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- 2020年6月26日 令和2年第1回目安に関する小委員会 議事録
2020年6月26日 令和2年第1回目安に関する小委員会 議事録
日時
令和2年6月26日(金)13:30~14:15
場所
厚生労働省 省議室(9階)
出席者
- 公益代表委員
- 藤村委員長、戎野委員、鹿住委員
- 労働者代表委員
- 伊藤委員、小原委員、冨田委員、永井委員
- 使用者代表委員
- 池田委員、佐久間委員、高原委員、橋本委員
- 事務局
- 坂口労働基準局長、村山安全衛生部長、五百籏頭賃金課長、小城主任中央賃金指導官、
水島副主任中央賃金指導官、手計賃金課長補佐、松本賃金課長補佐
議題
令和2年度地域別最低賃金額改定の目安について
議事
○藤村委員長
ただいまから、第1回目安に関する小委員会を開催いたします。まず、小委員会の公開についてですが、従前から、審議自体を公開することは、運営規程第6条第1項に定めております「率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがある場合」等に該当するということで、この規定を小委員会についても準用することといたしまして、非公開としております。本年についても同様にするということで、よろしいでしょうか。
(異議なし)
○藤村委員長
皆さんの御一致を得られましたので、目安に関する小委員会は非公開といたします。会場の準備を行う必要がありますので、暫時休憩にいたします。
(休憩)
○藤村委員長
では、再開したいと思います。今年もまた始まりましたね。どうぞよろしくお願いいたします。お手元の資料No.1の主要統計資料について、事務局から御説明をお願いしたいと思います。
○手計賃金課長補佐
事務局から説明させていただきます。説明の間に自治体等から最低賃金に関する御要望、御意見が届いておりますので、こちらを回覧させていただきたいと思います。まず、資料No.1、主要統計資料を御覧ください。資料No.1は3部の構成になっておりまして、1枚おめくりいただくと目次があります。Ⅰが全国統計資料編です。次のページ、Ⅱとして都道府県統計資料編です。次のページ、Ⅲが業務統計資料編となっております。ポイントを絞って説明いたします。
まず、1ページになります。主要指標の推移です。まず、GDPにつきましては、真ん中辺りを御覧いただくと、令和元年は前年比で名目が1.3%の増加、実質が0.7%の増加となっております。昨年の第4四半期以降、前期比がマイナスとなっていますけれども、令和2年第1四半期におきましては、前期比が名目で0.5%の減少、実質が0.6%の減少となっております。
右にいきまして、鉱工業生産指数については、令和元年は前年比3.0%減、製造工業稼働率指数につきましては、令和元年は3.1%減となっています。これらの指数におきましては、今年2月以降マイナスが続いております。
次に、倒産件数です。令和元年は前年比1.8%増となっており、11年ぶりに前年より増加しました。昨年の第3四半期から前年同期で増加しておりまして、今年に入っても4月まで増加が続いていましたが、5月は前年同月比で54.8%の減少となっています。これは東京商工リサーチによりますと、新型コロナ感染拡大で裁判所の一部業務の縮小や手形の不渡り猶予などの支援策に加えて、廃業・倒産の判断先送りなども記録的な減少を後押ししたと見られるとのことです。
次に、完全失業者数です。令和元年は162万人、前年から4万人の減少となっています。これまでは前年に比べて10万人以上の減少でありましたけれども、減少幅は縮小しています。足下の2月以降では増加傾向にあります。一番右、完全失業率は、前年と同水準の2.4%となっておりまして、これまでは低下傾向でしたけれども、令和元年は横ばいとなっています。足下では、4月は2.6%となっており、上昇傾向ではありますけれども、過去の悪かった時期に比べれば低い水準となっています。
続いて、2ページです。左からまいりますが、求人倍率は新規求人倍率、有効求人倍率ともに改善が続いていましたけれども、令和元年の有効求人倍率は1.60倍と前年に比べて0.01ポイント低下しました。足下では、今年4月の新規求人倍率は1.85倍、有効求人倍率は1.32倍と前月に比べ、それぞれ0.41ポイント、0.07ポイント低下となっていますが、1倍を超えている状況にあります。
その右が消費者物価指数になります。令和元年は0.6%の上昇となっております。四半期で見ますと、昨年後半にかけて上昇しています。足下の推移は後ほど説明いたします。その次は国内企業物価指数になりますが、令和元年は0.2%の上昇となっています。
現金給与総額の指数の調査産業計につきましては、令和元年の名目指数は前年比0.2%の減少、実質指数は前年比0.8%の減少となっております。また、右側の製造業のみの動きを御覧いただくと、名目指数は0.2%の増加、実質指数は0.4%の減少となっています。
3ページです。有効求人倍率の推移です。都道府県ごとの有効求人倍率を単純平均して、ランクごとに表にしたものです。令和元年を見ますと、前年と比べてCランクで0.01ポイント上昇しましたけれども、他のランクでは低下となっています。今年に入ってからは各月とも全てのランクで低下が続いていますけれども、1倍は超えている状況にあります。
4ページです。年齢別の常用求人倍率の推移です。おおむねどの年齢層も平成22年以降上昇傾向で推移していますけれども、令和元年は前年と比べ49歳以下の年齢層で上昇、50歳以上の年齢層で低下となっています。
5ページ、賃金の推移です。一番上の真ん中辺りになりますが、令和元年の30人以上の事業所の現金給与総額の増減率は0.2%の減少となっています。また、現金給与総額の30~99人の事業所は、令和元年は0.5%減、5~29人の事業所は0.1%減となっております。次に、下の定期給与額です。定期給与額は現金給与総額から賞与等の特別の給与を除いたものになります。30人以上の事業所の定期給与額の増減率は、令和元年は0.1%増とプラスが続いています。30~99人と5~29人の事業所は、令和元年はそれぞれ0.6%減、0.2%減となっています。後ほど、労働時間指数の推移の箇所で御説明しますけれども、時間当たり給与は増加しています。また、定期給与額の値の中に括弧の数字が入ったものがありますけれども、この数値は定期給与額から更に残業代などの所定外給与を除いたものである所定内給与額についての増減率です。令和元年は、30人以上の事業所で0.1%増、30~99人、5~29人の事業所では、それぞれ0.7%の減、0.1%の減となっており、おおむね定期給与額と同様の動きとなっております。
6ページ、パートタイム労働者比率の推移です。資料の右側に記載している令和元年は、規模30人以上で25.59%、一番下の行の5~29人規模では39.78%と、いずれも前年に比べて上昇しています。
7ページ、初任給の上昇額・率の推移です。一番下に記載されている令和2年度は、速報値ですけれども、前年よりも0.5%から0.8%の上昇となっています。
8ページ、賃金指数及び労働時間指数の推移です。こちらは事業所規模30人以上の数字になります。先ほど5ページにもありましたけれども、令和元年は所定内給与が前年比0.1%増、所定内労働時間は2.1%の減、労働時間の減少が大きく寄与して、結果として時間当たり給与は2.3%の増となっております。資料の一番下の令和2年の第1四半期においても時間当たり給与は増加しています。
9ページ、賃金・労働時間指数の推移の続きですけれども、こちらは事業所規模が5~29人です。令和元年は所定内給与が前年比0.1%減で、所定内労働時間が2.4%減となり、結果として時間当たり給与は2.3%増となっています。一番下に記載のある令和2年の第1四半期も時間当たり給与は増加しています。
10ページ、一般労働者の賃金・労働時間の推移です。賃金構造基本統計調査の企業規模10人以上で見ますと、令和元年は所定内給与額は増加、所定内労働時間は減少し、時間当たり所定内給与は+3.0%となっております。その右、10~99人の規模では、時間当たり所定内給与は+3.6%、5~9人の規模では、時間当たり所定内給与は+1.9%となっております。
11ページ、月間労働時間の動きです。こちらは所定内労働時間と所定外労働時間を規模別で見たものになりますけれども、令和元年は30人以上の所定内労働時間は2.1%の減少、5~29人の所定内労働時間は2.4%の減少となっております。所定外労働時間についても、30人以上及び5~29人ともに調査産業計及び製造業でマイナスとなっています。令和2年の足下の状況ですけれども、減少幅が拡大しております。
12ページ、春季賃上げの妥結状況です。これは、連合と経団連の集計結果を記載しております。私から御説明させていただきますが、補足がありましたら後ほどお願いいたします。まず、連合の平均賃上げ方式(加重平均)の規模計において、今年の第6回集計では2.13%となっております。なお、この数値は賃上げ分が明確に分かる組合を集計したものです。その下に、連合の有期・短時間・契約等労働者の賃上げ額を記載しています。時給では単純平均で25.18円の賃上げ、加重平均では27.16円の賃上げとなっております。次に、右上の経団連の大手企業の平均賃上げ方式(加重平均)では、今年度の第1回集計は2.17%、右下の中小企業の平均賃上げ方式(加重平均)では、第1回の集計は1.72%となっております。
13ページ、厚生労働省の賃金引上げ等の実態に関する調査から、賃上げ額・率の推移を示したものです。令和元年の改定率は加重平均で2.0%でした。右側の表は、賃金の改定の決定に当たり最も重視した要素ですけれども、企業業績が最も高い割合となっております。
14ページ、夏季賞与・一時金の妥結状況を連合と経団連の集計結果で御紹介いたします。補足等があれば後ほどお願いいたします。まず、連合の集計になりますけれども、夏季、年間とありまして、今年の回答月数、回答額について、それぞれ夏季は2.28か月、68万0,033円、年間では4.83か月、158万6,314円となっております。続いて、経団連の集計では、今年は妥結額92万5,947円、増減率では6.0%の減少となっています。
15ページ、消費者物価指数の上昇率の推移をランク別に見たものです。令和元年の全国は先ほど申し上げたように0.6%の上昇ということになりますけれども、各ランクとも0.5%から0.6%の上昇となっております。足下で見てみますと、上昇率が鈍化している傾向にあります。
16ページ、地域別最低賃金額と未満率及び影響率の推移です。こちらは、最低賃金に関する基礎調査に基づく数値でありまして、事業所規模30人未満、製造業等は100人未満が対象になりますけれども、令和元年度の未満率は1.6%で、平成30年度から微減となっています。影響率は16.3%で、平成30年度から2.5ポイント上昇し、過去最高を更新しています。
17ページ、同じく未満率及び影響率を賃金構造基本統計調査から特別集計したものです。事業所規模5人以上が対象ですけれども、令和元年の未満率は1.9%、影響率は6.0%と、平成30年度から上昇しており、影響率は過去最高を更新しています。
18ページ、地域別最低賃金と賃金水準との関係を、賃金構造基本統計調査の短時間労働者を含まない一般労働者の数字で見ております。令和元年の産業計・企業規模10人以上の時間当たり所定内給与額に対する最低賃金額の割合は、真ん中辺りの「時間額比①/④」という所に記載していますけれども、46.9%と微増となっています。一方、企業規模10~99人では、一番右の「時間額比①/⑦」と書いてある所ですけれども、令和元年は55.4%と微減となっております。
19ページ、同様のデータを短時間労働者について規模別に男女計と女性で見たものです。令和元年も全体的に上昇傾向が続いております。
20ページ、同様の割合について、毎月勤労統計調査のパートタイム労働者を含む常用労働者の数字で見たものです。時間当たり所定内給与に対する最低賃金の比率は毎年上昇しておりまして、一番右側の時間額比①/⑤の列の一番下に記載のありますとおり、令和元年は43.9%と上昇しております。
21ページ以降は、企業の業況判断及び収益に関するデータです。まず、日銀短観による業況判断です。業況判断については、令和元年は規模計の製造業で9月調査以降マイナスとなっておりまして、足下の3月調査でもマイナスが続いています。先行きでは製造業・非製造業とも全ての規模でマイナスとなっております。
続いて、22ページになります。経常利益についてです。平成30年度は規模計で、製造業でマイナス、非製造業でプラスとなっています。令和元年度・2年度の令和2年3月調査時点での計画(予測)になりますけれども、製造業・非製造業とも全ての規模でマイナスの見込みとなっております。ただし、令和2年度はマイナス幅が縮小する規模・産業もあります。右側の売上高経常利益率、つまり売上高に対する経常利益の割合ですけれども、令和元年度の計画では、いずれの規模・産業でも低下となっております。令和2年度の計画(予測)では、中小企業・製造業で上昇の見込みとなっております。
23ページ、24ページは、21、22ページの数字を時系列でグラフにしたものですので御参照ください。
25ページ、法人企業統計による企業収益です。令和元年4~6月期以降、経常利益の前年同期比が規模計でマイナスとなっております。足下の令和2年1~3月期では、全ての規模でマイナスとなっています。
26ページ、中小企業景況調査による業況判断です。令和元年は引き続きマイナスで推移しておりまして、令和2年1~3月期は-32.6%で大幅に減少となっております。
27ページですけれども、26ページの数字を時系列でグラフにしたものですので、御参照ください。
28ページ、従業員1人当たり付加価値額の推移です。平成30年度は、産業・資本金規模計ではマイナスとなっておりますけれども、製造業の資本金1,000万円未満の規模、非製造業の資本金1億円以上の規模ではプラスとなっております。
29ページですが、28ページの数字を昭和62年度以降、時系列でグラフにしたものですので、御参照ください。
続いて、Ⅱの都道府県統計資料編についてです。まず30ページ、各種関連指標のデータを掲載しております。このページの指数は、東京を100としたときの各都道府県の指数を示したものです。一番左の欄の1人当たり県民所得は、内閣府の県民経済計算による平成28年度の数値ですけれども、東京が100で一番高くて、一番低いのが沖縄の42.5となっています。中央の標準生計費は、各都道府県の人事委員会が作成している数値になります。一番右の欄の高卒初任給は、厚生労働省の賃金構造基本統計調査の数字です。男女別で見ておりますけれども、一番高いのは男性で滋賀、女性では東京、一番低いのは男女ともに沖縄となっております。
31ページ、有効求人倍率の推移です。令和元年は一番高いのが東京の2.10倍、低いのは沖縄の1.19倍となっております。
32ページ、失業率の推移です。これは労働力調査都道府県別結果のモデル推計値によるものになりますけれども、右から2番目の列、令和元年は最も失業率が高いのが大阪の2.9%、一番低いのが三重の1.2%となっております。
33ページ、定期給与の推移です。令和元年の数値は今年の7月に公表予定となっておりまして、平成30年の結果になりますけれども、最も高いのが東京の36万1,009円で、一番低いのが青森で22万4,896円となっております。
34ページ、平均月間総実労働時間と所定外労働時間の推移です。こちらも令和元年の数値は7月に公表予定となっております。平成30年の結果になりますけれども、平均月間総実労働時間、左側の欄ですけれども、一番長いのが佐賀県の158.8時間、一番短いのは奈良の137.3時間となっています。右側の所定外労働時間の最長は愛知の16.3時間、最短は奈良の8.1時間となっております。
35ページ、消費者物価の対前年上昇率の推移です。令和元年は岡山を除きプラスとなっております。令和2年の足下の状況は、月によって変動が大きいですけれども、対前年上昇率がマイナスとなる都道府県が出てきております。
36ページ、消費者物価地域差指数の推移です。令和元年結果では、消費者物価地域差指数が最も大きいのは神奈川県の103.9、最も小さいのは群馬と奈良の97.3となっております。
37ページ以降は労働者数等の推移です。まず、37ページは常用労働者数の推移です。こちらは毎月勤労統計調査地方調査によるもので、事業所規模5人以上が対象となっております。こちらも令和元年の数値は7月に公表予定となっています。平成30年の結果になりますけれども、多くの都道府県で常用労働者が増加しております。
38ページ、雇用保険の被保険者数の推移です。雇用保険業務統計によるもので、事業所規模は限定されませんけれども、一般被保険者としては週の所定労働時間が20時間以上と31日以上の雇用見込みといった要件があります。また、被保険者の人数についてですけれども、雇用保険は本社のみで業務管理を行っている場合など、本社が支社を一括して適用事業所の届出を行う場合があるといった特徴があります。その中で見てみますと、雇用保険の被保険者数は増加傾向で推移しており、令和元年は秋田を除きまして全ての都道府県で前年から増加しています。全国計では前年比1.5%のプラスとなっております。
39ページ、就業者数の推移です。これは労働力調査都道府県別結果のモデル推計値によるもので、雇用者だけではなく自営業者等を含めた就業者全体の推移になります。令和元年を見てみますと、前年と比べて就業者数が増加した県と減少した県があります。全国計では、前年比0.9%のプラスとなっております。
次に、Ⅲの業務統計資料編に入ります。40ページは、昨年度の改定審議の状況です。右側に裁決状況を記載していまして、備考2の欄に説明がありますけれども、全会一致が16件ありました。使用者側反対が24件ありました。労働者側反対が2件となっております。
41ページ、目安と改定額との関係の推移です。令和元年度は、目安プラスが計19県でした。内訳は+3円が鹿児島で1県、+2円が11県、+1円が7県でした。
42ページ、効力発生年月日の推移です。令和元年度につきましては、26都府県が10月1日発効となっています。最も遅くても10月6日で群馬、新潟となっております。
43ページ、加重平均額と引上げ率の推移を全国・ランク別に見たものです。令和元年度は全国で見ると3.09%の引上げ率となっております。Dランクになるほど引上げ率は高くなっています。
44ページ、地域別最低賃金の最高額と最低額及び格差の推移です。令和元年は最高額は東京の1,013円、最低額は下の※6にあります15県で790円となっております。東京を100としますと最低額は78.0となり、率での格差は5年連続で縮小しております。
45ページ、地域別最低賃金引上げ率の推移をまとめたものです。引上げ率で見て一番高かったのは鹿児島の3.81%で、一番低かったのは東京の2.84%となっております。
46ページ、47ページは全国の労働基準監督署において最低賃金の履行確保を主眼とする監督指導結果をまとめたものです。例年1~3月期に実施しておりますけれども、令和2年は1万5,600事業所に対して実施しています。事業場の違反率は13.3%、最低賃金未満の労働者の比率は、一番右側になりますけれども3.2%となっております。この監督指導の対象となる事業場につきましては、各労働基準監督署において影響率の高い業種や過去の違反率が高い業種等を踏まえ、監督指導が効果的・効率的に行われるよう選定しておりますので、統計的な数値とは異なるものであることに御留意ください。
47ページは、監督指導結果の業種別の状況です。業種ごとに監督実施事業場数というのは大きく異なりますけれども、参考に御覧いただければと思います。資料No.1の説明は以上です。
○藤村委員長
労働力調査の結果が来週の初めに出ますので、それがどのような状況になっているかによってまた議論の方向も変わってくると思います。取りあえず、資料1に関する御質問、並びに次回以降提出を求める資料が労使双方でありましたらお出しいただきたいと思います。いかがでしょうか。
○池田委員
今年の目安審議では、取り分け、先ほどの総理から加藤大臣への御指示にもありましたように、中小企業、小規模事業者とそこで働く労働者の状況を正確に把握することが例年にも増して重要ではないかと考えております。事務局におかれましては、先ほど藤村委員長からもお求めがありましたように、新型コロナウイルス感染症による経済や雇用への影響が把握できる有益な資料を可能な限り、産業別・規模別・地域別に御準備いただきたいと考えています。
具体的には、まず、解雇等見込みの労働者数や雇用調整の可能性のある事業所数など、ハローワーク等で把握をされている数値があると思いますので、そうした数値について、産業別・地域別のみならず規模別に分析して開示していただきたいと考えています。また、大幅に増加している休業者数について、産業別、・規模別・地域別など、データが出せるものについては御提供をお願い申し上げます。加えて、新型コロナ関連の倒産件数等についてのデータもお願いいたします。
最後に、今回のコロナ禍の下、各企業は事業の継続と雇用の維持を最優先に懸命に努力しているところですが、政府から経済界に対して数次にわたり雇用維持を求める要請があり、経済界はそれを重く受け止めて最大限の努力をしているところです。政府が発出された雇用維持に関する要請書も、参考資料として御提出いただければと考えます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○藤村委員長
ほかに何かございますか。
○橋本委員
今、池田委員から示された資料に加えて、1つ具体的にお願いしたいことがあります。基礎資料の説明の16、17ページに、未満率と影響率のデータがあったかと思います。例年では次回辺りに、地域別と都道府県別の影響率と未満率等のデータを示していただいていたものと思っておりますが、今回これに加えて、業種別と産業別の影響率と未満率のデータも追加でお出しいただきたいと考えております。
私どもの調査でも、全産業おしなべて新型コロナウイルスの影響がかなり出ております。とりわけ、飲食業や宿泊業、いわゆるサービス業、小売業、製造業で影響が顕著になっております。そうした観点から、影響率や未満率がどのぐらい業種別で偏りがあるのかを見極めるためにも、このデータを出していただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○藤村委員長
ここのルールは、労使双方が合意したデータを出すということです。今の経営側のお求めに対して、労働側はいかがでしょうか。
○冨田委員
労働側も追加の資料を幾つか求めたいので、先にそちらを申し上げてから、全体的にどうするかを御議論いただければ有り難いと思っております。先ほどの本審で、藤村会長から、現下のコロナ禍の影響が分かる資料を事務方に御要望されておりました。私どもも、非常に広い観点で様々なものを見ていく必要があるのではないかと思っており、2点要望致します。
コロナ禍の中で、先ほど来から使用者側の先生方からもいろいろ御発言がありましたが、雇用維持に向けて非常に多大な御努力をしていただいていることは、私どもも認識しておりますが、結果として、雇用調整助成金の活用を通じて休業を余儀なくされている状況の労働者が多数いる関係から、労働者自体の総収入が相当程度変化しているのではないかと考えております。つきましては、そうした状況が分かる資料、それから世帯の消費動向にも相当程度変化があると思いますので、それらの分かる資料を追加で要望させていただきたいと思います。
併せて今回、6月に第二次補正予算も確認されておりますが、この補正予算の中には、当然のことながら、先ほど申し上げた現下の情勢の雇用調整助成金の拡充、中小企業に対する持続化給付金の創設、家賃補助、資金繰り対策などの雇用を守るための対策と併せて、GoToキャンペーンなど、正に経済再生に向けた予算も付いているわけですので、これらの効果がどのような形となって、この先の日本経済に影響があるかというところも判断しておく必要があるのではないかと思います。先ほどのコロナ禍の状況に対する資料の中では、そうしたものが分かる資料も併せて御準備いただくようにお願いしておきたいと思います。
それから、今頂いた主要統計資料の中で、もう少し具体のものを出していただきたいものがありますので何点か要望いたします。7ページに高卒初任給の上昇幅を表す資料がありましたが、できましたら、こちらについては高卒初任給の実額が把握できる資料をお出しいただきたいと思っております。
それから、44ページには地域間格差を示す資料が入っておりましたが、こちらについては、時間額に統一された2002年以降の状況が分かるような資料も併せて追加いただければと思っております。
それから、主要統計資料自体ではないのですが、例年お願いさせていただいているパート労働者の募集時給が把握できる資料で、ハローワークの募集時給について今年も提出を要望したいと思います。
それから、昨年の目安に関する小委員会報告における公益の先生の御見解の中では、消費税増税が消費者物価に与える影響と中小企業、小規模事業者の賃上げの環境の状況なども見ながら判断というような御見解がありましたので、消費増税以降の消費者物価がどのようになっているのかというのを、先ほどは令和元年度の数字がありましたが、足下の状況なども含めて分かるものを御提出いただきたいと思います。加えて、公益委員見解には中小企業、小規模事業者が賃上げしやすい環境整備のために、政府においては効果的かつ思い切った支援策を講ずるということも示されておりましたので、それらの状況が分かるものについても資料として御提出いただけたらと思っております。多々申し上げましたが、私どもからは以上です。
○藤村委員長
分かりました。労使双方からいろいろな追加の資料の御要望が出てきております。ここでの議論をより円滑にするために、できるだけ多くのデータを見た上で議論していくことが必要かと思います。事務局としては、いかがですか。
○五百籏頭賃金課長
様々な御要望を頂戴いたしました。事務局としては、最善を尽くし工夫を凝らしたものを用意したいと思っております。ただ、頂いたものはかなり多岐にわたっており、他部局や他府省にまたがる資料を整える必要があります。お求めいただいたもののうち、そもそもそういうものがあるのかどうか、また例えば、各種ある支援策の状況と言ったときに、件数でお示ししにくいような内容もあろうかと思います。この辺りは、それぞれの所と確認、調整を行いつつ、具体のお示しの仕方については、御相談しながら用意していくという形にさせていただければ幸いです。
○藤村委員長
分かりました。次回は7月10日(金)で2週間後です。長時間労働を強いるようなことは余りしたくないのだけれども、事務局には、できるだけそれぞれの御要望に沿った資料を御用意いただきたいと思います。労使双方で今、こういうものを出してほしいということでしたが、それは困るというものはありましたか。よろしいでしょうか。
では、私も必ずしも全部きちんとメモしきれていない部分もありますが、コロナ禍の影響を知ることができる資料、並びに現在の労働者の賃金あるいは生活の実態が分かるような資料、それから補正予算の効果がこれからどのように出てくるか、これはなかなか難しいと思いますが、そういったものを御準備いただきたいと思います。
そのほかに、何か御発言いただくことはございますか。よろしいでしょうか。いろいろ御要望が出てきたことについて、事務局と調整をしていただきながら、事務局に準備をお願いしたいと思います。それでは、事務局が今後の日程案について資料を用意しておりますので、説明をお願いします。
○五百籏頭賃金課長
お手元の資料No.2に記載しております。次回以降は、7月10日(金)、7月15日(水)、7月20日(月)に小委員会を開催いたしたいと存じますが、いかがでしょうか。
○藤村委員長
この予定案について、何か御意見はございますか。
○佐久間委員
スケジュール感については異議はありません。また、お願いなのですが、私は今回で3年目、3回目となります。一番最初の年は、大体明け方の2時半頃、昨年はもう少し早くなるかと思ったら、やはり4時過ぎで電車が走り始めたということでしたので、交渉の経緯があるのでなかなか難しいと思いますが、できましたら、せめて電車があるうちには帰りたいと考えておりますので、双方、円滑な審議をお願いできればと思います。以上です。
○藤村委員長
確かに、早めに終わることができれば一番いいのですが、交渉事ですからなかなかそうもいかないというところもあるかもしれませんけれども、効率的にやるということをお願いしたいと思います。そのほかに何か御発言はございますか。よろしいでしょうか。
では、最後に私から幾つかお願いをしたいと思います。次回の第2回目の目安に関する小委員会の日程ですが、ただいま説明がありましたように7月10日(金)に予定されております。第2回の小委員会の場では、労使委員の皆様におかれまして、今年度の目安についての基本的な考え方を表明していただきたいので、そのための準備をお願いしたいと思います。
事務局におかれましては、例年提出をお願いしている次の資料、賃金改定状況調査の資料、最低賃金と生活保護の水準との乖離関係の資料、都道府県別の賃金分布が分かる資料、ランク別・都道府県別の未満率及び影響率の資料を準備するようにお願いいたします。やたらたくさんお願いをして恐縮なのですが、先ほど本審でも申し上げたように、新型コロナウイルス感染症の現状や影響等をまとめた資料についても、併せて用意いただきたいと思います。よろしくお願いします。
○五百籏頭賃金課長
種々、宿題を頂戴したこれらについて、事務局で次回まとめて提出できるよう、それぞれ各サイドの皆様と御相談しながら進めてまいります。
○藤村委員長
では、よろしくお願いします。それでは、これをもちまして、本日の小委員会は終了いたします。議事録の署名については、冨田委員と橋本委員にお願いいたします。皆様、どうもお疲れさまでございました。ありがとうございました。
ただいまから、第1回目安に関する小委員会を開催いたします。まず、小委員会の公開についてですが、従前から、審議自体を公開することは、運営規程第6条第1項に定めております「率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがある場合」等に該当するということで、この規定を小委員会についても準用することといたしまして、非公開としております。本年についても同様にするということで、よろしいでしょうか。
(異議なし)
○藤村委員長
皆さんの御一致を得られましたので、目安に関する小委員会は非公開といたします。会場の準備を行う必要がありますので、暫時休憩にいたします。
(休憩)
○藤村委員長
では、再開したいと思います。今年もまた始まりましたね。どうぞよろしくお願いいたします。お手元の資料No.1の主要統計資料について、事務局から御説明をお願いしたいと思います。
○手計賃金課長補佐
事務局から説明させていただきます。説明の間に自治体等から最低賃金に関する御要望、御意見が届いておりますので、こちらを回覧させていただきたいと思います。まず、資料No.1、主要統計資料を御覧ください。資料No.1は3部の構成になっておりまして、1枚おめくりいただくと目次があります。Ⅰが全国統計資料編です。次のページ、Ⅱとして都道府県統計資料編です。次のページ、Ⅲが業務統計資料編となっております。ポイントを絞って説明いたします。
まず、1ページになります。主要指標の推移です。まず、GDPにつきましては、真ん中辺りを御覧いただくと、令和元年は前年比で名目が1.3%の増加、実質が0.7%の増加となっております。昨年の第4四半期以降、前期比がマイナスとなっていますけれども、令和2年第1四半期におきましては、前期比が名目で0.5%の減少、実質が0.6%の減少となっております。
右にいきまして、鉱工業生産指数については、令和元年は前年比3.0%減、製造工業稼働率指数につきましては、令和元年は3.1%減となっています。これらの指数におきましては、今年2月以降マイナスが続いております。
次に、倒産件数です。令和元年は前年比1.8%増となっており、11年ぶりに前年より増加しました。昨年の第3四半期から前年同期で増加しておりまして、今年に入っても4月まで増加が続いていましたが、5月は前年同月比で54.8%の減少となっています。これは東京商工リサーチによりますと、新型コロナ感染拡大で裁判所の一部業務の縮小や手形の不渡り猶予などの支援策に加えて、廃業・倒産の判断先送りなども記録的な減少を後押ししたと見られるとのことです。
次に、完全失業者数です。令和元年は162万人、前年から4万人の減少となっています。これまでは前年に比べて10万人以上の減少でありましたけれども、減少幅は縮小しています。足下の2月以降では増加傾向にあります。一番右、完全失業率は、前年と同水準の2.4%となっておりまして、これまでは低下傾向でしたけれども、令和元年は横ばいとなっています。足下では、4月は2.6%となっており、上昇傾向ではありますけれども、過去の悪かった時期に比べれば低い水準となっています。
続いて、2ページです。左からまいりますが、求人倍率は新規求人倍率、有効求人倍率ともに改善が続いていましたけれども、令和元年の有効求人倍率は1.60倍と前年に比べて0.01ポイント低下しました。足下では、今年4月の新規求人倍率は1.85倍、有効求人倍率は1.32倍と前月に比べ、それぞれ0.41ポイント、0.07ポイント低下となっていますが、1倍を超えている状況にあります。
その右が消費者物価指数になります。令和元年は0.6%の上昇となっております。四半期で見ますと、昨年後半にかけて上昇しています。足下の推移は後ほど説明いたします。その次は国内企業物価指数になりますが、令和元年は0.2%の上昇となっています。
現金給与総額の指数の調査産業計につきましては、令和元年の名目指数は前年比0.2%の減少、実質指数は前年比0.8%の減少となっております。また、右側の製造業のみの動きを御覧いただくと、名目指数は0.2%の増加、実質指数は0.4%の減少となっています。
3ページです。有効求人倍率の推移です。都道府県ごとの有効求人倍率を単純平均して、ランクごとに表にしたものです。令和元年を見ますと、前年と比べてCランクで0.01ポイント上昇しましたけれども、他のランクでは低下となっています。今年に入ってからは各月とも全てのランクで低下が続いていますけれども、1倍は超えている状況にあります。
4ページです。年齢別の常用求人倍率の推移です。おおむねどの年齢層も平成22年以降上昇傾向で推移していますけれども、令和元年は前年と比べ49歳以下の年齢層で上昇、50歳以上の年齢層で低下となっています。
5ページ、賃金の推移です。一番上の真ん中辺りになりますが、令和元年の30人以上の事業所の現金給与総額の増減率は0.2%の減少となっています。また、現金給与総額の30~99人の事業所は、令和元年は0.5%減、5~29人の事業所は0.1%減となっております。次に、下の定期給与額です。定期給与額は現金給与総額から賞与等の特別の給与を除いたものになります。30人以上の事業所の定期給与額の増減率は、令和元年は0.1%増とプラスが続いています。30~99人と5~29人の事業所は、令和元年はそれぞれ0.6%減、0.2%減となっています。後ほど、労働時間指数の推移の箇所で御説明しますけれども、時間当たり給与は増加しています。また、定期給与額の値の中に括弧の数字が入ったものがありますけれども、この数値は定期給与額から更に残業代などの所定外給与を除いたものである所定内給与額についての増減率です。令和元年は、30人以上の事業所で0.1%増、30~99人、5~29人の事業所では、それぞれ0.7%の減、0.1%の減となっており、おおむね定期給与額と同様の動きとなっております。
6ページ、パートタイム労働者比率の推移です。資料の右側に記載している令和元年は、規模30人以上で25.59%、一番下の行の5~29人規模では39.78%と、いずれも前年に比べて上昇しています。
7ページ、初任給の上昇額・率の推移です。一番下に記載されている令和2年度は、速報値ですけれども、前年よりも0.5%から0.8%の上昇となっています。
8ページ、賃金指数及び労働時間指数の推移です。こちらは事業所規模30人以上の数字になります。先ほど5ページにもありましたけれども、令和元年は所定内給与が前年比0.1%増、所定内労働時間は2.1%の減、労働時間の減少が大きく寄与して、結果として時間当たり給与は2.3%の増となっております。資料の一番下の令和2年の第1四半期においても時間当たり給与は増加しています。
9ページ、賃金・労働時間指数の推移の続きですけれども、こちらは事業所規模が5~29人です。令和元年は所定内給与が前年比0.1%減で、所定内労働時間が2.4%減となり、結果として時間当たり給与は2.3%増となっています。一番下に記載のある令和2年の第1四半期も時間当たり給与は増加しています。
10ページ、一般労働者の賃金・労働時間の推移です。賃金構造基本統計調査の企業規模10人以上で見ますと、令和元年は所定内給与額は増加、所定内労働時間は減少し、時間当たり所定内給与は+3.0%となっております。その右、10~99人の規模では、時間当たり所定内給与は+3.6%、5~9人の規模では、時間当たり所定内給与は+1.9%となっております。
11ページ、月間労働時間の動きです。こちらは所定内労働時間と所定外労働時間を規模別で見たものになりますけれども、令和元年は30人以上の所定内労働時間は2.1%の減少、5~29人の所定内労働時間は2.4%の減少となっております。所定外労働時間についても、30人以上及び5~29人ともに調査産業計及び製造業でマイナスとなっています。令和2年の足下の状況ですけれども、減少幅が拡大しております。
12ページ、春季賃上げの妥結状況です。これは、連合と経団連の集計結果を記載しております。私から御説明させていただきますが、補足がありましたら後ほどお願いいたします。まず、連合の平均賃上げ方式(加重平均)の規模計において、今年の第6回集計では2.13%となっております。なお、この数値は賃上げ分が明確に分かる組合を集計したものです。その下に、連合の有期・短時間・契約等労働者の賃上げ額を記載しています。時給では単純平均で25.18円の賃上げ、加重平均では27.16円の賃上げとなっております。次に、右上の経団連の大手企業の平均賃上げ方式(加重平均)では、今年度の第1回集計は2.17%、右下の中小企業の平均賃上げ方式(加重平均)では、第1回の集計は1.72%となっております。
13ページ、厚生労働省の賃金引上げ等の実態に関する調査から、賃上げ額・率の推移を示したものです。令和元年の改定率は加重平均で2.0%でした。右側の表は、賃金の改定の決定に当たり最も重視した要素ですけれども、企業業績が最も高い割合となっております。
14ページ、夏季賞与・一時金の妥結状況を連合と経団連の集計結果で御紹介いたします。補足等があれば後ほどお願いいたします。まず、連合の集計になりますけれども、夏季、年間とありまして、今年の回答月数、回答額について、それぞれ夏季は2.28か月、68万0,033円、年間では4.83か月、158万6,314円となっております。続いて、経団連の集計では、今年は妥結額92万5,947円、増減率では6.0%の減少となっています。
15ページ、消費者物価指数の上昇率の推移をランク別に見たものです。令和元年の全国は先ほど申し上げたように0.6%の上昇ということになりますけれども、各ランクとも0.5%から0.6%の上昇となっております。足下で見てみますと、上昇率が鈍化している傾向にあります。
16ページ、地域別最低賃金額と未満率及び影響率の推移です。こちらは、最低賃金に関する基礎調査に基づく数値でありまして、事業所規模30人未満、製造業等は100人未満が対象になりますけれども、令和元年度の未満率は1.6%で、平成30年度から微減となっています。影響率は16.3%で、平成30年度から2.5ポイント上昇し、過去最高を更新しています。
17ページ、同じく未満率及び影響率を賃金構造基本統計調査から特別集計したものです。事業所規模5人以上が対象ですけれども、令和元年の未満率は1.9%、影響率は6.0%と、平成30年度から上昇しており、影響率は過去最高を更新しています。
18ページ、地域別最低賃金と賃金水準との関係を、賃金構造基本統計調査の短時間労働者を含まない一般労働者の数字で見ております。令和元年の産業計・企業規模10人以上の時間当たり所定内給与額に対する最低賃金額の割合は、真ん中辺りの「時間額比①/④」という所に記載していますけれども、46.9%と微増となっています。一方、企業規模10~99人では、一番右の「時間額比①/⑦」と書いてある所ですけれども、令和元年は55.4%と微減となっております。
19ページ、同様のデータを短時間労働者について規模別に男女計と女性で見たものです。令和元年も全体的に上昇傾向が続いております。
20ページ、同様の割合について、毎月勤労統計調査のパートタイム労働者を含む常用労働者の数字で見たものです。時間当たり所定内給与に対する最低賃金の比率は毎年上昇しておりまして、一番右側の時間額比①/⑤の列の一番下に記載のありますとおり、令和元年は43.9%と上昇しております。
21ページ以降は、企業の業況判断及び収益に関するデータです。まず、日銀短観による業況判断です。業況判断については、令和元年は規模計の製造業で9月調査以降マイナスとなっておりまして、足下の3月調査でもマイナスが続いています。先行きでは製造業・非製造業とも全ての規模でマイナスとなっております。
続いて、22ページになります。経常利益についてです。平成30年度は規模計で、製造業でマイナス、非製造業でプラスとなっています。令和元年度・2年度の令和2年3月調査時点での計画(予測)になりますけれども、製造業・非製造業とも全ての規模でマイナスの見込みとなっております。ただし、令和2年度はマイナス幅が縮小する規模・産業もあります。右側の売上高経常利益率、つまり売上高に対する経常利益の割合ですけれども、令和元年度の計画では、いずれの規模・産業でも低下となっております。令和2年度の計画(予測)では、中小企業・製造業で上昇の見込みとなっております。
23ページ、24ページは、21、22ページの数字を時系列でグラフにしたものですので御参照ください。
25ページ、法人企業統計による企業収益です。令和元年4~6月期以降、経常利益の前年同期比が規模計でマイナスとなっております。足下の令和2年1~3月期では、全ての規模でマイナスとなっています。
26ページ、中小企業景況調査による業況判断です。令和元年は引き続きマイナスで推移しておりまして、令和2年1~3月期は-32.6%で大幅に減少となっております。
27ページですけれども、26ページの数字を時系列でグラフにしたものですので、御参照ください。
28ページ、従業員1人当たり付加価値額の推移です。平成30年度は、産業・資本金規模計ではマイナスとなっておりますけれども、製造業の資本金1,000万円未満の規模、非製造業の資本金1億円以上の規模ではプラスとなっております。
29ページですが、28ページの数字を昭和62年度以降、時系列でグラフにしたものですので、御参照ください。
続いて、Ⅱの都道府県統計資料編についてです。まず30ページ、各種関連指標のデータを掲載しております。このページの指数は、東京を100としたときの各都道府県の指数を示したものです。一番左の欄の1人当たり県民所得は、内閣府の県民経済計算による平成28年度の数値ですけれども、東京が100で一番高くて、一番低いのが沖縄の42.5となっています。中央の標準生計費は、各都道府県の人事委員会が作成している数値になります。一番右の欄の高卒初任給は、厚生労働省の賃金構造基本統計調査の数字です。男女別で見ておりますけれども、一番高いのは男性で滋賀、女性では東京、一番低いのは男女ともに沖縄となっております。
31ページ、有効求人倍率の推移です。令和元年は一番高いのが東京の2.10倍、低いのは沖縄の1.19倍となっております。
32ページ、失業率の推移です。これは労働力調査都道府県別結果のモデル推計値によるものになりますけれども、右から2番目の列、令和元年は最も失業率が高いのが大阪の2.9%、一番低いのが三重の1.2%となっております。
33ページ、定期給与の推移です。令和元年の数値は今年の7月に公表予定となっておりまして、平成30年の結果になりますけれども、最も高いのが東京の36万1,009円で、一番低いのが青森で22万4,896円となっております。
34ページ、平均月間総実労働時間と所定外労働時間の推移です。こちらも令和元年の数値は7月に公表予定となっております。平成30年の結果になりますけれども、平均月間総実労働時間、左側の欄ですけれども、一番長いのが佐賀県の158.8時間、一番短いのは奈良の137.3時間となっています。右側の所定外労働時間の最長は愛知の16.3時間、最短は奈良の8.1時間となっております。
35ページ、消費者物価の対前年上昇率の推移です。令和元年は岡山を除きプラスとなっております。令和2年の足下の状況は、月によって変動が大きいですけれども、対前年上昇率がマイナスとなる都道府県が出てきております。
36ページ、消費者物価地域差指数の推移です。令和元年結果では、消費者物価地域差指数が最も大きいのは神奈川県の103.9、最も小さいのは群馬と奈良の97.3となっております。
37ページ以降は労働者数等の推移です。まず、37ページは常用労働者数の推移です。こちらは毎月勤労統計調査地方調査によるもので、事業所規模5人以上が対象となっております。こちらも令和元年の数値は7月に公表予定となっています。平成30年の結果になりますけれども、多くの都道府県で常用労働者が増加しております。
38ページ、雇用保険の被保険者数の推移です。雇用保険業務統計によるもので、事業所規模は限定されませんけれども、一般被保険者としては週の所定労働時間が20時間以上と31日以上の雇用見込みといった要件があります。また、被保険者の人数についてですけれども、雇用保険は本社のみで業務管理を行っている場合など、本社が支社を一括して適用事業所の届出を行う場合があるといった特徴があります。その中で見てみますと、雇用保険の被保険者数は増加傾向で推移しており、令和元年は秋田を除きまして全ての都道府県で前年から増加しています。全国計では前年比1.5%のプラスとなっております。
39ページ、就業者数の推移です。これは労働力調査都道府県別結果のモデル推計値によるもので、雇用者だけではなく自営業者等を含めた就業者全体の推移になります。令和元年を見てみますと、前年と比べて就業者数が増加した県と減少した県があります。全国計では、前年比0.9%のプラスとなっております。
次に、Ⅲの業務統計資料編に入ります。40ページは、昨年度の改定審議の状況です。右側に裁決状況を記載していまして、備考2の欄に説明がありますけれども、全会一致が16件ありました。使用者側反対が24件ありました。労働者側反対が2件となっております。
41ページ、目安と改定額との関係の推移です。令和元年度は、目安プラスが計19県でした。内訳は+3円が鹿児島で1県、+2円が11県、+1円が7県でした。
42ページ、効力発生年月日の推移です。令和元年度につきましては、26都府県が10月1日発効となっています。最も遅くても10月6日で群馬、新潟となっております。
43ページ、加重平均額と引上げ率の推移を全国・ランク別に見たものです。令和元年度は全国で見ると3.09%の引上げ率となっております。Dランクになるほど引上げ率は高くなっています。
44ページ、地域別最低賃金の最高額と最低額及び格差の推移です。令和元年は最高額は東京の1,013円、最低額は下の※6にあります15県で790円となっております。東京を100としますと最低額は78.0となり、率での格差は5年連続で縮小しております。
45ページ、地域別最低賃金引上げ率の推移をまとめたものです。引上げ率で見て一番高かったのは鹿児島の3.81%で、一番低かったのは東京の2.84%となっております。
46ページ、47ページは全国の労働基準監督署において最低賃金の履行確保を主眼とする監督指導結果をまとめたものです。例年1~3月期に実施しておりますけれども、令和2年は1万5,600事業所に対して実施しています。事業場の違反率は13.3%、最低賃金未満の労働者の比率は、一番右側になりますけれども3.2%となっております。この監督指導の対象となる事業場につきましては、各労働基準監督署において影響率の高い業種や過去の違反率が高い業種等を踏まえ、監督指導が効果的・効率的に行われるよう選定しておりますので、統計的な数値とは異なるものであることに御留意ください。
47ページは、監督指導結果の業種別の状況です。業種ごとに監督実施事業場数というのは大きく異なりますけれども、参考に御覧いただければと思います。資料No.1の説明は以上です。
○藤村委員長
労働力調査の結果が来週の初めに出ますので、それがどのような状況になっているかによってまた議論の方向も変わってくると思います。取りあえず、資料1に関する御質問、並びに次回以降提出を求める資料が労使双方でありましたらお出しいただきたいと思います。いかがでしょうか。
○池田委員
今年の目安審議では、取り分け、先ほどの総理から加藤大臣への御指示にもありましたように、中小企業、小規模事業者とそこで働く労働者の状況を正確に把握することが例年にも増して重要ではないかと考えております。事務局におかれましては、先ほど藤村委員長からもお求めがありましたように、新型コロナウイルス感染症による経済や雇用への影響が把握できる有益な資料を可能な限り、産業別・規模別・地域別に御準備いただきたいと考えています。
具体的には、まず、解雇等見込みの労働者数や雇用調整の可能性のある事業所数など、ハローワーク等で把握をされている数値があると思いますので、そうした数値について、産業別・地域別のみならず規模別に分析して開示していただきたいと考えています。また、大幅に増加している休業者数について、産業別、・規模別・地域別など、データが出せるものについては御提供をお願い申し上げます。加えて、新型コロナ関連の倒産件数等についてのデータもお願いいたします。
最後に、今回のコロナ禍の下、各企業は事業の継続と雇用の維持を最優先に懸命に努力しているところですが、政府から経済界に対して数次にわたり雇用維持を求める要請があり、経済界はそれを重く受け止めて最大限の努力をしているところです。政府が発出された雇用維持に関する要請書も、参考資料として御提出いただければと考えます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○藤村委員長
ほかに何かございますか。
○橋本委員
今、池田委員から示された資料に加えて、1つ具体的にお願いしたいことがあります。基礎資料の説明の16、17ページに、未満率と影響率のデータがあったかと思います。例年では次回辺りに、地域別と都道府県別の影響率と未満率等のデータを示していただいていたものと思っておりますが、今回これに加えて、業種別と産業別の影響率と未満率のデータも追加でお出しいただきたいと考えております。
私どもの調査でも、全産業おしなべて新型コロナウイルスの影響がかなり出ております。とりわけ、飲食業や宿泊業、いわゆるサービス業、小売業、製造業で影響が顕著になっております。そうした観点から、影響率や未満率がどのぐらい業種別で偏りがあるのかを見極めるためにも、このデータを出していただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○藤村委員長
ここのルールは、労使双方が合意したデータを出すということです。今の経営側のお求めに対して、労働側はいかがでしょうか。
○冨田委員
労働側も追加の資料を幾つか求めたいので、先にそちらを申し上げてから、全体的にどうするかを御議論いただければ有り難いと思っております。先ほどの本審で、藤村会長から、現下のコロナ禍の影響が分かる資料を事務方に御要望されておりました。私どもも、非常に広い観点で様々なものを見ていく必要があるのではないかと思っており、2点要望致します。
コロナ禍の中で、先ほど来から使用者側の先生方からもいろいろ御発言がありましたが、雇用維持に向けて非常に多大な御努力をしていただいていることは、私どもも認識しておりますが、結果として、雇用調整助成金の活用を通じて休業を余儀なくされている状況の労働者が多数いる関係から、労働者自体の総収入が相当程度変化しているのではないかと考えております。つきましては、そうした状況が分かる資料、それから世帯の消費動向にも相当程度変化があると思いますので、それらの分かる資料を追加で要望させていただきたいと思います。
併せて今回、6月に第二次補正予算も確認されておりますが、この補正予算の中には、当然のことながら、先ほど申し上げた現下の情勢の雇用調整助成金の拡充、中小企業に対する持続化給付金の創設、家賃補助、資金繰り対策などの雇用を守るための対策と併せて、GoToキャンペーンなど、正に経済再生に向けた予算も付いているわけですので、これらの効果がどのような形となって、この先の日本経済に影響があるかというところも判断しておく必要があるのではないかと思います。先ほどのコロナ禍の状況に対する資料の中では、そうしたものが分かる資料も併せて御準備いただくようにお願いしておきたいと思います。
それから、今頂いた主要統計資料の中で、もう少し具体のものを出していただきたいものがありますので何点か要望いたします。7ページに高卒初任給の上昇幅を表す資料がありましたが、できましたら、こちらについては高卒初任給の実額が把握できる資料をお出しいただきたいと思っております。
それから、44ページには地域間格差を示す資料が入っておりましたが、こちらについては、時間額に統一された2002年以降の状況が分かるような資料も併せて追加いただければと思っております。
それから、主要統計資料自体ではないのですが、例年お願いさせていただいているパート労働者の募集時給が把握できる資料で、ハローワークの募集時給について今年も提出を要望したいと思います。
それから、昨年の目安に関する小委員会報告における公益の先生の御見解の中では、消費税増税が消費者物価に与える影響と中小企業、小規模事業者の賃上げの環境の状況なども見ながら判断というような御見解がありましたので、消費増税以降の消費者物価がどのようになっているのかというのを、先ほどは令和元年度の数字がありましたが、足下の状況なども含めて分かるものを御提出いただきたいと思います。加えて、公益委員見解には中小企業、小規模事業者が賃上げしやすい環境整備のために、政府においては効果的かつ思い切った支援策を講ずるということも示されておりましたので、それらの状況が分かるものについても資料として御提出いただけたらと思っております。多々申し上げましたが、私どもからは以上です。
○藤村委員長
分かりました。労使双方からいろいろな追加の資料の御要望が出てきております。ここでの議論をより円滑にするために、できるだけ多くのデータを見た上で議論していくことが必要かと思います。事務局としては、いかがですか。
○五百籏頭賃金課長
様々な御要望を頂戴いたしました。事務局としては、最善を尽くし工夫を凝らしたものを用意したいと思っております。ただ、頂いたものはかなり多岐にわたっており、他部局や他府省にまたがる資料を整える必要があります。お求めいただいたもののうち、そもそもそういうものがあるのかどうか、また例えば、各種ある支援策の状況と言ったときに、件数でお示ししにくいような内容もあろうかと思います。この辺りは、それぞれの所と確認、調整を行いつつ、具体のお示しの仕方については、御相談しながら用意していくという形にさせていただければ幸いです。
○藤村委員長
分かりました。次回は7月10日(金)で2週間後です。長時間労働を強いるようなことは余りしたくないのだけれども、事務局には、できるだけそれぞれの御要望に沿った資料を御用意いただきたいと思います。労使双方で今、こういうものを出してほしいということでしたが、それは困るというものはありましたか。よろしいでしょうか。
では、私も必ずしも全部きちんとメモしきれていない部分もありますが、コロナ禍の影響を知ることができる資料、並びに現在の労働者の賃金あるいは生活の実態が分かるような資料、それから補正予算の効果がこれからどのように出てくるか、これはなかなか難しいと思いますが、そういったものを御準備いただきたいと思います。
そのほかに、何か御発言いただくことはございますか。よろしいでしょうか。いろいろ御要望が出てきたことについて、事務局と調整をしていただきながら、事務局に準備をお願いしたいと思います。それでは、事務局が今後の日程案について資料を用意しておりますので、説明をお願いします。
○五百籏頭賃金課長
お手元の資料No.2に記載しております。次回以降は、7月10日(金)、7月15日(水)、7月20日(月)に小委員会を開催いたしたいと存じますが、いかがでしょうか。
○藤村委員長
この予定案について、何か御意見はございますか。
○佐久間委員
スケジュール感については異議はありません。また、お願いなのですが、私は今回で3年目、3回目となります。一番最初の年は、大体明け方の2時半頃、昨年はもう少し早くなるかと思ったら、やはり4時過ぎで電車が走り始めたということでしたので、交渉の経緯があるのでなかなか難しいと思いますが、できましたら、せめて電車があるうちには帰りたいと考えておりますので、双方、円滑な審議をお願いできればと思います。以上です。
○藤村委員長
確かに、早めに終わることができれば一番いいのですが、交渉事ですからなかなかそうもいかないというところもあるかもしれませんけれども、効率的にやるということをお願いしたいと思います。そのほかに何か御発言はございますか。よろしいでしょうか。
では、最後に私から幾つかお願いをしたいと思います。次回の第2回目の目安に関する小委員会の日程ですが、ただいま説明がありましたように7月10日(金)に予定されております。第2回の小委員会の場では、労使委員の皆様におかれまして、今年度の目安についての基本的な考え方を表明していただきたいので、そのための準備をお願いしたいと思います。
事務局におかれましては、例年提出をお願いしている次の資料、賃金改定状況調査の資料、最低賃金と生活保護の水準との乖離関係の資料、都道府県別の賃金分布が分かる資料、ランク別・都道府県別の未満率及び影響率の資料を準備するようにお願いいたします。やたらたくさんお願いをして恐縮なのですが、先ほど本審でも申し上げたように、新型コロナウイルス感染症の現状や影響等をまとめた資料についても、併せて用意いただきたいと思います。よろしくお願いします。
○五百籏頭賃金課長
種々、宿題を頂戴したこれらについて、事務局で次回まとめて提出できるよう、それぞれ各サイドの皆様と御相談しながら進めてまいります。
○藤村委員長
では、よろしくお願いします。それでは、これをもちまして、本日の小委員会は終了いたします。議事録の署名については、冨田委員と橋本委員にお願いいたします。皆様、どうもお疲れさまでございました。ありがとうございました。