照会先
労働基準局労災管理課
- 課長
- 山田 敏充
労災保険財政数理室
- 室長
- 外山 惠美子
- 室長補佐
- 井上 明子
(代表電話)03(5253)1111(内線5453)
(直通電話)03(3502)6749
報道関係者 各位
労災保険の「水力発電施設、ずい道等新設事業」に係る労務費率及び労災保険率について
- 1事案の概要
- 今般、平成30年4月の労務費率(注)及び労災保険率の見直しにあたって労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会(以下「部会」という。)に提出した資料に誤りがあり、これを前提として設定した「水力発電施設、ずい道等新設事業」に係る労務費率及び労災保険率に影響が生じることが判明しました。
- (注)労務費率は、請負金額に占める賃金総額の割合。労災保険料の額は通常、賃金総額に労災保険率を掛けて計算しますが、請負による建設事業の場合、元請負人が下請事業で使用する全ての労働者も含めて、労働保険料の納付等の義務を負うとしているところ、元請が下請として使用する労働者分も含めて、全ての賃金総額を正確に把握することが困難である場合があるため、請負金額に一定の率(労務費率)を乗じて得た額を賃金総額とみなして保険料を算出することが認められています。
- 訂正後の資料に基づいた場合、平成30年4月改定の労務費率のうち「水力発電施設、ずい道等新設事業」に係る労務費率は、現行の「19%」ではなく「18%」、また、同時期に改定した同事業に係る労災保険率についても、この労務費率改定の影響を考慮して算定していることから、現行の「1,000分の62」ではなく「1,000分の64」であったと考えられます。
- 本日開催した部会において、本事案の報告を行い、訂正後の資料を踏まえて算定される「労務費率18%、労災保険率1,000分の64」により再計算した保険料額が、現行の「労務費率19%、労災保険率1,000分の62」による保険料額を下回る場合はその差額分を還付し、上回る場合は追加納付は求めないという対応方針案を諮り、了承されました。
これを踏まえ、必要となる省令改正等について、おって部会にお諮りしたうえで、できる限り速やかに還付処理を進めてまいります。 - なお、この方針により対応を行った場合の影響を概算すると、労務費率により保険料を算定している約350事業場について、1事業場平均120万円程度の還付処理(総額約4.2億円)が必要となる見込みです。また、実支払賃金によって保険料を算定している約170事業場について、労災保険率の引上げのみが影響することになり、1事業場平均約180万円程度の保険料の引上げとなりますが、その差額については、追加納付は求めません(総額約3.0億円)。
- また、今回の対応は、平成30年4月から適用されている「水力発電施設、ずい道等新設事業」に係る労務費率等に問題があったことによるものであり、平成30年4月以降に「水力発電施設、ずい道等新設事業」を開始した事業に限定した対応になります。一方、令和3年度以降の労務費率は「19%」、労災保険率は「1,000分の62」のままで変更はありません。
- 今般、平成30年4月の労務費率(注)及び労災保険率の見直しにあたって労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会(以下「部会」という。)に提出した資料に誤りがあり、これを前提として設定した「水力発電施設、ずい道等新設事業」に係る労務費率及び労災保険率に影響が生じることが判明しました。
- 2資料誤りの原因等について
労務費率の見直しに当たっては、建設事業における賃金実態を把握することが必要であることから、調査を実施し、その結果を参考に改定案を作成しています。
今般、当該調査の集計プログラムに一部不適切な箇所があったこと等により、平成29年、平成26年及び平成23年の調査結果に誤りが生じており、このうち、平成29年の部会に提示した資料の中で、平成30年4月改定の労務費率及び労災保険率に影響のある誤りがあることが判明しました。
今後の調査の実施に当たっては、事後的に解析しやすいプログラムを引き継いで使っていくこととし、集計処理に係るチェックポイントを設け、それに沿って対応することを徹底することにより、再発防止に努めてまいります。 - 3今後の対応
還付が必要となる事業場(平成30年4月以降に「水力発電施設、ずい道等新設事業」を開始した約350事業場)については、準備ができ次第、順次還付処理を行います。御不明な点は、労働保険適用・徴収 労災保険相談ダイヤル(0570-006031)にお問い合わせください。- ※受付時間は月~金 8:30~17:15 (土・日・祝日、年末年始は休み)