第157回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会 議事録

日時

令和3年10月25日(水) 9:30~11:00
 

場所

 オンラインによる開催
 厚生労働省 職業安定局第1会議室
 

議事

議事内容
○伏木雇用保険課長補佐 皆様、おはようございます。雇用保険課の伏木です。
 開催に先立ちまして、オンライン開催の御案内を差し上げたいと思います。
 本日も、新型コロナウイルス感染症蔓延防止の観点から、部会長以外の皆様にはZoomを利用して御出席いただいております。部会の進行中、委員の皆様のマイクはオフとさせていただいておりますけれども、事前に送付しておりますZoomの参加方法に従いまして、発言の際には挙手をしていただき、部会長の指名・許可があった後にマイクをオンにして御発言をお願いいたします。
 また、会議進行中に通信トラブルで接続が切れてしまったとか、音声が聞こえなくなった等、トラブルがございましたら、チャットないし電話番号まで御連絡ください。
 また、通信遮断が大きい場合には部会を一時休憩とすることもございますので、御容赦くださいますようお願いします。
 なお、傍聴につきましても、本日も蔓延防止の観点から、オンラインで行わさせていただいております。傍聴の皆様におかれましても御理解いただきますよう重ねてお願いいたします。
 オンライン開催の説明は以上となります。
 それでは、部会長、よろしくお願いいたします。
○守島部会長 皆さん方、おはようございます。お忙しい中、お集まりいただき、どうもありがとうございました。ただいまより、第157回「雇用保険部会」を開催いたします。
 初めに、委員の交代がございましたので、御紹介を差し上げます。
 労働者代表として、日本労働組合総連合会総合政策推進局長の冨髙裕子委員に御就任いただいております。よろしくお願いいたします。
○冨髙委員 よろしくお願いいたします。
○守島部会長 それでは、本日の委員の出欠状況ですけれども、公益委員の水島委員が御欠席でございます。公益代表の酒井委員が所用により途中退席をされるということを伺っております。
 それでは、議事に入ります。
 まず、マスコミの方々は、頭撮りとして、このぐらいで終わりとさせていただければと思います。
 それでは、議事に入ります。本日の議題は「雇用保険制度について」及び「その他」でございます。
 事務局から資料について御説明いただき、その後、委員の皆様に御議論いただきたいと思います。それでは、資料1について御説明をお願いいたします。
○山口調査官 それでは、資料1について御説明を差し上げます。基本手当と基本手当に係る今年度末までの暫定措置等につきまして、これまでいただきました議論の整理と論点を設定してございます。
 まず1ページで、各制度の概要について記載してございます。
 基本手当でありますが、基本手当日額は離職前賃金の原則5~8割、所定給付日数は、特定受給資格者は90日~330日、それ以外の方は原則90日~150日となっております。
 暫定措置等につきましては3点記載がございます。1点目が、雇い止め等によって離職した方の所定給付日数を特定受給資格者並みに拡充する措置でございます。2点目が地域延長給付で、雇用情勢が特に悪い地域に居住しており、ハローワークの所長が必要と認めた特定受給資格者などに対して、給付日数を60日間延長するものでございます。3点目のコロナ特例延長給付は、雇用保険法ではなく臨時特例法に規定がございますけれども、コロナの影響によって離職した方々に対して、所定給付日数に加えて、給付日数を60日間延長するものでございます。
 財政的な影響で、1点目の雇い止めの方の給付日数の拡充につきましては、推計値で令和2年度120億円。地域延長給付につきましては、令和2年度実績0.4億円。コロナ特例延長給付につきましては、令和2年度実績1167億円となっております。
 2ページと3ページでこれまでの御意見をまとめております。
 まず、基本手当と暫定措置全体につきまして(1)としております。
 1点目の御意見、日商様からですが、暫定措置については、期限を定めて延長し、期限が来たら一旦終了して改めて必要な措置を検討するべきではないかという御意見。
 2点目も日商様から、延長期限を明確に定めて、効果検証を行うべき。また、延長期間は1年程度の短期間とすることが適当で、延長するのであれば、令和4年度以降国庫負担を本則に戻すべきではないかという御意見でございました。
 3点目が中央会様からで、機能している暫定措置は引き続き実施していくべきであるし、利用が少なければ他の給付に統合することも考えられるのではないか。ただし、短期間の継続であると、すぐに期限が来てしまうことに留意が必要ではないかという御意見をいただいております。
 4点目は日商様から、暫定措置の継続や終了を判断する際の考え方を明確にするべきではないか。
 5点目は経団連様から、暫定措置や特例措置は利用率が高いものもあり、真に必要としている人には役立っているのではないか、一方で、雇用保険財政が厳しい状況にあり、財源確保策とセットで慎重に検討すべきではないかという御意見をいただいております。
 最後の2つの○は基本手当に係る御意見でございます。
 基本手当の水準については、見直しの必要性が乏しいのではないか。こちらは日商様の御意見でございます。
 最後の点につきましては公益の酒井先生からの御意見で、基本手当については、暫定措置に限らず、自己都合離職者の給付制限の短縮やマルチジョブホルダーへの適用等の状況も含めて、一体で効果検証を行うべきではないかとされております。
 次に各論で、雇い止め等によって離職した方への所定給付日数の拡充等でございます。
 1点目は三島委員からの御意見で、雇い止めの方の再就職活動には長い時間がかかっていると思われる。コロナの影響は先が見通せず、当面は暫定措置を延長すべきとしております。
 2点目が日商様からの御意見で、暫定措置対象者の再就職状況が特定受給資格者よりもおおむね10%下回っていること、コロナからの経済の回復に相応の時間が必要と考えられることから、一定の延長はやむを得ないという御意見をいただいております。
 3ページ目が(3)でございます。地域延長給付について、こちらは連合様からの御意見で、実績は低いが、特定地域の雇用悪化に備える必要性は変わらず、個別延長給付の激甚災害のケースと親和性が高いのではないか。暫定措置を整理して、個別延長給付に含めることも考えられるのではないかとされております。
 (4)コロナ特例延長給付について、こちらは日商様の御意見ですが、有効なセーフティーネットとして機能していることから、国庫負担を原則に戻すことを大前提として、雇用情勢が回復するまで継続することはやむを得ないのではないか。ただし、継続する期間はきちんと定め、効果検証を行うなどの対応が必要ではないかという御意見をいただいております。
 以上を踏まえまして、4ページ目で論点について整理してございます。
 基本手当につきましては、受給者の再就職状況等の指標について大きな変化が見られないこと等から、現時点で見直しの必要性は乏しいのではないか。過去の制度改正等と併せて今後評価検証する必要があるのではないかという御意見がありましたが、どのように考えるかと整理してございます。
 暫定措置等につきましては、財源確保策とセットで検討するべきという御意見、現下の雇用情勢や支給の状況に鑑み一定の期間延長することはやむを得ないといった御意見、類似の他制度に再整理することも考えられるのではないかという御意見がございました。また、延長する場合には、1年程度の短期間とすることが適当という御意見があった一方で、短期間であるとすぐに期限が来てしまうことを懸念する御意見もございました。これらを踏まえて、また、現下の雇用情勢や暫定措置の効果及び終了した場合の影響等を踏まえて、制度について、どのように考えるかということで整理してございます。
 私からは以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問等がありましたら、挙手をいただければありがたいです。
 杉崎委員が手を挙げていらっしゃいます。杉崎委員、どうぞ。
○杉崎委員 ありがとうございます。前々回の意見と一部重複しますが、改めて発言させていただきます。
 まず、基本手当に関しては、受給状況や再就職状況等の指標に大きな変化が見られないことから、所定給付日数や基本手当日額等について拡充する必要はないと思います。
 次に、今年度末までの暫定措置、雇用保険臨時特例法に基づくコロナ特例延長給付について申し上げます。
 マル1特定理由求職者のうち、「期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないことにより離職した者に対する所定給付日数を拡充する措置」については、平成21年に措置されて以降、数次にわたり延長され、今年度末までが期限となっています。この暫定措置に関しては、5年間の延長を決めた「平成29年法改正時における国会での附帯決議」において、「恒久化も含めて今後の在り方を検討し、必要な措置を講ずる」とされています。
 この暫定措置に関しては、コロナ禍で非正規労働者の雇用に大きな影響が出ているということ、前々回の部会の資料に記載の通り特定理由求職者の暫定措置受給者の再就職状況は特定受給資格者全体よりもおおむね10ポイント程度低い状況にあること、コロナ禍の影響から雇用が本格的に回復するには相応の時間を要すると思われることを踏まえると、一定期間の延長はやむを得ないと考えます。
 ただし、雇用保険財政の安定化が急務であることや、いずれ雇用情勢が改善すると思われること、また、雇用調整助成金など、コロナ禍に係る一連の措置は緊急事態宣言等の状況に基づき月単位で延長されているといった点を踏まえますと、恒久化すべきではありません。
 加えて、過去の措置との比較において、緊急事態宣言等が解除され、全体的には景気が上向きであることを踏まえると、1年など短期間での暫定的な延長とすべきである、と考えます。
 論点の資料には、「短期間であるとすぐに期限が来てしまうことを懸念する意見もあった」と記載されていますが、財政への影響額は令和2年度に120億円に達していることから、あくまで1年など短期間での延長とし、その後の取扱いについては、その時点の雇用情勢を踏まえて決定すればよいと考えます。
 なお、暫定措置を延長するならば、時限的に本来負担の10分の1に抑えられている国庫負担を令和4年度以降は少なくとも本則に戻すことが大前提であると考えます。
 次に、論点マル2に掲げられている、「マル1の同対象者に係る就業促進手当の支給を受けた場合の受給期間延長の措置」や、「マル3地域延長給付」についても、マル3と同様の対応をすることはやむを得ないと考えます。
 ただし、マル1からマル3の暫定措置は厳しい雇用情勢下で措置されたものであるため、期限を明確に定めて、その期限をもって一旦終了すべきであると考えます。そのうえで期限到来時には、暫定措置が終了になった場合の影響を踏まえて、必要があれば改めて措置を検討することが求められます。
 また、「マル4雇用保険臨時特例法に基づくコロナ特例延長給付」についても、基本手当受給者のおおむね3分の1が特例の対象となっていること、コロナ禍におけるセーフティーネットとして有効に機能していることから、先ほど申し上げたマル1に対する考え方と同様に、国庫負担を少なくとも本則に戻すことを大前提として、雇用情勢が回復するまで適用することはやむを得ないと考えます。
 ただし、財政への影響額は令和2年度に1167億円にも達していることや、現下の雇用保険財政の状況を勘案すると、現状においては、短期間での延長とし、かつ定められていない特例の期限を明確に定めておくことが不可欠であると考えます。さらに、これらの特例措置や暫定措置に係る効果や財政負担は本部会においてしっかりと検証していく必要があると思います。
 なお、今年度末までの暫定措置や雇用保険臨時特例法に基づくコロナ特例延長給付は、ともに財政が非常に厳しいこと、また予見可能性を高めていく観点から、どのような状況になれば暫定措置や特例延長給付を解消するのかに関しても、具体的な基準や考え方をあらかじめ明確にしておくべきです。さらには、コロナ禍のような国家レベルの非常事態が今後も発生する可能性があることから、どのような状況になればこうした特例的な措置を講ずるのかといった点についても整理しておく必要があると思います。
 以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
 続きまして、冨髙委員、お願いいたします。
○冨髙委員 ありがとうございます。私からも資料1の4ページの論点のところについて意見を申し上げたいと思います。
 まず、基本手当の水準でございますけれども、平成15年改正で法定賃金日額、所定給付日数、ともに引下げがされて現在に至っているわけで、こうした経緯も踏まえた基本手当の法定賃金日額や所定給付日数の在り方については、雇用情勢や景気動向も踏まえて検討していくことが必要ではないかと考えているところでございます。
 また、基本手当に係る暫定措置等で、4ページの2つ目の○のマル1、マル2の雇い止め等により離職した者の所定給付日数の拡充等については、雇い止めによる離職者の再就職には長期にわたる求職活動が必要であることも考えますと、算定措置は延長すべきではないかと考えているところでございます。
 マル3の地域延長給付で、先ほども御説明があったように、支給実績が低い水準ということでございますが、今後発生し得る特定の地域での雇用危機には引き続き備えるべきであろうと考えておりまして、地域延長給付の暫定措置の継続もしくは、前回も申し上げているように、個別延長給付への組み込み等をすべきではないかと考えているところでございます。
 マル4のコロナ特例延長給付で、現状では今後の新型コロナウイルス感染拡大の状況が雇用に与える影響を見通すことがなかなか難しい状況でございますので、暫定措置については当面延長すべきであると考えております。
 以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
 続きまして、平田充委員、お願いいたします。
○平田充委員 ありがとうございます。論点に基づいて御意見を申し上げます。
 まず、基本手当に関してでございます。求職者支援制度が創設されたりして、セーフティーネット機能は拡充整備されていると認識しており、今の時点で所定給付日数の拡充、給付水準引き上げるのをする理由は見当たらないのではないかと思っております。
 2点目です。暫定措置については、財源確保とセットでの議論が不可欠と思っております。真に必要な者への給付として機能しているということであれば、その都度、雇用情勢等の社会状況や雇用保険の財政状況等を考慮して、期限を区切って議論していくことが望ましいと考えております。
 今申し上げた、期限を区切って対応するということに関して1つ質問です。この期限は法律で決めなければならないのか、それとも、政省令等に委任ができるのかどうか可能であれば御回答いただければと思います。
 以上です。
○守島部会長 ありがとうございました。
○長良雇用保険課長 雇用保険課でございます。
 ただいまの御質問は、今後の暫定措置を決めるに当たって法律で決めるべきか否かという御質問という理解でよろしいでしょうか。
○平田充委員 期限を区切ってやるべきとか、少し長く期限を決めるべきとか、そういう意見がある中で、その期限は法律、で決めなければならないのかあるいは省令等で決めることができるのかどうかという単純な質問です。
○長良雇用保険課長 現状で言いますと、今年度末までの期限というものはいずれも法律で定められているところでございます。ただし、コロナ特例延長給付に関しては明確な期限設定がされていないのが今の姿になっております。
 仮になのですけれども、今後期間を決めるような形を取る場合に法律で定めることがマストかといいますと、そこは法制的には、例えば政令に委任することも前例として、ないことはございません。そのあたりも含めて、また今後御議論いただければと思います。
 以上です。
○平田充委員 ありがとうございました。
○守島部会長 ありがとうございました。
 続いて、菱沼委員、お願いいたします。
○菱沼委員 ありがとうございます。中央会の菱沼です。各委員から出された意見とかぶるかもしれませんけれども、私も2点ほど申し上げたいと思います。
 基本手当につきましては、ここに書いてありますとおり、現時点で見直しの必要は乏しいというのはそのとおりかと思っております。2ポツ目にありますが、今後評価検証という形になっておりますが、いろいろな制度を新たに打ち出したりとかしておりますので、短期的に見られるものと、時間をかけて評価検証してくるものが、基本手当に限らず、各制度についてあるのではないかと思いましたので、ここに限らずという意見として申し上げます。
 もう一点でございますけれども、基本手当に係る暫定措置につきましては、ここにありますが、やはり財源確保が必要ではないかと思います。今、下げられている国庫負担分を本則に戻していくとか、そういったところが必要かなと思っています。
 あと、延長に当たって、先ほど杉崎委員からお話がありましたけれども、私のほうで短期間であるとすぐに期限が来てしまう懸念があることは確かに前回の意見で申し上げたところでございますが、これまでも雇用調整助成金関係の、休業支援金関係の議論とか、ある程度、期限を限って議論してきたのは確かにそのとおりでございますので、いずれにしても現場に施策が行き届くというタイムラグもありますので、そういった点をどうかなと思ったところで意見を補足させていただければと思っております。
 以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
 ほかにどなたか、御意見とか御質問とかはございますでしょうか。大丈夫ですか。
 ありがとうございました。これで一応、資料1の御議論は終わりにさせていただければと思います。
 それでは、続きまして、資料2に移りたいと思います。資料2について御説明をお願いいたします。
○中村雇用開発企画課長 ありがとうございます。雇用開発企画課の中村でございます。資料2をお話し申し上げます。
 まず、これまでの意見のまとめでございます。
 雇用調整助成金等について、最初の2点は感染症対策に端を発する経済変動で事業活動の縮小をした場合にも対応してきたことに関する御意見でございました。
 1つ目として、感染症対策による事業活動の縮小に対応してきたことを踏まえて、雇調金の守備範囲、国が対応すべき役割を議論していくべきではないか。
 2点目として、感染症対策として、一般財源で実施するものと、失業予防策として実施するものを分けて議論すべきではないか。
 3点目は、費用面だけではなくて、様々な効果の評価の議論についても行うべきだという御意見をいただきました。
 4点目でございますが、財政状況が厳しい中で、収入確保策とセットで議論すべき。また、感染症対策としての性格を考えると、国費で負担すべきであり、補正も含めて速やかな財源措置が必要であるという御意見でございました。
 5点目、6点目は雇調金が果たしてきた役割についての御意見です。
 5点目は、セーフティーネットとして十分機能したという評価。
 6点目は、雇調金はモチベーション低下や労働移動の阻害という指摘もあるけれども、最近ですと部分休業も進んでいることから、必ずしもそれには当たらないのではないかという御意見でございました。
 最後の○は、業況特例が実際の業況と比べて多少多いのではないかという御意見をいただきました。
 2ページに参りまして、雇調金の続きでございます。
 1つ目は、業況が厳しい分野において、特例の当面維持が必要であるという御意見。
 2つ目は、雇調金が産業の新陳代謝を遅らせている可能性。また、人手不足感が強い中で、経済回復を足止めしないように、特例措置もメリハリが必要である。縮小を議論する段階に来ているのではないかという御意見。
 3つ目の○は、仮に失業が発生した場合には、それは雇用保険の本体で支えることが本筋であるので、だからこそ雇用保険の財政が盤石である必要があるという御意見をいただきました。
 それから、休業支援金等についてですが、雇用保険被保険者に対するものが3割強、被保険者以外が7割であるけれども、本来は雇調金で事業主がきちんと休業手当を支払うことが本筋であって、休業支援金等の活用はあくまでやむを得ない場合に限られるべきであるという御意見。
 その他、在籍型出向につきまして、中小企業はなかなかマッチングやノウハウが難しいことから、しっかり支援をするようにという御意見をいただきました。
 3ページ目が論点の案でございます。3つございます。
 1つ目は、厳しい分野への重点化や人手不足の中で経済回復の足かせにならぬようにという論点。
 2点目は、最近の業況が分野によっては好転してきてもいる中で、業況特例が実際の業況と比べて多いのではないかという論点がございました。
 3点目は、感染症対策としての側面からは、一般財源による措置が必要であるという論点でございます。
 以上が資料2で、参考資料2として関連の資料をもう一度お出ししておりますので、簡単にお話し申し上げます。
 これまでにお出ししてきた資料でございますが、8ページ目で地域特例・業況特例の実績をお出ししておりました。これは前回お目にかけたものと同じでございますけれども、一番右下で9月分の支給決定金額に占める業況特例の割合が53.7%ございました。
 それから、9ページで、雇調金の支給状況の週ごとの金額の最新版に更新をしております。右下の赤枠のところを御覧いただきますと、これまでの累計で4.6兆円を支出しております。
 12ページを御覧くださいませ。これは初めてお目にかける資料でございますが、最近の発言で、10月14日に総理の記者会見において、雇調金の特例については、来年3月まで延長するという発言がございました。
 それから、衆議院本会議の質疑の中で、コロナで大きな影響を受ける方々の支援のために、経済対策を策定するという御発言が総理からございました。
 13ページで、10月19日に12月以降の雇調金の特例措置等について公表させていただきました。
 内容は2点ございまして、一つは、12月は現行措置の単純延長であるという点。
 もう一つは、1月以降については、11月中にお知らせいたしますという点でございます。
 雇調金関係は以上でございます。ありがとうございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問、御意見等がありましたら、お伺いしたいと思います。
 杉崎委員が手を挙げていらっしゃいます。杉崎委員、どうぞ。
○杉崎委員 ありがとうございます。
 以前の発言と重複する部分もありますが、失業率をはじめとした雇用関連指標を見ても、長引くコロナ禍において雇用調整助成金等の特例措置が「雇用の維持」や「事業の存続」、「社会の安定」に果たしている役割は極めて大きく、有効に機能しているものと認識しています。成長産業や雇用吸収力のある産業への労働移動を促していく必要も当然ありますが、特例措置の期限が延長されていること自体は妥当であると思います。
 また、特例措置が来年3月まで延長される旨が公表されたことにより、宿泊、飲食、交通など、コロナ禍でいまだに厳しい業況にある企業は安心感を持つことができたのではないかと思います。
 ただし、コロナ禍の長期化に伴う一連の助成措置の財源である雇用保険二事業会計の枯渇化が必至な状況であることを踏まえると、その取扱いに関しては本来、収入確保策と同時に議論する必要があります。
 また、本制度を含むコロナ禍の長期化に伴う一連の措置は、事業主のみが負担する共同連帯の制度である雇用保険二事業の範疇を大きく超え、感染症対策としての性格が極めて強いことから、その財源は本来、全て一般会計による国費で負担すべきです。
 本格的な雇用の回復には相応の時間を要することが想定されますが、雇用調整助成金の今年度の予算はほぼ使い切っている状況のため、支給が滞る事態に陥らないよう速やかに一般会計による財政措置を講じていただきたいと思います。
 なお、来年度以降の雇用保険料は、コロナ禍の厳しい経済情勢や最低賃金の大幅な引上げを踏まえ、料率が引き上がることがないよう強く要望いたします。
 加えて、雇用のセーフティーネット機能の確保、労働者の能力の開発・向上に向け、時限的に本来負担の10分の1に抑えられている国庫負担については、令和4年度以降は少なくとも本則に戻すことはもとより、一般会計による財政措置を講ずることで二事業会計を含めた雇用保険財政の安定化を早急に確保すべきです。
 さらに、激甚災害や大規模な感染症等の際には、雇用調整助成金の財源を全額、一般会計で負担するなど、保険料財源では対応が困難な有事の場合における国の責任の範囲についても検討していく必要があると思います。
 なお、論点の資料には「足元の業況が悪化傾向にあるわけでは必ずしもない中で、雇調金の業況特例が支給決定総額に占める割合が高いことをどう見るべきかとの意見があった」という記載がありますが、このことは、経済は全体的には回復傾向にあるものの、業種や規模での回復度合いが異なるK字回復であり、宿泊、飲食、交通等の企業はコロナ禍でいまだに厳しい業況にあること、また、そうした企業は雇用調整助成金を頼りにして有効活用している証左であると思います。
 以上でございます。
 
○守島部会長 ありがとうございました。
 続きまして、平田充委員、お願いいたします。
○平田充委員 ありがとうございます。
 繰り返しになりますけれども、まず、原則を申し上げておきたいと思います。雇調金は本来、天変地異ですとか伝染病を原因として事業活動の縮小を余儀なくされる場合における必要な予防までを目的に実施されるものではないと理解しておりますい。
 その上で2つ意見です。足元を見ますと、感染者数も減少している中、給付率ですとか助成上限額等について現在の特例を継続する必要性が本当にあるのかどうかということを再度確認することが不可欠と考えておりますい。
 2つ目です。恐らく料率1,000分の1は約2000億円に相当すると考えておりますい。ほぼ同額が毎月、雇調金で支出されていることは異常であると理解しておりますい。したがって、これまでの多額の支出に加えて今後想定される支出についても、保険料と国庫との間で適切に費用分担をすることが不可欠と考えておりますい。そういうことを通じて雇用保険財政の早期の再建を図るべきです。
 以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
 続きまして、冨髙委員、お願いいたします。
○冨髙委員 ありがとうございます。
 雇調金の特例措置が経済回復の足かせとなっているのではないかという意見が先ほどありましたけれども、特例措置はこれまでに雇用維持に大きな役割を果たしてきており、現在に至ってもそれは変わらないと考えております。労働界でも特に飲食、宿泊、交通関連の産業からは非常に厳しい状況下での切実な声が寄せられておりまして、業況特例を含む各種特例があることによって雇用が守られているのだという声も聴かれております。
 そういったことも踏まれれば、特例水準の引下げが雇用に与える影響は極めて大きいと考えられますので、したがって、リーマンショック後の水準に向けたさらなる支給水準の引下げについては1月以降も当面は見合わせるべきと考えているところでございますおり。
 また、雇用保険財政につきましては、一般会計の大規模な繰入れと国庫負担割合の本則回帰によって早期に財政健全化を図るべきであるということは改めて申し上げておきたいと思います。
 以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございます。
 続きまして、小畑委員、お願いいたします。
○小畑委員 ありがとうございます。
 私も雇用調整助成金が大きな役割を果たしてきたことは事実であると考えております。必要のあるところにはきちんと支給することは大変重要と存じます。
 心配なのは財政でございまして、非常に厳しい財政の中で残念ながらもう少し考えていかなければいけない局面にはある。国庫負担の話などはもちろんなのですが、考えてみますと、ルールというものが、最初に3割落ちたということの確認はしたけれども、その後について、ちょっと続いているということを先日教えていただきました。そのような御教示を基に考えますと、最初に必要性があったことが事実であったとしても、その後、確認をせずに18か月も続いているところもある中で、業況が回復するなどしても適用要件に該当しなくなったところには支給する必要はありませんので、そういった速やかにそこの確認をしていただくことは、厳しい財政状況を考えますと、大変重要なのではないか。
 そういったことで、必要なところにはきちんと支給し、必要がないところ、必要がなくなったところには支給しない。そういったルールをきちんと遂行していくことが必要ではないかと考えている次第でございます。
 以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
 続きまして、菱沼委員、お願いいたします。
○菱沼委員 ありがとうございます。中央会の菱沼でございます。
 今回、論点が出されているところでございますけれども、これまでの意見ともかぶる部分がありますが、雇用調整助成金・休業支援金につきましては、ここにあるように、新型コロナウイルス感染症の急激な感染拡大が続いて、その影響が長期化しているということでございますが、この雇用調整助成金特例措置の数次にわたる延長ですとかが雇用の維持に大きな役割を果たしている。そのとおりかなと思っていますけれども、やはり財源の問題があるかなと思っています。
 これまで参考資料という形で出していますが、二事業関係の収支状況などを見ますと、保険料収入自体が5,500から5,800という形になっておりますので、平時であればそれで事業としては成り立っていける事業としてうまく回していけるのかなと思いますけれども、やはり雇用調整助成金の影響はすごく大きいところでございまして、こうやって財源が枯渇してしまったりとかということで、もはや雇用保険だけでは対応できるものでもないということでありますので、二事業の収支で差引きとなった部分が、全額を予備費のみならず一般会計を中心としていくとか、そういう形でしていく必要があるのではないかと思っておりますので、繰り返しになりますが、意見として申し上げます。
 以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。
 続きまして、小林委員、お願いいたします。
○小林委員 ありがとうございます。
 重層的なセーフティネットの仕組みで労働者を支えることは大変重要であると思っておりますし、それと同時に、より手前のセーフティネットで支えることもかなり必要ではないかと考えております。
 雇用保険においては、失業に至る手前の段階での支援である雇用調整助成金を充実させることによって失業が予防できていることは評価すべきであると考えているところでございます。
 また、雇用調整助成金の在り方の議論における中長期的な課題として、申請データに基づく分析とか議論ができるように、ハローワークの体制強化が必要ではないかと考えているところです。例えば、どのような業況の企業がどの程度継続して受給しているかといった、このような基礎的なデータがなければ制度の評価は難しいとも考えておりますので、ぜひともこの辺も検討いただければと思っております。意見です。
 以上です。
○守島部会長 ありがとうございました。
 続きまして、佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤委員 部会長、ありがとうございます。私からは休業支援金について申し上げます。
 休業支援金は休業手当を受給することのできない労働者を支援する重要な制度と考えておりますけれども、これまでも労働側から申し上げてきておりますとおり、事業主が休業手当を支払い、それを国が雇調金で支えることが基本と考えております。
 都道府県労働局が休業支援金申請者の勤める企業に対し、休業手当の支給と雇調金の活用を促した結果、雇調金活用の意思表示が確認できた企業もあったと伺っております。限られた人員で支給決定手続の迅速化に取り組んでいただいていることは承知しておりますが、制度の基本に立ち返った指導・対応を引き続きお願いしたいと思います。意見でございます。
 以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
 続きまして、千葉委員、お願いいたします。
○千葉委員 ありがとうございます。私からは産業雇用安定助成金に関しての意見を申し上げたいと思っております。
 今でこそコロナの感染者数は減少しておりますけれども、このコロナ禍による影響は今後もどうなるのかというのは、見通すことは非常に困難な状況であり、雇用への影響についても同様に想定することが難しいため、次年度以降も当面は助成金を措置する必要があるという意見でございます。
 コロナ収束後も、一部の産業においても雇用危機に備えることが重要であると考えており、制度を恒久化させることによって非常時も迅速に在籍型出向の支援ができるようにすることも必要ではないかと考えてございます。意見として申し上げさせていただきました。
 以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございます。
 続いて、杉崎委員、お願いいたします。
○杉崎委員 度々の発言、恐縮でございます。雇用調整助成金等の特例措置の取扱いについて、補足で1点発言いたします。
 特例措置の今後の内容・取扱いの議論については、経済の全体的な回復状況のみを見て判断するのではなく、コロナ禍で非常に厳しい状況に置かれている業種・業態の企業の実態をしっかりと見て判断していく必要があると思います。例えば中小企業景況調査や新規求人倍率など、エビデンスを基に、厳しい業種・業態の企業の実態をしっかりと見極めた上で判断していく必要があると考えます。
 以上です。
○守島部会長 ありがとうございました。
 ほかに御意見とか御質問とかはございますでしょうか。大丈夫ですか。
 ありがとうございました。それでは、資料2についてはこれで終わりにさせていただければと思います。
 続きまして、資料3に移りたいと思います。まず、御説明をお願いいたします。
○安蒜訓練受講者支援室長 訓練受講者支援室長でございます。それでは、資料3について御説明させていただきます。
 資料3の1ページを御覧ください。こちらは前回御指摘をいただいた求職者支援訓練受講者の分野別就職率を整理したものとなっております。
 マル1は雇用保険が適用される仕事に就職した方の率、いわゆる安定的な仕事に就いた方の就職率となりまして、青のグラフが令和2年度で、緑のグラフが令和元年度となります。どの分野も令和2年度のほうが雇用失業情勢の悪化に伴い低い水準となっています。そして、最も低い分野が一番左の基礎コースの51%、最も高い分野が真ん中の介護福祉分野の74%となっています。
 マル2は雇用保険が適用されない仕事を含む仕事に就職した方の率となっておりまして、マル1の就職者にパート、アルバイト、自営、フリーランスなどとして仕事に就いた方を加えた就職率となっています。こちらはマル1よりどの分野も10%から20%程度高い水準となっておりますけれども、こちらには正規の仕事に就けずにパート、アルバイトなどに就いた方が含まれておりますので、それらの方を正規の仕事に結びつけていくように支援を行っていくことが重要と考えております。
 それでは、資料の3ページを御覧ください。こちらは求職者支援制度の周知・広報についてまとめたものとなります。前回、制度が必要な方に知られていないのではないかといった御意見をいただきましたので、取組を整理いたしました。
 まず、一番上の●ですが、分かりやすい広報媒体の作成や、その2つ下のバナー広告などを活用した周知・広報などを行っております。そして、その下の生活困窮者の支援機関と連携した周知・広報やSNSを活用したプッシュ型広報。こちらは直接、利用者の方にお届けする広報となりますけれども、それらの強化。また、民間サイト、雑誌などによる周知・広報などを行っております。
 そして、それらの取組の結果は青枠の中で囲っておるところですが、求職者支援制度の専用サイトの月平均アクセス数は前年度から3倍増の水準となっておりまして、具体的には約4万件から約12万件に増加しております。
 それでは、次の4ページを御覧ください。こちらは訓練受講に至らなかったケースの利用者の声をまとめたものとなっております。こちらは前回、制度のどのような問題が活用の隘路になっているのか、整理して示してほしいという御意見をいただきましたので、整理いたしました。
 項目別に整理しておりまして、まず、給付金の支給額についてです。支給額10万円では生活に支障がある。すぐに収入が欲しいので訓練は受講しないといった御意見。
 そして、世帯収入要件につきましては、配偶者の収入が25万円を超え、給付金を受給できない。訓練中の生活費の負担が大きく就職を優先する。そういった御意見が寄せられています。こちらは主たる生計者と同居されている方でありましても、給付金がなければ世帯の生活は厳しく、訓練受講が難しいといった御意見となります。
 3つ目の●と4つ目の●ですけれども、兄夫婦と同居し独立を希望している方や中退予定の大学生の方などからも御意見をいただいています。こちらは家族と同居している場合でありましても、その家族から十分な経済的な支援を受けることができない場合があり、給付金がなければ訓練の受講は難しいといった御意見となります。
 次の出席要件ですが、幼稚園の送り迎えや家事があり、毎日朝から夕方まで休まず訓練に通うのは難しいといった御意見など、こちらは主に子育てをされている方々などから100%の訓練受講はハードルが高いといった御意見が寄せられています。
 そして、その次のその他ですけれども、働きながら受講できると思っていたが、転職を前提とした訓練であると知り、受講を断念したといった御意見が寄せられています。こちらは労働者の方が転職せずに今の企業で働きながら訓練を受講する場合、具体的には労働者の方が主体的に企業内でのキャリアアップに向けた能力開発に取り組むような場合。この場合は現在、訓練の受講を認めておりませんので、その点が制度活用の隘路になるといった御意見となっています。
 以上が現場のハローワークから多く寄せられている制度の問題点に関する利用者の声となります。
 私からは以上でございます。
○山口調査官 続きまして、海外の失業保険制度等におけるフリーランスへの対応について御説明いたします。前回の雇用保険部会におきまして、酒井先生からフリーランスの海外における取扱いについて御説明がございましたので、資料を御用意したものでございます。
 大まかに分けますと、労働者に対して失業保険が強制適用の国と任意適用の国というふうに分かれております。
 英仏独につきましては、労働者に対して強制適用、かつ原則、自営業者には適用がないとなっております。
 スウェーデン、デンマークといった北欧の国におきましては、労働者に対して任意適用になっており、自営業者にも適用がある形になっております。
 中でもドイツでは原則、自営業者への適用はございませんが、起業支援の一環として、雇用関係に基づいて一定期間失業保険に加入していた方が起業した場合、その後も任意で継続して加入することができる仕組みが設けられております。
 北欧の国々につきましては、労働者への適用自体は任意でございますが、労働組合の組織率が高いという影響もございまして、実際には、ある程度、加入が進んでおります。自営業者も加入することができますが、保険給付のうち、スウェーデンでは約8割、デンマークでは約3分の2が国庫負担によって賄われている状況でございます。
 最後に韓国でございますけれども、韓国は日本の雇用保険制度と類似の保険制度を有しておりますが、自営業者は任意で加入することができる仕組みを設けてございます。
 かつ※のところでございますが「特殊形態事業者」ということで、典型的にはUberのようなバイク便ですとか宅配運転手というもの、あと、一定の職種につきまして対象を定めまして、雇用保険を強制適用とする法律が昨年12月に成立し、本年7月から順次施行されている状況でございます。
 説明は以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問等がありましたら、挙手をいただければありがたいです。
 佐藤委員が手を挙げていらっしゃいます。
○佐藤委員 ありがとうございます。
 求職者支援制度でありますけれども、雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者でない方を対象とする制度でございまして、本来であれば財源全額を一般会計から繰り入れて実施すべき制度であることは繰り返し申し上げておりますが、そのように申し上げておきたいと思います。
 前回の雇用保険部会の資料でも、原則、暫定、時限として表で記載がありましたとおり、国庫負担割合は時限的に100分の5まで引き下げられておりますけれども、直ちに原則の2分の1に戻すべきであることを労働側から改めて申し上げておきたいと思います。
 その上で、労使が費用を負担している現状においては、本制度を通じて受講者が雇用保険に加入できるようにすることも重要ではないかと思いますし、制度利用者の声については所定労働時間などの属性ごとに整理することもよいのではないかと考えておりますので、意見として申し上げます。
 以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
 続きまして、杉崎委員、お願いいたします。
○杉崎委員 ありがとうございます。
 求職者支援制度に関しては、前回の部会において、この制度の重要性や、訓練者数を増やしていく必要性、また、就職率を高めていく必要性について申し上げました。さらには財源の在り方についても発言しましたが、財源負担については一般会計で負担すべきであるということを重ねて申し上げます。
 そして、本日の資料には訓練受講に至らなかったケースに関する声が紹介されていますが、訓練者数の増加や就職率の向上には対象者への幅広いかつ訓練の効果が分かりやすく伝わるような周知や、ハローワークにおけるきめ細やかな個別伴走型支援の強化が求められると思います。
 なお、給付金の支給額や世帯収入要件等の在り方に関しては、安易に緩和をするべきではなく、あくまでエビデンスに基づく議論が必要であると考えます。
 最後に、失業保険制度におけるフリーランスへの対応について、労働者性に係る共通認識に鑑みると、現時点で適用することは困難を伴うのではないかと考えます。
 以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
 ほかに御意見とか御質問とかはございますでしょうか。
 小畑委員、お願いいたします。
○小畑委員 フリーランスについてでございます。
 各国の状況を御説明いただきまして、それぞれの国にそれぞれのシステムがあって、それは経緯の中で決まってきていることが明らかであると存じます。そして、我が国の雇用保険制度についても行く立てがあって現在の形になっているということでございますので、その枠組みをゆがめることはできないわけでございますが、果たして、この枠組みの中でフリーランスに対する保護の可能性がどこかに見いだせるのかどうか、そういうことがあり得るのかということについて、もし可能でしたら、厚労省でその隅々まで見たときにそうした可能性はあるのかないのか。そうした点の御確認をお願いしたいと存じます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
○守島部会長 ありがとうございました。
 ほかに御意見とか御質問とかはございますでしょうか。大丈夫ですか。
 どうも、皆さん方、活発な御議論をありがとうございました。
 ほかに全体を通して何か御意見とか御質問とかはございますでしょうか。
 中窪委員、手を挙げていらっしゃいます。
○中窪委員 なかなか個別のところで申し上げにくかったのですけれども、今回、失業等給付の基本手当の部分と、二事業の雇用調整助成金と休業支援金も含めて拝見し、やはり雇用保険というものがトータルで重要な役割を果たしていることを改めて認識した次第です。
 特にコロナに関しては雇調金が非常に活用され、ある意味、緊急避難的であっても、そこに一部、一般財源を入れて雇用を支える形でサポートしたわけで、それによって実際、多くの企業や労働者が助かり、失業が回避されて本体である基本手当の受給が減るという形で、大きな意義を果たしていると思います。
 ですから、何か個別に、基本手当がどうだ、雇調金がどうだというふうにばらばら分けて考えることによって全体像が見えてこない気がします。本体の部分の保険料、暫定措置、それから、国庫負担が減らされているという実態をもう一度、全体を関係づけながら見た上で、では今後、雇調金を一体どうしていくのかということも議論すべきだなということを改めて感じました。すみません。あまりどうだということはないのですが、感想として申し述べさせていただきます。
○守島部会長 ありがとうございました。
 ほかにどなたか、全体を通して御意見とか御質問とかはございますでしょうか。大丈夫ですか。
 それでは、御意見、御質問等がこれでないようですので、これで終わりにさせていただければと思います。
 予定されている議題はこれで以上ですので、本日の部会はこれで終了させていただきたいと思います。
 皆様におかれましては、お忙しい中、御参加、活発な御議論をいただき大変ありがとうございました。これで終わりにさせていただきます。