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第4回循環器病対策推進協議会 議事録
厚生労働省健康局がん・疾病対策課
日時
令和2年3月19日(木)13:00~15:00
場所
TKP赤坂駅カンファレンスセンター ホール13B
(東京都港区赤坂2-14-27 国際新赤坂ビル東館13階)
(東京都港区赤坂2-14-27 国際新赤坂ビル東館13階)
議題
(1) 開会
(2) 循環器病対策推進基本計画骨子案について
(3) その他
(2) 循環器病対策推進基本計画骨子案について
(3) その他
議事
- ○安井課長補佐 定刻となりましたので、ただいまより第4回「循環器病対策推進協議会」を開催いたします。
会議の開催に当たりまして、本日も循環器病対策推進協議会に御出席いただきまして、ありがとうございます。現在厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症対策に省を挙げて取り組んでいるところでございます。その中で、不要不急の大規模な集会などの自粛について、省としても呼びかけをさせていただいている中でございますが、循環器病対策推進協議会に関しましては、これから夏に向け、基本法に基づく基本計画を策定していくという重要な時期であるということを勘案し、感染拡大防止策を十分取った上で開催させていただくことといたしました。
本日は、一般傍聴席は設けず、報道関係者のみの傍聴とさせていただいております。委員、傍聴の皆様におかれましては、せきエチケットを含め、感染拡大防止策について御協力をいただきますようお願い申し上げます。
まず、本日の出席状況について御報告いたします。本日は、安藤美帆委員、中谷祐貴子委員、早坂由美子委員、堀場千秋委員、山本晴子委員から欠席の御連絡をいただいております。
なお、横田裕行委員が途中退席される予定と伺っています。
本日は委員20名のうち15名の方に御出席いただいており、定足数に達していることを御報告申し上げます。
厚生労働省では、審議会等でのペーパーレス化を推進しており、本協議会もペーパーレスで実施いたします。お手元には、タブレット、スタンド、操作説明書を配付しております。操作説明書を参照しながら、一度操作をお試しください。不明点がございましたら、お近くの職員に御質問ください。
続きまして、資料の御確認をお願いいたします。議事次第、座席表、循環器病対策推進協議会委員名簿。資料1、2。参考資料1、2。委員のタブレットに格納しております参考資料2には、一部机上配付扱いのものが含まれます。右上に「協議会後回収」と記載しています。
以上でございます。
資料が御覧いただけない場合は、事務局までお申し出ください。
以上をもちまして、カメラを納めていただきますよう、御協力のほど、よろしくお願いします。
これからの進行は、永井会長にお願いいたします。
○永井会長 ありがとうございます。
それでは、議事を進めてまいります。
前回、2月27日の第3回協議会では、団体からお話を伺った後、主な論点について議論を行いました。
本日は、循環器病対策推進基本計画骨子案について事務局から説明いただき、その後で議論したいと思います。
では、議題2「循環器病対策推進基本計画骨子案について」に移りたいと思います。
まず、資料1「循環器病対策推進基本計画の構成(案)」と資料2「循環器病対策推進基本計画骨子案」の説明を事務局からお願いいたします。
○安井課長補佐 事務局でございます。
資料1を御覧ください。まず、前回の御意見を踏まえ、循環器病対策推進基本計画の構成(案)をお示しします。法の基本理念に照らし、全体目標として、「循環器病の予防や普及啓発」、「保健、医療、福祉サービス提供体制の充実」「循環器病の研究推進」の3つの達成を通じて、「健康寿命の延伸、循環器病の年齢調整死亡率の減少」を目指すとしています。
右側に水色の枠で、予防、循環器病発症後の急性期、回復期~慢性期に分けて記載していますが、この1方向に進むだけではなく、回復期~慢性期において再発予防、重症化予防を行う必要がある、また、循環器病においては、再発を繰り返す可能性があるという観点で、円環状に記載しています。
法の基本的施策を、それぞれ関係が深い部分に配置し記載しており、一番上に全体に係る循環器病対策を推進するための基盤として、情報の収集提供体制の整備等(第18条)としています。
循環器病の予防等の推進(第12条)については、予防だけでなく、発症時の早期対応についても関係すると考えられるため、フェーズとしては予防から急性期にかかる形で記載しています。また、保健サービスの提供体制にも関係すると考えられるため、全体目標のうち、「予防や普及啓発」に加え、「保健、医療、福祉サービス提供体制の充実」にかかるように記載しています。
循環器病を発症した疑いがある者の搬送及び受入れの実施に係る体制の整備等(第13条)を急性期に、循環器病患者等の生活の質の維持向上(第15条)を回復期~慢性期に記載しています。
医療機関の整備等(第14条)、保健、医療及び福祉に係る関係機関の連携協力体制の整備(第16条)、保健、医療又は福祉の業務に従事する者の育成等(第17条)、研究の促進等(第19条)については、予防から急性期、回復期~慢性期にまたがるように記載しています。
資料2を御覧ください。基本計画の骨子案として、文章にしたものになります。
「1.はじめに」には、基本法が平成30年12月に成立し、令和元年12月に施行されたこと。
本計画は、国の循環器病対策の基本的な方向について明らかにするものであり、今後、本計画に基づき、関係者等が一体となって取組を進めていくことが必要であることなどを記載しています。
19行目から「2.これまでの取組と課題」を記載しています。
23行目からですが、予防や普及啓発については、健康日本21(第2次)等に基づき、健康づくりを地域や職場と連携して推進してきた、としています。
保健、医療、福祉サービスについては、救急医療体制の整備を総合的に進めていること。医療・介護・予防・住まい・生活支援が包括的に確保される体制(地域包括ケアシステム)の構築を進めていることなどを記載しています。
循環器病の研究については、健康・医療戦略等に基づき、循環器病の病態解明や新たな治療法の開発等の研究が行われている、としています。
2ページ、4行目からにおいて、このような取組を進める中で、健康寿命は、着実に延伸しており、平均寿命の増加分を上回る健康寿命の延伸を達成している、としています。
また、年齢調整死亡率は、年々減少傾向であるとしています。
15行目からですが、これまでの循環器病対策は、国民の健康寿命の延伸や年齢調整死亡率の減少に確実に貢献してきたと考えられる一方で、様々な施策が個別に実施され、体系的に整理されていないこと等が課題として指摘されている、としています。
こうした状況を踏まえ、今般、我が国においても、循環器病対策を総合的に推進するため、循環器病対策推進基本計画を策定すると記載しています。
23行目から「3.全体目標」を記載しています。法の基本理念に照らし、「循環器病の予防や普及啓発」、「保健、医療、福祉サービス提供体制の充実」、「循環器病の研究推進」の3つの達成を通じて、「健康寿命の延伸、循環器病の年齢調整死亡率の減少」を目指すとしています。
28行目から「4.個別施策」を記載しています。
個別施策を実施するに当たり、循環器病対策を推進するための基盤として、診療情報の収集提供体制を整備し、循環器病の実態解明を目指す。具体的には、急性期現場での活用や公衆衛生に活用することを目的として、循環器病の診療情報を収集・活用する公的な枠組みを構築するとしています。
3ページ、5行目からですが、(1)循環器病の予防や普及啓発、として記載しています。循環器病は、不健康な生活習慣の継続により、生活習慣病発症、生活機能の低下・要介護状態へと進行していき、いずれの段階でも生活習慣を改善することで進行を抑えられる可能性があるため、循環器病の発症前から予防や普及啓発を行うことが重要、としています。
健康日本21(第2次)等に基づき、ライフステージに応じて、健やかで心豊かに生活できるよう、子どもの頃からの国民への生活習慣病の予防や普及啓発を推進するとしています。
その際、SNS等を活用した効果的な情報発信やマスメディアとの連携を通じ、循環器病の予防や発症早期の対応等について分かりやすく伝えるよう努める、と記載しています。
20行目から(2)保健、医療、福祉サービス提供体制の充実、として、循環器病患者を中心とした包括的な支援体制を構築する必要があり、多職種が連携して総合的な取組を進める、としています。
予防に資する特定健康診査・特定保健指導等の普及や実施率向上に向けた取組、循環器病患者を救急現場から医療機関に、より迅速かつ適切に搬送可能な体制の構築について記載しています。
4ページを御覧ください。地域の医療機能の分化・連携を進め、24時間体制の救急医療の確保を進めること、地域医療構想に基づき、地域の実情に応じて医療提供体制の構築を進めることについて記載しています。
8行目からですが、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、地域包括ケアシステムの構築を推進するとしており、その後の段落で多職種による取組について記載しています。
17行目からですが、急性期から回復期、維持期・生活期までの状態に応じたリハビリテーションの提供等の取組を進めること、循環器病患者の状態に応じた適切な緩和ケアを推進することについて記載しています。
23行目から、後遺症に対する支援体制の整備、専門的な相談支援等に取り組むこと、治療と仕事の両立支援、就労支援等に取り組むことを記載しています。
小児期・若年期から配慮が必要な循環器病について、小児期から成人期にかけて必要な医療を切れ目なく行うことができる体制の整備、療養生活に係る相談支援や疾病にかかっている児童の自立支援を推進する、としています。
5ページを御覧ください。(3)循環器病の研究推進、として、患者のニーズや安全性の確保を踏まえつつ、循環器病の病態解明、新たな治療法や診断技術の開発等に関する研究を推進する、としています。
6行目からですが、「5.その他の事項」として、都道府県循環器病対策推進計画の策定と基本計画の見直しについて記載しています。
以上でございます。
○永井会長 ありがとうございます。
それでは、御意見をいただきますが、今日は時間がたくさんございますので、順番に項目ごとに意見をいただき、次に進めたいと思います。
最初に、資料1「循環器病対策推進基本計画の構成(案)」と全体目標について15分ほど御議論いただければと思います。いかがでしょうか。
宮本委員、いかがでしょうか。前回のデータ収集のところをこんな絵にしてみたのですが。
○宮本委員 一番上に疾病登録を予想させるような、情報の収集提供体制の整備というものが全般にわたるように書かれておりますので、目立ちやすい形になったのではないかと考えております。
○永井会長 矢印で戻るところがみそで、一次予防だけでなく、二次予防、三次予防、回復期、慢性期に行ってもデータを収集して評価が必要だということを表しています。いかがでしょうか。
○峰松委員
些細な質問になりますけれども、全体目標というのが書いてあるのですが、これは一番上の括弧内のものを指して書いてあるのでしょうか。どこを指しているのか分からないのですが。
○安井課長補佐 事務局でございます。
全体目標として指させていただいているのは、「循環器病の予防や普及啓発」、「保健、医療、福祉サービス提供体制の充実」、「循環器病の研究推進」という3つの達成というところと、さらに左側の「健康寿命の延伸、年齢調整死亡率の減少」、全体をお示ししているつもりで記載しております。
○峰松委員 どこを指しているのか、なかなか分かりませんね。
○永井会長 はい。
○小室委員 予防のところを循環するということは、御説明いただくと分かるのですけれども、予防というのは、おっしゃったように、最初の発症から再発から急性、増悪、全てに関わってくるので、予防をずっと長くして全体的に行き渡るようにするというのはいかがでしょうか。急性期も回復期も慢性期も全部係るように予防とするのはいかがでしょうか。
○永井会長 どうでしょう。二次予防、三次予防というのは、下の矢印で書いているつもりだったのですが。初回の発作が上の3つ、そして回復しても、今度は重症化予防とか二次予防、三次予防、あるいは脳血管から心臓病へというのは、この下の矢印の中で理解できないかと思いますが。
○小室委員 私は分かるのですけれども、一般の方が見たときに、もう一回戻ってくるのかなという、理解が少し難しいかなと。
○永井会長 何かコメントを下に書いてもよいかもしれません。いかがでしょう、非専門家の方々。
○峰松委員 予防というのは、実は専門家の間でも非常に混乱しています。ゼロ次予防、一次予防、二次予防、三次予防。一体どれが予防かと言うと、発症していないところから発症する方向に行くところ、あるいは早期発見ぐらいが普通の人が考える予防と思います。我々専門医は、再発予防も含めて予防という言葉を使っているのですが、その辺の言葉の整理ができないままに予防とだけ書かれると、ちょっと混乱します。記載の仕方に工夫が必要です。
○永井会長 骨子案のほうには結構書いてあるのですね。事務局から説明いただけますか。
○安井課長補佐 事務局でございます。
資料2の骨子案のほうでございますけれども、3ページの脚注の部分に、一次予防、二次予防、三次予防ということで、細かい説明を記載させていただいております。一次予防というのが、今おっしゃっていただいたような健康増進、生活習慣病等を予防すること、二次予防として、疾病の早期発見、早期治療、三次予防として、疾病が発症した後、必要な治療を受け、機能の維持・回復を図るとともに再発・合併症を予防することという形で説明を記載させていただいております。
○永井会長 木幡委員、いかがでしょうか。
○木幡委員 一般の人が分かるかどうかと言われると、確かにちょっと分かりづらいかなという気はいたしますが、これは急性期から、また予防に戻ることもあるんですか?そうしたら、急性期の下にも、この下のブルーのラインにリンクする縦の線を入れてもいいのかもしれない。
○永井会長 急性期で治らなければ亡くなってしまうことが多いわけですね。救命されればリハビリに入る。
○木幡委員 じゃ、そこは要らないわけですね。
○永井会長 要らないでしょうね。
○木幡委員 そうしたら、この矢印を見やすく、戻ることもあるというサイクルのような。
○永井会長 基本的に戻るのです。全ての人が助かったら戻る。100%。
○木幡委員 色とかスペースを少し工夫するとかで、分かりやすくされてはいかがでしょうか。
○永井会長 これがまさに循環器病の特質なのです。がんは、治ったら、別のがんがということはあるかもしれませんが、循環器病は長生きします。人間、長生きすれば、また次の局面に対して予防しないといけないわけですね。
○峰松委員 がん対策基本法で同じような構成のポンチ絵が出ているのですが、そこではがんの予防というのは項目として固めてあって、こういった循環するという概念は全然入っていないですね。ぐるぐる回るというところに循環器疾患の特徴があります。
○永井会長 矢印をもう少し太く書いてもよいかもしれない。
○小室委員 今おっしゃったように、がんというのは、1回なってしまうと、あとは幾ら予防しようと思ってもがんしかないと思います。ただ、循環器とか心不全を考えた場合は、心不全が1回治った後、慢性心不全になって、また悪化して入退院を繰り返す。ですから、1回心不全になっても、予防することによって悪くなることを防ぐことができる。何回でもチャンスがあるというのががんとの大きな違いなので、そこは何とかうまく表現していただきたいなと。がんとは大きく違うのだ。最後の最後で生活習慣を改善することによって悪化を防げるという、このコンセプトはすごく大事だと思うので、ぜひよろしくお願いします。
○永井会長 これが循環器病の宿命ですね。
横田委員。
○横田委員 横田です。
法律の内容をこのようにまとめていただいて、本当にありがとうございます。
例えば14条、16条、17条と、同じ幅の図が予防、急性期~回復期というイメージで出ているのですけれども、係り方の重みによって幅を少し調整してという工夫もあっていいのかなと思いました。というのは、医療機関の整備等で、具体的に予防の部分がどういうところに係ってくるのか、よく分からなかったので、もし説明いただければと思います。
○安井課長補佐 事務局から説明させていただきます。
予防のところから線を引っ張らせていただいた趣旨といたしましては、先ほど御指摘がありました重症化予防とか再発予防とか、あと一次予防もそうかもしれないですけれども、かかりつけ医の先生のところでも、そういった取組というのがあり得るのではないかということで記載させていただいております。
線の太い、細いとか、工夫をしたいというのも事務局としては考えたのですけれども、切り分けられる部分というのもなかなか難しくて、一旦はこのような形でお示しさせていただいております。
○永井会長 磯部委員。
○磯部委員 ポンチ絵はすごく大事で、基本法について何か引用するときはこのポンチ絵必ず使われます。分かりやすく、かつ必要な情報を包含するというのはとても大事だと思います。
いろいろな方法があると思いますけれども、骨子案の文章を見てみますと、わざわざ脚注に一次予防、二次予防、三次予防と書いてございますので、事務局も多分分かりにくいということを意識されて、そういう説明をされたと思うので、このポンチ絵にも矢印の下に一次予防、二次予防、三次予防という文言を入れて説明されたら、普通の方でも少し分かりやすいのかなと思いました。御提案ですけれども。
○永井会長 予防の字の下あたりに一次予防、二次予防、三次予防。重症化予防というのはどの辺に位置するのかというのはありますけれども、いろいろな予防があるのだということですね。
羽鳥委員、どうぞ。
○羽鳥委員 今のところとも関係するのですけれども、一番上の四角、法の基本理念に照らし、死亡率減少を目指すということがあります。例えばがん対策基本法で、がんが今回、5生率、10生率はよくなっているよというのが示されたと思います。この循環器病対策推進基本法で数値目標を考えることも必要だろうし、あるいはまた、どういうふうに評価するかということもとても難しいと思います。
がん対策の場合は、悉皆性の高い方法でデータを収集できていると思うのですけれども、循環器の場合はそれができないかもしれないとすると、この対策基本法ができたために、どうよくなったのか。それを示す目標がないと、これから都道府県に向かっていろいろな計画を作ってもらうのもなかなか難しいのではないかと思うので、何か目標を具体的に書いていただけるとありがたいなと思います。
○永井会長 事務局、今の点、いかがでしょうか。
○江浪がん・疾病対策課長 ありがとうございます。
まさに、どういう形で目標を置くか、どのぐらいのところを目指すかということに関しましても、本協議会の中で御議論いただければと思っております。そのために、御議論しやすいような資料も用意いたしまして、今日の議論を踏まえまして、また次回、お示しする中で御相談させていただければと思っております。
○永井会長 ほかにいかがでしょうか。大橋委員、いかがですか。何か御意見。
○大橋委員 34歳のときに脳卒中を経験した者ですけれども、その後、社会復帰してからの人生が長いということを考えますと、私は内頚動脈解離によって脳卒中になりましたので、半年に1回の内頚動脈エコーを受けているのですけれども、それが自分にとっての予防かなという部分と。正直、倒れてから予防というのは、患者の意識としては余りなかったというか、倒れてからは治療という概念になって、倒れるまでが自分にとっては予防で、社会復帰した後に、今、心がけているのが予防という概念として、自分は受け止めています。
○永井会長 何とかこの図で理解できるということでしょうか。
○大橋委員 はい。先ほどお話がありました予防をもう少し際立たせるというか、サイクルなのだということをもうちょっと強調していただけると、より分かりやすいのかなと思います。
○永井会長 ありがとうございます。
どうぞ。
○川勝委員 私も経験者ですから言わせてもらうと、喉元過ぎれば何とやらといいますね。私、16年たちますけれども、意識というか、忘れてしまうこともあるのです。それがないように、今、大橋さんが言われたように、サイクル、循環器なので、シャレですけれども、循環するなら円グラフにしたらどうでしょう。円が全部予防で、その中に急性期もあるし、回復期もある。常にベースは予防。
予防の中に、戻りますけれども、私は啓発を最重視していますから、知識の啓発ももっとぽつんと入れておかないと忘れてしまうのですね。そういう予防意識をなくさないようなものも見えるように入れていただくといいのではないかと、経験者として思います。
○永井会長 いかがでしょうか。どうぞ。
○峰松委員 今日提示していただいた構成を見ると、結局は第12条とか第13条とか、タイトルだけしか書いていないのですが、これはこの後、実際の基本計画ができ上がってくるところで、重点項目というのがそれぞれのところで多分出てくると思うのですが、そういったものを箇条書きで入れ込むということを考えていらっしゃるのでしょうか。これ自体がこれで終わりじゃなくて、この後の議論によって大分膨らませなければいけない。もちろん、余り膨らませ過ぎると分かりにくくなるという弊害もあるのですけれども、方向性としてはどうなのでしょうか。
○江浪がん・疾病対策課長 ありがとうございます。
今回、この基本計画の構成案をお示しさせていただいたのは、前回、骨子をお示ししましたときに、どこで、どういうことが述べられているのか、構成が分かりにくい。立体的な構造を示すべきであるという御意見がございましたので、まだ二次元ですが、立体的に示してみたというのが今回です。これは構成を示す、どこに何を書くのか。例えば、情報の収集提供体制に関しては、どのあたりに書くのかとか、そういった全体の基本計画の構成を分かりやすく示すために用意したものです。
確かに、計画ができましたら、その後に計画の中身を説明する資料としてのものを用意する必要があります。例えば、がん対策基本法の中の基本計画の概要というものは、確かにいろいろな施策が入ったポンチ絵があります。基本計画の中身が定まってくれば、そういったものを用意していくことになります。構成を示すためにお示しした図でございますけれども、今回、割としっかり御意見いただいておりますので、この絵をベースにして、中身が分かるような形に工夫していきたいと思っております。それは、基本計画の議論が進んできまして、それぞれの施策の中で何をやっていくかということが出てきましたら、またそういうものを用意させていただきたいと思っております。
○永井会長 ほかにいかがでしょう。
また後で戻ることにいたしまして、続いて、骨子案の「1.はじめに」と「2.これまでの取組と課題」について御意見いただきたいと思います。どうぞ。
○峰松委員
骨子案の最初の「はじめに」と「これまでの取組と課題」ということで見させていただいて、今までやってきたのだということで整理されているのですが、課題として、法律そのものには余り書いていなかったと思うのですが、我々学会が共同で立法化運動をいろいろやっていく中で、2025年問題というか、超高齢社会が進行して、その結果として、超高齢者、高齢者に多い循環器疾患が増える。その問題が非常に大きいということを挙げて、国会議員にも相談したりしていたのです。
2025年以降に患者の数が2倍以上に増える疾患として、肺炎と心疾患、特に心不全、脳梗塞、認知症というものが挙げられています。循環器疾患はその半分以上、数としてはもっと多いと思います。これは非常に大きな問題意識を持って、それを抑制するためにこの法律が必要という議論をさせていただきました。その問題が入っていない。少なくとも課題にはなると思うので、入れていただければありがたい。
○永井会長 よろしいでしょうか。はい。
ほかにいかがでしょうか。木幡委員。
○木幡委員 なぜ今、この循環器病対策をやるのかというところは非常に大事なポイントで、恐らく一般の方もメディアも、だからやらなければいけないのねというところが、すとんと腹落ちするものでないと、前回も申し上げたとおり、普通にやればいいのではないですかということが項目として書かれているので、なぜ法律をつくってやらなければいけないかというところで考えますと、前段の説明の部分で危機感が余りないかなという感じもしたのです。
日本は、医療の質が非常に高いので、死亡率がだんだん減っているというよりも、循環器病でこれだけの人が亡くなっているものなのだとか、その辺も書き込んだほうが、なぜ今、これをやるかというところが明確になるのではないかと思いました。
○峰松委員 同じコメントになりますけれども、例えば健康寿命が少し長くなってきたと書いてあるのですが、それでもデータ的には、男性で9年、女性で12年という数字、いわゆる不健康寿命、要介護状態の期間がそんなに長いというのが僕らの問題意識としてあって、それが今度、超高齢化社会になってくると、この部分が社会的なインパクトになってくるというのが、法律を作っていただきたいという大きな原動力になりました。なので、不健康寿命が長いということを、何らかの形で問題・課題として書いていただければありがたい。
○永井会長 死亡原因になるからという論点と、ある意味で治らなくて、誰もが抱えて生きていく、そういうお付き合いしないといけない病気だという視点ですね。
○峰松委員 そうですね。しかも、常に再発におびえながら。そのためにいろいろしっかりやらなければいけないと同時に、それに対して不安というのがありますので、そこをいかに改善させていくかということになると思います。
○永井会長 他人事ではなくて、これは国民、高齢になれば、全員直面しないといけない問題である。そんなニュアンスが入るとよいですが。
○安保委員 リハビリの安保です。
4ページの、例えば17行目、急性期から回復期、維持期・生活期に応じたリハビリテーションの提供。できれば「リハビリテーション医療の提供」ということにしていただきたい。
あと、取組はもう進めているわけで、いかにそれを拡充するかということが非常に大事。というのは、地域差がかなりありますので、できれば今やっていることをもうちょっと充実する。なので、取り組むという言葉が多いので、できれば拡充するという言葉を使っていただければと思います。というのは、都心でやるのと地域でやるのとはかなり差がありますので、その辺も含めて拡充という言い方をすれば、地域のほうも取り組みやすくなるのではないかなという気がします。
○永井会長 宮本委員。
○宮本委員 「これまでの取組と課題」についてはこれまでの取組についての記載がすごく多くて、課題についての記載が少ないと思います。メッセージ性が足らないという指摘もそこに原因があると思います。安保委員が言われた地域差があるというのも課題、悉皆性のあるデータがないというのも課題、平均寿命と健康寿命の差が大きいというのも課題です。そういう課題をここに書き入れていただいて、総合的に取り組むためにどうするかという感じがいいのではないかと思いました。
○永井会長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。横田委員、どうぞ。
○横田委員 今、宮本先生が言ったところ賛成です。
それから、循環器の領域では、技術的な進歩が非常に著しくて、適正な医療を受けることができれば、その後の後遺症あるいは転帰に大きく左右するというところも、どこか入れておくべきと思っています。課題ではないが、そもそもの背景みたいなところにあるといいのかなと思います。
○永井会長 ほかにいかがでしょうか。小室委員。
○小室委員 まず、既にお話になったことの繰り返しになりますけれども、一般的にこういう書き方をされるのかもしれませんけれども、一番最初の「はじめに」に続くところが「主要な」とか「主な」というとインパクトが非常に弱い気がするのです。もう少し具体的というか、強い、はっきりとした言い方ができないかということと。
あと、先ほどお話のあった予防の重要性。どうして予防が重要かという。今まで、それができていなかったというところが余り書き込まれていないので、この後で予防しなければいけないということにつながっていかないのかなという気がしました。
あとは、どこまで具体的に書き込むかですけれども、課題に、今までこういうことがあったけれども、今後こういうことをしなければいけないということを、最後のほうに、個々にやってきたけれども、戦略的にやってこなかったという一言で終わっているので、もう少しそれぞれ具体的に書いたほうが、この後の目標につなぎやすいのではないかなという気がしました。
○永井会長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。横山委員。
○横山委員 先ほども御意見が出ました地域差のことですけれども、健康日本21だと、健康寿命の延伸と、もう一つ上位の目標である健康格差の縮小として、都道府県間の健康寿命の格差を縮小しようということを目標にしているので、それに関して言うと、循環器疾患だと脳卒中が東北地方でまだ多いとか、そういった地域差というものがあるので、その格差縮小の視点をこのあたりに入れられたらどうかと思いますが、いかがでしょうか。
○永井会長 よろしいでしょうか。
川勝委員、どうぞ。
○川勝委員 今、インパクトがないというお話が出ていると思います。ちょっと思い出したのが、私、国会議員の皆さんに、ここにおられる先生方と折衝に行ったときに、ある議員にこう言われたのです。どうして法律が必要なのですか。こういう質問が出まして、困っている人がいるからこそ、助けるのだったら、法律でそれをクリアしよう、手伝いますよと言われたのを思い出した。困っている人がたくさんいるからこそ、この法律ができて、基本計画を考えているわけです。
ですから、困っている人がこれだけいるというものも最初に入れたらどうですか。例えば、患者数という言葉がないのです。死亡率はあるのですけれども、死亡する前に患者なのです。だから、その視点が漏れている。だから、初めに、これだけ今、いるのですと。
実は、私どもである資料を作っていて、脳梗塞患者が今、78万6000人いるのです。これを御覧になった、今日来られているかどうか分からないですが、産経新聞の記者の方がこんなにいるのですかとびっくりしたわけです。全く知らされていない。だから、そういうインパクトのある数値をまず出して、だから、これが必要なのですよというストーリーがよろしいのではないでしょうか。
○永井会長 ありがとうございます。
恐らく、再発する方とか、年齢を重ねるとこんなものかと思っている症状が、実は心臓病ということがよくあるわけですので、そういう具体を入れ込むということでしょうね。
磯部委員。
○磯部委員 予防のことについて小室委員もおっしゃるとおり、なぜ予防が必要なのか、予防するとどうなのかということを課題として入れていただきたいと思います。
それから、1ページの27行からですか、保健、医療、福祉サービスについて整備を進めている、取り組んでいるといった表現になっていますけれども、取り組んでいる内容よりも、むしろ何がこの保健、医療、福祉サービスで欠けているのか、あるいは充実したいのかという課題を少し具体的に書き込んでいただくと、この対策の目的がよく分かってくるのではないかと思います。
○永井会長 小川委員。
○小川委員 川勝委員の意見に全く賛成で、確かに数が一番多いのが出てきていないということと、それと、横田委員にお聞きしたいのですけれども、救急搬送が今、一番多くなっているのは多分循環器疾患ではないか。
○横田委員 内因性の救急搬送ではそうです。おっしゃるとおりです。
○小川委員 ですから、その辺も入れて、とにかく患者数が一番多くて、急性発症すると非常に困るという要素を入れていただいて、数と急性発症ということを「はじめに」に入れていただいたらいいのではないかと思います。
○永井会長 ほかにいかがでしょうか。
病気は違いますけれども、コロナウイルスもかなり循環器診療・医療のお世話になっているということを聞きますので、特に重症になった方への対応ということですね。よろしいでしょうか。
それでは、「個別施策」について御意見を伺いたいと思います。横田委員。
○横田委員 すみません、中座させていただくので、先にお話しさせていただきます。
この29行目の「急性期には、発症後早急に適切な診療を開始する必要がある」。全くそのとおりで、何故、早急な診療が必要なのかを、これは一般の方もきっと読むと思うので加筆するとよいと思います。先ほど申し上げたように、この領域は非常に急速な治療の進歩があるので、早急な対応によって転帰が大きく改善する、よくなるというところを書いておくと非常に説得力があると思います。
○永井会長 ありがとうございます。
熊谷委員。
○熊谷委員 3ページの(2)の22行目に「保健師、看護師」とあるのですが、助産師も必要です。心疾患を持つ子ども、胎児のときから助産師は関わっております。今、出産が高年齢でハイリスクが非常に多いので、そういった意味でも、そこを含めていただきたいと考えています。
あとは、ここの24行目に「重症化予防」というのが出ています。先ほど来、先生方からも重症化のことが出ているのですが、ずっと下を読んでいくと、急性発症で急性期とか、回復期、リハビリ期等々は出てくるのですが、重症化のことについて、1つはパラグラフで出したほうがいいのではないかと思います。例えば、基礎疾患として糖尿病を持っている方が脳卒中になったときの重症化のこととか、まさしく今、コロナで先ほども出たようなことがあるので、重症化予防ということを1つ特出しというか、別の項目で挙げておく必要があるのではないかと思いました。
それから、もう一点、述べさせていただくと、4ページの5行目のところに「在宅医療の推進」と書かれておりますが、今、国のほうでも訪問看護の推進というところで、「在宅医療・訪問看護」、訪問看護を2025年までに10万から12万人に増やそうということが大きな施策になっているので、在宅医療・訪問看護の推進。
それから、その後に専門医が出ていると思うのですが、看護師もサブスペを持っている人たちが多く出てきていますので、高度な専門性の高い看護師、いわゆる専門看護師、認定看護師というあたりを含めていただきたいと考えております。
以上です。
○永井会長 ありがとうございました。
どうぞ。
○峰松委員 (1)の「予防や普及啓発」のところについてですが、「普及啓発」というのを見て、私は一体何だろうかと思いました。本文にも「普及啓発」と書かれていますが、法律の条文を見ると、「啓発及び知識の普及」と書いてあります。知識が飛んでしまって、しかも普及と啓発を入れ換えると訳の分からない文章になるので、ここの文言は変えていただきたい。
それから、ここで書かれている「普及啓発」の「啓発」ですけれども、主に予防に関することは書かれているのですが、法律に書かれているもう一つ大事なことは、循環器病が発症したとき、あるいは発症が疑われるときの対応に関する知識です。先ほど来、言われている、発症したらできるだけ早く専門の適切な医療機関に受診する。実は、日本はこの点がかなり悪いので、せっかくの治療が十分に受けられていない。これは、世界中と比較しても驚くほど悪いのです。
その辺がまだまだ足りないということで、発症したらどうしたらいいのかということを、できるだけたくさんの人にあらかじめ知っていただくことを啓発する、あるいはそれに関する知識を普及させるというテーマがあるので、ぜひ発症時の対応に関する云々というのを入れていただきたい。これは、法律の条文に書いてあるので、絶対入れなければいけないと思っています。
○永井会長 よろしいでしょうか。
確かに、この普及啓発という言葉はちょっと変ですね。何の普及なのか。医療の普及ではないですね。
○峰松委員 本文では、知識の普及というところを切り取ったものだと思います。
○永井会長 ほかにいかがでしょうか。川勝委員。
○川勝委員 川勝です。
3ページの16行目、今の普及啓発も絡むのですけれども、知識があって、意識、認識に進むとずっと私は思っていまして、そのために16行目に書いていただいたようですけれども、まだ弱いのです。「SNS等を活用した効果的な情報発信やマスメディアとの連携を通じ」と書いてあるのですけれども、マスメディアさんが「連携を通じ」で果たして動くのでしょうかと思いまして、僕は連携を行う例えば、テレビのニュース特番、ドラマ、新聞の特別報道等を通じることも検討するということなど具体的に書かないと、世の中の人は今の普及啓発のぼやっとした言葉では多分動かないだろう。都道府県も困ると思います。
ですから、具体的に例えばこういうことをやったらいかがですかという提言も含めてやっていただければと思います。
以上です。
○永井会長 ありがとうございます。
木幡委員、いかがでしょうか。
○木幡委員 テレビ局の立場から言うと、やってくださいと言って、素直にやるというのはなかなかないと思います。ドラマとか、そういうものは、あくまでもプロデューサーとか制作者がこれをやりたいなと思ってやるものですので。ただ、今、お話を聞いていると、今日だけでも、そうだったのかと知らないことが私、たくさんあったということは、知識が圧倒的に足りていないと思うので、それは例えばメディアの人を集めて、今こうなっているということのセミナーだったり、講演をやったり、まずは知るというところを、メディアも知らない人が多いと思いますので、そこをやっていただく。
あとは自発的に、こんなに大変な問題だったらニュースでやらなきゃとか、こんなに大変ならドラマで取り上げてみようと思わせるというやり方がいいのではないかなと思います。
○永井会長 また、書きぶりについて御意見いただければと思いますが、いかがでしょうか。はい。
○小室委員 5ページの(3)の研究ですけれども、ここに書いてあることは極めてコンパクトによくまとめられているのですけれども、これを読んでも余りインパクトがないのです。考えてみたら、実は先ほどの課題に戻るのですけれども、どうして研究が必要かというと、循環器病のほとんどはと言っていいかもしれませんが、その発症原因が不明なために、発症原因に基づいた治療法ができていない。単なる対症療法に終わっているがために、治すことができていない。これが大きな課題だと思います。そこで、循環器病の病態解明を行い、その発症原因に基づいた治療法を開発して、循環器病の克服を目指すと書かないと、なぜ研究が必要なのか分からないかなと思いました。
○永井会長 いかがでしょうか。はい。
○磯部委員 前半のほうで2点、意見を申し上げますけれども、3ページの情報収集の一番上のところ、個別政策の全体目標に関わるところですけれども、2行目に、「脳梗塞、急性冠症候群等の循環器病」となっています。これまでの議論でも大動脈疾患が非常に強調されてきたところで、かつ情報が不足していて、致死率が高い。脳の疾患、心臓の疾患に加えて大動脈疾患を「等」の前にしっかり述べていただければと思います。
もう一つは、(2)の提供体制の充実のところですけれども、23行目ですか、循環器病の予防、その次が重症化予防とあります。予防に早期発見というニュアンスを含めて、ここにお書きになっているのかと思うのです。しかし予防と早期に見つけるということは別のことだと思いますので、予防の後に早期発見が入ったほうがいいかなと思います。
その下も同じで、26行目ですけれども、健診とか保健指導というのは、予防だけが目的ではなくて、発症早期の心不全であったり、心房細動であったり、動脈硬化を見つけることが大事だと思います。予防というのはそれ以前の話ですので、ここに予防、早期発見と入れていただいたほうが正確ではないかと思いました。以上です。
○永井会長 ありがとうございます。
宮本委員。
○宮本委員 今、磯部委員が言われた3ページ目の2行目ですけれども、これは確かに私も違和感があって、何で脳卒中のなかで脳梗塞だけなのかなと思いましたので、書くとしたら、診療情報を集め得ようとしている脳・心臓大血管それぞれ3つの疾患がありますから、それを6つ書くか、あるいは脳卒中と心臓大血管病として代表して2つ書くか、どっちかだと思います。
○永井会長 ありがとうございます。
横山委員、どうぞ。
○横山委員 3ページ目の23行、先ほどの「循環器病の予防、重症化予防」のあたりですが、予防は一次から三次まであるわけですけれども、ここでの予防として、早期発見、重症化予防などと言うと、どの予防を指しているのか分かりにくくなるような気がするので、一次予防を指すときは、明確に一次予防と書くとか、そのあたりをはっきりさせたほうがいいように思います。
○永井会長 ありがとうございます。
いかがでしょうか。小川委員。
○小川委員 どなたも御存じのことですけれども、突然死の原因としては1番というのも一応入れておいて、先ほど磯部先生のお話で思い出しましたけれども、突然死の大動脈疾患から交通事故とか、そういう死亡も結構多いですので、そういうインパクトのあるような書き方としては、1つ入れたほうがいいのではないか。突然死、心臓だろうと誰でも思うのですけれども、脳の突然死もあっていいと思います。
○峰松委員 突然死、ありますよ。くも膜下出血は、かなり主要な要因になっています。
○小川委員 ですから、突然死もポイントとして挙げておいたほうがいいのではないかと思います。
○峰松委員 いずれにしても、突然死のメジャーのところは循環器病疾患。
○永井会長 熊谷委員、どうぞ。
○熊谷委員 5ページの循環器病の研究推進のところですが、循環器病の病態解明、治療、診断、リハビリテーションとなっていて、もう一つ、循環器病が慢性期に入ったとき、すごく重要なのは、私、この間、プレゼンさせていただいたのですが、患者さんが自分で自己管理をきちんとできるようにするために支えていくというケアのことがとても重要なので、ケア体制の確立に関する研究というあたりをぜひ入れていただきたいと思っております。
以上です。
○永井会長 美原委員。
○美原委員 今の研究推進のところですが、前回の会議で産学連携や医工連携の話が出まして、自分はそのときにある意味感激したというか、感銘を受けたというか、すごくインパクトがあったのです。というのは、これらが進まないことによって、我が国が外国と比較し、薬やデバイスの開発の分野で遅れてしまっているように思われます。我が国が一生懸命頑張れば、この分野で世界をリードできる可能性があることなので、それをぜひ強調してほしいと思いました。
以上です。
○永井会長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。横山委員、どうぞ。
○横山委員 3ページの20行目の(2)の保健、医療、福祉サービス提供体制の充実という全体目標ですけれども、体制の充実と書いてあるのですが、実際に書かれている中身としては取組を推進するというようなものも結構入っていて、体制の充実はもちろん大事なのですけれども、取組の推進というニュアンスがこの全体目標に入れられないかなと思うので、提供体制の充実と推進とか、何かそういう“進める”という意味の言葉を入れてはどうかと思います。
○永井会長 いかがでしょうか。大橋委員。
○大橋委員 3ページ目の30行目ですけれども、「急性期には、発症後早急に適切な診療を開始する必要がある」「より迅速かつ適切に搬送可能な体制の構築を進める」ということですけれども、今の段階で申し上げることか分からないのですけれども、「適切に搬送可能な」というところがちょっとよく分からないなと思いましたのは、患者の立場から申しますと、私は東京都内で倒れたのですけれども、搬送された病院ではMRIがなくてCTしか撮れなくて、そのCTには何も映らなかったので、とりあえずその場では家に帰ったのですけれどもね。
脳卒中の場合、発症後すぐにはCTには映らないことがあるということを伺いまして、一刻を争う中で迅速かつ適切にというのは、ちょっと抽象的過ぎるかなと。何をもって迅速かつ適切にと言うのかというのが、自分の中で疑問があります。
○永井会長 事務局、いかがでしょうか。急性期の医療提供体制をどうするかという問題もありますし、高度な医療機器をどのように配置するかという問題もありますね。
はい。
○江浪がん・疾病対策課長 急性期の救急現場から医療機関への搬送の部分につきましては、様々な意見がこの協議会でもヒアリングの中であったと思います。すみません、今回、骨子ということでしたので、それをコンパクトに書くときに少し具体性が足りない内容でお示ししてしまったかなと思っております。次回、これをさらに長いものに書いていくときに、ヒアリングの中であったような表現を盛り込むことによって、具体的に書いていきたいと思います。
○永井会長 小川委員、どうぞ。
○小川委員 美原委員からおっしゃられて思い出したのですけれども、一番今、日本に足りないのは、今回のコロナの件でもそうですけれども、民間との協力が一番大事という事です。そのときに、研究もそうですけれども、登録の段階から、企業もたくさん社員を抱えているというところもありますし、そんなデータを共有すれば予防にも非常に役立つようなデータが出るのではないかと思いますし、川勝委員も企業のデータという感じで一緒にやれるようなことも結構あるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○川勝委員 すみません、突然振られて頭が真っ白ですが、企業自身が考えるためのデータが実は余りないのです。ないのですけれども、企業自体が登録して持っている健康管理とかのデータは、持っていると思います。だから、それを有効活用するために計画の中に一文入れば、使えると思います。
○小川委員 たしか法律の中に企業と連携してというのがあったので、その辺を広く研究、それから登録、全部いろいろな連携してというところを少し入れていただいたらいいなと思いました。
○永井会長 ありがとうございます。
ほかに。羽鳥委員。
○羽鳥委員 何回も出しますけれども、がん対策基本法は先輩の法律ですので、大変充実していると思うのですけれども、がん対策基本法と、そして肉付けされた様々な動きがあって、それとの比較表みたいなものを作って、ここが循環器対策基本法では遅れているのではないかとか、そういう例示を厚労省のほうで作っていただくのもいいのではないかと思います。もちろん、循環器疾患は急性期の先ほどの6つの疾患に限っても大変なことがあるわけですので、そこは特出しして作らなければいけないことだと思いますけれども、こういう議論を進めていくと、がん対策基本法に追い付いていくのではないかということも例示できると思うので、そういうことをお役所にお願いしてはいかがでしょうか。
○永井会長 小川委員。
○小川委員 今のは非常に大事なポイントで、私は班員じゃなくてオブザーバーとして入っているのですけれども、がん対策基本法をいかにうまく使うかということで、がんセンターの登録をやっている先生方からいろいろなアドバイスをもらう機会を今、作っています。それは結構いい情報になるのではないかと思います。名前とか住所の登録の仕方とか、いろいろな法律の問題とかは、今やっているがん登録を参考にして使えることは全部使ってやらないと、また同じことを繰り返したら時間の無駄ですので、その辺は実際連携してやっていますし、進めていかないといけないと思っています。
○永井会長 はい。
○羽鳥委員 補足ですけれども、がん研究の在り方検討会とか、がん拠点病院、がんゲノムとか、そういうものを1個ずつ委員会、検討会を作ってやっているのです。ですから、こういう事業ががんのことに限って言っても10個、15個開いてやっているわけですから、そういうものに倣ってやっていくのが、この基本法の運営にもきっと役に立つのではないかと思います。
○小川委員 おっしゃるとおりで、今、ちょっとずつですけれども、参考にできることはできるだけ参考にしようとやっています。
○永井会長 小室委員。
○小室委員 今、ちょっと思いついたのですけれども、先ほど宮本委員が御指摘されていたことに関係するのですけれども、課題の中でいろいろな施策をやってきた。しかし、それは個別に実施されて体系的じゃなかったと括られていたと思うのですね。そこで、これは研究に限らないと思うのですけれども、研究に関しても、ただ推進するというのではなくて、体系的・戦略的に推進するという文言を入れていただいたほうがよろしいかなと思いました。
○永井会長 宮本委員。
○宮本委員 ちょっと違う話題になりますけれども、一番最後の「その他の事項」の11行目、「PDCAサイクルを回し、施策に反映するように努める」。同じ文言が18行目、19行目に出てくるのですけれども、分かりやすい明確なアウトカムを設定して、それに関する指標を作るという文言を入れておかないと、PDCAを回すというだけでは何も回らないと思います。
○永井会長 ありがとうございます。データに基づいて施策を回すということですね。
今、「その他」まで行きましたけれども、そこも含めて御議論いただければと思います。磯部委員、どうぞ。
○磯部委員 4ページの9行目になりますけれども、「地域包括ケアシステムの構築を推進する」の説明に、重度な要介護状態になって云々とある。地域包括ケアは、介護の方のためだけのシステムではないと思います。一つはたとえば慢性心不全になって介護になる前の方のケアを地域包括ケアの中で見ていくことにあると思います。もちろん脳卒中もそうだと思います。ですから、この文言は、ちょっとニュアンスか違うのかなと思います。地域包括ケアの本来の役割、地域の中で、特に高齢者の方の健康と生活を管理する。その中で心不全や脳卒中の方のケアをして、行く行くは要介護にならないようにするということが目標なのではないかと思います。少しそういう要素を入れていただけたらいいと思います。
その上の2つのパラグラフですけれども、多分、医療関係者、病院関係者あるいは医師にとって、一番関心があるのはこの2つのパラグラフです。これから病院がどうなっていくのだろうということが切実なところで、よくしてほしい反面、どうなるのだろうという不安もあると思います。この文章は、ある意味ではファジィに上手におまとめになったなとは思います。
がんの診療との大きな違いは、がんはある程度集約化して拠点病院を作ってという形でやってきていると思います。この骨子案では「効率的に運用」と1行目にございますけれども、循環器の場合、集約化するのか、あるいは「分化・連携」と書いてございますけれども、別の形を目指すのでしょうか。厚生労働省がこの2つのパラグラフにどういう方向性を込められているのか、お考えを伺いたいと思います。もちろん、これからの議論になる重要な事柄と思いますが、医療関係者がこの骨子を見たときに、必ずここに質問が出てくると思います。
○永井会長 いかがでしょうか。これは医療全体の話にも関わってくるので、なかなかお答えにくいことがあると思います。循環器に関しては、どういうところが論点かということは、もう少し明確にしたほうがよいということですね。
はい。
○丸山課長補佐 事務局でございます。
4ページの1から6行目あたりの話でございますが、この協議会ができる前に、平成29年頃に循環器の診療提供体制の検討会をやらせていただいて、そのときに取りまとまったもの。また、引き続き行われております医政局中心の地域医療構想を踏まえて、今回骨子でございますので、大枠を書かせていただいた段階にすぎないという認識でございます。
○永井会長 前の検討会のときには、例えば心臓手術の施設を、人口何万人当たりどのくらい配置するかということも検討しないといけないだろうということでした。数字はそのときは出ませんでしたけれども、そういうこともこれからの課題であると思います。
○磯部委員 検討会の文言の中には、心臓血管外科の集約化とはっきり書いてあったと思います。あの文言というのは、学会関係者の中に非常に波紋を広げていて、賛否両論、総論賛成・各論は疑問だと思うのです。この骨子にどういうニュアンスが含まれているかということは、関係者は非常に関心を持たれると思います。今後の議論で方向性については、ある程度考えておいたほうがいいのではないかと思って発言いたしました。
○永井会長 美原委員、どうぞ。
○美原委員 集約化についてですが、がんと違って、脳卒中や心臓病は発症してから短時間で治療を開始しなくてはならないという点から、集約化することが本当にいいかどうかは疑問に思われます。確かに集約したほうが治療成績がよいという諸外国のエビデンスはあるのだろうと思うのですが、今の日本の医療提供体制だと、集約化を拙速に進めるのは適切ではないもしれないと思っています。ここで地域医療構想に基づきということは、それぞれの地域において集約化できる
ところもあるし、集約化できないところもあると僕は理解しております。日本全国一律に脳卒中や心臓病の急性期治療を担う医療機関を集約化するというのは、リスキーだろうと考えております。
○永井会長 恐らく、事務局もそこまでは言っていないと思います。ただ、機械的に効率化を行うのはリスクがあります。それは、皆さん同じ認識を持っていると思います。
○磯部委員 医療体制に関しては、均てん化という言葉を1つ入れておいたほうがいいのではないかと思います。
○永井会長 いかがでしょうか。
○峰松委員 ほかのことでよろしいでしょうか。
○永井会長 どうぞ。
○峰松委員 相談窓口に関する記載です。
○永井会長 何ページですか。
○峰松委員 (2)保健、医療、福祉サービス提供体制の充実の4ページの15行目、「社会福祉士、介護支援専門員による相談・生活支援等に取り組む」というのが1つ。それから、24行目、25行目、失語症者に対する云々で「専門的な相談支援等に取り組む」と書いてあります。実はヒアリングのときに私、日本脳卒中協会の立場で特に進めてほしいことの一つに、「包括的相談窓口の整備」をあげました。全国の患者調査をやったら、皆さんが何に困っているかというと、いろいろな相談窓口はぱらぱらあるのですが、それは本当に局所的な問題しか扱わない。かつ、いつ、どこで相談していいかが分からないということで、患者さんとしては、それを一括した包括的な相談窓口をぜひ設置してほしいという要望でした。
これは、先ほどの知識の普及とかにも関係します。多分、急性期からどこへ行ったらいいのかとか、なかなか難しい。それから、脳卒中になった後の介護支援も、どこに相談したら、その支援が得られるのかというのが、窓口はあるのですけれども、そこまで到達するのにすごくハードルが高く、結局到達できない人も多い。それらを整理整頓してほしいという意見でした。それをヒアリングのときに大事なテーマとして言わせていただきました。しかし、ここにある文面では、ちょっと入れ込んであるという形に過ぎません。私は、箇条書きでもよいので、「包括的支援相談窓口」というものを設置する方向で書いていただければありがたい。
これは、患者さんの立場でもそうじゃないかと思いますけれども、川勝さんとか、どうですか。相談窓口。
○永井会長 川勝委員、お願いします。
○川勝委員 分からないことが多くて、どう相談して良いかよく分からないのですね。特に私が考えるのは早期急性期です。患者というか、家族ですね。家族は右往左往してしまって、まず本屋さんに行くのです。本屋に行っても、そういうものはない。今はネット社会ですから調べるのですけれども、ピンポイントで自分が得られるものがない。だから、とりあえず何か聞きたいというところがあれば、すごく便利なのでしょうね。
○峰松委員 発症時のクエスチョンと、それから、発症後のリハビリとか介護とかは、病院とかリハビリテーション施設で教えてくれるところはいろいろあります。しかし障害が中途半端に軽くて、比較的早期に退院してしまった人は、福祉とか介護へのアクセスを全く教えられないままに、一番取り残されている状態です。本当に困っている人たちは、介護施設とか訪問リハの人たちとのやり取りの中でだんだん分かってくる状況です。情報から取り残されている人がいるし、それから情報窓口ばらばらです。ということで、テーマの一つとして取り上げていただければありがたい。
これは、高度急性期医療機関の整備よりは、こちらのほうがむしろやりやすいし、患者さん、家族の要望も強いのではないか。それがうまく整理できていないというところに大きな問題があります。
○永井会長 大橋委員。
○大橋委員 おっしゃるとおりだと思います。相談窓口があると、大変ありがたいなと思っております。と言いますのは、医師に聞こうにも、病院によって、医師によって治療方針が全く違うのです。私が倒れましたときに、50%の動脈の狭窄だったのですけれども、入院した病院では狭窄と付き合っていくしかないと言われたのです。それで、インターネットでいろいろ調べましたところ、ステントという治療法があるのだということを知りまして、ステントを受ける病院に転院したのですけれどもね。
これは、私の世代がインターネットなどを普通に使えるから、まだよかったものの、もしデジタルリテラシーが不得手な世代の方ですと、本当に大変だなと思いましたし、相談窓口というものが一括してあると、様々な治療方針などによりアクセスすることが簡単にできるのではないかと思いますので、ぜひ相談窓口の整備というのもお願いしたいなと思っております。
○永井会長 美原委員。
○美原委員 今、相談窓口という話がありましたけれども、患者さんが自ら相談窓口に行くというのはなかなかハードルが高いように思います。実際に非常に充実した相談窓口があったとしても、患者さんはそのことを知らないわけですから、そこに行けないわけですね。実際には患者さんが入院なさったときに、病院の中で医療提供者側から患者さんのところに、こういうサポートシステムがありますよということをお伝えしているシステムがあると思います。それが診療報酬上の入退院支援加算として評価されています。この内容をさらに充実させていくということも重要かと思います。
相談窓口の件は非常に重要ですけれども、それを作るというより、医療提供者側から積極的に相談を受けに行く、説明しに行くようなシステムを確立することが、より効果的なように思います。
以上です。
○永井会長 峰松委員。
○峰松委員 ここには資料がないのですが、がん対策基本法の3次計画を読むと相談支援及び情報提供というのが大きな項目として設定されています。相談支援についてとか、先ほどの病院の情報提供の仕組みとか、問題点はこれが残っているという形で整理されています。
実は、我々がこういった相談窓口のことを議論したのも、がん対策基本法の中でうたわれていて、問題点として指摘されていて、それが具体化されているというところを調べて、これはちゃんと議論していただきたいということだったので、ぜひそういう仕組みでお願いします。結果的にどうするかというのは、また別の話なので、テーマとしてぜひ取り上げていただきたいと思います。せっかく集めた情報をどう提供するかというのは、非常に大きな問題だと思います。
○永井会長 ほかにいかがでしょうか。磯部委員。
○磯部委員 4ページの一番最後のところで小児疾患のことを書いてございます。書いてあることはこのとおりで、いいと思うのですけれども、前にも発言したことがあるかもしれませんが、先天性心疾患は、今や成人の方のほうが多くて、40万人以上。お子さんの先天性心疾患よりも今後ますます増えていきます。私どもの病院では乳幼児の心臓手術もたくさんやっていますけれども、手術後大人になって、経済的も医学的にも非常に生活が困窮している方が少なくありません。それから就業の点もお困りになっている方がとても多いです。
ここの書きぶりとしては、2行目に「小児から成人期にかけて必要な医療」と書いてありますけれども、医療だけじゃないのです。先天性の心疾患を持った小児から成人に至る方たちの自立支援だけではなくて、就業支援も重要です。働けない方は家に引き籠もっているのです。そういった生活のことまで含めた書きぶりにしていただくといいのではないかと思いました。
○永井会長 ありがとうございます。
○小川委員 今の追加として忘れてはならないのは、先天性心疾患の手術の成績が非常によくなったので、そのお子さんが成人して、妊娠・分娩をかなりたくさんやられている。そういうことも、医療でいいと思うのですけれども、書いていただいたらいいと思います。
○永井会長 はい。
○宮本委員 同じところですけれども、脳卒中では小児期の病気で成人に移行するもやもや病というのが厚労省の指定難病でもありまして、大変問題になっておりますので、疾患名を書くのなら、もやもや病も入れていただいたらいいかなと思います。
○永井会長 ほかにいかがでしょうか。小川委員。
○小川委員 これは書いているのですけれども、3ページの「保健、医療、福祉サービス提供体制の充実」ということで、先ほど看護師さんの問題もありましたけれども、特に、一番最後の「急性期には、発症後早急に適切な診療を開始する必要がある」。こういうときに、前にもお伝えしたのですけれども、消防隊のかなり充実したデータがありますので、その辺を総務省との協力とか、そういう体制も書いていただいたら非常に助かると思います。
救急隊のレベルもものすごく上がっていまして、脳・心臓疾患というのはある程度判定できるし、発症から何時間ということで治療の送り先とか、救急隊の方がかなり判定しています。消防庁との協力というのも書いていただいたほうがいいのではないかと思います。
○永井会長 どうぞ。
○消防庁救急企画室村上室長 オブザーバーで参加しております消防庁の村上でございます。
データのことでございます。現場には様々なデータがある中で、消防の救急隊は限られた時間の中で必要不可欠な情報を集約して、一定情報をもって医療機関におつなぎしている状況になっております。その中から、さらに集約して全国的に分析しなくてはいけないデータを、総務省消防庁では年1回集約して報告書に取りまとめて公表するということをやっております。その中で、研究者の方などからお求めがあれば、必要なデータをできる限り公開しているということで、今でもデータを公開しているという状況がございます。
委員御指摘の、例えば個別の医療機関名とか個別の応急処置の内容といったデータについては、基本的には現場の消防機関が保有しており現場の消防機関のほうに医療機関側からお求めがあった場合に、そこでいろいろな協議をしながら連携しているということがございます。総務省消防庁で全国のデータが全てあるわけではなくて、個別データというのは現場にありますから、私たちは、そういう連携を促していくことはできますけれども、消防庁から一括して何かをデータ化しているようなことはないということを、ここで念のため申し上げさせていただきます。
○小川委員 ありがとうございます。その公開のデータは、よく使わせていただいていますので、よく存じております。
○永井会長 ほかにいかがでしょう。木幡委員。
○木幡委員 毎回申し上げているのですけれども、この循環器病という言葉が何を指すのかというのは、一般の方はなかなか分かりづらいと思うので、最初に出てくるときでもいいのですけれども、どこかで1回、どういう病気を指すのかということを、※印で下に注釈で書く形でもいいですし、文章の中に盛り込む。最初が分からないと、そのまま読んでいて、ずっと分からないままになってしまいますので、ぜひそれはお願いしたいなという点と。
あと、先ほどから聞いておりますと、がん対策のほうが先にできていて、そちらが非常にうまくいっている点があるということですが、逆にそこで、これは入れておけばよかったみたいなものがもしあれば、がんのほうでできなかったことを、今回、組み込むというのがあるのではないか。具体的にどういうことなのか、ちょっと分からないですけれどもね。
あと、全体を通して、今ある問題に真っすぐに向き合った基本計画になるといいなと思いました。何となくふわっと書くのではなくて、先ほど来、皆さん、おっしゃっていますけれども、これだけ専門家の皆さんが集まって、毎日、その問題に向き合って、これが一番問題だというポイントがきっとあると思うので、ぜひそういったものを洗い出して、それを確実に改善するようなものになるべきだと思います。
○永井会長 ありがとうございます。
全体のまとめ、その他の事項のところ、よろしいですか。結構重要だと思います。磯部委員、どうぞ。
○磯部委員 4ページの中ほどに緩和ケアが出てくるのですけれども、唐突感があります。終末期、人生の最終段階における医療というのは、緩和ケアだけではなくて、その前にアドバンス・ケア・プランニングがあると思いますし、あるいは終末期の具体的な医療内容も大事です。いろいろな終末期ケアがあって、そのうちの一つが緩和ケアだと思うのですね。これは書きぶりを少し検討していただいて、患者の状態に応じた人生の最終段階における医療の充実とか、その中に緩和ケアやACPが入るという形にしたほうが、今、皆さんが議論している内容にそぐうのかなと思います。
○永井会長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
これは、今後もっと肉付けして、だんだん長文の報告書案になってくるということですか。はい。
○江浪がん・疾病対策課長 本日の御議論も踏まえまして、また、今日も御指摘ありましたけれども、これまでヒアリングで御指摘いただいた内容も踏まえまして、さらに細かく書いたものをまたお示ししたいと考えております。
○峰松委員 がん対策基本法は、一次の基本計画が40ページぐらいで、今の第三次基本計画は80ページぐらいあるのです。だから、今日お示しいただいたのは、本当に背骨だけですね。最終的には、これの10倍ぐらいの分量になるのかなと期待していますので、ぜひよろしくお願いします。
○永井会長 がんは、今のステージへ来るまでに何年かかったのですか。
○峰松委員 12年。
○永井会長 12年ですね。ですから、ある意味ではそれをもっと早めてもよいと思います。既にがんの教訓があるわけですので、できるだけ速やかにステージを上げていくということかと思います。
よろしいでしょうか。
まだ次回も御議論いただきますので、本日はとりあえずここまでといたします。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御議論いただきまして、誠にありがとうございます。
次回は、本日の議論の内容を踏まえて、もう少し具体的な案として事務局から提示していただき、さらに議論を重ねたいと思います。
それでは、最後に事務局から連絡事項等、お願いいたします。
○安井課長補佐 委員の皆様方、ありがとうございました。
次回の協議会の日程と場所ですが、決定次第、御案内申し上げます。お忙しい中、恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
事務局からは以上です。
○永井会長 それでは、本日はこれで終了いたします。どうもありがとうございました。