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- 第147回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会 議事録
第147回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会 議事録
日時
令和3年2月5日(金) 13:00~13:50
場所
厚生労働省 省議室及びオンライン
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館9階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館9階)
議事
- 議事内容
- ○長良雇用保険課長 事務局です。開催に先立ち、オンラインの御案内です。本日は、新型コロナウイルス感染症蔓延防止の観点から、部会長以外の委員の皆様には、Zoomを利用して御出席いただいております。部会の進行中は、委員の皆様のマイクをオフとさせていただきますが、事前に送付しておりますZoomの参加方法に従い、発言をされる際には挙手をしていただき、部会長の許可があった後にマイクをオンにしていただき、御発言いただきますようお願いいたします。会議進行中、通信トラブルで接続が途切れてしまった場合や、音声が聞こえなくなったなど、トラブルがありましたら、チャット又は御案内しております電話番号まで御連絡ください。通信遮断等が生じた場合には部会を一時休憩とさせていただくこともありますので、御容赦くださいますようお願いします。
なお、本日も新型コロナウイルス感染症の蔓延防止の観点から、1会場の人数を抑えるために、傍聴は別会場においてオンラインで行わせていただきます。傍聴の皆様におかれましては、御理解いただきますよう重ねてお願いいたします。オンラインに係る説明については、以上となります。それでは部会長、お願いします。
○阿部部会長 皆様、こんにちは。お忙しい中御参集いただきまして、ありがとうございます。それでは、ただいまから、第147回雇用保険部会を開催します。本日の委員の出欠状況ですが、労働者代表の小林委員が御欠席となっています。また、所用により田中職業安定局長が途中で見えられるかもしれないということと、志村大臣官房審議官は御欠席と伺っております。
それでは、議事に入りたいと思います。本日は、議題が2つ用意されております。議題1ですが、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案要綱について」です。前回の当部会において、報告書をまとめたところですが、それを踏まえ、厚生労働大臣から労働政策審議会長宛てに、1月27日付けで諮問を受けております。まずは、事務局から資料について御説明いただき、その後、委員の皆様に御議論いただききたいと思います。では事務局、お願いします。
○長良雇用保険課長 雇用保険課長です。よろしくお願いします。資料1、育児休業関連の法律案要綱です。参考資料として、先日おまとめいただいた雇用保険部会報告を付けております。適宜こちらを御参照いただきながら御説明をさせていただければと思います。
資料1、1枚目が大臣からの諮問文です。その次からが法律案要綱ですが、この法律案、育児休業法と雇用保険法の一部を改正する法律案ということで、この2本は束ねて1本という形式で考えております。
改正契機は、雇用保険部会でも御報告させていただきましたとおり、男性の育児休業取得促進などに関連いたしまして、育児休業制度に関して法的整備を求める形での御報告が取りまとめられて法律案を作成しているものです。したがって、雇用保険の育児休業給付については、育児休業制度の見直しと関連するものとして法律案を束ねているところです。
関連する部分の御説明ということで、10ページの雇用保険法の一部改正です。一番の育児休業給付金の支給に係るみなし被保険者期間の計算方法の改正ですが、こちらは先日の雇用保険部会報告の4ページの(4)です。雇用保険部会報告を御覧いただきますと、育児休業給付に関しては、雇用保険制度の一環として行っております保険給付ですので、その支給の前提となる被保険者期間、あるいは休業前賃金の算定が必要になってまいります。その計算に当たり、育児休業を開始した日、これを保険事故という形で捉え、この日を失業給付でいう離職した日と同じようなものとみなし、被保険者期間などを算定しておりますが、育児休業給付に関して、この計算方法で計算いたしますと、先日御説明をいたしましたとおり、産前産後休業期間を挟むことから、同じタイミングで就職をされて、同じタイミングで産前休業を取られた方であっても、出産日の違い、具体的には遅れる場合になりますが、産前産後休業期間が長くなると、被保険者要件を満たさないケースが出てまいります。その場合に、出算日のタイミングによって被保険者期間要件を満たさないケースに限り、例外的に産前休業の開始日等を起算点とするという内容で、こちらが10ページの一番です。
続いて、11ページ、第五、雇用保険法の一部改正とあります。第四と第五で分けておりますが、これは具体的には施行の関係でして、後ほど施行日が要綱でも出てまいりますが、第四に関しては、第五の関連部分と施行期日が違い早くなるという関係でこのような法立てで整理をしております。
第五については、一番、育児休業給付金の改正ですが、1です。ここに書かれている部分は、雇用保険部会報告で申し上げますと、3ページの(2)の分です。育児休業の分割取得です。育児・介護休業法の改正により、育児休業を分割して2回取得することができるようになることに対応して、育児休業給付についても支給することができる形にするというものです。
要綱の具体的な内容に戻りますと、11ページの1の部分、被保険者が同一の子について、三回以上の育児休業をした場合の三回目以後の育児休業は支給しないということで、裏を返すと二回まで給付金は支給できるという趣旨です。
なお、後ろから4行目の厚生労働省令で定める場合、注7で記載しておりますが、注7、一番後ろの行、一歳以降の育児休業の延長が必要で、延長期間中に夫婦で交代して育児休業を取得する場合、第二子の産前休業に入ったが、当該第二子が死産となった場合等とする予定ということで、こちらは育児休業制度においても、先ほど申し上げました3ページの一番下の段落ですが、一歳から一歳半、一歳半から二歳の各期間の途中で夫婦交代できるようになるということに対応し、3回目以降の育児休業が生じるところです。そうした中身は、具体的な省令で規定をされることで、こうした中身を省令で書いているところです。
要綱の12ページに入りますが、2番です。被保険者が同一の子について二回以上の育児休業をした場合は、初回の育児休業の開始した日を基準として、みなし被保険者期間及び休業開始時賃金日額を計算するということです。これは雇用保険部会報告で言いますと、3ページの(2)育児休業の分割取得等の3行目以降、また、事務負担を軽減する観点から、複数回育児休業を取得した場合、被保険者期間要件の判定や休業前賃金の算定については、初回の育児休業の際に行うということに対応した部分です。
要綱12ページの3です。育児休業をした被保険者が既に同一の子について出生時育児休業、これは後ほど出てくる新しい制度ですが、をしていた場合における育児休業給付金の額は、当該被保険者が初回の育児休業を開始した日から起算し育児休業給付金の支給に係る休業日数及び出生時育児休業給付金の支給に係る休業日数が通算して百八十日に達する日までの間に限り、休業開始時賃金日額に支給日数を乗じて得た額の百分の六十七に相当するということです。こちらに関しては、雇用保険部会報告の3ページの(1)のポツが3つある部分があろうかと思います。真ん中辺りの3つ目のポツで、その2行目、67%の給付率が適用される期間、これは六箇月間ですが、この取扱いについては新給付金、こちらは出生時育児休業給付のことですが、と育児休業給付金の期間を通算するという内容となっております。こちらがこの部分に相当するものになります。
要綱の二番、出生時育児休業給付金の創設です。育児休業給付に出生時育児休業給付金を追加するという改正です。育児休業給付の中が2つのカテゴリになり、通常の育児休業給付を育児休業給付金と法律上呼び、それとは別に、新たに出生時育児休業給付金というカテゴリを設けるという内容となってまいります。
内容については2番以下となってまいりますが、被保険者が出生時育児休業をした場合において、当該出生時育児休業を開始した日前二年間に、みなし被保険者期間が通算して十二箇月以上であったときに、休業開始時賃金日額に、当該出生時育児休業をした期間の日数を乗じて得た額の百分の六十七に相当する額の出生時育児休業給付金を支給するということです。
支給要件を改めて法律に書いているところでして、みなし被保険者期間が通算して十二箇月以上、これは現行の育児休業給付と同様です。それから、出生時育児休業給付に関しては、育児休業制度における新たな出生時育児休業に対応する部分ですので、産休開始後八週間ということで、通常の育児休業給付より先に取ることになろうかと思います。そういう形で出生時育児休業給付の制度設計をやっていくということで想定しているものです。
厚生労働省令で定める要件の注8の部分に、出生時育児休業給付金の対象となる休業の要件が定められております。具体的にはこれは就労の取扱いです。就労の取扱いについては、四週間の出生時育児休業を取得した場合、休業期間中の就労日数が十日以下、十日を超える場合にあっては八十時間以下であることとする予定となっているわけです。こちらは、雇用保険部会報告でいうと3ページの真ん中辺りの2つ目のポツです。こちらに休業中の就労の取扱いを記載しているところです。
要綱13ページの3番です。出生時育児休業をした被保険者にその事業主から当該出生時育児休業の期間に賃金が支払われた場合において、当該賃金の額と支給額との合計額が休業開始時賃金日額に当該出生時育児休業をした期間の日数を乗じて得た額の百分の八十に相当する額を超えるときは、当該超える額を支給額から減じて得た額を支給するという内容です。こちらは雇用保険部会報告の3ページの先ほど申し上げた2つ目のポツの部分ですが、3行目、賃金と給付の合計額が休業前賃金の80%を超える場合には、当該超える部分について給付を減額する仕組みとするということです。こちらは、現行の育児休業給付と同じような仕組みを出生時育児休業給付に設けるということです。
4番ですが、被保険者が次のいずれかに該当する出生時育児休業をしたときは、給付金を支給しないという扱いで、14ページに同一の子について三回以上の出生時育児休業をした場合の三回目以後の出生時育児休業、これは裏から書いてありますが、二回までは分割して取れるという仕組みです。それから、同一の子についてした出生時育児休業の日数が合計二十八日に達した日後の出生時育児休業、こちらは出生時育児休業の期間が二十八日までということを規定するものです。
改正内容は以上ですが、第六の施行期日です。関連する部分は、第四、第五となってまいります。第四は先ほど申し上げた最初の部分でして、みなし被保険者期間の算定方法の見直しの関連部分ですが、こちらは施行が早期に可能だということで、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日とさせていただければと思います。
3番の第五の部分です。こちらは今申し上げた中で申し上げると、出生時育児休業給付の仕組みを作ることと、育児休業の分割取得分に対応する部分です。こちらは公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日とさせていただければと存じます。
雇用保険の制度見直しに関連する部分は以上です。よろしくお願いいたします。
○阿部部会長 ありがとうございました。本件につきまして御質問、御意見がありましたらお願いしたいと思いますが、「手を挙げる」ボタンを押していただければと思います。それでは、佐藤委員、仁平委員の順でお願いいたします。
○佐藤委員 部会長、ありがとうございます。労働者側の佐藤です。資料1の12ページからの出生時育児休業給付金の創設について確認させていただきます。13ページの3には、育児休業中に就労した場合に、事業主から支払われる賃金と育児休業給付金の合計額によっては、育児休業給付を減額させる調整を行う旨の記載がございます。質問になりますが、育児休業期間中に請負契約の下で就業した場合には、支払われるのは賃金でなく報酬となるため、記載されている調整の対象とはならず、賃金日額の百分の八十に相当する額を超えて、報酬と育児休業給付も受けることができてしまうという理解でよろしいのでしょうか。
また、休業期間中であることから、事業主には社会保険料の免除が変わらず適用されることになるのか、事務局に確認をさせていただきたいと思います。
併せて、その前の注8に記載がありまして、先ほど事務局から新たにという御説明はありましたが、出生児育児休業給付金の対象となる休業の要件に関連して、請負である場合、こちらにあります十日以内若しくは八十時間以内の要件について、どう関係するのかについてもお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○阿部部会長 それでは、御質問ですので、事務局お願いいたします。
○長良雇用保険課長 御質問のうち、社会保険料免除の部分の取扱いは存じ上げておりませんので、育児休業給付に係る部分の御回答をさせていただければと思います。
まず、御質問の1番目で、賃金額との調整の部分の御質問でした。こちらの制度の趣旨は、いわゆる出生時に係る育児休業をした場合の給付ですので、保険事故となりますのは賃金の喪失となってまいります。賃金の喪失を、ある意味で補償するというような枠組みになってまいります。したがいまして、休業前賃金を算定して給付率を掛けて支給するという枠組みです。その場合に、要は賃金が休業前賃金と比較してゼロになる場合であれば満額出ますけれども、賃金が一部支払われているというようなケースに関して、賃金額に関しましては給付の額と合算をいたしまして、百分の八十を超える場合は、就労前賃金額と比較をするわけです。したがいまして、法律上の整理として、その比較対象というのは給付プラス賃金ということで、御指摘の、いわゆる請負契約の部分に関しましては、法律上は含まれないと整理をしています。
○阿部部会長 ちょっといいですか、皆さん聞こえづらいですか。
○仁平委員 はい、音声が途切れ途切れです。大事な御回答だと思うのですが、少し意味が受け取りにくかったです。もう1回ゆっくりと話していただけると有り難いです。すみません。
○阿部部会長 分かりました。もう一度お願いします。
○長良雇用保険課長 すみません。それでは端的に申し上げます。1点目の御質問の請負契約に基づく報酬については、要綱13ページの賃金には含まれないという解釈です。賃金の喪失が育児休業給付の保険事故となりますので、休業前の賃金と給付額を比べるわけですが、その中で一部、休業前賃金と比較して減った場合になろうかと思いますが、減った場合であっても賃金は一部支払われているということで、休業前賃金と丈比べをするのは、給付プラス賃金というような整理で運用をしているところです。
もう1点は、要綱では注8の、いわゆる十日・八十時間の取扱いということですが、こちらに関しましては、省令ですので、こちらにしっかりと出てくるわけではありませんが、休業として取り扱う要件になってくる部分です。したがいまして、休業しているかということを判定するわけです。この十日・八十時間の要件は、働いている先の事業主に関わらずカウントしていくということになりますので、その範囲を超える場合は、育児休業給付金は給付をされないというような整理になってきますので、いわゆる報酬を受領している場合、請負契約などでも、働いているケースで十日・八十時間以内というところにはカウントはされるということで整理をしています。
○阿部部会長 佐藤委員、よろしいですか。
○佐藤委員 御回答ありがとうございました。前半のほうの内容については、事務局の御答弁は、雇用を想定しており、請負は想定していないということで理解をいたしました。想定していないということと、実際にそういうことが起こり得るということは別の話だと思っておりまして、育児休業中に請負契約による就業を助長してしまうようなことがあっては、育児・介護休業法の趣旨に反してしまうのではないかということを、労働者側としては申し述べておきたいと思います。以上です。
○阿部部会長 ありがとうございました。それでは、仁平委員お願いいたします。
○仁平委員 ありがとうございます。聞こえますでしょうか。
○阿部部会長 聞こえます。
○仁平委員 今の御回答も途切れ途切れで私も十分に聞き取れてない部分がありますが、雇用契約の場合に給付を調整して、請負契約の場合は調整しないというのは問題であると思っております。出生時の育児休業給付についても、育児をするために労働者が休業した際に給付で支えるためのものだと思うので、請負の仕事をしていて育児をしないということが青天井で行われる懸念があるのではないでしょうか。したがって、佐藤委員の指摘のとおり、やはり育児休業中の請負契約による就業を助長しかねない制度だと思っており、要綱13ページの賃金の記載については、「賃金・報酬」、あるいは「賃金等」と修正しない限り、公平性は保てないのではないでしょうか。労働者側として私も同様の意見を述べておきたいと思います。
それと、もう1点は全く異なる趣旨ですが、参考資料の雇用保険部会報告にも記載いただいている内容について改めて申し上げます。労働者側としては、育児休業期間中の経済的な支援の全てについて、一般会計で実施されるのが本来の姿であると考えております。今後、時機を見て、そのための検討が必要であると考えていることについても、前回と同様、申し上げます。以上です。
○阿部部会長 御意見をいただきましたが、事務局、何かあればお願いいたします。
○長良雇用保険課長 若干繰り返しになりますが、頂いた御意見への事務局としての回答ではありますが、十日・八十時間に関しましては、育児休業、つまり休業の要件です。休業がどういうものかということを定義する際に、働いている日数なり時間の部分に関してカウントをしていくと。つまりきちんと休業を取っているかという所に関しては請負に基づく働き方に関しても含まれるという解釈です。一方で、御指摘のあった給付額の調整ですが、こちらは休業前賃金が喪失をした場合の67%を基本ルールとして運用していますので、給付額に賃金の一部が加わった場合というような形で、給付と賃金を足し合わせて8割を超えた場合には、給付額を調整するという形での整理となっておりますので、こちらは休業かどうかという要件と、給付額の計算に関しては、少し別の話として現状の育児休業給付制度では整理をしているところですので、その点を申し上げさせていただければと思います。
○阿部部会長 仁平委員、何かありますか。
○仁平委員 聞こえにくかったものですから、また改めて質問させていただきますので、この場ではもう結構です。
○阿部部会長 分かりました。皆さんも聞こえづらいでしょうか。途切れ途切れになる。では、一旦ここで休憩を挟ませていただきまして、接続を一度し直させていただきますので、しばらくお待ちください。
(休憩)
○阿部部会長 再開いたします。平田委員、お願いいたします。
○平田委員 御説明いただいた法律案要綱に関しては、これでよろしいのかなと思っております。その上で、2点意見を申し上げます。
1つ目です。雇用保険部会報告でも記載されているとおりですが、今回の改正を行っても、現在の保険料率で令和6年度までは安定的な運営は可能と書いてありますが、制度改正の影響とか、受給者の動向、今後の推移をきめ細かにフォローしていただきたいと思っております。
2つ目です。これは仁平委員の御指摘と重なるところがありますが、景気にかかわらず、一貫して増加している少子化対策の性格が強い育児休業給付を、雇用のセーフティネットである雇用保険制度の傘下で運営していくことは必ずしも適切ではないのではないかと書いております。これも繰り返しですが、報告書にあるとおり、令和6年度までを目途に少子化対策という目的に合致した、国全体で支える仕組みを検討して実施していくべきだと考えています。よろしくお願い申し上げます。
○阿部部会長 ありがとうございます。御意見として承りたいと思います。そのほかに御発言のある方はいらっしゃいますでしょうか。よろしいでしょうか。これ以上御意見、御質問がないようでしたら、労働側からも御意見がありましたので、当部会としては、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案要綱」について、おおむね妥当と認めることとし、その旨を職業安定分科会長宛てに報告したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(了承)
○阿部部会長 それでは、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案要綱」の報告文案を画面に表示いたしますので、御確認ください。
(報告文案の画面共有)
○阿部部会長 ただいま画面に表示されている報告文案によって、職業安定分科会へ報告したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(了承)
○阿部部会長 ありがとうございます。それでは、この報告文案で、後ほど開催されます職業安定分科会に報告したいと思います。
それでは、次の議題に移ります。次は「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱について」です。本日付けで、厚生労働大臣から労働政策審議会に諮問されております。まず、事務局から資料について説明いただき、その後に委員の皆様に御議論いただきたいと思います。では、事務局からお願いいたします。
○長良雇用保険課長 資料2-1、資料2-2に沿って御説明いたします。資料2-1は省令案要綱です。概要が資料2-2です。資料2-2の概要を御覧ください。
新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律は、昨年6月に新型コロナウイルス感染症対応休業支援金の創設などを内容とした法律で、この法律にのっとって、いわゆる休業支援金制度は立ち上がっているところです。休業支援金制度に関しては、雇用調整助成金の特例措置と併せて、期限が、いわゆる休業期間に関して省令で定められております。これまでの改正によりまして、令和2年9月30日が当初の休業の期限だったわけですが、現在では、令和3年2月28日まで延長されているところです。
今般、足下の新型コロナウイルス感染症等の影響を踏まえて、支給の対象となる休業の期限を令和3年2月28日から、今年の1月7日にされた緊急事態宣言に関連して、緊急事態解除宣言のされた日の属する月の翌月末日まで延長することを内容とする省令改正を行いたいというものです。分かりにくいのですが、緊急事態宣言に関しては、現在は3月7日まで延長されているところです。仮に3月7日に解除になった場合に関して申し上げますと、3月の翌月、4月末日までの延長になります。緊急事態宣言の状況が動けば、ここの部分が変わってくるという内容となっております。省令案の内容は以上です。
加えまして、事務局から取り急ぎの報告をさせていただければと思います。休業支援金、給付金については、制度の創設当初、いわゆる雇調金の活用もままならない中小企業の労働者を対象としてきているところですが、今般、いわゆる本年1月からの緊急事態宣言の影響を受ける大企業にお勤めの一定の非正規雇用労働者についても、休業支援金の対象とする予定で考えています。こちらは、政府として、そのような方向性で現在、大臣が方針を表明しているところですが、こちらに関しての具体的な内容、仮にこういった内容を実行しようとすると厚生労働省令の改正が必要になります。したがって、この内容に関して、省令案のほうを具体化するために、要件などを現在詰めているところで、追って、こうした内容について改めて当部会でお諮りさせていただければと存じます。詳細は厚生労働省のホームページにプレスリリースという形で掲載しておりますが、こちらは概略のみですので、また詳細について改めて御相談させていただければと思います。こちらに関しては、本日は御報告ということです。説明は以上です。
○阿部部会長 ありがとうございました。本日諮問を受けているのは、あくまで資料2-1及び資料2-2の部分についてです。まず、資料2-1及び資料2-2に関して、御質問や御意見があれば承りたいと思います。いかがでしょうか。仁平委員、どうぞ。
○仁平委員 私から休業支援金の適切な運用と、そのための周知について意見を申し上げます。
休業支援金の運用が開始された当初から、結果として休業手当と休業支援金を二重に受給してしまう懸念があったかと思います。二重というのは、申請者が休業支援金を受け取った後に、事業主が同じ月に休業手当を払うことを指しており、そのような場合には休業支援金の返還が必要になり、2週間以内に申告をしなければ不正受給として取り扱われるものと認識しております。事務局に問い合わせたところ、実際に休業支援金が返還されたケースもあると伺っており、不正受給の未然防止のための周知と実態の把握をお願いします。
もう1点は、休業支援金が給付された翌月以降も、事業主が休業手当を引き続き支払わない場合についてです。そのような事情により申請者が繰り返し何度も申請をするというケースも、少なくないと伺っております。事業主が休業について雇調金を申請し、きちんと休業手当を払っていただくというのが本来の姿だと思っておりますので、改めて雇調金の周知や指導の徹底をお願いします。
○阿部部会長 御意見として承りたいと思います。続いて平田委員、お願いいたします。
○平田委員 休業支援金について、これも繰り返しで、今の仁平委員の意見とも重なりますが、3点意見を申し上げます。
本来は雇用調整助成金を通じて支援を行うべきであると考えています。個人給付として特例的に創設された支援金に安易に流れないように、引き続き雇調金の周知等に政府は努めていただきたいと思っております。
2番目ですが、本来、個人向け給付は全額事業主負担の雇用保険二事業で行うべきではないと考えております。今回限りの特例としていただきたいと考えております。
3点目ですが、支援金、給付金の申請件数は増加してきていると見ております。引き続き事後のチェックとか、不正受給が行われた場合の返還命令の厳格化など、不正の防止に努めていただきたいと思っております。
それから、意見ではないのですが、最後に課長から御説明いただいたことは今日の議題ではないと理解しておりますが、そういう理解でいいか。また別の場があると理解しておりますが、そういう理解でよろしいでしょうか。教えていただければと思います。
○阿部部会長 平田委員から最後に御質問を頂きましたが、課長が最後にお話された部分につきましては、報告という形でお話されておりまして、本日の議題ではございません。ただ、後ほど、もし報告に関して何か御質問や御意見があれば、お願いしようかなとは思っております。
○平田委員 分かりました。
○阿部部会長 繰り返しになりますが、本日の諮問案件は資料2-1と資料2-2の部分に限っているものです。資料2-1及び資料2-2について、御質問や御意見があれば承りたいと思います。よろしいでしょうか。
それでは、これは諮問ですので、当部会として、「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱」については、おおむね妥当と認めることとして、その旨を職業安定分科会長宛てに報告したいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
(了承)
○阿部部会長 ありがとうございます。それでは「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱」の報告文案を画面に表示しますので、御確認ください。
(報告文案の画面共有)
○阿部部会長 御確認いただけましたでしょうか。ただいま画面に表示されている報告文案によって、職業安定分科会へ報告したいと思いますが、よろしいでしょうか。
(了承)
○阿部部会長 それでは、この報告文案で、後ほど開催される職業安定分科会に報告したいと思います。ありがとうございました。
それでは、先ほど課長から報告がありました件について、御意見や御質問があれば承りたいと思います。また今後、具体的なものは、この保険部会で議論されると思います。湊元委員、お願いします。
○湊元委員 先ほど大企業のシフト労働者に対する休業支援金の適用についての御説明がありました。休業支援については、まずは企業が申請する雇用調整助成金が基本だと思いますし、企業の中には、特にシフト勤務について、シフトを入れないことが自社のケースでは休業に当たるのかどうかよく理解できていない所もあると思います。したがいまして、対象となるシフト労働者の範囲と一連の措置は、詳細な内容を含めて、幅広く理解いただくために周知することが必要であると思っております。
また、一連の措置の財源についても、想定される支出額を早急に示していただくことが大事かと存じます。雇用保険二事業については、雇用調整助成金の1月29日時点の支給決定額が2兆7,000億円であり、既に、事業主が負担している雇用保険二事業の範囲を大きく超えております。また、今般の緊急事態宣言の延長に伴って、休業者の更なる増加が予測されることから、財源の枯渇が必至な状況です。再三の主張ではありますが、既に事業主の負担による共助の範疇を超えており、公助による支援が必要な状況と認識しております。コロナ禍は国家の非常事態であるとの認識のもと、一連の措置の財源は雇用保険二事業ではなく、一般会計による国費で負担すべきと考えております。また、雇用保険二事業や失業給付に係る保険料率は将来にわたり引き上がることがないように、強く要望いたします。
○阿部部会長 御意見として承ります。ほかに御発言なさる委員はいらっしゃいますでしょうか。よろしいですか。
それでは、今後、具体的な案がまとまってくると思いますので、またその際に議論をしていきたいと思います。本日、報告の案件につきましては、これで終えたいと思います。
最後に、事務局より挨拶があります。お願いいたします。
○長良雇用保険課長 局長の田中が不在ですので、私から御挨拶を申し上げます。
議題1、議題2に関しての御審議ありがとうございます。特に、議題1の育児休業関連については、雇用保険法の一部改正の形で、法律案の要綱まで取りまとめをさせていただいたところです。これまでの精力的な御審議に感謝申し上げたいと思います。
育児休業給付、財政の議論をこの秋からお願いしてまいりました。労使の委員の皆様の御意見、非常に厳しい御意見もあったかと存じております。取り分け、雇用保険の厳しい財政の中で、どのような制度の立て直しを図っていくかということに関しては、重い課題として受け止めさせていただければと存じます。
他方で、新型コロナウイルス感染症の影響で、スピーディな対応が政府全体として求められていることも事実です。当部会の内容というわけではありませんが、類似の雇用調整助成金の拡充に関しても職業安定分科会で議論をお願いしてきたところです。雇用情勢も時々刻々と変化していく場面がございます。ここはお願いですけれども、いろいろな事態に対応するために、政府として精一杯の努力をしているところですので、今後とも、何卒、御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
○阿部部会長 ありがとうございました。本日の議題は全て終了いたしました。委員の皆様から、この際に御発言がありましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、本日はこれで終了させていただきたいと思います。次回の日程については、事務局から改めて各委員に御連絡をいたします。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、どうもありがとうございました。本日はこれで終了させていただきます。