中央社会保険医療協議会薬価算定組織 資料令和3年度第6回

日時

第6回:令和3年11月2日(火)13時~14時18分

場所

オンライン開催

出席者

<委員>
前田愼委員長、弦間昭彦委員、幸原伸夫委員、齋藤信也委員、田﨑嘉一委員、
深山治久委員、眞野成康委員、諸井雅男委員
西井修専門委員

<事務局>
紀平薬剤管理官 他

議題

新薬の薬価改定について
(不妊治療薬)

 

議事

 
レコベル皮下注12μgペン、同36μgペン、同72μgペン
日時:令和3年11月2日(火)

○薬価算定組織委員長
まずレコベル皮下注12μgペン、同36μgペン、同72μgペン、特に意見を伺う委員として眞野先生、西井先生にお願いしております。
事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見を含め、簡単に説明してください。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
事務局の案でよろしいかと思います。
以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
事務局案で問題ないと思います。
1つ、生殖医療に使うリコンビナントの卵巣刺激ホルモンはピュアなFSHですね。ゴナールエフもそうなのですけれども、頂いた資料でいきますと、ピュアなFSHは、現在の市場の中の占有率は13%ぐらいが保険適用になった場合には増えるだろうということでございますが、それだけ増えるかどうかは難しいと考えております。というのは、どうしてもこのFSHはピュアですので、実際にはLHをなかなか分泌されない方にはピュアではないものを使うこともありますので、実はそこまで増えるかどうかは疑問だなというのが私の感想でございます。
以上でございます。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
御意見がございましたら御発言をお願いいたします。よろしいでしょうか。
特に御意見がないようですので、事務局から特にありませんか。よろしいでしょうか。
○事務局
大丈夫です。
□□先生もFSHの件、ありがとうございました。
○薬価算定組織委員長
それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。ありがとうございました。


ガニレスト皮下注0.25mgシリンジ、セトロタイド注射用0.25mg
日時:令和3年11月2日(火)

○薬価算定組織委員長
ガニレスト皮下注0.25mgシリンジとセトロタイド注射用0.25mgとなります。特に意見を伺う委員として、眞野先生、西井先生にお願いしております。
それでは、事務局から事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に御説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
□□先生いかがでしょうか。
○委員
ガニレストの類似薬ですが、適応外であるけれども使用実態があるということで、適応外というところについて、それを実態があるからと言ってそれを取り上げているということに関してはちょっと気になりましたが、ただ、事務局からさっき説明があったとおり、仮に申請者の主張を取り上げるとなると、□□□□□□だということなので、そもそも類似薬としては考えにくいのかなと思いますので、そういう意味では、次のセトロタイドとの関係もありますので、この最類似薬で妥当なのかなと考えております。
それから、有用性加算に関する説明がさっき事務局からありましたけれども、ほかの薬剤との関係もありますので、希望の有無によってつけるつけないという議論ではなくて、該当するものはつけていくという考え方でよろしいかなと思います。
そういう意味で、どちらも事務局の算定案が妥当だと考えております。
以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
事務局案で妥当だと思います。異論はございません。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、委員の先生方からほかに意見があれば御発言をお願いいたします。
どうぞ。
○委員
これは保険収載がされているものと、同じような効果があって保険収載されていないというのは、僕は産婦人科の領域はよく分からないのですけれども、どういう歴史的な経緯があるのですか。その辺について説明していただけたらありがたいと思います。
○委員
保険適用のあるものというのは、生殖補助医療に関しての保険適用として取ってもらうのはないわけでございまして、それぞれ病名がある排卵障害とかのような方に、先ほどの□□□□□□にしてもそうでございます。
それから、レルミナに関しては適応外。これは実際には子宮筋腫とかそういうものに対しての保険適用でございますが、ただ、薬効としてアンタゴニストでございますので、排卵の抑制にも使えるということで、実際には体外受精でも使われるという状況でございます。
○委員
ありがとうございました。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
その他、御発言はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
ガイドラインというのは難しいというか、普通はガイドラインというと保険収載された後にエビデンスを積み上げて出来上がっていくのかなとも思うのですけれども、今回、自費診療でずっと行われていたものから作られたガイドラインなのですが、エビデンスレベルBでしたか。そういうレベルで加算はつけてもよろしいという判断だと思うのですけれども、事務局、この辺はほかの疾患でも同じエビデンスレベルでつけられているということでよろしいのですよね。
○事務局
一概には言えませんが、今回のケースでは、推奨度Bで国内ガイドラインに推奨されていれば、通常、加算の要件には該当すると思います。先生がおっしゃるとおり、普段であれば先に保険収載があって、エビデンスが蓄積されて、ガイドラインになるというところなのですけれども、今回の不妊治療に関して言えば、特にガニレスト、セトロタイドは薬事承認されて自由診療でもう何年も使われていて、でも、保険診療はされていなかったし、ガイドラインがなかったという状況でした。今回、保険適用に向けて、学会のほうでまずガイドラインを作っていただいたというような状況になっております。なので、ほかの疾患で作られたガイドラインと蓄積されている使用実績といったものにレベル感の違いは出ていないものと考えております。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
その他、御意見はいかがでしょうか。
お願いします。
○委員
追加させていただいてよろしいでしょうか。
今、ガイドラインにございましたが、日本生殖医学会は従前から必修知識という形で一般不妊治療を含めまして体外受精までをまとめておるわけでございますが、特に今、先生から御指摘がございましたように、体外受精に関しては保険診療でございませんので、ガイドラインという形では行ってなかったというところで今回まとめさせていただきました。
以上でございます。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○薬価算定組織委員長
それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。ありがとうございました。


ルテウム腟用坐剤400mg、ウトロゲスタン腟用カプセル200mg、ルティナス腟錠100㎎、ワンクリノン腟用ゲル90mg
日時:令和3年11月2日(火)

○薬価算定組織委員長
ルテウム腟用坐剤400mg、ウトロゲスタン腟用カプセル200mg、ルティナス腟錠100mg、ワンクリノン腟用ゲル90mgは4品目一括の検討ということになります。特に意見を伺う委員としては、田﨑先生、西井先生にお願いしております。
それでは、事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見を含め、簡単に御説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
□□先生、いかがでしょうか。
○委員
最類似薬の選定については、事務局案で全くよろしいかなと思います。それ以外についても事務局案で結構だと思います。
以上です。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
□□先生、いかがでしょうか。
○専門委員
特に異論はございません。事務局案で妥当だと思います。
1つお聞きしたいことがございまして、ルティナスだけアプリケーターを使用して腟に挿入するわけでございますが、それも薬価には入っているということなのでしょうか。
○事務局
御説明いたします。
アプリケーターの値段も含めて薬価となってございます。キット製品と呼ばれるものであれば、医療機器的な部分に対して、特に薬事上の価値があるものについては別途値段を算定するような形もあるのですけれども、こちらは単に送り出すだけのもの、スポイトのようなものだということで、特別の加算のようなものは評価してございません。
○委員
ありがとうございます。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、委員の先生方から他に意見があればお願いいたします。いかがでしょうか。
これは実際に市場規模予測がメーカーによってというか薬剤によって異なっているのですけれども、これは実態なのでしょうか。
○事務局
事務局より回答いたします。
各剤とも考え方としては同じで、あとは現状のシェアを踏まえて各剤がどのぐらい使われるだろうということと、シェアが今後どう変化していくかみたいなところについては各社で考え方に差があるので、その辺りでばらついてはきます。ただ、考え方としては各社とも大体同じでございます。
○薬価算定組織委員長
そうすると、これは実態は大体合っているということですか。
同一というか同一成分の薬剤で一緒に収載されるときは、結局同じ値段になることが多いと思うのですけれども、原価計算ではありませんし、市場規模予測自体が薬価には反映されないのでしょうか。
○事務局
おっしゃるとおりです。
ただ、各社で市場規模が全然違うと我々も変だと思いましたので、市場規模予測は中身を見せていただいて、おおむね考え方がそろっているか各社とやりとりした上でこの数字になっております。
○事務局
日本産科婦人科学会からARTデータブックというものが毎年公表されておりまして、そこで総移植周期数というものが公表情報として載っております。大体、年間25万件強ぐらいなのですけれども、それを基に、実際に各剤がどのぐらい出荷されているかということから、総移植周期のうち、プロゲステロン腟剤が使われているものはどのぐらいであろうということを計算して、プロゲステロン腟剤が使われる総移植周期数を出している。ここまでは各剤で同じなのですけれども、その後にその各剤のシェアといったもので市場規模が変わってきているという状況でございます。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
□□先生にお聞きしたいのですけれども、同じ製剤というか中身がほとんど同じ製剤で、例えば病院、我々の病院でもそうですけれども、2剤も3剤も入れることはないのです。こういう場合、この中でどれがいいとか、どういうふうに選ぶものなのですか。
○委員
これは4種類をそれぞれの体外受精をされるところでは、1日1回から1日3回まで使うわけなのですが、患者さんが御自宅で御自身で入れていただくのです。そうしますと、患者さんによっては、しかも、製剤によって、入れた後にぼそぼそしたり、オイリーだとか好みがあるみたいで、患者さんの選択に任せているところが多いとお聞きしております。使用感といいますか、それによる差が多いのではないでしょうか。それで患者さんの希望を聞いて、そのクリニックではこれを出すとなるので、その辺が市場でシェアが違うのではないかなと思います。
○薬価算定組織委員長
ありがとうございます。
それでは、その他の委員の先生からよろしいでしょうか。
では、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○薬価算定組織委員長
それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。ありがとうございました。