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平成23年7月14日 労働基準局安全衛生部 化学物質対策課化学物質評価室 室長 松井 孝之(5508) 室長補佐 瀧ヶ平 仁(5511) 化学物質情報管理官 寺島 友子(5518) (代表電話) 03(5253)1111 (直通電話) 03(3502)6756 |
報道関係者各位
「化学物質のリスク評価検討会報告書」取りまとめ
「インジウム化合物」など3物質で労働者の健康に高いリスク、健康障害防止措置を今後検討
厚生労働省の「化学物質のリスク評価検討会」(座長:名古屋俊士 早稲田大学理工学術院教授)はこのほど、平成22年度ばく露実態調査対象物質に係る報告書をまとめましたので、公表します。
事業場で使用されている化学物質の中には、その取扱いによっては労働者にがんなどの健康障害を生じさせるおそれのあるものがあります。こうした物質について、本検討会は毎年、「初期リスク評価」(※1)を行い、リスクが高いとされた物質についてはさらに「詳細リスク評価」(※2)を実施して、リスク低減のための方策を導入するよう、検討・提言しています。
※1 初期リスク評価:事業場で労働者がどの程度、化学物質にさらされたかを把握する実態調査(「ばく露実態調査」)で得られたばく露の程度(「ばく露レベル」)と、労働者が勤労生涯を通じてその物質に毎日さらされた場合に健康に悪影響が生じる「ばく露限界値」(「評価値」)との比較により、健康障害の生じるリスクの高低を判定する。
※2 詳細リスク評価:初期リスク評価で高いばく露が確認された物質に対し、問題となる作業工程を対象に追加的にばく露実態調査を行い、事業場間等に共通するリスクの有無を判定する。
平成22年度は、8物質について「初期リスク評価」を、5物質について「詳細リスク評価」を実施しました。
※「詳細リスク評価」を実施した5物質は、全て平成21年度に「初期リスク評価」を実施し、高いリスクが認められた物質。
「初期リスク評価」が行われた8物質では、以下の5物質で高いリスクが認められ、さらに詳細なリスク評価が必要と判定されたため、今後「詳細リスク評価」を実施することにしています。
(1)酸化チタン
(2)1,3-ジクロロプロペン
(3)ジメチル-2,2-ジクロロビニルホスフェイト(別名DDVP)
(4)パラ-ジクロロベンゼン
(5)4-ビニル-1-シクロヘキセン
「詳細リスク評価」が行われた5物質では、以下の3物質で、多くの事業場で作業工程に共通すると考えられる高いリスクが認められたため、「健康障害防止措置を検討すべき」などとする評価結果をまとめました。
(6)インジウム化合物
(7)エチルベンゼン
(8)コバルトおよびその化合物
これら3物質については、化学物質管理や労働衛生管理などの専門家からなる「健康障害防止措置検討会」などで具体的な対応策を検討する予定です。
厚生労働省では、これらの化学物質によるばく露を減らすため、詳細リスク評価の結果や「健康障害防止措置検討会」による具体的な対応策の結果を待つことなく、適切な管理を行うよう関係事業者に指導する予定です。
評価対象となった物質一覧と評価結果については、別添資料をご覧ください。
※本報告書は、当省ホームページにも掲載しています。
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