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第4回労働政策審議会職業安定分科会地方連携部会 議事録
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○阿部部会長 ただいまから、第4回労働政策審議会職業安定分科会地方連携部会を開催したいと思います。皆様方におかれましては、大変お忙しい中御出席を賜りましてありがとうございます。
議事に先立ちまして、新たに就任された方を御紹介させていただきます。労働者代表委員として、日本労働組合総連合会新潟県連合会事務局長の小林俊夫委員です。使用者代表委員として、全国中小企業団体中央会労働政策部部長代理の鮎川尚之委員です。
事務局である職業安定局の幹部にも異動がありましたので御報告をいたします。田中職業安定局長、志村職業安定担当審議官、蒔苗総務課長、髙橋公共職業安定所運営企画室長がそれぞれ就任されています。なお、田中職業安定局長につきましては、本日は別の公務のため遅れての出席とお聞きしております。蒔苗総務課長につきましては、本日は別の公務のため欠席ということです。
本日の部会はZoomによるオンラインでの開催となりますので、開催に当たりまして事務局から説明があります。
○公共職業安定所運営企画室長 髙橋でございます。本日は、Zoomによるオンラインでの開催ということで、改めまして簡単に操作方法について御説明させていただきます。事前にお送りさせていただいております「会議の開催・参加方法について」を御参照ください。
現在、皆様の画面には、我々がおります厚生労働省の会議室の画像が映っているかと思いますが、まずはその下のマイクのアイコンがオフになっていることを御確認いただければと思います。進行中は、委員の皆様のマイクをオフとさせていただきます。御発言をされる際には、「手を挙げる」ボタンをクリックし、部会長の許可があった後に、マイクをオンにして、お名前を名乗っていただいて御発言を頂きますようお願いいたします。アイコンの印の赤い斜線がなくなれば、マイクがオンになったことになります。
そして、冒頭もございましたが、いろいろトラブルが発生する可能性がございます。音声が聞こえなくなった場合などのトラブルがございましたら、恐縮ですが、事前に御連絡しております電話番号まで御連絡を頂ければと思います。また、場合によっては、一旦休憩とさせていただいて対応させていただくということもありますので、その点御容赦くださいますようお願いいたします。
次に、資料ですが、オンライン参加の方につきましては、事前にメールで御送付させていただいております。会場におられます委員の方におかれましては、タブレットで資料を御確認いただければと思います。説明は以上になります。
○阿部部会長 それでは、議事に入ります。本日の議題は「雇用に関する国と地方公共団体との連携状況等について」です。事務局から、資料について御説明をお願いいたします。
○公共職業安定所運営企画室長 髙橋です。資料2を御覧ください。タブレットを御覧の方は、資料2をクリックしていただければと思います。それでは、雇用に関する国と地方公共団体との連携状況等について御報告させていただきます。資料ですが、1ページから始まります一体的実施事業の概要と、11ページから始まります雇用対策協定と、大きく2つの構成になっています。
まず、一体的実施事業の概要についてです。2ページ目を御覧ください。上にありますが、希望する地方公共団体において、国が行う無料職業紹介と地方公共団体が行う各種支援を一体的に実施するものです。
2つ目ですが、マル1地方公共団体の提案に基づき、国と地方公共団体が協議して内容を決定し、協定の締結等により実施に移すこと、マル2利用者のニーズに応えられるよう運営協議会を設置することなど、地方公共団体主導により、ハローワークと一体となった様々な工夫が可能となっている仕組みです。令和2年3月末現在、183団体で実施をしているところでございます。
下の図にありますように、地方公共団体が行っている福祉や住宅などの施策と、国が行っている全国ネットワークをいかした職業紹介、職業相談といったものを、下のほうに書いていますように、一体的実施施設において提供をしていくという形で運営をしています。その上にありますように、運営に当たっては、協定を締結したり、運営協議会を設けて実施しているということです。
3ページは、一体的実施事業の進捗状況です。こちらは、実際に行っていただいている地方公共団体を並べたものです。
4ページ目です。国及び地方公共団体が実施する業務、支援対象者です。都道府県単位では、地域の課題に応じてターゲットとする対象者を特定して就労支援を実施する地方公共団体が多い傾向があります。市区町村(基礎自治体)においては、生活相談など福祉業務を実施する地方公共団体が多いという傾向です。このように、地域の実状に応じた地方公共団体の業務と国が行う業務を組み合わせて、効果的な就職支援を実現するということで、運営をしているところです。
左下ですが、国及び地方公共団体が実施する業務として、国のほうは無料職業紹介を行い、地方公共団体のほうでは地域の実状に応じた様々な支援ということで、福祉業務、就労支援、事業主支援を行っている団体、拠点が多いという傾向です。
4ページの右側が、主な支援対象者ということで整理をしたものです。多いものとしては、生活保護受給者の方に対する支援、障害者の方に対する支援、若年者、子育て中の方といったような形です。
続きまして、5ページから一体的実施事業の実績について整理しております。6ページを御覧ください。一体的実施事業の実施状況・成果について、令和元年度のまとめでございます。左上ですが、実施地方公共団体・拠点数です。先ほど申し上げたように183団体で、一体的実施の事業拠点としては337拠点です。事業目標達成状況ということで、事業目標を達成した団体が160団体で、全体の87.4%、拠点ベースで見ますと265拠点、78.6%という状況になっております。
利用者のアンケートの結果を左下に掲載しておりますが、利用者の95.2%に満足と回答をしていただいております。8割以上の施設で90%以上の満足度を達成しています。利用者の97%が、この施設が利用できてよかったと思うと回答しております。
6ページ右側に移っていただきまして、上の円グラフは、先ほどお話した達成率、満足度を円グラフで示したものです。その下に利用者の声を幾つか掲載しています。例えば2つ目のマルの2行目「就職のことだけでなく生活全般の様子について話ができる」といったこと、3つ目のマルですが、「保育ルームがあり、とても助かっています。子連れでの移動は大変なので、市役所内で相談ができて便利」というような声を頂いています。
7ページを御覧ください。一体的実施事業の実績の推移を掲載しています。一体的実施事業につきましては、平成23年から順次取組を行っているところです。左下のグラフが実施地方公共団体数の推移ということで、薄い青が拠点数、濃い青が地方公共団体数です。平成30年度、令和元年度にかけ、数は同数ですが、ここ足元でも御相談を頂いている団体もありますので、少しずつこの数は増えていくと思っております。右側には、実績の推移を掲載しています。折れ線グラフが就職率で、棒グラフのうち、薄いほうが就職件数、濃いのが職業相談件数になっております。就職件数、薄いほうの棒グラフですが、平成29年から平成30年、令和元年度と件数は低下しています。折れ線グラフで示している就職率に関しても低下しているところですが、相談のほうは多数お寄せいただいており、濃い棒グラフを御覧いただくと、ここは足元で伸びている状況です。
続きまして、8ページから事例を2つほど掲載しています。9ページを御覧ください。栃木県宇都宮市の、みやハローワーク就労支援ということで、市の生活保護窓口にハローワーク就労支援コーナーを設置しているという取組です。左側に宇都宮市の取組、右側にハローワーク宇都宮の取組を書いています。宇都宮市では、生活保護受給者の方に対する当該支援コーナーへの誘導を行い、ハローワークでは、そういった方に対して職業相談、職業紹介を行っています。宇都宮市のほうでは、就職後の生活のフォローアップなどを行うといったような連携を図りながら、生活の相談から就職後までを連携して支援するといった取組を行っています。
10ページを御覧ください。北海道札幌市と北海道労働局の取組ということで、あいワークの取組を記載しています。市とハローワークとの連携支援により、就職件数が増加ということで、札幌市のほうでは、キャリアコンサルタントや産業カウンセラー等の資格を有する札幌市の職業相談員を配置するといった形で、そこで職業の興味検査や応募書類作成の支援などを行っています。ハローワークでは、そういったことを受けた方に対して、職業相談・職業紹介などを行います。市のほうでは、生活面の支援、生計や住居の維持に関する制度の情報提供などを行うといったような形で、連携して支援をしているといったものでございます。
11ページからが、もう1つの柱である雇用対策協定についてです。12ページを御覧ください。雇用対策協定の締結状況です。まず、上の枠にありますように、雇用対策協定については、全国ネットワークで職業紹介・雇用保険・雇用対策を一体的に行う国と、地域の実状に応じた各種対策を行う地方公共団体が、それぞれの役割を果たすとともに、一緒になって雇用対策に取り組み、地域の課題に対応するため、雇用対策協定を締結するということで、締結中の地方公共団体は、205地方公共団体という状況です。都道府県の単位では、全県で締結をさせていただいており、市町村でも順に締結をさせていただいており、令和元年度につきましては、資料の中の下のほう、色が赤字系になっている自治体と締結をさせていただいたところです。こちらについても、順次締結をしてまいりたいと思っています。
続きまして、13ページを御覧ください。雇用対策協定について、先ほど御覧いただいた自治体について、日本地図にマッピングしたものです。上の2つ目、雇用対策協定を締結することの意義ですが、マル1首長と労働局長がその地域の課題に対する共通認識を持ち、役割分担、連携方法を明確化すること、マル2連携策のパッケージ化による効果的なPDCAの実施や発信力の強化を図ることが可能になると考えています。
14ページ以降は、連携による雇用対策の実施事例ということで、2事例掲載しています。
15ページを御覧ください。大分県と大分労働局の取組ということで、シニア世代のための就職面談会の開催ということです。左側の県の取組としましては、シニア層の採用に意欲のある参加企業の募集ということで、企業側の掘り起こしに力を入れていただき、右側の大分労働局では、シニア層の求職者に対して、この説明会の周知をするということで、求職者の掘り起こしを行っています。そういったことを行った上で、県と局が一緒になり、実際の面談会を開催するという取組を行っています。
16ページにお移りいただいて、大阪府高槻市と大阪労働局の取組で、子育て女性等への就労支援と市内企業での活躍促進のための環境整備に取り組んでいます。高槻市では、就職を希望する子育て女性の方をマザーズコーナーへ誘導することを行い、ハローワークでは、誘導いただいた方に対して、担当者制による職業相談、紹介などを行っています。
高槻市では、仕事と子育てが両立しやすい求人企業の開拓など、求人の掘り起こしを行っていただき、掘り起こしていただいた情報をハローワークにも提供してもらい、ハローワークでは、仕事と子育てをしやすい求人票の作成ということで、求人票作成のところでの支援をするといったような形で連携を図っています。また、面接会、企業説明会の開催を連携して行い、そこに参加する企業の掘り起こしなどを市のほうに力を入れて行っていただいています。
また、市内の保育所や子育て支援サービスに関する情報を高槻市で収集していただき、ハローワークに提供いただいて、ハローワークでこういった情報を求職者の方に提供するという形で、両者が連携をして支援をするという取組を行っております。
17ページからは、コロナウイルス感染症の影響による国と地方の連携による取組事例です。18ページを御覧ください。徳島県と徳島労働局の例ですが、雇用調整助成金の周知を県の施策と一体としてPRを実施しています。真ん中にありますが、コロナウイルスの対応につきましては、国と地方公共団体が一丸となった対応が必要ということで、県と局が一緒になりまして、県民の雇用を守るというメッセージを打ち出すということ、あるいは県の独自の施策と雇用調整助成金等の施策を一緒に組み合わせて周知いただくというようなことをして、雇用の維持に努めていただいているということです。
続きまして、19ページの愛知県と愛知労働局の取組ということで、こちらについても真ん中にありますように、県知事と愛知労働局長との連名による雇用要請を送付し、雇用の維持、国の助成金・県の協力金の情報発信を一緒に行うということ、またオンライン企業説明会や対面式の面接会を連携して開催するといったことに取り組んでいるという状況です。
以上が資料の御説明でして、20ページ以降は参考資料ということでお付けしております。21ページが雇用対策法の改正について、22ページが地方版ハローワークについてです。23ページがハローワークの求人情報のオンライン提供について、24ページがハローワーク求職情報の提供サービスについてで、25ページはその仕組みについて整理したものです。資料につきましては、以上です。
○阿部部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明に関しまして、御質問、御意見がございましたら、「手を挙げる」ボタンをクリックしていただいて、私が指名した後に、お名前を名乗ってから御発言いただきますようお願いいたします。それでは、青木委員からお願いいたします。
○青木委員 聞こえますでしょうか。
○阿部部会長 はい、聞こえます。
○青木委員 ありがとうございます。労働者側委員の青木でございます。何点かにわたって意見、感じたことなどを申し上げさせていただければと思います。まずは、様々な取組事例紹介を頂きました。この取組事例紹介、非常に良いものもあると思っておりまして、地方自治体にも情報提供いただきながら、検討を働き掛けていただくとよいのではと、そのように感じたところでございます。
次に、本部会が、国と地方自治体とのこれまでの連携状況を共有する場ということで、有効に機能していると思っておりますが、将来の取組に向けた議論というのもあってもいいのではないかと思っているところです。
また、ハローワークや地方自治体が抱える課題についての議論も必要ではないでしょうか。例えば、ハローワークの現場からは、新型コロナウイルス感染症の対応で業務量が増えたことに伴う人材不足から、この一体的実施事業の参加や運営に困難があるといった声も聞かれているところでございます。そうした状況下においてのハローワークの人員の増強であったり、相談体制の強化、またハローワークの人材が不足する中での地方自治体のマッチング機能強化といった課題をこの部会が提起して、課題解決に向けた検討が進んでいくことが望ましいと、そのように思ったところでございます。以上です。
○阿部部会長 ありがとうございました。御意見として承りたいと思います。それでは、鮎川委員、お願いいたします。
○鮎川委員 ありがとうございます。聞こえておりますでしょうか。資料の御説明ありがとうございました。一体的実施事業ということで、事例も複数御紹介いただきまして、全体として非常に有効なものであるという印象を持っております。その上で2点ほど申し上げたいと思います。
1点目です。資料2の6ページですが、実施状況成果のまとめでは、令和元年度の成果のまとめということで、左下の利用者アンケートの結果を拝見いたしますと、8割以上の施設で90%以上の満足度を達成したということ、それから利用者の方の97%が、この施設ができてよかったという回答をされたということであります。一方で、その右側ですが、実際の利用者の方の声を載せていただいておりますが、下から2番目の方の御意見などを拝見いたしますと、このような施設があることをもっとアピールしていったほうがよいといった声もあるようですので、地方公共団体との連携になるかとは思いますが、より積極的な周知をお願いできればと思います。
そしてもう1点ですが、同じ資料の7ページ目でございます。右側のピンクのグラフ、実績の推移を拝見いたしますと、平成30年度から2年連続になるかと思いますが、就職件数が職業相談件数を下回っていて、就職率も低下傾向にあるということであります。相談件数自体は増えてきているということであろうかと思いますけれども、この就職率の低下傾向、様々な背景があろうかとは思いますが、実績の要因分析等々行っていただきまして、更に効果的な事業運営を行っていただければいいのかなと思っております。以上でございます。
○阿部部会長 ありがとうございました。漆原委員、お願いします。
○漆原委員 労働者側委員の漆原でございます。私からは質問と意見を述べさせていただけきます。資料の6ページには、一体的実施事業を実施している公共団体の数が183とございます。7ページの就職率の実績が通常のハローワークよりも高くなっており、連携の効果が発揮されているものと思われますが、その集計対象は183の自治体という理解で正しいのかどうか確認させて下さい。
それと関連して、参考資料の24ページでは、ハローワーク求職情報の提供サービスを利用している地方自治体が、82団体となっておりまして、先ほどの7ページのグラフにおいて183団体と82団体がどのような関係にあるのか確認させてください。
その上で、最後の24ページによるとハローワーク求職情報の提供サービスを受けている団体のうち地方自治体の割合が20%ということもありまして、もちろんこういった情報の提供サービスが一体的事業の全てではないながらも、就職率の向上に向けて、地方自治体においても求職者が求人情報を得られるようにサービスの利用が広がるような周知をお願いしたいと思います。同時に、今年度は特に新型コロナウイルス感染症の拡大で、ことによっては求人数・求職数が大きく影響を受ける可能性がございますので、十分な支援も含めて、就職率向上につながる具体策を更に進めていただければと思います。以上でございます。
○阿部部会長 ありがとうございます。では、質問がありましたので、事務局からお願いします。
○公共職業安定所運営企画室長 まず、7ページの就職率の数字ですが、183団体につきまして集計しているということでございます。そして、24ページの求職情報の提供サービスでございますが、まず求職情報の提供サービスにつきましては、これは希望する自治体におきまして、こういった情報提供サービスを受けることができるという仕組みになっております。一体的実施事業の場合につきましては、国が無料職業紹介を行い、自治体のほうが福祉のサービスでありますとか、そのほか相談のセミナーとか、そういったようなことを行うという仕組みになっておりますので、仕組みとして別物というようなことで理解いただければと思います。
○阿部部会長 漆原委員、よろしいですか。はい、分かりました。
続きまして、原田委員にお願いしますが、その後、山本委員、小林委員にお願いしますので、お待ちください。それでは、原田委員、お願いいたします。
○原田委員 ありがとうございます。経団連の原田です。よろしくお願いいたします。先ほどの事務局の御説明で、地方公共団体とハローワークの連携が広がっていること、ユーザーの方の評価が高いことを拝見し、着実に取り組みが進展しているものと受け止めております。改めて、関係者の皆様の御尽力に感謝申し上げたいと思います。
その上で、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大について触れている委員がいらっしゃいました。私からも2点ほど申し上げたいと思います。今回のコロナ禍の影響は、御存じのとおり、業種業態あるいは雇用形態によって大きく影響が異なっています。今後、感染が更に拡大し、企業活動への影響が大きくなれば、これまで雇用調整助成金などで何とか雇用を維持してきた企業においても雇用調整の動きが広がることも懸念されます。こうした事態に備えて、是非、地方自治体、ハローワークとの連携を強化して、円滑な就労を支援していただければと思います。
他方で、今回のコロナ禍は、都市から地方への人の動きを生み出しつつあります。資料4ページの左下に「U・Iターン支援10団体」とありますけれども、かねてからの地方移住支援を実施している地方公共団体もあるかと思います。この点につきまして、ハローワークなど国の機関と連携して、新しい潮流を活かす施策に取り組んでいただければと思います。ハローワーク、各自治体ともに、人員はかなり限られており、コロナ禍の対応で大変かと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。以上、意見になります。
○阿部部会長 ありがとうございました。御意見として承りたいと思います。それでは、山本委員、お願いいたします。
○山本委員 ありがとうございます。使用者代表として参加させていただいております岡崎商工会議所の山本京子と申します。本日の御説明を通しまして、一体的実施事業の取組成果とともに、多くの地方公共団体が、国と雇用対策協定を締結し連携を強化する中で、各地域の実情に合った業務を効果的に展開され、成果を出されていることを理解いたしました。是非、好事例の展開をしていただきますとともに、引き続きこの取組をよろしくお願いいたします。
一方、新型コロナウイルス感染症は、幅広い産業や地域に影響を及ぼしており、10月に日本商工会議所が実施した調査によりますと、90.9%の企業が新型コロナウイルス感染症による経営への影響が「何らかある」と回答しております。また、業況DIも、全産業の合計では-50.2%と、依然として厳しい状況が続いております。足元の雇用情勢は、9月の完全失業率が3.0%で、前月と同率となり、有効求人倍率は1.03倍で、前月比0.01ポイント低下している中、中小企業におきましては、雇用調整助成金をはじめとした各種支援策を活用し、事業の継続と雇用の維持に努めておりますが、その努力も限界を迎えつつあることが伺えます。厚生労働省におかれましては、足元の雇用情勢を的確に把握し、地方公共団体との連携を強化・拡充することで、中小企業の事業の継続や雇用の維持に向けた支援策を幅広く実施していただきますようお願い申し上げます。
また、日本商工会議所と東京商工会議所が、本年7月から8月にかけて実施した調査で、「人手不足」と回答した中小企業は36.4%と、新型コロナウイルス感染症により、その割合は以前に比べて大幅に低下いたしましたが、日本の少子高齢化の進行や生産年齢人口の減少を考慮すると、人手不足は構造的な課題であり、今後もその傾向は続くと思われます。こうした中、人手不足の克服だけでなく、日本の持続的な経済成長の実現に向けて、若年者、女性、高齢者、外国人材、障害者など、多様な人材の活躍を推進することが不可欠であります。
したがって、資料15ページ、16ページに記載されている、就労意欲の高い求職者の掘り起こしや支援、求職者と企業のマッチングなど、国と地方公共団体が連携して取り組む就労支援の好事例については、是非、積極的に横展開していただき、全国へ多様な人材の活躍が推進されるよう、対応策を講じていただきたく存じます。
最後になりますが、ここ数年、人手不足と採用難な状況に置かれている採用意欲のある中小企業では、現状を採用のチャンスと捉えるも、コロナ禍で集合形式、対面式の選考が思うようには実施できず、オンラインでの取組を進めたいのですが、資金面や人材面において十分とはいえない中小企業においては、ノウハウの不足で十分な採用活動が実施できていないというケースもあります。資料19ページには、地方公共団体が労働局と連携して、オンラインでの企業説明会や選考会を実施されている事例も紹介されておりますので、厚生労働省におかれましては、このような好事例を分かりやすく周知していただき、中小企業の採用支援を積極的に実施していただきますようお願い申し上げます。以上となります。
○阿部部会長 ありがとうございました。御意見として承りたいと思います。それでは、小林委員、お願いいたします。
○小林委員 連合新潟の小林です。よろしくお願いいたします。これまで各委員からお話がありましたので、重複する部分があるかと思いますが、その点は御容赦いただければと思います。まず、事務局のほうから様々な説明を頂きまして、一体的実施事業においては、就職率は低下しているという話がございましたけれども、相談件数そのものは順調に増加しているということで、非常に良いのではないかと感じているところでございます。また、ハローワークの相談員の負荷という問題もありますけれども、今後もよりきめ細やかな人材マッチングを行っていくというようなフェーズに来ているのではないかと思います。
なお、就職率に関して言えば、就職が決まった時点での就職率というように伺っていますので、実際にマッチングが成功したか否かということも含めて、是非これは継続して、その数値を追い掛けていただいて、例えば6か月後、その方がその会社にまだ継続して勤められているのかどうかとか、そういったところもまた追っていただければいいのかなと感じているところであります。
また、地方の関係で言いますと、どうしても地方にも都市部と山間部、そういったものがあります。山間部とか小さい町になりますと、産業が偏っていたりして、なかなか求められる人材が偏ってしまうという、都市部と大きく異なるということがあります。そうした違いを踏まえたマッチングを、ハローワークと地方公共団体、双方の知見・ノウハウをいかしながら進められるように、厚生労働省や労働局から支援・指導が頂ければと思います。
あと、最後になりますけれども、U・Iターンのお話、先ほどもございましたが、新潟でもそういった支援事業を県なり市なりで行っている所があります。是非ここについても、地方における雇用の掘り起こしと、地方公共団体のマッチング機能の強化に向けた取組というのを、今後も継続して行っていただければと思います。よろしくお願いいたします。以上です。
○阿部部会長 ありがとうございました。御意見として承りたいと思います。その他いかがでしょうか。では、河島委員、どうぞ。
○河島委員 京都府の河島でございます。よろしくお願いいたします。10月23日に開催しました連絡会での意見を踏まえまして、地方自治体を代表して大きく3点お願いを申し上げたいと存じます。
まず、第1点でございます。今、各委員の方からいろいろお話がございましたけれども、やはり今年度は、新型コロナウイルスの感染拡大、これが非常に大きな問題となってございます。日本経済はこれまで類のないリスクに直面しておりますので、実効性のある対策を機動的に展開するために、労働局、経済団体、労働者団体、地方自治体が正に一丸となって取り組む必要があろうかと考えてございます。国におきましても、そのために必要な支援や援助とともに、まず雇用調整助成金につきましては、現行の特例措置の内容を維持しつつ、更なる期間の延長をお願いしたいところです。かなり政策的に効果を有してございますので、ここの特例期間の延長は、是非お願いしたいと思っております。
さらには、雇用の関係は遅効性がございます。問題が表面化した後では手遅れになってしまいますので、先手先手の取組が必要かと考えております。このためにも、リーマンショック時に国が行っていただいたような雇用創出基金事業、これをリーマン時を上回る規模で、この基金制度の創設をお願いしたいところです。それから、京都でも失業者が徐々に増えてきつつございます。解雇などで失業を余儀なくされた労働者が新たな仕事に就けるよう、例えば特定求職者雇用開発助成金の対象にコロナ離職者などを加えていただくということも考えていただければと思います。
それから、大きな2つ目でございます。新型コロナウイルス禍におけます就職支援などに取り組む地方自治体におきまして、この機会に雇用対策協定の締結に乗り出すこと、さらには一体実施事業の強化に取り組んでいきたいということも考えられることから、労働局におきまして、地方自治体から個別の相談があった場合に適切に応じていただくなど、国と地方の連携体制が、より一層円滑に構築されるよう協力をお願いしたいと思います。
それから3点目、最後でございます。一体的実施事業を進めるに当たって、新卒応援ハローワークにおける学生アルバイトあっ旋機能の強化ということで、京都には全国から学生がたくさん来られていますけれども、このコロナの関係でアルバイトの勤務日数が減ったりとか、あるいは働いている勤務先が潰れたといったような形で、経済的な困窮を極めている学生もございます。こういった学生アルバイトへの、あっ旋機能の強化をお願いしたいと思います。
今回、このコロナの関係で少し見えなくなっていますのは、就職氷河期世代の皆さん方かなと思っています。今回の御報告の中でも、なかなか就職件数が伸びないという課題がありましたけれども、我々京都府のほうでも、長く就職ができなかったりとか、あるいは転職を繰り返す方からの相談というのが増えてきておりまして、こういった方々に対してのしっかりとしたケアが必要かなと思っております。それから、これは言わずもがなでございますけれども、地元の自治体事業との常時からの緊密な連携というものをお願い申し上げたいと思います。以上3点、改めての御要望という形でお願い申し上げればと思います。以上でございます。
○阿部部会長 ありがとうございました。御意見として承りたいと思います。その他御発言、堀委員は御発言ありますか。特によろしいですか。はい、堀委員、お願いします。
○堀委員 どうもありがとうございます。これまで、多くの委員から非常に鋭い指摘がございましたので、私から特に付け加えさせていただくことはないのですけれども、2点お願いできればと思っております。
1点目は、多くの委員から指摘されましたハローワークの人員拡充でございまして、特に若者におきましては、ここ数年非常に状況が良かったことから、例えばジョブサポーターが減らされるなどの問題があったかと思います。これにつきましては、各学校からも是非ジョブサポーターにもっと来てほしいというような御意見もありますので、是非拡充をお願いしたいと思います。
そして、第2点目としましては、先ほど山本委員からもオンライン化につきましてお話があったのですけれども、ハローワークも将来的にオンライン化というものを進めていけるような形の検討を長期的にお願いできればと思っております。コロナの中では、やはりオンラインというのは非常に活躍したと思うのです。もちろん、ハローワークの強みが対面相談であるということは承知しておるのですけれども、オンラインでしかつながれない、あるいは遠くで離れていてもつながれるというような、そうした利点もありますので、是非サービスの一部としてオンライン化なども御検討いただけますと、大変有り難く存じます。以上です。
○阿部部会長 ありがとうございました。では、御意見として承りたいと思います。ほかに、何か皆様のほうから御意見等ございますでしょうか。よろしいですか。ありがとうございます。
今回、コロナ禍の下で、委員の皆様から様々な御意見がございました。やはり、失業の問題というのが第一に皆さんの念頭にあると思いますので、地方公共団体と国とが連携しまして、労働市場での労働力の再配分ですとか、あるいは失業をできるだけ少なくして就労につなげるような、労働市場のそうした機能を高めるために、どのような方策があるかというのを更に一段と高まるようなことを我々はしていく必要があるかなと、今日皆さんの意見を聞いて感じ取ったところです。特に、好事例の展開というのは、そうした意味で非常に大事だと思いますので、国のほうには、今、集めている好事例等、各地方自治体のほうに是非展開していただければと思います。非常に多岐にわたって、いろいろな角度から御意見を頂きまして、本当にありがとうございました。事務局のほうから何かありますか。
○公共職業安定所運営企画室長 皆様、御意見、御要望ありがとうございました。一体的実施事業、雇用対策協定につきまして、地方公共団体と国が連携してやっていく、正に今、コロナ禍において、しっかりと進めていかなければならないことだと感じております。現状においても、連携させていただいている取組ではありますが、引き続きその連携がしっかりしていけるよう、進めてまいりたいと思っております。その一環として、皆様からお声を頂きました好事例の展開につきましては、今すぐできることといたしましては、既にできている今日の資料のようなものを展開するということもございますし、今後集めた事例、そのほかの事例につきましても整理し、何らかの形、Webに掲載する、あるいは労働局を通じて自治体と共有させていただくといったようなことで、横展開については引き続きしっかりと果たしていきたいと思っております。以上でございます。
○阿部部会長 ありがとうございます。それでは、特にこれ以上御質問、御意見ないようでしたら、以上をもちまして本日の会議は終了とさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
それでは、本日の部会はこれで終了したいと思います。本日の会議に関する議事録ですが、労働政策審議会運営規程第6条により、部会長のほか2人の委員に署名を頂くことになっております。つきましては、労働者代表の漆原委員と、使用者代表の山本委員にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。本日はどうもありがとうございました。これで終了させていただきます。