2024年2月15日 薬事・食品衛生審議会 化学物質安全対策部会 議事録

日時

令和6年2月15日(木)14:00~

場所

厚生労働省専用第14会議室

出席者

出席委員(13名)五十音順

 (注)◎部会長 ○部会長代理

他参考人1名出席

   

欠席委員(2名)
行政機関出席者
  •  吉田易範(大臣官房審議官)
  •  稲角嘉彦(化学物質安全対策室長) 他

議事

○化学物質安全対策室長 定刻になりましたので、ただいまから「令和5年度第3回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会」を開催させていただきます。皆様には、お忙しい中、御参加いただきましてありがとうございます。
 本日の部会は、対面ではなくWeb開催としており、委員の皆様には、厚生労働省外から御参加いただいております。また、傍聴に関しましては、YouTubeでライブ配信を行っております。資料につきましては、通信負荷軽減の観点から、基本的に画面には投影しませんので、傍聴されている方々も含め、Webサイトに掲載されている資料をお手元に御用意ください。
 また、オンライン会議に関して注意点を申し上げます。御発言時以外は、マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。御発言いただく際は、初めにお名前をお知らせください。また、音声の調子が悪い場合は、チャットによりメッセージを送ってください。動作不良等ございましたら、全員にお伝えしております事務局の電話番号まで御連絡ください。万が一ビデオ会議が途中で終了してしまった場合は、事務局からメールで御連絡をいたしますので、よろしくお願いいたします。それでは、以降の進行につきましては合田部会長にお願いいたします。
○合田部会長 それでは、皆様、今日はお集まりいただきまして、どうもありがとうございます。まず、議事に入る前に、最初に委員の出席状況等の報告を事務局からお願いいたします。
○化学物質安全対策室長 事務局でございます。化学物質安全対策部会の総委員数は15名であり、定足数は過半数の8名となっております。本日は、山崎委員が御欠席と御連絡を頂いております。また、桒形委員におかれましては、遅れての御参加になる旨の御連絡を受けております。したがいまして、現在13名の委員の方々に御出席をいただいておりますので、定足数を満たしていることを御報告申し上げます。
 続いて、薬事分科会への適合性についてです。薬事分科会規程第11条では、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には辞任しなければならない」と規定をしております。全ての委員の皆様より、同規程第11条に適合している旨の御申告をいただいておりますので、御報告をさせていただきます。委員の皆様におかれましては、会議開催の都度、書面で御提出をいただいておりまして、御負担をお掛けしておりますけれども、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、何とぞお願い申し上げます。
 続いて、会議の公開等についてです。本日の会議は、「公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合又は特定の者に不当な利益若しくは不利益をもたらすおそれがある場合」に該当しないということでございますので、非公開とすべき理由には該当しません。したがいまして、公開で行われ、資料及び議事録も公開とさせていただきます。
 審議事項に関して、防炎加工剤を含有する家庭用品の基準の改正については、厚生労働科学研究で試験法等の御検討をいただきました河上先生に、関係議題の間、参考人として御出席をいただきます。また、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律を厚生労働省とともに共管をしております、経済産業省及び環境省の担当者の方々にも、オブザーバーとして御出席をいただいております。事務局からは以上です。
○合田部会長 それでは、議事を進めたいと思います。資料は、事務局より事前に電子ファイルで送付されていますが、何かありましたら、その都度お知らせいただければと思っております。
 では、まず最初の審議事項、「防炎加工剤を含有する家庭用品の基準の改正について」です。事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局より審議事項(1)について御説明します。資料1、防炎加工剤を含有する家庭用品の基準の改正についてを御覧ください。本件は、有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律(略称、家庭用品規制法)に関する議題となります。
 家庭用品規制法第4条第1項において、厚生労働大臣は、保健衛生上の見地から、厚生労働省令で家庭用品を指定し、その家庭用品について、有害物質の含有量、溶出量又は発散量に関し、必要な基準を定めることができるとされています。この規定に基づき、現在21物質群について基準を定めているところです。また、第4条第3項において、厚生労働大臣は、前2項の規定により基準を定めようとするときは、あらかじめ、薬事・食品衛生審議会の意見を聴くとともに、消費者庁長官及び当該家庭用品についての主務大臣に協議しなければならないとされています。今般、2つの有害物質の基準を改正したいと考えているところ、この規定に基づき、本部会の御意見を伺うものです。
 資料1の1.(1)基準制定の経緯を御覧ください。本日審議いただく有害物質は2つ、トリス(2,3-ジブロムプロピル)ホスフェイト(以下「TDBPP」)及びビス(2,3-ジブロムプロピル)ホスフェイト化合物(以下「BDBPP化合物」)、この2物質になります。この2物質は、ともに防炎加工剤として繊維製品等に用いられる化学物質で、発がん性があるとして、TDBPPは昭和53年に、BDBPP化合物は昭和56年に、寝衣、寝具、カーテン及び床敷物を対象家庭用品として「検出されないこと」という基準が定められました。
 (2)基準改正の経緯を御覧ください。以前は省令に基準と試験法が両方セットで規定されていましたが、令和4年3月28日に省令を改正し、基準は引き続き省令で規定する一方、試験法は通知で規定することになりました。
 また、この2物質を含む幾つかの有害物質については、ガスクロマトグラフィーを用いて試験することを規定していますが、ベンゼンなどの有害な溶媒や試薬を用いている、分析精度があまりよくないといった問題点が指摘され、順次試験法の見直しを行う方針が、平成29年の家庭用品安全対策調査会及び化学物質安全対策部会で了承されたところです。この方針に基づき、TDBPP及びBDBPP化合物も試験法の見直しを予定しております。
 TDBPP及びBDBPP化合物について、現行の基準では「検出されないこと」とされており数値は示していませんが、基準は省令で、試験法は通知で規定されるようになったことも踏まえ、基準値を明確にしたいと考えているところです。そこで、試験法を変更した後も、現行の試験法の検出限界と同水準の基準を設定するため、TDBPPで8μg/g、BDBPP化合物で10μg/gを基準案として提案するものです。
 次に2.基準の妥当性についてです。TDBPPは、1970年代には、4行目にありますとおり、子供の衣服に5~10%添加されていた、2行下にいきまして、織物又は編み物への熱固定によって5~10%で適用されていた。後加工では、繊維製品中に少なくとも数%含有され、練り込み加工では数十μg/g存在していたという報告があります。また、BDBPP化合物は、パーセントレベルで防炎加工剤として使用されていたという報告もあります。このため、TDBPPで8μg/g、BDBPP化合物で10μg/gという数値は、意図的な使用を禁止するには十分な基準であると考えています。また、両物質とも過去10年以上、試買調査で違反案件はなく、調査した限りでは、現在では防炎加工剤として使用されていないと考えられます。
 このことからも、「検出されないこと」という現在の基準、検出下限に相当するTDBPPで8μg/g、BDBPP化合物で10μg/gが実質的な基準としてこれまで運用されてきましたが、この基準が意図的な使用を禁止するには十分な基準として機能してきたといえると考えています。また、これまでに健康被害の報告はありません。よって、現行試験法における検出下限値、TDBPPで8μg/g、BDBPP化合物で10μg/gを基準案とすることは妥当であると考えています。なお、TDBPP及びBDBPP化合物については、試験法の改正を予定しており、今般提案する基準値(案)のレベルを問題なく定量できることを確認しています。
 3.今後の予定です。本日の部会で御了承いただきましたら、パブリックコメント、WTO通報を実施した後、本年夏から秋頃に省令を改正し、令和7年4月1日から施行したいと考えています。なお、試験法を定めた通知も、同じスケジュールで改正、施行を予定しています。
 最後に、参考として試験法の改正について説明します。試験法は通知に移行しましたので、部会にお諮りする必要はないですが、基準の改正に関わってくる事項になるので、ここで御紹介させていただきます。
 国立医薬品食品衛生研究所及び協力地方衛生研究所において、改正試験法の開発及び妥当性評価を実施しました。試験法の改正案は、令和5年12月25日開催の家庭用品安全対策調査会において審議され、大きな異論なく、了承されています。
 改正試験法の詳細については、参考資料4を御覧ください。1枚目に現行試験法の概要を記載しています。現行試験法の課題としては3つあり、1つ目は、TDBPPとBDBPP化合物は対象製品が同じですが、前処理操作が異なるため煩雑だったという点です。2つ目に、TDBPPはベンゼン、BDBPP化合物はベンゼンとジアゾメタンという有害な試薬を用いることになっている点です。3つ目に、両物質とも充填カラムを用いた炎光光度検出器付ガスクロマトグラフで測定することとしており、精度が低かったという点です。
 2枚目に改正予定の試験法の概要を示しています。まず、前処理操作を統一して、試験の効率化を図ります。次に、ベンゼンは使わなくなりましたし、ジアゾメタンの代わりにトリメチルシリルジアゾメタンを用いることで、安全な試験法とすることができます。3つ目に、キャピラリーカラムを用いたGC-MS法を採用することで、精度の向上と煩雑さの解消をすることができます。
 このような試験法の改正を、基準の改正と同時に予定しているところです。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○合田部会長 ありがとうございます。少し付け加えますと、今回提案をされております実際の基準値、TDBPPでは8μg/g、BDBPP化合物では10μg/gという値ですけれども、この値につきまして、先ほど名前が出ましたけれども、河上さんの厚生科学研究費の中で、実際に安全性に対するリスク計算もしております。基本的に   LOAEL、発がん性についてはVSD at 10-を推定し、それから、そうではない一般毒性についてはLOAELを出しておりまして、そのLOAELと、暴露量というのも非常に推定の仕方が難しいのですが推定し、考えるべきは皮膚毒性で、経口毒性ではないので、いろいろなところから数値を借りてくる形にはなりますけれども、それで安全性に対してのリスク評価も一応やっておりまして、その中で従来から決めていた8μg/gという値と、10μg/gという値というのは、十分にそのリスクに対して耐えうるものだろうという、そのような推定ができています。それも含めまして、調査会で審議されて今回の提案に至ったという具合に私は聞いております。ということで、今追加の説明はしていただきましたけれども、調査会の委員長でございます五十嵐先生、何か特に追加することはございますでしょうか。
○五十嵐委員 五十嵐です。昨年12月の家庭用品安全対策調査会において、本件について審議しました。御説明がありましたように、特に大きな議論はなかったということもあり、調査会としましては、事務局の提案内容を妥当として判断したところです。以上です。
○合田部会長 ありがとうございます。それでは、これまでの説明も含めまして、委員の先生方、御意見、御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。全員の名前、見えていませんので、もし御質問等ございましたら、発言をしていただければ助かりますが、よろしくお願いします。皆様、よろしいですか。大丈夫ですね。従来からの分析法、これは昔の、いわゆる自分でカラムを作る時代のガスクロのデータでございまして、今はキャピラリーで普通に分析しますと、感度はずっと上がりますけれど、今パックドカラムでやる人はまず普通いないので、それを近代的な分析法に変えたということが、今回この改正の中でセットになって進んでおります。ということで、特に御質問がないようですので、本件について質疑を終わりたいと思います。事務局より本件の取扱いについて御説明をお願いいたします。
○事務局 まず、今般御審議いただきました、防炎加工剤を含有する家庭用品の基準の改正については、資料2のとおり厚生労働大臣から薬事・食品衛生審議会に諮問されており、薬事分科会の規程において、本件諮問に係る事案は、本化学物質安全対策部会において審議することになっております。資料1で御審議いただいた内容に基づき、防炎加工剤を含有する家庭用品の基準を案のとおり改正したいと考えております。事務局からは以上です。
○合田部会長 ありがとうございます。それでは、防炎加工剤を含有する家庭用品の基準について、案のとおり改正することが適当であると、部会として了承してよろしいでしょうか。御異論ある方、いらっしゃいますか。それでは、御了承いただいたものとさせていただきます。以上で、審議事項(1)について終了いたします。
 続きまして、「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約新規対象物質の化学物質審査規制法第一種特定化学物質への指定について」に移ります。この審議事項につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。審議事項(2)について御説明いたします。資料3-1は審議事項、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約新規対象物質の化学物質審査規制法第一種特定化学物質への指定についてに係る詳細な審議資料となっています。概要に基づいて説明したいと思いますので、資料5を御覧ください。スライドの1ページ目の図では化審法の体系を示しています。化審法の大きな柱の1つが新規化学物質の指定についてです。左側にある新規化学物質の所を御覧ください。新規化学物質を製造又は輸入しようとする者は、製造又は輸入に先立って、当該物質に関する分解性、蓄積性及び毒性に関するデータを国に届ける必要があります。本部会の下に置かれている化学物質調査会において、その試験結果等に基づいて審査が行われ、この判定結果が届け出た者に通知された後、初めて新規化学物質を製造又は輸入するという仕組みになっています。これが新規化学物質の事前審査制度です。もう一つ化審法の大きな柱としまして、化学物質の性状等に応じた規制及び措置があります。真ん中にある第一種特定化学物質の四角い枠があります。化審法では、第一種特定化学物質、監視化学物質、第二種特定化学物質といった規制区分が設けられています。今回その第一種特定化学物質の規制について御審議いただきたく存じます。
 2ページ目を御覧ください。第一種特定化学物質の主な規制措置を示しています。第一種特定化学物質の代表的な規制が、製造・輸入の許可制とありますが、これは事実上の禁止を意味します。そのほか、マル3例外的な用途以外の使用の禁止、マル2第一種特定化学物質が使用されている製品の輸入の禁止、マル4製造・取り扱う場合の技術上の基準の適合があります。化審法において第一種特定化学物質として指定する化学物質は、ストックホルム条約で規制対象物質となった物質を指定しています。
 3ページ目となります。そのストックホルム条約に関する内容がこちらのスライドとなります。POPsとは残留性有機汚染物質の略称です。この条約においては、マル1~マル4に書かれている人又は生体に対する長期毒性、難分解性、生物蓄積性、長距離移動性を有する化学物質をPOPsと定めています。このような物質による環境汚染というのは、1か国による取組では防止することが難しいため、1か国にとどまらない環境汚染防止の取組が必要となっています。そういった観点から、国際条約を通じて製造・使用等の原則的な規制措置を講じることにより、国際的にPOPsの廃絶、削減等を行うものとなっています。四角い枠の中ですが、このストックホルム条約に日本は2002年8月に締結しています。このストックホルム条約での対応を検討する締約国会議は2年に1回開催され、これまで11回開催されています。専門・技術的な事項については、この国際会議の下部組織である委員会、通常POPRCにおいて審議がされているところです。
 4ページ目です。ストックホルム条約における主な規制措置です。ストックホルム条約では、付属書A、B、Cで各国が講じるべき規制の措置が異なります。付属書Aに追加された化学物質は、製造・使用禁止する措置を講じる必要があり、赤字で記載されているようにPFOA関連物質が追加されているところです。
 5ページ目です。こちらがストックホルム条約第9回締約国会議の概要となります。ペルフルオロオクタン酸とその塩及びPFOA関連物質が付属書Aに追加されたところです。日本を含めてこの条約を締結している連盟国は、その対象となっている物質について、条約を担保できるよう国内の諸法令で規制しているところで、日本におきましては化審法における規制を検討する必要があります。ジコフロ、ペルフルオクタン酸とその塩については、化審法において、第一種特定化学物質に指定済となっております。
 6ページ目となります。ストックホルム条約で製造・使用等の禁止とされた化学物質について、審議会における化審法に基づいて検討する必要がある事項を示しています。まず、マル1の当該化学物質を第一種特定化学物質に指定することについて御審議いただきます。御了承いただけた場合は、マル2~マル4の例外的に使用を認める第一種特定化学物質の用途を指定すること、取り扱う場合の技術上の基準を定める第一種特定化学物質が使用されている製品を指定すること、輸入を禁止する第一種特定化学物質が使用されている製品を指定することに関して、御審議いただきたいと考えています。なお、マル1につきましては、昨年12月15日開催の化学物質調査会等の3省合同審議会で御了承いただいているところです。
 7ページについて御説明します。第一種特定化学物質の指定に関する審議となります。化学物質調査会におけるPFOA関連物質のこれまでの議論の経緯等を御説明します。平成29年10月のPOPRC13において、PFOA関連物質の例示的リストが示され、令和元年5月のCOPにおいて付属書Aに当該物質を追加することが決定されました。それを踏まえまして、令和元年7月に開催されました3省合同審議会において、PFOA及びその関連物質を第一種特定化学物質に指定することが了承されました。他方、策定したPFOA関連物質の政令案について調整させていただいたところ、PFOAに分解すると考えられない物質が含まれていることが判明しました。また、条約事務局にこのことを照会したところ、条約事務局からPFOA関連物質として各国で規制する具体的な物質は、各国の判断によるとの回答を受けたところです。これらのことを踏まえまして、ストックホルム条約上でPFOA関連物質に相当する物質群の定義について見直すとともに、PFOA関連物質の例示的リストに変更があった場合でも、該当するPFOA関連物質を機動的に第一種特定化学物質として指定できる仕組みを検討しました。
 8ページ目となります。具体的な指定方法につきましては、(1)~(3)に示す方法を考えているところです。まず1つ目として、PFOAの異性体につきましては、PFOA関連物質に含めず、「PFOA若しくはその異性体又はこれらの塩」として、第一種特定化学物質に指定します。また(2)としてPFOA関連物質に相当する物質群のうち、化審法において例外的に使用できる用途を設ける必要がある2物質につきましては、物質の構造が特定されていることを踏まえまして、PFOA関連物質として政令に規定します。そのほかの物質群については、物質の構造が特定されていないことを踏まえまして、PFOA関連物質として外延として政令に規定し、具体的な物質群につきましては省令に別途規定します。また、そのほかのPFOA関連物質につきましては、今後開催する合同会合の意見等を聴いた上で、新設する厚生労働省令、経済産業省令、環境省令において具体的な物質群を指定する予定です。具体的な物質群については、POPRC19で示された例示的リスト案に収載されている物質の中から、こちらのマル1~マル4の要件を満たす物質群を指定することを考えています。以上で審議事項(2)の御説明を終わりとします。
○合田部会長 はい、ありがとうございます。それでは本件につきまして、化学物質調査会の座長の平林先生、何かコメント、追加等ございますでしょうか。
○平林委員 昨年12月の化学物質調査会におきまして、本件について審議しました。人健康影響関連につきましては、特に大きな議論はなかったこともありまして、調査会としては事務局の提案内容を妥当と判断したところです。以上です。
○合田部会長 はい、ありがとうございます。それでは、ただいまの事務局からの説明内容につきまして、皆様、御意見、御質問等ございますでしょうか。よろしいですか。では、特にないようですので、事務局より今後の本件の取扱いについて、御説明をいただければと思います。
○事務局 まず、今般御審議いただきました、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約新規対象物質の化学物質審査規制法第一種特定化学物質については、資料6のとおり、厚生労働大臣から薬事・食品衛生審議会に諮問されており、薬事分科会の規程において、本件諮問に係る事案は本化学物質安全対策部会において審議することになっています。
 資料3-2、「ペルフルオロオクタン酸関連物質等の化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律における第一種特定化学物質の指定について」を御覧ください。資料3-1で御審議いただいた内容に基づき、ペルフルオロオクタン酸関連物質等を第一種特定化学物質として指定したいと考えています。事務局からは以上です。
○合田部会長 はい、ありがとうございます。それでは本日御審議いただいております内容、資料3-2のとおりにするということが適当であると部会で、判断してよろしいでしょうか。御異論のある方はいらっしゃいますか。よろしいですか、それでは御了承いただいたものとさせていただきます。以上で審議事項(2)について終了いたします。
 続きまして、報告事項を先にお願いすることになっていますか。審議事項(3)をやりますか。では、審議事項(3)「ペルフルオロオクタン酸関連物質等の所要の措置について」ということで、事務局から御説明をお願いします。
○事務局 事務局でございます。審議事項(3)について御説明します。資料4-1は審議事項(3)に係る詳細な資料となっています。概要に基づき説明したいと思いますので、引き続き資料5を御覧ください。
 スライドの9ページ目となります。例外的に使用を認める第一種特定化学物質の特定用途の指定となります。前半の審議で申し上げましたとおり、ペルフルオロオクタン酸とその塩、PFOA関連物質につきましては、表に掲げる製品について除外が認められる用途となっています。これらのうち、国内において医薬品の製造を目的としたPFOBの製造のためのPFOIの使用並びに侵襲性及び埋込型医療機器の製造を目的としたPFMAの使用のための8:2FTOHの使用については、現状の技術では代替が困難なため、化審法の第25条に基づく第一種特定化学物質の使用を認める用途として指定することを考えているところです。
 続きまして、10ページ目のスライドを御説明します。取り扱う場合の技術上の基準を定める第一種特定化学物質が使用されている製品の指定となっています。PFOA関連物質につきましては、第一種特定化学物質に指定された後、その使用は限定されることとなります。しかしながら、これらの物質が使用されている製品のうち、既に在庫等の形態として存在しているものは、第一種特定化学物質に指定された後も使用が継続される可能性があります。その可能性のある主な製品としましては、消火器、消火器用消火薬剤、泡消火薬剤等が挙げられます。他方これらの製品につきましては、製造・輸入された相当数量のものが、既に全国の地下駐車場等の消火設備に設置されていることが判明していますけれども、短期間で代替製品に取り替えることは、災害時のみに使用するということを考えると、非常に困難であることと考えているところです。つきましては、消火器、消火器用消火薬剤、泡消火薬剤を、化審法第28条第2項に基づく、取り扱う場合に技術上の基準に従わなければならない製品として指定することを考えているところです。
 続きまして、最後のスライドとなります。輸入を禁止する第一種特定化学物質が使用されている製品の指定となります。PFOA関連物質につきましては、ストックホルム条約において廃絶の対象とされたことから、今後、諸外国においてもその製造・使用等が禁止される予定となっています。こうした前提におきまして、国内におけるそれまでの使用状況及び当該化学物質が使用されている主な製品の輸入状況及び海外における使用状況を調査したところです。その結果は、スライドの欄内の製品については、当該製品にペルフルオロオクタン酸とその塩、PFOA関連物質が使用されていることを踏まえまして、これらの物質が含まれている場合に、輸入を禁止する措置を講じることが適当であると考えています。概要の説明は以上となります。
 これらの内容等を踏まえまして、本年1月15日開催の化学物質調査会等の3省合同審議会で、第一種特定化学物質の所要の措置について御了承いただいたため、本部会でも御審議いただきたいと考えています。事務局の説明は以上です。
○合田部会長 はい、ありがとうございます。それでは調査会の座長の平林先生、何かコメント等はございますでしょうか。
○平林委員 本年1月の化学物質調査会において、本件について審議しました。人健康影響関連につきましては、特に大きな議論はなかったこともあり、調査会としては事務局の提案内容を妥当と判断したところです。以上です。
○合田部会長 ありがとうございます。それでは、ただいまの事務局からの説明内容について、御質問、御意見等ございますでしょうか。皆様よろしいですか。では、特にないようですので、本件についての質疑を終わらせていただきます。
 事務局より本件の取扱いについて説明をお願いします。
○事務局 まず、今般御審議いただきました、ペルフルオロオクタン酸関連物質等の所要の措置につきましては、資料6のとおり、厚生労働大臣から薬事・食品衛生審議会に諮問されており、薬事分科会の規程において、諮問に係る事案は化学物質安全対策部会において審議することになっています。
 資料4-2のペルフルオロオクタン酸関連物質等の所要の措置について(答申案)を御覧ください。資料4-1で御審議いただいた内容に基づいて、所要の措置についてまとめたいと考えています。事務局からは以上です。
○合田部会長 皆様、資料4-2を見ていただいて、本日審議いただいた内容につきまして、この4-2のとおりにすることが適当であると判断してよろしいでしょうか。皆様よろしいですか。特に御異論がないようですので、本件について承認させていただきます。
 続きまして、事務局から今後の手続きについて説明をお願いします。
○事務局 本日御審議いただき、御了承いただいた2つの審議事項については、薬事分科会の規定に従って、次回の薬事分科会で報告させていただきます。また、パブリックコメント等の所要の手続を踏まえた上で、政令改正を行う予定にしています。以上です。
○合田部会長 ありがとうございます。本日の審議事項は以上です。続きまして報告事項です。1つ目の報告事項は、化審法の審査の審査状況です。事務局より説明をお願いします。
○事務局 報告事項について御説明します。化審法に基づく審査状況につきまして、資料7と参考資料13を御覧ください。本資料では、令和5年3月以降の薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会における化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に基づき行われた、新規化学物質、一般化学物質、優先評価化学物質及びそのほかの物質の審査状況をまとめています。なお、令和5年1月の会議までの審査状況につきましては、令和5年2月に開催されました化学物質安全対策部会にて報告しています。
 まず、新規化学物質に係る審査状況について御説明します。事業者が新規化学物質を製造又は輸入する場合は、事前に人健康影響、生態影響、分解性、蓄積性についての審査を行うこととなっています。審査は化審法を共管する経済産業省及び環境省との3省合同の審議会で行っており、厚生労働省では、人健康影響に関する部分を担当しています。1ページ目の新規化学物質に係る審査状況に記載しているのは、調査会にて審査された新規化学物質と、そのうち特定新規化学物質相当と判定された物質の数を表にまとめたものです。
 なお、特定新規化学物質という区分は、平成29年の化審法改正において新たに設けられた区分でして、環境排出量が少ないため優先評価化学物質には該当しませんが、著しく毒性が強い物質の不用意な環境排出を防止するために設けられた区分となります。約1年間で171物質の審査を化学物質調査会で実施したうち、特定新規化学物質相当と判定された物質は6物質ありました。
 続きまして、次のページにスクリーニング評価とリスク評価に関して表でお示ししているところです。まず、リスク評価の流れについて御説明します。参考資料13を御覧ください。一般化学物質が約3万物質ありまして、そのうち製造や輸入に係る届出が必要な化学物質が、約1万3,000物質あります。そのうち、スクリーニング評価を行って、相当程度環境中に残留し、人、動植物への毒性が明らかでないと評価されたものについては、優先評価化学物質に指定されます。また、優先評価化学物質に指定された物質については、リスク評価を行い、蓄積性は示さないものの難分解性で、環境中に残存し、人の健康や動植物の生育等にリスクがあると評価されたものについては、第二種特定化学物質に指定されるといった流れとなります。
 資料7に戻っていただき、1ページ目の一般化学物質のスクリーニング評価の実施状況を御覧ください。一般化学物質のスクリーニング評価の実施状況につきまして、人健康影響及び生態影響の観点で、毎年300~350前後の物質のスクリーニング評価を行っており、そのうち人健康の観点から7物質、生態影響の観点から3物質が優先評価化学物質相当と判定されています。
 3ページ目の人への評価資料7の別紙1には、令和5年2月に開催されました化学物質安全対策部会後に、優先評価化学物質に指定された物質の一覧等を記載しています。資料7の2ページ目で、優先評価化学物質の人健康に係るリスク評価(一次)評価Ⅱ等の実施状況に関する表を御覧ください。人健康の観点から、優先評価化学物質に指定されている1物質について、リスク評価(一次)評価Ⅱを行っています。リスク評価に係る概要は、別紙2として、4ページ目に記載しています。化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に基づく審査状況に関する御報告は以上となります。
○合田部会長 ただいまの内容につきまして、御意見等ございますでしょうか。非常につまらないところですけれども、間違いを見つけてしまいまして、資料7の別紙1のエクセルの表ですけれど、Nがイタリックになっているのとなっていないのがあります。どちらかに揃えるのかなと思いますけれど。ほかに何かありますか。よろしいですか。では、本日の議題は以上です。ほかに事務局から何かございますか。
○化学物質安全対策室長 事務局です。本日の議題はこれ以外ございません。次回の開催につきましては、日程調整の上、御連絡させていただきたいと思います。
○合田部会長 それでは、以上で化学物質安全対策部会を終了といたします。委員の先生方、御協力どうもありがとうございました。
( 了 )
備考
本部会は、公開で開催された。

照会先

医薬局

化学物質安全対策室 室長補佐 小川(内線2910)