外の情報につきましては、申し訳ございませんけれども、情報があまりないため把握ができておりません。
 事故発生の原因と事故防止のための取組といたしましては、乗用型車両につきましてはTOPSを標準装備していくことで今後進めてまいります。
 それから、エンジン非常停止ボタンということで、ボタンを押せばエンジンが停止するスイッチを追加する。
 それから、取扱説明書に納入指導ということで、これは販売店様にはお願いしておりますけれども、御依頼があれば弊社営業サービス担当等にて、お客様に直接説明させていただいております。納入指導の内容としましては、安全に関する注意、運転と操作、保守お手入れといったところを説明させていただいております。
 また、操作系のラベルは文字の大型化を図っておりまして、大きな文字で操作の間違い防止を図っております。それから、現在、ホイール型の前引きタイプの車両につきましては、乗用/歩行兼用型の歩行・走行時に速度を牽制する機構を採用いたしまして、歩行時に高速の変速段に入らないような機構を装備しております。併せて、ホイール型の農用運搬車は全て保安基準対応としております。
 次、お願いいたします。最後に、第7項、農業機械の安全対策についてメーカーとして考えている課題につきましてですけれども、1)定期点検です。必ず実施していただければと思います。先ほどのページで弊社の重大事故発生状況のところで御説明させていただきましたが、農用運搬車の場合、非常に長期間にわたって御使用していただいていることが多くあります。これは大変ありがたいことではありますけれども、長期間の御使用で常に安全に御使用していただくためには、車両の点検というものが最も重要な項目になってくるかなと考えております。
 取扱説明書の中に定期点検表というページを記載させていただいておりますけれども、点検表には日常点検、月例点検、年次点検等、いつ、何の点検をすべきかを分かりやすく項目に分けておりますので、ぜひこの点検表を参考にして点検していただけたらと思っております。
 また、点検表の中には専門的な知識を必要とするものとか、所定の工具が必要なものがありますので、その際は有料になりますけれども、販売店さん、または弊社サービス部門へ点検を御依頼いただくように案内させていただいております。
 また、特に圃場の整備等でユーザー様に具体的にお伝えできていることはあまりないのですけれども、使用いただく圃場内とか作業道など、危険な箇所がないか、御自身でぜひ御確認いただいて把握した上で、できれば整備・改善していただければ、安全な作業につながるのではないかと考えております。
 また、取扱説明書の安全に関する注意事項の中には、危険な場所では誘導者の指示に従っていただく。見通しの悪い場所、幅の狭いところ、起伏や傾斜の厳しい場所では誘導者を設けていただき、誘導者の指示に従って安全確認を十分に行ってから走行していただくように記載させていただいております。
 以上で筑水キャニコムからの御報告を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○梅崎座長 どうもありがとうございました。
 それで、持ち時間をほとんど使ってしまったのですが、これは非常に大事な御発表をいただいたので、御質問はきちんとお受けしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。それでは、御質問がありましたらお願いしたいのですが、いかがでしょうか。
 では、鈴木さん、お願いいたします。
○鈴木参集者 事故防止のための高齢者対策というのはすごく重要なことだと思うのですが、御社がやられているページの下のほうにラベル類の文字の大型化とありますが、これは高齢者だけじゃなくて全員に有効なのですが、高齢者向けの対策の一つかなと思うのですね。そのほかにも何かこんなことをやっているよということがありましたら、ちょっと教えていただきたいのですが。
○株式会社筑水キャニコム 先ほど記載させていただきましたように、歩行乗用兼用型車両での事故が見られるということで、歩行時の安全装備といったところで、エンジンの停止ボタンとか車両の速度の牽制装置といったところを装備させていただいているという形でございます。
○鈴木参集者 ありがとうございました。
○梅崎座長 よろしいですか。
 ほかに御質問お願いしたいのですが、いかがでしょうか。大分構造的な話も出ましたので、その辺の御質問もぜひよろしければお願いいたします。
 農研機構さんのほうから何かございますでしょうか。
○志藤参集者 小型特殊自動車に向けては、順次、新製品にはTOPSの標準装備化を進めていかれる計画ということですけれども、モデルチェンジの期間が長いということですけれども、具体的に何年ぐらいになるのでしょうか。
○株式会社筑水キャニコム モデルチェンジは10年に1回あればいいぐらいになります。どうしても農用運搬車というのは寿命が長い機械でございまして、10年に1回あればいいかなというぐらいで。ただ、小型特殊自動車だけではなくて、乗用の車両につきましては、全てTOPSは検討していこうという形で、新商品からは考えていこうという形で進めております。
○志藤参集者 10年に1回という更新間隔ですけれども、例えば構造要件で新たなものが求められた場合、それに対応するために、まだ10年たっていないのだけれども、そのためのモデルチェンジという可能性は考えてよろしいですか。
○株式会社筑水キャニコム 当然、そうです。構造要件が変われば、それに合わせた形でやっていきますし、それに合わせたチェックリストというのをつくって対応していくという形になると思います。
○志藤参集者 ありがとうございます。
○梅崎座長 その際、TOPSなんかですと物にもよると思うのですが、例えば10年チェンジでやっているのだけれども、これは2年ぐらいで対応してほしいというような話があったときに対応は可能なのでしょうか。
○株式会社筑水キャニコム 開発順番というのが出てくると思いますので、全ての車両が同時にというのは難しいと思いますので、優先順位を考えて、どの車両からやっていくかといったところの検討が必要になってくると思います。
○梅崎座長 それはTOPS以外のほかのものについても。
○株式会社筑水キャニコム はい。
○梅崎座長 ほかにございますでしょうか。
 藤井さん、お願いいたします。
○藤井参集者 普通、自動車ですと車検があるわけですが、それに代わるのが年次点検になるのかなと思うのですけれども、年次点検というのはある程度の技術を持った人じゃないとできないのではないかと思うので、その点についてはどうですか。
○株式会社筑水キャニコム 現状、農業機械、運搬車の場合はそういった資格とかの規制がございませんので、お客様に点検をお願いしているところでありますけれども、販売店様とかうちのサービスマンといったところに御依頼があれば、点検させていただくという形になると思います。
○梅崎座長 よろしいでしょうか。
 ほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。説明は非常に丁寧にやっていただいたので、皆様、大体御了解いただいたと思います。何か齋藤さんからないですね。分かりました。
 それでは、これで筑水キャニコム様のヒアリングを終わります。どうもありがとうございました。
 続きまして、丸山製作所様のほうからの御説明をお願いいたします。これも説明は10分、質疑応答は15分ぐらいを目安に御発表いただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○株式会社丸山製作所 丸山製作所ヒアリング資料ということで、稲垣のほうから説明させていただきたいと思います。
 まず、1番目です。現在生産している農業機械に関して、乗用型のものですけれども、スピードスプレイヤー、通称SSと呼ばれているもの、果樹園での農薬散布専用ということで造らせていただいております。続きまして、農用高所作業車は協力会社さんにて専用設計・製造させていただいているものですけれども、果樹園での高所作業(せん定・収穫)に主に使われているということです。販売に関しましては、代理店、大手の農機メーカーさんやJAさん、農機店経由がいわゆる販路ということになっております。
 2番目です。現在生産している乗用型の農業機械の国内向け出荷台数ということですが、個社データのため、回答は控えさせていただいて、日農工さんからの統計資料を御参照いただきたいと思います。
 続きまして、3番、農業機械使用者等の安全を確保のための措置の状況ということですが、現在、法規制・関係規格等の遵守ということで、適用される道路運送車両法保安基準、農研機構さんの安全装備検査基準。あと、社内基準におきまして、設計・試験標準・化学物質等の管理というものがありまして、こちらに準拠してやっておるということになります。
 あと、林業機械との比較ということで、SSに関してですが、前照灯(尾灯)は道路運送車両法の保安基準適合ということでついております。
 あと、転倒時保護機構ですが、今は一部機種にオプションという形で設定されております。いわゆるオープン型というやつですね。
 あと、シートベルトも一部機種にオプション設定ということでつけさせていただいております。
 運転席から離れると原動機の停止ということですけれども、現在こちらのほうはございません。
 あと、修理・点検・補修は取扱説明書に表記しております。
 あと、最大積載量表示ですが、道路運送車両法の保安基準適合ということで載せてあります。
 続きまして、林業機械との比較ということで、農用高所作業機に関してです。現在、ブーム式・パンタグラフ式、共に高所作業車の構造規格は満たしておりません。そのため、取扱説明書に農用以外の使用禁止を明記しております。あと、営業や販売店様に対しても、農家以外の販売禁止というのを通達しております。この辺は徹底していただいている状況であります。
 あと、前照灯(尾灯)等に関しては、ございません。
 運転席の防護柵、ブーム式は採用しております。パンタグラフ式は、一定高さ(1.5m)以上では走行できない制限がありまして、また全ての型式に安全帯取付け設備を設けて安全性は確保してあります。
 アウトリガーに関してですが、パンタグラフ式は採用しております。ただし、一部オプションということになります。
 あと、修理・点検・補修は取扱説明書のほうに明記しております。
 最大積載荷重表示も機体のほうに表示しております。
 続きまして、4番目です。「機械の包括的な安全基準に関する指針」の取組状況ということで、本質安全化、ユーザーへの情報提供、教育研修等を含むということですが、まず、本質安全化ということですけれども、弊社では数年前に製品安全基本方針というものを掲げまして、その取組を強化しているという段階にあります。製品開発時に図面段階から、いわゆるリスクアセスメントを実施し、合理的予見可能な誤使用も含む危険源・リスクを特定して、3ステップメソッド(本質的安全設計を優先)するということでリスク低減を図るような取組を始めております。
 あと、設計・製造委託の農用高所作業機におきましては、設計・製造を全て委託しておりまして、上市前、市場投入前に弊社関係部門で安全性・取扱性の確認を行っております。
 あと、ユーザー様への情報ということですが、残留リスクに関しては、取扱説明書を本機に貼り付けております警告ラベルにより情報提供しております。あと、弊社のホームページにも「安全作業のために」ということで情報提供を行っております。下にURLがありますので、御興味のある方はちょっと御覧いただければと思います。
 次、お願いします。教育研修。営業活動の中で、展示会等でブースを設けて安全啓蒙活動を行っております。
 現地での講習等の依頼があれば、柔軟に対応できる体制を整えております。
 あと、製品納品時に販売店からお客様に取扱説明書や安全のしおりを基に安全指導を行っていただいております。お客様には、説明を受けていただき、保証書にサインバックをいただくということ。あと、この保証書のほうには1年間の補償障害保険というのも一緒についておりますので、無償で加入する制度を設けておるということであります。
 あと、附属品に安全のしおりも入っております。しおりは弊社ホームページにも公開しております。URLがここに書かれてあります。
 あと、日本農業機械工業会会員SSメーカー3社共同で安全啓発動画を作成し、こちらもYouTubeで公開しております。
 次、行きます。5番目、農業機械での事故発生の原因と、事故防止のための取組(構造上の課題や対応の見込み、高齢者対策等々)ということで、事故発生の原因ですが、SS、農用高所作業機、共に「転倒・転落」「(枝等への)挟まれ」「ひかれ」が3大原因と見ております。事故情報に関しましては、基本的に販売店から弊社営業所を通じまして、本社もしくは品質保証室という部門があるのですが、こちらに情報が入るような仕組みになっております。あと、一般のニュースや新聞、ウェブも情報源になっております。あと、弊社にはコールセンターというのもあるのですけれども、こちらのほうに警察等から事故連絡ということがありますので、そういった場合でも判明することがございます。
 あと、事故防止のための取組ということですけれども、設計時のリスクアセスメントの取組が挙げられます。
 安全装備検査基準にて検討中で、令和9年開始を予定しているという状況であります。その内容としましては、枝下の空間の明確化(SS)、ROPS/安全キャブ、シートベルトを考えております。
 あと、作業環境(圃場)の整備は重要であり、取扱説明書や安全作業チラシ等で知らしめてはいますが、農家さんのいわゆる財産(収入)に関わることでもあり、機械メーカーからはなかなか強くお願いできていないのが現状となっております。
 次、お願いします。事故発生の原因について作業環境的要因が大きいと私どもは判断しております。ただし、自然の中での果樹栽培になりますので、作業環境整備も限界があることも事実でありまして、機械的要因も含まれると認識しております。また、作業従事者の高齢化による人的要因の影響も大きいものと考えております。
 あと、主たる用途以外の使用の実態ということですが、SSに関して言いますと、建設現場の散水、鶏舎の消毒。ごく少数でこういったお話を伺ったことはございます。
 7番目です。農業機械の安全対策につきまして、メーカーとして考えている課題(例えば、農業機械使用者に対し、作業の安全のために実施してほしい項目など)ということで、私どもとしましては、果樹の圃場は改植などに費用がかかり、かつ収量を上げるまでに時間がかかるため、生産者に対して、農業機械を安全に導入できることを前提にした圃場づくりの国からの補助などに期待したいなと思っております。
 御説明は以上となります。
○梅崎座長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの丸山製作所様の発表について御質問ありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。
 お願いいたします。
○藤井参集者 農業用の高所作業車ですが、高さ制限というのはあるのですか。
○株式会社丸山製作所 高さ制限、例えばパンタグラフタイプは1.5m以上では走行できない。それから、ゴンドラタイプは、上に上がったとき、これも同じく1.5m以上上がったときには0.9m/s以下で使うという。
○藤井参集者 最大高さというのは、どこまで上がるのですか。
○株式会社丸山製作所 現在販売しているものは、ゴンドラ式で3.5m、パンタタイプで3.5mです。
○藤井参集者 そうすると、そのくらいのところ以上は農用としては使わないと考えてよろしいでしょうか。
○株式会社丸山製作所 はい。
○梅崎座長 ちなみに今の質問ですけれども、ほかのメーカーさんもスペック的には大体似通っているのですけれども、それは共通スペック仕様としてどこかの団体さんが示されたものを参考にされているということでしょうか。
○株式会社丸山製作所 というか、農業用で一番売れ筋になるのは大体固まってしまうのです。それで、お客様、ユーザーが使うときに使い勝手がいいものがそこに集中している。
○梅崎座長 分かりました。
○株式会社丸山製作所 つけ加えますと、今、果樹も高齢化が進んでいますので、例えば昔は3.5mが要りましたけれども、要らない状態。桃なんかも2mぐらいに新しい品種はなっていますので、どんどん下がってきている。
○梅崎座長 それぞれのメーカーさんの取組を見ながら、お互い調整しているという感じですね。分かりました。
 ほかに御質問ございますでしょうか。お願いします。
○藤井参集者 もう一点、高所作業車は完全に手すりとかないタイプのものがありますね。これは安全帯というか、墜落制止用器具になるわけですね。
○株式会社丸山製作所 安全帯をつけているということです。
○藤井参集者 そのときに、ランヤードとか、そういう長さも制限しているのですか。要するに、つけ方によって落ちてしまう場合もありますね。
○株式会社丸山製作所 取付け位置を、落ちないところに全部規定して真ん中にしています。○藤井参集者 分かりました。
○梅崎座長 よろしいですか。
 ほかに御質問ありましたらお願いします。
 では、泉さん、お願いいたします。
○泉参集者 御説明ありがとうございます。
 特に高所作業車、事故が地形によるものが多いというようなお話をいただきましたけれども、説明書のほうに使用限度5度というのがあるのですけれども、コンバインとかトラクターも転倒角というものがあると思うのですけれども、ルールをつくっていく中で、そういう角度的なものの規制というものも入ってくるのではないかなと思っているのですけれども、5度というのは標準的な圃場の状態とか、そういうものから決まっているのか、機械の都合で決まっているのか、そういう決め方についてお聞きしたいです。
○株式会社丸山製作所 正直言いますと、双方であります。安全に作業できる角度が5度未満ということです。走行じゃないです。要するに、機械を離れてじゃないです。クローラですから、当然15度走行はできます。乗って走行できるものが5度未満ということです。
○泉参集者 分かりました。ありがとうございます。
○梅崎座長 よろしいですか。
 ほかに御質問ございますでしょうか。氣多様、お願いします。
○氣多参集者 すみません、ちょっと素人っぽい質問で、SSなのですけれども、農薬の被ばくとか安全性を考えるとキャブ付のほうがいいと思うのです。もちろん高さとかコストの問題があると思うのですけれども、差し支えない範囲で結構ですけれども、キャブ付の販売の割合はどれくらいか。それと、ユーザーから、キャブ付を使ってみたけれども、ああだった、こうだったという感想みたいなものがあれば。
○株式会社丸山製作所 キャブ付の販売台数に関しましては、およそ5%じゃないかと思います。700万から800万しますので、なかなか簡単には購入できないということ。あと、高さ制限の関係もあって、台数は伸びないという状況にあります。
○株式会社丸山製作所 キャブ付購入の理由として後継者に継いでもらうタイミングで農薬を浴びたくないという話がありまして、プレゼント代わりといいますか、そういったことでキャブ付のSSを購入されたということも伺っています。それぐらいで。
○氣多参集者 ありがとうございます。
○梅崎座長 よろしいですか。
 ほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 では、お願いいたします。
○繁野審査官 齋藤参集者から受けている質問です。
 資料の中に、安全指導を受けることで1年間の補償障害保険に無償加入できる制度を設けているということですけれども、この実績はどれぐらいかということと、それを受けて安全指導の内容の見直しを行っているかどうか。
○株式会社丸山製作所 なかなか回収が上がっていないということもございます。それでも、現状ですと7割近い販売台数のものが上がってきました。これをなぜ保険をつけてまでやっているかというと、回収を上げたい。それと、お客様に当然メリットがありますので、1年間の障害保険をメーカーのほうで負担してやらせていただいている。それでもなかなか回収が上がってこないという現実があります。これに対して、今後どうしていくのか、もんでいるところでございます。
○繁野審査官 安全指導の内容の見直しを行っているかどうかについてはいかがでしょうか。
○株式会社丸山製作所 指導内容につきましては、こちらの資料のほうにもついています、安全作業のポイントというイラスト付で、比較的分かりやすい、簡潔にまとめたものがあるのですけれども、基本的にはこれがベースになっていますので、特別こういった事故が多いといった案件はちょっと見当たらないので、ここに書かれているような安全作業のポイント、ホームページのほうにも載せてあるのですけれども、これを使った安全指導という形をさせていただいています。特別な改修、大きな指導内容の変更というのは、特に今はございません。
○梅崎座長 ほかによろしいでしょうか。
 それでは、これで丸山製作所様のヒアリングは終了します。どうもありがとうございました。
 それでは、3時間ぶっ通しで申し訳ないのですが、引き続き井関農機様のほうからのヒアリングをお願いいたします。それでは、説明10分、質疑15分ぐらいを目安にお願いいたします。
○井関農機株式会社 かしこまりました。井関農機でございます。よろしくお願いいたします。本日は、隣、技術サービス部の部長である渡辺、あと顧問である鈴木、あと私、総合企画部 中村の3名で参りました。よろしくお願いいたします。
 それでは、早速ではございますが、事前に様式で頂戴していた質問事項につきまして報告させていただきます。
 まず、第1の項につきましては、弊社で製造・販売させていただいている農業機械につきましては、トラクター、田植機、コンバイン。それ以外にも乗用可能なものとしまして、乗用管理機というジャンルの商品。また、野菜を移植する野菜移植機、あと収穫機、このようなものを乗用可能なものとして製造・販売させていただいております。
 続きまして、2番目の項は各社様と同じでございまして、個社ごとの販売台数につきましては社外秘の情報につき、ぜひ日農工様の統計を御参照いただきたいと存じます。
 3つ目、農業機械使用者等の安全確保の措置の状況につきましては、基本的には法令遵守というところで、道路運送車両法上の保安基準あるいは農研機構様の安全性検査基準に当然準拠する形で、商品の設計・製造を行っております。その一例を下に幾つか列挙してございますので、こちらのほうも御参照いただければと存じます。
 続いて、4つ目の項「機械の包括的な安全基準に関する指針」への取組状況でございますが、このように整理させていただいて、こちらはホームページのほうから引用させていただいたのですけれども、機械の設計・製造者に関わる部分で、図の中のテキストボックス3つ、上部につきましては、先ほど申し上げたとおり各種基準、また弊社内に独自の基準がございます。その基準、それぞれに準拠する形で商品のほうを御提供させていただいております。
 その図表の一番下のテキスト、使用上の情報等につきましては、安全に関する注意事項の記載が必ず取扱説明書のほうにございますし、あと商品を御購入いただいたときに納入指導というのを弊社では徹底しております。その納入指導のときに納入指導チェックシートというものを機械に添付してございまして、そちらのチェックシートに基づいて、お客様に正しい取扱情報を指導するように行っております。
 そのほか、展示会等のイベントごとに安全講習を実施したり、また必要に応じて出張研修なども実施しておりますし、ホームページやSNS等を通じた注意喚起といったことにも取り組んでおるところでございます。
 続きまして、5つ目の項になります。農業機械での事故の発生原因と事故防止のための取組につきましては、農水省様を中心に統計でいろいろお示しいただいておりますとおり、機械の転落・転倒が最多であると認識してございます。そのような背景の下、業界のほうでも、令和7年度安全性検査、新しい基準が開始されるというふうに取りまとめいただいておりますので、それに先んじたところで、最新の機械につきましては、シートベルトリマインダーあるいは離席スイッチといったものをあらかじめ装備した商品を上市させていただいているところでございます。
 そのほか農業機械、後ほどにも出てまいりますけれども、御使用になられる方のかなり大部分は御高齢の方が占められるところで、機械の乗り降りを安全に行っていただくための手すりの設置でありますとか、ユニバーサルデザインと弊社が呼んでいますけれども、機械を分かりやすく、レバーのレイアウトあるいはレバーの色そのものを用途に応じて統一した設計、こういったものを心がけているところでございます。
 6つ目、主たる用途以外の使用実態でございますが、こちらについては、申し訳ございません、全体として把握しているところではございませんが、一部利用者様が独自にお持ちの機械を加工・改造して使用されている事例といったものを、個人的にといいますか、見たことがあるといったレベルでございます。
 7つ目、農業機械の安全対策につきまして、私どもが考えている課題でございますが、右に回答させていただいている上2つが、どちらかというと課題に分類されるところかなと思っております。
 1つ目が、先ほど申し上げましたとおり、農業機械の利用者の方の大半が御高齢であるというところ。こちら、自動車の運転なんかも社会課題となっていると認識しておるところでございますが、まさにそのような方々が農業機械を御利用されているといったところが1つ課題というふうにとらまえてございます。
 そしてもう一つは、本会議の冒頭の前提にもなっていると思うのですけれども、農家様の戸数が減少しているというところで、農業に従事されていない方が、教育を受けないまま農業機械を操作するといった場面が今後増えてくるのではなかろうかというふうに推測してございますので、その辺り、課題感としてとらまえてございます。
 以下につきましては、どちらかというと私どもが農業者の皆様とかに実施していただきたいというところのお願い事項になります。
 1つ目は、当然ですけれども、何を押せば何が動くか分からないという状態で機械に乗っていただくと、安全であるはずがございませんので、取扱説明書を熟読いただきまして農業機械を正しく御利用いただくこと、まずこれをお願いしたいと存じます。
 2つ目、ちょっと分かりにくい表現になっているのですけれども、適切な報道とか、ちょっと大層なことを書いてしまいましたが、報道あるいはSNSとかで、例えば機械の2人乗りとか、さっきも話題になっていましたが、ヘルメットを装着しない状態での投稿・報道といったものが目につく場合がございますので、そういったものを見てしまうと、こういうものなのだなというふうに、使用される方は恐らく思ってしまうと思うので、この辺りへの御配慮をお願いしたいと考えます。
 3つ目につきましては、事故誘因原因を低減する圃場周辺環境。先ほどのとおり、転倒・転落というのが今の最大の事故発生要因と把握してございますので、例えば圃場の出入口でありますとか農道の軟弱な路肩あるいは農道の幅そのものといった機械を使用される環境、この辺りの整備も使用される場面ではぜひ気をつけていただきたいと存じます。
 続きまして、不当な改造、こちらも禁止いただきたいと思います。どのような改造があるかというのは多種多様で申し上げにくいのですけれども、最近の機械の特徴としまして、昔のように金属を切った貼ったという改造以外に、機械がかなり電子制御化されてきていますので、その機械の制御に割り込んで、私どもが想定しないような機能あるいはエンジンの出力といったものを生み出すような改造も目につくようになってきてございますので、安全であるはずがございません。ぜひこの辺りは御遠慮いただきたいと存じます。
 最後に、当然ですが、適切なメンテナンスのほうを心がけていただきたいというふうにメーカーとしては考えてございます。
 非常に足早でございますが、私どもからの報告、以上となります。
○梅崎座長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの井関様の発表に対して御質問がありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。
 では、鈴木様、お願いいたします。
○鈴木参集者 4項のところにいわゆるリスクアセスメントのフローが示されておりまして、左側はメーカーさんとしてやるべきこと。それに基づいて、ユーザーとすると右側のところをやらなければいけないということなのですが、率直に、右側、ユーザーとして、特に農業法人なんかがやらなければいけないところだと思うのですか、今、実際にどのくらい、このリスクアセスメントがやられているかなと。それをしっかりやろうとすると、当然、メーカーのほうにもいろいろ質問というか問合せもあるかなと思うのですが、実態はその辺、どうなのでしょうか。
○井関農機株式会社 端的にお答えできるかどうか分からないのですけれども、どうなのでしょうね。
○鈴木参集者 ふだん、そういう関連の質問とかはあまりないですか。
○井関農機株式会社 私の総合企画部というところには、農家様から何かしてくれといった御要望を承ったということはございません。現場に近い技術サービスのほう。
○井関農機株式会社 渡辺と申します。よろしくお願いします。
 農家の方がリスクアセスメントをどのぐらいやっているのだろうという。
○鈴木参集者 個人農業者はあまりないと思いますが、法人はやらなければいけないところかなと思うのです。
○井関農機株式会社 私どもの部門でホームページからのお問合せとか、回ってくるのですけれども、リスクアセスメントをどうやったらいいかとか、そういった内容での問合せというのはほぼないですね。私の知っている範囲でいきますと、J-GAP、GAP認証の絡みでリスクアセスメントに近いことをやるので、GAPの指導員みたいなことをやっている部門の部署には、もしかしたら指導してくれという農家の方のところに行ったときに、具体的に聞いているところはあるかなと思います。
○鈴木参集者 ありがとうございます。
○梅崎座長 現状、あまりそういう形でユーザーさんのほうは、リスクアセスメントというところまでは認識していないという理解でいいでしょうか。
○井関農機株式会社 私の個人的な認識としては、お客様レベルでリスクアセスメントまで把握してやられているというのは、なかなかないのではないかなという認識です。
○梅崎座長 分かりました。ありがとうございます。
 ほかにございますでしょうか。川口様辺り、いかがでしょうか。もし御質問あれば。
○川口参集者 私からは特にございません。
○梅崎座長 分かりました。
 ほかにございますでしょうか。
 1点だけ私のほうから教えてもらいたいのですが、この報告も非常にうまくまとまってていますが、7項目めの農業機械の安全対策についてということで、こういう課題があるということが非常によく分かります。全く御指摘のとおりだと思うのですが、もし可能であれば、こういうのは社会的課題になってくると思うのですが、技術的な課題。それは農研機構さんの基準に従って造っていくというのが基本になってくると思うのですけれども、技術的課題として、今こういうものが課題になっているというようなものがもし何かあれば、ちょっと御教示いただきたいなと思ったのですが、いかがでしょうか。逆に農研機構さんのものをきちんとやっていくことが基本だということであれば、それでも全然問題ないのですけれども、というか、むしろそれは非常にありがたい話だと思っています。
○井関農機株式会社 1つは、御指導いただいている基準に基づいて粛々と商品を提供させていただくというところもございますし、あと、これも同じように業界で取りまとめいただいていますけれども、例えばロボット農機という形で農業機械そのものの姿も変わっていくというふうに思っています。ロボットという機械につきましては、人間が搭乗することがなくなるので、その面で言うと、搭乗される方の危険性は低減していくといったつながりにもなるのかなと考えていますので、そういった世の要求に基づいて、私どもメーカーが努めていくことが大事じゃないかなと考えています。
○梅崎座長 分かりました。ありがとうございました。
 では、藤井さん、お願いいたします。
○藤井参集者 年次点検なんかは、恐らくサービス部門に頼まれることが多いと思います。そうすると、メーカーから系列販売、お客という流れでいきますと、系列販売会社が修理とか年次点検をやるという考えでよろしいのでしょうか。
○井関農機株式会社 今のは、例えば今回議論いただいている中で点検とかが制度になっていったことを想定したときにですか。
○藤井参集者 はい。
○井関農機株式会社 であれば、どのような制度になるか、私どもも計りかねるところですけれども、もし制度化されて、それが私どもに御用命いただけるということになれば、当然現地の販売店あるいは販売会社といったところを主体にサービスを御提供させていただくという流れになるのではないかというふうに考えています。
○藤井参集者 分かりました。
○梅崎座長 よろしいでしょうか。
 1点だけすみません。項目4のところで出張研修というのが書いてあったのですけれども、物にもよると思うのですけれども、大体どんな内容、どれぐらいの日にち、時間でやるような形になっているのでしょうか。実施者の方、差し支えなければ。
○井関農機株式会社 私の部門でやっているわけではないのですが、隣の部門でやっているのでお答えさせていただきますが、刈払い機で1日ぐらい、トラクター、代表的なところで1日程度というのをやったと聞いています。内容的には、取扱説明書の総論みたいなところに出てくる安全に関する内容を中心にやったと聞いています。
○梅崎座長 実機を目の前にしてという。
○井関農機株式会社 そうです。
○梅崎座長 どんな方がやられるのですか。
○井関農機株式会社 出張研修した部門というのは、グループ内の研修所の部門のほうが受けてやったということになっています。
○梅崎座長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
 では、氣多さん、お願いいたします。
○氣多参集者 7番の不当改造のところですけれども、どういうことかと思い、今、御説明があって理解できました。私なんかには想像もつかないのですけれども、例えば自動車の修理工場か何かで持っているような器具で、そんなことが割合簡単にできるのか、そうじゃなくて、よっぽど入手が難しいようなものを手に入れてやるのか、その辺の感じを教えてください。
○井関農機株式会社 今の電子機器のところは、実は何か証拠が残るわけではないので、私ども、それがもう一つ困っているところでもあるのですけれども、例えば自動車のエンジンとかだと市販品でハーネスに割り込んで出力を上げるような商品があるのを承知していますし、また、それをなりわいとされている方々もいらっしゃると承知していますので、恐らく同様の手法であろうと推察しているところです。
○梅崎座長 ハードウエア、ソフトウエア、どっち。
○井関農機株式会社 ソフトを書き換えるというところまでやっているかどうかというのは、我々も把握できていませんけれども、ただ単に配線に挟み込むだけというようなものもあるというのは聞いています。
○梅崎座長 川口さん、お願いいたします。
○川口参集者 今の御質問について、まさに業としてやっている方々もどうもいるようです。方法としては、ちょっとお話あったように、コントロールユニットのプログラムを書き換えてしまうというようなことで、本来設定したよりも高い出力がエンジンから得られるようにということも一部で行われているということは、以前聞いたことがあります。本当によくないことですので。
○梅崎座長 農業機械でもやられているのですか。
○川口参集者 農業機械でもそういうものが一部で行われて、今どうかというのはあれですけれども、ちょっと前には一部行われていたという話は聞いたことがあります。
○梅崎座長 建設機械とかは非常に多い。農業機械でもそういうのがあり得る。そもそも同じですものね。すみません、余計な話。今の説明で分かりました。ありがとうございます。
 ほか、よろしいでしょうか。
 では、どうもありがとうございました。これで井関農機様のヒアリングを終わります。
 それでは、どんどん続いて申し訳ないですが、続いてクボタ様のほうからヒアリング、御説明お願いいたします。これもまた、10分、15分を大体目安でお願いいたします。
○株式会社クボタ それでは、株式会社クボタの説明をさせていただきます。今日は対面で3名参加させていただいています。また、質疑応答に関しましては、オンラインで関連部門メンバー、参加していますので、よろしくお願いします。
 次、2ページです。こちらは目次になります。設問1から7の回答を各ページに載せています。オレンジ色の文字が出てきますので、そこは補足資料として資料後半に載せておりますので、御確認お願いします。
 次、お願いします。項目1、現在弊社で生産している乗用型の農業機械に関しては、記載のトラクター、コンバインをはじめとして、田植機、その他の機種がございます。
 次、お願いします。項目2、現行生産品の出荷台数ですが、こちらは社外秘扱いのため回答を控えさせていただきます。日農工の統計データの御参照をお願いします。
 次、お願いします。項目3、農機使用者等の安全確保のための措置状況ですが、法規・社内基準と教育・点検整備の2つに分けて回答します。
 1つ目、法規・社内基準でございます。農研機構様の農業機械安全性検査をトラクター、コンバイン、田植機で可能な限り受検しています。トラクターのシートベルトリマインダー、PTOインターロック装置も、安全性検査の制度改正に応じて順次採用予定です。それ以外も、記載の各種法規制や社内技術基準に準拠させています。
 あと、販売終了後30年以上経過した旧型トラクターに対しても、安全フレーム、シートベルトの後付キットを復刻採用してきています。
 次、お願いします。2つ目、教育・点検整備としまして、機械を安全に正しく取り扱いいただくとともに、機械そのものが安全な状態を維持できる取組として、主に4つの項目を実施中です。マル1、使い始めに販売店等を通じて取扱説明・試運転指導を実施。マル2納品1年後、または1シーズン後に無償点検整備を実施。マル3納品2年目以降は、ユーザー使用状況に応じたプロによる点検整備の呼びかけ。マル4、ユーザーに対する日常点検レベルのセルフメンテナンス提案、これらを実施しております。
 次、お願いします。項目4「機械の包括的な安全基準に関する指針」の取組状況ですが、本質安全化への取組とユーザーへの情報提供に分けて御説明します。
 1つ目、本質安全化。これは社内・社外基準の両面でチェックを行いまして、リスク低減をしています。具体例として、そこに3つ記載しております。1つ目は、製品の設計段階から機械ごとのリスク低減策をリスト化して、その進捗を管理する仕組みにしております。2つ目は、さらに現物を試作する段階においても、現物で動作・作業確認を行って、製品化に際しては低減策が完了できたかを事業部門のトップが見極め、ゴーサインを出しています。そして、3つ目は、重複しますが、項目3で述べた安全性検査の積極的な受検です。
 次、お願いします。項目4、2つ目、ユーザーへの情報提供ですが、本質安全化が難しい場合は、残留リスクを警告ラベルや取扱説明書で伝達しています。また、安全啓発活動として、ホームページから直接情報配信や販売店等を通じた情報提供・安全指導を実施しています。
 次、お願いします。このページは、展示会やユーザー訪問のときに取り組んでいる安全啓発活動を参考記載しています。実績です。23年度におきましては、集計できた範囲ですが、延べ2350回、2万2000人を対象に実施しました。
 次、お願いします。項目5、農機の事故発生要因と、事故防止のための取組を2つに分けて説明します。
 1つ目、事故原因・事故防止取組です。
 マル1社内独自のイエローカードという事故情報収集様式を用いて、全国の販売店等から事故情報を収集しています。その情報は、開発部門をはじめ社内関係部門で共有し、次期モデルの開発に織り込むという仕組みを運用しています。
 マル2、イエローカードの情報のうち、直近4年間の人身事故は70件超ありました。分析結果の概要を資料中央の10ページ、11ページのa~fに記載しています。
 次、お願いします。今日は、時間の都合上、1点、11ページのfのみを御紹介します。弊社調査では、転倒事故が多い傾向にあります。事故要因の傾向も、トラクターの場合、ROPSとシートベルトの未装着が多いことが判明しています。この辺り、メーカーとしても引き続き努力を行っていきますが、行政におかれても、ユーザーに対する圃場環境の整備・啓発の後押しを何とぞ御検討よろしくお願いします。
 次、お願いします。マル3、分析結果に応じて、安全啓発チラシや動画のアップデートを継続して行っております。また、重篤災害発生時は注意喚起通達を発行し、全国販売店等を通じてユーザー訪問時に注意喚起なども行っています。
 次、お願いします。2つ目、アフターサービスでの事故防止対応ですが、ユーザーへの安全指導は、転倒・転落の対策以外に、死角への注意、点検整備時のエンジン停止、合図の徹底、正しいトラックへの積卸し手順など、重大事故防止のポイントを啓発チラシにまとめて、販売店等と協力してユーザーへの指導・啓発を実施中です。
 次、お願いします。項目6、主たる用途以外の使用の実態は、2つを挙げました。
 1つ目は、トラクターに推奨していないインプルメントが装着され、機体バランスが悪化、転倒要因になったり、過搭載・過負荷での機体の損傷要因になる可能性などがあります。弊社としましては、インプルリミテーションを明確にして、事故防止に努めております。
 2つ目は、2人乗り作業をされた場合においては、機体バランスの悪化により転倒につながる可能性が発生します。
 次、お願いします。項目7、農機の安全対策についてメーカーとして考えている課題ですが、こちらは行政へのお願いとユーザーへのお願いと2つに整理させていただきました。
 まず1つ目、行政へのお願いですが、マル1、今回、農業機械が特別教育の対象となった場合は、ユーザーに対し、厚労省・農水省様からユーザーへの十分な周知徹底をぜひお願い申し上げたいと思います。
 マル2「受講時間×対象機種数×受講人数を猶予期間何年で研修できる体制整備を」と、厚労省様から示していただくことを何とぞお願い申し上げたいと思います。
 マル3、ユーザー安全確保には、工程管理、作業標準作成が非常に有効だと思います。ついては、その必要性に関し、農水省様から啓発・教育をお願い申し上げたいと思います。圃場条件や作業特性から危険箇所や事故要因を分析し、不安全行動をしない、させない工程管理や作業標準が必要かと考えております。
 マル4、残念ながら、まだ十分な市場周知に至っていません。農耕用大特免許の取得、また作業機つきトラクターの公道走行に関わる保安基準遵守といったものも併せて周知徹底をぜひよろしくお願い申し上げます。
 次、お願いします。2つ目、ユーザーへのお願いですが、点検整備の徹底と5S+1Sの徹底を挙げております。
 マル1点検整備の徹底は、項目3と重複しますが、ユーザー御自身による作業前点検、セルフ点検の徹底と、プロによる定期点検、メンテナンスを通じて、事故・故障の未然予防をお願いしております。
 次、お願いします。マル2、5S+1Sは、GAPの基本と位置づけられています。特にユーザーには、製品の清掃の徹底を引き続きお願いし、事故・災害の防止につなげていただくことをお願いしたいです。
 以降のページは補足資料となります。駆け足でございましたが、説明は以上とさせていただきます。ありがとうございました。
○梅崎座長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの御発表に対して御質問ありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。
 それでは、泉さん、お願いいたします。
○泉参集者 御説明ありがとうございました。
 11ページに事故の年齢のことが触れられているのですけれども、様々な規制をするときも年齢の規制等々も要るのではないかと思うのですが、上のほうの年齢については、認知症等々、車の規制などが参考になるのかなと思うのですけれども、本日もそうだったのですが、前回の説明のときも、メーカーさんによって、下のほうの年齢が機械によっても違うような表記がされているケースがあるのですけれども、クボタさんのほうでは、農業機械、中学生以下というのはないのかなと思うのですけれども、その辺り、どのような考え方を持たれているのか、お聞かせ願えないでしょうか。
○株式会社クボタ クボタの木下と申します。
 今、この場に出席している人間では、どういう記載をしていたかということまで記憶にないイメージなので、ウェブで聴講しているメンバーの中で、これに答えられる人がいたら答えていただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○株式会社クボタ すみません、三木田ですが、もう一度質問を繰り返していただけないでしょうか。質問がよく聞こえなかったもので、お願いできますでしょうか。
○梅崎座長 すみません、泉さん、もう一度。
○泉参集者 すみません。農業機械の年齢の規制で、上限については車の認知症等々の規制が適用されるかなと思うのですが、下限の規制が機械によっては入っていないものもあると思うのですけれども、どのような考え方をクボタさんはお持ちになっているのか、分かったら教えていただきたいのですけれども、聞こえたでしょうか。下限の年齢が何歳からくらいかというような基準がありましたら、少しお聞かせいただきたいのですが。
○株式会社クボタ コンプライアンス課の三木田です。
 基本的に取説の内容とか、判読できる、理解できる方ということですので、中学生以下の方は操作されないようにということで説明させていただいていると理解しております。
○泉参集者 分かりました。ありがとうございます。
○梅崎座長 よろしいですか。
 ほかに御質問ありましたらお願いします。いかがでしょうか。
 川口様、氣多様、何か御質問ございますか。よろしいですか。
○氣多参集者 充実した資料を拝見しておりました。
○梅崎座長 鈴木様、いかがでしょうか。
○鈴木参集者 御社で独自のイエローカードという仕組みを活用されているようですが、これは各社さんにもお聞きしているのですが、ここから上がってくる情報というのは、死亡災害のような重大災害のみなのか、それに加えて、けがのような情報も上がってくるのか。
 もう一つは、一番末端で情報収集する販売店さん等は、日頃どんな活動で情報収集をしているのか、それを教えていただければと思います。
○株式会社クボタ クボタの陽川と申します。よろしくお願いいたします。
 まず、事故情報イエローカードにつきましては、人身事故につながったものはもちろん、不幸中の幸いでお客様がおけがをなさらずに、物損で終わったものも上がってきておりますので、人身事故に限っているものではございません。そして、販売会社の営業所のほうには、基本的には情報が入手できたら、イエローカードという様式でクボタの本社のほうに経由して上げるように指示をさせていただいております。
 以上でございます。
○鈴木参集者 ありがとうございました。ということで、重大災害だけじゃなくて、極端に言えばヒヤリハット的なところも、情報を入手すればこちらに上がってくるということでございますね。ありがとうございました。
○梅崎座長 よろしいでしょうか。
 志藤様、もし何か御質問ありましたらお願いしたいのですが。
○志藤参集者 構造要件関係については、今、安全性検査の見直しのほうをやっておりまして、本検討会で対象とする機種ともがかぶっており、その辺は別のチャンネルで検討を進めていますので、この場では特にございません。
○梅崎座長 分かりました。ありがとうございます。
○梅崎座長 すみません、私のほうから1点だけ。失礼な質問になって申し訳ないけれども、クボタ様は大手のところなので、海外への輸出をやられていると思うのですが、どのような地域でどんな機械、差し支えない範囲で結構ですので。
○株式会社クボタ(木下氏) 主には、北米、アジア、ASEAN、欧州、オセアニア辺りに輸出はさせていただいています。アジア・ASEANについては、日本と同じような水田が広がっていますので、コンパクト高出力みたいな形のものを販売しますけれども、アメリカ等はアグリユースということでありますが、海外のメジャーが取りそろえているような高出力域のところは持っていなくて、管理作業に使うような農業で使われているとか、あるいは北米ではDIYといいますか、お金持ちの御自宅の造成を御自身でやられたりするとき用の機械みたいなものも大きな需要があって、そういうところへ販売しているというのもあります。欧州は、日本の大型農家の方々がお使いいただくようなトラクター及びインプルメントみたいなものが多くなっているかと思います。御説明になっているかどうか分かりませんが。
○梅崎座長 大体分かりました。
 それで、今の欧州なんかでもそうですが、欧州で言えば欧州の規格というか、要するに海外の規格へどうしても適合させなければならないときがあって、それをかなりやられていると思うのですけれども、例えば日本の機械に、逆に欧州のEU規格、EN規格、カナダでもアメリカでもいいのですけれども、そういう規格へ適合させるための技術的能力は十分お持ちという理解でいいのですか。すみません、それが質問だったのです。
○株式会社クボタ(木下氏) 販売させていただく国の規格に準拠していかないと販売できないということになるので、そこは準拠できるように技術を切磋琢磨するということになります。この場合に、農研さんといろいろ御相談しているところですが、海外に対し、日本固有の基準・規格みたいなものにあまりならない方向で日本の規格基準化というものが進められればなということで要望し、それを聞いていただいて進めているような状況ではあります。
○梅崎座長 分かりました。逆に、海外の仕様に対しても十分吸い上げるようなお力を持っているという理解で。
○株式会社クボタ(木下氏) アメリカの最大のジョンディア社というところは、全然背中が見えない相手でありますので、そんな大それたことを申し上げられるような状況ではないかと思います。
○梅崎座長 そう見たときに、海外の情報なんかも入ってきていると思いますけれども、農業機械の技術的課題というのは、日本の農業機械が考えたときに何をやっていかなければならないかという点では、何か御意見がありましたら、差し支えない範囲で教えてもらいたいのですけれどもね。
○株式会社クボタ(木下氏) 人が操作することにはミスが生じるというのは、残念ながら否めないことになりますので、圃場で作業する際には、できるだけ機械に任せて作業ができる形に持っていくというのが、事故を防ぐという意味では有効だろうと思っています。だから、これから農業者の方々が大きく減少していくということが見えている中で、作業効率とか生産性を考えると自動化というのが有効な技術であるということも併せて、そちらを切磋琢磨するべきでしょうねということで開発のほうは進めているような状況です。
○梅崎座長 分かりました。ありがとうございます。
 では、さっきの井関さんと同じような認識を持たれていらっしゃるなということなので、どうもありがとうございました。
○株式会社クボタ(木下氏) ただ、資料の何ページだったか、書きましたが、農業の現場では、先ほどの鈴木先生のお話にもありましたけれども、作業の工程管理とか作業の標準化みたいなものが、まだまだ全然進んでいないというのが多分実態であって、これから受委託とかを進めていく上においても、そういった議論がわいていきながら意識が高まるというふうな方向性にならないと、事故を全体的に大きく減らすということにつながりにくいかなという問題意識を持っています。
○梅崎座長 だから、両方の観点から考えていかないといけないということですね。
○株式会社クボタ(木下氏) はい。
○梅崎座長 ありがとうございます。すみません、一番大手ということで質問させていただきました。
 それでは、高橋さん、お願いいたします。
○髙橋参集者 15ページの行政へのお願いということで、マル2の掛け算の対象機種数についてですけれども、クボタさんは多種多様な農業機械を持っていらっしゃいますが、コンバインとかトラクターとなっていますけれども、今の段階ではどういった分類になるかなと想像というか、個人的にどういう括りになるかなというのをちょっとあれば教えてもらえますか。
○株式会社クボタ(木下氏) 受講いただく農業者の皆様方には、時間的な制約をいたずらに引き延ばしてしまうのはよくないだろうと拝察しますので、今回、対象として検討しているトラ、コン、SS、運搬車、農用高所作業機という5機種で共通する点は、できるだけ共通のテキストをつくって、それぞれの機種が個別に学習いただくべきポイントについては、それぞれの機種の特徴を踏まえたものを準備するというようなことになるのかなと、そんなふうに拝察しています。答えになっていますでしょうか。
○髙橋参集者 なっています。ありがとうございます。
○梅崎座長 髙橋さん、今の回答でよろしいでしょうか。分かりました。
 それでは、氣多さん、お願いいたします。
○氣多参集者 さっき御指名いただいて質問できなかったものですから。19ページ、補足資料のメンテナンスのところですけれども、この3機種に関して初回無料点検があるのは分かりましたけれども、すごく親しいお客さんで、しょっちゅう訪問している人と、たまたま1台だけ買ってくれた人と、多分現実的には違うだろうと思うのですけれども、2シーズン目、3シーズン目のメンテナンスについては、例えば電話だけはするとか、いろいろな形があるのかもしれませんけれども、ちょっと変な質問で恐縮ですけれども、その辺の感じを教えてください。
○株式会社クボタ(木下氏) お客さんにもよるでしょうし、販売する担当のキャラクターにもよると思うので、どこまできめ細かなサポートができていますというふうに、この場であまり答えられないかなと思います。我々が販売店さんとかと接してお願いするときには、できるだけユーザーに寄り添う、オン・ユア・サイドと我々は言っていますけれども、そういうふうな対応をお願いしたいとは言っていますが、どこまで徹底できているかということまでは、今ここではちょっと難しいなと。
○氣多参集者 分かりました。変な質問をして申し訳ありませんでした。
○梅崎座長 ありがとうございます。
 石澤様、藤井さん、もし御質問がありましたら。では、藤井さん、お願いいたします。
○藤井参集者 2シーズン目ぐらいにお客さんがお願いしますと来るのは、どのくらいの割合なんですか。
○株式会社クボタ(西出氏) この辺りの質問は、稲垣さん、つながっていますか。もしお分かりの範囲であればお願いします。
○株式会社クボタ 株式会社クボタ、営業本部の稲垣です。
 2シーズン目、3シーズン目の乗用トラクターあるいはコンバイン、田植機の点検整備の状況という御質問でよろしいでしょうか。
○藤井参集者 そうです。
○株式会社クボタ 大変申し訳ございません。具体的な数値は申し上げられませんが、順番で言いますと、コンバイン、田植機、トラクターの順で点検整備に出していただける率になってございます。特にコンバインは、点検箇所が非常に多く、点検することでダウンが防げるというところから、点検に出していただける率が非常に高いという状況で御説明させていただきます。具体的な数値は、大変申し訳ございません。
 以上です。
○藤井参集者 分かりました。どうもありがとうございます。
○株式会社クボタ(西出氏) ちょっと補足ですが、もし必要でしたら、この場では回答できないですが、別途事務局に数値を管理資料に載せていますので、提出させていただきます。
○梅崎座長 ありがとうございます。
 石澤さん、もし。
○石澤氏 大丈夫です。
○梅崎座長 ほかにございましたらお願いしたいのですけれども、よろしいですかね。
 それでは、これでクボタさんのヒアリング、終わります。どうもありがとうございました。
 これで議題2の農業機械メーカーの安全対策に関するヒアリングを終了いたします。
 本日の議事は以上でございますが、事務局から何かございますでしょうか。
○土井室長 特にございませんが、次回以降の検討会は、これまでヒアリングの結果を踏まえて御議論いただくことを予定しております。具体的内容につきましては、座長と御相談したいと考えております。
 以上です。
○梅崎座長 それでは、本日の議事は全て終了いたしましたので、進行を事務局にお返しいたします。
○土井室長 本日は、活発な御議論をいただきましてありがとうございました。
 本日の議事録につきましては、後日、皆様にお諮りしますので、御確認をお願い申し上げます。
 次回の検討会につきましては、8月6日火曜日、14時から16時で開催することを予定しております。会場は未定ですけれども、決まり次第、お知らせいたします。
 本日はありがとうございました。