第151回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会 議事録

日時

令和3年6月21日(月) 10:00~11:30
 

場所

 オンラインによる開催
 厚生労働省仮設第4会議室
 

議事

議事内容
○伏木雇用保険課長補佐 皆さん、おはようございます。
開催に先立ちまして、オンラインでの開催の御案内を差し上げます。
本日も、新型コロナウイルス感染症まん延防止の観点から、部会長以外の委員の皆様にはZoomを利用して御出席いただいております。部会進行中、委員の皆様のマイクはオフとさせていただいておりますけれども、事前に参加方法をお送りしておりますが、発言の際には挙手をいただいて、部会長から指名があればマイクをオンにしていただき、御発言をお願いします。
会議進行中に通信トラブル等で途切れてしまう等ありましたら、チャットないし御連絡しております電話番号まで御連絡をください。
通信遮断が大きい場合には、部会を一時休憩とする場合もございますので、御容赦いただけますと幸いです。
また、傍聴につきましても、本日も新型コロナウイルス感染症まん延防止の観点から、オンラインで行わせていただいております。傍聴の皆様におかれましても、併せて御理解いただきますようお願いいたします。
オンラインでの開催に関する説明は以上となります。
部会長、進行のほどお願いいたします。
○守島部会長 皆様方、おはようございます。ただいまより第151回「雇用保険部会」を開催いたします。
本日の委員の出欠状況でございますけれども、公益委員の酒井委員が御欠席です。
また、事務局は所用により志村審議官が遅れて御参加の見込みです。蒔苗総務課長が御欠席の予定でございます。
それでは、議事に入りたいと思います。最初に議題1「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(高年齢被保険者の特例)」についてでございます。こちらは本日付で厚生労働大臣から諮問を受けております。事務局から資料について御説明いただき、その後、委員の皆様から御議論をいただきたいと思います。
事務局、よろしくお願いいたします。
○伏木雇用保険課長補佐 雇用保険課課長補佐の伏木から御説明差し上げます。
高年齢被保険者の特例ということで、資料1-1と資料1-2の2種類あるかと思います。まず、資料1-2で御説明しますので、お開きいただけますでしょうか。
1枚目をお開きいただくと「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案 概要」となっているかと思います。
改正の趣旨ということで、雇用保険法等の一部を改正する法律は令和2年3月に成立した法律ですけれども、ここで高年齢被保険者の特例に関する規定が盛り込まれておりまして、来年の1月1日から施行されるということであります。
その内容は、複数の事業主に雇用される65歳以上の労働者について、本人からの申出に基づいて高年齢被保険者となることができるとするものであります。これに伴いまして、省令の規定整備を行うということであります。
省令の内容に入る前に、法改正に至る経緯を少しだけ御説明したいと思います。2枚ほどおめくりいただくと、令和元年の雇用保険部会報告の抜粋がついているかと思います。
これがその令和2年3月の改正の基となった、雇用保険部会でおまとめいただいた報告ですが、その中に「マルチジョブホルダーについて」とする章があります。「平成28年部会報告においては」云々とありますとおり、マルチジョブホルダーという複数のお仕事をされている方の取扱いが雇用保険の世界で継続的に検討課題となっておりました。
こちらは検討を進めていこうということで、2つ目の〇のとおり、検討会を開催して、平成30年の12月にまとめをいただいたということです。今日は御欠席ですが、酒井先生にも御参加いただいていた検討会であります。
検討会の報告書で次のような点が提言されました。まず、雇用保険の趣旨からすると、マルチジョブホルダーへの雇用保険の適用の必要性は直ちに高いとは評価できない。むしろ、そのうち雇用の安定化の必要性が高い方に対しては、求職者支援制度をはじめとする各種の施策を活用した支援が適当である。
また、実行可能性があるとすれば、本人からの申出を起点に合算方式で適用し、給付は一時金方式がよいかと思うが、逆選択やモラルハザードが懸念されるということで、一定の対象層を抽出し、試行的に制度導入を図ることが考えられる。その上で、適用による行動変化、複数事業所の労働時間を把握・通算する方法、労働時間管理という意味ですけれども、そちらの検討状況も踏まえつつ、改めて制度のあり方を検討することが考えられる。こういった検討会の報告書がまとまったということで、雇用保険部会のほうで御議論をいただいたということであります。
雇用保険部会でも広く適用すべきであるという意見の一方で、慎重に考えるべきという意見の双方をいただいておりました。
その次ですけれども、定年ないし継続雇用制度の期間を過ぎて就労が多様化する65歳以上の方については、近年マルチジョブホルダーとしての働き方が相対的に高い割合で増加している等々、多様な就労を目指している層ではないかと考えられるということで、まずは65歳以上の労働者を対象に、本人の申出を起点として2つの事業所の労働時間を合算して、週の所定労働時間が20時間以上であることとして適用する。こういった制度を施行するとして、施行後5年を目途として検証するべきとおまとめいただいています。
その際、具体的な制度設計について整理していただいたのが続きですけれども、原則として、その給付等のあり方も現行の高年齢被保険者に合わせるとしつつ、一定の調整を図る必要があるということです。
ポツの1つ目です。高年齢求職者給付はもともと一時金方式ですけれども、一事業所のみを離職する場合でも、その一事業所分だけの賃金に基づいて算出して給付をする。また、正当な理由がない自己都合離職の場合には、一定期間給付制限を行った上で給付。2つの事業所を同時に離職するときに離職理由が食い違って異なる場合があるということで、異なる場合には給付制限がかからないほうに一本化して給付をしましょうということです。
育児休業ないし介護休業ですけれども、こちらは両方の事業所で休業した場合に給付を支給することとしましょうということで、その他の給付は高年齢被保険者の扱いに合わせますということです。
次のポツになりますけれども、給付の中身についての設計ということですが、マル1で合算に当たって必要な基準を定めましょうということで、あまり短い時間の就業に対して適用するというのは、煩雑であるし、給付額も小さくなってしまうということで、週の所定労働時間は5時間以上と決めましょうということです。また、合算する事業所は2つとしましょうということです。
一事業所を離職したときに、可能性としては3つか4つ副業をなさっていたときに、ほかにも合算して所定労働時間が20時間以上となるような働き方をしていないか確認をしましょうということです。
マル2ですけれども、今の給付ですが、週20時間以上働くことを前提として設計していますが、片方だけを離職した場合に、週20時間を下回る分の賃金で算定することになります。そうしたときに、賃金日額の下限をそのまま適用するとやや過大になってしまうので、下限の適用を外すといった措置を講ずるべきであるとされています。
そういうことで、ここでおまとめいただいた内容は、令和2年3月の雇用保険法の改正の中で規定させていただいているところでありますけれども、本日はその上で具体的な手続の詳細につきまして、省令で規定をすることにしています。
資料1-1に参りまして、かいつまんで、今回の要綱の内容を御説明差し上げます。
まず、1ページを御覧いただけますでしょうか。第一の一からになります。まずは事務の管轄ということです。
雇用保険者の被保険者になる、ならないという手続については、基本的には事業主からやっていただいていますけれども、マルチジョブホルダーについては御本人に申出をいただくということで、一の2になりますが、御本人の住所または居所を管轄するハローワークを管轄のハローワークといたします。
次に二になります。高年齢被保険者となるための申出について詳細を定めるものです。
次に掲げる事項を記載した届書に、その内容を確認できる各種の書類を添えて、マイナンバーと併せて提出をいただくということであります。
2ページにまいりまして、次の届出事項については、今、被保険者になるときにお届けいただいている内容と基本的には変わりませんが、こういった内容を届けてくださいということです。
2ですが、例えば同居の親族の場合などだと実際の働き方を労働者と評価し得るかどうかを慎重に確認する必要があるという場合には、追加で書類をいただく場合もありますといった形で、これは今、定めているものと同じような内容をトレースしていますが、こういった規定を設けようとしております。
4になります。こちらは特殊な話になりますが、労働者御本人から手続をいただきますので、4では事業主がその申出を行うために必要な証明を求められたときは速やかに証明をしなければならないというふうに、事業主さんに証明をいただくことの義務をかけているというものであります。
5になります。公共職業安定所長は、書類を出してもらったけれども、被保険者となれる事実がないと認めるときは、御本人、両方の事業主、三者に通知をしなければならないということです。こちらは事実がないと認めるときについて書いていますが、後ろのほうで被保険者となれると確認できた場合についても同じように規定しております。要は、確認した内容は三者に伝えることにしますということです。
3ページの三になりますが、こちらは先ほども申し上げたとおり、1週間の所定労働時間の下限は5時間と定めます。
四は被保険者でなくなったことの申出になりますが、基本的にお届けいただく内容は一緒です。ただし、資格の喪失は申出された日ではなくて、事実があった日の翌日からになるので、一の2行目で、その日の翌日から起算して10日以内にお届けくださいとしております。
4ページになります。2はその資格を失うときですので、離職であれば離職前の賃金などを記載していただいた離職証明書等々をお出しいただきますということを定めております。
5ページになります。4ですけれども、こちらも資格を失うときということで、基本的には御本人に手続をいただくということなのですが、死亡その他やむを得ない理由、行方不明なども含めてということでありますが、そういった場合には御本人からというわけにはいきませんので、こういった場合に限っては事業主さんから手続をいただきたいと考えております。
5、6、7は先ほど御説明した内容と同等です。
五は確認の通知の特例ということで、被保険者となったこと、ないし被保険者でなくなったことを確認できたら、御本人、それぞれの事業主の三者に通知しなければならない。後で御説明しますと言っていた点です。三者に通知をするという内容になります。
六は転勤届です。こういったものについても、御本人から手続をいただくということで同様の規定を整備しようと考えております。
7ページに参ります。こちらも個人番号変更届で、マイナンバーが変わったときの手続です。こちらも御本人からお出しいただきますということで規定を整備しようとしております。
八です。こちらは休業開始時賃金証明書の特例ということですが、こちらは離職にも近いのですけれども、育児休業ないし介護休業で給付を受けようというときに、休業前の賃金を会社さんに証明をして出していただくというのが必要になります。こちらについても御本人からお出しいただきますということで、規定を整備するというものになります。
8ページの九です。ここまでは手続的なことでありますけれども、九、十は事業の中での取扱いということになります。特例高年齢被保険者に対する雇用安定事業等の特例ということで、雇用安定事業、雇用保険二事業として実施している各種の助成金などについて、例えば、被保険者として雇用をしたら、その分、一定の賃金の助成を行うとか、そういった助成金があるわけですけれども、基本的には安定した雇用として雇用いただいたことに対して支給をしているというところがございます。
このマルチジョブホルダーの働き方というのは、個々の企業で見ると、20時間に満たない働き方として雇用をなさっているというところもございまして、基本的には、この助成金とかの雇用安定事業の中では被保険者でないものと取り扱いたいと考えております。
ただし「別段の定めがある場合を除き」としてございまして、個別の事業の検討の中で必要が生ずれば、それぞれの規定の中で特例高年齢被保険者を入れるという判断もあり得べしということにはしています。
まず、今回については、基本的には被保険者でないものとみなしますということだけ規定しております。
次に十です。専門実践教育訓練に係る教育訓練給付金というものがございます。こちらは平たく言えばレベルの高い独占資格のようなものの訓練を受けて資格を取得していただいて、最大7割の実費に対する給付を行うというものですけれども、7割ということにつきまして、資格を取った場合には5割、その後、安定した職業に就いていただいた場合に追加で2割というふうに、5割と2割に分けてお出ししているということであります。
こちらは高年齢被保険者から特例高年齢被保険者を除く者とするとしておりますけれども、この除くというのは、安定した職業に就いたとされた2割の部分です。せっかく資格を取っていただいたので、できるだけ安定した職業に就いていただきたいということですが、まず、今回のマルチジョブホルダーについて、安定した仕事と評価し得るかどうか等はまだ検証が必要と考えておりますので、今回の試行に当たってはこの特例高年齢被保険者は2割の追加給付の対象からは除きたいということです。なお、5割のほうの助成は、資格を取った場合に受けていただけますので、そちらは対象になりますということは念のために申し添えます。
その他、所要の規定の整備を行いますということで、9ページには令和4年1月1日から施行しますということを記載してございます。
長くなりましたが、私からの説明は以上です。
○守島部会長 ありがとうございました。
ただいまの御説明につきまして、御質問、御意見等がございましたらお願いいたします。
千葉委員、お願いします。
○千葉委員 ありがとうございます。千葉でございます。
マルチジョブホルダーがシフト勤務をされている労働者であった場合について、1点お伺いさせていただきたいと思っております。
片方の事業主に解雇されたことによりまして労働契約が合算で20時間未満となった場合には、解雇に係る失業給付を支給することは可能だと認識してございますが、シフトが減少したことによって20時間未満となった場合には、失業には当たらないため、単純に被保険者でなくなるだけという点について確認させていただきたいと思っております。
契約上のシフト減というものは運用上あり得ることでございまして、合算して20時間を満たす高齢の労働者にとって、改めて雇用保険に加入することに対するインセンティブはどういうところにあるのかいう点についてお伺いしたいと思います。
よろしくお願いいたします。
○守島部会長 ありがとうございます。
事務局、お願いいたします。
○長良雇用保険課長 ただいまの御質問の件に関しましては、マルチジョブ以外の運用も含めて同様のケースが生じ得るわけでございますけれども、まず、シフト制と言われている契約内容はいろいろな類型がございますので、一概の判断が難しい部分もございますが、多くの場合、シフトによるという契約内容によりまして、月当たりの所定労働時間になるのだと思いますが、そこの変動が大きいというのが一つの特徴になってくるものかと思います。
この場合の雇用保険の運用に関しましては、シフトが減ったことによって週所定労働時間が20時間を割るケースが常態化しているというケースとして判断される場合には、実は離職と同じような扱いとすることは現行の運用でも行っておりますし、今般のマルチジョブの形で、片方は離職するなど、片方のシフトが減少するなどによって20時間を下回った場合に関しましても同様の取扱いとなるのかと考えているところでございます。
一方で、一時的な取扱いといいまして、シフトの減少、時間の減少が一時的なものという場合には、通常のシフトの増減の中に入ってくると評価されるケースもあり得ますので、そこで離職として扱えるかどうかというのは最終的には個別の判断ということになってまいりますけれども、ただいま申し上げたように、ある程度の常態的なシフトの減少が見られる場合には、給付の対象とすることは可能となってくるものと考えているところでございます。
○守島部会長 ありがとうございます。
よろしいですかね。
○千葉委員 承知しました。ありがとうございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
ほかにどなたか御意見等ございましたら。
深澤委員、どうぞ。
○深澤委員 ありがとうございます。
こちらの改正の省令案自体については承知いたしました。
意見として申し上げたいのは、今後、こちらの制度について具体的な実務要領が定められていくかと存じます。
この内容につきまして、手続として特徴となるのは、複数の事業主が関連するということ、対象者は非常に少ないと思われること、手続の起点は本人が申し出るといったことが特徴になってくるのではないかと考えております。
これらの手続を進めるに当たって、特例高年齢被保険者御本人の負担もですし、事業主に対しても過度な負荷とならないように、ぜひ効率的な実務運営を御検討いただけたらと考えています。
例えば、御本人に手続を開始していただくための周知、PRということが出てくるかと思いますけれども、その際に御本人が実施する内容であるということだけでなく、事業主の手続なども、御本人経由で事業主にも内容がつながるような周知をしていただくことが必要ではないかと思います。
通常、こうした手続につきましては御本人起点というのが少ないので、ハローワークだけではなく、どうしても対象者は雇用主、勤務先企業に聞いてくることが多いものだと思います。
そういったときに、この内容が非常に例外的といいますか、必ずしも多くの方が対象とならない制度だけに、事業主側は十分把握していないことも多くございます。そういったところも勘案の上で、手続の詳細について周知などを御検討いただけたらと思います。
また、届出につきまして、被保険者本人の居住地を管轄するハローワークということになっておりますけれども、場合によっては事業所を管轄とするハローワークでも手続可能といったことも、ぜひ御検討いただけたらと思いますので、意見として申し上げます。
よろしくお願いいたします。
○守島部会長 ありがとうございます。
平田委員、お願いいたします。
○平田委員 省令案の改正自体には、特に異論はございません。
ただし、今、深澤会員委から御指摘がありましたように、手続面での効率化を御検討いただけないかと思っておりますい。特にハローワークは全国的なネットワークでもあそのること利点を最大限に活用して、一定の要件をつける必要があるかもしれませんが、本人の居住地に加えて事業所を管轄するハローワークでも手続を可能とする、利便性を重視した運用をお願いしたいと考えておりますので、意見として申し上げておきたいと思います。
最後に1点質問です。要綱で言うと、第一の九と十の雇用安定事業の特例とか教育訓練給付金の特例のところです。「マルチジョブの20時間で雇用が安定しているかどうか」については、これから試行期間を踏まえて検討を図っていくということだろうと思います。そもそも論で恐縮ですが、20時間で安定した雇用というのはどういった理屈で定めているか、改めて教えていただければと思います。
以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございます。
○長良雇用保険課長 ただいまの御質問の件でございますけれども、20時間というのは雇用保険の適用要件であるということと、雇用保険の適用就職というものは、ある意味ハローワークをはじめとした、私ども職業安定行政の一つの目指すべき姿であるという位置づけの中で考えているものでございます。
雇用安定事業等の特例でもございますように、例えば雇入れ助成などのようなケースに関しましては、どういった場合の雇入れを政策的に対象とするべきかという観点で、それぞれの助成の正当性を判断するに当たりまして、雇用保険の適用要件たる20時間というものが一つの線引きとしてやられているという運用が広く定着していることを鑑みまして、今般、このような整理とさせていただければと考えているところでございます。
なお、先ほど平田委員がおっしゃられた、今後の検証の中で、こういった運用が定着していく、あるいはこういった働き方がどういう形で浸透していくかというところを見据えながら、この取扱いも含めて今後考えていくものではないかというところでございます。
○平田委員 ありがとうございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
ほかに御意見、御質問はございますでしょうか。
菱沼委員、お願いいたします。
○菱沼委員 ありがとうございます。
千葉委員、深澤委員、平田委員から意見が出ていたかと思うのですけれども、来年の1月1日から施行ということでございますので、残された期間が6か月ちょっとということでございます。今、働いている方は、もしかしたらこれから適用になるという方もいますし、企業側もそれなりの準備をしなければいけないということでございますので、深澤委員ですとか平田委員がおっしゃったように、もっと周知が必要と考えます。
また、制度を施行していくうちに、千葉委員がおっしゃったような課題も出てくるということもあると思います。その点は5年後の見直しということもありますので、深澤委員のお話もありましたけれども、対象者が少ないということでありますが、事例を多く集めながら、課題点を浮き彫りにして、よかった点はよかった点で進めていくという形で見ていきたいと思っておりますので、意見として申し上げます。
以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。
ほかにどなたか御意見、御質問等はございますでしょうか。
どなたもいらっしゃらないようなので、当部会といたしましては「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(高年齢被保険者の特例)」はおおむね妥当と認めることといたしたいと思います。また、その旨を職業安定分科会会長宛てに報告いたします。
それでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○守島部会長 ありがとうございます。
それでは、「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(高年齢被保険者の特例)」の報告文案を画面に表示いたしますので、御確認いただければと思います。
(報告文案表示)
○守島部会長 ただいま画面に表示されている報告文案によって、職業安定分科会への報告をいたしたいと思いますけれども、それでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○守島部会長 それでは、この報告文案で後ほど開催される職業安定分科会に報告いたしたいと思います。ありがとうございました。
次は議題2「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(育児休業給付におけるみなし被保険者期間の計算方法の特例)」、議題3「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(有期雇用労働者の育児休業給付・介護休業給付の支給要件の緩和)」でございます。いずれも本日付で厚生労働大臣から諮問を受けております。
事務局から資料について、まずは御説明いただき、その後、委員の皆様に御議論いただきたいと思います。
事務局、よろしくお願いいたします。
○伏木雇用保険課長補佐 引き続きまして、伏木から御説明します。
議題は2つです。育児休業給付ないし介護休業給付の関係ということで、続けて御説明差し上げます。
資料2-2を御覧いただけますでしょうか。みなし被保険者期間の計算方法の特例ということで、おめくりいただきますと、省令案の概要がございます。
改正の趣旨というところですが、昨年から今年の頭にかけて雇用保険部会でも御議論いただいておりましたが、育児・介護休業法と合わせまして、雇用保険法における給付面の対応を盛り込んだ一部改正法ですが、先立って今通常国会で成立をいたしました。令和3年の法律第58号ということになっております。
その中に、育児休業給付金のみなし被保険者期間の算定方法の見直しというのが入っております。公布の日から起算して3月を超えない範囲内で政令で定める日から施行ということで、こちらは6月9日に公布されていますので、3月以内ということで、9月の頭までにはということで、9月1日の施行を想定しています。これに伴いまして、施行規則の一部改正を行うということです。
若干おさらいにはなるのですが、新しいメンバーもいらっしゃるので改めて御説明します。
次のページを御覧いただきますと、法律の概要がついております。この中の一番下の6のマル2が今回の内容になります。施行日については、3月を超えない範囲内で、ということが書いてあります。
その次のページを御覧いただけますでしょうか。表と、下のほうに時系列にぴょこぴょこの線表がついております。こちらが法律で改正する内容の概略ですが、左と右の2つのケースを見比べたときに、片方は被保険者要件を満たすけれども、片方は満たさないということが生じるので、何とかできないかということで今回手当てをしたというものです。
具体的に申し上げますと、いずれも4月1日に就職をし、翌年の4月5日から産休が始まったというケースで、ただ、出産日が人によって異なりますということです。出産日が異なると、その後に産後休業が入った上で、育児休業が始まる日も異なることになります。それぞれ6月14日と6月26日となっているかと思います。
右上に現行制度としてありますが、育児休業給付の支給要件ということで、休業開始前の2年間で12か月以上の被保険者期間が必要です。この12か月以上というのは、1月に11日以上の賃金支払基礎日数(就労日数)が必要ということになっています。
この育休開始のところからぴょこぴょこがスタートしているわけですけれども、産休の期間は基本的には働いていらっしゃらないということなのでカウントできないものとすると、左側のケースですと、4月14日のところからカウントがスタートできる。1、2と始まって12か月カウントできるけれども、右側のケースだと、3月26日のところからカウントがスタートして、11と、最後は一月に満たないので※印がついていますが、2分の1か月となってしまいますということで、制度上、雇用保険は育児休業を給付の対象となる保険事故としていますので、育児休業開始日を起算点にするというのが基本的な取扱いでありますけれども、出産日がずれて、それに伴い育休の開始日がずれる。それによって満たすケースと満たさないケースが生じるということで、不合理ではないかということでありました。
これにつきまして、改正内容という左上の箱がありますけれども、この要件を満たさないケースであっても、産前休業開始日等の前2年間に12か月以上取れれば満たすものとする。
一番下に赤で書いていますが、就職の日(4/1)から産休開始日(4/5)を見れば、12か月を満たすことは自明でありますので、これであれば12か月取れますということで、対象とし得るということであります。
そうしたことで、その次のページに法律案をお諮りしたときの要綱がついています。
第四の一という内容について、法律で規定をさせていただいたということなのですが、線を引いてある前の行から御覧いただければと思います。12か月に満たない場合は、労働基準法第六十五条第一項の規定による休業を開始した日。これが産前休業を開始した日ということです。そこの括弧書きで、省令で定める理由によりその日によることが適当でないと認められる場合は、それに応じてその定める日。
(注6)としてお示ししていましたが、産休前に出産をした場合、それから、産休前からお医者さんにしばらく休みなさいと言われて休んでいたような場合には、休業を開始した日ということで、必ずしも産休開始日でない可能性があるということで、そういったところを省令で定めますということで、2月5日に雇用保険部会で御議論いただいて了承いただいているものになります。
そういったことでございまして、1ページ目の省令案概要にお戻りいただきますと、改正の概要として今、申し上げたようなことが書いております。
産休開始日でない日として、2の一番下に表がついていますが、この2つを定めようとしております。産前休業を開始する日前に当該子を出生した場合には、その子を出生した日の翌日ということです。
2つ目としては、産休を開始する日の前に、その休業に先行する母性保護のための休業をしたことについては、その母性保護のための休業を開始した日ということになります。
こちらを御了承いただければ、できるだけ早く公布を差し上げて、施行としては9月1日を予定しているということになります。
資料2-1が実際の要綱になりますけれども、今、申し上げた内容を、第一の(一)(二)として、それぞれ規定させていただいております。
こちらが議題2に関する御説明になります。
議題3につきまして、資料3-2を御覧いただけますでしょうか。こちらは最後のページで、同じく法律の概要の紙がついているかと思います。赤枠囲いで「5 有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和」というものが書いております。
育児・介護休業法については法律上規定されている内容なのでここに入っていますが、有期雇用労働者の方、もともと事業主に引き続き雇用された期間が1年以上、1年以上働いてから休業を取れますという規定がありましたが、これを廃止する。ただし、労使協定を締結した場合には云々ということで、無期雇用労働者と取扱いをそろえますということになります。
こちらの内容が、下に施行期日がありますが、令和4年4月から施行されるというものになります。
こちらは育児・介護休業法のほうで定めているわけですけれども、雇用保険の育児休業給付ないし介護休業給付の詳細の要件というのは省令で定めておりますので、1ページお戻りいただきまして省令案の概要になりますが、「1.改正の趣旨」「2.改正の概要」は、ここまでは育児休業法、育介法の改正の内容を書いておりまして、2の2つ目の○で、上記の改正を受けて、雇用保険法施行規則でも同様に、育児休業給付金ないし介護休業給付金の支給の対象となる休業について、期間を定めて雇用される者について、引き続き雇用された期間1年以上という要件を削除するという改正を行うというものであります。
資料3-1が要綱となっておりますが、こちらもシンプルに、第一のところに今、申し上げたような要件を削除するということを規定しております。
施行日は令和4年4月1日です。
議題2及び第3につきまして、説明は以上となります。
○守島部会長 ありがとうございました。
ただいまの御説明につきまして御質問、御意見等がございましたら承りたいと思います。よろしくお願いいたします。
佐藤委員、どうぞ。
○佐藤委員 ありがとうございます。
議題3について申し上げます。この間の議論を踏まえて、引き続き雇用された期間が1年以上とする要件を削除する省令案要綱については了承したいと考えております。
その上で、資料3-2にございますマル2です。労働契約が満了することが明らかでないことの要件が残ることについて御質問させていただきたいと思います。
有期雇用にも様々なケースがあると考えておりまして、例えば、有期事業に従事する場合には、契約の期限が区切られて、労働者本人も契約延長がないことは承知しておりますし、また、育児休業を取得して給付を受給することの代わりに、有期雇用で就労する場合もあるとは思っております。しかし、多くの場合、育児休業の取得要件に、労働契約が満了することが明らかでないことが残っていれば、当該労働者との契約をあえて更新しないということ、他の有期雇用労働者を新たに雇用して対処することにつながりかねないのではないかと考えております。
振り返りますと、制度がスタートした当初、育児休業の対象としていなかった有期雇用の方を、数次の改正を経て、一部の方を対象とし、要件を見直ししてきております。
このような両立支援の流れの中にありまして、マル2を残すことによる影響でありますとか、有期労働者の保護に対する強化が必要なのではないかと思われますけれども、この点について厚労省事務局のお考えを伺っておきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
○守島部会長 ありがとうございます。
よろしくお願いいたします。
○長良雇用保険課長 ただいまの御質問に関しましては、育児・介護休業制度本体の要件の問題かと存じ上げますけれども、平成28年だったかの改正によりまして今の要件になったということで、委員がおっしゃったように、有期雇用の方に関しての休業の扱いについても一歩ずつ広がってきているということでございまして、今般、その延長線の流れの中で育児・介護休業制度の見直しがされて、休業の、いわゆる前要件の見直しが行われたということでございます。
そういった意味で、育児・介護休業制度本体の議論の中でも、この部分の取扱いに関しましては継続的な検討がなされていくものかと思っておりまして、私どもの雇用保険の育児休業給付制度に当たりましても、育児・介護休業制度の枠組みの位置づけの中で、必要があったときには、今般もそうなのですけれども、そういった制度の見直しを行っていく考えでございます。いずれにいたしましても、育児・介護休業制度に関しましては、今後の検討の中でどういった位置づけがされるかということは、私どもも注視していきたいと思っております。
○守島部会長 ありがとうございます。
よろしいですかね。
○佐藤委員 御回答ありがとうございます。
今、申し上げました影響とか、有期の方に一定の要件を課されることに関連して、そもそも両立支援に雇用形態の違いが関係あるのかということは、雇用保険部会の場でも意見としては申し上げておきたいと思っております。
今、コメントありましたように、育児休業と介護休業の給付を労働保険特別会計、労働雇用保険の枠組みの中から支出してきておりますけれども、本部会においてもそうだと思いますが、育児休業と介護休業の給付を雇用保険会計以外から支出することについても速やかに議論をしていくべきなのではないかと思いましたので、意見として申し上げておきたいと思います。
以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
平田委員、どうぞ。
○平田委員 ありがとうございます。
議題2と議題3につきまして、いずれも適切な改正ということで、改正案自体に異論はありません。
その上で、議題2についてお願いです。あまりないケースへの対応なのかもしれませんが、給付実務において公平性を担保する適切な改正と理解しています。適切に取り扱われるよう、十分な周知を図っていくことが大事だと思っておりますので、よろしくお願いします。 以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございます。
ほかに御意見、御質問等がおありになる方はいらっしゃいますでしょうか。
菱沼委員、どうぞ。
○菱沼委員 ありがとうございます。
議題2と議題3の関連ということで、御意見を申し上げたいと思っています。
今回の改正育児・介護休業法の附帯決議では、雇用保険の国庫負担については、雇用政策に対する政府の責任を示すものであるという旨が明記されているところでございます。
新型コロナウイルス感染症によって雇用保険財政に大きな影響がある中で、財政運営の安定確保策についての検討は喫緊の課題であり、来年度以降も雇用保険制度の在り方については遠からず当部会において議論していくことになると認識しております。
国庫負担について様々な考え方があるようではありますが、附帯決議の趣旨をしっかりと踏まえた議論がなされるべきであると考えております。
以上意見として申し上げます。
○守島部会長 ありがとうございます。
ほかにどなたかございますでしょうか。大丈夫ですかね。
ありがとうございました。それでは、当部会といたしましては、まず「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(育児休業給付におけるみなし被保険者期間の計算方法の特例)」を妥当と認めることとし、その旨を職業安定分科会会長宛てに報告いたしたいと思います。それでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○守島部会長 ありがとうございました。
「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(育児休業給付におけるみなし被保険者期間の計算方法の特例)」の報告文案を画面に表示いたしますので、御覧いただければと思います。
(報告文案表示)
○守島部会長 ただいま画面に表示されている報告文案によって、職業安定分科会へ報告いたしたいと思いますけれども、それでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○守島部会長 ありがとうございます。
次に「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(有期雇用労働者の育児休業給付・介護休業給付の支給要件の緩和)」についても妥当と認めることとし、その旨を職業安定分科会会長宛てに報告いたします。
それでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○守島部会長 ありがとうございます。
「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(有期雇用労働者の育児休業給付・介護休業給付の支給要件の緩和)」の報告文案を画面に表示いたしますので、御確認いただければと思います。
(報告文案表示)
○守島部会長 ただいま、画面に表示されている報告文案によって職業安定分科会へ報告いたしたいと思いますけれども、それでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○守島部会長 ありがとうございます。
それでは、この報告文案で後ほど開催される職業安定分科会に報告いたしたいと思います。
続いて「議題4 新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱について」でございます。こちらは本日付で厚生労働大臣から諮問を受けております。
事務局から資料についてまず御説明いただき、その後、委員の皆様に御議論いただきたいと思います。
事務局、よろしくお願いいたします。
○伏木雇用保険課長補佐 御説明差し上げます。資料4-1と資料4-2を御準備ください。まず、資料4-2のほうで御説明差し上げます。
こちらは先日もお諮りしたばかりではありますけれども、新型コロナウイルス感染症の影響に対応するための雇用保険の臨時特例法で、休業支援金というものを支給しております。
その休業支援金の対象となる休業につきまして、もともと6月30日までとしていたところですが、7月31日まで、7月末まで延ばしますということで政府方針として発表しておりましたので、その内容をこの省令で手当てするということでございます。
おめくりいただきまして、表がついているかと思います。
念のため申し上げますが、左が雇用調整助成金等、右側が休業支援金等ということになっておりまして、5月以降、扱いを若干変えている。すなわち、原則的な措置というところについては、休業支援金の上限1万1000円というところを9,900円と1段階下げて、その上で、地域特例として緊急事態宣言ないしまん延防止重点措置の対象となるところについては、例外的に1万1000円という構造にしております。これを7月に延長しますということです。
なお、本日から沖縄では緊急事態宣言延長、その他、まん延防止重点措置という形で、継続という方針と併せまして、先週の木曜日に、こちらの構造については8月も継続をするということを政府方針としてお示ししているところです。
ただ、今回お諮りする省令については、あくまで7月末までのものについてお諮りするものとして、本日、諮問をさせていただいているということでございます。
次のページに休業支援金・給付金の実績をおつけしておりますので、また御参照いただければと思います。
資料4-1については、要綱の内容はかなりの長文をそのまま書いておりますが、第一の一としては、原則の取扱いは9,900円です。そこも7月31日までということです。
二は、まん延防止等重点措置ですけれども、こちらは二の最後のところで、日額上限1万1000円とする特例の対象となる休業の期間を7月31日まで延長しますということです。
三については緊急事態宣言の対象区域ということで、同じように1万1000円とする特例の対象となる休業期間を7月31日まで延長するということでございます。
こちらは御了承いただけましたら、できるだけ早く公布をして、6月ももう終わりますので、7月からはこれに基づいてやっていくということにしたいと思います。
私からの説明は以上です。
○守島部会長 ありがとうございました。
ただいまの御説明につきまして御質問、御意見等がございましたらお願いいたします。
平田委員、どうぞ。
○平田委員 ありがとうございます。
議題4でございますけれども、緊急事態宣言の延長を受けて、休業支援金・給付金を、6月の助成内容を7月にも適用する改正と理解しております。特に異論はなく、おおむね妥当と思っております。
しかし、その上で1点御提案です。御説明にもありましたとおり、8月まで延長という政府方針が決まっている中、先日メールでお知らせもいただきましたが、また来月同じような議論をするのは少し非効率なのではないかと思っている次第です。
緊急事態宣言をどう終えるのかなど、政府内での調整に諸事情があって、諮問、答申のタイミングの調整も難しい面があることは承知しております。
部会での議論を経ずに省令の改正を行う前例とすべきではないと考えておりますけれども、今回に限っては8月分も含めて一括して省令改正をしてもよいのではないかと考えておりますので、提案しておきたいと思っております。
以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
ただいまの平田委員の御意見に対して、ほかの方から御意見はございますでしょうか。
仁平委員、どうぞ御発言ください。
○仁平委員 ありがとうございます。平田委員の意見も聞かせていただきました。
事務局から説明がありましたが、本日は7月の措置についての諮問、答申のみということでございまして、平田委員と同じような感想を持つわけでありますが、毎月下旬にこの審議会を配置して、例えば7月からの措置を6月末に諮問、答申して決める、8月からの措置を7月末に諮問、答申するというのは機動性に欠けるのではないかという印象を私も持ちます。今後の審議会での取扱いやタイミングについては、ぜひ御検討いただきたいと思っております。
その上で、中身についての御意見も申し上げてよろしいでしょうか。
○守島部会長 どうぞ。御発言ください。
○仁平委員 新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進みつつあり、その進捗も注視する必要があると思いますが、いまだコロナ禍の収束が見通せない状況にあると言わざるを得ないと思います。そういう意味で、当面は現行の水準での支給を維持すべきだと考えております。
雇用保険財政について、これは毎回申し上げていることで、本日も申し上げたいと思っております。
まず、21年度の雇調金等の財源が枯渇することがないように、一般財源からのさらなる繰入れについて、これは政府内での御調整をお願いしたいと思っております。また、新たな雇用危機に今後見舞われた際にも機動的な雇用対策が講じられるように、今後、国庫負担率を本則の25%に戻すということは当然として、一般会計からの繰入れによって失業等給付に係る積立金を一定以上の水準に保つべきであると考えておりますので、意見として申し上げます。
以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。
続きまして、杉崎委員、お願いいたします。
○杉崎委員 ありがとうございます。商工会議所の杉崎でございます。
冒頭の平田委員からの御指摘の件に関しては、その趣旨について理解・同感いたします。
一方で、こういったことについては行政手続上いろいろな事情があるかと思いますし、瑕疵があってはいけませんので、例えば、書面での審議によって柔軟性、機動性を発揮するなど、その時々の事情に応じて適切な形で審議をしっかりと行っていく、ということが大事だと思います。
次に、議題について発言させていただきます。休業支援金についてです。
感染拡大防止を目的とする経済活動の制限は、昨日をもって一段階緩和されましたが、数次にわたる緊急事態宣言の発出、延長や各地へのまん延防止等重点措置によって、宿泊業、飲食業を中心に大変厳しい状況の企業が多くなっております。
先が見通せない経済情勢が続いており、こうした業種の企業が以前の業況水準に回復するのには相当の期間が必要だと思っております。
こうした中で、「休業支援金」の対象となる休業の期間、及び「地域特例」の期限を6月末から7月末まで延長すること自体に異論はございません。
先日、雇用調整助成金を含めた特例措置が8月末まで延長される方針が公表されましたが、コロナ禍が長期化しており、財源である雇用保険二事業会計の枯渇化は必至な状況でございます。コロナ禍では国家の非常事態ですので、一連の措置の財源は、本来、事業主のみが負担している雇用保険二事業ではなく、一般会計による国費で負担すべきです。
一般会計から資金を投入することで、雇用保険二事業会計を含めた雇用保険財政の安定化を確保すべきです。また、再三にわたる主張でございますが、雇用保険料率全般について、弾力条項以外の要因で将来にわたり引き上げることがないよう強く要望いたします。
以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
ほかにどなたか御意見等ございますでしょうか。よろしいですかね。
それでは、事務局から御発言をお願いいたします。
○長良雇用保険課長 平田委員からの御提案、御意見でございますが、まず、今回諮問させていただきました7月の取扱いにつきましては、この案で進めないと実務的に間に合わないという事情がございますので、今回はこの7月分の措置内容につきまして御答申をいただければと存じます。
その上で、先ほどお話がありました8月分の措置内容の取扱いにつきましては、審議会の効率的な運営の観点、あるいは委員の皆様方の御負担を踏まえながら部会長とも御相談していきたいと思っているところでございます。こちらが平田委員の御意見に関するコメントでございます。
もう1点、複数の委員から財政運営の観点の御意見がございました。これはこれまでも数次にわたって御意見をいただいているところでございますけれども、いわゆる保険料、国庫負担に関しましては暫定的な期限というのがございまして、それが令和4年3月31日までとなっているところでございます。
したがいまして、保険料なり国庫負担の在り方に関しましては、今後またこの部会でも御議論をお願いしたいと考えているところでございます。
以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
ほかに御意見とか御質問はございますでしょうか。よろしいですかね。
それでは、当部会といたしましては、まず、平田委員からいただいた御意見に関しましては、追って事務局と調整することといたしたいと思います。
その上で「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱について」でございますけれども、これについてはおおむね妥当と認めることとし、その旨を職業安定分科会会長宛てに報告いたしたいと思います。
それでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○守島部会長 ありがとうございます。
「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱について」の報告文案を画面に提示いたしますので、御確認いただければと思います。
(報告文案表示)
○守島部会長 ただいま、画面に表示されている報告文案によって職業安定分科会への報告をいたしたいと思いますけれども、それでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○守島部会長 ありがとうございます。
それでは、この報告文案で後ほど開催される職業安定分科会に報告いたしたいと思います。ありがとうございました。
続きまして、議題5「その他」でございます。事務局から資料について御説明いただき、その後、委員の皆様に御議論をいただきたいと思います。
事務局、御説明をお願いいたします。
○伏木雇用保険課長補佐 その他ということで、1件御報告を差し上げたく、御説明します。
資料5でございます。この部会の中でもしばらく途絶えておりましたが、少し前まで御報告をしておったところですけれども、2年半ほど前ですが、平成31年1月、毎月勤労統計において不適切な処理が行われていたことが判明したということで、雇用保険の給付額に影響が生じ、追加給付を実施しております。
31年2月に工程表を作成、公表して、これに沿って処理を進めているところであり、その状況の御報告でございます。
まず、平成31年3月時点で基本手当等を受給中であった方、現受給者と言っておりましたが、その支給は4月から6月に終了しました。ハローワークに手続でお越しになっていますので、その時に御説明して対応し、終了しているということでございます。
それ以外の過去に受給していた方、平成16年以降とかなり過去に遡りますが、過去受給者については、令和元年8月以降にお知らせを送付して、同年11月以降、支給を順次実施しているところでございます。
その下に線表としてお出ししておりますが、2番目はこれまでの実績ということで、過去受給者分の状況を御説明いたします。
お知らせとして約1,780万件送付をしております。2回に分けてお送りしているわけですけれども、1回目はどんと対象となる方にお送りしつつ、2回目は追給額の精査が必要な方やお亡くなりになっている方については遺族にお知らせできるようにということで80万件お送りしています。併せまして、返信のない方にも再送しております。
対象者へのお知らせの送付についてはおおむね完了しているということで、現在も順次返信をいただいているところでありまして、現状において、4月末時点ということで1,090万件返信をいただいています。こちらを順次処理をしておりまして、支給件数980万件、支給額としては193億円ほどということになっております。
今後の取組といたしましては、追給額の精査が必要な方などはお知らせの送付も進めつつ、御返信がありましたら引き続き支給処理は粛々と進めてまいりたいと考えております。
また、遺族の情報を特定できないとか、住所情報を特定できないような方とか、なかなかアプローチが難しい方がいらっしゃいまして、ホームページ上に、御本人の方から住所情報等登録フォームということで御登録いただけるような形にしておりますので、その周知を行いまして、対象者であることが確認できた方には順次お支払いをしていくということで進めてまいりたいと考えております。
私からの御報告は以上となります。
○守島部会長 ありがとうございました。
ただいまの御説明につきまして御質問、御意見等がございましたらお願いいたしたいと思います。
三島委員、どうぞ。
○三島委員 御説明ありがとうございます。
1点質問させていただきたいと思います。追加給付の各種手続にかかる費用についてですが、費用については雇用保険財源から支出されておりますけれども、当時必要額を精査し、既定の事務費等を節減して財源を捻出されるという説明を受けた覚えがありますけれども、これまで全体でどの程度の費用となっているのか教えていただけませんでしょうか。
○守島部会長 ありがとうございます。
どうぞ。
○長良雇用保険課長 追加給付に関しましては、郵送など事務費がかかっております。平成31年にこの問題が発覚いたしまして、その当時、約177億円と見積もったところでございます。
これまでの支出に関しましては、先ほど申し上げましたように郵送などに関しましておおむね完了しているところでございますが、これまでおおむね見積りどおり、ほぼ95%を超える支出の実績を得ているという状況でございます。
○守島部会長 ありがとうございます。よろしいですかね。
○三島委員 ありがとうございます。
○守島部会長 ほかに御意見とか御質問がございましたら、どうぞ挙手をお願いいたします。
大丈夫のようですね。
ありがとうございました。これ以上何もないようでしたら、予定されている議題がこれで全て終わりましたので、本日の部会を閉じさせていただければと思います。
委員の皆様におかれましては、お忙しい中御参加いただき、どうもありがとうございました。これで終了といたします。