2022年1月26日 第62回中央最低賃金審議会 議事録

日時

令和4年1月26日(水) 11:00~11:17

場所

厚生労働省労働基準局第1会議室
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館16階)

出席者

公益代表委員
 藤村会長、鹿住委員、権丈委員、小西委員、松浦委員
労働者代表委員
 伊藤委員、古賀委員、小原委員、冨田委員、永井委員、平野委員
使用者代表委員
 大下委員、佐久間委員、志賀委員、高原委員、新田委員、堀内委員
事務局
 坂口厚生労働審議官、吉永労働基準局長、青山大臣官房審議官、
 佐藤賃金課長、小城主任中央賃金指導官、長山賃金課長補佐、尾崎賃金課長補佐

議題

  1. (1)令和3年度中央最低賃金審議会の総括
  2. (2)その他

議事

○藤村会長
 お待たせいたしました。では、これから第62回中央最低賃金審議会を開催いたします。
 本日は所用により中窪委員は御欠席、鹿住委員は遅れての御出席になります。
 議事に入ります前に、オンラインでの開催に当たって、事務局より説明をお願いいたします。
 
○尾崎賃金課長補佐
 事務局でございます。オンラインでの開催に当たりまして、留意事項を御説明いたします。まず原則として、開催中はカメラはオン、マイクはミュートとしてください。発言の際は、「参加者パネル」の中の「手を挙げる」ボタンのクリックをしていただき、会長から指名を受けましたら、マイクのミュートを解除して御発言ください。発言終了後は、マイクをミュートに戻し、再度「手を挙げる」ボタンを押して挙手の状態を解除してください。また、意見交換の最中に音声等のトラブルがございましたら、チャット機能でお知らせいただければと存じます。事務局からは以上です。
 
○藤村会長
 ありがとうございます。ではこれより議事に入ります。本日資料№1のほか、公益委員の権丈委員、使用者側委員の高原委員の役職名に変更がありましたので、参考資料№1の委員名簿を配布しております。
 それでは、議題1「令和3年度中央最低賃金審議会の総括」について、坂口厚生労働審議官より御発言をお願いいたします。

○坂口厚生労働審議官
 お世話になります。厚生労働審議官をしております坂口でございます。まずもって、中央最低賃金審議会の藤村会長はじめ、公労使の委員の皆様方におかれましては昨年、今年度の目安審議に当たりまして、長丁場に渡り精力的に御議論いただき、今年度の答申を取りまとめていただいたことに深く感謝を申し上げます。中央最低賃金審議会におきまして、私の前任の土屋からも申し上げましたが、今年度、採決という異例の事態となったことを受け、来年度以降の円滑な審議に向けて、事務局より、今年度の審議を総括させていただくことといたしました。
 中央最低賃金審議会の運営に当たりましては、事務局として最大限の努力を尽くしたものの、残念ながら、小委員会の取りまとめ、本審での答申ともに、採決という例年にない議事進行となり、事務局として至らない点があったと感じております。
 今年度の審議は、採決という結果になりましたが、労使双方から審議会において御発言をいただいておりますとおり、中央最低賃金審議会が積み上げてきた三者構成の意義や目安の枠組みの重要性につきましては、公労使の皆様及び我々事務局共通の認識であると受け止めております。
 来年度以降につきましては、労使双方の皆様がやむなしという段階に至るまで十分な審議を尽くせるよう、事務局として、労使の調整に最大限努力することをお約束いたします。
 今後再開する目安制度の在り方に関する全員協議会では、目安審議の在り方などにつきましても、御議論をいただければと思います。以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 
○藤村会長
 どうもありがとうございました。ただいま、坂口厚生労働審議官からも発言がありましたが、会長の私としても、来年度以降の審議において、労使双方がやむなしという段階に至るまで十分な審議を尽くせるよう、最大限努力したいと思います。今年度、昨年はオリンピック開催もあり、お尻がある程度制約された中での審議となり、労使がもうこれでいいかというところまで、時間が尽くせなかった反省もございます。来年度は、是非それがないように運営をしていきたいと思っております。
 総括については以上ですが、御意見がありましたら御発言いただきたいと思います。いかがでしょうか。よろしいですか。
 
(異議なし)
 
○藤村会長
 ありがとうございます。
 では、次の議題に進みたいと思います。議題2「その他」について、事務局から説明をお願いいたします。
 
○佐藤賃金課長
 賃金課長の佐藤です。議題2「その他」として、業務改善助成金について御報告させていただきたいと思っております。
資料№1を御覧ください。資料№1をめくっていただき2ページ目ですが、昨年の夏の答申が書いてあります。4番目の所にありますとおり、昨年の夏に御答申いただいたものの中に、中小企業の環境整備の必要性、特に政府として現在行っている業務改善助成金について、特例的な要件緩和・拡充を早急に行うことを政府に対し強く要望することを、この審議会からいただいておりました。これにつきまして、昨年8月以降より拡充をしておりますので、これについて御報告いたします。
 3ページ目は「業務改善助成金の概要」です。拡充前の姿がこちらです。令和3年度の当初と令和2年度からの繰越分で、予算の現額といたしまして25.6億円ありました。助成の概要は皆様御存じかとは思いますが、事業場内で一番低い賃金を引き上げて、生産性向上に直接資する説備投資などを行った場合には、その費用の一部を助成します。下に表がありますが、引上額と、引き上げた労働者の数に応じて上限額が決まっており、助成率が原則4分の3、最大10分の9まで助成する仕組みになっております。
 どんなものが助成対象になるかは、右側の真ん中辺の緑のところに書いております。例えば、設備投資であればPOSレジシステムのようなもの、直接の設備投資でなくてもコンサルティングの費用も含めてですが、基本的に、生産性向上に直結するものに対する支出が対象になっているのが、この業務改善助成金の中身です。
 1枚めくっていただき4ページ目です。昨年夏の答申をいただき、早速8月1日からもともとの予算の枠内で要件緩和拡充をいたしました。大きく2つ行っております。1番の①の所で、まず引上げの額や引上げの人数に応じて、より細かなマトリックスを作っており、30円コースと60円コースの間に45円コースを作るというのと、引上げの労働者数についても10人以上の場合は更に額を上乗せする拡充を行っております。また②の所は、対象となる設備投資等につきまして、7月までは原則自動車やパソコンは補助対象になっていなかったわけですが、乗車定員11人以上の自動車や貨物自動車、パソコン、スマホ、タブレット等につきましても助成対象として新たに拡充をいたしました。
 もう1枚おめくりいただき5ページ目です。こちらは10月から行っているものですが、人材育成の部分についても、これまでも、もちろん助成対象費用としていましたが、上限額についてちょっと低いのではないかということもありましたので、30万の上限を50万と見直しをしているところです。
 こうした8月、10月の要件緩和等々もあり、実は業務改善助成金は例年であれば執行率があまり高くないと御指摘をいただいていたところですが、昨年末の段階で既にその予算の、もともとあった予算の額を越える申請をいただいております。相当皆様にお使いいただいている状況かと思います。
 そうした状況も踏まえまして、6ページ目です。昨年度の年末の経済対策、補正予算を受け、業務改善助成金について更なる拡充を行っております。まず右上の所ですが、金額につきまして更に135億円積み増しをし、総額約160億円ほどの予算となっております。これまで行ってきた拡充を引き続き継続するとともに、右側に特例的な拡充ということで、更なる拡充の中身を書いております。コロナ禍で売上げが3割以上下がった事業者が30円以上引き上げた場合と限定はかかりますが、具体的にはこれまで基本的に直接生産性の向上に資するものでないと、助成対象として認められなかったところにつきまして、業務改善計画を策定していただき、その範囲内であれば、直接生産性向上に資するもの以外の関連する費用についても、助成対象として認める拡充を行っております。
 その例として下に書いておりますが、例えば広告宣伝や執務室の拡大、汎用事務機器の購入等々も関連する経費として認める拡充を行っております。具体的な例で申し上げますと、例えば飲食店を行っていらっしゃる方が、コロナ禍でなかなかお客さんが来てくれないということで、デリバリーを新たに始めるときに、例えば配達用のバイクを買って、広告を打つことを行った場合、これまでであればバイクの購入費用は対象になっていたわけですが、広告宣伝費まではなかなか見ることができなかった状況ですが、今回のこの特例コースを使い、業務改善計画として一体として申請をいただければ、関連費用、広告宣伝費用のところまでを含めて助成対象として見ることができる中身になっております。
 こちらにつきましては、1月13日から申請を受け付けしておりますが、我々といたしましてもしっかりと周知をしていきたいと思いますので、皆様方におかれましても周知に御協力をいただければと思っております。事務局からは以上でございます。
 
○藤村会長
 どうもありがとうございました。業務改善助成金は、割と使われているという御報告がございました。今の報告について御質問、御意見がございましたらお願いをしたいと思います。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。分かりました。では、この件は終わります。ほかに、何か御発言はございますでしょうか。よろしいですか。
 では、これをもちまして、第62回中央最低賃金審議会を終了いたします。皆さん、どうもありがとうございました。
 引き続き、目安制度の在り方に関する全員協議会、いわゆる目安全協を開催いたします。傍聴の方は、恐れ入りますが退席をお願いしたいと思います。また準備の都合上、開催まで5分程度いただきたいので、11時22分ぐらいから目安全協を開催したいと思います。少々お待ちください。